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7. 省エネルギー(産業)/産業施設のエネルギー効率化

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7. 省エネルギー(産業)/産業施設のエネルギー効率化
気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT)Version 2.0 2014 年 3 月
独立行政法人国際協力機構
(一般財団法人日本気象協会作成)
7. 省エネルギー(産業)/産業施設のエネルギー効率化
1. 典型的な案件の概要
・ 産業施設におけるモーターの高効率化等によりエネルギー効率化を実現する事業。
2. 適用条件
① 新設の場合、当該事業の実施により、従来の設備よりも高効率な設備を用いる新規の産業施設の建設であること。
② 既設の場合、原則として従来と同じエネルギーを使用する産業施設の設備更新あるいは改修・改良であること。
3. 推計方法
産業施設のエネルギー効率化によるGHG排出削減量は、効率改善前のGHG排出量(ベースライン排出量)と、効率改
善後のGHG排出量(プロジェクト排出量)の差分により求める。
ER y  BE y  PE y
ERy
: y 年の事業実施による GHG 排出削減量 (t-CO2e/y)
BEy
: y 年のベースラインシナリオにおける GHG 排出量 (t-CO2e/y)
PEy
: y 年のプロジェクトシナリオにおける GHG 排出量 (t-CO2e/y)
(1) ベースライン排出量の算定
設備が改修・改良、更新されない場合の電力使用量および燃料使用量を把握し、それぞれの CO2 排出係数を乗じてベ
ースライン排出量を算定する。新設の場合の電力使用量および燃料使用量は類似施設の実績等に基づいて設定する。な
お、ベースライン排出量は、事業実施によって生産規模が増加した場合にも対応可能なように、事業実施前後の生産規
模によって補正を行う。
BE y  ( BEelec  BE fuel ) 
PPJ
PBL

 P
 ( EC BL  EFelec )   FC BL ,i  NCVi  EF fuel,i   PJ
i

 PBL
BEelec
: 電力使用に伴うベースライン GHG 排出量 (t-CO2e/y)
BEfuel
: 燃料使用に伴うベースライン GHG 排出量 (t-CO2ee/y)
PBL
: 事業実施前の生産規模 (出力等)
PPJ
: 事業実施後の生産規模 (出力等)
ECBL
: 事業実施前の当該施設の電力使用量 (MWh/y)
EFelec
: 電力の CO2 排出係数 (t-CO2/MWh)
FCBL,i
: 事業実施前の当該施設における燃料 i の使用量 (t/y)
NCVi
: 燃料 i の正味発熱量 (TJ/t)
EFfuel,i
: 燃料 i の CO2 排出係数 (t-CO2/TJ)
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気候変動対策支援ツール(JICA Climate-FIT)Version 2.0 2014 年 3 月
独立行政法人国際協力機構
(一般財団法人日本気象協会作成)
7. 省エネルギー(産業)/産業施設のエネルギー効率化
(2) プロジェクト排出量の算定
プロジェクト排出量は、事業実施後の施設における電気使用量および燃料使用量と、それぞれの排出係数を乗じて算
定する。
PE y  PEelec , y  PE fuel, y
 ( EC PJ , y  EFelec )   FCPJ ,i , y  NCVi  EF fuel,i 
i
PEelec,y
: 電力使用に伴う y 年におけるプロジェクト GHG 排出量 (t-CO2e/y)
PEfuel,y
: 燃料使用に伴う y 年におけるプロジェクト GHG 排出量 (t-CO2e/y)
ECPJ,y
: 事業実施後の y 年における当該施設の電力使用量 (MWh/y)
EFelec
: 電力の CO2 排出係数 (t-CO2/MWh)
FCPJ,i,y
: 事業実施後の y 年における当該施設の燃料 i の燃料使用量 (t/y)
NCVi
: 燃料 i の正味発熱量 (TJ/t)
EFfuel,i
: 燃料 i の CO2 排出係数 (t-CO2/TJ)
4. 推計及びモニタリングに必要なデータ
データ
の種類
ECBL
FCBL,i
PBL
PPJ
ECPJ,y
データの内容
事業実施前の当該施設
の電力使用量
(MWh/y)
事業実施前の当該施設
における燃料 i の使用
量 (t/y)
事業実施前の生産規模
(出力等)
事業実施後の生産規模
(出力等)
事業実施後の y 年にお
ける当該施設の年間電
力使用量 (MWh/y)
データの入手方法
ベースライン排出量
プロジェクト排出量
事業実施前
事業実施後
事業実施前
事業実施後
新設:類似施設の実績に基づく推計値
既設:実測値(事前固定値)
不要
実測値または設計値(事前固定値)
計画値
実測値または設計
値
計画値
不要
FCPJ,i,y
EFelec
NCVi
EFfuel,i
事業実施後の y 年にお
ける当該施設の燃料 i
の年間使用量 (t/y)
電力の CO2 排出係数
(t-CO2/MWh)
燃料 i の正味発熱量
(TJ/t)
燃料 i の CO2 排出係数
(t-CO2/TJ)
計画値
以下の順でデータの入手可能性を検討し用いる。
i) 電力会社インタビューによる固有値
ii) 当該国の公表値
iii) デフォルト値(別表 4 参照)
以下の順でデータの入手可能性を検討し用いる。
i) 当該国の公表値
ii) デフォルト値(別表 1、2 参照)
2
実測値
(電力メーターま
たは電力会社の請
求書等)
実測値
(燃料販売会社の
請求書等)
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(一般財団法人日本気象協会作成)
7. 省エネルギー(産業)/産業施設のエネルギー効率化
5. その他
(1) プロジェクトバウンダリー
GHG 推計の範囲は、プロジェクトサイト内の当該施設とする。
(2) リーケージ
産業施設のエネルギー効率化におけるリーケージの可能性として、新設および設備更新に係る資材製造や輸送・廃棄
等に伴う CO2 排出が考えられる。しかし、これらの CO2 排出は一時的なものであり、事業規模に比して微小と判断され
ることが多いため考慮していない。
(3) 解説
本方法論では、主として CDM 方法論の AMS II.C.(Demand-side energy efficiency activities for specific technologies)、AMS
II.D.(Energy efficiency and fuel switching measures for industrial facilities)、および J-MRV002(省エネ事業用方法論)を参
考とした。
AMS II.D.では、既存の設備等が交換・改修・修繕されるであろう時期を考慮してベースライン排出量を設定している。
既存の設備等が更新されると想定される時期以降には、ベースライン排出量をプロジェクト排出量と同等とみなし、排
出削減は起こらないとしているが、本方法論ではこれらの条件を考慮していない。また、CDM 方法論では、その適用条
件をエネルギー効率化によるエネルギー削減量が年間 60GWh 以下であることとしているが、本方法論では容量規模の条
件は設けていない。
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