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「魔法」の口ぐせレシピ
「魔法」の口ぐせレシピ 母と子どものやる気をうながす環境リノベーションはじめの一歩 言葉の響きが与える影響を知ろう ナンバーワンの口ぐせは「早くしなさい!」 子育ての中での何気ない口ぐせが・・ 「ありがとう」のチカラ 「魔法」の口ぐせを作ろう おわりに ナンバーワンの口ぐせは「早くしなさい!」 「早くしなさい!」子どもにこういったことのあるお母さまはとても多いことでし ょう。「あれもしなくちゃ」「これもやらないと」など、今この瞬間のことだけで なく、その先の予定までも頭において、まっしぐらなお母さまにとっては、子ども がのんびりと行動している姿がもどかしくてなりません。 でも、子どもにはそんな大人の時間の観念はありません。それどころか、何かに 興味を引かれたり、引き込まれたりすると、そこでぴたりと時間が止まってしまう ものです。そうかと思えば、おもちゃで遊んでいたのに他の何かを見つけると、あ っという間に方向転換・・ 新しいものに夢中になってしまったりします。 お母さまと子どもは、同じ空間にいても、流れている時間が、まるで違うものなの です。だからお母さまからみれば「どうしてこんなにグズなのかしら。」と感じて しまったり、他の子どもはてきぱきと行動できているのに、自分の子どもだけ、で きないように見えてしまうこともあるかもしれません。でも焦ることはありませ ん。小さいときから何でもてきぱきと要領よくこなす子は、親としてはうれしい存 在かもしれませんが、その子は小さいときににしかできない子どもらしい時間を、 十分に過ごしていないのかもしれません。一見のんびりペースで要領が悪いように 見える子どもは、親としては、そのときは心配かもしれませんが、たっぷりと子ど もの時間を体験しているはずです。それは青春時代や大人になってからの心のバラ ンスをとるために非常に重要なことでもあります。時間を止めたり戻したり、方向 を転換したりしながら子どもの時代にしかできない、とても大切な体験をしていま す。 子育ての中での何気ない口ぐせが・・ 子どもが成長し自我が出始めると、親が叱る場面は多くなります。それに伴い、 口ぐせのようにくり返す叱り言葉も増えてくるでしょう。ただし、何度もいう言葉 はそれだけ子どもに影響を与えますから、注意が必要です。 一言で「親子の会話」といいますが、子どもの心の成長に大切なのは、「子ども の側から話す」ことです。例えば、子どもがその日あったことを話し始めたとしま す。そんなときは、きちんと子どもの目を見て、子どもがすべて話し終えるまで、 言葉を挟まずに聞くこと・・これが意外と難しいのです。 「今日、友達とケンカして、先生に叱られた」・・「だからいったでしょう。ダ メね。」といった言葉を挟んでしまいがちではないですか? こうしたことが続く と、だんだんと子どもは親に話をしなくなり、言葉によるふれあいが減ってきま す。これはやがて「自分に自信が持てない」「自己肯定感の欠如」といった問題に つながってしまいます。 親は、無条件に受け入れてきた赤ちゃんの頃を忘れて、自分で描いた「こうあっ てほしい」という理想の子どもの姿を、つい押しつけてしまいがち・・ それを象徴するのが「あなたのためを思っていっているのよ。」という言葉で す。「勉強しなさい」「きちんと後片付けをしなさい」「親のいうことを聞きなさ い」すべて子どもの将来を考えていることは確かなのですが、それは親が思い描い た将来にしか過ぎず、子どもの自我や主体性の発達を殺いでしまう恐れがあるので す。 「いいたいことがあるなら、ハッキリいいなさい。」これも多い言葉です。特に 問題ない印象なのですが、この言葉がでるときは多くは穏やかな雰囲気ではないは ずです。 正直な子は、先生や親に叱られると、懸命に弁解しようとします。けれ そもその結果、却ってこっぴどく叱られたり、お説教が長引くことに気づきます。 いいたいことをはっきりいうと、損をすると学んでしまうと、沈黙を持って答える しかありません。そうです。この沈黙は答え・・言葉と雰囲気で圧倒しているお母 さまへの、言葉にならない答えなのです。まずは、それを理解する心のゆとりを持 ってみると素敵です。 「ありがとう」のチカラ 日々の暮らしの中でイライラしたとき、疲れて気持ちがふさぎ込んだとき、どう してもネガティブな気持ちになってしまうことはあるものです。つい、ため息が出 てくることだって、あるでしょう。でも実際「あ∼あ」とため息をついたり「どう してこんなに(イヤな)ことばかりなんだろう」と自分の中から出てくる不快な言 葉が、さらに自分を不快にし、自分自身のパワーも殺いでしまうのです。 少々体調や気分がマイナスでも「私は元気!」「ありがとう。」「何かいいこと がありそう。」こういう言葉が口ぐせであればどうでしょうか?「大丈夫、きっと 上手くいく。」と意識的にプラス思考の言葉を口ぐせにしてみると、言った方向に 変化していくのを体感できます。心が言葉をつくるのではなく、言葉が心をつくっ ていくのです。頭では理解しているだけでは効果は期待できません。例えば、普段 の口ぐせになるまで朝昼晩、一日3回でいいので声に出していってみてください。 『ありがとう』がいつも行き交っている親 子は、素敵な関係が築かれていきます。 「生まれてきてくれてありがとう」「生ん でくれてありがとう」これが親子関係のベ ースとなり、大いなる人生をしっかり支え ることのできる根っことなります。 自分に向けての「ありがとう」も大切で す。これは、この世に生かしてくれてあり がとうという、生命への感謝です。 日々の暮らしのあふれるほどの「ありが とう。」・・「今日一日、いいお天気であ りがとう」「心地よい風をありがとう」 「素敵なお花や緑で元気づけてくれてあり がとう」「家族みんなの健康をありがと う」 当たり前は無くて「ありがとう!」 「魔法」の口ぐせを作ろう 口ぐせとは、ほとんどが無意識につい出てしまう言葉です。人から指摘されない と案外気づきにくいものですよね。いやな口ぐせがあるならば、それを素敵な口ぐ せに変えてしまいましょう。 例えば、子どもが何か失敗したとき、つい「だからいったのに。ダメね。」とい ってしまったとします。それが出そうになったら、ぐっと飲み込んで「失敗したっ ていいのよ、ちゃんと自分でやれたんだから。」とか「あ∼あ、やっちゃったね。 ま、いっか。」でも構いません。子どもが失敗して、「しまった!」と感じている ところへ、追い打ちをかけない言葉なら、何でもいいのです。ほかにもいくつか例 をあげてみましょう。 「あなたには苦労させられてばかり。」→「生まれてきてくれてありがとう」 「遅いんだから∼早くして!」→「早いとうれしいな・・待ってるわよ。」 「男の子でしょ。我慢しなさい。」→「男の子だって、いっぱい泣いていいよ。」 「そんなことをしたら、ママは恥ずかしいわ。」→「ママはいつでもあなたの味方 よ。」 「どうせできっこないわ」→「すごい、きっとできるわ。お母さんも応援する わ。」 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ!」→「さすがお兄ちゃん(お姉ちゃん)ね! 気が利くね(優しいね)。」・・未来完了言葉も効果的。 全部でなくても、2つか3つだけでもいいのです。自分でこれだと思ったものを 是非「魔法」の口ぐせにしてみてください。そればできれば、普段の口ぐせが多少 残っていたとしても、差し引きで大きなプラスがあるはずです。 マイナス気分を引き出す口ぐせは、子どもだけでなく、お母さまの心にも陰を落 とします。お母さまの気持ちが変われば、言葉が変わります。そして言葉が変われ ば、子どもも変わっていきます。実行していくと、お子さまの反応が変わり、親子 の信頼関係が健やかに育まれていくことになるでしょう。 おわりに 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 私たちをとりまく「環境」は、目に見える部分と見えない部分で成り立っていま す。例えば生命力あふれる大きな樹木たちも、支える力強い根っこから栄養をたっ ぷり吸収して絶え間ない成長を続けています。表面に見えてこない部分こそ真の快 適さへの「根っこ」になるのでは・・と気づいてから、住む人にぴったりの暮らし の仕組みを根本から提案していく環境づくりを志すようになりました。大人も子ど もも日々成長できる環境を『Garden』にたとえて、花々が『にじいろ』に咲きほこ るように・・メルマガ通信「にじいろGarden」も、そんなイメージで栄養を注ぎな がら、気分の良い暮らし(人生)に肝心な「感情の質」をタイミング良く磨いてい ただけるよう、気づきのエッセンスをお届けしています。 writing by e, shiotsuki