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似顔絵ケーキ・オーダーケーキの販路拡大支援(PDF形式)
平成23年度 中小企業 支援ネットワーク強化 サポート事業 第４四半期 支援事例 ⑤ 中小企業支援ネットワーク強化事業における支援事例を紹介します。 似顔絵ケーキ・オーダーケーキの販路拡大支援 支援の ポイント ①顧客の声に耳を傾け、強みに特化した差別化を実現。業態改革・販路拡大策 を支援 ②専門家派遣による広報、パブリッシティ強化支援を実施、情報発信力の高ま りとともに業績回復 ③商談会、展示会を通じビジネスマッチングを支援。 支援企業は平成15年福岡市に洋菓子店を開業。代表者は兵庫県や福岡県内の洋菓子店で12年間修業を積み、 ケーキ作りの高い技術を有している。しかしながら、従来のショートケーキや誕生日ケーキ等の店頭販売では、 福岡市内の他店との競合が厳しく、売り上げが減少していた。支援企業の代表者は支援機関である財団法人福 岡県産業・科学技術振興財団を訪れ、販路拡大策につき支援を求めた。支援機関の萩原指導員は松窪ネット ワークアドバイザーと協議の上、支援企業代表者のパティシエとしての高い技術を評価し他のケーキ店との差 別化を推進し、情報発信を工夫すれば新しい顧客を獲得して経営改善の余地は大きいと判断、支援を開始した。 松窪NWアドバイザーと萩原指導員は支援企業代表者の高い技術により生産される似顔絵ケーキと３Ｄケー キは顧客の高い支持を得ている点に着目し、支援企業の代表者の考えも取り入れ、販売向上策として次のよう なマーケティング手法の導入を進言した。 ①販売の主力を従来のショートケーキ類の店頭販売からオーダーケーキの配達販売へ転換することにより平均 売価を上げ、売上、利益の大幅な向上を図る。 ②支援企業のホームページを通じてインターネットによる受注体制を強化し、近隣は生ケーキを配達、遠方は 冷凍ケーキとして宅配する。 ③情報の発信方法を工夫して、認知度を上げる方策を実施する。 商品の販売方法を店頭販売主体から、受注生産・配達販売主体へ転換 するに当たっては支援企業代表者とも議論を重ね、詳細な事業計画の 作成や、ホームページの改善、配達方法の工夫などの支援を行い、販売 ・収益の向上を実現する方策を検討した。また商品の認知度を向上する ため、専門家派遣による支援を実施し、プレスリリースを作成。テレビ、 ラジオ、新聞、雑誌、フリーペーパー等へ事業の広報、啓蒙、普及戦略 を促進した。その結果、地元テレビ局による取材、放映(2社）が実現。 また2011年の大相撲九州場所開催時には地元テレビ局から、大関 琴奨菊関の似顔絵ケーキを受注し、話題となるなど、大きな反響を得る ことができた。 3Dケーキ(左）と似顔絵ケーキ 支援ネットワーク強化サポート事業 「第4四半期 支援事例⑤」 発行：中小機構 支援体制サポート室 ※無断転載・複製を禁ず 1 松窪NWアドバイザーはさらに商品の認知度を上げる為、プレスリリースの配布や、商談会・展示会への参 加を積極的に進めビジネスマッチングを推進、またセミナーで発表する事業計画の作成支援や、プレゼンテー ションの実施方法等の支援も行い、全体のマーケティング戦略を統括した。具体的には以下を実施。 ①福岡市で開催された商談会セミナーに参加し（2011年9月フクオカベンチャーマーケット、参加企業約40 社）、支援企業の代表者が自らビジネスプランのプレゼンテーションを実施。高い評価を得た。その後テレビ 取材が実現して大きな反響があり、売上増に貢献。2011年12月には開業以来最高の単月売上を達成した。 ② 2012年2月アジアビッグマーケット（福岡市、出展企業212社）に出展し、似顔絵・３Ｄケーキの展示、 試食、商談を行い活況を呈した。 また支援企業の代表者は事業拡大のために、店舗を福岡市の中心にある住宅街へ移転する計画を進めていた が、松窪NWアドバイザーは今後ネット販売、宅配ケーキに特化する業態への変革を実現するためには、飲食 店経営者等からのプレゼント・慶賀需要が見込める市中心地でも商業地区へ隣接する地域への移転を助言して おり、現状で努力しながら、有能なケーキ職人を新たに雇用し受注の拡大による売上増加に伴い店舗移転を検 討することとなった。 さまざまな販売促進策を実施した結果、大手デパートから 催事への参加要請を受けるなど、数多くの引合を得ることが できたがケーキ職人は代表者のみであり、現状のオーダーケ ーキへの対応だけで手が一杯という状況にある。今後の売上 拡大と利益率の向上のために、支援企業と協議の上、以下を 計画している。 ・ケーキ作成を担当できる有能なケーキ職人の獲得 ・新店舗への移転 ・法人化を実施し、スタッフを増強する ・オーダーケーキ作成作業の効率化 ・ホームページの改善、ネット受注改善のためIT専門家の派遣検討 現在の店舗 松窪NWアドバイザーは萩原指導員に対して窓口相談、支 援課題解決のための経営者面談、専門家の選定・派遣調整等 の一連の支援活動の際に同席・同行してもらい、情報共有を 十分図りながら指導を実施した。具体的には、萩原指導員は 支援企業代表者との面談ヒアリングを綿密に行い、事業内容 を把握、ビジネスプラン発表の為の事業計画作成を支援した。 松窪NWアドバイザーは事業計画のブラッシュアップを支 援し、萩原指導員と一緒にビジネスプラン発表用の資料作成、 発表の練習会実施、改善点の指導を行った。また展示会への 出展に際しては、展示用パネルや配布資料の作成、展示ブー スに於ける顧客対応も松窪NWアドバイザーと萩原指導員と で支援した。 左から萩原指導員、支援企業代表者、松窪NWアドバイ ザー 支援ネットワーク強化サポート事業 「第4四半期 支援事例⑤」 発行：中小機構 支援体制サポート室 ※無断転載・複製を禁ず 2