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ジャパン プロパティ ダイジェスト(J​PPD)2015年第1四半期

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ジャパン プロパティ ダイジェスト(J​PPD)2015年第1四半期
堅調に推移する不動産市場
ジャパン プロパティ ダイジェスト
2015年第1四半期
日本版
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期 3
日本
マーケット サマリー
プロパティ クロック
不動産投資額
4
6
7
オフィス
東京
8
大阪
9
リテール
東京
10
ロジスティクス
東京
11
ホテル
東京
12
マーケット サマリー
4 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期
マーケット サマリー
•
東京: オフィス
投資利回りの低下と賃料上昇とを反映して価格は上昇加速
•
大阪: オフィス
高い予約契約率で竣工した新規供給がアブゾープションを牽引
•
東京: リテール
依然旺盛な小売業者の出店意欲
•
東京: ロジスティクス
賃料は東京ベイ・東京内陸ともに上昇
•
東京: ホテル 東京のホテル運営パフォーマンスは好調を維持
不動産賃貸市場
東京 オフィス
空室率
東京 リテール
3.0%
賃料
賃料
33,884円
前期比
東京 ロジスティクス
73,153円
前期比
0.4%
賃料
0.1%
4,133円
前期比
賃料見通し
1.5%
12ヶ月見通し
賃料見通し
大阪 オフィス
空室率
東京 ホテル
7.8%
賃料
RevPAR見通し
16,009円
前期比
上昇
客室稼働率見通し
0.3%
ADR見通し
賃料見通し
東京オフィス: 大阪オフィス: 東京リテール:
東京ロジスティクス:
東京ホテル: 主要5区
(千代田・中央・港・新宿・渋谷)
に所在する、
延床面積30,000㎡以上、
基準階面積1,000㎡以上、
地上20階以上、
1990年以降に竣工の
Aグレードオフィスビルマーケット
主要2区
(北・中央)
に所在する、延床面積15,000㎡以上、
基準階面積600㎡以上、
1982年以降竣工のAグレードオフィスビルマーケット
銀座中央通りと表参道のプライムリテールマーケット
東京ベイエリア6区
(大田・品川・港・中央・江東・江戸川)
に所在する延床面積10,000㎡以上の新型物流施設マーケット
東京所在の5つ星ホテルマーケット
出所:JLL, STR Global
不動産投資額
オフィス
セクター
2015年
第1四半期
(10億円)
2014年
第1四半期
(10億円)
前年比
(%)
オフィス
883
747
18%
リテール
391
353
11%
ロジスティクス
150
29
420%
ホテル
55
72
‒23%
その他
58
54
8%
1,537
1,254
23%
リテール
ロジスティクス
ホテル
その他
0
200
400
600
800
総額
億
2015年第1四半期
出所:JLL
1,000
2014年第1四半期
経済
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期 5
•
実質GDP成長率
2014年は前年比横ばい、2015年は同0.8%の成長となる見通し
•
消費者物価指数変動率
2014年は前年比2.7%の上昇、2015年は同0.3%の上昇となる見通し
主要経済指標
実質GDP成長率と消費者物価指数
前年比 (%)
5
予測
4
3
2
1
0
–1
2010年
2011年
2012年
2013年
実質GDP成長率 季節調整済
2014年
2015年 (予)
消費者物価指数
出所: Oxford Economics, April 2015
完全失業率
2015年第1四半期
2014年第1四半期
前年比
12か月見通し
全国
3.5%
3.6%
‒0.1ポイント
→
南関東
3.5%
3.6%
‒0.1ポイント
‒
近畿
3.7%
4.1%
‒0.4ポイント
‒
金利
2015年
2014年
前年比
12か月見通し
新発国債利回り
(10年)
0.398
0.641
‒0.243
→
日銀短観(業況判断DI)
2015年3月
2014年12月
変化幅
先行き
(3か月)
大企業製造業
12
12
0
10
大企業非製造業
19
17
2
17
出所: 総務省統計局, 日本銀行, Oxford Economics
グローバル プロパティ クロック
6 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期
プロパティ クロック
賃料サイクル
オフィス
2015年第1四半期
2014年第1四半期
Americas
Asia Pacific
EMEA
Johannesburg
Mexico City
Shanghai, Houston
Frankfurt
Berlin
Singapore
Toronto
Dallas, San Francisco
Stockholm, Beijing,
Hong Kong
London, Los Angeles
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Moscow
Tokyo, Boston
New York
Delhi, Mumbai
Amsterdam
Chicago
Sydney, Madrid
Dubai, Milan, Osaka
Tokyo
Warsaw, Zurich
Sao Paulo
Seoul
Paris CBD, Brussels,
Istanbul, Prague,
Washington DC
出所:JLL, April 2015
リテール
2015年第1四半期
2014年第1四半期
Singapore,
Hong Kong
Paris
Dubai
Madrid
Americas
Asia Pacific
EMEA
London
Shanghai, Beijing
Berlin, San Francisco
Tokyo
Miami, New York
Houston, Boston
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Mumbai, Washington DC
Los Angeles
Delhi
Milan
Moscow
Tokyo
Sydney, Chicago
出所:JLL, April 2015
ロジスティクス
2015年第1四半期
2014年第1四半期
Americas
Asia Pacific
EMEA
Shanghai
Singapore
Frankfurt
Dallas
Los Angeles
Houston, Philadelphia
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
London, Chicago
Tokyo, Hong Kong
New York, Atlanta,
San Francisco
Tokyo
Moscow
Boston
Beijing
Madrid, Sydney
Warsaw
Amsterdam, Paris
出所:JLL, April 2015
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期 7
不動産投資額
不動産投資額
世界の商業用不動産投資総額
2015年第1四半期の世界の商業用不動産投資額は、前年同期
比9%増の1,550億ドルとなり、12四半期連続で1,000億ドルを
突破。第1四半期の取引額としては、2007年第1四半期の1,900
億ドル以来の高水準となった。
世界の商業用不動産投資総額
240
220
200
180
160
140
今期も引き続きアメリカ大陸およびEMEAの投資活動は好調
で、2015年第1四半期の投資額はそれぞれ730億ドル
(前年同
期比18%増)
、
570億ドル
(前年同期比1%減)
となった。
また、
アジ
ア太平洋地域の2015年第1四半期の投資額は250億ドル
(前年
同期比7%増)
となった。今般のドル高の影響を受け、
ドル建てで
みるとユーロ圏の活動は横ばいになっており、
同様にアジア太平
洋地域の投資活動を牽引している日本およびオーストラリアにつ
いても、
直近12ヵ月で15%減少している。
2015年通年の世界の商業用不動産投資額は、前年同期比約
5%増の7,500億ドルとしている。今後の投資額は、世界的な地政
学的リスクや急激な金利の動きに影響される可能性がある。
120
100
80
60
40
20
0
2007年
第1四半期
2008年
第2四半期
2009年
第3四半期
アメリカ大陸
2010年
第4四半期
2013年
第1四半期
2012年
第2四半期
欧州・中東・アフリカ
2014年
第3 四半期
アジア パシフィック
4四半期移動平均値
10億米ドル
出所:JLL
日本の商業用不動産投資総額
2,500
日本の商業用不動産投資総額
日本の2015年第1四半期の投資額は、前年同期比6%増の129
億ドル、
円建てでは23%増の1兆5,400億円となった。
J-REIT市場においては、2月にケネディクス商業リート投資法人
が資産規模約808億円で上場するなど新規上場がみられたほ
か、
日本リート投資法人が1月に31物件を約768億円で取得を
決定し、保有資産規模が倍増するなどの動きがみられた。
また、
目黒雅叙園や東京スクエアガーデン、青山ビルディングといった
大型オフィスの取引も見受けられ、投資額は前年同期比で大幅
な増加となった。海外投資家による投資額が全体投資額の30%
を占め、海外投資家によるアセット取得の動きが目立った四半期
となった。全体投資額、海外投資家による投資額ともに2008年
以来の高水準となっている。
都市別不動産投資ランキング
ニューヨークの投資額は130億ドルとなり、8四半期ぶりに最も投
資活動が活発な都市1位となった。世界の投資額全体の30%を
占めるアメリカの中でも特にニューヨークに投資が集中している。
続いて2位ロンドン
(104億ドル)、3位日本(85億ドル)
となった。
また、
シリコンバレーが位置するサンフランシスコ湾沿いの都市も
投資家の注目を集め、
トップテン入りしている。
2,000
1.500
1,000
500
0
2007年
第1四半期
2008年
第2四半期
投資総額
2009年
第3四半期
2010年
第4四半期
2012年
第1四半期
2013年
第2四半期
2014年
第3四半期
4四半期移動平均値
10億米ドル
出所:JLL
都市別不動産投資総額ランキング
2015年
2014年
(10億ドル) (10億ドル)
2014年
2015年
都市
3
1
ニューヨーク
13.0
2
2
ロンドン
10.4
8.5
1
3
東京
8.5
10.1
5
4
ロサンゼルス
4.0
3.6
9
5
サンフランシスコ
3.8
2.0
6.9
6
6
ワシントンD.C
3.7
3.3
22
7
シアトル
3.4
1.3
7
8
シカゴ
2.8
2.6
4
9
パリ
2.7
4.4
21
10
シリコンバレー
2.0
出所:JLL
1.3
10億米ドル
8 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期
東京: オフィス
•
•
•
賃料と価格のインデックス
150
140
130
空室率は依然低位で推移
投資利回りの低下と賃料上昇とを反映して価格は上昇加速
需要
120
第1四半期のネットアブゾープションは前四半期の64千㎡から増加して120千㎡
となった。
丸の内・大手町、
赤坂・六本木でみられた小規模な縮小を上回る大規模
な空室消化が品川、
新宿サブマーケットにてみられた。
110
100
90
80
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
インデックス: 2010年第4四半期 = 100
出所: JLL
第1四半期に需要は安定的に推移した。
外資系金融機関の縮小傾向は確認され
たものの、国内情報通信業、製造業、金融・保険業等の企業が移転を行った。移
転事例には
「品川シーズンテラス」
に入居した丹青社が挙げられる。
また、協和発
酵と協和発酵バイオは2016年に
「大手町一丁目第3地区第一種市街地開発事
業」
へ移転する。
供給
第1四半期末時点の空室率は3.0%と、前四半期比横ばい、前年同期比0.7ポイ
ントの低下となり、需給ひっ迫が続いた。大手町・丸の内と赤坂・六本木は引き続
き1%台で推移した。
空室率
600
6
500
5
400
4
300
3
200
2
100
1
第1四半期にストックは前期比1.9%の増加となった。新規供給された
「品川シー
ズンテラス」
(貸床面積130千㎡)
は、32階建て、基準階面積5千㎡、免震構造を
採用した環境配慮型ビルである。
%
千m2
東京: オフィス
移転需要は国内情報通信企業、
製造業、
金融・保険業等が牽引
賃料・価格動向
0
0
10
11
12
13
14
15F
出所: JLL
2010年から2014年のネット・アブゾープション、
供給、
空室率は
年末時点の数値。
供給予定は2015年通年の数値である。
第1四半期に価格は前期比5.2%の上昇、前年比19.7%の上昇となり、12四半期
連続の上昇となった。投資利回りの低下と賃料上昇を反映した。取引事例にはア
クティビア・プロパティーズが東急不動産より取得した
「汐留ビルディング」
(共有
持分15%)
が挙げられる。
取得価格は303億円、
投資利回りは4.1%となった。
第1四半期末時点の賃料は月額坪当たり33,884円と、前期比1.5%の上昇、前年
比5.0%の上昇となった。
サブマーケット別みると、空室率の低下等によりオーナ
ーが自信を深める新宿と渋谷が上昇を牽引している。
見通し(12ヶ月)
Oxford Economicsによると、2015年の日本経済は前年比0.9%増へと改善す
る見通しである。
また、
日本銀行の短観によると、大企業製造業の3か月後の業況
判断はやや悪化したものの引き続きプラスとなっている。
賃料
月額賃料
33,884 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
2015年の価格は一層の投資利回りの低下と賃料上昇とが牽引する見通しであ
る。新規供給(過去10年平均並み)
の予約契約率は順調、
さらに、新規供給の一
部が2016/2017年から2018/2019年へと先送りされたことから、空室率は現状
の低位を維持する見通しである。
直近の賃料トラフ
(底) 12 四半期
以降の経過期間
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
価格
注: 本レポートは、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)
に立地するAグレードオフィスマーケットに
ついて纏めている
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期 9
大阪: オフィス
•
•
•
高い予約契約率で竣工した新規供給がアブゾープションを牽引
空室率は引き続き低下
賃料と価格のインデックス
120
賃料上昇と投資利回りの低下が価格上昇を下支え
110
需要
第1四半期に需要は引き続き旺盛となり、
国内卸売業・小売業、
情報通信業、
専門
サービス業のテナントが、
オフィススペックや立地改善の為に移転を行った。
当四
半期の移転事例には
「新ダイビル」
に移転した丸紅とITホールディングスが挙げら
れる。
100
90
80
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
インデックス: 2010年第4四半期 = 100
出所: JLL
大阪: オフィス
第1四半期のネットアブゾープションは、前四半期の21千㎡から増加して57千㎡
となった。
サブマーケット別にみると、堂島にて
「新ダイビル」
が予約契約率90%で
竣工し、単体で38千㎡を空室消化した。
中津、梅田でも賃貸借面積の増加がみ
られた。
供給
第1四半期末時点の空室率は7.8%となり、前期比0.3ポイントの低下、前年比
2.5ポイントの低下となった。低下は3四半期連続。
サブマーケット別にみると、最
も下げ幅の大きかったサブマーケットは梅田となり、次いで中之島、御堂筋でも
空室消化が見られた。
空室率
150
10
120
8
90
6
賃料・価格動向
60
4
第1四半期末時点の賃料は月額坪当たり16,009円と、前期比2.1%の上昇、前年
比2.9%の上昇となった。賃料は3四半期連続で上昇、上昇率は加速した。経済
状況の好転と空室率の低下を受けてオーナーは自信を深めている。
30
2
第1四半期にストックは前期比3.4%増加した。
「新ダイビル」
(貸床面積56千㎡)
が31階建て、基準階面積1.6千㎡の規模で竣工した。竣工時の予約契約率は
90%となった。
第1四半期に価格は前期比4.6%の上昇、前年比15.0%の上昇となり、6四半期
連続の上昇となった。上昇率の加速は、投資家の関心の高まりのなか低下する
投資利回りと本格的な賃料上昇とを反映している。
当四半期の投資事例には、
ジャ
パンリアルエステイトによる
「梅田スクエアビルディング」
の取得が挙げられる。取
得価格は155億円、
投資利回りは4.4%となった。
千m2
12
0
0
10
11
12
13
14
15F
出所: JLL
2010年から2014年のネット・アブゾープション、供給、
空室率は
年末時点の数値。
供給予定は2015年通年の数値である。
見通し(12ヶ月)
Oxford Economicsによると、2015年に大阪のGDP成長率は0.2%増へと改善
する見通しである。一方、
日本銀行の4月の近畿短観によると、大企業製造業の3
か月後の業況判断は横ばいを示している。
経済状況の改善を受けて、企業のビルスペックや立地改善需要は堅調となる一
方、新規供給は過去10年平均比90%程度に抑制され、空室率は低下する見通
しである。投資利回りの一層の低下と本格的な賃料上昇とに牽引され、価格は上
昇する見通しである。
賃料
月額賃料
16,009 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
直近の賃料トラフ
(底) 3 四半期
以降の経過期間
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
注: 本レポートは、大阪市の都心2区(中央区、北区)に立地するAグレードオフィスマーケットについて纏めている
%
180
価格
10 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期
東京: リテール
140
•
•
•
130
需要
賃料と価格のインデックス
150
稀少な空室を背景に、近隣の空室が減少
賃料上昇と投資利回りの低下を反映して上昇する価格
2月の消費者態度指数は前月比1.6ポイントの改善となった。東京都の大型小売
店販売額は1月の前年比2.1%の増加から、2月は同5.0%の増加へと回復ペース
を増した。全体的に国内消費は回復を示唆しているものの、2月の数字は百貨店
に牽引され、
これには春節により増加した訪日外客による消費も含まれている。
120
110
100
90
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
インデックス: 2010年第4四半期 = 100
出所: JLL
第1四半期の新規出店には、
銀座にてオープンしたエルメネギルド ゼニア、
青山に
てオープンしたミュウ ミュウが挙げられる。
ハリー ウィンストン銀座本店はリニュー
アルに伴い、
やはり銀座中央通り沿いの仮店舗に移転した。
また、
フェイラーは、
第2四半期に銀座にて初の旗艦店をオープンする。
供給
大型小売店販売額増減率
(東京都)
第1四半期に空室は引き続き稀少となった。結果、小売業者の需要がプライムエ
リア周辺へと向かい、
周辺エリアでも一段と空室の減少が続いた。
第1四半期に新規供給は見られなかった。
また、
自用ビルではあるが、今後の開発
計画として、
ミキモトが本店ビルの建替えを発表した。
竣工予定は2017年春となっ
ている。
10
8
6
前年比(%)
東京: リテール
依然旺盛な小売業者の出店意欲
4
2
賃料・価格動向
0
第1四半期の賃料は月額坪当たり73,153円となり、前期比5.7%の上昇、前年
比9.6%の上昇となった。上昇は1階賃料にけん引され、銀座は月額坪当たり
250,000円、表参道は同210,000円へと、
ともに強い上昇率を示した。主に需給
のひっ迫を反映した。
–2
–4
–6
–8
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
大型小売店販売額(東京都)
出所: 経済産業省
第1四半期の価格は前期比12.8%の上昇、前年比25.9%の上昇へと大きく加速
した。
力強い賃料上昇と投資家の関心の高まりの中低下を続ける投資利回りを
反映した。
見通し(12ヶ月)
2015年の個人消費は前年比0.8%の増加と堅調に推移する見通しである。
ま
た、2020年までに2000万人の達成に向けて順調に増加している訪日外客数の
増加
(2014年に前年比29%増)
に伴い、旅行消費額
(同43%増)
も増加する見通
しである。
2015年は、本格的な上昇が記録された地価、需給のひっ迫等に下支えされて加
速する賃料上昇等を反映して、価格が上昇する見通しである。
また、
良好な投資
環境下、
投資利回りは一層の低下する見通しである。
賃料
月額賃料
73,153 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
直近の賃料トラフ
(底) 10 四半期
以降の経過期間
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
価格
注: 本レポートは、銀座と表参道のプライムリテールマーケットについて纏めている
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期 11
東京: ロジスティクス
• アブゾープションは3PLが牽引
• 空室率は引き続き低位で推移
• 賃料は東京ベイ・東京内陸ともに上昇
賃料と価格のインデックス
140
130
需要
120
第1四半期のネットアブゾープションは187千㎡となり、
前期並みの好調となった。
サブマーケット別にみると、東京ベイでは千葉にて、内陸部では神奈川にて賃借
面積が増加、
ともに当四半期に竣工した大型の新規供給による吸収を反映した。
110
100
90
第1四半期は、特に新築物件に対する旺盛な需要が続き、3PL、製造業、小売業
者等が賃借活動を行った。特筆すべきは3PL業者で、1社で1棟のマルチテナント
型物流施設を賃借する事例が複数みられた。
これには、富士ロジテックによる
「ラ
ンドポート厚木金田」
(延床面積39千㎡)
の賃借が含まれる。
供給
空室率は第1四半期に3.9%となり、
前期比0.6ポイントの上昇、
前年比0.2ポイント
の低下となった。
サブマーケット別にみると、
空室率は東京ベイで低下したものの、
内陸で上昇した。但し、上昇の主な要因は当四半期に竣工した新規供給となって
いる。
この要因を調整すると、
空室率は低下を続けた。
80
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
出所: JLL
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
需要と供給
1,200
第1四半期に価格は前期比6.5%の上昇、前年比17.5%の上昇となった。賃料の
上昇加速と投資利回りの一層の低下を反映して、価格は上昇率が加速した。
当
四半期の投資事例には大和ハウスリートが取得したポートフォリオが挙げられ
る。東京圏に所在する6物件の総額は387億6000万円、投資利回りは5.0-5.4%
の範囲でとなった。
800
600
400
200
0
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
供給
第1四半期の賃料は月額坪当たり4,133円となり、前期比3.5%の上昇、前年比
5.0%の上昇となった。賃料は東京ベイ・東京内陸ともに加速した。旺盛な需要を
背景に空室率が低下し
(既存物件)
オーナーが自信を深めている。
また、建築費
高騰も一因となった。
供給予定
出所: 東京都港湾局
見通し(12ヶ月)
Oxford Economicsによると、
鉱工業生産指数は2015年に前年比1.0%の上昇
となり、
個人消費と輸出入額もそれぞれ増加する見通しである。
こうした状況のもと、持続的な強い需要と低位な空室率による賃料上昇、投資利
回りの低下、
建築費の高騰を背景に、
価格は上昇が加速する見通しである。
賃料
月額賃料
4,133 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
直近の賃料トラフ
(底) 15 四半期
以降の経過期間
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
注: 本レポートは、主に東京圏に立地する新型物流施設について纏めている
制作協力: 株式会社 一五不動産情報サービス
価格
東京: ロジスティクス
賃料・価格動向
1,000
トン (百万)
第1四半期にストックは前期比6.4%の増加となった。新規供給をサブマーケット
別にみると、東京ベイでは
「グッドマン市川」
(延床面積75千㎡)、東京内陸では
「
ロジポート橋本」
(延床面積157千㎡)
が竣工した。
12 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期
東京:ホテル
•
•
•
5ツ星ホテル運営パフォーマンス
30,000
20,000
10,000
ADR
客室稼働率 (%)
2014年8月
2013年8月
2014年2月
2013年2月
2012年8月
2012年2月
2011年8月
2011年2月
2010年8月
2010年2月
2009年8月
0
2015年2月
ADR/RevPAR (日本円)
40,000
客室稼働率 (%)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
50,000
RevPAR
出典:STR グローバル
(注)年移動平均
訪日外客数の増加が強い国内宿泊需要を牽引
2015年第1四半期は4ツ星及び5ツ星ホテルの新規供給は無し
第1四半期における東京のホテル運営パフォーマンスは好調を維持
需要
訪日外客数は、2015年初来2月までの累計で前年同期比42.8%増の260万人と
なった。
なかでも、前年比で99.2%の増加となった中国からの訪日客による影響
が大きい。2014年9月に数次ビザの発行要件が緩和されたインドネシア、
フィリピ
ン、
ベトナムといったアジア諸国からの訪日客数も堅調に増加している。
アベノミクス効果により、2013年以降は国内客の宿泊需要もビジネスおよびレジ
ャーの双方において好調さを維持している。円安に伴う海外旅行費の上昇と格
安航空会社の国内路線網の拡大も国内における宿泊需要を潤している。
供給
2015年は5ツ星ホテルの開業は無いが、2016年に2軒の5ツ星ホテルの開業が
予定されている。星のや東京が客室数84室の高級旅館として丸の内エリアに、
ま
たザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町が客室数250室のホテルを旧グランドプ
リンス赤坂跡地にそれぞれ開業を予定している。
主要なホテル客室数 新規供給推移
500
4ツ星ホテルの開業としては、二子玉川エクセルホテル東急が客室数109室の小
規模ホテルとして2015年夏に開業を予定している。
2015年はその他の4ツ星ホテ
ルの開業は予定されていない。
客室数
400
300
運営パフォーマンス
200
100
0
10
11
12
13
供給済
14
15F
東京の5ツ星ホテルの運営パフォーマンスは、1日当り販売可能客室数当り宿泊
売上(RevPAR)が2015年初来2月までの累計で前年比11.9%の増加と昨年から
の成長が持続している。客室稼働率と平均客室単価(ADR)の双方が上昇したこ
とよる。
また、年移動平均でRevPARは2012年第2四半期以来、継続して成長軌
道にある。
将来の供給
ホテル売買取引については、2015年第1四半期は東京の4ツ星及び5ツ星ホテル
の取引は見られなかった。
同期間において、
ジャパン・ホテル・リート投資法人が、
宿泊主体型ホテル5ホテルで構成される赤坂見附(122室)、池袋(175室)、
お茶の
水(72室)、八王子(196室)、博多(175室)のザ・ビーホテルポートフォリオを200億
円で取得した。
出典: JLL
見通し(12ヶ月)
宿泊需要は国内客及び海外客の双方においては引き続き成長が見込まれる。
国内客は全国的な景況の改善、海外客は過去最高水準にある訪日外客数が
需要を後押しすると見られる。稼働率は既に高水準にあり、今後はADR上昇が
RevPAR上昇を牽引する形となる。
東京:ホテル
今後もRevPARの持続的な上昇が見込まれることから、
ホテル投資マーケットに
おいては、今後もキャップレートの低下が予測される。
見通し
(12ヶ月)
RevPAR
上昇
客室稼働率
ADR
注: 東京のホテルとは、東京所在の5ツ星ホテルマーケットを意味する。
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期 13
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14 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2015年第1四半期
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