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4-1 サウジアラビア
IEEJ:2011 年 5 月掲載 4-1 サウジアラビア 1. サマリー 1.エネルギー事情 サウジアラビアの 2009 年の原油生産量は世界の生産量の 12.1%(971 万 B/D)を占め、2009 年末時点での石油埋蔵量は 2,646 億バレルで世界の 19.8%を占める。 (1) 一次エネルギー供給量:161.6 百万石油換算トン(2008 年、日本の 32.6%) (2) 一人当たり一次エネルギー供給量:6.56 石油換算トン(2008 年、日本の 168.9%) (3) エネルギー自給率:358%(2008 年) (4) エネルギー起源 CO2 排出量:389.2 百万トン(2008 年、日本の 33.8%) (5) 一人当たりエネルギー起源 CO2 排出量:15.79 トン(2008 年、日本の 175.1%) (6) エネルギー源別可採年数(2009 年末):原油 74.6 年、天然ガス 100 年以上 一次エネルギー供給構成(2008 年) 石炭 0% 原子力 0% その他 0% 石油 62% ガス 38% (出所)IEA, Energy Balance of Non-OECD Countries 2010 2.エネルギー政策のポイント (1)エネルギー政策担当機関 ① 石油鉱物資源問題最高評議会(SCPM、議長は国王) :石油天然ガス・鉱物資源政策 全般を司り、国営石油会社サウジアラムコの経営方針の最終決定権を有する。ま た天然ガスなど石油以外の分野での外国企業との契約締結権限も有する。 ② 石油鉱物資源省:石油・天然ガス、その他鉱物資源に関連した政策を策定し、サウ ジアラムコを始めとするこの分野における国営企業の監督に当たる。 ③ サウジアラムコ:石油・天然ガスの開発、生産から精製・販売までの操業を行う。 近年は石油化学分野にも進出してきている。 (2)基本政策 ● 国家財政の大半を石油収入に依存しているため、国家財政安定のために適切な石油価 格の維持を目指している。但し高すぎる石油価格は需要の後退、代替エネルギーの開 1 IEEJ:2011 年 5 月掲載 発促進などを引き起こすため、一貫して石油価格の安定化に向けた取り組みを進めて いる。 (3)最近の動向 ● サウジアラビア政府は、2010 年 4 月 5 日の定例閣議で、2010 年から 2015 年を対象期 間とする第 9 次 5 カ年計画を承認した。ホージャ文化情報相が計画の目標 13 点につい て発表した。 3.日本とのエネルギー分野における関係 ● サウジアラビアは我が国の最大の原油輸入先(116.5 万 B/D、シェア 27.8%、2009 年) 。 ● サウジアラムコが昭和シェルと同国内での太陽光発電所建設事業、住友商事とペトロ ラービグの石油化学コンビナートが 2009 年 11 月に稼動を開始した。 ● 双日株式会社、スエズグループ(Kahrabel GDF SUEZ Group)、サウジアラビアのアル・ ジョマイ(Al Jomaih Holding Company)のコンソーシアムは、サウジアラビアの IPP (独立系発電事業者)事業「リヤド PP11」について、2010 年 6 月 15 日にサウジ電力 会社(Saudi Electricity Company)と 20 年間の長期売電契約に調印した。 2 IEEJ:2011 年 5 月掲載 2. 主要エネルギー指標 (2008 年) (1) 一次エネルギー供給量 161.6 石油換算百万トン (2) 1人当り一次エネルギー供給量 6.56 石油換算トン/人 (3) GDP 当り一次エネルギー供給量 0.64 石油換算トン/千ドル (4) エネルギー自給率 (5) エネルギー起源 CO2 排出量 389.2 CO2 百万トン (6) 1人当りエネルギー起源 CO2 排出量 15.79 CO2 トン/人 (7) 一次エネルギー供給構成 358 % 石炭 0 % 石油 62.4 % ガス 37.6 % 原子力 0 % 水力 0 % 再生可能エネルギー等 0 % (8) エネルギーの輸入依存度 -255 % (9) 石油の輸入依存度 -409 % (10) 輸入原油の中東依存度 (11) 原油輸入先 - 第1位 - 第2位 - 第3位 - (出所)(1)~(4)および(7)~(9)は IEA、「Energy Balances of Non-OECD Countries (2010 年版)」。 (5)および(6)は IEA、「CO2 Emissions from Fuel Combustion (10)~(11)は各種統計資料。 1 (2010 年版)」。