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ジャパン プロパティ ダイジェスト(J​PPD)2014年第4四半期

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ジャパン プロパティ ダイジェスト(J​PPD)2014年第4四半期
好調が続いた
2014年の不動産投資市場
ジャパン プロパティ ダイジェスト
2014年第4四半期
日本版
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期 3
日本
マーケット サマリー
プロパティ クロック
不動産投資額
4
6
7
オフィス
東京
8
大阪
9
リテール
東京
10
ロジスティクス
東京
11
ホテル
東京
12
マーケット サマリー
4 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期
マーケット サマリー
•
東京: オフィス
大手町・丸の内と赤坂・六本木の空室率はほぼ満室稼働
•
大阪: オフィス
賃料は2四半期連続の上昇、梅田サブマーケットが牽引
•
東京: リテール
ラグジュアリーブランド等の需要を背景に、銀座中央通りの1階はほぼ満室稼働
•
東京: ロジスティクス
安定的な需要を背景に、ベイエリア賃料は上昇基調を維持
•
東京: ホテル 客室需要は引き続き堅調さを維持
不動産賃貸市場
東京 オフィス
東京 リテール
空室率
3.0%
賃料
賃料
33,399円
前期比
東京 ロジスティクス
69,195円
前期比
0.4%
賃料
0.1%
6,125円
前期比
賃料見通し
1.5%
12ヶ月見通し
賃料見通し
大阪 オフィス
東京 ホテル
空室率
8.1%
賃料
RevPAR見通し
15,674円
前期比
上昇
客室稼働率見通し
0.3%
ADR見通し
賃料見通し
東京オフィス: 大阪オフィス: 東京リテール:
東京ロジスティクス:
東京ホテル: 主要5区
(千代田・中央・港・新宿・渋谷)
に所在する、
延床面積30,000㎡以上、
基準階面積1,000㎡以上、
地上20階以上、
1990年以降に竣工のAグレー
ドオフィスビルマーケット
主要2区
(北・中央)
に所在する、延床面積15,000㎡以上、
基準階面積600㎡以上、
1982年以降竣工のAグレードオフィスビルマーケット
銀座中央通りと表参道のプライムリテールマーケット
東京ベイエリア6区
(大田・品川・港・中央・江東・江戸川)
に所在する延床面積10,000㎡以上の新型物流施設マーケット
東京所在の5つ星ホテルマーケット
出所:JLL, STR Global
不動産投資額
オフィス
セクター
2014年
10億円
2013年
10億円
前年比
百万円
リテール
オフィス
2,906
1,619
80%
リテール
879
1,206
‒27%
ロジスティクス
428
791
‒46%
ホテル
256
228
12%
その他
194
146
33%
4,662
3,990
17%
ロジスティクス
ホテル
その他
0
0.5
1
1.5
2
1兆円
2014年
出所:JLL
2013年
2.5
3
3.5
4
総額
ホテルは2014年より調査方法等を変更したため、
それ以前の調査の数値と不連続が生
じている。
前年比は2014年以前の調査方法結果と比較した数値(参考値)
である
経済
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期 5
•
実質GDP成長率
2014年は前年比0.1%増、2015年は同0.9%増となる見通し
•
消費者物価指数変動率
2014年は前年比2.8%上昇、2015年は同1.5%上昇となる見通し
主要経済指標
実質GDP成長率とCPI変動率
前年比 (%)
6
予測
5
4
3
2
1
0
–1
–2
–3
–4
–5
–6
2009年
2010年
2011年
2012年
実質GDP成長率 季節調整済
2013年
2014年 (予) 2015年 (予)
消費者物価指数
出所: 内閣府, Oxford Economics
完全失業率
2013年
前年比
12か月見通し
全国
3.6%
4.0%
‒0.4ポイント
→
南関東
3.5%
4.1%
‒0.6ポイント
‒
近畿
4.1%
4.4%
‒0.3ポイント
‒
金利
2014年
2013年
前年比
12か月見通し
新発国債利回り
(10年)
0.553
0.714
‒0.161
日銀短観
(業況判断DI)
2014年12月
2013年12月
変化幅
先行き
(3か月)
大企業製造業
12
16
‒4ポイント
9
大企業非製造業
16
20
‒4ポイント
15
出所: 総務省統計局, 日本銀行, Oxford Economics
→
2014年
グローバル プロパティ クロック
6 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期
プロパティ クロック
賃料サイクル
オフィス
2014年第4四半期
2013年第4四半期
Americas
Asia Pacific
EMEA
Toronto, Johannesburg
Shanghai, Mexico City
Berlin, Frankfurt
Moscow
Singapore, San Francisco, Houston
Dallas
Beijing
Hong Kong
London
Tokyo, Stockholm
New York
Boston, Los Angeles
Delhi, Mumbai
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Zurich
Tokyo
Warsaw
Chicago
Amsterdam, Madrid, Dubai, Milan
Sao Paulo
Brussels, Istanbul, Prague
Seoul, Washington DC
Paris CBD, Sydney, Osaka
Osaka
出所:JLL, January 2015
リテール
2014年第4四半期
Singapore, Hong Kong
Paris
Berlin
2013年第4四半期
Moscow
Americas
Asia Pacific
EMEA
Madrid
Dubai
Shanghai, Beijing
London
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Tokyo, Miami, San Francisco
Mumbai, Boston, Houston
Washington DC
New York, Los Angeles
Delhi
Tokyo
Milan, Sydney
Chicago
出所:JLL, January 2015
ロジスティクス
2014年第4四半期
2013年第4四半期
Americas
Asia Pacific
EMEA
Shanghai
Singapore
Frankfurt
Dallas
Los Angeles
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Philadelphia, Chicago
London, New York, Atlanta
Houston, San Francisco
Tokyo
Hong Kong
Tokyo
Boston
Madrid, Sydney
Warsaw
Amsterdam, Paris, Beijing
出所:JLL, January 2015
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期 7
不動産投資額
不動産投資額
世界の商業用不動産投資総額
2014年通年の世界の商業用不動産投資額は、前年同期比20%
増の7,100億ドルとなった。
リーマンショック前のピーク
(2007
年)
の取引額7,580億ドルの9割までの回復となった。2014年第
4四半期の投資額は、前年同期比9%増、前期比31%増の2,300
億ドルとなり、取引が活発だった2013年第4四半期に続き2,000
億ドルを突破した。2014年のアメリカ大陸およびEMEAの投資
活動は急速に活発化し、第4四半期の投資額はそれぞれ940億
ドル、930億ドルとなり、
どちらも前年同期比25%増となった。
ア
ジア太平洋地域における第4四半期の投資額は、
日本や韓国が
けん引し、四半期ごとの投資額としては同地域において最高額の
430億ドルとなった。
2015年通年の世界の商業用不動産投資額は、前年同期比
5-10%増の7,400-7,600億ドルで、6年連続で増加すると予測し
ている。
世界の商業用不動産投資総額
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期
アメリカ大陸
欧州・中東・アフリカ
アジア パシフィック
4四半期移動平均値
10億米ドル
出所:JLL
日本の商業用不動産投資総額
日本の商業用不動産投資総額
日本の2014年通年の投資額は、前年同期比6%増の435億ド
ル、
円建てでは17%増の4兆6,600億円となった。
日本の2014年
第4四半期の投資額は、前年同期比30%増の149億ドル、
円建て
では50%増の1兆7,200億円となった。
J-REIT市場においては、12月に積水ハウス・リート投資法人が
資産規模1,143億円で上場したほか、11月に日本初のヘルスケ
ア特化型上場リートである日本ヘルスケア投資法人が上場する
など、3つのREITが新規上場を果たした。
また、パシフィックセン
チュリープレイス丸の内やみずほ銀行旧本店ビルなどの大型取引
も見受けられ、投資額は前年同期比、前四半期比ともに大幅増
加となった。2014年通年では、2013年に市場をけん引した上場
REITによる取引額は減少したものの、私募REITやその他ファン
ドによる取引の拡大が寄与し、全体の投資額は増加した。
2,500
2,000
1.500
1,000
500
0
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年 2014年
第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期 第1四半期
投資総額
4四半期移動平均値
10億米ドル
出所:JLL
都市別不動産投資総額ランキング
都市別不動産投資総額ランキング
ロンドンの投資額は444億ドルとなり、
2位ニューヨーク
(359億ド
ル)、3位東京(303億ドル)
を大きく離し、3四半期連続で最も投
資活動が活発な都市1位となった。2014年に著しい成長を見せ
た都市は、
サンフランシスコ
(133%増)、
ボストン
(98%増)、東京
(65%増)
、
ワシントンDC
(51%増)
だった。
2014年
2013年
(10億ドル) (10億ドル)
2013年
2014年
都市
1
1
ロンドン
44.4
44.2
2
2
ニューヨーク
35.9
31.4
3
3
東京
30.3
18.4
4
4
パリ
22.1
16.6
5
5
ロサンゼルス
17.5
13.4
13
6
ボストン
14.1
7.1
6
7
シカゴ
13.5
12.9
9
8
ワシントンDC
13.1
8.7
21
9
サンフランシコ
12.5
5.4
10
10
シドニー
10.5
出所:JLL
8.6
10億米ドル
8 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期
東京: オフィス
•
•
•
賃料と価格のインデックス
130
大手町・丸の内と赤坂・六本木の空室率は1%台へと低下
賃料上昇は大手町・丸の内と渋谷サブマーケットが牽引
投資利回りは5四半期連続の低下となり、
価格上昇を下支え
120
需要
第4四半期末時点の空室率は3.0%と、前期比0.9ポイントの低下、前年比0.4ポ
イントの低下となった。
サブマーケット別にみると、
大手町・丸の内、
赤坂・六本木は
1%台へと低下した一方、
日本橋、
汐留、
渋谷の一部でわずかに上昇がみられた。
110
100
90
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
第4四半期に発表された移転計画には、2015年5月のメタルワンの
「JPタワー」
への移転、2015年9月の丹青社の
「品川シーズンテラス」
への移転が挙げられる。
空室率
供給
8
600
450
6
第4四半期に新規供給はみられなかった。2014年通年の新規供給は6棟で合計
270千㎡となり、
ストックは4.1%増加した。
300
4
賃料・価格動向
150
%
千m2
東京: オフィス
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
インデックス: 2010年第4四半期 = 100
出所: JLL
第4四半期のネット・アブゾープションは64千㎡となった。情報通信業、専門サー
ビス業、製造業等のテナントが拡張や集約の為に移転を行った。事例としては、
富士通マーケティングが
「品川インターシティC棟」へ集約移転、NECパーソナル
コンピュータとレノボ・ジャパンが「秋葉原UDX」へ拡張移転、
日本医療研究開
発機構が「読売ビル」へ移転している。2014年通年のネット・アブゾープションは
287千㎡となり、
前年並みとなった。
2
0
0
10
11
12
13
14
第4四半期末時点の賃料は月額坪当たり33,399円と、
前期比0.4%の上昇となり、
11
四半期連続の上昇となった。
サブマーケット別にみると、
大手町・丸の内、
渋谷は上昇
がみられた一方、
六本木と汐留の一部で緩やかな下落がみられた。
2014年通年の
賃料は前年比5.0%の上昇となり、
2013年の同2.4%の上昇から加速した。
15F
出所: JLL
2010年から2014年のネット・アブゾープション、
供給、
空室率は
年末時点の数値。
供給予定は2015年通年の数値である。
第4四半期に投資利回りは5四半期連続の低下、価格は11四半期連続の上昇と
なった。2014年通年の価格の上昇率は19.3%となり、2014年の同6.1%から大
幅に加速した。
日銀が大規模な金融緩和を続けていることによる長期金利の歴
史的低水準への低下等を反映した。
第4四半期は活発な取引がみられた。投資時事例にはアクティビア・プロパティー
ズによる
「汐留ビルディング」(持分15%)の取得(303億円、NOI利回り4.1%)、
ヒ
ューリックリートによる
「御茶ノ水ソラシティ」(持分13%)の取得(228億5400万
円、NOI利回り3.9%)、森トラスト総合リートによる
「紀尾井町ビル」
の取得(344
億円、
NOI利回り3.4%)が挙げられる。
見通し(12ヶ月)
賃料
月額賃料
33,399 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
直近の賃料トラフ
(底) 11 四半期
以降の経過期間
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
価格
Oxford Economicsによると、
2015年の労働市場は、
完全失業率が4%未満と、
タイトに推移するとみられ、
こうした状況のもと、経済成長率は2014年の前年比
0.1%増から2015年は同0.9%増へと加速する見通しである。賃貸市場では、経
済成長を背景に需要は安定的に推移するのに対して、新規供給は過去10年平
均並みにとどまる見通しであることから、空室率は現状の低位を維持し、緩やかな
賃料上昇を下支えする見通しである。
投資市場では、賃料上昇等を背景に価格は一層上昇する見通しであるものの、
過去12か月にかけて、投資利回りは急速に低下していることから、
これ以上の低
下余地は減少する見通しである。
注: 本レポートは、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)
に立地するAグレードオフィスマーケットに
ついて纏めている
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期 9
大阪: オフィス
• 「グランフロント大阪」の稼働率向上が空室率を押し下げ
• 賃料は2四半期連続上昇、梅田サブマーケットが牽引
• 2014年の価格は7年ぶりプラス成長
賃料と価格のインデックス
120
110
需要
製造業、専門サービス業、物品賃貸業等のテナントが集約等の為に移転を行い、
第4四半期のネット・アブゾープションは21千㎡となった。事例には、三菱電機が
「グランフロント大阪」
で集約、関電L&Aが「宇治電ビルディング」へ移転した事
例が挙げられる。
100
90
80
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
インデックス: 2010年第4四半期 = 100
出所: JLL
大阪: オフィス
第4四半期末時点の空室率は8.1%と、前期比0.6ポイントの低下、前年比2.2ポ
イントの低下となり、2四半期連続で大幅に低下した。
サブマーケット別にみると、
稼働率が70%に達した
「グランフロント大阪」
を擁する梅田は低下が顕著となっ
た一方、本町、大阪ビジネスパーク、
中之島等の一部オフィスビルでは緩やかなが
ら上昇がみられた。
供給
第4四半期は満室で稼働を開始した
「宇治電ビル」(貸床面積: 13千㎡)が竣工
し、
ストックは前年比0.8%増加した。新規供給は2013年に竣工した
「グランフロ
ント大阪」
以来となった。
空室率
14
200
12
160
賃料・価格動向
80
6
千m2
8
%
第4四半期末時点の賃料は月額坪当たり15,674円となった。前期比0.3%の上
昇となり、2四半期連続で上昇した。上昇をけん引した梅田サブマーケットでは空
室の減少が続いていることから、
オーナーが自信を回復している。2014年通年の
賃料は前年比0.6%の上昇となり、
3年ぶりのプラスとなった。
10
120
4
40
2
第4四半期に投資利回りは5四半期連続の低下となり、
やはり5四半期連続の上
昇となった価格を下支えした。
日銀の金融緩和により歴史的低水準へと低下した
長期金利等を背景に、2014年通年の価格は前期比11.4%の上昇となり、7年ぶ
りのプラスとなった。
0
0
10
11
12
13
14
15F
出所: JLL
第4四半期の投資事例には、
オリックス不動産投資法人による
「堂島プラザビル」
の取得(95億円、NOI利回り5.1%)、
アクティビア・プロパティーズによる
「大阪中
之島ビルディング」(準共有持分50%)の取得(58億5000万円、NOI利回り5.5%)
が挙げられる。
2010年から2014年のネット・アブゾープション、供給、
空室率は
年末時点の数値。
供給予定は2015年通年の数値である。
見通し(12ヶ月)
Oxford Economicsによると、
大阪の経済成長率は2015年にプラス成長が見込
まれている。
しかしながら、12月の近畿短観によると、大企業製造業の先行き業
況判断は楽観的な見方が弱まっている。
賃料
賃貸市場では、経済の安定化にともない需要は堅調となる一方、新規供給は過
去10年平均比80%と控えめな水準にとどまる見通しであることから、空室率には
下方圧力が加えられ、
賃料は上昇率が加速する見通しである。
月額賃料
15,674 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
投資市場では、投資利回りは一層低下する見通しであることから、
これと加速す
る賃料上昇とがあいまって、
価格は上昇する見通しである。
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
直近の賃料トラフ
(底) 2 四半期
以降の経過期間
見通し
(12ヶ月)
賃料
注: 本レポートは、大阪市の都心2区(中央区、北区)に立地するAグレードオフィスマーケットについて纏めている
価格
10 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期
東京: リテール
賃料と価格のインデックス
140
•
•
•
銀座中央通り沿いにヴァシュロン・コンスタンタンが出店
賃料は底堅い需要と限定的な供給を背景に上昇基調を維持
投資利回りは3四半期連続の低下
130
需要
120
110
100
90
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
大型小売店販売額増減率
(東京都)
消費税増税の影響からの回復ペースは緩やかとなっているものの、第4四半期の
需要は引き続き底堅く推移し、高級ブランド、
ファッションブランド、飲食店等が賃
借活動を行った。
当四半期のニューオープンには、銀座中央通り沿いに出店した
ヴァシュロン・コンスタンタンが挙げられる。
また、
トッカ、
ハートマン、
サムソナイト ブ
ラックレーベルは当四半期にオープンした大型商業施設
「キラリト ギンザ」
の1階に
出店した。
当四半期に発表された出店計画には、
2015年竣工予定である
「
(仮称)
銀座6丁目瀧山町ビル跡地計画」
へ出店するヴェルサーチとブルネッロ クチネッ
リが挙げられる。
10
供給
8
6
第4四半期は銀座中央通りに
「キラリト ギンザ」
(延床面積17千㎡)
が開業した。
上述の店舗のほか、飲食店である鼎泰豐(ディンタイフォン)
やブライダル関連店
舗等が出店した。
4
前年比(%)
東京: リテール
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
インデックス: 2010年第4四半期 = 100
出所: JLL
高級品を含む個人消費には回復の兆しがみえる。
東京都の大型小売店の販売額
は前年比2.3%の増加と、
4カ月連続で増加、
さらに東京地区百貨店の美術・宝飾
品売上は前年比3.3%の増加と、
消費税増税以来8か月ぶりに前年の実績を上回
った。
さらに、
訪日客向け免税対象の拡大や円安等を背景に訪日外客数は引き続
き増加しており、
第3四半期の旅行消費額は前期比13%の増加となった。
2
0
–2
当四半期に発表された開発計画には
「(仮称)銀座6丁目瀧山町ビル跡地計画」
が挙げられる。4階建て、店舗面積1千㎡の規模で2015年秋に竣工予定である。
テナントには、上述の通り、
ヴェルサーチとブルネッロ・クチネッリが決定している。
–4
–6
–8
–10
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
第2四半期 第2四半期 第2四半期 第2四半期 第2四半期 第2四半期
大型小売店販売額(東京都)
賃料・価格動向
第4四半期末時点の賃料は月額坪当たり69,195円となり、9四半期連続の上昇
基調を維持した。2014年通年の賃料は前年比4.3%の上昇となり、2013年の
4.8%の上昇とほぼ同じ水準となった。
出所: 経済産業省
長期金利が歴史的水準まで低下する中で良好な資金調達環境が続いており、
投
資家の物件取得意欲は依然旺盛である。
こうした状況のもと、第4四半期に価格
は前期比2.3%の上昇、前年比12.3%の上昇となった。一方、投資利回りは3四
半期連続の低下となり、
2008年の水準へと低下した。
見通し(12ヶ月)
賃料
月額賃料
69,195 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
直近の賃料トラフ
(底) 9 四半期
以降の経過期間
Oxford Economicsの経済見通しによると、
2015年の個人消費は伸び率が加速す
る見通しである。
また、
訪日外客数は引き続き増加する見通しである。
こうした状況の
下、
2015年に予定されている新規供給
「(仮称)銀座5丁目プロジェクト」
「(仮称)銀座
6丁目瀧山町ビル跡地計画」
「(仮称)神宮前6丁目プロジェクト」
の成約状況にみら
れるように、
小売業者の需要は旺盛である。
こうした需要は継続する見通しであるこ
とから、
空室は引き続き限定的となり、
賃料の緩やかな上昇を支える見通しである。
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
価格
投資市場では、金融機関の貸出態度にみられるとおり資金調達環境が改善して
いることから、投資家の取得意欲は継続する見通しであり、投資利回りは低下す
る可能性がある。
注: 本レポートは、銀座と表参道のプライムリテールマーケットについて纏めている
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期 11
東京: ロジスティクス
• 東京圏の新規供給の竣工時成約率は高い
• 安定的な需要を背景にベイエリアの賃料は上昇基調を維持
• ユナイテッドアーバンがMT有明センターをNOI利回り5.2%で取得
需要
11月の鉱工業生産は前月比0.5%の減少となり、前月の0.4%の上昇から一転し
て2か月ぶりの減少となった。輸出の数量指数は前年比1.7%の減少と、3カ月ぶ
りの減少となり、
自動車等の現地生産が増加している状況を反映した。
主要指標はまちまちであるものの、第4四半期の需要は引き続き旺盛となり、3PL
業、製造業、卸売業・小売業等が牽引した。
こうしたテナントが賃借活動を行っ
た結果、特に東京圏全体でみられた大量の新規供給が概ね高い成約率で稼働
を開始した。
こうした移転事例には、王子運送が「(仮称)横浜市緑区物流センタ
ー」
を賃借(43千㎡)、
日立物流が
「八千代物流センター」
を賃借(43千㎡)、国分
が
「Dプロジェクト板橋新河岸」
を賃借
(34千㎡)
した事例が挙げられる。
第4四半期に明らかになった今後の移転計画をみると、やはり新規供給の引
き合いが強くなっている状況がうかがえる。東武運輸は2015年1月竣工予定の
「Landport厚木金田」
を賃借、SBSロジコムは2016年3月竣工予定の
「グッドマ
ンビジネスパーク千葉イースト」
を賃借する予定となっている。
賃料のインデックス
110
105
100
95
90
2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期 第4四半期
出所: JLL
矢印は見通し
(12ヶ月)
を示す
海上出入貨物 - 東京港
1.4
供給
1.1
1.0
0.9
0.8
2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
第3四半期 第3四半期 第3四半期 第3四半期 第3四半期 第3四半期
出入貨物
賃料・価格動向
出所: 東京都港湾局
第4四半期末時点の東京ベイエリアの賃料は月額坪当たり6,125円と、前期比
1.5%の上昇となった。堅調な需要と適正な供給等を反映して14四半期連続で
上昇基調を維持した。2014年通年の賃料上昇率は前年比3.6%となり、前年の
同1.4%の上昇から加速して3年連続の上昇となった。
第4四半期の東京ベイエリアの投資事例には、
ユナイテッド・アーバンによる
「MT
有明センターI」
「MT有明センターII」
の取得
(80億円; NOI利回り5.2%)
が挙げ
られる。
当該J-REITは同時に
「ロジスティクス東扇島」
を取得(83億円; NOI利回
り5.3%)
した。
このほかヒューリックリートが「IIF千葉ネットワークセンター」
を取
得
(70億6000万円; NOI利回り5.2%)
した事例が挙げられる。
見通し(12ヶ月)
Oxford Economicsによると、
2015年の鉱工業生産は同1.9%増と概ね安定的
にし、
個人消費は前年比0.9%の増加、
輸出は同7.5%の増加へと加速する見通し
である。
こうした経済状況は堅調な需要を下支えする見通しであるものの、多くの
供給が見込まれる内陸部における賃料の緩みが東京ベイエリアの賃料上昇率に
影響を与える可能性がある。
賃料
月額賃料
6,125 円/坪
クロック フェーズ*
賃料上昇の加速
直近の賃料トラフ
(底) 14 四半期
以降の経過期間
*6ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
注: 本レポートは、主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)に立地する新型物流施設について纏めている
制作協力: 株式会社 一五不動産情報サービス
価格
NA
東京: ロジスティクス
第4四半期に発表された今後の開発計画には、2016年竣工予定の「(仮称)
Landport柏沼南Ⅰ」
(延床面積50千㎡)
と
「習志野市茜浜Ⅲ物流施設」
(延床面
積38千㎡)
「レッドウッド千葉北」
、
(延床面積31千㎡)
が挙げられる。
1.2
トン (百万)
第4四半期に東京ベイエリアで新規供給はみられなかった。
東京圏全体をみると、
「グッドマン水江」
( 延床面積69千㎡)が満室で稼働を開始したほか、
「 八千代
物流センター」
(延床面積58千㎡)、
「(仮称)横浜市緑区物流センター」
(延床面
積43千㎡)
が竣工した。
1.3
12 ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期
東京:ホテル
•
•
•
5ツ星ホテル運営パフォーマンス
30,000
20,000
10,000
ADR
客室稼働率 (%)
2014年5月
2013年5月
2013年11月
2012年5月
2012年11月
2011年5月
2011年11月
2010年5月
2010年11月
2009年5月
2009年11月
0
2014年11月
ADR/RevPAR (日本円)
40,000
客室稼働率 (%)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
50,000
RevPAR
5ツ星ホテルのアマン東京が開業
短期的にはADR上昇がRevPARの伸びを牽引
需要
訪日外客数は2014年初来11月までの累計で前年同月比28.2%増の12.2百
万人となった。
これは中国と台湾からの訪日客が前年比でそれぞれ82.2%と
27.0%の大幅な増加となったことに起因する。
タイとマレーシアからの訪日客もま
た、2013年7月以降の観光ビザの規制緩和により、前年比でそれぞれ46.2%と
42.0%の大幅な増加となった。2014年9月30日よりインドネシア、
フィリピン、
ベト
ナムへの数次ビザの緩和が行われたことにより、
これらの国々からの訪日客数も
今後増加することが期待される。
国内の宿泊需要は、2013年にアベノミクスが打ち出されて以来、
ビジネスならび
にレジャーの双方について継続的な成長が見られている。
また、
円安や格安航空
会社の躍進も国内需要を後押ししている。
出典:STR グローバル
(注)年移動平均
供給
主要なホテル客室数 新規供給推移
客室数84室を備えるアマン東京が都内最高級ホテルとして2014年12月22日に
部分開業した。
アマン東京は、2014年春に全面開業を予定している。今四半期に
おいてその他の4ツ星また5ツ星ホテルの新規開業はなかった。
また、宿泊主体型
ホテルでは、2014年12月に329室を備えるミレニアム三井ガーデン銀座東京が、
国内初のミレニアムブランドのホテルとして、
三井ガーデンホテルズとの共同ブラン
ドで開業した。2015年は、新規の4ツ星または5ツ星ホテルの開業は予定されて
いない。
500
400
客室数
平均客室稼働率は過去7年間で最高の80%を上回る水準
300
200
運営パフォーマンス
100
0
10
11
12
13
供給済
14
15F
将来の供給
出典: JLL
東京における5ツ星ホテルの運営パフォーマンスを見てみると、1日当り販売可能
客室数当り宿泊売上(RevPAR)が年初来11月までの累計で前年同期比14.0%
の増加となっている。
これは客室稼働率と平均客室単価(ADR)がそれぞれ4.0%
ポイントと9.5%伸びたことによる。年移動平均では、RevPARは2012年第2四半
期以降、継続して成長軌道を描いており、RevPARが過去最高の水準にあった
2007年を超えるペースで推移している。
東京では第4四半期において4ツ星または5ツ星ホテルの売買取引は見られなか
ったものの、
アスコットレジデンス・トラストが客室数206室のベストウェスタン新
宿アスティナホテル東京を80億円
(1室当り3,880万円)
で取得している。
見通し(12ヶ月)
東京:ホテル
国内外の宿泊需要は引き続き増加が見込まれる。
当該増加基調は、近年におけ
る安倍内閣の経済政策や過去最高水準の訪日客が主たる要因と考えられる。
客室稼働率は既に過去7年で最高水準まで回復していることから、短期的には
ADR上昇がRevPARの伸びを牽引する形となっている。
見通し
(12ヶ月)
RevPAR
上昇
客室稼働率
ADR
2020年東京オリンピック開催が決定したことで、今後数年に亘って東京における
客室需要と供給の伸びが見込まれる。
新たなホテル開発が計画され、
既存のホテ
ルはADRの上昇により恩恵を受けるだろう。
注: 東京のホテルとは、東京所在の5ツ星ホテルマーケットを意味する。
ジャパン プロパティ ダイジェスト・2014年第4四半期 13
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5-7
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Mexico City
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Minneapolis
Monterrey
Montreal
New Orleans
欧州
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Orange County
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