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平成24年9月7日(金) 訪問看護エピソード(その11) 自宅での看取りの

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平成24年9月7日(金) 訪問看護エピソード(その11) 自宅での看取りの
平成24年9月7日(金)
訪問看護エピソード(その11)
自宅での看取りの素晴らしさを教えてくれたAさん(書き手:訪問看護師S)
訪問看護師になって3年が過ぎました。
多くの患者さんとの出会いがありましたが、
ご自宅での看取りに関わった方は特に記憶に残っています。
その中でも、忘れられないのがAさんです。
あの晩24時間電話からの連絡は、Aさんの息子さんのどうしようもないほど
心細げな声でした。「おやじが苦しそうなんです。どうしてやったらいいのですか?」
深夜、ご自宅に到着するとAさんは全身の力をふり絞って呼吸をしていました。
それでも意識ははっきりとしていました。
もう言葉を発する力はなくなり、かわりに文字で何かを伝えようとしていました。
そんなAさんの周りを親戚の方々が囲んでいました。その空気は緊張で張り詰めていました。
日頃から周囲の人達に気を使われていたAさん。苦しい状態の中でも周囲を気遣っている事が
伝わってきました。
私は文字にならないペンとスケッチブックを受け取り、Aさんに眠るように伝えました。
明りを落とし、親戚の方々に別室でお待ち頂くようにお願いしました。
間もなくAさんは穏やかに眠り始めました。Aさんの寝息を聴きながら、息子さんと娘さんに、
終末期の呼吸状態の変化などを伝えました。限られた時間を、ご家族の優しい時間で過ごして
欲しいとお願いしました。これが新米訪問看護師の私が出来た精一杯のことでした。深夜の訪
問の帰り際、玄関で娘さんと息子さんが伝えてくれました。
「父を自宅で見送ることができそうです。私たちは幸せです。ありがとう。」
大工の棟梁であったAさんは、ご自分で建てた家で逝きたいと願っていたのです。
3日後、Aさんは、ご家族に見守られ旅立ちました。
Aさん、訪問看護師だからできることを教えてくれて、ありがとう。
平成24年9月4日(火)
やっと終わったケアマネ更新研修B
6月から始まった全6回の更新研修。久しぶりに実技演習やケアプラン作成にあたって
個人ワーク・グループ討議、講義等、集中的にケアマネジメントに関することを学びました。
そこで改めて感じたのは「ケアマネジャーの役割の重要性」でした。
ケアマネジャーという職種のスキルアップの必要性も感じました。
ケアマネジャー資格に関しては国家資格化などの議論がかまびすしいようですが、
これだけのスキルを求められるのであれば逆に国家資格のある職種に限定して
ケアマネ免許を認め、報酬をあげるとか方策を講じないと、質のアップは図れないだろう
という気もしました…。
いちばん興味深かったのは、ケアカンファレンスの持ち方についてのDVDです。
退院支援のために多職種が集まり、ケアマネジャーを中心に議論が進められ予定の30分で
終了するシナリオ。ケアマネジャーは、事前にしっかりと利用者さんおよび家族と話し合いを
し、仮のケアプランを作成して、それを会議前に参加予定者に送付し、
皆が準備万端で臨んでいました。
「退院前カンファレンスが不要な人はいない」というのが私の持論なのですが、
短期入院が普通になっている昨今、このくらいの準備をしないと、
増え続ける要介護認定者(しかも医療依存度の高い)皆が安心して過ごせる地域にはならない
だろうなーと思いました。
最終日の「モニタリング」の講義をしてくれた講師が、
平成6年度の兵庫県看護協会の訪問看護師養成講習会の同窓生で、再開を喜び合いました。
彼女は明石の在宅介護支援センターのスタッフとしてずっと働いており、
すっかり地域の顔になっているみたいでした。
自分の仕事のルーツは阪神淡路大震災だから、東北のことはすごく気になって、
毎月通ってサポートする人のサポートをしているそうです。すごいなあ。
知っている人が生き生き活躍されている姿を見られて元気をもらいました。
平成24年8月22日(水)
訪問看護エピソード(その10)
Yさんの手紙 (書き手:訪問看護師Y)
「実は、こんな手紙が出てきて…」。Yさんが亡くなられてしばらく経ち、
お悔やみの訪問にお伺いした際に、奥さんがそう言ってYさんの使いこまれた手帳を
見せてくださった。Yさんのところへは当初リハビリ目的で訪問看護に伺っていたが、
途中で癌がみつかり、積極的な治療を望まれなかったYさんは在宅療養を選択され、
緩和ケアをさせていただくこととなった。奥さんの介護のもと、ほとんど苦しむことなく
自宅で過ごされ、入院したその日に病院で息を引き取られた。
Yさんは口数が少ないけれど、とても穏やかで優しい方だった。
だけど、ご本人も奥さんも「今もだけど、若い頃はもっと亭主関白だったよ」と、
いつも口を揃えておっしゃられていたほど、自他共に認める亭主関白だったようだ。
Yさんが亡くなられて遺品の整理をされていた時に偶然見つけられたというその手帳には、
そんな亭主関白だったYさんが数年前に大病をした際に余命を悟り、家族に書き遺した
手紙があった。そこには奥さんに宛てて、こう書かれてあった。
「長い間ありがとう。わがままをきいてくれてありがとう。君のおかげで
思うように生きられた。」
「こんな風に思っていてくれたんですね…」と言って涙を流す奥さんの顔が
とても幸せそうに見えたのが印象的だった。
訪問看護はその人の大切な時間、大切な思いを共有させていただける幸せな仕事だ。
その事に日々感謝しながら、これからも続けていきたいと思う。
平成24年8月16日(木)
メディカルケアネット西宮 圏域事例検討会のアンケート結果は…?
今日の午後、メディカルケアネット西宮の会議がありました。
6月に行われた圏域ごとの事例検討会のアンケート集計が出来上がっていました。
参加人数は172人。5圏域で様々な職種が各地で一堂に会した、記念すべき(?)日に
なったのだとおもいます。
感想で最も多かったのは、色々な職種の意見が聞けてよかった、というものでした。
特にケアマネジャーは孤独で1人事業所のことも多いため、
こうした機会がどれだけ貴重なのか、よくわかりました。
地域で顔の見える関係づくりに役立つ、といった意見も多かったようです。
実際、医師、歯科医師、薬剤師、栄養士など、普段現場で行う事例検討会に縁遠そうな人も
参加してくれました。
次回はヘルパーさんが事例提供をすることになっており、10月25日(木)夕方開始予定です。
平成24年8月6日(月)
訪問看護エピソード(その9)
生きるということ
書き手:訪問看護師O
桜の季節になると思い出す。色んな人の顔、顔。その中で思い出すのが壮年期になくなられた
1人の女性。訪問看護を利用していただいたのは4年ほどだったと思う。
がんを患いながら、ご自分で今できることを考え、妻・母親の役割を望み、入退院を繰り返し
ながら在宅での生活を最後まで希望された。自分でできることが一つ一つ減っていっても時に
は涙を流し、思いを人に伝えながら受け入れていった。決して人を責めることはなかった。
「どうして。」と彼女に尋ねたことがある。「私あまり深く考えないから。」
そんなことはない、彼女は1人で思いを抱えた時もあったはず。彼女の強さを感じた時だった。
自分が同じ立場なら、多分周囲の人を傷つけながらあきらめ受け入れていくのか?それも私の
生き方なのだと思う。病状が進み、身の回りのことができなくなった時も周囲に心配りをし、
時にはユーモアを交え私たちを励ましてくださった。
「天国に行って整理券までもらったんだけど家族の声が聞こえて戻ってきたの。」私はただそ
の話を側で聞くだけだった。
病状が進み、自宅か入院かの選択についてご家族に話した時、「病院ではずっと会うことがで
きないから。」と自宅での最後を希望された。仕事・学校などご自分たちの生活が大変な状況
にも関わらず、彼女を中心に家族が一つになっていく瞬間だった。私たちは彼女、家族に導か
れながら看護をさせていただいた。人はどんな状況であっても成長していくのだと感じた。思
い出すたび私の看護は彼女の生きるためのサポートができていたのだろうかと自分に問いかけ
る。答えはまだ出ない。彼女からいただいた私への宿題だと思っている。
平成24年8月6日(月)
訪問看護エピソード(その8)
訪問看護ってすごい!!
書き手:訪問看護師Y
看護学生の時、実習で訪問看護師と一緒に訪問しベッド上で入浴する支援を見学させてもらっ
た。その日から訪問看護をしたいと強く思うようになり、平成18年訪問看護の仕事に就く事が
できた。いろんな方と出会い、利用者様に育てられた。その中で、Tさんについて思い出しな
がら振り返りたいと思う。
1年目の時、先輩と一緒に訪問し、先輩が契約した。その後の訪問をまかされ週に1回から訪問
看護を開始した。ある日訪問すると、Tさんから「お金なくなったのよ。あなた持って帰った
んじゃないの?」と聞かれ、一緒に財布の中を確認してお金が入っていることを確認すると、
安心された。Tさんの担当となり、まだ慣れていない時期であったが、この言葉に絶句したこ
とを覚えている。私を疑ったんだと思ってしまったからだ。当時は認知症がみられるご高齢者
の方とじっくり関わったことがなく対応方法も知らなかった。それから研修会に参加し勉強し
たことを覚えている。認知症の病気とは・・、対応方法は・・と教科書では色々かいてあるが、
実際に体験したり、経験をとおして知識や理論が自分のものになっていくことの大切さを実感
した。また在宅看護の醍醐味として、疾患だけでなく、その人の人柄や生活歴や家族との関係
などいろんなことを総合的に踏まえて、看護していく楽しさを今は体験させていただいている。
担当交代となる、最後の訪問時、Tさんにご挨拶させてもらった。Tさんから感謝の気持ちをお
聞きし、二人で一緒に涙を流しお別れをした。一度も入院されることなく、独居を貫いておら
れるTさん。本当にお世話になり、また成長させていただきありがとうございました。これか
らもお元気で。
本当に訪問看護をしていてよかったと思える瞬間だった。この思いを大切にして、これからも
がんばっていきたいと思う。
訪問看護エピソード(その7)
あなたに会えてよかった
書き手:訪問看護師H
O様はガン末期の80代の男性で奥様をガンで亡くした後、自分もガンにかかっているとわか
り、闘病中でした。
最初に出会ったのはまだ自分で歩いて通院ができる頃でした。その後痛みが出現し、経口オ
ピオイドを飲み始め不安が強くなりました。病状も次第に悪化し「ホスピスに入ろうと思
う。」とご自分で入院を決められました。半年したころ一旦、退院することになり訪問を再開
しました。
病院からの往診を受けながら在宅で過ごしていた時にO様の誕生日がきました。病院の看護
師長さんより「一緒にお祝いをしたいので時間を合わせて訪問しますから来てもらえません
か?」と連絡がありました。担当の看護師と二人で行くと大きなケーキと一緒に後からこられ
ました。「主治医のポケットマネーで買いました!」ご本人もびっくりでした。とてもうれし
そうな表情で「こんなに生きれるとは思っていなかった。」と話されました。お祝いができて
私たちもとても嬉しい時間を過ごしました。痛みが強く、外出もできないO様にとって忘れら
れないお誕生日だったと思います。たくさんの患者さんがいるのに、気持ちを込めてお祝いを
している師長さんの笑顔もとても印象的でした。この師長さんは夜、不安になる時間に「大丈
夫ですか?」といつも携帯電話で連絡をくれたそうです。一人で痛みに耐える時の思いやりが
どんなに暖かく伝わったことでしょうか。
その後O様は再入院され、ほぼ1年を緩和ケア病棟ですごし亡くなられました。次々に他の
方が亡くなっていく中「どうして自分は死ねないのかな?」とお見舞いに行った時に話してい
ました。答えることはできなかったのですが静かな表情をされて「あなたに会えてよかった。
家で過ごした時間も楽しかった。」と言ってくださったことが忘れられません。悩むことも多
いですが、ありがとうの言葉を残してくださったことを大切にし、これからも訪問を続けてい
きたいです。
平成24年8月3日(金)
訪問看護エピソード(その6)
死生観を変えてくれた出会い
書き手:理学療法士A
その方と出会ったのは50歳の誕生日を迎えられた直後だった。がんの脊髄転移があり、歩きに
くくなったのでリハビリをして欲しいという依頼だった。とてもかわいらしく、上品な奥様と
いう印象だった。歳が近いこともあり、週1回のリハビリに通ううちに夫のこと、子供のこと、
これまでのことなどを友達のようにお互いに話すようになった。
何年か経過し、病状が悪化して入院することもあったが、御主人や子供さんたちに見守られな
がら在宅生活を送っておられた。しかし、ターミナル期まで病状は進行していた。
それまでの自分は身近な人を亡くした経験がほとんどなく、死に対して「とても怖くて恐ろし
いもの」というイメージを持っていた。しかし彼女は痛みが強くなり、体調が不安定な中でも
子供さんの進路や御主人の体調を最後まで心配しておられた。最後の最後まで母として、妻と
しての役割を全うされた彼女の姿を見て、それまでの死を怖がっていた自分の考え方が変わっ
た。
死は決して怖くて恐ろしいものではなく、自分らしく最後まで生きることに意味があるのだと
いうことを彼女に教えられた。そしてそれは病院や施設ではなく、最後まで家で過ごすことに
よって得られたものだと感じた。これからもひとりでも多く、そのような方たちのお手伝いが
できればと思っている。
① 平成24年7月28日(土)
全国訪問看護事業協会 管理者養成研修フォローアップ研修「多職種からの学び~人材育成・人
材管理の手法~」に参加
講師のT先生は私の恩師で、もとM電工の重役です。
先生の生きる姿勢を見るにつけ、人はどこまでも成長し続けることを欲しそれに向けて努力が続
けられるものだということを感じていましたが、今回もまたその思いを新たにできました。日々
悩みながら組織作りに取り組んでいることや、部下の育成についてなど、直接話を聞く機会もい
ただけました。
現状への不満や不平を言って終わり、でなくそれをどうプラスにしていくのか、
ということを自分自身では一生懸命考えてやってきたのですが、たくさんの失敗もしました。そ
んな私が若い人たちに伝えたいのは、「自分次第で状況は変えることができる」ということで、
T先生の講義でもこうしたお話がありましたが、長い目で取り組む必要があると感じています。
印象に残った内容を少しご紹介します。
マネジメント業務にあたる者に大事な心得とは。
①あらゆる経験に無駄はない。あるとすれば経験を生かそうとしない姿勢・考え方。
②守り通してきた理念は「お客様大事の心」。
これを基本に経営が考えられている。事業規模が拡大していっても「売上高」は「役立ち高」
「利益高」は「頑張り高」という考え方で、すべてお客様のために還元する、という姿勢。
③経営環境の悪化という言葉は言い訳
本質的には「変化している」だけ。それをプラスにするもマイナスにするも主体性の問題。
④「物を作る前に人を作る」
この姿勢で社の人材育成プログラムは作られている。与えられた仕事を遂行している、という考
え方でなく、「社員稼業をしている独立経営者」の考えになってものを見、判断できる社員を増
やす。
⑤挑戦しろ、といって失敗したと怒るのはおかしい。挑戦に失敗はつきもの。
⑥仕事における3つの能力とは
企画力・人間関係力・技術力
これに人としての基幹能力(主体・進歩・強調)と思考能力(多面・両面・中心)が加わり、さ
らにすでに形成され変わりにくいベースとして50%影響される遺伝子・性格・経験・価値観など
があって形成されている。
⑦困っている・悩んでいるは感情的でしかない。何で困っているのかを可視化することが解決へ
の一歩。
⑧マネジャーは「その人が変わる」ということを信じそのために頑張るもの。烙印を押さない。
ご自分のたくさんの失敗も紹介され、それを生かしてこられたT先生の言葉は
どれもが心にしみるものでした。
平成24年7月23・24日(月・火)
久しぶりの介護支援専門員更新研修
平成12年から始まった介護保険制度に合わせ、ケアマネジャー資格を取った一期生の私。
でも、当法人では現在はケアマネジメントと訪問看護両方のサービスの質を担保するためにも、
訪問看護師はケアマネジャー業務には従事せず訪問看護専任としています。
が、法人の配慮により介護支援専門員更新研修に参加させていただけることに。
今回2日目の研修は、事例に基づきケアプラン立案までの一連の作業を個人で行い、
それをグループ内ですり合わせて一つのプランにする、
というものでしたがこれが非常にハードでした。
自分の考えをほかの人が腑に落ちるように述べる、というのは
利用者さんとのかかわりの中で慣れているはずなのですが、
そうした意見が6人分出てそれをまとめていく作業は想像以上に困難で、
仕事をしているより疲れるねーと皆が言っていました。
こうして久しぶりにケアマネジャー研修を受けて、
質向上に向けた仕組みが研修の中に着々と組み込まれていることが、
本来の介護保険の理念を取り戻す取り組みと重なったように感じました。
6日間の研修のうち大半がケアプラン作成とその検証に充てられます。
次の研修までに宿題もたくさん。頑張らねば。
平成24年7月19日(木)
訪問看護ステーションネットワーク西宮 災害対応マニュアル作成事業(第1回目)
今年度、このブログでも書いているように
訪問看護ステーションネットワーク西宮で、
「訪問看護ステーションの災害対応マニュアル」作成に取り組んでいます。
4月の管理者会議で西宮市役所防災危機管理局のAさんに、地域防災計画の話をしてもらい、
その後何度も打ち合わせを重ねつつここまで来ました。
当初ネットワークで掲げた目標は、
地域防災計画に訪問看護ステーションの役割が明示され、
災害時の地域医療における訪問看護ステーションの役割を明確にする
というものでした。
担当してくださっているAさんがとても熱心に取り組んでくださり、
介護事業所や保健所等、地域福祉・介護の立場で
要援護者さんたちの安否確認が市と連携してできるような仕組みを作る
という構想になっており、今日はその第1回目。
具体的なマニュアル作りに取り組み始めました。
テキストは「訪問看護ステーションの災害対策(日本看護協会出版会)」。
この本は、多忙で小規模なステーションでもテキストを理解し、CD-ROMに入ったひな形に
沿って自分のステーションの状況を勘案しつつ入力をしていけば、
ある程度のマニュアルができるすぐれもの
(実は私、この本の執筆者の一員なので自信をもっておススメしますが、訪問看護ステーショ
ンだけでなく訪問系のサービスに使えるマニュアルだと思います)。
ですが、実際にひな形を埋めていくと不十分な点がより明確になるうえ、
Aさんという専門家の講義によりたくさんある項目の中でどれを優先して準備すべきか、
がよくわかります。
管理者全員が「一人ではどうしたらよいかわからなかったけれど、
こうした機会がありすぐに役立つ」との感想を持ったのもうなずけます。
次は9月に予定していますが、8月中にネットワークの中の協力体制とか連絡体制についても
どうまとめていくか、を相談しに行こうと思います。
頼りがいのある専門家の力をお借りして、なかなか取り組めなかったことが
少しずつ、前に進んでいる実感を持っています。
平成24年7月19日(木)
地域包括支援センター運営協議会に初めて出席しました。
今回、訪問看護ステーションネットワーク西宮として、
この会議に初めて参加させていただく機会を得ました。
最初に座長より「この会議の目的はセンターの公正中立的な運営を図るためのものではあるが、
一番は地域の連携・支援体制の充実。この体制をいかに進めていくかの視点で委員は意見・本
音の課題を出し、地域包括ケアシステム推進の具体的な姿を描いていく」と挨拶され、
視点が明確になった中、議論が開始されました。
私は保健師でもあるので、以前から気になっていたことを発言しました。
ひとつは地区診断の視点が乏しいこと、そして直接業務が多く、本来の役割であるコーディネ
イトの業務が手薄になっていないだろうか、の2点です。
のちに座長から、地域診断の視点を持った目標や評価設定をしていく方向で
努力をとの進言があり、発言趣旨の方向性が妥当だったことに
胸をなでおろしたようなことです(こうした機会は訪問看護にとって少なかったので)。
これからの地域包括ケアシステムの推進には
この地域包括支援センターの活性化が欠かせないと思うし、
私がずっと持っている包括支援センター業務のイメージは、
保健師の地域づくりの視点を持ったそれだと思ってきました。
訪問看護は地域づくりの視点を長年持って地域での活動を展開してきているから
気づくことがあるはずで、それをきちんと整理して発言しようと思います。
地域包括支援センターの発展的な活性化に向け、
動ける仕組みを整える一助となることが、
ひいては訪問看護の推進につながると考えています。
平成24年7月7日(土)
「もしも末期がんになったら…」は、ネットワークが共催しています
NPO法人アットホームホスピスさんと訪問看護ステーションネットワーク西宮では、
去年の「男の介護~妻を看取った8人の男たち~」を共催してからも
お付き合いをさせてもらっています。
理事長の吉田利康さんは「家で看取ろう」に熱い思いを持つ60代の男性で、
ネットワークの管理者会議で、予定を30分オーバーして60分間もその思いを熱弁、
管理者みんなにちょっと「引かれた」くらい熱い人です。
今回は「ホスピスケア関係者大集合!}と題して、
患者代表、遺族代表、ホスピス医、開業医、歯科医師、訪問看護師、
薬剤師、地域医療連携部署MSW、言語聴覚士、ケアマネジャーの他、
「ドッグセラピー」をしているハルちゃんというワンちゃんも参加。
ネットワーク西宮からは二人の訪問看護師(管理者)が出演し在宅療養の現状や課題や訪問看護
師ならではの視点で話をしてくれました。
会場からも活発な意見が出、こうしたテーマに対する関心の高さがうかがえました。
中でもK病院の薬剤師であるAさんは、自身もがんにかかり今は一切の治療を中止して
仕事の傍ら、がん患者の支援をしている、という本当に頭の下がる生き方をされている人で、
「自分の命をいっぱい使っているとそろそろお終いだよ、と言われてもああそうか、もういい
んだなと思える」ということをあちこちで話しているそうです。
名刺交換をお願いし、是非ネットワークで訪問看護師にそうした話を!とお願いすると、
「残り時間があまりないので、早く決めてください、と依頼者にはいつもお願いしています」
と…。
自分が訪問看護師であることに改めて身が引き締まる思いがし、
そんな機会をまたもらったことや、仕事をさせてもらっていることに感謝した次第です。
当事者が参加する形のこのような研修に、ひきつづきネットワークとして多くの管理者が発言
し、西宮を利用者にとって看取られやすい(看取りがしやすい、されやすい)地域にしていく
一端を担っていきたいと思った一日でした。
平成24年7月3日(火)
医師会に訪問看護ステーションネットワーク西宮の記念誌を持参
訪問看護ステーションネットワーク西宮の設立15周念を記念して、記念誌が完成しました。
編集委員の管理者さんたちが、超多忙な中熱心にかかわってくださって
素敵な仕上がりになっています。
いつもとてもお世話になっている医師会の先生方にも是非見ていただきたい、
ということで事務局を通じて配布していただけることになりました。
大雨の中、重いよーと独り言を言いつつワゴンに載せて運び込み、
事務局のかたにお渡ししました。
封筒に入れるのもしてくださるとのことで、とても感謝&恐縮でした。
ありがとうございました。
そしていつもありがとうございます。
平成24年7月3日(火)
メディカルケアネット西宮第1回事例検討会の様子
私の担当地区は塩瀬・山口でした。
スタッフを含め46名もの参加があり、早い時間帯から集まりだし
情報交換や顔合わせの機会になっていました。
この地区は、宝塚に近い地域で、いつも研修をしている場所までは遠いこともあって、
メディカルケアネット西宮の第1回、2回の勉強会に参加した人はほとんどなく、
メディカルケアネットについてもほとんど知らなかったようで、
周知の良い機会となりました。
司会者の「この事例検討会に参加して良かった、
次回もしたいと思えるような会にしていきましょう」というあいさつとともに、
真剣に情報交換や検討をする人たちの姿がありました。
今回の会では、司会者の人柄がにじむ進行も手伝って、
会の目的や方向性を共有できたうえ、建設的意見が多数出る気持ちのいい、
また実際の業務に生かせる会になったようで、そのことがとても嬉しかったです。
また、事例を提供してくれた人も「皆が真剣に考えて、とても参考になる意見をたくさんも
らった。嬉しかった。このような検討会ができれば、次回事例を出す人も躊躇せず出せると思
う。ありがとうございました。」と言ってくださったのも素晴らしかったと思います。
今回が第1回目の事例検討会だったので、議事録やアンケート結果などの成果物をその地区の
人たちにフィードバックすると、課題検討の内容がレベルアップしていくのでしょうね。
平成24年7月3日(火)
短冊に書いた「願い事!?」
うちの事務所が入っている老人保健施設では、季節の行事をとても大切にしているようで、
先ほども、七夕さまの笹に短冊がたくさん飾られていました。ちらっと見ていると・・・。
老健のY事務長さんの短冊が…。
「努力しますのでどうか計画停電になりませんように」と書かれていて
切実さがひしひしと伝わってきました…。
避難訓練のことでも書きましたが、建物を管理して利用者さんを責任もってお預かりする、
ということは訪問サービスとは違った意味で本当に大変だと思います。
短冊に書かれた言葉がそれを物語っていました…。
平成24年7月3日(火)
計画停電の準備のこと、災害対応のこと
「原則として行わない」と関西電力のHPに記載されてはいるものの、
何があるかわからないということで少しずつ準備をしています。
訪問看護ステーションネットワーク西宮に所属しているステーションでも、
こうした経験がないところが大半!ということで、
メールで情報提供をしていくことにしました。
10年以上前から、うちの訪問看護を利用してくださっている
Sちゃんのお母さん、A子さんから、重症心身障害児のいろんな役をされていることもあって
様々な情報提供をくださっていることも、細かい準備を考えるのにとても助かっています。
(この前計画停電に関する記事で神戸新聞が取材に来られたとのこと。掲載紙には写真もバッ
チリ載っていました。)
これまでに、「医療機器を使用している人の計画停電の準備」、「医療機器業者の災害対応へ
の取り組み内容」などすぐに活用できそうなものを送っています。
また、災害対応に関連してうちの事業所ではメーリングリスト(もどき)を作り、
にしのみや防災ネットから重要な情報があればスタッフに一斉送信するような
取組を始めました。おおむね好評なようですが、たくさん課題はあります。
ひとつずつ着実に取り組むために、5カ所の管理者一同、知恵を出しあいます。
7月末からはネットワークで災害対応マニュアルの作成に取り組むので、それも追い風です。
平成24年7月3日(月)
本日より「西宮市小松訪問看護センター」がオープンしました。
事業団で5カ所目となる訪問看護ステーションがオープンしました。
平成10年に開設した西宮市甲子園訪問看護センターを分割した形です。
ケアマネジャー、地域包括、ヘルパー、福祉用具と同じ場所に事務所があり、
連携しやすいつくりです。
西宮市内でも南の方に位置していて、地域の方々に愛され頼られるステーションになるよう、
スタッフ一同力を合わせてがんばります。
それから、南への移動がこれで少し楽になりますので、
その分、より多くのかたに訪問看護が届くといいなと思います。
ベテランのU所長なので心配はなし!よろしくお願いします。
平成24年6月28 日(木)
メディカルケアネット西宮 第1回 西宮の医療と介護の連携を考える事例検討会
市内5カ所の圏域で今日、一斉に事例検討会が開催されました。
テーマは「ターミナル」の事例。
先週あったメディカルケアネットの会議では、
各圏域ごとに集まった事例検討会の推進メンバーたちが何度も集まって打ち合わせをし、
出された事例の特色を生かす進行を真摯に考え取り組む様子が報告されるとともに、
参加者も介護保険サービスの職種のみならず、病院医師、在宅医、薬剤師をはじめ
多様なメンバーが揃いそうだ、ということで、どんな事例検討会になるのでしょうか!?
次回の会議での話が楽しみです!(次のページにチラシを載せています。)
第1回
メディカルケアネット西宮
西宮の医療と介護の連携を考える事例検討会
メディカルケアネット西宮は、地域包括ケアシステムの構築に向け、
メディカル(医療)とケア(介護)のネットワークづくりを推進する目的で関係職種が集まり、活動
しています。
今回は、顔の見える連携の充実をめざし、地域包括支援センターの
圏域ごとで、事例検討会をおこないます。ぜひ、ご参加ください。
日
時
平成24年6月28日(木) 14:00~16:00
(受付開始:13:30から )
内 容
事例検討会 (医療と介護が連携したターミナルケアの事例)
対 象
医療関係者、在宅ケア従事者 等関係職種
参加申し込み 各会場担当者にFAXにて 5月 30日から 先着順
圏
域
中
央
鳴
尾
瓦
木
甲
東
甲陽園
塩
山
瀬
口
会
場
西宮市役所東館
801・802会議室
鳴尾支所
3階 集会室
すこやかケア西宮
研修室
定
員
40名
40名
40名
アプリ甲東3階
和室
40名
塩瀬センター
4階 会議室
40名
【メディカルケアネット西宮メンバー】
西宮市ケアマネジャー協会
訪問看護ステーションネットワーク西宮
西宮市高齢者あんしん窓口(西宮市地域包括支援センター)
阪神地域医療連携担当者連絡会
これは参加申し込み用のチラシです。
平成24年6月26日(火)
訪問看護エピソード(その5)
4年間を振り返って
4年前訪問看護をしようと決めたきっかけは、勤めた病院では日々業務に追われ
それをこなす毎日に疲弊していたからです。
看護ってなんだろうと。
訪問看護と言えば『一人で判断しないといけないから不安』とよく聞きます。
でも当初の私は『利用者と1時間もびっちりむきあえ、ケアができるって素敵』
と思っていました。
病院のプライマリーは名ばかりで、プランを立てる事で必死、
その人の本質を深めるに至らず、退院していく。
その点、訪問看護ではその人に向き合う時間が一杯あって、
自分も利用者も満足できるんじゃないかと前向きでした。
実際1時間は『たかが1時間』でした。
訪問看護は「その人のQOL」をいかに実現するかです。一時間では全く足りません。
人格障害のため部屋の奥から大きな声で帰れコール。玄関先で妻の話を聞いて帰る。
妻は『私の話を聞いてくれるだけで十分よ』と言ってくれるが
『何かしないと』と思う私にとって、これで本当にいいの?
母にはミカンを食べさせてあげられなかったから、父にはそうしたくない、
と末期の父を看取る娘様の思いを大切にしたくて、経口摂取を勧めない主治医に再々連絡を
とって、トマトを食べられたこと。
家族は疲れているから入院した方がいいと主治医から勧められたが、
ここまで寝ずに介護を続けた家族の頑張り、入院したくないとの本人の思いを尊重し、
最期まで在宅療養を支援したこと。
『若いよね。これからなのに家族に何もできないままこんな体になった』『もう終りにした
い』と若くして癌末期になられた方の悲観を聞くたび、どうしたらいいのか分からず、
一緒に途方に暮れる日々。
その人の人生や終末期を決める手助けをする事は本当に大きな責任と重みを感じます。
その人や支えた家族の関わりや価値観を大切にしながら、そっと支えるためにも、
自分もいろんな人生経験をして、価値観を高める必要性を痛感しています。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年6月26日(火)
全国訪問看護事業協会 理事会・総会・都道府県連絡協議会交流会
昨日、一般社団法人になって初めての理事会・総会がありました。
当法人の訪問看護事業所では、事業協会当初より理事をさせていただいていて、
当初は事務方が出席していたようですが、
ほどなく訪問看護の初代統括所長の石田さんが出席するようになりました。
石田さんは山崎摩耶先生、宮崎和歌子先生、上野桂子先生と同世代の訪問看護のパイオニア。
その御縁あって今も当法人から理事をさせていただいています。
特別講演会ではテレビでもおなじみ、
医療経済学者さんの東京医科歯科大学の川渕先生が
訪問看護の未来についてお話し下さいました。
また、都道府県連絡協議会交流会で素晴らしかったのは、
全国を6つの地区ブロックに分けた広域ブロックの活動。
特に昨年の被災地域を含む北海道・東北ブロックは、すでに災害前から集まりを持っており、
昨年も「こんな時だからこそ」と秋谷30に二乗が集まったうち、
被災県から70名強が来られたそう。今年も函館で集まるそうです。
こうして全国の人たちがいろんな場面でがんばっておられる姿を見ると、
また頑張ろう!と気が引き締る思いになります。
実は前日、去年北海道でお世話になった北海道連絡協議会のお二人と夕食。
よくしゃべり、よく飲み、訪問看護への熱い思いを語りました。
訪問看護の管理者って、個性的で「看護が好きだー!」っていう人が男女問わず多いですよね。
平成24年6月22日(金)
すこやかケア西宮の消防訓練
今日の午後から、訪問看護事業所の一つが入っているすこやかケア西宮の
消防訓練がありました。
恥ずかしながら、今回初めて参加させてもらいましたが、施設の大変さを改めて実感しました。
特に、すこやかケア西宮は施設内が広々している分、火災警報が鳴り、
職員さんが安否確認するのに走り回るのでへとへとになりそうなほど。
患者役になった当センターのO管理者は、
「本当に地震や火災が起こったら『ここで待っていて下さい』と言われても
うろうろしてしまいそう。」と言っていました。
そうした人たちを誘導し、安心してもらうことは並大抵のことではないと思いました。
協力できることはしていかなければ!!と思わされた一日でした。
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平成24年6月14日(木)
質疑解釈通知の波紋 ~訪問看護指示書について~
ある医療機関の地域連携部署のかたから電話が。
「ある訪問看護ステーションから、医療機関各位として文書が送られてきた。
内容は、『今回の改定で訪問看護指示書に関する質疑解釈通知が出された。
その中で訪問看護指示書は医療機関の責任において準備し交付するものである
と書かれており、今後、指示書様式は医療機関で準備していただきたい。
また、送付も医療機関で責任を持ってしていただきたい』との内容だった。
これまでも医療機関に責任があると思い、気を付けて主治医にも指示書を書くよう
言ってきたが、期限を守らない主治医も多く、困った状況は変わらないが、
今後一切訪問看護ステーションからは連絡がもらえなくなるのでしょうか」
との内容でした。
改めて質疑解釈を確認しますと、以下のように書かれています。
Q:C007訪問看護指示料について、訪問看護指示書の様式は、訪問看護ステー
ションが準備するものか。
(答) 訪問看護指示書は、医師の診察に基づき、医師の責任において交付するもの
であるため、医師の所属する医療機関が準備し、その交付についても医療機関の責任
において行うものである。
内容自体は特に「今回こうなった」、という訳でなく指示書の本質的な解釈です。
私が思ったのは、「突然『こうします』と一律に文書で通知すると、
却って医療機関の方が混乱するのでは…」ということ。
何年も前に、「原則として医薬材料は利用者や訪問看護ステーションではなく
医療機関が利用者に必要なものを渡す」という内容の解釈通知の時も、
同じようなことがありましたが、担当者が主治医に丁寧に説明・お願いして対応して
きました。今回の通知もおそらく同じような意味なのでしょう。
確認のため、全国訪問看護事業協会に確認しました。
担当者のYさんの話は以下の通り。
「事業協会の電話相談でも、『医療機関から指示書返送用の返信用封筒や
返信用切手を求められる。本来ステーションが負担すべきか』といった質問が
とても多いし、医師や医療機関側による、訪問看護の認知や必要性の理解が
進んでいないので、なかなか指示書を交付してもらえない、等々の問題がある。
本来的には指示書は解釈通知にあるように『医療機関の責任で交付する』もので
あることを改めて認識してもらうために出されたものだと解釈しているので、
現場でうまく対応を」
とのことでした。
要は相手が何を求め、こちらは何を相手にわかっていただかないといけないのかを
明確にして、丁寧に説明・同意の手順を踏むことではないかなという気がしましたが、
いかがでしょうか。
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平成24年6月12日(火)
訪問看護エピソード(その4)
「バラの薫る頃には」
書き手:訪問看護師 K
私の訪問看護は1週間に4人の利用者様との出会いから始まりました。
専業主婦だった私はライフスタイルに合わせた仕事ができそうという安易な動機で訪問看護の
世界へ飛び込みました。早いものであれから7年半・・・
地図を片手に自転車で奮闘していた私も今では颯爽とバイクを乗りこなし(?)、多くの利用
者様のお宅を訪問させて頂いています。仕事を始めて間もなく、人工呼吸器を装着し退院され
るYさんの担当になりました。私が訪問看護初心者ならその方も初めての在宅療養でした。
その方はお花が好きで、私はよく花の手入れ方法を教えてもらいました。外出が難しく自宅中
心の生活でしたがカレンダーやチラシの花のポスター写真を切り抜き、春にはベランダから桜
並木を眺め花に触れ合っておられました。担当してから2年後、私は近所のバラ公園への散歩
を提案しました。そして5月の穏やかな日、娘様、愛犬、ヘルパーさんと一緒に初めて散歩に
行くことができました。バラに囲まれて嬉しそうな笑顔、愛犬もはしゃいでいた姿は今でも懐
かしく思い出されます。そしてその時に撮った写真はアルバムに収められ、幾度も見返しては
喜んでくれました。それから毎年、散歩を心待ちにされるようになり3年間行くことができま
した。
天国へ旅立たれた日は私の娘の誕生日でした。娘さんから、病院からご自宅へ戻られたと連絡
を頂き会いにいきますと、赤やピンクの鮮やかな配色のチマチョゴリを身に纏い、いつものよ
うに私の訪問を待ってくれていました。私は最期に訪問看護師として成長させて下さったこと、
いつも深い信頼を寄せて下さったことへの感謝の気持ちをお伝えしました。
これからも毎年、バラの香りがする頃、そして娘の誕生日を祝う時にはYさんとの6年間の
日々が思い出されることでしょう。これからも一人一人の出会いを大切に利用者様やご家族の
気持ちに寄り添える看護師でありたいと思います。
平成24年6月12日(火)
訪問看護ステーションネットワーク西宮 総会
先日、9日土曜日に訪問看護ステーションネットワーク西宮の総会が開催されました。
今年は10周年にあたる年でもあり、記念誌を作成して参加者に配布しました。
この記念誌は、これまでの取り組みや顧問の先生(西宮市医師会)、市役所の関連部署の方の
寄稿はもちろんですが、訪問看護のエピソード集とステーションの紹介が写真とともに掲載さ
れている、地元感(?)満載の内容です。同時にパンフレットも作成しました。パンフレット
の挿絵は訪問看護のスタッフの娘さんたちが担当してくれ、温かみいっぱいのパンフレットに
しあがっています。いずれも広報担当の4人の管理者たちが、時間をひねり出して作った、訪
問看護への思いあふれる素敵なものになっていて、感激しました。これから市内の医療機関や
ケアマネジャー、包括等にも配布予定です。これからも、訪問看護ステーションの管理者を中
心にスタッフ一人一人も参加し、みんなで頼りになるネットワークの構築を目指していくこと
が確認された総会でした。
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平成24年6月6日(水)
訪問看護エピソード(その2)
「訪問看護師 1年生」
書き手:訪問看護師N
訪問看護師の仕事をして1年が過ぎました。訪問看護は病棟勤務と違い、場合によっては何年
もの長い関わりになってきます。そんな中で人間関係はとても大切です。しかしそう簡単に築
けるものではないと日々感じています。私が訪問看護を始めてから担当させていただいている
Mさんは若くして全身麻痺で寝たきりとなりました。心を硬く閉ざしていた時期もあり、現在
もまだ苦しい思いを抱えられています。はじめは90分のケア内容を覚えるのに必死でした。
またMさんから話しかけられることもありませんでした。90分の訪問時間は長く、私は何か
話のきっかけはないかと訪問するたびに話しのネタを探していました。Mさんの部屋にはお孫
さんの写真が沢山飾ってあり、何となく自分の子供と歳が近そうだなぁと思い思い切って聞い
てみました。偶然にも、数日違いの誕生日でお互いにびっくりしてからは、Mさんと同世代の
ヘルパーさんも一緒にお孫さんの話をするようになりました。Mさんはお孫さんを抱っこした
り、追いかけたりは出来ません。しかし話しは出来ます。私に、公園やおもちゃなどお孫さん
が喜びそうな情報を聞いてくださるようになりました。Mさんとの会話が少しずつ増えてきた
ある日、ヘルパーさんより「Mさんが、看護師さん次の訪問はないの?と聞きたいそうです」
と。私はMさんの訪問が最後だったので「ないです」と返事をすると、ヘルパーさんは「よ
かったですね」と言われMさんもにっこりされていました。私はどういう意味で聞かれたのか
問いませんでしたが、何となくMさんに受け入れていただけたのでは?と感じました。私はM
さんに、長い関わりになるからこそ、丁寧な関わりが必要になるということを教えていただき
ました。心に寄り添えるような看護師を目指していきたいと思っています。
訪問看護エピソード(その3)
作業療法士として10年目を目の前にして
書き手:作業療法士T
私は作業療法士です。訪問看護に携わってまだ1年半しか経っていません。それまでは、病院
や老人施設で7年ほど働いていました。これまでと違い、ご利用者さんのお宅に伺いリハビリ
を行うことは、ご利用者さん、ご家族さんの生活の中で困っていることに直接働きかけること
ができ、非常に実践的だと感じています。一人では歩けないけれどリハビリの時間歩くことを
楽しみにしている方、少しのコツを伝えることで起き上がりが上手くできるようになり喜ばれ
る方など、ご利用者さんの笑顔を見ることができた時が一番嬉しいです。もちろん、上手くい
かない事や失敗もありますが…。
ある高齢のご利用者さんは、毎回、足の運動やポータブルトイレへ移る練習など私のリハビ
リに笑顔で熱心に取り組まれていました。ある日急に入院され、面会へ行きましたが、ベッド
上で体を動かすこともできない状態で、声をかけても小さな声で「んー」と返答するのがやっ
との状態でした。そしてその翌日に永眠されました。トイレに移ることは上手くなり、ご家族
さんも喜んでおられましたが、はたして、ご利用者さんの人生を豊かにできたのだろうかと
思っています。
そんな私にとってご利用者のみなさんにリハビリをしているつもりでも、本当はみなさんか
らリハビリをしてもらっています。落ち込んだ時、くじけそうな時、今の仕事をもう辞めてし
まおうと思ったとき、ご利用者さんのお宅にお伺いすれば、そんな気持ちも吹き飛んでしまい
ます。そして、また頑張ろうって元気をいただきます。私は今年で作業療法士になって10年目
の節目を迎えようとしています。今もこの仕事が続けられるのも、ご利用者のみなさんの笑顔
のおかげです。明日も皆さんの笑顔が見られるように、私も張り切ってリハビリをしていきた
いと思います。
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平成24年5月23日(水)
訪問看護エピソード
3月頃、看護協会が募集する「忘れられない看護エピソード」に当法人の訪問看護ステーショ
ンから応募しよう!ということで、スタッフがたくさんのエピソードを寄せてくれました。
今日からは、それを少しずつご紹介していきたいと思います。
どの文章も、本当に大切な大切な宝物です。スタッフの思いが詰まっています。
私が訪問看護を好きな理由
書き手:訪問看護師S
「やさしい看護婦になります。」今から約20年前、看護学校の載帽式で私はこう誓い、看護師
になった。病院勤務時代、やさしくないわけではないが日々の業務に追われ、患者さん一人一
人と十分向き合えていなかったように思う。ケア中でも違う患者さんからのコールや検査や手
術の送り迎え、安全に日々の業務をこなすことが精一杯だった時代・・・いわゆる「燃えつき
症候群」となり、私は臨床現場から離れた。
ひょんなことから20代後半になって訪問看護の世界に入り、天職を得たような気分になっ
た。楽しい、とにかく仕事が楽しい。一人の患者さんに1時間じっくり向き合えること、その
人や家族が望む生活を実現していく為にコーディネイトしていくこと、何もかもが新鮮でやり
がいを感じることが出来た。それから、結婚や出産もあり在宅の現場から離れることもあった
が、約10年訪問看護師として働いている。
私には悪い癖があり、数年に1回、ひどいときには年に数回仕事辞めたい気持ちが強くなる
ことがある。特に何があったからというものではなく、ただ何となく仕事が嫌になる。そんな
時、私の頭に利用者さんや介護者の顔が浮かんでくる。
入浴の時、背中を洗っていると「お母さんに洗ってもらっているようだ。」と言ってくださ
るSさん。入浴介助で濡れた私のズボンの後ろを入浴後の疲れた身体で拭いてくださるTさん。
「あなたのお仕事はみんなに感謝してもらえる。いい仕事を選んだわね。」と言って下さるI
さん。「待ってたよ。」「ありがとう。助かるわ。」様々な言葉。冬の寒い日、玄関に置いて
いた私の防寒着をストーブで暖めて下さっていた介護者の方。雨の日、心配そうに玄関から覗
いておられた介護者の顔・・・
やっぱり、訪問看護はやめられない。私は訪問看護が好きなのだ。みなさんからやさしさを
いただき、今日も私は頑張れる。
1. 西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年5月22日(火)
当事業団の今年の取り組み
管理職が集まる今月の会議で、法人全体の質向上の取り組みについて、
以下の通り周知されました。
成果も少しずつ表れているようです。ここに概要をご紹介します。
1.事業団総会の開催
これは、TQM(Total Quality Management)の一環で、今年が3回目になります。
去年までは各事業が「連携」をテーマに研究内容を発表しました。
2.階層別研修
これも2年目。全職員が階層別に年3回程度のテーマ別研修を受け、
事業団職員としての質向上を目指しています。
今年からはパート職員向けも始まります。
3.ミニ研修
これも2年目。看護職、福祉職をはじめ、様々な職種や得意分野を持つ職員がいる
当法人ならではの、バラエティ豊かな研修。
中にはすべてのミニ研修を制覇した強者もいたそうです。
4.広報委員会
法人広報誌の編集・発行を担当。各事業の特集が好評なようです。
訪問看護の特集の際には、集合写真を見た利用者さんの何人かは
スタッフに「あんた、ここに写ってたなあ!」と赤丸をし、
大事に広報誌をとっておいてくださったそうです。
5.リスク管理システム委員会
事故・ヒヤリハットなどの報告事例を基に、
リスク管理に活用するシステム作りを木体として設置されています。
各事業からリスク管理の論客が集まり、議論を重ねています。
5.介護保険サービス業務連絡委員会
介護保険業務の円滑な執行とサービスの質向上を図るために設置されています。
去年はサービス相互の研修が好評だったようで、
私も報告書を見せてもらいちょっと感激しました。定例化されるようです。
6.研修委員会
当法人で行う質向上に資する各種取組みについて検討する委員会。
ここから上記の様々な取り組みが生み出されます。
こんな充実した取り組みを行っている社会福祉法人は珍しいのではないでしょうか?
もちろん、訪問看護師たちも各部門で活躍しています!
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平成24年5月8日(火)
メディカルケアネット西宮 事例検討会のこと
来る6月28日(木)に、メディカルケアネット西宮主催で「圏域ごとの事例検討会」
を行うことになっています。
詳細は来週の会議で決まるのですが、この時の進め方をどうしていこうかと調べていると、
「インシデントプロセス法」というのを発見。
インターネットで見つけた資料からですと、
従来の一般的な事例研究は、事例発表者が30分程度発表し、その後質疑応答をし、助言者が
いる場合は助言を受けて終わりというパターンが多く見られるが、その欠点は、
1.事例発表者が資料やレジュメを作るのが大変。
2.終了した、あるいは成功した事例が提供されることが多く、質疑応答しにくい。
3.参加者が受動的になりやすく、質疑応答が不活発になりがち。
4.質疑応答で、発表事例についてではなく、自分の事例について説明する人がいる。
5.研修した内容がその事例に止まり、発展しにくい。
ということで開発されたインシデント・プロセス法の特徴は、次の通りだそうです。
インシデント・プロセス法は、発表者の短い象徴的な出来事をもとにして参加者が質問に
よって事例の概要を明らかにし、原因と対策を考えていくものです。その特徴は次の点にあり
ます。
1.参加者一人一人が問題解決の当事者の立場で考えられ、主体的、積極的な研修ができる。
2.実際の活動の場において発生した問題を、参加者が共有体験を通して解決できる。その後の
参加者の実践的な活動に結びつきやすい。
3.事例の資料の準備の負担が少なく、誰でも発表者を引き受けやすい。
4.質疑応答は事例の事実について行われるので、発表者の対応に批判的になりにくく、発表者
の心理的な負担が少ない。
これはいいのではないかい?事例検討で抱える問題がいい具合に解決できるかも!?
と思った私は早速来週の会議でこの方法で事例検討を行うことを提案しようとおもいます。
平成24年5月8日(火)
看護記録って、ある意味「特殊な記録」?
この間、1年間分の「お客様の声」を一覧表にする、という作業を本部事務局から求められ、
所長たちは忙しい中、取り組んでくれました。
「声」に直接対応した思いが強く強―くこもった一覧表でしたが、
事務方からは「わかりにくい」。思えば看護記録って、
「カルテにその人ひとりの情報を書く」もの。
つまり「主語」は登場しない特殊な記録なんですよね。
訂正して無事提出。
所長たちと「気をつけなきゃ!」と言い合ったのでした。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年5月8日(火)
カゼをひきました
GW最初の3日間を風邪ひきで寝込みました。
よくこんなに眠れるな!!というくらい、最初の2日間は昼も夜も寝ていました。
おかげで今はすっかり元気です。
平成24年4月25日(水)
ネットを見て問い合わせをいただきました
時々、HPを見て、とお電話をいただきます。
今日も「冊子をいただきたくて」とのお電話。
話を聞いていると、訪問看護に興味があるけれど、不安の方が大きく、
ブランクも長いために、二の足を踏んでいると。
まずはセンターの雰囲気など実際の職場を見てもらい、
いくつかの質問を受けるとますます興味がわき、
ちょっとでもやってみようかなと思ってくれる人も。
これもブログを書く元気の素です。
平成24年4月25日(水)
ホッチキス
センターにあるホッチキスは、25枚くらいの書類を綴じようとしてもうまくできません。
思い切って、あらたしいホッチキスを買ってもらうことにしました。
50枚くらいは綴じることができます。
これで書類の整理もはかどるとおもいます。
平成24年4月25日(水)
すてきなブログを発見
朝、新聞で見つけた「介護者が考える胃ろう管理」の記事で、
「そうそう!その通り!」と思う素敵な意見を述べておられた
介護者さん(若い方)がブログを発信中、という記事。
早速調べてみました。
『たのしいおうちかいごの物語』http://www.taketori.co.jp/hiroko/
といって「みやざ樹 詩子さん」という方が
おばあ様を介護された話を書かれているものでした。
その中の、“ショートストーリー「1日が24分になる日。」
知ってほしい家族の目線”という記事の中で
「本当はこう言ってほしかった…」というページがあり、
「あーよかった…こういう風に言ってる…」とホッとして嬉しく思いました。
皆様もぜひ見てみてくださいね。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月25日(水)
4月からの新体制
月1回の研修会で、スタッフにこんな話をさせてもらいました。
1.1994年(訪問看護制度創設年)以来、訪問看護が再注目された改定
2025年問題、とよく言われる
たくさんの高齢者が医療機関でない場所でなくなる時代が来る
在宅看取り数と訪問看護実施数の相関が明確、とのデータから国が「地域包括ケアシステム」
の構築にあたって、在宅医療推進の部分で訪問看護の役割を大きく打ち出した結果、今回の大
きな改定となった。
毎日忙しくて大変だけど、それ応える社会的な役割がある。
全国に6000カ所のステーションがあり、4万人の仲間がいて
皆同じような思いを持ってやってきたからこそ、今の訪問看護制度があり、
訪問看護の力が期待されている。
2.目指すはいつも「どんな状態の人も安心して過ごせる地域づくり」
今回の改定で新しいサービス類型ができ、すべてに訪問看護の力が必要な形となった。西宮
市の第5期高齢者福祉計画・介護保険計画でも、複合型サービスの設置目標数が26年度で20カ
所、と定められており、実施に向けた情報収集を始める。
3.事業団看護という組織のミッション(使命)とは?
平成4年に西宮市訪問看護センターができて以後、事業団の訪問看護の拠点が増えた。訪問看
護事業は年々大きくなっているが、 統合するための調整機能は各々の管理者が担っている。
訪問看護のニーズにこたえ皆が良質なサービスを提供してきた結果。感謝の気持ちでいっぱ
い。
ステーションの数が増えてもこれまで大事にしてきた「利用者の思いや願いを知りそれをか
なえる」事業団看護の本質は変えない。そのためにはお互いが気づいたことを言い合う土壌が
大事。
訪問看護のニーズが増えることはあっても減ることはない
さらに地域包括ケアシステム、というくくりで在宅サービスが進められる中、訪問看護の役
割は「専門性を高める、深める」の一言。医療と介護の両方を理解している訪問看護だからで
きる事をしていくことが求められる。
4.具体的なテーマは…
①なぜ、どのように看護を提供したのか、記録に残し、「訪問看護の神髄」をデータと事例で
残す。これを誰にも分かる形で残し、事業団看護の神髄が可視化を。
②看護を必要とする人にきちんと届く社会にするために、私たちに求められる「調整力」を発
揮する
「利用者さんの思い、願いは?」「それをかなえるために利用者さんにとって何が適切か」
「この訪問看護はケアプランにおいて適切か」の視点を持ったうえで、おかしい、とかここは
もうちょっとこうした方が、と思うことは積極的にケアマネジャーや主治医と相談する。この
ことによって自分達がしている看護とか考えている事がケアマネや主治医にわかる。特に、ケ
アマネに訪問看護が理解されることは「必要な人に看護をタイミングよく届ける」、という意
味では大切。
③制度に振り回されず制度を活用できる訪問看護スタッフに
例えば・・・
担当者が入院したとき
主治医が必要と認めれば、外泊時の訪問看護、退院当日の訪問看護(退院支援指導加算。改定
で適用範囲が外泊時の人と同様広がった)、退院直後なら特別指示書で訪問看護が頻回にかか
われる、などが可能に。これを活用し、安心な状態で退院し、セルフケア獲得をサポートし、
できるだけ再入院しない、を目指す
医療器具管理が必要になった時、がん、難病の人…
退院時共同指導が2回できる。複数回訪問でセルフケア獲得を強力にサポートし、あとは見守
りにしていく。1人での判断が難しい場合には、複数名訪問を活用する
5.期待
目的は、ミッションの実現のため、より良質なサービスを提供すること
・お互いに気付いたことを言う
・それをプラスに転じる
そのことによって、どのステーションもさらによくなる
一人一人の意識が大事
最初は「何あの人?」ってなるかも。それで終わらせない。
ベテランも、中堅も、新人も、誰もが大事な一人一人のスタッフであり貴重な意見を持っている。
それを惜しまず出すことが良質なサービスにつながる。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月25日(水)
メディカルケアネット西宮第2回勉強会の内容
第2回目の勉強会が開催されました。テーマは医療者同士の連携について~がんの人が在宅療
養を開始するとき
でした。すべての内容をここでお知らせできないので、さわりのところを少しだけ…
【A氏 日本がん楽会】
西宮市在住で2年前に大腸がんを患って、手術、抗がん剤治療を行ったが、現在はつかえる薬
がもうなく、去年の8月から一切の治療はおこなっていない。私は非常に元気そうに見えると
思われるが、末期のがん患者である。定期的な診療の他、半年もしくは3ヶ月に一度に尼崎の
医療生協の緩和ケアを受けている。緩和ケア自体は特にすることはないのだが、非常に安心感
につながる。兵庫県は在宅の看取りが一番だと聞く。しかしこと西宮に関しては寒い環境だと
感じる。前回の第1回メディカルケアネット西宮でも介護認定は迅速されるべきにも拘らず登
壇された方から「介護認定がおりる前に利用したいのだけど…」という意見がでていることに
対して、そんなことは常識のことだと思っていたので非常に驚いた。職員の方々が責任の擦り
付け合いをしている状態を目の当たりにして危機感を覚えた。是非がんになっても住みやすい
街西宮をみなさんの力で実現してほしい。
【B氏(看護師) 病院地域連携部署】
病院の立場としてこの席に着かして貰っている。地域利用連携室というのは病院から地域に戻
られる方のパイプ役である。私が経験し感じたことをお話したい。患者や家族はがんに対して
悲観的になってしまう。主治医からも今後の可能性や先を見越した提案がされていない現状も
ある。私たちが介入する場合はかなり悪化している場面が多いが、きとくな方はそれでも家に
帰りたいと言う。在宅の先生や訪問看護、ケアマネジャーに無理を言って家に戻ってもらうこ
ともある。そういった中で私たちも病院に戻って何かフィードバックできるものがあるかどう
か、この場でディスカッションさせていただきたい。
【C氏(訪問看護師)】
訪問看護の立場で、がんの方が在宅療養で問題に感じていることと、今回の診療報酬、介護報
酬の同時改定でかなりの訪問看護の推進策が出されたので情報提供ができればと思う。まず自
己負担の問題がある。末期のがんの方は医療保険での対応となり、例えば介護保険でヘルパー
や用具レンタルは1割負担でいいが、2号保険者などの若い方は3割負担(医療保険)で、1回の
訪問看護の自己負担が3,000円くらいになる。在院日数が短く(資料P2:医療を必要としてい
る人は施設よりも在宅のほうが多いデータがある。)なっているため、患者(利用者)にとっ
て医療と介護がセットで提供されることが大事だと考えている。しかし、在宅療養を受けよう
とすれば、利用者が看護を受けるかどうか選択する制度となっていることは、不備ではないか
と感じる。
改定について、入院中に外泊する場合、主治医が必要と認めれば訪問看護が保険で認められる
ようになった。それは(資料p3)外泊中に訪問看護がはいれば患者の退院が促進されると思
うという調査結果がもとになってできた制度。また医療機関が訪問看護ステーションと単独で
も退院時カンファレンスすれば、医療機関にもインセンティブがつくこともプラスされている。
さらに、在院日数が少なくて医療依存度の高い人が在宅に増えている状況だが、退院直後の人
で主治医が必要と認めれば、特別指示書の交付のもと2週間限定で回数制限なく訪問看護を受
けることができるようになった。これらの制度改定がうまく活用されれば、重症の方であって
も在宅に戻っても、主治医と訪問看護の連携によって安定した状態である程度過ごすことがで
きるのではないかと考える。しかしながら、常につきまとうのは利用者の自己負担の問題であ
る。訪問看護の立場としても悩みの種である。
【C氏(訪問看護師)】
個人差があると思うが、臨床ではどのような基準でオペや化学療法を行うのか。実際通院も困
難な方について、化学療法のオーダーが出ていることもあるので、そういう部分を伺いたい。
またA氏の話だが、A氏のように精力的に情報を集められる人もいるだろうが、高齢者の方に
とっては難しいだろうと感じる。そのあたりの議論もできれば。
【D氏(病院医師)】
私は肝臓がんを専門としているが、一人では治療方針を決めない。内科医、外科医、放射線科
医がキャンサーボード(注:がん患者の状態に応じた適切な治療を提供することを目的として
医療機関内で開催される検討会。)を開いて合議体で決定する。最終的には患者に選択肢を説
明し決定してもらう。年齢的なことも体力的なこともキャンサーボードで主治医が提示し、パ
フォーマンスステータス(注:患者の全身状態を日常生活動作のレベルに応じて0~4の5段階
であらわした指標のこと。がん患者に使われることが多い。)などで寝たきり度を提示し、決
定する。
【F氏(薬剤師)】
化学療法について、最近は先進的な薬もでているが、使用方法が非常に難しいものがある。こ
の患者さんに対しどのような用量や用法、治療期間などの治療計画として考えられているか、
そういった情報をいただけると細部の管理がしやすくなる。化学療法について薬剤師に求めら
れていることは安全管理だと思うので、そのような情報をいただける場をつくっていただきた
い。A氏の話でもあったが、すべての職種が同じ共通の知識をもたなければいけない。ここで
退院時合同カンファレンスがあるので、この場に退院に関わる職種は呼んで家族の方と面談し、
この先どのような生き方をしていきたいのか、そういった情報をもっとオープンに伝えていっ
てもらいたい。この部分が大事であり、今不足しているものだと思う。
また、A氏のようながん楽会の人たちは大変よく勉強されているが、同じように患者の方にも
勉強する場を与える必要があると思う。化学療法についてもこのレジメンにも何種類かの方法
があり、副作用や、いつまで治療を続けるのか、治療をやめるとどういった状態になるのか等
の情報を患者自身も(関係者に)伝えられるべきだと思う。伝えたことについて関係職種は
(正しい知識の上で)それを理解して、オープンな状態であることこそが正しいコミュニケー
ションの在り方であり、生き方を考えるにあたり重要なことであると考えている。
【W氏(開業医)】
今回のテーマは「医療と介護の連携」というものではあるが、なかなか介護の部分までいかず、
医療の中でもいろいろと混乱している部分があるかもしれない。歯科医の立場としてはどのよ
うに感じるか。
【Z氏(歯科医師)】
歯科医というのは微妙なところではあるが。疑問に思っているのは、今これだけ医療連携や介
護がすすんできていて、果たして病院は打つ手のない患者さんを放り出すように退院させてい
るのだろうか、ということ。余命が数日から1週間の方を対象とするリバプールパスウェイの
手順ができていると聞いている。手立てがなく放り出すように退院させているのではなく、病
院の中で先の読める医師は入院に際してディスカッションをしている。しかし退院に際しては
どのようになっているのかは疑問である。
【W氏(開業医)】
B氏に伺いたいのですが、実際に入院をされていて退院に際して、在宅を望まれて退院すると
いう方の割合はどの程度か。
【B氏(看護師) 病院地域連携部署】
実際に割合として出したわけではないが、本人が理解して残り少ない人生を家で迎えたいと思
うのは、2~3割程度と思う。後はぎりぎりの時期になって緩和ということを考えたときに家を
希望するか、施設を希望するかをこちらから提案することが多くある。時期が早ければ様々な
選択肢の中で家を希望される方もいるが、そこに行き着くまでの期間がかなり短くなってきて
いているかなと。それというのが抗がん剤の治療がいろいろとできるようになってきている。
私の印象としては、一時期は回復したかのように思えるが、(状態が)落ちたときには呼吸困
難が強く、胸椎がたまっていて家に帰ることができなくなるという状況が多く見られる。なか
なか自分から希望して家に帰ると選択できる方は少ないように感じている。
【D氏(病院医師)】
平成17、18、19年に当院で統計をとった。A氏の質問のひとつに「病院の怠慢だ」ということ
があったが、退院または転院調整中に亡くなったケースは平成17年には約45%。つまり主治医
からの依頼が遅すぎるというケースである。それが平成18年、19年になると約20%と半分以下
になっている。最近のデータはとれていないが、減ってきていると思われる。
【W氏(開業医)】
お話を聞いていると最終的にケアの問題になってくることが多いと思われる。これまで医療の
面で話をしているので訪問看護とのかかわりは多いと思われるが、私個人的には介護という部
分についてどこまで進めていけばいいのか分からない。そうなったときに「介護」について分
かっている職種の人に話を聞いて、チームを組んで支援していくことだと思う。今日のテーマ
でいうと「医療と介護の連携」であるのでそのあたりの話をしていきたい。
【C氏(訪問看護師)】
医療と介護の連携について、今大事に思っているのは資料P7にもあるが、ケアマネジャーや
地域包括支援センターにおいて、利用者さんの在宅療養開始の初期相談で関わるとき、医療的
な相談内容の場合に「よく分からないが自分の経験上きっとこうだろう」と自分だけの判断で
コーディネートするのではなく、わからない部分について「迷う」ことが非常に大事だと思う。
迷えば、主治医や訪問看護ステーションのナースに相談できる。さきほども話したが医療と介
護はセットで提供されるべきもの。看護はコンスタントに必要なものではなく、必要な時期や
タイミングがすごくあり、ファーストコンタクト時の相談によって、適切に提供できる。これ
が重要な医療と介護の連携になると考えている。
【T氏(開業医)】
連携という言葉が重要なキーワードとして出てきているが、“連携”という言葉を違った意味
で考えると医療にせよ介護にせよ患者(利用者)を常に中心に置いて考えることではないかと
思う。そうすると在宅の中でこの患者の生きやすい環境を作ろうと思ったときにあまり私たち
が出しゃばらないほうが良いと感じることもある。患者(利用者)がどうしても医療を手放せ
ないのであれば、訪問看護や薬局の情報を提供してあげればいい。食事をとれる環境でないの
であれば介護のヘルパーを中心に組み立てればいい。各々職種は違うが、やはりその中心には
患者(利用者)がいると考えたときに、自ずと初めにやらなければならないことは見つかるの
ではないかと思う。私はいつもそれを意識している。最近は大きな病院であれば地域医療連携
室があるので、情報提供したい場合でも正確に情報が伝わるので活用している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
利用者の願いをかなえることができるような地域づくりをしたいという理念で訪問看護に取り
組んでいる私たちですが、このような情報公開、情報共有の機会をどんどん増やしていくこと
はそうした地域づくりに、とても大事なことだと感じます。
担い手側の思いを受け手側の人にも知ってもらい、受け手側の人の思いを担い手側がしっかり
と知っていく、という相互交流が本当に大事と改めて思った日でした。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月17日(火)
「がん専任栄養士が患者さんの声を聴いて作った73の食事レシピ」
うちのSTさんが「研修に行って面白かったので買ってきました」と見せてくれました。
この本は島根大学のNSTの構築をされた管理栄養士さんが書かれたものでした。
今や病院でもNSTチームが機能すると、こんなに個別性に富んだ食事の提供が
可能なのですね。常識の枠にとらわれないことって大事ですね。
本の中には「患者さんに喜んでいただけ(と聞けた)嬉しい」
という記載がたくさんあります。
やはり、医療従事者はそれが大きなモチベーションなのだなーと改めて思いました。
そういう意味では訪問看護はやっぱり、とても素敵な仕事だと思います。
平成24年4月17日(火)
制度改定~現場の感想~
今回の訪問看護制度改定研修会に参加したスタッフが
「データを集める側も提出する側も手間がかかっているけど、双方の努力があってこそ、
この様な改定に結び付いている、現場のことをよく知っている人がかかわってくれてい
ると心強く思った」
と言っていました。本当にその通り。
これをきっかけに可視化が必要、大事、だと皆がしっかりとインプットして
仕事できるよう願うばかりです。
そのための素材は現場に山とあります。
拾い上げて形にしてほしいと思います。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月16日(月)
南相馬市に戻られたNさん一家
去年の3月末に南相馬市から西宮市に避難してこられた
Nさん一家が、3月末に南相馬市に戻られました。
80代のおじいちゃんの訪問看護に伺っていましたが、
孫さんの自宅が避難先だったため長居するわけにいかず、
秋ごろ他市に転居されてから、
ご家族が時々メールで近況を知らせてくださっていました。
おばあちゃんが慣れない環境で転倒してから外に出なくなり、
足がむくむのが気になっていました。
おじいちゃんは自律的な方で、リハビリの継続も喘息悪化予防の呼吸練習も、
こちらが感心させられることばかりでした。
お嫁さんのNさんはすらりと背が高く聡明な印象で、
一手にすべてを取りまとめておられ、
無理されてないかいつも気がかりでしたが、
印象通りの手さばきでいろいろを片付けられ、
次のようなメールをくださいました。嬉しかったです。
土曜日に退院後12時間かけて南相馬市に帰りました。
特別に寒い日でした。
途中の山越えで両側に雪のかたまりや、
外気温が1度というのを見ると 東北に戻ったんだなぁと実感しました。
桜もこれからです。庭のラッパスイセンだけが綺麗に咲いています。
行ったことがない福島ですが、おばあちゃんが言っていたきれいな山や景色を
見に行けたらいいな。と思って読みました。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月16日(月)
メディカルケアネットのこれからについて
先日の勉強会で教えてもらったOPTIMの資料をこの土日に見て、
メディカルケアネット西宮でやるべきことのイメージを膨らませていました。
そのうえで、今日は行政の担当者に今後の方向付けについて相談してきました。
西宮における医療・介護の連携推進の仕組み作り、そしてその発展、継続には
予算も必要。
厚労省の訪問看護支援事業でワーキング委員をさせてもらった経験では、
行政担当者が熱心な自治体は絶対に現場にいる者たちも引き込まれ、
良い仕組みや形ができて動き出すものです。
そういうことを一生懸命話し、意見交換もして理解をしてもらえたようです。
次からもっと具体的に進んでいくだろう「メディカルケアネット西宮」。
これからが楽しみです。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月13日(金)
自然災害(特に雨、風、雪)の時の安全な業務のために
当事業所ではマニュアルはなかったのですが、
スタッフが70人にもなりステーションの数も増えてきましたので、
検討する必要があると考え、たたき台を作ってみました。
すると、たたき台はできたものの、細かい所でいろいろと分からないことが。
「餅は餅屋」ということで、
リスクマネジメントのプロY先生と
西宮市の災害対策の専門家Aさんに伺ってみましたら、
とても参考になる意見をくださいまして、
何とか形になりそうです。
地域の防災ネットに登録するのは、
どのステーションもすぐに出来そうです。
できる事から始めなければ。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月13日(金)
メディカルケアネット西宮第2回勉強会
昨日夕方より約90分、メディカルケアネット第2回勉強会として、
「がんの人が在宅療養を開始するにあたって介護と医療の連携で留意すべきこと」
をテーマに、医師や歯科医師、薬剤師、看護師とがん患者さんによる
ディスカッションが開かれました。
日本がん楽会のUさんの忌憚ない意見によって、
医師をはじめとする医療従事者の真摯さと、
“まだまだ情報共有しないといけない”という意識がはからずも引きだされた、
本当に貴重な90分でした。
詳しい内容は後日、アップします。
会終了後、Uさんから「OPTIM」について教えていただきました。
サイトを見ると、
「平成20年度から22年度にかけて鶴岡、柏、浜松、長崎の4地域において『緩和ケア普及
のための地域プロジェクト』を実施させていただきました。 本プロジェクトは、厚生労働
科学研究費補助金:第3次対がん総合戦略研究事業:がん対策のための戦略研究:課題
『緩和ケア普及のための地域プロジェクト』:研究リーダー:江口研二(帝京大学)によ
るものです。」
とあり、驚くほどたくさんの充実した内容の成果物が公開されていました。
OPTIMのサイト
http://gankanwa.jp/tools/pro/index2.html
知っている人も多いかと思いますが参考にアドレスを載せておきます。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月5日(木)
認知症?それとも・・・
先日、施設のリスクマネジメントの研究をしている方より相談の電話が。
「特養入所中の73歳男性で、介護拒否や暴力があり、認知症と診断されている。
重要な既往歴なし。70歳の時、自宅に二度ほど戻れなくなるような物忘れあり、
家族が「危険」として、2年間自宅軟禁。
逃げ出そうとして2階から飛び降り骨折。
入院した病院で再び拘束を受ける。
そののち、この特養に入所し、介護拒否や暴力があるため
認知症との診断を受けているが、見ていると身だしなみも挨拶もしっかりされており、
“対応が作り出した症状”であって認知症ではないのでは?という内容。
70歳で自宅に帰れないこと・重要な既往がないことから、
以前より何らかの認知症状があると考えるのが自然でしょうが、
私はあまり詳しくないので、認知症に詳しい先生に以下のことを尋ねました。
①こういった場合に認知症の診断が適切であるのか。
②それ以外にどんな病名が考えうるか。
③どんな治療の可能性があるか。
先生の回答は、
①もともと前頭側頭型の認知症があった
②抑制等、不適切な環境により症状が悪化した、悲しい例
③なので、現状では専門医を受診したほうが良く、受診すれば対処についても何らか出て
くるかもしれない
でした。
西宮は、認知症に詳しい人がたくさんいると思います。
心強くありがたいことだと思います。
関心を持って知ろうとする人が増えたらいいな。
こういうところにちょっとでも書くのも、役に立つかな。
私も若い時、かかわり方とか家族の気持ちが、あまりわかりませんでしたから。
現場にいて、そして家族からも、ちょっとずつ学ばせてもらって反省しています。
西宮社会福祉事業団
訪問看護ブログ平成24年4月5日(木)
メディカルケアネット西宮第2回勉強会
4月12日(木)の夕方より、第2回目のメディカルケアネット西宮勉強会が開催されます。
今回は、「今回は医療機関の連携と役割について医療職から発信します」
というタイトルで、医師、患者、歯科医師、薬剤師、地域連携の看護師、
訪問看護師が「医療と介護の連携について現状や課題と感じていること」
について発信することになっています。
今回は市内の介護医療従事者対象となっています。
オープンな会が普通になればいいなと思います。
オープンな会で情報を公開し、
サービスの担い手・受け手双方が知識・意識もともに高めていくことが、
何よりの「医療と介護の連携」になると思います。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月16日(月)
南相馬市に戻られたNさん一家
去年の3月末に南相馬市から西宮市に避難してこられた
Nさん一家が、3月末に南相馬市に戻られました。
80代のおじいちゃんの訪問看護に伺っていましたが、
孫さんの自宅が避難先だったため長居するわけにいかず、
秋ごろ他市に転居されてから、
ご家族が時々メールで近況を知らせてくださっていました。
おばあちゃんが慣れない環境で転倒してから外に出なくなり、
足がむくむのが気になっていました。
おじいちゃんは自律的な方で、リハビリの継続も喘息悪化予防の呼吸練習も、
こちらが感心させられることばかりでした。
お嫁さんのNさんはすらりと背が高く聡明な印象で、
一手にすべてを取りまとめておられ、
無理されてないかいつも気がかりでしたが、
印象通りの手さばきでいろいろを片付けられ、
次のようなメールをくださいました。嬉しかったです。
土曜日に退院後12時間かけて南相馬市に帰りました。
特別に寒い日でした。
途中の山越えで両側に雪のかたまりや、
外気温が1度というのを見ると 東北に戻ったんだなぁと実感しました。
桜もこれからです。庭のラッパスイセンだけが綺麗に咲いています。
行ったことがない福島ですが、おばあちゃんが言っていたきれいな山や景色を
見に行けたらいいな。と思って読みました。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月16日(月)
メディカルケアネットのこれからについて
先日の勉強会で教えてもらったOPTIMの資料をこの土日に見て、
メディカルケアネット西宮でやるべきことのイメージを膨らませていました。
そのうえで、今日は行政の担当者に今後の方向付けについて相談してきました。
西宮における医療・介護の連携推進の仕組み作り、そしてその発展、継続には
予算も必要。
厚労省の訪問看護支援事業でワーキング委員をさせてもらった経験では、
行政担当者が熱心な自治体は絶対に現場にいる者たちも引き込まれ、
良い仕組みや形ができて動き出すものです。
そういうことを一生懸命話し、意見交換もして理解をしてもらえたようです。
次からもっと具体的に進んでいくだろう「メディカルケアネット西宮」。
これからが楽しみです。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月13日(金)
自然災害(特に雨、風、雪)の時の安全な業務のために
当事業所ではマニュアルはなかったのですが、
スタッフが70人にもなりステーションの数も増えてきましたので、
検討する必要があると考え、たたき台を作ってみました。
すると、たたき台はできたものの、細かい所でいろいろと分からないことが。
「餅は餅屋」ということで、
リスクマネジメントのプロY先生と
西宮市の災害対策の専門家Aさんに伺ってみましたら、
とても参考になる意見をくださいまして、
何とか形になりそうです。
地域の防災ネットに登録するのは、
どのステーションもすぐに出来そうです。
できる事から始めなければ。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月13日(金)
メディカルケアネット西宮第2回勉強会
昨日夕方より約90分、メディカルケアネット第2回勉強会として、
「がんの人が在宅療養を開始するにあたって介護と医療の連携で留意すべきこと」
をテーマに、医師や歯科医師、薬剤師、看護師とがん患者さんによる
ディスカッションが開かれました。
日本がん楽会のUさんの忌憚ない意見によって、
医師をはじめとする医療従事者の真摯さと、
“まだまだ情報共有しないといけない”という意識がはからずも引きだされた、
本当に貴重な90分でした。
詳しい内容は後日、アップします。
会終了後、Uさんから「OPTIM」について教えていただきました。
サイトを見ると、
「平成20年度から22年度にかけて鶴岡、柏、浜松、長崎の4地域において『緩和ケア普及
のための地域プロジェクト』を実施させていただきました。 本プロジェクトは、厚生労働
科学研究費補助金:第3次対がん総合戦略研究事業:がん対策のための戦略研究:課題
『緩和ケア普及のための地域プロジェクト』:研究リーダー:江口研二(帝京大学)によ
るものです。」
とあり、驚くほどたくさんの充実した内容の成果物が公開されていました。
OPTIMのサイト
http://gankanwa.jp/tools/pro/index2.html
知っている人も多いかと思いますが参考にアドレスを載せておきます。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月5日(木)
認知症?それとも・・・
先日、施設のリスクマネジメントの研究をしている方より相談の電話が。
「特養入所中の73歳男性で、介護拒否や暴力があり、認知症と診断されている。
重要な既往歴なし。70歳の時、自宅に二度ほど戻れなくなるような物忘れあり、
家族が「危険」として、2年間自宅軟禁。
逃げ出そうとして2階から飛び降り骨折。
入院した病院で再び拘束を受ける。
そののち、この特養に入所し、介護拒否や暴力があるため
認知症との診断を受けているが、見ていると身だしなみも挨拶もしっかりされており、
“対応が作り出した症状”であって認知症ではないのでは?という内容。
70歳で自宅に帰れないこと・重要な既往がないことから、
以前より何らかの認知症状があると考えるのが自然でしょうが、
私はあまり詳しくないので、認知症に詳しい先生に以下のことを尋ねました。
①こういった場合に認知症の診断が適切であるのか。
②それ以外にどんな病名が考えうるか。
③どんな治療の可能性があるか。
先生の回答は、
①もともと前頭側頭型の認知症があった
②抑制等、不適切な環境により症状が悪化した、悲しい例
③なので、現状では専門医を受診したほうが良く、受診すれば対処についても何らか出て
くるかもしれない
でした。
西宮は、認知症に詳しい人がたくさんいると思います。
心強くありがたいことだと思います。
関心を持って知ろうとする人が増えたらいいな。
こういうところにちょっとでも書くのも、役に立つかな。
私も若い時、かかわり方とか家族の気持ちが、あまりわかりませんでしたから。
現場にいて、そして家族からも、ちょっとずつ学ばせてもらって反省しています。
西宮社会福祉事業団
訪問看護ブログ平成24年4月5日(木)
メディカルケアネット西宮第2回勉強会
4月12日(木)の夕方より、第2回目のメディカルケアネット西宮勉強会が開催されます。
今回は、「今回は医療機関の連携と役割について医療職から発信します」
というタイトルで、医師、患者、歯科医師、薬剤師、地域連携の看護師、
訪問看護師が「医療と介護の連携について現状や課題と感じていること」
について発信することになっています。
今回は市内の介護医療従事者対象となっています。
オープンな会が普通になればいいなと思います。
オープンな会で情報を公開し、
サービスの担い手・受け手双方が知識・意識もともに高めていくことが、
何よりの「医療と介護の連携」になると思います。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月3日(火)
看護大学の実習生受入れのこと
看護大学から実習受け入れに関する打診の電話をいただきました。
他大学より情報を得られ、多く受けている当法人にお電話くださったようです。
担当の先生は「西宮、神戸等の学生が多い」とアピールされている様子。
前々から気になっていたことを質問してみました。
それは、実習と就職の関連です。
平成8年度より、在宅看護論としてのカリキュラム上、訪問看護ステーション実習が必須
となり、たくさんの学生さんが実習に来られましたが、誰一人として就職してきた人がい
ないことが気になっていました。興味がある!と意思表示した人には、臨床経験3年終え
たら訪問看護に来てねーと言ってさようならしますが、後に続いたためしなし。
見返りを求めるわけではないけれど、あまりにもひどいと思っているので、
是非とも聞いてみたかったのです。
先生がおっしゃったのは、
「今は実習受け入れ先の多くは就職のことを意識して受けます。いい人が来たら就職して
もらおうと思っているのです。頼む方もそれを意識して働きかける傾向にあります」
とのこと。
私は、
「うちでは平成6年から看護学生の実習を受けているが就職に全く結びついておらず、
負担ばかりが増すと感じている。訪問看護師確保については現場のがんばりだけではどう
もならない、と感じています。キャリアパスに組み込まれる等、訪問看護を行うインセン
ティブや、自治医大のような訪問看護師養成校しかない…と思うほどなんです」
すると先生から、実習の担当の先生にそうした窮状を伝え、就職相談の際にも考慮される
よう、働きかけが必要、と教えてくださいました。
また、うちは規模が大きいため新卒者の採用についても検討し、最新知識と技術をバック
アップできる環境を整えそれをPRすれば興味のある人はいるはず、と。
早速所長たちに伝え、次の実習で窮状を訴えることから始めてみようと思います。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月3日(火)
兵庫医科大学在宅ケア実習
平成20年度より毎年、兵庫医科大学の3年生が
訪問看護ステーションで2日間の実習をされています。
西宮では、当時より訪問看護ステーションネットワーク西宮で協力することを
医学教育センター長の鈴木敬一郎先生と協議された経緯があり、
今日に至っています。
医師の教育課程の中で訪問看護ステーションを見る機会が必要だ!
と強く思っていたところにそうした話が来たよ、
と聞いてひっくり返りそうになったことを覚えています。
位置づけとしては、
「1~2年生での早期臨床体験実習、エスコート実習に続くもので
低学年における現場でのプロフェッショナリズム教育を締めくくるもの」
だそうです。
先日、22年度(23年2月)実習記録の冊子が届きました。
鈴木先生が巻頭で「こうした実習を通じて医療に対する理解だけでなく、
人間的な成長を図っていきたい」とのべておられます。
トップがこうした思いを持ち続け、必要と思うことを継続することの
大切さがここにも…と思い、じっくり読ませていただきました。
この人たちが将来臨床に出ると
コミュニケ―ションという点において
患者さんたちが安心できる医師になれそうだなーと嬉しかったです。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年4月2日(月)
地域医療ネットワーク構想 in 西宮
3月31日の土曜日に、石井としろう議員さん主催、
長妻元厚生労働大臣が地域医療ネットワーク構想を講演される会で、
訪問看護ステーションネットワークから、
地域医療と福祉の現状を5分程度ですがお話しする機会をいただきました。
訪問看護の役割は非常に重要ですが、
ケアマネジメントがきちんとされなければ
利用者に看護が届かないという問題の本質が解決されるべきとの趣旨を述べました。
長妻元大臣はまるで和声オバマ大統領。
声の響きの心地よさで、雨の中来られた200名の人たちを惹きつけておられました。
ケアマネジャーが医療機関に行って連携するインセンティブを作ったのが
元大臣だそうで、ケアマネジメントの重要性を強調されていました。
質問コーナーでは年金が1千万戻った知人がいます、という話も飛び出し
「感謝されるけれど逆にこちらがお詫びしないといけない」とおっしゃり、
そういう風に考える人なんだなーと思いました。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年3月28日(水)
制度改定 現場での準備
24日(土曜日)に大阪で行われた
全国訪問看護事業協会の「改定を完全に理解する!」研修会。
当法人の管理者全員と事務担当が受け揃い、
いよいよ新年度に向け必要な書類等の作成・変更等にかかれるようになりました。
今回の改定では訪問看護に関連する変更が山ほどありますが、
4ステーションのスタッフ総勢62名が混乱しないよう、
事務と現場の係長たちと相談しつつ進めています。
今回は事務担当の係長が訪問看護ではない介護保険サービスの事務経験があるので、
色々なことを知ってくれており、本当にとても助かっています。
今回きちんとしたいと思ったのは、利用者さんがみる料金一覧表。
様々な加算等についてすべて可視化する形に。
これを基にすれば、改定内容の解説一覧表ができ、皆の理解を助けるでしょう。
とはいえ、変更になった内容を正確に理解したうえで料金表や契約書類等に反映するのは
とても大変な作業です。
まだまだパソコンとにらめっこの日々が続きます。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年3月26日(月)
事業団の「退院支援チーム」
去年の12月から、当法人で動き出している「退院支援チーム」。
若きケアマネリーダーのUさん中心に、地域包括、訪問看護のメンバーが
毎月話し合いをしています。
先ほど、来年度に向けた活動の方向性について、Uさんが話をしに来てくれました。
「在宅療養開始当初から訪問看護がかかわることで、ケアマネジメントにも必ず役立つ」
という発想が発端で、ケアマネと地域包括のリーダーもそれに賛同してくれ、チームの結成が
実現しました。
私は、訪問看護師の特性に、“その人がその人らしく療養するために、医療的な視点を持ち、
少ない情報からいろんな可能性を考えつつ、優先順位をつけてケアする”というのがあると
思っています。
その訪問看護師の視点と、地域包括やケアマネの行うケアマネジメントの視点を「チーム」で
持って、利用者さんをサポートすることによる利点は計り知れないでしょう。
コツコツとメンバーさんたちが努力して形ができつつあるようです。
私は「可視化」して残していきましょう、という話をしました。
きっと、とても良い連携モデルが出来ることと思います。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年3月26日(月)
訪問看護の改定についてまとめてみました。
6年ぶりの医療保険、介護保険で同時に行われる4月からの改定。
訪問看護に関しては非常に多岐にわたる変更がありましたので、
私なりに訪問看護についての改定をまとめてみました。
訪問看護については、今のままの「あり方」にとどまらず
改定を踏まえ地域のニーズにこたえることが求められている、と感じています。
ただ、マンパワー確保は依然として良い方向に向かっていない、
というのが現場の感触です。
何らかの方策が欲しい所です。
●今回の改定の目的…
地域包括ケアシステム実現に向けた改定、2025年、死亡者が増加する時期に向けた
インフラ整備として
1.
在宅医療推進
2.
訪問看護推進
3.
介護保険制度は本来の「自立支援」の方向が再確認された
4.
医療保険では「入院」から「在宅」への移行が推進される方向に
●訪問看護の改定について…
訪問看護推進を図る
1.
医療保険制度と介護保険制度で齟齬を減らす
2.
複合型サービスで医療依存度の高い人の泊りや通いのサービスを充実し早期
退院や病床減少を推進⇒地域密着サービスであり、自治体に設置計画等確認
が必要
3.
定期巡回随時対応サービスで施設同様の介護体制を地域で構築⇒訪問看護が
月1回程度のアセスメントを担い重度化を防止、オンコールでヘルパーのサ
ポートを行う
退院後に訪問看護が提供されやすくなる改定
1.
退院直後2週間は特別指示書により主治医が必要と認めれば医療保険による
提供が可能、と明記
2.
入院中、外泊時の訪問看護が可能に
3.
退院時共同指導が介護保険、医療保険も算定可能になり、医療機関にも評価
あり。また、医療保険の場合は医療依存度の高い人に対して行う場合の評価
を新設
看護師確保が困難なことを前提とした柔軟な人材活用
1.
複合型サービス実施の場合の看護職員兼務可能
2.
専門性の高いナースが訪問した場合の評価創設
3.
資格のない職員との同行を評価
短時間訪問看護を評価し、短時間訪問がより多くの人に届く設計となった
1.
医療依存度の高い人に頻回に訪問看護が提供されやすく
2.
要介護度の低い人の短時間訪問に対応しやすく
3.
長時間訪問は評価見直し
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年3月22日(木)
介護職等によるたんの吸引等のこと
4月より、介護職等によるたんの吸引等が業務として
実施されるようになります。
先日、当法人でも
「ヘルパー事業所で受けた人がいるので、訪問看護師も受けて下さい」
と県より連絡があり、急遽「特定者」の研修に参加したスタッフがいて、
結構バタバタしています。
私たちの事業所では、高齢で吸引が必要な方は、
ご家族が介護を担っている場合が多いので、
介護職等による吸引、というのは少ないのですが、
重症心身障がいの方には多いと思いますが、
そうした人には訪問看護はあまり普及していません。
自己負担額や受診等との兼ね合いの問題があるのかもしれません。
4月からの改定で、「主治医が必要と認め指示書を交付(必要と判断)
すれば、退院直後2週間は訪問看護に毎日入れる」
ことになったことを、医療機関側が効果的に活用できれば
変わってくるかもしれません。
訪問看護制度は元々老人保健法から始まっており、
ニーズは高齢者と重症心身障がいの人とでは異なることから、
別な制度上の配慮等が必要な時期にきているような気がします。
また、自治体により訪問看護の利用者負担額が異なり、
隣の市では負担金ゼロ、その隣の市では3割負担、
というような差が歴然とあること自体、
利用者さんたちに「看護」を受ける機会が保障されているか否か、に関わ
る問題だと思っています。
今回の改定でも、たんの吸引や胃ろうからの注入には訪問看護との連携が
必須と謳っていますが、利用料金にこれだけ差があると、訪問看護が入る
ことはかなり難しいと思われますし、
医療との連携をと謳ってあるが、具体的にどういったことをすればいいの
か、ヘルパー事業所からはわかりにくいとの意見もあり、
少しずつ課題を解決していかないといけないようです。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年3月15日(木)
高齢・独居のかたに4時間ごとのパーキンソン治療薬内服指示が!
先日、大学病院から退院する要介護5のパーキンソン病の人で、
4時間ごとの内服指示が出ていました。
独居なので指示通りになかなか内服できないため、
入退院を繰り返しておられました。
神経難病を専門にされているT先生に
「リバスタッチ(アルツハイマーのお薬で内服ではなく貼るようになって
いる)みたいな薬はないものでしょうか」
と尋ねると、下記のような答えをいただきました。
パーキンソン病の治療薬ですね。ドパミンアゴニストの貼付剤は日本でも
開発中ですが、出るのは数年先でしょう。昨年から1日1回服用の長時間作
用のアゴニストが新たに出ました(以前から同様の薬は1剤ありましたが、
新規の薬はより効果的です)。ミラペックス
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000002981.html
これは、従来のビ・シフロールの改良版です。ドーパ剤については半減期
が短いので、このような長時間作用の薬の開発は難しいようです(薬の溶
け方や吸収の工夫をして開発中はあると聞きます)。
退院してくる人の服薬や受診に関していつも思うのは、
医師の指示は、患者さんが続けることができる程度のものなのか、
患者さんや家族に確認しているかどうか、です。
退院調整に伺い、それを話すと、
処方や指示が変更になる場合もあります。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年3月2日(金)
医療と介護の連携(制度から考える事)
平成24年度は医療保険と介護保険の同時改定があり、
色々なことを変更・検討しなければいけないので、
訪問看護をしている事業所は今、皆目が回るほどの忙しさです。
今回の改定では、医療保険と介護保険の訪問看護の違いがかなり是正され、
利用者さんにもわかりやすく説明できるようになるのでは、
とほっとしています。
が、加算の項目が多すぎてまだまだ分かりにくいのは確か。
しかし、訪問看護を何としても推進しなければ、
という国の意気込みがとても感じられます。
そういえば、この前スタッフが
「訪問看護の説明のために契約に行くとヘルパーさんまで同席していて
サービス担当者会議が突然始まった」と言って、
戸惑いつつ帰ってきました。
褥瘡や人工肛門のケアが必要な人が退院するにあたって、
ケアマネジャーが計画したケアカンファレンスだったようですが、
「ヘルパーさんの質問会になった」とスタッフが言っていました。
(日中独居、高い要介護、パーキンソン、ストマケア、服薬管理のこと等々…)
ヘルパーさんたちは熱心で、「看護師さんが来てくれるんだったら安心したわー」
「今日は看護師さんに聞けると思って走って来ました」と、
にこにこして帰って行ったと。
やはり、そうなんです。
医療と介護の連携って、現場ではいかに介護職(ヘルパーさん)たちが
安心してサービス提供できるか、が大事であり、
そこには訪問看護師がかかわるのが当然。
だけど、それがしっかりとできていないのが現状だと思います。
2月16日のブログにも書いていますが、
ケアマネジメントをする立場の人は、
「わからないことはわからないと認め、専門職種に任せる力量
(どこで任せる判断ができるかは重要)をつける」ことが大事。
ある程度の医療的知識は必要でしょうが、
そればかりを勉強するのが最優先事項ではないのでは、と思います。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年2月20日(月)
メディカルケアネット西宮 第1回勉強会
西宮市の医療と介護の連携を考える「メディカルケアネット西宮」が11月より話し合いを
はじめ、1回目の勉強会が開催されました。この会の会長を仰せつかって今回はパネル
ディスカッションの座長を初めて経験しました。いつものように訪問看護の立場でものを
言うのとは違って、とても難しいと思いました。後で考えたら「あの時にもっと突っ込ん
で質問しても良かったなー」などと反省しきり。まだまだ勉強不足な私です。
チラシと当日配布の会長挨拶文、勉強会の内容をご紹介します。
当日は150名近くの参加があり、関心の高さがうかがえました。
終了後の課題は山積で、ぼんやりしたものしか見えなかったという反省はありますが、ま
ずは第1回目の勉強会にたくさんの人が来てくださったことに感謝し、これからも具体的
な医療と介護の連携が進んでいくよう努力していきます。
1.開会挨拶(市役所介護認定グループ長)
第5期西宮市高齢者福祉計画・西宮市介護保険事業計画の推進に当たって重要とな
る地域包括ケアの推進にむけての取り組みの中で、在宅生活を継続するためには介護ニー
ズと医療ニーズの切れ目の無い連携のしくみづくりが必要。市行政内でワーキングチーム
をつくり現状の課題分析・今後の方策を検討してきた。そして訪問看護ネットワーク・ケ
アマネ協会双方の要望を受け、「メディカルケアネット西宮」の設立となった。各機関と
の連携強化のため、まずは顔の見える関係作りが必要。行政としても横の連携を強化して
いくための仕組みづくりを支援していく。
2.会長挨拶
それぞれの立場・職種でどんな事に困っているのか、感じている事を出し合い、誰も
が安心した生活を継続できるよう医療と介護の連携づくりを進めていきたい。(「メディ
カルケアネット西宮の設立経緯と目指すもの」参照)
3.各パネラーより、仕事の説明と連携における課題の発表
(チラシ参照)
(1)ケアマネジャーの立場から
ケアマネジャーの役割は、ケアマネジメントに沿って自立支援のお手伝い
各団体との連携は不十分
(2)地域包括の立場から
地域包括の4つの主な業務と、公平・中立性の運営
(3)地域包括の立場から
がん末期の方の事例から見える課題
(4)ヘルパーの立場から
掃除等業務を通して利用者の身体状況等を把握する
事例より、常に多職種が身近に相談できる関係性であれば大きな力となる
(5)訪問看護の立場から
看護師の機能・訪問看護の役割
他の介護サービスの中の看護師との連携・情報交換の必要性
(6)医療機関の立場から
地域医療連携室の役割、急性期病院の現状
退院支援・在宅支援における課題(支援に結びつかずに退院してしまう事も多
い)
第1回 メディカルケアネット西宮
西宮の医療と介護の連携を考える勉強会
~関連職種の役割とこれからの課題について考えましょう~
メディカルケアネット西宮は、地域包括ケアシステムの構築に向け、メディカル(医療)とケア(介護)のネットワー
クづくりを推進する目的で関係職種が集まり、活動をはじめたところです。
今回はまず、それぞれの役割を理解しあうために、パネルディスカッションを計画しました。
ぜひ、ご参加ください。
入 場
無 料
パネルディスカッション(14:10~16:20)
「西宮の医療と介護の連携~それぞれの役割とこれからの課題~」
座 長
パネラー
メディカルケアネット西宮
ケアマネジャーの立場から
地域包括の立場から
山﨑和代 (西宮市訪問看護センター)
高島 敦子氏(居宅介護支援事業所 すまいる)
木下未来氏(上甲子園地域包括支援センター)
和田真紀氏(甲東地域包括支援センター )
日
時
会
場
ヘルパーの立場から
野澤 裕子氏(西宮市ホームヘルパー派遣センター)
訪問看護の立場から
西田奈美氏 (訪問看護センター明和)
医療機関の立場から
福田和美氏 (県立西宮病院地域医療連携室)
平成24年2月18日(土)14時 ~16時30分
西宮市役所東館 8階大ホール
(阪神西宮駅市役所出口を北に出、徒歩2分)
対 象
どなたでも
定 員
180名 (先着順)
参加申込み
裏面FAX用紙にて2月14日(火)までに、お送りください。
これは広報のために
配布したチラシです。
【メディカルケアネット西宮メンバー】
西宮市ケアマネジャー協会
訪問看護ステーションネットワーク西宮
西宮市地域包括支援センター
西宮市内医療機関 地域医療連携部署
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年2月16日(木)
医療と介護の連携(訪問看護師の立場から その1)
2月16日に、市内の地域包括支援センターがケアマネジャーへの
サポートのために行う「ケアマネジャー連絡会」の中央圏域エリアでの開催において、
「医療と介護の連携について訪問看護の立場で話してほしい」と依頼いただきました。
アンケートでは32名全員が非常に役に立ったと回答してくださいました。
伝え続けることの大切さを改めて教えていただきました。
この内容を2回に分けてご紹介します。
●私が考える医療と介護の連携とは?
★医療に関連する主な職種例
医療機関、医院、訪問看護・リハ、薬剤師、栄養士、等々
★介護に関連する主な職種例
ケアマネジャー、ヘルパー、通所、入所、等々介護保険サービス、
広義で地域包括支援センター等々…
ケアマネジャーが医師と連絡調整をうまくとれるようになることだけではない
ヘルパーが医師と連携できるようになることだけではない
ケアマネジャーが医療について学びを深め、多くの知識を得て医療的判断ができるよ
うになることではない
いろんな職種があって、それぞれの役割をお互いに理解しあい、職種の専門性による
業務ができるよう連携を行うこと
わからないことはわからないと認め、専門職種に任せる力量(どこで任せる判断がで
きるかは重要)をつける
今在宅療養をしている人が、安定した状態で過ごせるために、あるいは自分らしい生
活や最期を迎えられるよう、
①介護サービスやケアマネジャーが医療サイドにタイミングの良い連絡ができること
②医療サイドが介護サービスやケアマネジャーにタイミングの良い連絡ができること
③「双方向」ではなく、「マトリクス」に
④療養者や家族が自分らしく安定した状態で過ごすためのエンパワーメントができるよう、
チームでかかわっていく
(その2に続く)
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年2月16日(木)
医療と介護の連携(訪問看護師の立場から その2)
では…
●安定した状態で過ごす、とは?
①在宅療養の場であっても、入院医療の場でも本質は同じ
必要な医療サービスや介護サービスが提供されるために、その人を理解し、
変化に気付くことができることが大事
互いの職種が、必要なかかわりをする職種にうまく橋渡しできる
つまり、現在の介護保険制度上の資源で「医療と介護」を考えた時に、
介護に最も近く、介護のことを最も理解しているのが「訪問看護」です。
1.ケアマネジャーに求められるもの
「死について考える機会を持つ」ことができる人や機会を増やすこと
多死時代になる、と言われていますが実感はありますか?
自分の死についてイメージしたことがありますか?
まずは自分がイメージしてみる
そして周りの人たちにも、そこで考えたことや感じたことを伝え、あなたも考えたことが
なければ考えておくべきですよ、という啓発をしていく
こうした作業を大勢でやっていかないと、死亡難民が出るような気がしています。
自分の価値観を押し付けず相手の生き方に添うことができること
自分の価値観を押し付けていない、と自信を持って言えますか?
これまで生きてこられたやり方や考え方を、尊重していますか?
相手の生き方に添う、ということができるケアマネジャーでなければ、これからの多死時
代に亡くなる人たちが「迷える人」にならないよう、多様な価値観を知ることも必要。
●・・・で、ケアマネジャーさんにおすすめの書籍
・平穏死のすすめ 石飛幸三(講談社)
・安全な介護Q&A―実践!ポジティブ・リスクマネジメント 山田滋 (筒井書房)
・老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた 三好 春樹(新潮文庫)
・完全図解 新しい介護 三好 春樹、 大田 仁史(学術図書メディカル)
・おひとりさまの老後 上野 千鶴子(法研)
・妻を看取る日 垣添忠生(新潮社)
・大往生したけりゃ医療とかかわるな 中村 仁(幻冬舎)
・日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか 久坂部 羊 (幻冬舎新書)
参考になれば幸いです。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年2月14日(火)
死亡診断書について(ちょっとした話)
先日、在宅で看取られた方を主治医が死亡診断してくださいました。
時間は夜11時を過ぎています。
担当看護師はエンゼルケアのために訪問。
先生がご家族に、市役所の窓口で死亡診断書をもらってくるように言われ、
そのようなことは初めてだった訪問看護師は、ちょっと心配だったので、
ご家族とともに市役所に行くと…。
夜間受付の人は「渡せない」との返事。
医療機関に勤めていたスタッフは「病院では厳重に番号を付けて管理していた」というの
で、確かに厳重な管理をされているのかも…。
で、ある方に尋ねてみましたら
「市役所の窓口で書式はいつでももらえるが、
夜間当直の人はそうしたことを知らないので
そのような対応になったのではないか」
ということでした。
スタッフに周知しましたが、皆知らなかった―と異口同音に言っていました。
訪問看護師って、いろんなことを知ってなきゃいけないよなー
と、また思った出来事でした。
西宮市社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年1月25日(水)
利用者さんが転倒したら?
ケアマネジャーさんからA看護師に電話。
不在の旨伝えると、伝言を承りました。
「Sさんがこの前転倒した際、近くの電器屋さんに起こしに来てもらったそうで、
そういう時はヘルパーがいれば対応しますとSさんに伝えていますと伝言ください」
とのこと。
どういった経緯での連絡なのか、確認させてもらったら、
Sさんの転倒がよくありご主人は起こせないので、今後の対応の確認でした。
ケアマネジャーさんも訪問看護師もまじめに、
「電器屋さんに迷惑をかけてはいけない!」と思ったのかもしれません。
が、ご近所さんを頼る、という長年の暮らし方を、
制度や仕組みで無くしてしまってはいけない気がします。
ケアマネジャーさんにはそうしたことをお伝えしつつ
「電器屋さんでもヘルパーさんでも看護師でも、
まずは誰かに連絡ということでいいですよねー」と確認できました。
あのまま、「ハイハイ」と連絡を聞いていたら、
Sさんと電器屋さんのおつきあいの機会が減っちゃったかも…。
ってことはないか。
西宮社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年1月24日(火)
事例検討会
訪問看護認定看護師のSさんからの提案で始まった事例検討会。
4カ所のステーションそれぞれの担当者のカラーで進められ、軌道に乗ってきたようです。
が、ステーションによっては参加者が半数程度のところもあり、課題は多いと言えそうです。
でも、どうしても訪問があったり、時間調整が大変な中、
皆が意識を高く持って参加してくれているのが分かり、
とても頼もしく思います。
一人一人が「参加したことにより何か一つでも得ようとする気持ち」
が検討会を支えているようです。
その仕掛けに奔走している事例検討の担当者たちは、
成果を感じたスタッフからの声に励まされているようです。
とてもいい感じです。
西宮市社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年1月23日(月)
訪問キャンセルの連絡~相手の方の気持ちや状況を判断して、訪問の必要性を話す~
訪問看護は「うつ病」の方にも多くご利用いただいていますが、
昼夜逆転や閉じ籠りなどにより、訪問看護が導入されても継続が困難なことがあり、
ご家族から「今日は今から休むと言っているのでキャンセルします」
などの連絡をいただくことが多いのです。
この前も、そうした電話をいただきました。
その方はもう1カ月近くキャンセルが続いており、受診もできていない状態でした。
普段の様子を聞くとADL低下、廃用症候群が懸念されましたので、
キャンセルを「はいわかりました」と受けるわけにはいきません。
起こりうるリスクとその対策について説明すると、
「そうですね。きてもらってみてもらったほうがいいですね」と言われました。
担当スタッフは1カ月ぶりに、この方に会うことができました。
ご自宅に伺うということは、相手の土俵に伺うことなので、
「結構です」と言われると押しかけるわけにいきません。
相手の方の気持ちや状況を判断し、可能なら訪問の必要性を話すことが大事。
簡単なようでタイミングや伝え方が難しいことだとおもいました。
先週あった新年会の写真。お世話になっている先生方も参加してくださり、
大いに盛り上がりました。真ん中でお猪口を口にしているのは・・・私です。
西宮市社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年1月19日(木)
●知的障害者施設での介護職による酸素療法は可能?
我が社の知的障害者施設長から問い合わせ。
「酸素療法は介護職がやっていいのだろうか。
これまで利用していた障害者施設ではしてもらっていたそうだが…」
という内容でした。
酸素療法は医療行為の扱いです。
資料を探して送付しました。
ちなみに24年度から介護職等による吸引等を認めるという大きな変化に、
現場ではただいま悪戦苦闘中(いろんな意味で)ですが、
ここにも酸素療法は含まれません。身体への影響が大きいためですね。
そして、昨日その施設長から連絡が。
先日は医療行為に関する資料、ありがとうございました。
嘱託医もすぐには解らなかったようで、
うちのPTさんも「できると思っていた」など、
案外、認識できていなかったのですが、
おかげで一昨日、きっちり説明ができ、
昨日家族さんから迷惑掛けれないので、
4月の看護師常駐するまで待ちますと言って頂き
トラブルなく、スムーズに入園対応できました。
ありがとうございました。
ということでした。役に立ててよかったです。
西宮市社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成24年1月16日(月)
お詫び
PDFが満杯になってしまい、今までのブログに追加できなかったのでしばらく更新して
いませんでした。更新するために、11月21日までの内容を削除しています。それまでのブ
ログ内容の掲載については、もうしばらくお待ちください。何か方法を考えます。
さて、年が明けて初めてのブログ更新です。
今年も訪問看護の推進と可視化に、微力ながらがんばります。
前の金曜日に、社内すべての事業管理者をあつめたリスクマネジメント研修がありました。
インターリスク総研の山田滋先生が講師。
解りやすく辛口な講義には定評があります。
当訪問看護ステーションとは平成18年からお付き合いさせてもらった御縁で、
私は自称「西宮の弟子」。
総合研究所の主席研究員がここまで現場を知ってリスクマネジメントの話をする
ということだけでも異色、というかすごいです。
我が法人の現場の長たちも食いついていました。
山田先生の話は、特別に人を引き付ける何かがあります。実現してよかった。
今年もよろしくお願いします。
西宮市社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成23年12月22日(木)
研修のご案内(大阪湾の再生と里浜づくり)
12月3日(土曜日)の東日本大震災復興フォーラム「地域の力」を御案内しました。
このフォーラムで司会をされた粟野さんからメールをいただきました。
「12.3震災フォーラムは、130人の参加で、無事開催できました。
南三陸の話をきき、司会をしながら、泣いてしまいました。ご協力、感謝です。
新しく、下記の取り組みをします。浜辺のフォーラムの中で、
『南海大地震への備え、揺れ・津波・火災 ~阪神大震災と東日本大震災の教訓』の
アピールもします」
とのご案内をいただきましたので、ご紹介します。
平成23年12月21日(水)
訪問看護師やーい!
先日、法人本部との決算・予算ヒアリングの時に、人材確保のことを話しました。この事
業団で看護師の求人に最も反応が良いのは地域包括だそうです。そうなのか…
訪問看護をしたいと多くの人が思えるように、今、担い手である私たち自身がその魅力を
発信しないと、人材不足の問題は解決しないということみたいです。がんばらねば。
平成23年12月21日(水)
研修会「平成24年度法改正に伴う訪問看護師の役割と責任」(全国訪問看護事業
協会主催)
12月17日(土)、兵庫県看護協会で来年度から始まる「介護職等によるたんの吸引等の実
施のための制度」等について、訪問看護師がどう役割と責任を果たすかのお話でした。
今回は90人近い訪問看護師たちが参加していました。
皆が混乱していたのは、介護職等が対象となる『類型』と、看護職が対象となる『特定の
者・不特定の者にかかる研修カリキュラム』のことです。
在宅では「特定の者」にかかる研修カリキュラムを看護師が受けておけばほぼ間違いない
ということらしいのですが、「不特定の者」にかかる研修カリキュラムは研修時間も長い
ので、「特定の者」も包含すると考えて受講した看護師が多いようでした。
救済策を検討中とのことでしたが、たくさんの訪問看護現場が混乱しています。制度改正
の時はいつもそうですが、私も混乱を少なくできるよう情報収集に努めています。
西宮市社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成23年12月19日(月)
メディカルケアネットにしのみや
先週の木曜日、11月から始まった「医療と介護の連携会議」の第2回目がありました。地
域包括チームさんからの提案で会の名称は「メディカルケアネット西宮」で満場一致。医
療と介護の連携・顔の見える関係づくり推進ということで、事例検討会や交流研修の仕組
みを立ち上げます。地域包括、ケアマネジャー、訪問看護のほか、医療機関の地域医療連
携部署のネットワーク(これから作るそうです!)からも会に出席されます。
まずは、24年2月18日(土)午後、西宮市役所東館でパネルディスカッションを行うこ
とになりました。メインテーマは「医療と介護の連携」です。何が困っていて、どうやっ
て解決していくのか、皆が一緒に考えましょうということです。どの職種も、お互いがお
互いの仕事を知らない、という事実が漫然としてあります。これらを解決して利用者が過
ごしやすい地域にしましょう、というのが目的です。
平成23年12月19日(月)
クリスマス気分
いつもお悔やみの訪問の時にお花をお願いしている、近所のお花屋さん。
このまえ、ちっちゃなポインセチアを持ってきてくださいました。
雑然とした机まわりの、ここだけが、いい感じにクリスマスです。かわいー。
そのとなりは、利用者さんご家族が育てられたレモンとおみかんです。ほのぼのします。
西宮市社会福祉事業団 訪問看護ブログ
平成23年12月12日(月)
訪問看護師の役割って?~地域包括の人と話して感じたこと~
2月に地域包括支援センターの主任ケアマネジャーが、地域の1人ケアマネ、あるいは小
規模事業所のケアマネジャーを支援する研修を企画されており、「訪問看護について話
をしてほしい」とお声をかけていただきました。
ケアマネジャーが医療連携を苦手としている、というのは全国共通なようで、
この包括が行ったケアマネジャー向けのアンケートでも同じ結果だったと。
訪問看護の役割は「医療処置」や医療依存度の高い人に医療的支援をする、
と思っている人が多いのでは?と感じます。
訪問看護の本質は、
「在宅療養を安心して送ってもらえるよう、こまごましたことを整えていく」
ことです。しかし、看護を説明することは難しいことだと、いつも感じています。
長尾クリニックの長尾先生がブログの中でわかりやすいたとえをされていたので、ご紹
介します。http://www.nagaoclinic.or.jp/doctorblog/nagao/2011/12/post-2014.html
岐阜の小笠原内科 小笠原先生がトータルヘルスプランナー【THP=total health
planner】の概念を推奨・実践されており、長尾先生のクリニックではTHPの役割を果た
しているのは、ベテラン訪問看護師さんだということです。
医師とケアマネの2人の指揮官を統合する総責任者がTHPだとも。
まさしく
「在宅療養を安心して送ってもらえるよう、こまごましたことを整えていく」
訪問看護と同じ役割ではないでしょうか。
こうした考えを訪問看護師自身が理解し、実践し、誰にでも説明できること、
そしてその説明では不足するところを、具体的な事例を出して可視化できることは大切
ですね。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年12月7日(水)
先日、事業団の人材育成体系の課題別研修のひとつである、リスクマネジメント研
修があり、訪問看護師たちもたくさん参加しました。
講師は、(株)レガートの谷田寿美先生。若くて美人で元気な方です。
平成19年に「安全な介護Q&A~実践!ポジティブリスクマネジメント(筒井書
房)」他、介護現場にリスクマネジメントの新しい風を吹き込み続けておられる、
山田滋先生(現インターリスク総研主席研究員)に、事業団の訪問看護センターで
毎月1回、リスクマネジメントの研修に一緒に取り組んでいただいた御縁で谷田先
生と出会いました。
それからは毎年、訪問看護でリスクマネジメントの研修をしてもらっています。
昨日参加したO看護師によれば、「またまたパワーアップしてましたよ」と。
毎日の訪問で利用者さんを取り巻くリスクの評価、
その人が安全に療養生活を送れる視点を持って必要なサポートをする、
それがサービスを提供している者の責務だ
と改めて気づいたと。
早速事例検討会で取り上げると言っていました。
東レのビッグツリーを書いた佐々木さん(11月15日のブログ参照ください)は、
「研修を聞いた10人に1人は実行に移す」とおしゃいましたが、
Oさんがその一人であると分かり、とても頼もしくうれしいです。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年12月5日(月)
87歳の矜持
以前より訪問看護に伺っている、87歳の一人暮らしのHさん。
明治生まれの義母からつづくこの家庭の習慣(毎日のお掃除と窓拭き)を欠かさず、
87歳の今も、ずっと続けておられます。
「老人ホームに入って人様にお世話になって、自分はのうのうと趣味やら何やらをしてい
るこの世の中、おかしい」「もう少し体が動いたら働いている若い人の家に行って家事を
手伝ってあげたい」といつも話されます。
親族との諍いでうつ傾向と物忘れが目立ってきたため、介護認定を受けては?と話しても、
いらない、と。
成年後見人制度は「話が聞きたい」とおっしゃり、地域包括支援センターにつなぎました。
午後、包括の方と一緒に伺う予定でしたが、本人から今朝「けがをした」との電話が。
駆け付けると、記憶があいまいながら、転倒した様子。
全身を観察して緊急性はないと判断。介護認定を再度勧めるが、
「いつの間にか死んではったねー、と言われるような死に方をここでしたい」と。
水を汲んでボトルに入れたり、布団を整えていると、
「そんなことまでしてもらっては悪い。明日になったら妹が来ます」。
加齢にかかわらず矜持を持ち続けるHさん。
制度とか支援者側の考えありきになりがちでは?と感じているこの頃、
その生き方から教えていただくことがたくさんあります。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月28日(月)
研修のご案内
以前、ある研修会で同じパネラーになった、粟野さんから研修のご案内を送って
いただきましたので紹介します。
この前まで、南相馬から仁川に避難してこられた方に訪問看護をさせていただき
ました。先日ご連絡いただいた時にも、「戻りたいけど、まだ戻れるかどうかわ
からないんです」とおっしゃっていて、普段の生活が普通通りできるありがたさ
を思います。
自分なりにできることを少しでも続けようと思います。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月22日(火)
医療と介護の連携会議
先日、西宮市の介護認定グループから医療と介護の連携会議を開催しますとい
うことで、参加してまいりました。
訪問看護ステーションネットワーク西宮の管理者会議において、医療機関地域
連携部署の看護師さんたちと話し合った際に、「退院時には、地域包括やケアマ
ネジャーとの連携が重要。医療機関の地域連携部署と訪問看護は『看看連携』の
部分があり、問題意識を共有しやすいが、ケアマネジャーはそうでないことが多
いと感じる。相互理解促進にも、3者が集まっての会議を行政主導で行う機会が
必要」との認識があったことから、実現しました。
当日は活発な意見交換がなされ、効果的な連携の仕組みが具体化するまでは、
月1回程度の話し合いを持つことになりました。
まとめ役を仰せつかったのですが、立場の違う人の意見を、時間内にある程度集
約するのは大変だなーと、改めて思いました。
しかしまず、これからは「地域包括ケア」をどう推進していくか、自治体の腕
の見せ所になるわけです。
看護師の調整力を活かして、在宅推進・地域包括ケア推進がうまくいっている
東京都の例を、前出(11月15日)の「訪問看護サミット」で聞きました。訪問看
護の担い手である私たちも、“看護の力”を広く知ってもらい、必要は人に必要
なタイミングで看護を提供できるよう、やっていることは可視化し、必要な仕組
みづくりに取り組んでいきたいです。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月21日(月)
当法人の訪問看護 記念誌のこと
先日、当法人の広報委員をしている、あるヘルパーさんが、次回の特集が訪問看護なの
で、どういった内容にしましょうか、という相談に来てくださいました。
同じ法人のヘルパーさんといえども、担い手以外の人に、訪問看護のことを正確に理解
してもらうのが難しいことは、これまでも経験していますので、まずは、訪問看護は医
療とセットで提供されるべきものであり、必要なタイミングでうまく導入することが大
切で、どんな人にも必要な時期はある、ただ看護師が自宅に来るなんて大げさな、と
思ってしまう人が多いので、かなり重症になってからでないとお呼びがかからない、な
どの現状を話しました。
そして、平成20年に作った当法人の訪問看護記念誌を渡しました。
これには、訪問看護師やセラピスト、利用者さんやご家族、医師やケアマネ、ヘルパー
などの関係職種、その他研修でお世話になった講師の方々や、人工呼吸器の業者さんに、
訪問看護について語ってもらっている冊子です。
これには「事業団看護のDNA(!!)」が詰まっているので、
うちの色をわかってほしい!という思いから、医療機関や介護保険サービス事業所はも
ちろん、実習に来る学生さんや先生(うちには、看護学生以外にも医学生さんや認知症
認定看護師過程の方や、がんの認定看護師過程の方が来てくださいます)にもお渡しし
ています。
今年は制度発足20年、ということは当法人の訪問看護ステーションも設立20年になりま
すから、また新たな記念誌がいるねーと誰かが言ってくれてました。
この冊子です。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月15日(火)
訪問看護サミット
日曜日に、東京神田で行われた「訪問看護サミット」に出席させていただきました。
これは、全国約6000カ所の訪問看護ステーションのスタッフが年1回つどう、研鑽と
交流の場です。
今年は、ベストセラー「ビッグツリー」の著者、東レの佐々木さんが「ワークライ
フバランス」について話されました。
本の販売サイトには、“家族と共に生きる長い人生では、病気、事故、仕事問題、人
間関係など、いつ何が起きるかわかりません。もし、そんな不測な事態が起きても、
「これも人生の一部」と、すべて受け入れ、強さ、優しさ、希望を胸に明るく生きた
い。外から見えない根っこには自分自身の不動の信念を秘めながら、家族愛、仕事へ
の情熱、社会・人々との深い関わりを幹・枝葉とし、風雪に耐え凛と立つ大きな「父
の樹」、それがビックツリーです”とあって、その通りのお話で、感心したり感動し
たり。
奥様が治癒され、おいしい食事が食卓に並ぶ生活に「今自分がこんなに幸せでいいの
かと思うことがある」とおっしゃる佐々木さんは、とてもすてきでした。
印象に残ったのは、「研修は役に立たないですよ。自分が東レ経営研究所で研修を
しているのは、10人に1人の『話を聞いて実践する』その人のため」とのお話。
「すぐやりたがり」の私にとっては「優先順位の見極め」とともに、これからの糧に
させていただこうと思いました。
この方が佐々木さんです。
奥様もお元気な姿で来場されていました。
また、厚生労働省老健局の宮島局長の話では、今回の介護職等によるたんの吸引等の
解禁ははじめの一歩であり、今後介護福祉士の教育カリキュラムの改定により、在宅
での医療行為の在り方が大きく変わると…。大変な時代になってきましたが、訪問看護
の重要性を改めて認識した一日でした。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月11日(金)
薬剤師会と共催 シンポジウム
11月6日土曜日は西宮市薬剤師会と訪問看護ステーションネットワーク西宮
の共催で、シンポジウム(ブログの最初にご紹介しています)が開かれました。
参加者は薬学部の学生さんが多かったようです。行政として地域包括の担当課
長、当事者としてALSの当事者である西村さんがシンポジストとして発言され
ました。西村さんのお話は、日常を詳細にきめ細やかに見つつ、家庭のこまごま
したことを普通に受け止めこなしつつ、介護や支援のあり方を問うておられたよ
うに思います。担い手の「こうあってほしい姿」について、分かりやすいたとえ
話を交えて話される西村さんの言葉はそのまま、私たち担い手自身が日ごろから
そうありたいと願っている姿と重なります。
先を見つつ、振り返りつつ、その人に添い、看護ケアを行うことが、私たちの一
番したいことでもあり、改めて訪問看護師の役割について考える機会をいただき
ました。
西宮市薬剤師会とのコラボを、今年はたくさんさせていただきました。
これからの在宅医療の場で「かかりつけ医」「かかりつけ薬局」とともに、
「かかりつけ訪問看護師」がポピュラーになることは、きっと多くの在宅療養者
に安心をもたらすことができる、そう思っています。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月11日(金)
ナース研修会(職場研修)をしました。
当事業団の訪問看護ステーションでは、毎月社内研修をしています。
4ステーションのスタッフ全員で、一つのテーマに関して学習します。
先月は、がん疼痛の専門看護師さんの講義、今月は地域の民生委員さんと地域
包括支援事業所との事例検討でした。
これは、4年目になる取り組みですが、毎年、民生委員さんのがんばりには
本当に頭が下がります。民生委員さんとボランティアさんが地域の高齢者さん
を支えているのです。共通していたのは限りなく添うのではなく、必要な機関
につなげるのが役割、との認識です。
中には民生委員さんは何でもしてくれる、とばかりに用事を頼まれることもあ
るようで、そのご苦労がうかがえます。
事例検討の話で多く出ていたのが、医療との連携のむずかしさについてでし
た。
ある委員さんは、「夫が大学病院に入院。無事治療を終え帰宅すると調子が悪
くなり、専門知識を持っている人に相談したいと思っても、どうしたらよいか
わからなかった。」とおっしゃいました。
まさに、日頃感じている「必要な人に訪問看護がタイミングよく届いていな
い」現実を、当事者の方から発言いただいたのです。
従事者である私たちだけが必要性をわかっていても、制度で後押しができる
ようになっていませんから、病院の医師や看護師にわかってもらう努力をコツ
コツを積み重ねているところです。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月9日(水)
訪問看護ステーションネットワーク西宮のこと
このブログでちょこちょこ「訪問看護ステーションネットワーク西宮」とい
うのが出てきています。
これは、今年で10年目を迎える、市内の訪問看護ステーションの連携会で、市
医師会から顧問、市役所介護保険グループからオブザーバーを迎え、様々な活
動を行っています。
特に今年は、地域包括ケアの本格的施行に向け、「訪問看護推進」のためと
行政へのコミットを積極的に行っているところです。介護保険グループの課長
さんが女性なのですが、訪問看護の現場が大変なことをちょっとずつ理解して
くださっているみたいです。
コミットの成果として
●第5期高齢者福祉計画・介護保険事業計画策定委員会委員にネットワークか
ら参画
●地域防災計画に関する講義を市の担当者にしていただく
●連携会議(訪問看護、ケアマネジャー、地域包括支援センター)開催を検討
していただく
などがありました。
そのほか、
●市民フォーラムの開催(先日、このブログに書いた10月8日「妻を看取る
日」垣添先生を招くトークショーNPO法人と共催)
●訪問看護のパンフレットやマップ、記念冊子作成(まっ最中!!)
●保健医療福祉関連機関との連携(合同研修会やシンポジウムの開催)
にも積極的です。
訪問看護をどんどん可視化し、理解者を増やしていくことで、
“日々の訪問看護”の大切さをたくさんの人にわかってもらいたい。
いつもそう思っています。
看護とは「安楽でここちよい物理的環境をつくりだすことから、説明したり、
安心させたり、理解したり、支えたり、受け入れたりすると言う、より直接的
に養育的な活動にまでわたる、各種の独特な行動(ドロシー・E・ジョンソ
ン)」そのものであり、それこそが訪問看護だと思うのです。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月7日(月)
事業団フェスタ!
10月23日(日)、市役所東館の大ホールで「事業団フェスタ」が行われました。これ
は、当法人のすべてのサービス事業所が事業内容の紹介や、得意分野の相談、介護職
やおむつフィッターさんによる講座などを通し、市民の健康維持増進に役立てていた
だこう!というもので、今年から初めての試みです。
訪問看護では、ナースがステキなビデオを作成してくれました。
訪問看護が一般の方にイメージしやすいだろうなーと思わせる内容で、
スタッフの持っている、多彩な才能の一端を見せてもらいました。
まいにち訪問看護で忙しく走り回っているスタッフですが、日頃の業務とはまた違っ
た経験で、ひとまわり、また力をつけてくれたようで、とてもうれしく頼もしく思っ
た一日でした。
これがそのビデオです。
PTによる体操教室
医療相談も行いました。
各サービス利用者様の作品
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月4日(金)
訪問看護の必要性
訪問看護は、平成4年に制度ができてからもう20年がたとうとしていますが、
いまだに訪問看護の担い手以外は「どういうものなの?」という反応が多い
のが悲しいところです。
訪問看護がどんな人に必要か、担い手である私たち自身が一番よくわかって
いることに疑いはありません。
私は、どんな人にも看護が必要とされる時期がある、というのが持論です。
今の仕組みは、「ファーストコンタクト」は地域包括やケアマネジャー、も
しくは医療機関であり、その人たちに必要なタイミングをわかってもらえる
ための努力も求められます。
訪問看護師は医療と介護の連携に役割を発揮することが期待されていており
在宅医療推進の要だとも言われるようですが、
“看護の目”で見て必要な情報をケアマネや主治医にきちんと伝え、改善の方
向に導く、という訪問看護の大事な役割が果たされてこその話だとおもいま
す。
訪問看護師の役割って?ときかれたら、イメージしてもらいやすいように、
「利用者の思いをわかりやすく医師に伝える翻訳者」とか、
「医師に利用者の状況を適切に伝え治療に生かしてもらう諜報員」
などと、チャンスがあるたびに伝えています(余計わかりにくい?)。
私たち担い手自身が、訪問看護の役割を遂行する高い意識を持ち、
主体的に考え、工夫した内容で訪問看護を提供することが
求められているなーと感じています。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
平成23年11月2日(水)
スギ薬局の「杉浦地域医療振興財団」のシンポジウム
10月13日(木)に、杉浦地域医療振興財団のシンポジウムに出演させていただ
きました。この財団はスギ薬局の社長ご夫妻が地域医療振興のために私財を投じ、
京都大学の中に建設されたものだそうです。
シンポジウムでは、医師、薬剤師、介護福祉士、ヘルパー、訪問看護師それぞ
れの立場で、『地域生活を担う良質なサービスの提供』について発言、ディス
カッションを行いました。
介護福祉士も看護師のように「認定介護福祉士」を作ろうとされていること、6
割が仕事を続けるかどうか悩んでいる、ヘルパーに苦情が多いのは、生活の継続
性の援助を行う点で個別性への対応がむずかしいから、薬剤師はもっとケアカン
ファレンスに呼んでほしいと思っている、などが興味深い点でした。
訪問看護の立場からの発言の機会をいただき、改めて訪問看護の可視化や発信力
の大切さを確認できる機会になりました。
私が言いたかったのは、
①地域包括ケア推進が叫ばれる中、訪問看護は医療と介護の橋渡し役として重要
視され、国レベルの検討会等でも推進策が検討され続けてるが、現行の仕組みで
は難しいし、多職種がまだ訪問看護を理解していない
②看護の本質は訪問看護に息づいており、看取りの事例からもそれが分かる
③今や訪問看護には様々な役割が期待され担う一方、必要な看護を提供する判断
は任されていないのが問題(在宅)医療と(訪問)看護をセットで提供できる仕
組みづくりが必須
④西宮での訪問看護推進の取り組み(訪問看護ステーションネットワーク西宮の
活動について)
⑤訪問看護の担い手自身が訪問看護推進のために訪問看護を可視化する
の5点でした。これをずっと社内でも言い続けています。
杉浦昭子財団理事長(スギ薬局副社長)さんは笑顔と話し方がとてもステキな
魅力的な方でした。
今週のカンブリア宮殿(テレビ東京系、木曜よる22時から)はスギ薬局の特集だ
そうで、この会の様子も少し放送されるそうです。
訪問看護ステーションネットワーク西宮については、また後日お知らせしますね。
西宮市社会福祉事業団
訪問看護ブログ
11月2日(水)
10月8日に終わった「男の介護」市民講座(訪問看護ネットワーク共催)
「妻を看取る日」の垣添先生を中心に、妻を看取った8人の男性がその看取りを振り返
り率直な話をされることで、介護や看取りについて縁がないと思っている人にも、身
近に考えさせる内容で、お手伝いできたことを皆が誇りに思う、そんな素敵な会にな
りました。「がん楽会」の方のブログがすばらしかったので引用させていただきます。
昨日、西宮アミティーホールでひとつのイベントが行われた。
NPO法人アットホームホスピス( http://athomehospice.net/katudo.htm )主催の「男の介護-
垣添忠生と妻を看取った8人の男たち」という講演会&トークショー。
垣添忠生氏は元国立がんセンター総長で、現在は日本対がん協会の会長さん。天皇陛下
の前立腺がんの治療に関わった一人として有名な方だが、もうひとつ、がんに侵された奥様と
の闘病と介護、そして奥様が亡くなられた後の絶望の淵から立ち直るまでの体験を綴った、著
書「妻を看取る日」が話題となり、今や講演の依頼でひっぱりだこの状態だという。
今回の講演はでは医師としてではなく、「妻を看取った男」の一人としてその体験を赤裸々に
語られた。そして氏を含めた8人の男たちが、それぞれの「妻との別れとそこからの再生」を語
りあった。
こんな風に言うと、何かとてつもなく暗~い講演会のようだが、シャンソン歌手のミュージック
ショーがあったりして、笑いあり涙ありの楽しいイベントだった。
私もほんの少しだけお手伝いをさせてもらったが、この講演会を支えたボランティアの面々が
すごい。舞台の演出や出演する歌手や演奏者は骨髄バンク推進のチャリティーコンサートをも
手掛けるプロたち。そして会場の案内や受付を担当するのは訪問看護ステーションの看護師、
訪問リハビリの理学療法士、ケアマネージャー協会や薬剤師会の会員たちの多くが、無報酬
で参加した。
100名近いボランティアたちは、このイベントのために自発的に集まってきた。数か月の準備
期間中に、次第に広がっていく人の輪に驚きを感じたものだ。善意の輪とはこういうものなん
だろう。一人ひとりが誰に言われるのではなく自分の役割を務めた。その集大成として500名
近い観衆を集めた今日のイベントとなった。
誤解を恐れずに言わせていただくが、NPO法人もピンからキリまであって、資金の潤沢
な団体もあれば、このアットホームホスピスのように活動資金に窮する貧乏NPOもある。
当初、主催の鉄郎氏もこんなイベントが開けるとは思ってもいなかったようだ。企画の段
階で、趣旨に賛同してくれたある団体の方が、キャパシティー1000名以上のホールを
予約してしまったことから大きな歯車が動きだしてしまったのだ。頭を抱える鉄郎氏の横
で、涼しい顔をして「何とかなるんじゃないの。」という雰囲気を醸し出していたのは奥さ
んである恵子さん。二人とも伴侶をがんで亡くして、悲観のなかで出会って再婚したカッ
プルだ。
結局のところ彼らの人柄と志にみんなが共鳴して集まってきたのかもしれない。途中で、
鉄郎氏だけにまかしていたらエライことになると、犠牲的精神で活動に参加したメンバー
もいるようだ(笑)。
西宮の在宅医療は近隣の市に比べても立ち遅れている。しかしこのイベントを通じて、
そうした医療や介護に関係する志の高い人間が多いことに気がついた。国や行政にこ
れだけのことができるだろうかと市民の力を再認識できた。いや、市民の集まりだからで
きたのかもしれない。
在宅介護や看取り、がん難民の問題などは、現場を知らない国と官僚たちによって市民
目線とは違うところで語られているような気がする。震災や原発の被害者もまったく同じ
だ。国が何もしてくれないと憂いていても何も始まらない。立ち上がって自分で前に進む
しかないんだ。
少々大げさに聞こえるかもしれないが、そろそろ市民が声をあげて日本を変えていかな
ければならない、そんな頃あいではないだろうか?そうした可能性を感じた一日だった。
西宮市社会福祉事業団
平成23年11月1日
訪問看護ブログ
研修会のお知らせです。
11月5日(土曜日)15時~17時に、JRそばの医師会付属看護専門学校の講堂で、
西宮市薬剤師会と訪問看護ステーションネットワーク西宮が共催するシンポジウム
があります。
「在宅で患者家族が本当に求めるケアのあり方」として、市役所の高齢福祉担当や
ALSで在宅療養されている方を中心に、薬剤師や訪問看護もディスカッションし
ます。参加申し込みは11月3日までに西宮市薬剤師会にFAX(0798-23-0447)で。
とても充実した内容になると思いますので、ぜひいらしてください。
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