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工業科「電気基礎」学習指導案
工業科「電気基礎」学習指導案 群馬県立太田工業高等学校 情報技術科 教諭 鳥羽田 日 時 平成24年6月12日(火)第6校時 学年・組 情報技術科2年 場 電気科第一電子機器実習室(2F) 所 慎一 39名(男子38名,女子1名) 使用教材 教科書「精選電気基礎」新訂版(実教出版) 単 元 名 電磁誘導 1 単元について (1)単元観 本単元では、磁気と電流及び電磁力の関係について学習する。私たちの身の回りの電化製品の中 には発電機や電磁調理器などに代表されるように、電磁誘導の原理が用いられているものは数多く ある。これら機器の原理を理解することは、ものづくりの基本を学ぶことにつながる。 (2)生徒観 すでに生徒はフレミングの左手の法則によって電磁力が発生し、電動機の原理となっていること を学習している。また、コイルの中へ棒磁石を出し入れすることにより誘導起電力が発生し、発電 機の原理となっているすることも学習している。ほとんどの生徒は以上のような物理現象に興味を 示している。また、導線に電流が流れるとジュール熱が発生することは学習しているが、金属中を 磁束が貫くことによってもジュール熱が発生するという現象や原理については未学習である。 (3)指導観 電磁誘導現象による誘導起電力について理解を深めさせたい。また、電磁誘導により導体中に 渦電流が生じ、ジュール熱が発生するという現象を理論的に理解させたい。そのために、すでに 学習した直流電流によるジュール熱に関する知識を復習させることにより、発熱作用に対する興 味・関心を高めさせ、学習の動機づけをさせたい。そこで、私たちの身近な電化製品等について、 電流による発熱作用が応用されている事例を取り上げ、ジュール熱についての認識を深めさせた い。また電気による発熱の種類・特徴・危険性についても理解させ、同時に計算力も向上させた い。 (4)単元の系統性 電気基礎 (技能)工業技術基礎 実 習 課題研究 (知識)電子計測制御 2 3 単元の目標 ・磁気と電流及び電磁力の関係について学習し、電磁誘導の原理を理解する。 ・直流電動機や直流発電機の原理について理解する。 ・電磁誘導で発生する渦電流による発熱作用を、直流電流による発熱作用との対比で理解する。ま た、ジュール熱が応用されている電化製品を危険性も理解した上で正しく使用出来る。 単元の評価規準 関心・意欲・態度 思考・判断 技能・表現 知識・理解 ・電動機や発電機、渦電 ・身近な生活の中にお ・電磁誘導の原理につ ・電化製品の中で、電 流の原理について理解し いて、電磁誘導現象の いて、それらを説明す 磁誘導現象がどのよう ようとしている。 応用について考察する ることが出来る。 に役立っているのかを ことが出来る。 理解している。 -1- 4 単元の指導計画(全時間) 第2章電流と磁気 (1)磁石とクーロンの法則 (9時間) 1年次に学習済み (2)電流による磁界 (6時間) (3)磁界中の電流に働く力 (7時間) (4)電磁誘導 (9時間)・・・本時は9時間中の2時間目 (5)章末問題 (3時間) 配当 学習内容 評価の観点 時間 関心 思考 技能 知識 評価規準 評価方法 9 (1) ○ ・磁石と磁気の関係に興味、 ・行動観察 ・磁石と磁気の関係、N 関心を持っている。 ・ノート 極とS極の関係を理解す ○ ・クーロンの法則を理解 ・節末問題 る。 している。 ・二つの点磁極間に働 ○ ・吸引力と反発力の方向 く力を計算できるよう をベクトルで表現できる。 になる。 6 (2) ○ ・フレミングの右手の法 ・行動観察 ・アンペアの右ねじの 則を理解している。 ・ノート 法則について理解する。 ○ ・ヒルテリシス曲線の形 ・プリント ヒステリシス曲線につ 状を説明できる。 ・定期考査 いては、物理的な側面 から理解する。 7 (3) ○ ・フレミングの左手の法 ・行動観察 ・フレミングの左手の 則を理解している。 ・ノート 法則について理解する。 ○ ・導体間に働く力を計算 ・ワークシート 電磁力とトルク及び平 できる。 ・プリント 行な直線状導体間に働 ・定期考査 く力を計算できるよう になる。 (4) ○ ・電磁誘導作用に関心が ・行動観察 ・電磁誘導に関するフ ある。 ・ワークシート ァラデーの法則及びレ ・ノート ンツの法則について理 ・プリント 解する。 ・節末問題 本時 ・ 電 磁 誘 導 に よ る 発 熱 ○ ○ ・発熱作用に関心がある。・定期考査 2 作用について原理を理 / 解する。 9 ・フレミングの右手の ○ ・誘導起電力を計算でき 法則を理解し、直線状 る。 導体に生じる誘導起電 力を計算できるように なる。 ・自己インダクタンス ○ ・導体の種類によってイ と相互インダクタンス ンダクタンスの大きさが について理解する。 異なることを理解する。 3 (5) ・計算問題が解ける。 ○ ○ ・適切な公式を選択し計 ・定期考査 算できる。 -2- 備考 5 本時(全9時間中の第2時間目) (1)本時の目標 ・すでに学習している電流による発熱作用の原理、種類、応用等について復習し、関心を喚起する。 また、電流による発熱作用の応用、エネルギー損失、危険性を理解する。 ・さらに電磁誘導現象において、磁束の変化によっても電流(渦電流)が発生し発熱するという現 象について新たに理解する。 ・誘導起電力を定量的に扱う今後の学習への動機づけとする。 (2)指導的配慮事項 ・ICT機器を活用し、生徒の興味、関心及び理解が進むよう配慮する。 ・ワークシートやホワイトボードを活用して言語活動の充実を図り、思考や発表がしやすくなるよ う配慮する。 (3)授業を行う際の言語活動のポイント ・生徒間の対話やコミュニケーションを主体とするため、グループ単位で討論を行い、考えを深め ることを目指し、生徒活動型の授業を行う。 ・本時の基本内容を理解した上で、グループに分かれて話し合いをさせる。 ・グループ内での意見をまとめて、わかりやすく発表する。 ・各グループから出された意見をまとめ、クラス全員で本時の主題について考える。 (4)言語活動の充実の視点から考えられること ・自分の意見を明確にして他者に伝え、また他者の意見を正確に把握して、グループの意見として まとめ上げることが出来る。 ・論理的に物事を考え、根拠を示しながら明確に発表する能力を養う。 (5)本時の展開 導 入 10 分 展 開 35 分 (※波線部は言語活動) 学習活動 指導及び指導上の留意点 評価規準 評価方法 ・前時の授業の確認をする。 ・前時の内容を振り返り、 ・発 問に積極 的に答 ・行動観察 把握できてるか確認する。 えようとしている。 ・本時の目標、学習内容を把 ・目標と学習内容をしっか (関) 握する。 り説明する。 ・電流による発熱作用を利用 ・各グループで話し合い、 ・自 分の意見 を発言 ・行動観察 している電化製品を、種類別 ホ ワ イ ト ボ ー ド に 書 き 込 し、 討論に積 極的に ・ワークシート に分別する。ワークシートを み、発表させる。 参加 しグルー プで協 利用してグループ内で討論を 力し て意見を まとめ してまとめ、発表をする。 ている。 (技) ・ 分 別 し た 電 化 製 品 の 中 か ・身近な電化製品をイメー ・電 流による 発熱作 ら、ジュール熱を利用してい ジし、興味を持っているか 用の 原理につ いて、 るものを具体例として、ジュ 観察する。 論理 的に考え ること ール熱について説明する。 ができる。 (思) ・電磁誘導による渦電流が原 ・渦電流による発熱作用を ・渦 電流は電 磁誘導 理となっている機器を分類す 磁束の変化と関連づけて考 によ って発生 するこ る。 察させる。 とを理解している。 (知) -3- ・ジュール熱を利用している 電化製品について、危険性を 説明し、関連する映像を見せ る。 ま と め 5 分 ・ICT機器により導線に ・安 全性の重 要性を 過 電 流 を 流 し た 映 像 を 見 理解している。 せ、興味を持っているか観 (知) 察する。 ・本時の内容と次時の内容を ・本時の復習と次回の予告 確認する。 を行う。 ・行動観察 (6)準備物 ・生徒 教科書、ノート、筆記用具 ・教師 教科書、プロジェクタ、電子黒板、ノート型パソコン、ワークシート、ホワイトボード -4- ワークシート① ワークシート② -5-