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Title 日本における買収ファンドの現状と将来 Author 丹羽, 達也(Niwa

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Title 日本における買収ファンドの現状と将来 Author 丹羽, 達也(Niwa
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日本における買収ファンドの現状と将来
丹羽, 達也(Niwa, Tatsuya)
奥村, 昭博
慶應義塾大学大学院経営管理研究科
修士論文 (2002. )
Thesis or Dissertation
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO40003001-00002002
-1800
論 文 要 旨
所属ゼミ
奥村研究会
学籍番号
80128668
氏名
丹羽 達也
(論文題名)
日本における買収ファンドの現状と将来
(内容の要旨)
バブル経済の崩壊後 10 年を超えてなお続く経済不況の下、事業の集中化を進めたい大企業の非
中核事業売却ニーズや、販売価格の下落などを理由に苦境に喘ぐ企業の再建ニーズは高まる一方で、
従来そうした需要に対応してきた銀行や事業会社の機能はますます衰えている。
そうしたなか、新たな供給の担い手として買収ファンドが注目を集めている。買収ファンドの生
みの親である米国では、1980 年代初頭、日本に代表される海外企業の攻勢によって旧来型産業の多
くが苦境に陥り、買収ファンドの投資先候補となる企業が大量に発生した。また、1960 年代から
1970 年代にかけて行われた企業コングロマリット化の調整が本格化し、大企業による非中核事業の
大量売却が行われていたのである。そうした経済環境に加えて、連邦破産法に代表される政策的後
押しや、株主資本主義及び取引透明性の徹底といった企業制度・慣行上の追い風を受け、買収ファ
ンドはその市場を一気に拡大した。また、その過程で、株式未公開企業へのリスクマネー供給や、
企業の資本効率意識を高める触媒機能などを通じ、1980 年代から 1990 年代にかけての米国経済活
性化に大きな役割を果たしたのである。
翻って、1980 年代初頭の米国経済に類似した環境下にある現在の日本では、リップルウッド・ホ
ールディングス、カーライルなど大規模な外資系ファンドや、アドバンテッジパートナーズ、MKS
パートナーズ(旧シュローダー・ベンチャーズ)などの国内系ファンド、また英国の投資銀行であ
るロスチャイルド・グループと三井物産が共同出資を行うアクティブ・インベストメント・パート
ナーズといった欧米と国内資本の合弁型ファンドなど合計 20 社以上の買収ファンドが活動を開始
している。さらに、直近では、電機機器メーカーの三洋電機や金型メーカーのインクスなど特定の
事業分野において高い競争力をもつ事業会社も、リミテッド・パートナーシップ形式を利用した買
収ファンド事業に参入を始めているのである。
以上のような背景を踏まえ、本論文は、戦略論の分野における理論研究、再建投資の事例研究、
買収ファンドの調査などを通じて、現在日本の市場で活動する買収ファンドがどのような能力をも
ち、またどのような投資スタイルとの間に適合性をもつのかを明らかとし、最終的にその将来像を
通した日本経済再生の糸口を探ることを目的に研究を行ったものである。
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