Comments
Description
Transcript
質の高い大学教育推進プログラム 実施状況報告書 大 学 等 名 津田塾
質の高い大学教育推進プログラム 実施状況報告書 大 学 等 名 津田塾大学 取 組 名 称 社会貢献は書く力とプロジェクト推進力から 申 請 区 分 教育方法の工夫改善を主とした取組 取 組 期 間 平成20年度 ~ 平成22年度 取 組 学 部 等 学芸学部 Webサイト http://twc.tsuda.ac.jp/ 取 組 の 概 要 (3年間) 取組担当者 髙橋 裕子 円 滑 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る 力 量 は 、あ ら ゆ る 仕 事 に 必 須 の 要 素 で あ り 、そ の 基 盤 と な る 日 本 語 力 強 化 が 産 官 学 各 界 で 指 摘 さ れ て い る 。本 取 組 で は 「 リ ー ダ ー シ ッ プ を 発 揮 す る 女 性 人 材 の 育 成 」 を 目 指 し 、「 ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー 」と「 学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト 」を 両 輪 と し た 実 践 的 総 合 キ ャ リ ア 教 育 を 推 進 。「 書 く 力 」 の 強 化 と 、 学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト の 実 体 験を通じたリーダーシップスキルの養成を目指す。 1.取組の実施状況等 ①取組の実施状況 【1ページ以内】 (1 )取 組 の 実 施 体 制 ( マ ネ ジ メ ン ト 体 制 、 教 職 員 の 体 制 、 大 学 と し て の 支 援 体 制 ) 本 取 組 の 運 営 は 、 学 長 室 会 議 の リ ー ダ ー シ ッ プ の 下 、「 キ ャ リ ア 教 育 推 進 タ ス ク フ ォ ー ス 」 が 母 体 と な っ て 行 っ た 。 タ ス ク フ ォ ー ス は 各 学 科 1、 2 名 の 専 任 教 員 と ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー 特 任 教 員 、 教 務 課 研 究 支 援 室 、 学 生 生 活 課 、 交 流 館 の 職 員 ら 10 名 で 構 成 。 学 科 を 横 断 し 、 全 学 を 挙 げ て 取 り 組 ん だ 。卒 業 生 と の ネ ッ ト ワ ー ク 強 化 を 担 当 す る 学 生 生 活 課・交 流 館 と も 連 携 す る こ と で 、学 生 の 学 習 指 導 だ け で な く 、学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト の 実 施 や 進 路 支 援 も 行 っ た 。ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー の 実 施 体 制 は 特 任 教 員 2 名 、個 別 相 談 を 担 当 す る チ ュ ー タ ー 3 名 、事 務 室 員 2 名 で あった。 (2 )取 組 の 実 施 計 画 に 掲 げ た 内 容 ①取組の全体スケジュール及び各年次の実施計画 本 補 助 事 業 は 、 平 成 20 年 度 を 初 動 期 間 、 平 成 21、 22 年 度 を 本 格 的 実 施 期 間 と し た 。 平 成 20 年 度 は 、「 キ ャ リ ア 教 育 推 進 タ ス ク フ ォ ー ス 」 を 立 ち 上 げ 、 3 年 間 の 実 施 計 画 の 詳 細 を 決 定 し た 。「 ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー 」 に 特 任 教 員 2 名 を 配 置 し 、 各 講 座 ・ 講 演 会 を 開 催 。 情 報 を 共 有 す る 「 マ イ ・ ラ イ テ ィ ン グ ・ ポ ッ ド 」 も 構 築 し た 。「 学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト 」 は 6 件 を 実 施 し た 。ま た 卒 業 生 と の ネ ッ ト ワ ー ク を 活 用 し 、学 生 へ の キ ャ リ ア 指 導 に 生 か す た め 、同 窓 生 を 交 え て 情 報 交 換 を 行 っ た 。評 価 委 員 会 を 組 織 し 、内 部 評 価 と 外 部 評 価 の 総 合 検 証 を 自 己 点 検 と 併 せて実施した。 平 成 21 年 度 は 、 「 ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー 」、 「 学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト 」の 活 動 を 継 続 し て 実 施 し た 。新 た に 正 課 授 業 科 目「 日 本 語 ラ イ テ ィ ン グ A ~ F 」を 開 講 。ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー で は 学 生 の 個 別 指 導 を 本 格 的 に 始 動 し 、レ ク チ ャ ー シ リ ー ズ「 書 く と い う こ と と 私 」、 「 翻 訳・通 訳 に 関 す る ラ イ テ ィ ン グ 」、 講 座 「 日 本 語 ラ イ テ ィ ン グ 講 座 」 を 初 年 度 よ り 開 催 数 を 大 幅 に 増 や し て 実 施した。評価委員会による検証も行った。 平 成 22 年 度 は 、 21 年 度 に 実 施 し た 講 演 会 、 講 座 な ど を 継 続 ・ 発 展 さ せ て 開 催 。 新 た に レ ク チ ャ ー シ リ ー ズ「 女 性 の リ ー ダ ー シ ッ プ か ら 学 ぶ 」を 4 回 実 施 し 、各 回 60~ 100 名 が 参 加 し た 。 「学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト 」 は 15 件 実 施 し た 。 本 取 組 の 最 終 評 価 を 実 施 す る た め 評 価 委 員 会 を 開 催 し、効果のあがった活動等の継続を検討した。 ②取組に参加する教職員と学生の数等 本 取 組 の 対 象 者 は 全 学 の 学 生 ( 2814 名 )、 教 職 員 (146 名 )で あ る 。 講 演 会 、 講 座 、 学 生 相 談 な ど の 参 加 ・ 利 用 者 は 3 年 間 で 延 べ 2033 人 で あ っ た 。 (3 )社 会 へ の 情 報 提 供 活 動 ( Web サ イ ト の 活 用 、 新 聞 、 テ レ ビ 等 の マ ス コ ミ の 活 用 等 ) 大 学 公 開 Web サ イ ト 、ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー の Web サ イ ト で 取 組 の 告 知 に 努 め 、活 動 状 況 を こ ま め に 発 信 し た 。講 演 会・講 座 等 は 開 催 が 決 ま り 次 第 、案 内 を 学 内 外 へ 配 布 、プ レ ス リ リ ー ス( 市 報 、新 聞 社 10 社 )も 行 い 、協 定 校 ( TAC)や 地 域 住 民 に も 参 加 を 呼 び か け た 。本 取 組 に 関 し て は 読 売 新 聞 や 毎 日 新 聞 か ら 取 材 を 受 け 、「 学 生 の 文 章 力 向 上 作 戦 」 と い う 見 出 し で 写 真 つ き の 記 事 に な っ た ほ か ( 読 売 新 聞 、 2009 年 5 月 29 日 )、「 IKUEI NEWS」 49 号 ( 電 通 育 英 会 、 2010 年 1 月 20 日 発 行 ) で は 「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 力 飛 躍 の 鍵 は 『 書 く 力 』 に あ り 」 と い う 特 集 記 事 で 2 ページにわたって紹介され、ライティングセンターを利用した学生 2 名のコメントも掲載され た。 ②.取組の成果 【1ページ以内】 「 学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト 」は 企 画 か ら 運 営 ま で を 学 生 自 身 の 手 で 行 う こ と で 、交 渉力やプレゼンテーション能力などキャリアに直結するスキルの向上を目指すもの で あ っ た 。3 年 間 の 取 組 で 21 件 の プ ロ ジ ェ ク ト が 実 施 さ れ 、延 べ 50 人 の 学 生 が 参 加 し た 。活 躍 す る 卒 業 生 を ロ ー ル モ デ ル と し た 講 演 会 の 実 施 や 、職 業 に 直 結 し た イ ベ ン ト レ ポ ー ト の 作 成 な ど 、学 生 自 身 が 自 ら と 社 会 と の 関 係 を 具 体 的 に 把 握 し 、大 学 で 学 ぶ こ と と キ ャ リ ア と の 連 関 を よ り 深 く 認 識 す る こ と が で き た 。座 談 会 の 講 師 と し て 招 いたテレビ局勤務の卒業生から刺激を受け、テレビ局への就職に繋げた学生もいた。 「 ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー 」で は 、学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト の レ ポ ー ト の ほ か 、正 課 授 業 の レ ポ ー ト 等 の 文 章 作 法 の 個 別 指 導 を 実 施 し た 。特 任 教 員 お よ び 大 学 院 生 チ ュ ー タ ー は 優 れ た「 読 み 手 」に 徹 し 、添 削 す る の で は な く 、学 生 の 気 付 き を 促 し た 。相 談 者 数 は 3 年 間 で 延 べ 400 人 。利 用 学 生 に 行 っ た ア ン ケ ー ト で は 、回 答 者 全 員 が チ ュ ー タ ー・教 員 の 対 応 に「 満 足 」し 、 「 今 後 も セ ン タ ー を 利 用 し た い 」と 答 え た 。 「質問を 繰 り 返 し て も ら う こ と で 、 文 章 や 内 容 を ブ ラ ッ シ ュ ア ッ プ す る こ と が で き た 」「 自 分 の 考 え が よ り 明 確 に な っ た 」 な ど の 感 想 が 寄 せ ら れ 、 学 生 の 書 く 力 の 強 化 、「 自 立 し た書き手」の養成に繋がった。個別相談は評価委員からも最も高く評価された。 ま た 、マ ス コ ミ 志 望 の 学 生 数 名 が 自 発 的 に グ ル ー プ を 作 り 、特 任 教 員 に よ る 作 文 ・ 小 論 文 指 導 や「 マ イ・ラ イ テ ィ ン グ・ポ ッ ド 」を 利 用 し た 学 生 同 士 の 情 報 共 有 を 行 っ た。テレビ局や出版社への就職に繋がるなど、就職活動にも貢献した。 正 課 授 業 と し て 開 講 さ れ た「 日 本 語 ラ イ テ ィ ン グ A ~ F 」を 受 講 し た 学 生 の 授 業 評 価 は 総 じ て 高 か っ た 。 教 員 と の 距 離 が 近 い 、 最 大 20 名 と い う 規 模 で 「 書 く 」 こ と に 特 化 し た 授 業 を 展 開 で き た こ と は 、「 書 く 」 ス キ ル だ け で な く 、 学 生 の 意 識 の 向 上 に も 繋 が っ た 。ま た 、元 新 聞 記 者 や 専 業 主 婦 を 経 て 研 究 者 に な っ た 人 な ど 、異 な る 背 景 を 持 つ 教 員 が 指 導 す る こ と で 、学 生 が キ ャ リ ア を 考 え る う え で の 多 様 な ロ ー ル モ デ ル を提供することができた。 レ ク チ ャ ー シ リ ー ズ「 女 性 の リ ー ダ ー シ ッ プ か ら 学 ぶ 」は 、最 終 年 度 に 4 回 実 施 し た 。極 め て 顕 著 な 活 躍 を し て い る 女 性 、参 入 す る の が 困 難 な 分 野 の 道 を 切 り 開 い た 女 性 を 講 師 と し て 招 き 、リ ー ダ ー と し て の 資 質 と 働 く 姿 勢 を 学 ぶ 有 用 な 機 会 を 設 け る こ とができた。 「 書 く と い う こ と と 私 」講 演 会 で は 、毎 回 、 「 書 く 」こ と に 関 わ る 様 々 な 専 門 分 野 の 講 師 を 招 き 、「 書 く 」 こ と が キ ャ リ ア と ど の よ う に 結 び つ き 、 大 学 で 学 ぶ 「 書 く 」力 が 将 来 の キ ャ リ ア・パ ス に い か に 繋 が っ て い く か を 示 す こ と が で き た 。ま た、学内編としてタスクフォースの教員が講師を務める講演会も授業時間内に実施。 「 書 く 」こ と が 専 門 分 野 と ど の よ う に 関 係 し て い る の か を 学 生 に 直 接 伝 え る 機 会 と な り 、 少 人 数 の グ ル ー プ で 活 発 な 質 疑 応 答 を 行 っ た 。 実 施 し た 教 員 に と っ て は 、 FD ( Faculty Development) と し て の 機 能 も 果 た し た 。 「 日 本 語 ラ イ テ ィ ン グ 講 座 」は 作 家 、編 集 者 、歌 人 、映 像 翻 訳 家 ら を 講 師 に 、第 一 線 の キ ャ リ ア 教 育 と し て 大 き な 役 割 を 果 た し た 。授 業 時 間 外 の 開 催 で あ っ た に も 関 わ ら ず 、キ ャ ン セ ル 待 ち が 出 る ほ ど の 人 気 と な り 、学 生 の ニ ー ズ に あ っ た 講 座 を 提 供 で きた。 「 毎 回 、新 し い 発 見 が あ っ た 」 「 現 場 の 声 を 聞 け て よ か っ た 」と い っ た 感 想 が 学 生から寄せられた。 ③.評価及び改善・充実への取組 【1ページ以内】 取 組 に 対 す る 評 価・改 善 は 、(1)学 内 者( 学 生 、教 職 員 )に よ る 内 部 評 価 、(2)学 外 者 に よ る 外 部 評 価 、 (3)タ ス ク フ ォ ー ス に よ る 自 己 評 価 、 の 3 つ の 視 点 で 実 施 し た 。 評 価 委 員 と し て 、外 部 評 価 委 員( 他 大 学 教 員 )1 名 、内 部 評 価 委 員( タ ス ク フ ォ ー ス メ ン バ 以 外 の 教 職 員 )4 名 を 選 任 。タ ス ク フ ォ ー ス メ ン バ( 10 名 )の 自 己 点 検 と も 併 せ 、各 年 度 の 評 価 を 実 施 し た 。評 価 で 指 摘 さ れ た 改 善 点 は 次 年 度 の 事 業 に 反 映 さ せ 、 最終年度は 3 カ年の取りまとめ評価、および各取組を点数化しての評価も行った。 ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー の「 個 別 相 談 」は セ ン タ ー の 要 に な る 活 動 、か つ「 最 も 学 生 と 近 く 、 学 生 の 成 長 を 間 近 に 見 る こ と が で き る 部 分 」( タ ス ク フ ォ ー ス メ ン バ ) と し て 、学 生 、評 価 委 員 双 方 か ら 高 い 評 価 を 得 た 。最 終 年 度 の「 個 別 相 談 」利 用 者 数 は 前 年 度 1.7 倍 の 増 加 が 見 ら れ 、 「 5 回 以 上 」訪 れ る 学 生 も 多 か っ た 。 「自分の考えを引き 出 し て も ら っ た 」と い う 類 の 感 想 が 多 く 、 「『 自 立 性 の あ る 書 き 手 を 育 て る 』と い う 目 標 が 実 現 さ れ て い る 何 よ り の 証 」( 評 価 委 員 ) と な っ た 。 「 日 本 語 ラ イ テ ィ ン グ 講 座 」は 毎 回 実 施 し た 学 生 ア ン ケ ー ト を も と に 、学 生 の ニ ー ズ に 沿 っ た 講 師 や 内 容 を 検 討 。一 律 4 回 開 催 と す る の で は な く 、3 回 の 講 座 や 6 回 の 講 座 も 設 け 、バ ラ エ テ ィ ー に 富 ん だ 内 容 に し た 。評 価 委 員 か ら は「 理 系 学 生 の 参 加 が 少 な い 」と の 指 摘 が あ っ た 。そ こ で 、他 大 学 で 理 系 学 生 へ の ラ イ テ ィ ン グ 指 導 を 経 験 し た 教 員 か ら ヒ ア リ ン グ を 行 い 、理 系 学 生 へ の ア ピ ー ル 法 を 検 討 し た 。講 座 の 内 容 を 工 夫 し 、募 集 の チ ラ シ に 理 系 学 生 の 参 加 を 促 す 文 言 を 加 え る な ど し た 結 果 、い く つ か の 講 座 に 情 報 科 学 科 の 学 生 も 参 加 し た 。ア ン ケ ー ト を 見 る と 、参 加 者 の 満 足 度 は ど の 講 座 に 対 し て も 高 く 、学 生 の 学 ぶ 意 欲 を 引 き 出 せ た 。少 人 数 の 講 座 を 複 数 回 実 施 す る こ と で 、講 師 と の 距 離 が 近 く な り 、キ ャ リ ア の 話 や 相 談 な ど も 活 発 に 行 わ れ た 。キ ャ リア教育としての成果も評価委員から高く評価された。 レ ク チ ャ ー シ リ ー ズ「 書 く と い う こ と と 私 」 「 女 性 の リ ー ダ ー シ ッ プ か ら 学 ぶ 」は 、 多 彩 な 講 演 者 に 登 壇 し て も ら え 、キ ャ リ ア 世 界 の 広 さ と 奥 の 深 さ を 学 生 に 伝 え る 良 い 機 会 と な っ た 。学 生 や 一 般 参 加 者 の ア ン ケ ー ト で は「 大 変 良 か っ た 」と 答 え る 人 が 大 多 数 に 及 び「 良 か っ た 」が 続 く 。 「あまり良くない」 「 良 く な い 」と 答 え た 人 は 一 人 も いなかった。 正 課 授 業 科 目 で あ る「 日 本 語 ラ イ テ ィ ン グ A ~ F 」で は「 書 く 」こ と に 特 化 し た 授 業 を 最 大 20 名 と い う 少 人 数 で 単 位 科 目 と し て 提 供 す る こ と が で き た 。 授 業 ア ン ケ ー ト に は「 文 章 を 書 く こ と が 好 き に な っ た 」と い う 記 述 が あ り 、書 く こ と に 積 極 的 に 取 り組む学生を増やすことができた。 「 学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト 」は 意 欲 的 な 企 画 が あ っ た も の の 、学 生 の 参 加 を 大 幅 に 増やすことができなかった点が課題として指摘された。 平 成 20 年 度 ~ 平 成 22 年 度 全 体 の 評 価 は 各 委 員 に 5 段 階 で 数 値 化 し て も ら っ た 「 。学 生 主 導 型 プ ロ ジ ェ ク ト 」 は 低 め の 評 価 に 終 わ っ た が 、 ほ か の 取 組 に 関 し て は 4~ 5 の 評 価 が 目 立 ち 、「 本 取 組 全 体 の 評 価 」 で も ほ と ん ど の 委 員 が 4 以 上 の 評 価 を つ け た 。 ④.財政支援期間終了後の取組 【1ページ以内】 基 本 的 に 、正 課 授 業 科 目 の 実 施 、ラ イ テ ィ ン グ 一 般 に 関 す る 学 生 相 談 、講 演 会 な ど は 規 模 の 縮 小 こ そ あ る も の の 財 政 支 援 期 間 と 同 様 の 内 容 を 実 施 す る 。つ ま り 、ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー の 多 様 な 活 動 は 、す で に 本 学 の 教 育・実 践 に 根 付 き 、学 生 の セ ン タ ー へ の 自 発 的 な 相 談 は も と よ り 、教 員 か ら ラ イ テ ィ ン グ に 問 題 が あ る 学 生 の 送 り 込 み も 受 け 、ラ イ テ ィ ン グ を 生 業 と す る 職 業 を 目 指 す 学 生 の た め の 自 主 ゼ ミ の 実 施 な ど 本 学 に と っ て 不 可 欠 な も の と な っ て い る 。 そ の 結 果 、 平 成 23 年 度 は 、 大 学 の 自 主 財 源 か ら財政支援を受け、予算規模こそ削減されるものの継続的に行われることとなった。 平 成 24 年 度 以 降 に つ い て も 継 続 で き る 様 、努 力 す る こ と に な っ た 。体 制 に 関 し て は 、 本 取 組 と 同 時 期 に 行 わ れ た「 女 性 研 究 者 支 援 プ ロ ジ ェ ク ト 」と 事 務 体 制 を 統 合 し つ つ 、 特 任 教 授 1 名 と 事 務 職 員 1 名 、ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー・チ ュ ー タ ー 3 名 の 体 制 の 下 に 実 務 を 行 い 、そ れ を 各 学 科 の 教 員 か ら な る 関 連 委 員 会 が 支 え る 形 に あ る 。こ う し た 活 動 が 学 生 に 周 知 徹 底 さ れ 、学 内 に お け る 知 名 度 向 上 が な さ れ る た め に は 、時 間 が か か るものであるが、本取組の土台は既に形成されているというべきであろう。 教 育 の 質 向 上 に 向 け た 改 善 計 画:学 生 指 導 の 大 半 を 担 う 院 生 に よ る チ ュ ー タ ー の 指 導 力 向 上 は 、本 取 組 発 展 の 要 で も あ る が 、さ ら な る 研 修 が な さ れ 、指 導 の 徹 底 が 図 ら れ て い る 。む ろ ん こ れ に は 特 任 教 授 も 加 わ り 、講 演 会 も 学 生 の ニ ー ズ に 合 っ た 講 師 の 選択をするように工夫が施され、その結果高い評判を獲得している。 継続実施に当たっての課題・問題点:本取組が先鞭をつけた学生指導型のプロジ ェ ク ト は 本 取 組 終 了 後 に お い て 他 の 外 部 資 金 で あ る「 就 職 支 援 推 進 プ ロ グ ラ ム 」と し て は 形 を 変 え て 引 き 継 が れ て お り 、指 導 力 育 成 と い う 本 取 組 の 視 点 は 継 続 し て い る と い え る 。ま た ラ イ テ ィ ン グ セ ン タ ー 自 身 も 設 置 後 日 数 が 経 つ に つ れ て そ の 存 在 感 が 増 し 、学 内 で 必 要 と さ れ る に 至 っ て い る が 、限 ら れ た 予 算 の 中 で 、今 ま で の よ う な 充 実 した活動をどの程度維持できるかが今後の課題である。 2.取組の全体像 【1ページ以内】 取組名称:社会貢献は書く力とプロジェクト推進力から 大学名 :津田塾大学 取組の成果・学内外からの評価 取組の内容 「書く力」に裏打ちされたコミュニケーション能力、 さらに学生主導型プロジェクトの企画・運営を通し てリーダーシップ能力を養成し、実践的総合キャ リア教育を推進する。 ポイント ●ライティング センター 書く力 を養成 ・個別相談 個別相談 ・連続講演会 ・日本語 ライティング講座 ライティング センターとは? ●学生主導型 プロジェクト 社会に 貢献で きるリー ダ ダー シップ プロジェクト推進 力 を養成 ・座談会や講演会の 座談会や講演会の 企画・実施 ・イベントレポート 設立は2008年11月。大学院生 のチューターと教員が、学生から の相談に1対1で応じている。課題 レポートや企画書、手紙などあら ゆる文書の「読み手」を提供する。 添削指導はしない。「自立した 書き手」を育 る 書き手」を育てるために、書き手 、書き手 みずからが問題点や修正法を見 つけていけるよう、アドバイスして いる。 書く力を磨くための講演会、講 座なども開催。 ●「書くということと私」連続講演会 講師は歌人、作家、新聞記者、書籍編集者ら「書 く」ことを仕事にしているさまざまな分野の職業人。 全19回開催、1300名以上が参加した。「学生の参 加者たちに『書く』という行為の職業上の可能性に ついて、多角的に考える機会を与えた」(2009年 度外部評価委員)。地域の人たちにも公開され 「非常に感動した」「ためになった」と評価された。 ●日本語ライティング講座 全26講座開催。「詩のワークショップ」や「こなれた 訳文を作ろう」など多彩な内容。「書けない、書け ない と思 ていたが まずは書いてみよう と思 ない、と思っていたが、まずは書いてみよう、と思 えるようになった」(在学生アンケート) ●学生相談 応じた相談は400件。センターに来たことで利用者 のほぼ全員が「問題が解決した」と答えている。 ●学生主導型プロジェクト 全21件プロジェクト。職業をテーマにした座談会を 実施したグループが、次年度にその記録を小冊子 するな 継続性 ある発展型 企画もあり、 にするなど継続性のある発展型の企画もあり、 「学生の『書く力』とプロジェクト推進力の養成が一 定の成功を収めている」(2009年度外部評価委 員) ●授業 「日本語ライティング」6科目が新たに開設。定員 20名の少人数クラスでキメの細かい指導を行って いる。 今後の展開 <ライティングセンターの継続>「自立した書き手」を 育て、「書く」力に裏打ちされたコミュニケーション能力 やプロジェクト推進力を磨く機会を引き続き提供する。 <活動内容>学生相談、レクチャーシリーズ「女性の リ ダ シ プから学ぶ 及び「書くと う とと私 リーダーシップから学ぶ」及び「書くということと私」、 講座「日本語ライティング講座」、正課授業科目「日本 語ライティングA~F」を継続する。