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街なか居住再生ファンド のご案内

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街なか居住再生ファンド のご案内
街なか居住再生ファンド
のご案内
社団法人
全国市街地再開発協会
街なか居住再生ファンド
1.「街なか居住再生ファンド」とは
「街なか居住再生ファンド」とは、平成 17 年度の国の予算で創設された都市の中心部への
居住を推進するための新しい制度です。中心市街地等で行われる民間の多様な住宅等の整備事
業を対象とし、それらの事業を主な目的として設立される会社(一般的にSPCという。)に
対し出資を行うことにより支援します。
モータリゼーションの進展と市街地の郊外への拡大により、地方都市の中心市街地が衰退
中心市街地の活性化のためには、商業だけでなく、居住や
公共公益サービス等のバランスのとれた市街地の再生が必要
特に、定住人口を確保するため、街なか居住の再生が重要
街なか居住再生ファンドの創設
■シャッターの降りた商店街
■青空駐車場等低未利用地が散在
■街なかでの住宅供給の促進
2.制度の概要
①対象地域
中心市街地の活性化に関する法律に基づく国の認定を受けた基本計画区域に該当する地区
を対象とします。ただし、上記の認定を受けていない地区についても、平成 21 年 8 月 21 日ま
で次に掲げるすべての条件に該当すれば出資対象となります。
イ. 改正前の中心市街地活性化法に基づき市町村が作成する基本計画で定める中心市街地の区域又は、街なか居住の再生を図る
べき区域として市町村の計画に位置付けられた区域
ロ. 昭和 35 年国勢調査による人口集中地区(ただし、昭和 35 年に人口集中地区が設定されていない場合については、人口集中
地区の基準を満たすとみなされる地区)
ハ. 平成 12 年人口の平成2年人口に対する減少率が5%以上である地区
②対象事業
街なか居住の再生に資する住宅等の整備事業(既存建築物の改修によるものを含み、原則と
して当該事業により整備される床面積の合計の1/2以上を住宅とするものに限ります。
)
③対象事業者
土地所有者や不動産事業者により、対象事業を主な目的として設立される合同会社、株式会社、特定目的会社等
-1-
④支援方法
次のいずれかとし、対象事業へは信託会社を通じて出資します。
イ. 地域ファンド方式
一定地域を対象として、街なか居住再生ファンド及び地方公共団体等の資金(地域住宅
交付金及びまちづくり交付金の提案事業として行う事業資金も該当します。)を信託し、信
託会社が対象事業に対して出資を行います。ただし、街なか居住再生ファンドが信託する金
額は、信託される資金総額の 50%を越えないものとします。
■地域ファンド方式のスキーム(例)
(社)全国市街地
再開発協会
補助
国
特別会計
信託
街なか居住
再生ファンド
信託
受益権
信託会社
(信託勘定)
出資
協議
同時一体的運用
地方公共団体
補助等
民法第34条法人等
特別会計
地域金融機関
等
出捐
個別
プロジェクト
A
配当
・回収
出資
○○地域街なか
居住再生ファンド
(地域ファンド)
個別
プロジェクト
B
信託
配当
・回収
信託
受益権
ロ. 直接支援方式
地方公共団体が対象事業に対して独自の助成注)(地域住宅交付金及びまちづくり交付金の
提案事業として行う事業補助も該当します。
)を行う場合に、街なか居住再生ファンドの資金
を信託し、信託会社が対象事業に対して出資を行います。なお、街なか居住再生ファンドの
出資額が総事業費の 25%を超える場合は地方公共団体等による同等以上の支援が必要です。
■直接支援方式のスキーム(例)
(社)全国市街地
再開発協会
国
補助
信託
信託会社
(信託勘定)
特別会計
街なか居住
再生ファンド
出資
信託
受益権
配当
・回収
個別プロジェクト
(A県○○市)
支援
(補助等)
出資
配当
・回収
個別プロジェクト
(B県△△市)
支援
(補助等)
地方公共団体
地方公共団体
(A県、○○市) (B県、△△市)
注)街なか居住の再生を 図るための地方公共団体独自の助成制度の例
家賃補助
建設費補助
改修費補助
無利子・低利融資
利子補給
共同化促進費補助
民間賃貸住宅入居者に対する家賃補助
住宅建設費に対する補助
オフィスビル等の住宅への転用費用に対する補助
住宅建設資金に対する無利子・低利貸し付け
住宅建設・取得資金に対する利子補給
共同建替え等に対するコンサル派遣等の費用に対する補助
⑤対象事業者に対する出資額
街なか居住再生ファンドの出資額は、市街地再開発事業等の市街地整備費で補助対象となっている額(事
業費の概ね 30%相当になるものと思われます。
)を上限とし、土地所有者等の出資額、民間金融機関からの
借入可能額を勘案して決定します。ただし、出資を受ける対象事業者における出資総額の50%未満とします。
-2-
特定目的会社(TMK)型事業スキーム(例)
特定目的会社(TMK)
⑤工事発注
建設会社
④ノンリコースローン
特定社債
⑤建物引渡し
デット
特定資産管理
業務受託者
ノンリコースローン
エクイティ投資家
③出資
不動産会社
一般投資家 等
④元利金償還
⑥管理委託
⑦マスターリース
金融機関 不動産
⑦賃料
③配当
一般投資家等
特定社債
⑦賃貸 ⑦賃料
優先出資1号
エクイティ
③出資
街なか居住
再生ファンド
信託会社
優先出資2号
③配当
③出資
入居者
優先出資3号
③配当
特定資本
②借地契約
②一時金・地代
①特定出資
土地所有者
(個人・法人)
①設立
∼
∼ 倒産隔離
中間法人
(借地の場合)
<TMK型事業スキームの特徴>
○ 特定目的会社(TMK)を事業の実施主体とします。
○ 資産流動化法の手続きが必要です。
○ 不動産特定共同事業法の適用外です。
-3-
合同会社SPC型事業スキーム(例)
SPC(合同会社:GK+TKスキーム)
④ノンリコースローン
⑤工事発注
建設会社
金融機関
⑤建物引渡し
デット
信託会社B
⑥建物・借地
権の信託
④元利金償還
ノンリコースローン
エクイティ投資家
⑥信託受益権
③匿名組合出資
信託受益権
一般投資家等
③配当
⑦マスター ⑦賃料
リース
匿名組合出資1号
不動産会社
エクイティ
街なか居住
再生ファンド
③匿名組合出資
信託会社A
匿名組合出資2号
③配当
⑦賃貸 ⑦賃料
土地所有者
(個人・法人)
③匿名組合出資
匿名組合出資3号
入居者
③配当
②借地契約
①設立
②一時金・地代
∼
∼ 倒産隔離
中間法人
①SPC設立
(借地の場合)
<合同会社SPC型事業スキームの特徴>
○ 合同会社SPCを事業の実施主体とします。
○ 出資は匿名組合出資とするため、二重課税を回避できます。
○ 資産は信託受益権であるので、不動産特定共同事業法の適用外です。
○ 信託報酬が必要です。
-4-
スキームの基本的考え方
想定される対象事業者の設立パターン
① 地域の不動産会社等が設立するパターン
② 個人地主が地域の不動産会社の協力を得て設立するパターン
③ 土地所有者等が共同で設立するパターン
当スキーム活用のメリット
① 街なか居住再生ファンドが出資することにより、エクイティ部分の円滑な資金調
達が可能となります。開発段階での資金調達にも有効です。
② 事業者は、少ない投資で事業リスクを分散して事業を実施することができます。
③ 土地の担保力では、工事費の調達が不足する場合、当スキームを活用することで
必要な資金調達が可能となります。
④ 街なか居住再生ファンドが出資することで、事業スキームの信用力が補完されます。
⑤ 地域の一般投資家、地域金融機関などに、身近な事業を対象とした投資の機会を
提供できます。
⑥ 地域の不動産会社や建設会社等にとって、フィービジネスなど新たなビジネスチャン
スが生まれます。
ファンド回収の考え方
① 事業者による経営を継続させることを前提として、一定期間後に「リファイナン
ス」又は「売却(ファンドの再組成)
」を行うことを想定します。
② 街なか居住再生ファンドについては、リファイナンス時等に、可能な場合は出資
分を回収するものとします。ただし、必要な場合は出資を継続するものとします。
土地所有者、街なか居住再生ファンド、一般投資家の優先劣後関係
① 不動産の証券化の基本に則った優先劣後関係とします。
② 街なか居住再生ファンドの出資条件については、対象事業毎に定めます。
③ 街なか居住再生ファンドの出資分は、土地所有者等出資分よりは優先するものと
します。
倒産隔離
原則として、中間法人等を設立して倒産隔離を行っていただきます。
-5-
街なか居住再生ファンドQ&A集
1 地域要件等
Q1
対象地域の確認はどのようにしたらよいですか?
A1 「中心市街地の活性化に関する法律」に基づく国の認定を受けた基本計画は、所管の地
方公共団体で確認ができます。
Q2 「中心市街地の活性化に関する法律」に基づく国の認定を受けていない地区では、利用
できないのでしょうか?
A2 「改正中心市街地活性化法」の施行(平成 18 年 8 月 22 日)から経過措置として3年間(平
成 21 年 8 月 21 日まで)、従前の対象地域の要件を満たせば利用することができます。
Q3
地方都市の中心市街地活性化を目的としたファンドと聞きましたが、東京、神奈川など
首都圏においても、このファンドは利用出来るのでしょうか?
A3
対象地域の要件を満たしていれば、首都圏でも利用可能です。
Q4
既にある地方公共団体の独自の助成策を知りたいのですが?
A4
再開発協会が現在把握している地方公共団体の独自の助成策は 9∼12 頁のとおりです。
Q5
現時点では、地方公共団体の独自の助成策が制度化されていないのですが、このファン
ドは利用出来ますか?
A5
今後の助成策の制度化予定(見込み)などについて、再開発協会が地方公共団体に照会
の上、回答させていただきます。現時点で制度を設けていなくても、今後制度が設けら
れる可能性がありますので、まずは、再開発協会までご相談ください。
Q6
国の補助事業となる地方公共団体からの補助金の交付を受けることとしています。この
補助金を、地方公共団体の独自の助成策として扱うことは出来ますか?
A6
市街地再開発事業など、国の補助事業となる地方公共団体の補助金については、地方公
共団体の独自の助成策とはみなしません。ただし、地方公共団体が上乗せ補助を行う場
合は、その上乗せ分については独自の助成策として扱うことが出来ます。
2 建物要件
Q1
住宅の形式(戸建、共同など)、構造(準耐火、耐火など)及び規模に制限はありますか?
また、住宅の種類(ワンルーム、高齢者向けなど)に制限はありますか?
A1
原則として、形式、構造及び規模に制限はありません。また、住宅の種類について
も制限はありません。分譲、賃貸いずれも対象となります。
-6-
Q2
分譲住宅+非住宅(テナント)の複合ビルで、住宅部分は事業者が処分し、非住宅部分のみ取
得しテナント事業を行う SPC 等に対する出資は可能ですか?
A2
住宅部分の床面積が事業全体の床面積の1/2以上あれば、住宅部分を事業者が処分し、
非住宅のみ取得しテナント事業を行う SPC 等への出資も可能です。
Q3
一体であるA棟(住宅)B棟(非住宅)プロジェクトがあります。A棟B棟の床面積の合計
の 1/2 以上が住宅であれば、B棟(非住宅)を取得する SPC 等への出資は可能ですか?
A3
合理的な根拠により、A棟およびB棟のプロジェクトが一体であることが確認でき、か
つ、A棟B棟の床面積の合計の1/2以上が住宅であれば、B棟(非住宅)を取得する SPC
等への出資は可能です。
3 出資条件
Q1
1 案件あたりの出資額に上限はありますか?また、概ねの出資額可能が知りたいのです
が?
A1
街なか居住再生ファンドの出資額は、市街地再開発事業等の市街地整備費で補助対象と
なっている額を上限とし、かつ、出資をうける対象事業者における出資総額の50%未
満としています。出資額の絶対的な金額上限(具体金額)は定めていません。また、以下
の簡便法により、出資可能額を簡単に求めることができます。詳しくは再開発協会まで
ご相談ください。
<出資額算定の簡便法>
住宅部分に係る建設費に低層建築物、中層建築物及び高層建築物の区分に応じてそれ
ぞれ次の表に定める数値を乗じることにより算定ができます。
区分
住宅部分に係る建築費に乗ずる数値
低層建築物(地上階数2階以下の建築物)
100分の20
中層建築物(地上階数3以上5以下の建築 100分の30(但し、階段室型住
物)
棟部分にあっては100分の20)
高層建築物(地上階数6階以上の建築物)
100分の30
[取扱例1]
【図1】
図1のような、賃貸住宅+非住宅(テナント)のビル 出資対象事業者:
で 、 当 該 ビ ル 全 体 の 床 を 取 得 し て 賃 貸 事 業 を 行 う ビル全体の床を取得し、
SPC,TMK 等に対する出資額の上限は、
全体の事業費の内、 賃貸事業を行う株式
13 頁の市街地整備費を積上げて算定した額(注)(簡便 会社等(SPC、TMKなど)
法の場合は、住宅部分に係る建設費×30%)になります。
ただし、出資総額の 50%未満としています。
(注)出資希望額まで積上げるのに十分な項目だけ算定
しても結構です。
-7-
賃貸住宅
非住宅(テナント)
[取扱例2]
図2のように、分譲住宅+非住宅(テナント)のビル 【図2】
で、住宅部分を処分し、非住宅床を取得してテナント事 出資対象事業者:
業を行う SPC,TMK 等の場合においても、住宅部分の床面 非住宅部分を取得し、テナン
積が全体の 1/2 以上あれば、非住宅部分のみを取得する ト事業を行う株式会社等
SPC 等への出資が可能です。その場合の出資額の上限は、 (SPC、TMKなど)
当該ビル全体の事業費の内、市街地整備費を積上げて算
定した額(注)になります。
なお、この場合も、簡便法を用いて SPC、TMK 等が保有
しない分譲住宅部分に係る建設費×20∼30%で算定する
ことが可能です。ただし、SPC 等への出資総額 50%未満
としています。
(注)出資希望額まで積上げるのに十分な項目だけ算定しても結構です。
Q2
13 頁を参照してください。
Q3
街なか居住再生ファンドが求める配当利回りは?
Q4
A4
(→処分)
非住宅(テナント)
市街地再開発事業等の市街地整備費で補助対象となっているのは、どのようなものです
か?
A2
A3
分譲住宅
一律の基準は設けていませんが、案件毎の個別協議となりますので、詳しくは再開発協
会までご相談ください。
出資の期間に定めはありますか?
特に期間の定めはありませんが、案件毎の個別協議となります。なお、出資期間終了後
の出口戦略を、提示して頂いております。詳しくは再開発協会までご相談ください。
4 その他
Q1
A1
街なか居住再生ファンド取扱信託会社の窓口で、街なか居住再生ファンドの具体的な相
談はできますか?
基本的にはできません。再開発協会までご相談ください。
-8-
街なか居住に関する地方公共団体の独自支援制度(例)
都道府県
北海道
岩手県
山形県
栃木県
市町村名
小樽市
施策名称
若年者定住促進家賃補助制
度
概要
家賃補助
市外から市内の中心市街地に存する民間
賃貸住宅に転居するなど一定の要件を満
たす新婚世帯に対して、月額2万円を上限
に36ヶ月間の家賃補助を行う。
中心市街地再生事業補助金
補助
函館市
西部地区ヤングカップル住ま
いりんぐ支援事業
家賃補助
北竜町
町並み整備建築奨励事業
盛岡市
固定資産税・都市計画税の
減額
優良建築物等整備事業を導入して建築し
不均一課税 た建築物を新たに課税される年度から5年
間、税額の1/3を減免。
酒田市
酒田市住宅改善支援事業
①持家住宅建設資金貸付 省略
②中心市街地内での賃貸住宅の建設資
金貸付
無利子融資 中心市街地の居住誘導を促進するた
め、中心市街地に建設する賃貸住宅の新
築、増築工事に無利子で建設資金を貸し
付ける。
宇都宮市
特定優良賃貸住宅及び高齢
者向け優良賃貸住宅の供給
促進事業
渋川市
借上賃貸住宅事業
備考
まち中居住等促進事業
・民間事業者が中活法基本計画の重点地
域内に、共同住宅を整備し一定の条件を
満たしている事業に対して、住宅部分に関
わる建築費に一定の定率を乗じた金額の
補助を行う。
函館市西部地区(まちなか)の民間賃貸住
宅に入居する新婚世帯に対して家賃の一
部を補助することにより西部地区における
若年層の定住を促進し、活力あるまちづく
りを進める。
岩見沢市
若年夫婦世帯家賃補助事業
群馬県
支援手段
市街地地域における空き地解消のため、
定められた地域内に住宅か店舗を建築し
た場合に助成金を交付する。
補助
国庫補助制度
建設費補助金
に対する割増
補助
「宇都宮市中心市街地活性化基本計画」
で定める中心市街地の区域内において、
特優賃・高優賃の認定を優先して取り扱う
とともに、認定基準の緩和と建設費補助
金の割増補助を実施(住戸専用面積1㎡
あたり1万円の割増)
家賃補助
「宇都宮市中心市街地活性化基本計画」
で定める中心市街地の区域内の民間賃
貸住宅に、区域外から転居または転入し
た一定の収入基準以下の夫婦(いずれも
40歳未満)の世帯に、家賃の一部を補助
するもの。実質家賃額の1/2かつ月額3万
円を限度とし、5年間補助
家賃補助
中心市街地の活性化を目的に、人口の定
住化を図るため、民間賃貸住宅を市が借
り上げるとともに、入居者に家賃の助成を
行う。
1戸当り建設工事費の80%
以内で、20万円以上200
万円以内金額(5年以内の
返済)
勤労者住宅資金
・市内に居住または勤務先を有する勤労
※融資金利が市中金融機
者で市内の自宅の用に供するもの。新
関の金利よりも低いことが
築、増改築、新築住宅購入する際にその
要件。
資金の一部(1000万円を限度)を融資す
る。
伊勢崎市
中小企業者・勤労者の融資
制度
埼玉県
川越市
高齢者住宅保証制度
家賃保証
住宅保証の決定を受け、市内の民間住宅
の賃貸借契約を締結した後に、家賃を滞
納した場合、その年度の3ヶ月分迄の滞
納した家賃を市で保証する。
千葉県
市原市
市原市住宅建設資金利子補
給事業
利子補給
公庫又は金融機関から融資を受けた持
家建設者に対し、借入金に対する支払
利子の一部を補給する。
融資
-9-
都道府県
市町村名
施策名称
支援手段
概要
備考
山梨県
甲府市
まちなか居住再生プラン
補助
まちなか区域内において「人口増加」「都
市再生」の課題に対し、中心街における共
同住宅の建設・改修への補助等を行う。
・2人以上の1世帯に対し家賃補助(月額1
万円、助成開始36ヶ月)
・3人以上関係権利者による共同事業の
土地の統合の基本計画等作成費補助
(2/3以内かつ100万円限度)
長野県
長野市
長野市マイホームづくり資金
融資
融資
住宅を新築・購入・増改築する際にその資 ※融資金利が市中金融機
金の一部(購入の場合600万円を限度)を 関の金利よりも低いことが
融資する。
要件。
岡谷市
住宅新築促進補助金
補助
自ら居住するために市内に住宅を新築ま
たは取得した場合に、住宅に課せられる
固定資産税の軽減額相当を補助(3年間
のみ)
マイホーム建設等促進補助金
利子補給
自ら居住するために市内に住宅を新築ま
たは取得した場合に、500万円までの借入
金の利子額を補助(借入後最初の1年の
み)
共同住宅建設等促進補助金
利子補給
市内に賃貸住宅を新築又は改良した場合
に借入金の利子額の30%を補助(完成
後の1年間のみ)
新婚世帯定住促進助成
家賃補助
市内の民間賃貸住宅に入居する新婚世
帯に対して家賃を年12万円2年間を限度
に助成
補助
中心市街地において、良好な都市環境創
出に伴う良質な共同住宅を建設する者
に、助成を行う。助成期間:単年度、助成
率・助成限度額:1/2かつ100万円以内
新潟県
新潟市
新潟市都心居住促進活動助
成事業
富山県
富山市
まちなか居住推進事業制度
まちなか住宅・居住環境指針の要件を満
たした、住宅の建設及び購入、賃貸した者
に対して支援を行う。
まちなか住宅取得支援事
業
補助
まちなかで一定水準以上の一戸建て住宅
を建設又は購入される方、又は、一定水
準以上の分譲住宅を取得される方に、50
万円/戸を限度として補助。
まちなか住宅家賃助成事
業
補助
まちなか以外からまちなかの賃貸住宅へ
転居される世帯に家賃1万円/月を3年間
を限度として補助
まちなか共同住宅建設促
進事業
補助
まちなか住宅・居住環境指針に適合する
共同住宅を建設される方に100万円/戸
を補助
まちなか優良賃貸住宅補
助事業
補助
国の制度である高齢者向け優良賃貸住
宅・特定優良賃貸住宅で、まちなか住宅・
居住環境指針に適合するものについて、5
0万円/戸を補助
まちなか住宅併設店舗等
整備支援事業
補助
まちなか住宅・居住環境指針に適合する
共同住宅を建設する際に、低層階に店
舗、医療・福祉施設等を併設して建設され
る方に、2万円/㎡を限度として補助
補助
計画アドバイザーの派遣、計画策定に要
する費用の一部を補助することにより、地
元住民が主体となるまちづくり計画の策定
を100万円/件を5年累計限度として補助
まちづくり計画策定支援事
業
- 10 -
都道府県
石川県
市町村名
金沢市
施策名称
支援手段
概要
まちなかにぎわい街道定住促
進事業
補助
まちなかに都心にぎわい再生区域を設定
し、当該区域のオフィスビルの住宅への改
修等に対して支援
1戸あたり200万円(限度額1億円/棟)
中心市街地の一定の区域を「まちなか区
域」に定め、その区域で住宅の建築等に
対して財政的な支援を行う。(以下詳細)
まちなか定住促進事業
補助
2戸以上の共同住宅(1戸あたり50㎡以
上)の建設に対し、1戸あたり100万円の
定額助成
まちなか住宅団地整備費
補助
補助
まちなか住宅建築奨励金の基準に適合す
る住宅を建設する住宅地の整備(開発行
為)に対し、道路用地費と工事費を補助
補助率 1/2
減歩率が3割以上の時は2/3
まちなか特定優良賃貸住
宅建設費補助
(まちなか区域の特優賃建
設の市単上乗助成)
補助
まちなかに限り、通常の補助金のほか、
景観整備費(2/3)や、セットバック市道整
備費(全額)対し助成
まちなか高齢者向け優良
賃貸住宅整備費補助
(まちなか区域の高優賃建
設の市単上乗助成)
補助
まちなかに限り、通常の補助金のほか、
セットバック市道整備費(全額)や、1戸あ
たり70万円(高福祉型は100万円)の定額
助成
まちなか住まい共同計画
作成補助
補助
住民の共同建替計画に対しアドバイザー
を派遣するとともに、設計費に対して補助
補助率 1/2 (限度額100万円)
定期借地権活用促進制度
補助
定期借地権を活用し、住宅を建設する場
合、手続費用等に対し補助
補助率 1/2 (限度額20万円)
まちなか共同住宅建設費
補助
福井県
岐阜県
福井市
都心居住推進区域内で共同住宅等の支
援を行う。
ウララまちんなか住まい事業
分譲共同住宅購補助
補助
居住用に新築分譲共同住宅を購入する方
に、1戸あたり100万円を補助。
賃貸共同住宅建設補助
補助
賃貸共同住宅を建設する事業者に、1戸
あたり100万円を補助。
高齢者優良賃貸住宅建設
補助
補助
高齢者世帯等のため共同住宅の建設事
業者に、住宅共同施設部分等の整備費の
2/3等の建設補助。
特定優良賃貸住宅建設補
助
補助
中堅所得者のため共同住宅の建設事業
者に、住宅共同施設部分等の整備費の
2/3等の建設補助。
大野市
城下町おおの定住促進事業
補助
中心市街地での住宅取得、共同住宅建築
に対し、1戸あたり最大100万円を補助。
飛騨市
住宅建設等促進助成金
補助
新しく市内に世帯を築くために住宅の建
設・購入をした者に対し、その宅地・住宅
に係る固定資産税相当額を3年間キャッ
シュバック
補助
若者の定住と中心市街地活性化地域居
住を図るため、U・I・Jターン就職をした35
歳未満の若者世帯に月額家賃等15千円
(1/3以内)限度に最大3年間補助。
高山市
高山市若者定住促進事業
- 11 -
備考
都道府県
兵庫県
施策名称
支援手段
概要
尼崎市
ファミリー世帯向け支援事業
*尼崎市ファミリー世帯持家
取得資金利子補給制度
*尼崎市ファミリー世帯民間
賃貸住宅住替家賃補助制度
利子補給
家賃補助
ファミリー世帯の市内定着と居住水準の
向上を図り、都市の活性化とバランスのと
れた定住人口の確保に資する。
相生市
相生市若者世帯住宅取得促
進奨励金交付要綱
補助
若者の定住と人口増加を図り市勢の発展
と若者が集う活力と魅力ある街づくりのた
め40歳未満の若者世帯に奨励金を交付
する。
三木市
新婚世帯家賃補助制度
家賃補助
(市外からの転入者の場合
市内の良質な民間賃貸住宅に入居する新
1万円、市内転入者は5千
婚世帯に対して家賃の一部を補助する。
円、最長36ヶ月)
朝来市
民間賃貸住宅家賃助成制度
家賃補助
新築後、5年間、民間賃貸住宅の入居者
に対して月額家賃の20%を助成する。
補助
空家・空地の提供者と利用希望者の仲介
を行う。提供者には住宅修繕費の一部を
助成する。
利子補給
初めての自己居住用の住宅を取得した場
合、借入金の利子の一部を補給する。
不均一課税
岡山市税賦課徴収条例に基づき、非住宅
の1/3を減額
市町村名
空家空地活用促進事業
住宅新築資金利子補給制度
岡山県
岡山市
固定資産税の減額
広島県
広島市
労働金庫住宅資金融資制度
利子補給
市内に居住するか勤務先がある勤労者に
対し、融資額のうち600万円について3年
間0.5%利子補給する。
山口県
宇部市
屋上等緑化推進事業補助金
補助
建築物の屋上等の全部又は一部に緑化
区画を設ける事業に対し、補助を行う。
愛媛県
福岡県
佐賀県
今治市
今治市まちなか居住促進事業
補助
まちなかの区域内において、良質な賃貸
共同住宅、分譲共同住宅を建設する者に
対し、限度額1戸当たり100万円、1事業主
当たり1000万円を補助する。
西予市
(野村町)
西予市野村町ふるさと定住奨
励金
補助
定住する者が住宅を建築、購入したとき及
びUターン、Iターンしようとする高齢者及び定
住する高齢者が住宅を修繕したときに住
宅取得奨励金を支給する。
福岡市
共同化促進助成制度
補助
都心部等において、土地所有者が敷地の
共同化を図り、住環境の整備を行おうとす
る場合に、コンサルタントの派遣や建設費
の一部を助成
ファミリー向け優良分譲住宅
供給事業制度
補助
博多部で民間事業者が福岡市の認定す
るファミリー向け住宅を供給すると建設費
の一部を助成
博多部埋蔵文化財調査助成
制度
補助
博多部で民間事業者が福岡市の認定す
るファミリー向け住宅を供給すると埋蔵文
化財調査費の一部を助成
利子補給
市内の住宅購入者の住宅購入借入金に
対する利子補給(5年間1%、ただし市外
からの転入者は5年間2%)
補助
人口増加施策として、町外から町内に転
入し、住宅新築者等に対し奨励金の支給
を行う。町外からの転入促進と町民の定
住化を図り、町の活性化に寄与することを
目的とする。
北九州市
北九州市住まい支援事業
唐津市
相知町「ふるさと定住促進条
例」
備考
注 1.平成 18 年 7 月現在
注 2.国土交通省作成(平成 17 年 5 月現在)を基に当協会で作成
注 3.この表の独自支援制度例は、現在把握している一例を掲載したものですので、これ以外の支援制度、地方公共
団体で現在作成中または作成予定の支援制度もありますので、この表の有無にかかわらず当協会までご照会く
ださい。太字で記載されている制度は、街なか居住再生ファンドの要件として認められた地方公共団体による
独自の助成制度です。なお、現在、計画されている事業に摘要される否かの確認は別途必要となります。
- 12 -
市街地再開発事業等の市街地整備費で補助対象となる費用
以下の表に掲げる調査設計計画、土地整備及び共同施設整備の合計額が出資額の上限となります。
イ 調査設計計画
(1)事業計画作成費
ロ 土地整備
(2)地盤調査費
(3)建築設計費
(4)権利変換計画策定費
(1)建築物除却等費
(2)仮設店舗等設置費
(3)補償費等
(1)空地等整備費
ハ 共同施設整備
(2)供給処理施設整備費
(3)その他の施設整備費
①現況測量、現況調査、権利調査及び調整に要する費用
②基本設計費
③敷地設計費
④公共施設設計費
⑤資金計画作成費
⑥環境アセスメント費
①通路整備費
②駐車施設整備費
③児童遊園整備費
④緑地整備費
⑤広場整備費
⑥2号施設整備費
⑦地区防災施設整備費
①給水施設整備費
②排水施設整備費
③電気施設整備費
④ガス供給施設整備費
⑤電話施設整備費
⑥ごみ処理施設整備費
⑦情報通信施設整備費
⑧熱供給施設整備費
①共用通行部分整備費
②防災性能強化工事費
③防災関連施設整備費
④防音・防振等工事費
⑤社会福祉施設等との一体的整備費
⑥立体的遊歩道及び人工地盤施設整備費
⑦公共用通路整備費
⑧駐車場整備費
⑨機械室(電気室を含む。)整備費
⑩集会所及び管理事務所整備費
⑪高齢者等生活支援施設整備費
⑫子育て支援施設整備費
⑬避難設備設置費
⑭消火設備及び警報設備設置費
⑮監視装置設置費
⑯避雷設備設置費
⑰電波障害防除設備設置費
⑱共用搬入施設整備費
⑲歴史的建築物等再生費
⑳特に国土交通大臣が承認したもの
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用語解説
エクイティ: 自己資本の意味。資産総額から負債総額を引いたもの。株式などの発行や組
合出資による資金調達分を指す。
デット:
負債の意味。社債などの発行や借入による資金調達分を指す。
ノンリコースローン:債務履行責任範囲を貸付の担保となっている資産に限定した貸付(非
遡及貸付)。債務不履行が発生した場合でも、債務者の他の資産への債務履
行請求は行われない。
マスターリース:建物所有者から賃借(リース)した賃借人が、さらに別のテナント等(転
借人)に対し転貸借する場合の建物所有者と賃借人とのリース契約を指す。
リファイナンス:事業者による経営の継続を前提に、新規に資金調達を行うための資金の借
り換えのこと。
SPC:
特別目的会社(Special Purpose Company)といい、単一の事業目的で設立
される会社で、TMKも含まれる概念。
TMK:
特定目的会社といい、資産の流動化に関する法律に規定された、資産を流動
化することを目的に設立される会社で、法人格を有する。
GK+TK:
合同会社(GK)と匿名組合(TK)を組み合わせたスキームのこと。
信託:
現金や土地等の財産(信託財産)の所有者(委託者)が、一定の目的(信託目的)
に従った運用や管理あるいは処分を信頼できる第三者(受託者)に委託する
こと。
信託受益権: 受益者が信託財産から生じる収益(信託配当)を受け取る権利(収益受益権)
と、信託が終了した時に元本である財産の返還を受ける権利(元本受益権)の
二つの権利をいう。
倒産隔離:
SPCをオリジネーター(資産の原保有者)等から法的・会計的に切り離して
倒産等の影響を排除し、かつ、SPC自身の倒産可能性の排除を行うこと。
中間法人(有限責任中間法人)
:有限責任中間法人の設立に際しては 300 万円以上の基金の
拠出が必要となるが、社員(団体の構成員)は基金の拠出を義務付けられて
いないので、基金拠出者と議決権を有する者(社員)とを切り離すことができ
る。この性質を利用して、事業スキーム上の倒産隔離を図る。社員には、会
計士、弁護士がなることが多い。
特定資本:
特定目的会社(TMK)設立に際し必要となる資本金(最低 10 万円)を指す。
特定資産管理業務受託者:特定目的会社(TMK)の委託に基づき、不動産等の管理及び処
分に係る業務を行う者。
特定社債:
特定目的会社(TMK)が発行する社債のこと。
特定出資:
特定目的会社(TMK)設立に際し発起人が払込みを行った出資のこと。特
定出資分が特定資本となる。
優先出資:
特定目的会社(TMK)への出資の一形態。配当及び残余財産の分配が特定
出資より優先されるが、議決権に制限がある。
匿名組合出資:出資者(匿名組合員)が相手方(営業者)の営業(匿名組合の事業)のため
に行う出資のことを指し、経営の一切を営業者に委ね、営業より生じる利益
の分配を受けることを約束する契約(匿名組合契約)に基づく。
二重課税の回避:事業の実施主体の利益について法人税が課税され、税引き後に投資家への
配当が行われるが、この配当に対して投資家に所得税が課税されるといった
同一の利益に対する二重の課税構造を回避すること。
街
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街なか居住再生ファンドは、社団法人 全国市街地再開発協会に設置します
社団法人全国市街地再開発協会(会長
山口信夫:日本商工会議所会頭)は、
国土交通省を主務官庁とする、再開発事業等を推進することを目的とした公益
法人です。主な会員は地方公共団体、市街地再開発組合などです。
住所
〒105-0001
電話
03-3591-2361(代表)
ホームページ
東京都港区虎ノ門 1-19-10
FAX
第6セントラルビル3階
03-3591-2456
http://www.uraja.or.jp/
街なか居住再生ファンドに関しまして、次までお問い合わせください。
① 制度の趣旨、目的について
国土交通省住宅局市街地建築課
TEL:03-5253-8111(内線 39-654)
② 制度の運用、個別の相談について
社団法人全国市街地再開発協会
TEL:03-3591-4491
FAX:03-3591-2456
プロジェクト業務部
E-mail:[email protected]
街なか居住再生ファンドに関する情報については、http://www.uraja.or.jp/fund/に掲載
していますので、ご覧下さい。
平成 18 年 10 月
「街なか居住再生ファンド」活用の検討事例
このファンドが出資対象とする事業は、いわゆる不動産の証券化による事業手法を想定
しており、事業内容としては、住宅単独事業や住宅部分と商業施設との複合施設等、スキ
ームの組成としては、開発段階から運営段階までのスキームや、建物完成後の建物及び床
を買取り数年後に売却するスキーム等、様々である。その中で、協会が相談を受けている
幾つかの事例を具体的に紹介したい。紹介する事例はいずれも「YK(有限会社SPC) +
TK(匿名組合出資)」スキームである。
なお、どの事例においても、倒産隔離を行うため、まず有限責任中間法人を設立してい
る。
(1)甲県における、複合ビル事業
甲県で、賃貸住宅と医療施設の18階建ての複合ビル事業を計画した事例で
ある。本事例は、事業の建設資金を調達し、完成後も賃貸住宅及び医療施設の
運営を行うという、開発・運営各段階を通して、一のSPCが事業を行うスキ
ームである。
事業概要
階数
18階
延床面積
6,300㎡
総事業費
約24億円
SPC 組成規模
約19億円
街なか居住再生ファンド出資希望額
約4億円
仕組み
① 事業者 E がまず有限責任中間法人を設立し、当該法人が100%子会社として
有限会社SPCを設立する。
②有限会社SPCとコンサルタントFがアレンジャー契約を、有限会社SPCと事
業者Eがアセットマネージャー契約をそれぞれ締結する。
③ 有限会社SPCは、A銀行からノンリコースローンを借り入れ、事業者Eと劣後
匿名組合出資契約を、街なか居住再生ファンドと優先匿名組合出資契約をそれぞれ
締結することにより資金調達を行う。
④ オリジネーターでもある事業者Eが土地を信託会社に信託し信託受益権を取得す
る。この信託受益権を有限会社SPCがオリジネーターから取得する。
⑤ 建物完成後、信託会社は不動産会社とマスターリース契約を締結し、不動産会社
はテナント及び賃貸借入居者と借家契約を締結する。テナント及び賃貸借入居者は
賃料を不動産会社へ支払い、不動産会社は賃料を信託会社へ支払う。信託会社は、
維持管理等の必要経費をプロパティーマネージャー等へ支払い、有限会社SPCへ
信託配当を行う。
⑥ 有限会社SPCは、信託会社からの信託配当を基に、A銀行への元利返済及び出
資者へ配当を行う。
⑦ 有限会社SPCは、5年間稼働後に資産を売却し、ノンリコースローン及び出資
元本の償還を行うとともに、売却益があった場合、これを出資者に優先劣後関係に
基づいた割合で分配する。
《事業スキーム》
アセッットマネージャー
A銀行
有限責任中間法人
事業者E
出資
アレンジャー
投資運用指示・指図
ノンリコース・ローン(約 10 億円)
コンサルタントF
匿名組合出資(約 9 億円)
信託受益権売却
有限会社SPC
オリジネーター
事業者E
配当
受益権購入代金
優先出資 街なか居住再生ファンド
劣後出資 事業者E
信託受益権交付
信託設定
信託配当
リーシング・管理
信託会社
プロパティマネージャー
マスターリース
借家契約
テナント
不動産会社
賃料
借家契約
賃貸借入居者
賃料
(2) 乙県における、賃貸マンション事業
乙県において、A建設会社がマンション事業において開発型SPCと運営型S
PCをそれぞれ設立する。開発型SPCでマンションの建設資金の調達を行い、
建物完成後に運営型SPCが開発型SPCからマンション資産を購入し、マンシ
ョン運営を行う事業スキームである。
事業概要
階数
13階
延床面積
3,000㎡
総事業費
約8億円
SPC 組成規模
約8億円
街なか居住再生ファンド出資希望額
約1億円
仕組み
① A建設会社が、開発段階用の有限責任中間法人B及びその100%子会社となる
開発型SPC、運営段階用の有限責任中間法人C及びその100%子会社となる運
営型SPCをそれぞれ設立する。
② 開発型SPCは、T銀行からノンリコースローンを借り入れ、地元企業と劣後匿
名組合出資契約を、街なか居住再生ファンドと優先匿名組合出資契約をそれぞれ締
結することにより資金調達を行う。
③オリジネーターが土地を信託会社に信託し、開発型SPCが信託受益権を取得する。
③ 開発型SPCとA建設会社が開発業務委託契約及び設計監理契約を締結。開発型
SPCとM建設会社が工事請負契約を締結する。
④ 完成後、開発型SPCから運営型SPCへマンションを売却。売却代金によりノ
ンリコースローン及び出資元本を償還。売却益があった場合、出資者に優先劣後関
係に基づいた割合で分配する。
⑤ 運営型SPCにおいても開発型SPCと同様な資金調達計画である。なお、A建
設会社が信託会社とマスターリース契約を締結する。
⑥ 運営型SPCでは、信託会社からの信託配当を基に、S銀行への元利返済及び出
資者への配当を行う。
⑦ 運営型SPCは、3年間稼働後に売却を行い、ノンリコースローン及び出資元本
の償還を行い、売却益があった場合、これを出資者に優先劣後関係に基づいた割合
で分配する。
《事業スキーム》
【開発段階】
有限責任中間法人
B
信託会社
T銀行
出資
信託受益権交付
土地信託設定
ノンリコース・ローン(約 6 億円)
受益権質権設定
匿名組合出資(約 2 億円)
信託受益権売却
優先出資 街なか居住再生ファンド
開発型SPC
A建設会社
工事請負契約
開発業務委託契約
受益権購入代金
設計監理契約
オリジネーター
配当
M建設会社
劣後出資 地元企業
売買予約契約
完工時物件引渡
運営型SPC
【運営段階】
有限責任中間法人
C
S銀行
出資
ノンリコース・ローン(約 5 億円)
受益権質権設定
匿名組合出資(約 3.3 億円)
運用アドバイス
優先出資 街なか居住再生ファンド
運営型SPC
アセット・マネージャー
信託受益権売却
受益権購入代金
信託配当
劣後出資 地元企業
配当
信託受益権交付
信託会社
開発型SPC
マスターリース
信託設定
借家契約
A建設会社
賃貸借入居者
賃料
(3)丙県における、複合ビル事業
丙県で、地域の都市機能の高度化、都市景観の形成、さらには中心市街地の活
性化を図り、分譲住宅と商業施設の複合事業を計画した事例である。本事例は、
建物完成後にSPCがオリジネーターから商業施設部分を買い取り、運営会社と
賃貸借契約を行う事業スキームである。
事業概要
階数
15階
延床面積
12,500㎡
総事業費
約35億円
SPC 組成規模
約11億円
街なか居住再生ファンド出資希望額
約1.5億円
仕組み
① T社が有限責任中間法人を設立し、当該法人が、その100%子会社として有限
会社SPCを設立する。
② 有限会社SPCがM銀行とアレンジャー契約を締結する。
③有限会社SPCは、M銀行からノンリコースローンを借り入れ、S社、運営会社(商
業施設)及びT社と劣後匿名組合出資契約を、街なか居住再生ファンドと優先匿名組
合出資契約をそれぞれ締結することにより資金調達を行う。
④ 建物完成後に、オリジネーターが商業施設部分を信託会社に信託し、有限会社S
PCが信託受益権を取得する。
⑤ 信託会社と運営会社が賃貸借契約を締結する。
⑥運営会社から賃料収入を信託会社が受取り、有限会社SPCは信託配当を、信託会
社から受け取る。有限会社SPCは、信託会社からの信託配当を基にM銀行への元
利返済及び出資者への配当を行う。
⑦有限会社SPCは、5年間稼働後に資産を売却もしくはリファイナンスを行う。
《事業スキーム》
M銀行
有限責任中間法人
出資
オリジネーター
信託受益権売却
信託受益権交付
信託設定
受益権購入代金
匿名組合出資(約 3.5 億円)
有限会社SPC
優先出資 街なか居住再生ファンド
配当
アレンジメント契約
信託配当
信託会社
賃貸借契約
スキームアレンジャー
運営会社
ノンリコース・ローン(約 7.5 億円)
M銀行
劣後出資 S社
劣後出資 運営会社
劣後出資 T社
「街なか居住再生ファンド」の出資事例について
このファンドが出資対象とする事業は、
いわゆる不動産の証券化による事業手法を想定しており、
事業内容としては、
住宅単独事業や住宅部分と商業施設との複合施設等、
スキームの組成としては、
開発段階から運営段階までのスキームや、建物完成後の建物及び床を買取り数年後に売却するスキ
ーム等、様々である。その中で、協会が実際に出資を行った事例を具体的に紹介したい。紹介する
事例は、
「特定目的会社(TMK)」と「YK(有限会社 SPC)+TK(匿名組合出資)」をそれぞれ活用し
たスキームである。なお、どの事例においても、倒産隔離を行うため、まず有限責任中間法人を設
立している。
(1)長野市における、住宅供給事業・市街地再開発事業の2物件を取得するTMK
長野市で、賃貸住宅と市街地再開発事業の店舗部分の2物件を取得するTMKスキームによ
る事例である。本事例は、TMKが賃貸住宅及び市街地再開発事業の保留床の店舗部分の取得
資金を調達し、取得後、その運営を行うスキームである。
事業概要
総事業費(2物件)
住宅供給事業
27億円
プロジェクト名 日興證券跡地開発事業
階数
10階
用途
延床面積
賃貸住宅
1,900㎡
市街地再開発事業
プロジェクト名 東後町権堂町 A 地区第一種市街地再開発事業
階数
用途
延床面積
TMK組成規模
出資先
階数・用途
地上13階、地下1階
店舗(地上1階、地下1階)、分譲住宅(地上2∼13階)
6,800㎡
7.39億円
アーバンタワーファンド第一号特定目的会社
住宅供給事業
地上1∼10階・賃貸住宅
市街地再開発事業 地上1階、地下1階・店舗
街なか居住再生ファンド出資額 1.25億円
仕組み
① 事業者がまず有限責任中間法人を設立し、当該法人が100%子会社としてTMKを設立
する。
② アレンジャーがTMKのスキーム組成を行う。
③ アレンジャーは、本事業に係る資産流動化計画書を作成し財務局へ届出る。
④ TMKは、金融機関からノンリコースローンを借り入れ、事業者及び街なか居住再生ファ
ンド、一般投資家から出資を受け、資金調達を行う。
⑤ TMKは、オリジネーターでもある事業者から賃貸住宅と市街地再開発事業の店舗部分を
取得する。
⑥ TMKは、賃貸住宅・店舗の賃料から維持管理等を行うプロパティーマネージャー等に報
酬等の必要経費を支払った後、金融機関への元利返済及び出資者に優先劣後関係に基づい
た配当を行う。
⑦ アレンジャーは、本事業に当初届出た資産流動化計画に変更が発生した場合、変更された
資産流動化計画書を作成し利害関係人(出資者、金融機関等)から承諾を得た上で資産流動化
計画書の変更を財務局へ届出る。
⑧ TMKは、6年間稼働後に資産を売却し、ノンリコースローン及び出資元本の償還を行う
とともに、売却益があった場合、これを出資者に優先劣後関係に基づいた割合で分配する。
《事業スキーム》
有限責任中間法人
特定出資
アレンジャー
スキーム組成
TMK
ノンリコース・ローン(4.8 億円)
金融機関
賃貸住宅
賃貸契約
入居者
賃料
デット
元利金償還
不動産
優先 一般投資家
店舗
出資(2.59 億円)
マスターリース
不動産会社
配当
劣後 事業者
賃
テナント
リーシング 管理
料
・
賃貸契約
エクイティ
優先 街なか居住再生ファンド
プロパティマネージャー
土地建物売却
土地建物購入代金
オリジネ−タ−
(2) 岡山市における、市街地再開発事業の物件を取得する SPC
岡山市において、市街地再開発事業の事務所部分を取得する YK+TK スキームによる事例であ
る。SPCが参加組合員として保留床の事務所部分の床を取得するため資金調達し、完成後に不
動産管理処分信託を行い、信託受益権を取得し事務所の運営を行なう事業スキームである。
事業概要
総事業費
47億円
プロジェクト名 岡山市平和町 1 番地区第一種市街地再開発事業
階数
20階
用途
延床面積
SPC 組成規模
出資先
階数・用途
事務所(1∼5階)、分譲住宅(6∼20階)
17,000㎡
19.6億円
有限会社ピースワン・プロパティ
1∼4階・事務所
街なか居住再生ファンド出資額 2.9億円
仕組み
① 投資家が、有限責任中間法人の100%子会社となるSPCを設立する。
② アレンジャーがSPCのスキーム組成を行う。
③ SPCは、金融機関からノンリコースローンを借り入れ、投資家と劣後匿名組合出資契約
を、街なか居住再生ファンドと優先匿名組合出資契約をそれぞれ締結することにより資金
調達を行う。
④ SPCは、参加組合員として再開発組合からSPCが取得する事務所部分の価額を負担金
として再開発組合へ支払う。
⑤ 建物完成後、SPCは再開発組合から取得した事務所部分を信託会社に不動産管理処分信
託を行い、信託受益権を取得する。
⑥ 信託会社はテナントからの賃料のうち、経費を引いた額を信託配当としてSPCへ支払う。
⑦ SPCは、信託会社からの信託配当を基に、金融機関への元利返済及び出資者に優先劣後
関係に基づいた配当を行う。
⑧ SPCは、3年間稼働後に売却を行い、ノンリコースローン及び出資元本の償還を行い、
売却益があった場合、これを出資者に優先劣後関係に基づいた割合で分配する。
《事業スキーム》
有限責任中間法人
出資
スキーム組成
有限会社SPC
ノンリコース・ローン(13.8 億円)
アレンジャー
デット
金融機関
元利金償還
信 託
受益権
匿名組合出資(5.8 億円)
不動産管理処分信託
信託銀行
賃
貸
料
信託配当
保留床の売買契約
賃
優先 街なか居住再生ファンド
エクイティ
テナント
再開発組合
配当
劣後 投資家
参考資料31
街なか居住再生ファンドの対象地域の追加
住宅局
市街地建築課
課長補佐
前田
亮(内線 39653)
1.目的
人口減少に伴う生活機能低下、地域経済の低迷等が課題となっている地方部
の再生を図るため、ファンドの出資対象地域を拡大することにより、街なか居
住を促進する住宅整備事業等を推進し、居住機能、生活機能の再生を図る。
2.内容
街なか居住再生ファンドの対象となる地域に次の地域(既成市街地に限る。
)
を追加する。
ア)景観法に基づく景観計画が定められた区域等
イ)都市再生緊急整備地域
ウ)地域再生計画の区域
エ)都市再開発法に基づく一号市街地の区域または二項市街地の区域(政令
指定都市及び三大都市圏の既成市街地等を除く)
オ)広域的地域活性化基盤整備計画の重点地区の区域
カ)地方拠点都市地域の区域
キ)過疎地域、特定農山村地域、振興山村地域、離島地域、半島地域、豪雪
地帯、特別豪雪地帯、特殊土壌地帯、低開発地域、旧産炭地域
※現行の対象地域
・中心市街地
・一定の要件を満たすニュータウン
※平成20年度予算において、15億円を増額
○ 地域ファンド方式
地方公共団体 等
国
補助
(社)全国市街地
再開発協会
特別会計
街なか居住
再生ファンド
対象事業を行うSPC
○ 直接支援方式
補助
信託
優先
地方公共団体 等
国
補助等
民間金融
機関借入
(社)全国市街地
再開発協会
信託会社等
信託
信託勘定
地域ファンド
特別会計
街なか居住
再生ファンド
建設
コスト
信託
出資
信託会社等
地権者に次ぐ劣
後部分をファンド
から出資
ファンド
持分
地権者等が出資
出資
40
民間の住宅等
の整備事業
対象事業
活動拠点等の
整備事業
民間の住宅等
の整備事業
活動拠点等の
整備事業
対象事業
自己資金
劣後
Fly UP