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第4学年3組 社会科学習指導案 指導者 佐藤康光 1 日 時 平成23年6月
第4学年3組 社会科学習指導案 指導者 佐藤康光 1 日 時 平成23年6月17日(金) 第4校時 2 単元名 水はどこからどこへ 3 単元の目標 ○ 自分たちの使う水が届くまでの経路や使用後の経路に関心をもち、積極的に調べようとする。 (関心・意欲・態度) ○ 自分たちがこれから水をどのように使っていくのかについて考えることができる。 (思考・判断・表現) ○ 浄水場や、下水処理場の役割を調べ、発表することができる (観察・資料活用の技能) ○ 様々な水道施設とそこで働く人の努力によって、きれいな水が届けられていることを理解することができ る。 (知識・理解) 4 単元の構想 (1) 系統(他学年、他教科・領域とのかかわり) 4年(社会) 〈本単元〉 人々の生活にとって必要な飲料水の確保や処理について調べ、 これらの対策や事業は地域の 人々の健康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立っていることを考えるようにする。 5年(社会) 〈環境を守るわたしたち〉 5年(理科) 〈動物の誕生〉 川の水質汚濁について調べ、市民や行政 池や川などの水を採取し、顕微鏡などを が一体となって取り組んでいることや、 使って、水中の小さな生物を観察するこ それらの取り組みに一人ひとりが協力す とによって、魚は、水中にいる小さな生 ることが大切であるとことを理解する。 物を食べて生きていることをとらえる。 6年(家庭) 〈日常の食事と調理の基礎〉 6年(理科) 〈生物と環境〉 調理における排水が環境にどのように影 動物は水及び空気がないと生きていけな 響するのか知り、汚れた水の望ましい始 いことや地球上の水は、海や川などから 末の仕方や、水環境をよりよくするため 蒸発し、水蒸気や雲となり、雨となるな にできる工夫を考える。 ど循環していることをとらえるようにす る。 (2) 教材について わたしたちは、家庭で1日約1000ℓもの水を使っている。わたしたちにとって水はすごく身近なもの であり、生活していく中でごく当たり前に確保されているものであるため、子どもたちにとってはその存在 について考えることは少ないのではないかと思われる。 本単元では、その当たり前に存在する水(飲料水)について考えていく。まずは導入で飲料水になる前の 水が、いかに汚れているのかについて取り上げることで、飲料水を確保することの大変さについて感じるよ うにさせたい。そこから、人々の生活や産業に欠かすことのできない飲料水が、いつでも使えるように必要 な量の水源を確保するための対策や水源地から各家庭や工場に供給されるまでの事業について取り上げて いきたいと考える。 また、子どもたちは水を使った後の下水の処理方法については、ほとんど知識がない。そのため、処理場 に集められる下水の処理の方法を資料を基にして確認する活動を通して、使った後の水は、そのまま川や海 に流されるのではなく、きちんと処理をされてから流されていることを理解させていきたい。 さらに、本単元では、自分たちが飲んでいる水が船明ダムや寺谷浄水場で確保され、使った水は磐南浄化 センターにおいて処理されているという具体的な施設を取り上げることでイメージをしやすくして学ばせ たいと考えている。 これらの活動を通して、生活に欠かせない飲料水が確保されるまでの大変さを実感させたり、使った後の 処理の苦労を知らせたりすることで、今後の生活の中で水をより大切にしていく心を育てていきたい。 (3) 児童の実態 本学級は男子9人、女子15人、計24人の学級である。おとなしく、授業にまじめに取り組む子が多い。 本単元を学習するにあたり、児童の意識や知識を確認するために簡単なアンケートを実施した。 ① 1日で水をどのくらい使っていると思うか(家族4人) ペットボトル(2ℓ)50本 3人 〃 100本 4人 〃 500本 9人 〃 1000本 8人 ② きれいな水が水道から出てくることをどう思うか あたりまえだと思う 3人 あたりまえではないと思う 21人 ③ 水道から水が出てくるまでにどうなっていると思うか。 ・山から来る。・水道管を通ってくる。・きれいにして出てくる。・ダムから浄水場できれい にされて出てくる。・地面から出てくる。・川から水道につながって出てくる。 ・ダムから来 る。 ・滝や川から来る。 ・井戸・機械できれいにする。 分からない・・・11人 ④ 使った水はどうなると思うか。 ・海、川、池に流れる・下水道に流れる。 ・どぶに流される。 ・捨てる・きれいにして、また 使う。 ・地下に行く。 分からない・・・7人 ⑤ 水のために家などで気をつけていることはありますか。 ・使わないときは止める。 ・風呂の水を洗濯に使う。 やっていない・・・12人 以上の結果のようになった。 一般家庭(4人家族)では、平均1日で1000ℓの水を使っているようであるが、①の結果から、生活を しているうえで多くの水を使っていることは感じている児童が多いことが分かる。注目したいのは②の結果 である。私の予想では、この国において水道からきれいな水が出てくることは児童にとっては当たり前と思 っていることが多いのではないかと思っていた。しかし、ほとんどの児童は「そうでない」と思っているとい う結果に驚かされた。つまり、児童は自分なりにきれいな水が確保できていることは当たり前ではなく、あ りがたいことだと考えている子が多いのではないかと思われる。本単元でもこの気持ちを大切にし、より高 めていけるようにしたい。 しかし、きれいな水がどのように作られているかや使った後の水がどのようになっているのかについては、 知っている児童はほとんどいない。特に、使った後の水については、そのまま川や海に流されていくと考え ている児童も少なくない。これらの点については、授業はもちろん、社会科見学をとおしてその実際を実感 をもって学ばせていきたい。また、②の結果とは反対に⑤の結果から、水を大切にしなくてはいけない気持 ちはあっても、実践していることは少ないので、一つでも実践できることを増やしていきたいと考える。 (4) 単元計画(7時間) 学習内容 ○使う前の水はどのくらい汚れているのだろうか。 時間 評価 導 関・意・態 入 使う前の水がどのくらい汚れ ・思っていた以上に汚れているな。 ・このままでは飲むことはできないね ているのかについて、進んで調 2 ☆水の出前講座においての水質調査を通して、水の汚れ具 べ、自分なりの感想をもとうと する。 合を視覚的に実感する。 (発言・行動観察) ○家ではどのくらいの水を使っているのか。 関・意・態 ・自分だけでも相当たくさんの水を使っているね。 家庭での水の使用量について、 ・特にお風呂は多くの水を使っているよ。 積極的に調べようとする。 ☆各自が家で、どのくらいの水を使っているのかを調べ、 (ワークシート・行動) その後の授業に生かす。 ○学校の水はどのように使われているのか。 ・各教室の前にたくさんあったね。 展 技能 開 学校にある蛇口のある場所を 6 見取り図に表し、学校での水の ・理科室や家庭科室には教室の中にも蛇口があるね。 使われ方を確かめることがで ・トイレにはたくさんの便器があり、水を流すよね。 きる。 ☆蛇口の数よりも場所に注目させ、なぜその位置にあるの (行動・ワークシート) かを考えさせるようにする。 ○どうして水の使用量は増えたのか。 思考・ 思考・判断・ 判断・表現 水の使用量の増加を自分たち ・水洗トイレが増えたからではないかな。 の生活に置きかえ、暮らしの移 ・洗濯機やシャワーも原因だと思うよ。 り変わりと関連させて考える ・人工が昔よりも増えているよね。 ことができる。 ☆水の使用量の増加を自分たちの生活に置きかえて考え (発言・ワークシート) られるように、昔の生活の様子と比較するように呼びか ける。 知識・ 知識・理解 ○どのように水をきれいにしているのだろうか。 浄水場の大まかな仕組み、働く ・川の水をきれいにしていると思うよ。 人の工夫や努力を理解するこ ・船明ダムからとっているんじゃない。 とができる。 ・寺谷浄水場できれいにされてくるんだよ。 (発言・ワークシート) ・寺谷浄水場では、薬やろ過を使って水をきれいにしてい るんだね。 ☆資料や簡単な実験からきれいな水ができる仕組みを視 知識・ 知識・理解 覚的・体験的に実感できるようにする。 下水の処理の方法について、資 本 料や実験から理解することが 時 できる。 ・そのまま海や川に流れると思うよ。 6 (ワークシート) ・きれいにしてまた使うんじゃないの。 / 関・意・態 ・汚い水は下水道に流されるよ。 6 使った後の水のゆくえについ ○使った後の水はどのようになるのだろうか。 ☆実際に使った後のきれいにしたりする活動や、資料から て進んで調べ、自分の考えをも 磐南浄化センターについて考え、使用後の水を見たり、 とうとしたか。 嗅いだりすることで実感できるようにする。 (ワークシート・発言) ○水について、自分たちにできることは何だろうか。 終 思考・ 思考・判断・ 判断・表現 末 今までの学習を生かして、自分 ・雨の降った後は、山からダムに流れるので、水源林が大 切だね。 ・使った後の水はきれいにされて川や海に流され、また雨 になるというように、まわっているんだね。 ・これからは、水を大切に使おう。 たちの水の使い方について考 2 えることができたか。 (発言) 知識・ 知識・理解 使った後の水の循環について 理解することができる。 (ワークシート・発言) 5 本時の学習 (1) 目標 ○使った後の水のゆくえについて進んで調べ、自分の考えをもとうとする。 (関心・意欲・態度) ○使った後の水のゆくえの方法について、資料や実験から理解することができる。 (知識・理解) (2)準 備 物 汚れた水を入れたペットボトル(6種類) 、水中生物、水槽、ろ過装置、テレビ パソコン、アンケート結果、花(2種類) 、磐南浄化センターで処理される前と後の水 (3)学習過程 支援・留意点 学習活動と予想される児童の表れ 評価 1 アンケート結果「使った後の水はどうなるのか」を見て考える。 ・そのまま川に流したら、生き物が生きられない。 ・どうすればきれいになるのだろう。 生き物を入れた水槽を川に見立てたり、汚れた 水をかけ続けた花とそうでない花を比べたり ・汚れた水をあげている花は、枯れそうだ。 して、生活で出た汚水をそのまま流してもよい 2 本時の課題をつかむ。 かを考えることで、本時の学習につなげる。 使った後の水はどのようになるのだろうか。 実際の汚水を用いて考えること 3 生活で出た汚水をきれいにする方法を考える。 で、自分たちの生活に結びつけて ○自分たちで汚れた水をきれいにできないか、考えてみよう。 考えることができるようにする。 ・浄水場のようにろ過を使ったらどうだろうか。 浄水場の学習を思い出させ、きれ ・そのまま待っていればきれいになるよ。 いにさせる方法をそこから考える ・浄水場では、たくさんの薬を使っていたね。 ように助言する。 ・完全にきれいにするには限界があるね。 使った後の水のゆくえについて進んで調べ、自分の 考えをもとうとしたか。 (行動観察・発言) 4 資料(下水道ものがたり)を見て、下水処理場について確認する。 ・下水処理場では、汚れを沈めてきれいにしているんだ 実験では確かめることができない部 ね。 ・浄水場では薬だったけれど、下水処理場では、が活躍し 下水処理の方法を簡単にまとめられ ているんだ。 ・汚れた水は、下水処理場できれいにされて川や海に流 されているんだ。 ・すごく臭くて耐えられない。 ・こんなに臭うとは知らなかった。 るように、ワークシートを活用する。 下水の処理の方法について、資料や実 5 下水処理場で処理される前の汚水の臭いを体感し、 感想を発表する。 分を資料を使って確認させる。 験から理解することができたか。 (ワークシート・発言) 磐南浄化センターで、処理する前の汚水と処理された後の 水を子供たちに体感させ、実感できるようにする。 6 本時のまとめをする。 わたしたちの使った水は、磐南浄化センターできれいにされて、川や海に流される。 7 次時の学習内容の確認をする。 ○わたしたちが普段から、水のために気をつけられることはないだろうか。