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【被災企業が頑張れるビジネスモデル】の立ち上げ(PDF形式)

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【被災企業が頑張れるビジネスモデル】の立ち上げ(PDF形式)
平成23年度
中小企業
支援ネットワーク強化
サポート事業
第1四半期
支援事例
①
中小企業支援ネットワーク強化事業における支援事例を紹介します。
信用金庫ネットワークを活用した
【被災企業が頑張れるビジネスモデル】の立ち上げ
支援の
ポイント
①被災企業の課題診断から企画提案までのハイスピードな行動
②信用金庫ネットワークを活用した企業の誘致、企業連携の構築
③専門家や他の支援機関と連携した復興支援活動の拡大展開
4月5日。ネットワーク構成機関である青い森信用金庫は、震災後の企業支援に際して、ネットワークアド
バイザーの横内氏に八戸地区被災企業の実態把握と対策案の作成を要請した。以前から取り組んでいた青森県
信用金庫協会主催経営力向上研修会の参加企業に対し、支援機関として可能な限りの復興支援をしたいという
想いからだった。
横内NWアドバイザーは、八戸市内28社を訪問し、被災による経営面の影響や課題を診断した。その結果
八戸の実態は、小売業は取引メーカーの被災、地域の物流停止等により、商品仕入れが滞り、一方で販売先を
失い資金繰りに困窮する製造業も多く、新たな流通構築、企業連携が不可欠であった。また、企業からは、
「企業活動を正常に戻すためには、早急に売上の確保、在庫の現金化が必要だ。頑張れるきっかけを作ってほ
しい。」との切実な要望を受け、緊急対策の必要性を痛感した。
4月12日。横内NWアドバイザーは、小売業と食品製造業を結び付ける緊急対策として「こぎだそう八
戸! キラリとひかる青森県産品応援フェア」を企画し、青い森信用金庫及び青森県信用金庫協会に提案した。
横内NWアドバイザーは、以前より信用金庫協会の研修参加企業である酒類量販店を中心に広域連携を組み、
相乗効果による売上増大策を模索していた。震災により販路を失った製造業に対する支援策とし、量販店の協
力を得て特設売場を提供するという当企画は、必ずや参加企業の理解と共感を得るものと考えた。企画は、青
森県信用金庫協会会長の即断の下、5月17日開催(~6月30日)が承認された。
4月27日。青森県下の2つの信用金庫の呼び掛けにより、県内全域から出店企業が集まり、事業説明会が
開催された。進行役は横内NWアドバイザーが担い、食品製造・卸売業者、日用品製造、陶器製作など、多様
な企業が一堂に会し熱気あふれる決意表明の場となった。
開催までの期間、横内NWアドバイザーは、プロモーションの専門家に支援参加を要請し、店舗レイアウト
や商品ディスプレイを直接指導し、チラシのデザインやPOP制作等を支援した。集客のためのイベントにも
工夫を凝らし、ポニーの手配(乗馬倶楽部との連携)や企業連携による屋台イベントなどが企画された。また、
参加企業に対しては売場の棚割、売れる価格帯や売り方を指導し、企業によっては値入率までアドバイスを
行った。一方で、顧客との対面販売を重要視し、顧客にとって日頃見慣れない商品もあるので、きちんと説明
して購入してもらうことなどが確認された。
支援ネットワーク強化サポート事業 「第1四半期 支援事例①」
発行:中小機構 支援体制サポート室 ※無断転載・複製を禁ず
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一連の取り組みは信用金庫のプレス発表により、TV、
新聞など報道各社から多くの取材を受け、八戸地域の消費
者へのPR活動につながった。NHKからは、出店説明会
からオープニングまでの追跡取材が提案された。
5月17日。本フェアへの参加は34社300アイテム
となり、青い森信用金庫理事長の挨拶に始まり「こぎだそ
う八戸!」が開催された。民放全局がその模様をTV放映
した効果もあり、買い物客数は前年同月の1.5倍に上っ
た。
開催期間中は、信用金庫の支店長や担当職員、NWアド
バイザー、専門家が定期的に、売り場を訪問して企業の対
面販売をフォローアップした。「こぎだそう八戸!」は6
月30日までの期間限定イベントであったが、好評により
開催場所を4店舗に拡大し9月現在も開催されている。
「
頑張れるきっかけづくりとして取り組んだ「こぎだそう八戸!」であったが、その後も、スピード感を増して拡
大展開を進めている。1社1社への支援と共に、以下の取り組みが継続している。
●地元温泉旅館と連携して施設内でのサテライト開催を実施
●ミニイベント(八戸ショップ)を弘前市でも開催し、参加企業の県内販路を拡大
●イベント実施企業が首都圏企業にフェア参加商品を出荷し、首都圏販売がスタート
●専門家を活用して、参加企業34社の戦略企画書を作成し、イオングループ、丸井、大丸、産直の会等へ の売
り込み実現
●中小機構主催復興対策イベント:結の力への出品
など
横内NWアドバイザー、派遣専門家、青い森信用金庫が、頻繁にアイデアをぶつけ合い、人脈を最大活用して取
り組んだ成果と言える。
ネットワーク強化事業に至る以前から、青い森信用金
庫では職員の企業支援力強化を課題に掲げ、横内NWア
ドバイザーの協力を得て、経営力向上研修への参加や経
営相談に対応していた。
青い森信用金庫の実施体制は、本部に担当職員を配置
し、横内NWアドバイザーと活動調整や企業・テーマの
選定等を行い、実際の同行支援は支店職員が中心となり
対応した。現状把握~対策案の立案~実施・フォローに
至る一連の活動には、職員が帯同し、金融機関としての
助言を行うとともに、横内NWアドバイザーのノウハウ
を習得できるよう努めた。企業経営者を感激させる会話
術は、生きた教材として一部の職員からは「横内マジッ
ク」と呼ばれている。
当事例の成功要因は、多くの企業が一体感をもって連
携したこと、それを導きそして発展させた支援プロジェ
クトチームの団結、迅速に現場を動かした信用金庫経営
陣の決断等が上げられる。信用金庫職員にとって多くの
学習機会があり、現在もOJT進行中と言える。
支援ネットワーク強化サポート事業 「第1四半期 支援事例①」
発行:中小機構 支援体制サポート室 ※無断転載・複製を禁ず
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