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Ⅵ 環境問題 中国のエネルギー源は、石炭を中心とする化石燃料ですが、化石燃料燃焼による環境問題は、中国 国内でも大きな問題となっています。都市部では、エネルギー利用に伴う大気汚染が大幅に進行し ていますが、産業活動の活発化によって、農村部でも大気汚染が進行しています。 世界で大気汚染が最も深刻な 10都市のうち、中国の都市が 7 カ所を占めるほか(世界保健機関 1998年度発表) 、酸性雨の被害を受けた面積は国土全体の30%に相当します。 中国政府は公害抑制に向け取り組んでおりますが、その方針は、2005年までに、二酸化硫黄など の主要汚染物質の濃度を2000年水準の10%減に抑えることであり、地球温暖化の主要因となっ ている二酸化炭素(CO2)の削減は含まれていません。 中国は、世界各国の中でも、温室効果ガスの主な発生源となっており、二酸化炭素排出量は世界第 2位の規模となっています。中国では、エネルギー消費量が大幅に増加することに加え、石炭が主要 なエネルギー源であることが予想され、二酸化炭素排出量が着実に増加すると見込まれています。 地球温暖化の原因となる温室効果ガスの各国の削減目標について定めた京都議定書 の中に、中国 は含まれていません。 今後、地球温暖化問題において、中国が与える影響はますます大きくなるものと思われます。 ■ 図18 化石燃料燃焼に伴う世界のCO2 排出量(2001年) (単位:CO2百万トン) CO 2 排出量 構成比 23,683.8 100.0% 米 国 5,673.3 24.0% 中 国 3,112.6 13.1% ロシア 1,519.5 6.4% 日 本 1,132.3 4.8% インド 1,013.5 4.3% ドイツ 850.2 3.6% イギリス 540.8 2.3% カナダ 519.5 2.2% 韓 国 435.8 1.8% イタリア 425.3 1.8% フランス 384.9 1.6% 世界全体 米国 24.0% その他 34.1% 世界のCO2排出量 合計236億8千4百万トン 中国 13.1% フランス 1.6% ロシア 日本 6.4% 4.8% イタリア 1.8% 韓国 1.8% カナダ 2.2% イギリス 2.3% ドイツ 3.6% インド 4.3% 出典: IEA CO2 EMISSIONS FROM FUEL COMBUSTION 2003Edition 14