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株券電子化システム 対応プロジェクト - Nomura Research Institute
株券電子化システム 対応プロジェクト リテール証券システム STAR - Ⅳ ホールセール証券システム I- STAR NRI Solutions www.nri. co.jp/nriss/ NRIグループが提供するソリューション事例のご紹介 2009 年1月5日に株券電子化が実施されました。 今では上場企業の株券すべてがペーパーレスとなり 電子的に管理されています。 制度変更によって仕組みが変わったことで 証券会社などの金融機関は自社の業務システムを 株券電子化に対応させる必要がありました。 NRIでは証券会社をはじめとする金融機関のお客様に 証券業務を支える共同利用型のシステムを提供しています。 事実上、業界のインフラともいえるほどのシェアを占めるため NRIにとって電子化へのシステム対応に失敗は許されませんでした。 リテール証券業務向けの「STAR-Ⅳ」 、 ホールセール証券業務向けの「I-STAR」という 二つの共同利用型システムサービスを通じて 証券業界の一大プロジェクトにNRI が どのように取り組んでいったのかをお伝えします。 IV R A T S I - STAR NRI Solutions この冊子は 20 09 年 7月に制作しました。本文内の情報は、当時の内容になっています。 2 証券業界の一大プロジェクトにおいて 先導を期待されたSTAR-Ⅳ 個人投資家である私たちが、証券会社に口座を開い て、株を買ったり売ったりする──こうした証券会社 のリテール業務の一端を支えるシステムが NRI の STAR-Ⅳです。このシステムは、準大手、中堅の証 券会社など約 70社で共同利用されており、証券業 界を支えるインフラともいえる存在です。だからこそ、 2009 年1月に始まった株券電子化対応では NRI が先導的に動かなければならなかったと、STARⅣ開発担当の齋藤大輔は振り返ります。 NRI 証券IT サービス事業本部 証券システムサービス開発一部 STAR-Ⅳ開発担当 齋藤 大輔 「これまで、いろいろな証券制度変更に対応し てきましたから、今回もよくある制度対応プロジェ クトの一つというイメージでした」 を行ったり株主情報を集めて管理するシステム処 株券電子化に当たり、システム対応プロジェク 理を担ったのが、証券保管振替機構(以下、ほふ トを率いてきた NRIの齋藤大輔は、最初の印象 り)です。各金融機関から必要なデータを受け取 を振り返ります。しかし、すぐに「甘いものじゃな って処理をし、渡すという、いわば仲介役の機関 い」ことを悟ります。 といえます。 証券業界の大規模プロジェクトだった株券電 この仲介役であるほふりが、株券電子化によ 子化。新制度へのシステム対応について、ここで りシステムを大幅に刷新。そのため、電子化に応 整理しておきましょう。 じるすべての証券会社、銀行、証券取引所なども、 ほふりに合わせて業務システムや業務のやり方を 業界を巻き込んだシステム対応 変えなければならなくなったのです。 NRI が提供している共同利用型のリテール証 株券電子化は 20 09 年 1月5日に証券決済制度 券システム STAR-Ⅳも、ほふりのシステム変更に 改革の最終段階として実施されました。株券が 対応する必要がありました。STAR-Ⅳはこのとき、 電子的なデータになれば、受け渡しの流れや管 約 70 社の証券会社や銀行で利用されており、業 理の仕組みも変わります。例えば、株 式の売買 界で大きなシェアを占めていました。 は、口座の残高データを増やしたり減らしたりす 「ですから、われわれが対応を誤れば、電子化 る“口座振替”によって処理。従来は信託銀行な 実施は間違いなく遅れるだろうと思いました。そ ど各機関で個別に管理されていた株主情報も、す れゆえ、プレッシャーは相当なものでした」 べて一元管理されるようになりました。この振替 制度の概要とシステム対応の全貌が見えてきた ときのことを齋藤は振り返ります。 ために、新しい機能が新制度の実施前には動か 20 06 年半ばから、ほふりは証券会社に向けて ないような仕組みをつくるという苦労もありました。 説明会を開き、システム仕様を公開しました。こ さらに、齋藤は付け加えます。 れを受けて NRIの STAR- Ⅳチームは、9月から 「当初は私が PM(プロジェクトマネージャー)で 検討を始め、07 年 6月に電子化対応プロジェクト したが、20 08 年に入って PMを交代したのです。 をスタートさせました。完全対応までに乗り越え 自分が開発の中身を細かく見ていくことに集中で るべきいくつもの山がある中で、STAR-Ⅳチーム きる体制に変えた点も、大きな成功要因だったと は 08 年 7月から行われる予定のほふりのテストを 思います」 大きな山場に設定。この直前に新しい STAR-Ⅳ 20 09 年 1月5日に、株券電子化は無事にスター を先行稼動させることを目標に開発を進め、09 年 トしました。「万が一、自社システムを持つ証券 を迎えました。 会社の対応が間に合わなかった場合、STAR-Ⅳ の方で受け入れてもらえないか」と業界関係者か 先行稼動させるための努力と工夫 ら打診されたこともあったと齋藤は言います。そ れだけ STAR-Ⅳは、業界の中で頼られ期待され こうやって流れをまとめてしまえば、プロジェク ていたといえます。 トはいかにもスムーズに進んだかに見えます。し NRI は今回、証券業界の一大プロジェクトを かし実際は、いくつもの困難の連続でした。例え 陰ながら先導する役割を果たしましたが、日頃 ば、ほふりが公開した新システムの仕様を、証券 STAR-Ⅳを利用している証券会社や関係各社に 会社の実際の業務にいかにかみくだいて落として は特別なこととは映っていないようです。齋藤は いくか。さまざまな要望を掲げる証券会社をどの 次のように言います。 ように調整していくか。証券会社の足並みがそろ 「それが当たり前です。制度変更は NRI に任 わず STAR-Ⅳの仕様も決まらない中で、開発を せておけば対応してくれる、STAR-Ⅳを使ってい 遅らせないためにはどうすればいいか。必要な要 れば面倒もなく安心と、お客様に思っていただけ 員をいかに確保するか……。これら数々の課題を る。私たちには、それが大事なことなのです」 解決し、結果的に STAR-Ⅳチームは、業界の中 で先導的にプロジェクトを進めることができまし た。その理由について齋藤は──。 「証券会社との調整は、問題の一つひとつを地 道に解決していったとしか言いようがない。仕様 については、すべてが決まるまで待っていては開 発に着手できないので、未確定な部分は後で変 更できるよう、設計段階で自由度を高める工夫を 株券電子化のシステム対応 証券保管振替機構(ほふり) 株券電子化の ためにほ ふり が「 株 式 等 振 替システム」を 大幅修整 STAR-Ⅳを先行稼動させたことも「最終的には よかった」と齋藤。ほふりとのテストを容易にした り、制度開始時にシステムが不安定になるリスク を抑えることができたからです。逆に先行稼動の ・加入者情報システム ・株主通知システム ・口座振替システム ほふりのシステム 修 整 に合 わ せ て 関 係 機 関の 側も システムを修整 業務系システム しました」 ほふりとのテストをターゲットに置いて、新しい 株式等振替システム 証券 取引所 銀行 証券会社 証券会社 信託銀行 ホールセール業界の 調整役となったI- STAR ホールセール証券業務を支えるシステムが NRI の I-STARです。日本の証券制度の頻繁な変更や対 応にキャッチアップしながら、ホールセールの証券 会社や銀行をきめ細かくサポートしてきました。外 資系を中心に多くの証券会社や銀行で利用されてい るため、ホールセール業界においてI-STAR がさま ざまな金融機関との調整を行うことで、株券電子化 を後押ししました。I-STAR 営業担当の黒田太郎が 対応の過程を語ります。 株券電子化に伴い、証券会社や銀行など多く の金融機関の間で株券決済や株主名義管理の仲 NRI 資産運用サービス事業本部 I-STAR事業部 I-STAR 営業担当 黒田 太郎 介役となる証券保管振替機構(以下、ほふり)が は、自社のホールセール業務のニーズに合わせて システムの仕組みを変えることになり、それに合 I-STAR に備わるさまざまな機能のうちの一部を わせて各金融機関も自社の業務システムの変更 使っていただいていることが多いのです」 を迫られた──これが、株券電子化システム対応 同じI-STARの機能であっても、その利用目的 の概要です。NRIのホールセール証券システムで や自社システムと接続した利用方法は各社で微 あるI-STARも、前述の STAR-Ⅳ同様、修整対 妙に異なると黒田は言います。 応が必要でした。 「ですから今回のような制度変更では、I-STAR の場合、お客様それぞれのシステムや業務フロー 使われ方が多様なI-STAR のどこに影響があるのかを一件一件うかがって、 きめ細かく対応していく必要がありました」 I-STARのシステム対応には、STAR-Ⅳとはま ホールセール特有のニーズは、もう1点あります。 た違った難しさがありました。NRIの黒田太郎は リテールシステムの場合、口座を開設した個人投 次のように説明します。 資家から証券会社が株券担保を預かるとき、内 「ホールセールシステムはリテールとは使われ方 部で預かる仕組みがあればフローは完結します。 が異なります。簡単に言えば、STAR- Ⅳをお使 ところがホールセールでは、証券会社に株券担保 いのリテール証券会社のお客様には、トータル業 を預けるのは信託銀行や機関投資家であり、そ 務パッケージとして定型化したフローで STAR- こからさらに別の金融機関に預ける、という外の Ⅳを利用いただいています。しかし、I-STARを 流れがあります。 利用されているホールセール証券会社や銀行に 「この流れを仲介しているのが I-STAR であっ て、モノの流れが1カ所で止まらず、常に動いてい ない各機関との調整も行いました。 ます。株券電子化によってこの仕組みも変わるこ 「例えば、ある証券会社のお客様から、その顧 とになったのですが、I-STARをはさんで、普段 客である信託銀行3社より報告のためのシステム は直接接点がない機関同士のフローを考慮する データの提供を求められたものの、それぞれ希望 必要があったため、われわれが調整に動くことも される仕様が異なるので交渉してほしいと頼まれ ありました。そこが決まらなければ、結局、すべ ました。私は信託銀行3社にお話をうかがいご ての流れに影響が及んでしまうからです」 要望を把握した上で、その3社に集まっていただ 例えば、証券会社が株券を信託銀行から預か き相談いただくことをお願いしました。信託銀行 り、東京証券取引所に預けるというフローがあり さんも取りまとめに動いてくださったおかげもあっ ます。株券電子化によってこのフローも変えなけ て、なんとか仕様を統一することができました」 ればならないのですが、これまで信託銀行と東 20 07 年から 08 年にかけて I-STARの開発を 京証券取引所は直接のやりとりがありませんでし 進め、08 年4月にほふりとのテストがスタート。株 た。そこで黒田は橋渡しに動いたといいます。 券電子化に対応した新たな I-STAR は、予定ど おり09 年1月5日を迎えました。 解釈して実務に落とし込む 株 券電子化の詳細が未確定な時期から制度 を解釈して要件定義や設計を進め、同時に汎用 ほ ふりのシステム仕 様 が 公 開されて以 降、 的な仕組みにするために数十社もの顧客の業務 I-STAR チームは、20 0 6 年半ばからシステム対 を取りまとめて実務フローに落とす──こうした 応に向けて本格的な検討を始めます。0 6 年末に 対応ができたのが I- STAR チームの特長であり、 は I-STARの顧客を集めて、制度変更により業 株券電子化対応を成功に導いた要因といえるで 務がどう変わるのか、システムにはどんな変更が しょう。 あるのかなど、対応の概要を示しました。 「ほふりからは制度変更の仕組みの概要は公開 されても、それに合わせて証券会社がどのような フローで業務を進めていくべきかは示されません。 そこでわれわれは、ほふりの仕様をかみくだいて 株券電子化における I-STAR の対応の流れ 2006 年 4月 ほふりの仕様公開を受けて I-STAR で本格的な 検討開始 とし込んでいきました。また、お客様にヒアリン 10 月 I-STAR の顧客に制度変更に関する概要を提示 グを行って、汎用的な業務パターンを決めていき 2007年 解釈し、証券会社のお客様に率先して業務に落 ました」 3月 こうして I-STARを開発していく上での標準的 な仕様を決めていったといいます。このとき、そ れぞれ異なる要望を持つ顧客同士の調整も重要 になりました。うまくいかなければ標準的な仕 様のもとで開発を進めることができないからです。 また、I-STAR が仲介するフローは、顧客である 証券会社の、さらに顧客である諸機関にも影響し ます。そのため黒田は、直接 I-STARとは接点の I-STAR の開発(修整対応)開始 顧客へのヒアリング 2008 年 4月 ほふりの加入者情報システムのテストスタート 7月 ほふりのその他のシステムのテストスタート 2009 年 1月 5 日 株券電子化スタート 証券システムに対する NRIの優れたノウハウに期待 東海東京証券株式会社 お客様: 1929 年創業の東海東京証券株式会社は、国内に 69 店舗(2009 年6月1日現在)を展開する準大手と して成長を続けています。同社は2008 年1月に、 自社の証券システムをNRIのSTAR-Ⅳに切り替え、 株券電子化への対応もNRIとともに乗り越えてきま した。システム対応の窓口となった資金・証券決済 部の中村裕一氏、ならびにシステム管理部の佐藤貴 之氏に、NRIに対する評価や要望をうかがいました。 「安定性の重視が第一でした」 NRIのリテール証券システム STAR-Ⅳを導入 した理由を、東海東京証券 資金・証券決済部長 東海東京証券株式会社 資金・証券決済部長 中村 裕一 氏 東海東京証券株式会社 システム管理部 主任調査役 佐藤 貴之 氏 の中村裕一氏はこう語ります。 「おつきあいのある他社も、NRIのシステムを 複雑で非効率でした。この際リテールもホールセ 使っているところが多く、安心感もありました」 ールもNRIのシステムを導入して、データを一元 同社システム管理部主任調査役の佐藤貴之氏 (中村氏) 管理できれば、という狙いもありました」 も次のように加えます。 「以前のシステムは、業務内容と必要な機能を 慣れる間もなく電子化対応へ われわれがシステム会社に伝え、システムに反映 してもらうかたちをとっていました。その分、現 20 0 6 年 10月から同社のシステム移行プロジェ 場での使い勝手はよかった。ただ、証券業界は クトは本格的にスタート。07 年の1年間はデータ 移り変わりが速く、われわれが制度変更の度に業 やシステム移行の検討で手いっぱいになりながら 務とシステムのことを考えるのは結構負担でした。 も、翌 08 年1月には NRIのシステム運用が始まり NRI は企業規模とこれまでの実績から、証券シ ました。 ステムのノウハウ、優れた人材をお持ちだろうと思 しかし、STAR- Ⅳによる新たな業務フローに って白羽の矢を立てたのです」 社員が慣れる間もなく、09 年に実施される株券 20 06 年2~3月に同社は STAR-Ⅳ導入の検討 電子化のための対応に迫られます。 を始め、同年7月にはシステム移行を決定します。 「電子化は証券決済改革の一環として、20 0 0 年 「準大手である当社はホールセールも重要な柱 くらいから国債に始まり、一般債、投信……と進 です。当時、ホールセール関連業務にはさまざま んできました。その流れに沿って当社も電子化に なベンダーのシステムを使っていましたから、相当 対応してきたのですが、最終ステップである株券 タな状態」でした。当時を振り返りながらNRIの サポートに対して、中村氏は次のようにコメントし ます。 「NRI には非常によくやっていただいたと思っ ています。当社の社員が日々の業務に追われる 中で NRI が先回りしていろいろと検討してくれた。 例えばほふりとのテストでは、詳細なシナリオを用 意してくれたり。おかげで細かな部分まで確認を とりながらテストができました。こうした対応が一 番ありがたかった。従来だと、すべてわれわれが 主導して進めなければいけませんでしたからね」 20 08 年にシステムを切り替え、09 年の株券電 電子化と当社のシステム移行が重なったのは、相 子化も乗り越えてきた東海東京証券。今年 4 月 当たいへんでした」 からはホールディングス化を行い、準大手証券の システムの切り替えを主導してきた中村氏は、 一角として今後は多様なサービス展開を予定して 当時の心境を語ります。 います。飛躍に向けた重要な転換期にあって、中 村氏は NRI に対して次のように語ります。 NRIのサポートで無事、電子化開始 「STAR- Ⅳ導入は証券業務システムを単に変 えたということではなく、経営戦略的な観点から 20 08 年 2月からは、株券電子化に向けた動き NRI を選んだということなのです。NRI はさまざ が本格化し、NRIとの打ち合わせが毎週のよう まなソリューション、ノウハウを持っている。それ に行われました。「証券保管振替機構(ほふり) らを柔軟に組み合わせて、われわれのニーズに応 とのテストスケジュールも相当タイトで、8月から えていただくことで心強い支えとなってほしいと思 はほぼ毎週休日出勤していた」という中村氏。替 います」 えたばかりのシステム操作に慣れようとする中で、 こうした関係の中でともに発展してゆくことを、 電子化への対応もあり、現場は文字通り「バタバ 中村氏、佐藤氏ともに期待しています。 業界スタンダードな NRIのサービス姿勢 ソシエテジェネラル証券会社 東京支店 お客様: ユーロ圏最大級の金融機関であるソシエテ ジェネ ラル証券会社。同グループの日本における重要な拠 点として、1987年から営業を続けているのがソシ エテ ジェネラル証券会社 東京支店です。創業当初 からホールセール証券業務システムの I-STARを 利用している同社を、NRI は20年以上にわたって サポートし続けてきました。株券電子化への NRI の対応について、同社のヴァイスプレジデントの縣 邦久氏と業務部長の中出篤志氏は「まったく不安 はなかった」と評価しています。 証券保管振替 機 構(以下、ほふり)との業 務 確認テストがほぼ 隔週 末に行われていた頃の、 ソシエテ ジェネラル証券会社 東京支店 ヴァイスプレジデント ソシエテ ジェネラル証券会社 東京支店 業務部長 縣 邦久 氏 中 出 篤志 氏 あがた なか で 20 08 年のある土曜日──。 ストを実施するためだけでも、机にうず高く積ま テストのために休日出勤したソシエテ ジェネラ れるほどの資料が届いたといいます。自分たちだ ル証券会社 東京支店の縣邦久氏は、パソコンの けではとても解釈できないそれらの資料をNRI 電源を入れて、NRIのI-STAR/CXやI-STAR/ がかみくだき、ユーザーにとって本当に対応が必 MXなどテストに必要なアプリケーションを立ち 要なこと、例えば、二日間で行わなければならな 上げます。NRI からはすでに朝一番に、テスト開 い作業だけを書いた手順書にまとめて、事前に 始に問題はないか、テストは何時から始まるのか、 丁寧な説明もしてくれたと縣氏は話します。 といった連絡メールが届いています。問題がない 「われわれはほふりだけでなく、証券取引所や ことを確認した縣氏は、数日前に NRIの担当者 その他の金融機関など、数多くの関係機関とテス と打ち合わせた今日のテストの段取りを一つひと トをする必要がありました。NRIのサポートなし つ思い出しながら、NRI が用意した手順マニュア では、とても対応できなかったと思います」 ルに従ってテストを実施し──。 テストを行っていた当時の流れを振り返りなが 一つひとつの業務を解釈 ら、株式のバックオフィス業務全般を担当する縣 氏は次のように付け加えます。 テスト手順に限らず、ほふりが 20 0 6 年に株券 「NRIの皆さんのおかげで、本当に安心してテ 電子化の制度概要やシステム変更仕様を公開して ストに対応できました」 以降、その内容をいかに実業務に対応させてい 縣氏によれば、ほふりからは一回の業務確認テ くかは常に縣氏が頭を悩ませたことでした。 不安は一切なかった これらの対応をもし自分たちですべて行うとし たら……「ちょっと考えられない」と、マネジメン トの立場で NRIのソリューションを選択した業務 部長の中出篤志氏は言います。 「株券電子化は一連の証券決済改革の流れに 「ほふりからは 2 0 0 6 年当初から、読みきれな おける最終仕上げという位置付けであり、これま いほど大量の資料が来ていました。制度の変更 での制度変更でもNRI にはお世話になってきま が当社の業務にどうかかわるのか、それをシス した。すでに実績がありますから今回の NRIの テムにどう反映させなければならないのか。そ サポートに対しても、われわれには一切不安はあ ういったことをN R I に相談しつつ、解決していき りませんでした。すべて任せておけばよいと思っ ました」 ていました」 例えば同社は、ほふりに複数の口座がありまし そのため、同社のIT 部門がかかわることもな た。メイン口座には大口顧客分(常代分)と自己 かったといいます。 分を入れ、別の口座にはそれ以外の顧客分を入 「NRIの存在はたいへん大きいのです。ほかの れていました。ところが電子化によって顧客分と ベンダーともつきあったからわかることですが、か 自己分を完全に分けなければならなくなりました。 ゆいところに手が届くNRIのサービス姿勢は、業 「常代分を別口座に移すと、区分口座振替とい 界における一つのスタンダードになっていると思い うものが発生して口座間でのやりとりがたいへん ます」(中出氏) 頻繁になります。こういった場合の業務への影響 縣氏も言います。 やその対応方法なども、NRIの皆さんに説明して 「今回の株券電子化への対応はもちろん、日ご いただきました」 ろI-STARを使っていてもたいへん満足していま 実質的には、こうした業務一つひとつについて す。実際、NRIとは毎日といってよいくらい緊密 の細かなやりとりを、20 07 年から 08 年にかけて なやりとりがあり、いろいろと教えていただいてい ずっと続けていたというのが縣氏の実感です。 ます。今後も継続してサポートをお願いしたいと 思います」 10 NRI NRI Solutions バックナンバー NRI 野村総合研究所ホームページの「NRI Solutions」に 掲載されたテーマの一覧です。 http://w w w.nri.co.jp/nriss/ テーマ 公開日 23 SecureCube/Access Check 22 製薬業界における先進的な業務システム 21 中国日系企業の幹部社員研修プロジェクト 20 投信会社バックオフィスシステムサービス「T-STAR」 19 NRI グローバル SCMソリューション 18 中国進出企業の人材マネジメント支援 17 電子マネーの導入・運用支援 16 トータルな観点からメールセキュリティ対策を支援する「Proofpoint」 15 対話を通じて経営者の力を引き出す「IDELEA」 14 臨場感ある空間と感情を伝える分身による新しいコミュニケーションの創造 遠隔教育システム「3D-IES」 13 Webサイトにおける新たな価値を提供するアグリゲーションサービス「InterCollage」 12 スピード経営と業務改革に貢献する電子帳票システム「ILF Powered /Ex」 11 業務視点から提供する変化に応える次世代 IT基盤「オブジェクトワークス」 10 NRIウェブランディア ─ NRIセキュアテクノロジーズのアクセス管理ツール お客様:出光興産株式会社 お客様:エーザイ株式会社 ─“患者様とそのご家族のベネフィット向上” を目指す エーザイ株式会社サポートの履歴 ─真の現地化を進めるための人材育成をサポート お客様:YKK(中国)投資有限公司 お客様:ピクテ投信投資顧問株式会社 ─海外ビジネスを展開する企業の業務支援システムアウトソーシングサービス お客様:コクヨ商業(上海)有限公司 ─中国の人たちが主役となって働ける組織づくりをサポート お客様:味の素株式会社 ─流通と金融のソリューションを融合した nanacoプロジェクト お客様:株式会社セブン&アイ・ホールディングス お客様:旭化成株式会社 お客様:フリュー株式会社 お客様:九州大学 お客様:株式会社日本航空 お客様:日本生命保険相互会社/ニッセイ情報テクノロジー株式会社 お客様:株式会社阪急百貨店/株式会社ウイズシステム ─東京工業大学のオープンコースウェア開発 お客様:東京工業大学 9 NRIネットコムのウェブサイト・プロデュース 8 証券ホールセールビジネスのための共同利用型システム「I-STAR」 7 金融「福利厚生」の新時代を拓く職域向け金融ポータルサービス「MoneySquare」 6 お客様視点のサービスを追求するセブンドリーム・ドットコム ─「OpenStandia」を活用し柔軟なECシステム基盤を再構築 5 4 ─住友不動産販売のウェブサイトの可能性 お客様:住友不動産販売株式会社 お客様:三菱 UFJ 証券株式会社/ドレスナー・クラインオート証券会社 お客様:株式会社ベネフィット・ワン お客様:株式会社セブンドリーム・ドットコム 大規模システム統合をわずか一年で完遂 ─三菱 UFJ 証券システム統合 プロジェクトの軌跡 お客様:三菱 UFJ 証券株式会社 定性的なテキスト情報から定量情報を抽出 ─統合型テキストマイニング分析システム「TRUETELLER」 2009/05/07 2009/02/18 2008/06/16 2008/03/24 2007/12/17 2007/11/12 2007/10/10 2007/09/18 2007/08/13 2007/06/06 2007/03/26 2007/02/05 2007/01/15 2006/12/18 2006/09/29 2006/08/14 2006/07/03 2006/06/12 2006/04/04 2006/01/16 Solutions お客様:松下電工株式会社 3 “業務発”の発想でシステムの全体最適を実現 ─ NRI グループのIT 基盤ソリューション「GranArch」 2 投資信託の銀行窓販を加速させるIT基盤 1 損保業界最大の共同化プロジェクト ─金融リテール販売支援ソリューション「BESTWAY」 お客様:株式会社三井住友銀行 お客様:株式会社損害保険ジャパン ─自賠責保険共同システム「e-JIBAI」 2005/12/02 2005/11/14 2005/10/17 11 株式会社 野村総合研究所 〒100 - 0005 東京都千代田区丸の内1- 6 - 5 丸の内北口ビル Tel. 0 3 - 5533 - 2111 ht tp: //w w w.nri.co.jp 無断転載禁止 Copyright © 2009 Nomura Research Institute, Ltd. 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