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地図やスケッチ

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地図やスケッチ
中学校
(第2分野
1
学年
理科
「大地の変化」)
画に位置付ける,②事前指導や事後指導を適
第1学年
切に計画する,③安全確保のために事前の実
2
地踏査を行う等が必要であり,準備が大変で
単元名 「大地の変化」(地層と過去の様子)
あることから敬遠されがちである。しかし,
3
野外活動の実施を通して,自然に直接ふれる
単元について
ことによって自然の営みや偉大さを感じ取り,
(1)単元観
本単元は,野外観察や実験などを行うことに
自然に対する興味・関心を高めることができ
より,学習意欲を喚起し,実際に野外の事物
るので,地域や学校の実態に応じて積極的に
を探究する活動を通じて課題を解決する方法
実施したい。また,野外観察の観察記録等か
を習得させるとともに,地学的な事物・現象
ら生徒自身に問題を発見させるようにし,そ
は長大な時間と広大な空間の中で互いに関連
の解決のための観察や実験を計画・実施させ,
を保ちながら変化してきたものであることに
自然の中に潜む規則性を生徒自身の力で発見
気付かせ,大地は変化するという考え方を育
できるような力や態度を身に付けさせたい。
生徒が小学校において,土地には層をつくっ
成することが主なねらいである。
このねらいを達成するためには,生徒が学
て広がっているものがあることや地層のでき
校周辺の野外で実際に露頭を観察するという
方を学習していることをふまえ,野外観察や
体験を通して,地層のでき方や重なり方など
地層堆積モデル実験の結果を基に,地層の重
についての課題を発見したり,仮説を立てて
なり方の規則性を地層の形成の時間的変化と
これを追究し規則性を見いだす活動が必要で
関連付けて考察できるようにさせたい。また,
あると考えられる。
地層の空間的な広がりをとらえさせる工夫も
したい。
また,本単元の内容は,芸予地震等の最近
おきた自然災害との関連を図ることで,自然
4
の事象を個別にとらえるのではなく,総合的
に見る力を育てていくことが可能であること
大地の活動の様子や身近な地形,地層,岩
から,生徒の震災経験や全国各地の震災や火
石などの観察を通して,地表に見られる様々
山活動と関連付けることが望ましい。
な事物・現象を大地の変化と関連付けてみる
見方や考え方を養う。
(2)指導観
【学習指導要領の項目
野外観察の実施にあたっては,①年間指導計
5
単元の目標
第2分野(2)】
単元の評価規準
ア 自然事象への
関心・意欲・態度
イ
科学的な思考
①
ウ
観察・実験の
技能・表現
エ
自然事象についての
知識・理解
意欲的に野外観察を計 ① 地層の野外観察を行い,その観 ① 地形や地層の観察の仕 ① 地 層 の 重 な り 方 の
画・実施しようとする。
察結果から,地層の重なり方の規 方,露頭の観察の仕方を 規則性,地層の堆積環
② 地層及びこれを構成す
則性を見いだし,地層の広がりを 習得している。
境,地層の生成年代に
る堆積岩などの観察に取
考察する。
② 地層の重なり方やその ついて理解し,知識を
組み,課題を発見したり, ② 野外観察を行う中で,地層の成 地層を作っている岩石の 身に付けている。
自ら仮説を立てて追求し, 因,地層の堆積環境を考え,観察 特徴を自分なりに整理し ② 火 山 岩 と 深 成 岩 の
規則性を見つけようとす
した地層の生成年代などを推定す て記録し,露頭の特徴を 特徴や成因,地震の揺
るとともに,自然環境を
る。
とらえてスケッチしたり れ方と地震の震源か
保全しようとする。
③ 堆積岩の構成物質の違いや含ま 観察結果をまとめて発表
ら距離の関係,地震に
③ 日本や世界の火山の噴
れる示相化石,示準化石から,堆 したりする。
よる土地の変化,地震
火や地震に興味をもち,
積環境や大まかな生成年代を推定 ③ 各地の地震計の記録か や 火 山 の 原 因 と プ
それらと大規模な大地の
する。
ら地震の揺れの特徴を調
レートの動きと関連
-73-
変動を関係づけて考えよ ④ 火山岩と深成岩の観察を行い,
うとする
それらの組織の違いや造岩鉱物の
種類や含まれている割合の違いを
成因と関連付けて考える。
6 指導計画(全18時間)
小
単
学習内容(時数)
元
べ,結果をまとめたり発
表したりする。
などについて理解し,
知識を身に付けてい
る。
評価計画
関 思 技 知
心 考 能 識
【変化する大地】 単元の導入として,小学校での学習内容 ◎
を想起させるとともに,最近の地震や火山活動などについて
導 も触れ,大地が変動していることに気付かせる。また,学校
入 付近で地層がみられる場所がないか,話し合う。(1)
【野外観察で調べたいこと】 地層の観察を中心とした野外
観察の仕方について説明を聞き,どのような観点で観察を行
うかをグループごとに考え,活動計画を立てる。(1)
評価規準
評価方法
ア①身近にみられる露
頭を思い出し,発表
しようとする。
行 動 観 察
○ エ①小学校時の学習内
容が理解できている。
◎
【地層を調べよう 野外観察】 学校周辺の露頭を観察し, ○
地層の色や厚さ,重なり方,地層をつくる様子を調べ,記録
する。(適切な時数を充てる)
○
ア①観察の視点をもと
に観察計画を立てる
ことができる。
ウ①必要な道具や服
装,活動上の注意点 ワ ー ク シ ー ト
を考えることができ
る。
◎
ア②積極的に観察しよ
うとする。
ウ①色や粒の大きさな ワ ー ク シ ー ト
どを正確にスケッチ ( ス ケ ッ チ )
できる。
地
層
と 【観察結果から考えよう】 露頭や持ち帰った岩石等の資料の
過 観察結果をもとに,グループや学級で話し合い,観察した場
行 動 観 察
去 所の地層がどのようにしてできたかを考察する。また,特徴
「7 本時の展開」
的な地層をもとにして,地層の広がりや重なりについても考 ○ ◎ ◎ ○
を参照。
の
ワークシート
える。(2)
様
本時1/2
子
【地層をつくる岩石】 観察した地層に含まれる岩石を調べ,
粒の大きさから形,集まり方などからたい積岩のつくりや特
徴を理解する。(1)
○
【化石からわかる昔の様子】 地層に含まれる化石等が,地
層がつくられた当時の環境や年代を知る手がかりになること
を理解する。(1)
火
山
と
地
震
【いろいろな火山の噴火】 様々な火山の噴火の例をあげ,
火山の噴火の様子と火山の形や噴出物の様子とが関係あるこ
とを学ぶ。また,火山の地下にあるマグマについて学び,火
山によって噴出物に含まれる鉱物の種類や量が異なることを
知る。(1)
-75-
ウ②岩石を構成するも
のを正確にスケッチ
することができる。 行 動 観 察
◎ エ①たい積岩の種類と
構成物,成因を理解 ワ ー ク シ ー ト
できる。
◎ エ①具体的な例を挙げ
て示相化石や示準化 ワ ー ク シ ー ト
石を説明できる。
自 己 評 価
テ ス ト
◎
イ③火山の形から地下
のマグマの特徴を考
えることができる。
○ エ②火山の形や噴火の ワ ー ク シ ー ト
様子をマグマの性質
と関連付けて説明で
きる。
7
本時の展開
(2)観点別評価の規準
(1)本時の目標
◎
本時は野外観察の結果から地層のでき方に
科学的な思考
ついて考えることを通して,科学的な思考を
地層を比較し,形成する成分や粒の大き
深めることが最大のねらいである。まず,地
さの違いから,地層のでき方について考え
層のでき方について自分自身で考えたり小グ
ることができる。(イ①)
◎
ループで議論したりして,個々の生徒が主体
観察・実験の技能・表現
岩石を構成する粒の形や大きさ,色など
的に課題を解決するようにさせたい。(学級全
に着目して観察し,要点をまとめて発表で
体での議論は次時)
きる。(ウ②)
また,露頭で採集した試料やスケッチをも
(3)準備物
とに,観察結果を細かくまとめ,自分なりの
露頭で採取した岩石等の試料,スケッチ,
意見を簡潔にまとめ,わかりやすく表現する
ワークシート,発表用ホワイトボード(各グ
ことも必要である。
ループ),野外観察を行った場所の写真や地図
(4)学習の展開
学習活動
指導上の留意事項
1
野外観察を実施した場所を確認 野外観察をした場所の写真
するとともに,本時のねらいを知 や地図を提示し,単元全体の
り,学習の見通しをたてる。
中での本時の位置付けと,本
時の課題を意識させる。
2
露頭の観察結果からわかること, 色や組織に着目し,露頭の
考えられることをワークシートに スケッチやその他の記録か
記入する。
ら,いくつかの地層に分ける
ように指示する。
評価規準
評価方法
3【観察】 野外観察で採集してき 色や構成する粒の大きさや ウ ② 組 織 の 違 い に ワークシート
着目してスケッチ
た岩石等の資料を,ルーペ等を用 並び方に着目させる。
植物のスケッチで学んだ注 できる
いて調べ,スケッチする。
意点を思い出させる。
スケッチからわかることや自分 教科書や資料集の写真を
の考えをワークシートに記入する。参考に,粒の大きさや構成物
の大きさの違いから分類させ
る。
5 露頭の観察結果と岩石等の観察 小学校での学習内容をもと イ ① 観 察 結 果 か ら ワークシート
結果から,露頭にみられた地層の に,二つの観察結果から,地 地 層 の 成 因 等 を
でき方を考え,ワークシートに整 層の様子や地層のできた順序 考えることができ
る
等を推論させる。
理する。
4
6
露頭にみられた地層のでき方に 自分の考えを簡潔・正確に ウ②要点をまとめて 行動観察
ついて,小グループで考えを述べ 述べるとともに,相手の意見 発表できる
あい,まとまった意見をホワイト から自分の気づかなかった点
ボードに記入する。
に気づかせる。
7
次時の学級全体での話し合いの ホワイトボードへの記載を ウ②簡潔にまとめて 行動観察
工夫させるなど,わかりやす 書くことができる
準備をする。
く発表方法を考えさせる。
-75-
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