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「ありがとう」で友情を深めよう
平成27年11月2日 11月号 多摩市立西落合小学校 校長 杉浦 真史 http://www.tama.ed.jp/w-ochiai/ 「ありがとう」で友情を深めよう 校長 杉浦 真史 マンガ家の手塚治虫さんは、亡くなった今でもその作品で大勢の人たちを楽しませてくれてい ます。その手塚さんが週刊少年誌に『ブラック・ジャック』を連載していたころのことです。 手塚さんはいつも原稿の完成が遅く、その時も原稿の完成が遅れに遅れて、少年誌の編集者は やっとの思いで原稿を印刷所へ届けた直後でした。突然、 「さっき持っていった原稿を戻してほし い。」という連絡が手塚さんから少年誌の編集者に入ったそうです。驚きとともに編集者は、「無 理です。もう印刷が始まっています。」と伝えますが、手塚さんは聞きいてくれません。電話から 聞こえてくる手塚さんの声から作品を少しでもよいものにしたいという気持ちを汲み取った編集 者は、大急ぎで印刷所へ出向いて原稿を回収します。これ以上印刷が遅れると、発売日までに雑 誌ができあがらないかもしれない。そのような状況でも印刷所の人は原稿を戻してくれました。 編集者は、心を込めて一生懸命印刷所の人に頼んだのでしょう。そして、それに応じてくれた印 刷所の人たちに感謝の気持ちで一杯だったことでしょう。 11月は、展覧会をはじめ行事がたくさんあり、その取り組みの中で児童はお互いの気持ちや 考えを交流し合います。時には、うまく伝わらないこともあるかもしれません。そのような時期 だからこそお互いに仲良くして楽しい学校生活を送ってほしいと願っています。そのためには、 自分の考えや気持ちを言葉でていねいに伝えられることや相手の気持ちや考えを受け止められる ことが大切だと考えます。 今月の月目標は「感謝の気持ちを伝え合おう」であり、今週の週目標は「「ありがとう」で友情 を深めよう」です。この目標は、先月の「友達と仲良くしよう」や先週の「友達と優しい言葉を 掛け合おう」に続くものです。 児童は、11月6日(金)と7日(土)の展覧会でご来校いただいた方への鑑賞ガイドの他に 異学年で一緒に鑑賞するペア鑑賞に取り組みます。児童が作品をつくる手順やその過程で工夫し たことや苦労したことなどをお互いに紹介し合います。お互いにお話を聞いた後、「ありがとう」 という感謝の言葉で結びつきが一層強くなることを願っています。保護者の方々や地域の皆様に は、児童による鑑賞ガイドをお聞きになった後、児童に「ありがとう」の言葉をかけていただけ れば幸いです。 10月30日(金)に行った仲良し給食は、宝野公園で全校児童と教員が仲良し班のメンバー で給食を食べました。優しく下級生の面倒をみる上級生の姿や「ありがとう」と感謝の気持ちを 伝える下級生の姿が見られました。今月も児童の素敵な姿が見られることを期待しています。