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在宅医療ってなーに? - 大分市ホームページ
在宅医療ってなーに? 在宅医療と介護に関する市民講演会 (大分市、大分市連合医師会) 在宅医療とは 入院や通院ではなく「家」にいながら受 ける医療(老人ホームも含む) 医師に加え、歯科医師、薬剤師、看護 師、リハビリ関係職種等多くの職種に よって提供される。これに介護関係職 種を加えた多職種による真に包括的 なケアのための協働・連携が必要 1 在宅医療の対象者 通院が困難になってきた患者 入院中で家での療養を希望しているが、 退院しても通院が困難な患者 保険診療上は「寝たきりまたはこれに準 ずる状態で通院困難な者」となっている が疾患の重症度や介護度による基準は 今のところ定められていない 在宅医療を受ける方の主な基礎疾患 1.脳血管障害後遺症 2.認知症高齢者 3.骨折後遺症、変形性脊椎症、関節リウマチなど の運動器疾患 4.神経難病 (パーキンソン病、ALS、脊髄小脳変性症など) 、脊髄小脳変性症など) (パーキンソン病、 5.がん末期 6.慢性呼吸不全、慢性心不全 7.老衰 2 在宅医療の変遷 急病に対する往診は以前から行われていた。 現在の訪問診療形態は1980年頃から開始 され、10数年前からにわかに注目 50年前は9割近くの人が自宅で亡くなって いたが現在は2割に満たない 急速に少子高齢化社会が到来、国や自治体 も在宅医療の重要性を強く認識、推奨 3 在宅医療の魅力(患者にとって) 何にも気兼ねしない場所であること (起床時間、就寝時間、入浴、食事、飲酒など) 家族、ペット、仏様(仏壇)、庭、趣味やコレクション、 アルバム、思い出の品等々が常に身近に存在する 病院では患者(家族)が来訪者であり、どうしても遠 慮しがち。家では医療者が来訪者であり、本音で悩 みを打ち明けやすい 心安らぐ自宅で自分らしく生きることができる 在宅医療の魅力(医療者にとって) 病院では見えてこない、患者のさまざまな背景(人 生観、家族関係、趣味など)が鮮明になりやすい ~これがとてもケアに重要 十分に傾聴することが可能 高度検査機器に頼らない、診断力、看護力の習得 が必要 医師として総合診療医であることが求められる 患者の人生ドラマの1ページに参加する喜びを得る 家で最期を迎えた方の顔はみな一様にとても穏や かである 4 在宅医療の必要条件(患者) 患者も家族も在宅医療を望んでいること 『家で暮らしたい。家で生きたい』 介護する家族が少なくとも一人(できれば複数) いること(介護者の心身の疲労) 介護保険を利用したサービスを受けることがで きる 24時間対応の在宅医・訪問看護師がいること 在宅医療の必要条件(医療者) 24時間体制の診療(診療所の医師同士の連携) いざというときに入院できる病院があること (病院と診療所の連携) 患者の生き方を尊重し、全人的医療が行えること 24時間体制の訪問看護との連携 基本的に医師の専門性は関係ない 5 訪問診療と往診の違い ■訪問診療 患者と医療機関が相談し予め計画 した日程で訪問し診療を行うこと ■往診 急病や病状の急変の際に患者の 求めに応じて医師が出向き診察を行 うこと 在宅で行われるおもな医療行為 診察 採血(血液検査) レントゲン撮影・エコー(腹部・心臓)、心電図 点滴、輸血、腹水除去、褥瘡の処置 薬の処方(配達) 末期がん患者への緩和ケア (モルヒネ等の使用) 在宅人工呼吸管理・気管切開管理 胃瘻管理、胃瘻交換 など ※医師により、行うことができる業務が異なります 6 在宅医療における多職種連携 訪問看護師:体調管理・相談、第一連絡先 訪問リハビリ:機能回復、拘縮予防、嚥下・言語リハ 薬剤師:飲み合わせ、残薬確認、服薬指導、一包化 歯科医師:歯科治療や口腔ケア 義歯作成等 ヘルパー:身体介護、家事援助、身近な存在 通所サービス、短期入所(ショートステイ)の利用 :家族の介護疲労時 病院との連携:急病の際、入院への移行 在宅ケア連携(地域包括ケア) 歯科医師 在宅医師 医療面 薬剤師 理学療法士 作業療法士 栄養士 病院医師 病院看護師 連携室 訪問看護師 患者・家族 地域包括支援センター ケアマネジャー 生活面 ヘルパー 在宅療養 ご近所の方 友人 行政 施設スタッフ 福祉医療機器 (通所・入所) 業者 7 訪問看護師の役割 日常生活の援助 (体の清拭、食生活や排せつの援助、床ずれ予防など) 家族の援助 (在宅介護における相談、家族の健康管理、精神的ケア) 医師の指示による医療措置 (床ずれ処置、服薬指導、留置カテ管理、TPN管理 緩和ケア 緩和ケア (症状のコントロールやこころのケア、患者と家族の 症状のコントロールやこころのケア、患者と家族の精神的 症状のコントロールやこころのケア、患者と家族の精神的 ケア、死や看取りの教育、グリーフケアなど ケア、死や看取りの教育、グリーフケアなど) や看取りの教育、グリーフケアなど) 在宅における看取り 在宅における看取りは医療者ではなく家族が行うため平穏で あることが多い 在宅看取りの条件として①家族の理解 ②十分な緩和ケア ③医師・看護師の24時間体制 ④医療・看護・介護の三位一 体連携 在宅看取りの普及には①家族への看取り教育 ②ACP(アド バンスド・ケア・プランニング)が重要 命のリレー:愛する人が死に向かう過程を目の当たりにする ことにより命の尊さを知り、命のリレーを行うことができる 離別の悲しみも予期悲嘆により緩和でき残された家族のケア にもつながる 8 *死亡時の対応について* 家族中心の看取りもできることを伝え、家族が慌て ずに 看取れるように支援する ご家族(施設のスタッフ)が最後の呼吸を確認してか ら 連絡を頂くことでも良いことを先に伝えていると 慌てずに済む あわてない、救急車を呼ばずに、主治医や訪問看 護師を呼んでください そして、”ありがとう“と感謝の言葉を言って待ってい てください 在宅医療を受けたいとき どうすればいい? 1.かかりつけ医に相談(かかりつけ医を持とう) 2.かかりつけ医が訪問診療に対応できない場 合は対応可能な医療機関を紹介してもらう、 または地域包括支援センターに相談 3.病院入院(通院)中の場合はその病院の地域 連携室に相談 4.在宅医療を行う医療機関に出向き詳細な説 明を聞き納得した上で契約 9 在宅医療の料金は? 在宅医療は保険診療です。その医療費は入院 より安く、外来通院よりは高くなっています。 診療所別に交通費負担や強化型はさらに診療加算があり、 詳細は各診療所にお聞きください。 医療費のおおよその目安(自己負担金) 例)月2回訪問診療、夜間の往診を1回受けた場合 (1割負担の場合) 在宅時医学総合管理料 訪問診療料 833点×2回 夜間往診 1か月の合計 か月の合計 4,200円 1,666円 2.020円 約8,000円 円 1か月分のうち、保険の種類により1~3割が自己負担です。 ただし、医療行為(採血の検査費、注射費など)、薬代などが加 算されます いずれも、“高額療養制度”の利用ができます。 ※負担限度額:70歳以上 12,000円/月 10 在宅医療の課題 ① 市民 市民への への啓蒙 への啓蒙 ② 病院医療者への への啓蒙 啓蒙 病院医療者への ③ かかりつけ医 かかりつけ医が在宅医療へ 在宅医療へ参入 医師ネットワーク 医師ネットワーク ④ 多職種連携の 多職種連携の強化 地域包括ケアの 地域包括ケアの充実 ケアの充実 (介護と 介護と医療の 医療の壁を崩す) ⑤ 施設職員への 施設職員への看取 への看取り 看取り教育 ⑥ 病院・ 病院・診療所連携( 診療所連携(急変時の 急変時の迅速対応) 迅速対応) ⑦ 介護家族の 介護家族の休息や 休息や介護休職システム 介護休職システム ⑧ 若手医師・ 若手医師・看護師の 看護師の指導・ 指導・教育・ 教育・育成 たとえ高齢で病院へ通院ができなくなっても 病気で在宅へ戻りたくなっても 認知症や重い病気でも 大切な家族と共に 住み慣れた在宅で過ごしませんか そんな事ができる時代が 来ています 11 ご清聴ありがとうございました いかに生き、いかに最期を迎えるか、選択 肢はたくさんあります 在宅療養には困難を伴うこともありますが 社会資源の利用や支援によって実現可能 です。あなたらしく、その人らしく住み慣れた 家で療養することを考えてみませんか? 今、在宅療養を支援するシステムを医療、 介護、行政が三位一体となり推し進めてい ます 12