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フランスにおけるSAFERの機能・役割の再編と拡張

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フランスにおけるSAFERの機能・役割の再編と拡張
フ ラ ンス に お け るSAFERの
機 能 ・役 割 の再 編 と拡 張
東京大学社会科学研究所教授
1は
じめ に
原
田
純
孝
初 め 頃 に は、そ の よ うなSAFERの
さ きに筆 者 は、一 昨 年 の本誌 にお いて 、 フ
ラ ンス にお け るSAFER(土
役 割 と活 動方 針 が政 府 の政 策 レベ ル で もほぼ
地 整備 農 事創
承認 され るに いた った ら しい こ と、 な どを か
設 会社)の 近年 の 動 向を紹 介 す る機会 を得 た
(以下 、 「
前編 」 と呼 ぶ)(注1)。
新 しい
な り詳細 に報告 した。(ホ)SAFER自
身が
そ こで
自 らに課 そ う とす る新 しい諸 任務 、諸 課 題 の
は、 筆者 が89年 の 初頭 まで に入手 しえ た資料
意義 や 内容 も、 そのな かで あ る程 度 まで 説 明
に基 づ いて、(イ)1980年 代 に入 って 顕在 化 し
して あ る。
た農地 価格 の 下落 傾 向 を直接 の きっか け と し
てSAFERが
ところで 、 その後 もフラ ンス で は、90年 代
その活 動 な らび に経 営上 の深
に向 けた構 造政 策 の再構 築 の作業 が さ らに進
刻 な困難 に遭遇 した こと、(ロ)そ の 結果 、80
め られ 、1990年 の1月 に は 、1988年12月 の
年代 半ば か ら始 ま った農 業構 造政 策 の再 度 の
「農 業 経 営 適 応 法 」(以 下 、1988年 法 と呼
見 直 し ・再編 作業 ともあい ま って、 構造 政策
ぶ)(注2)を
におけ るSAFERの
役 割 と存在 意 義 その も
れ た。 正確 に は、 「
農業 経営 の経 済 的、 社 会
の を問 いな おそ う とす る動 き も生 じた こと、
的環 境 へ の適応 に関す る1988年12月30日 の法
(ハ)しか しSAFERは
律 第1202号 を 補 完 す る1990年1月23日
、 その よ うな きわ め
補 完す る重要 な法 律 が制 定 さ
の法
て困 難 な状況 の も とで も経営 難 の克 服 と経営
律」 第85号 が そ れで あ る(以 下 、1990年 法 と
再建 の努 力 を続 け る一方 、農 業 ・農 地 問題 の
呼ぶ)。 この法 律 は、 さきの1988年 法 に よ っ
新 しい
課題 に応 じた活 動 の適 応方 向 を模 索
て打 ち出 され た構 造政 策 の新 しい方 向づ けを
し、 将 来 に向 けての 新 しい役 割 の積 極 的 な提
さ らに拡充 ・明確 化す る とと もに、 そ の もと
示 を試 みて きた こ と、 そ して、(二)1989年 の
で推 進 され るべ き農地 政策-と
107
くに農 地 保
有 ・流動 化政 策一
の具 体 的 内容 とその ため
ぐる新 しい問題状 況 の進展(詳 細 は後 述)を
の介 入諸 手段 を体 系的 に再 整 備 した もので あ
考慮 す ると、 そ う した方面 で のSAFERの
り、そ れ によ って 現段 階 にお け る フラ ンスの
活動 の展 開 は、 客観 的 にみて も、農 村 部 の地
構造 政策 再編 の全体 像 が ほほ確 定 され た もの
域農 業 と農村 社会 の維 持 ・発展 の た めに相 当
とみ られ る(注3)。
に重 要 な役 割 を担 う可能性 もあ るよ うに 思わ
そ して、 この1990年 法 の なかで は、SAF
ERに
れ る。
関 して もきわ めて重 要 な制 度改 正が 行
他方 、(ロ)の 改正 は、 これ もSAFER自
わ れ た。す な わ ち、 同法(26条 以 下)は 、19
身 の発 案 に基づ くものの よ うで あ る(注4)
60年 の 「
農 業 の方 向づ け の法 律」(以 下、19
が 、SAFERの
60年 法 と呼 ぶ)中 のSAFERに
い タイ プの もので あ る。 その 新制度 の内 容 は、
規 定-と
くに第15条--を
関す る基 本
活 動 と して は ま った く新 し
全面 的 に改正 し
形 式的 に みれ ば、 わが国 の農 地保 有合 理 化法
活動 領域 を
人(県 公社)が 行 う農地 の転 貸事 業 に類似 し
て 、(イ)一 方 で は、SAFERの
従 来 よ り大 幅 に拡 張す る と同 時 に、(ロ)他 方
て お り、要 す るにSAFERが
で はSAFERに
、賃 貸借 を 活用 した農用 地
か ら農 用地 の預 託 を受 けて それ を適 当な農 業
の利用 増進 にかか わ る新 た な権 限を付 与 した
者 に転 貸 し、農 用地 の有 効利 用 の促 進を 図 る
ので あ る。
こ とを基本 的 なね らい とす る。前 編 で もふれ
この うち、(イ)に か か わ る改正 の 内容 は、
、 土地 所 有者
たよ うに フラ ンスで も、 主要 農 産物 の生 産過
身 によ る新 しい役
剰 と価 格抑 制 、農 業経営 の収 支 ・採 算の 困難
割 規定 と活 動 方針 を広 範 に取 り入 れ た もので
化 、農 業 者の老 齢 化 と後 継 者不足 な どの 条件
あ り、 ま さにSAFERを"地
の も とで 、農 業不 振地帯 等 の低質 な土地 を 中
前 編 で述べ たSAFER自
域 と密 接 に連
携 した専 門的 土地 活動 機 関(operateurfo
心 に遊休 農地 や不 耕作地 も発生 す る など、一
ncierprofessionnel)と
言 で"deprisedesterresagricoles"と
して再生 させ る意義
を もって い る。 と くに、SAFERが
各地 域
呼
ばれ る新 しい農地 問題 が生 じて きて い る(詳
の地 方公共 団 体 と連携 を と りつ つ、必 ず しも
細 は後 出注5参 照)。 そ れゆえ1990年 法 で は、
農 業経 営 や農 業生 産 に直 接 かか わ らな い領域
その 事態 に対 処す るため 、 いわば"フ ラ ンス
の土地 活動 に も積 極 的 に関与 す る権 限 を正面
版 の農 用 地利 用増 進事 業"と もい うべ き制 度
か ら付 与 され た ことは、 注 目に値 しよ う。 そ
的仕組 みが新 たに導入 されて い る(注5)が
の よ うな方 向で の活動 領 域 の拡 張 は、80年 代
右 の 新制 度 も、SAFERの
を通 じてSAFERが
様 の 目的 の た めに活 用 しよ うとす る もので あ
つ とに要望 して きた も
ので あ ったが 、農 業 お よび農 用地 と農 村 をめ
る。
108
有 す る能 力 を同
、
これ らの 改正が 今 後 に おけ るSAFERの
取 り上 げず 、SAFERに
関す る個 別 の 改 正
活動 の発展 に とって極 めて 重要 な意 味を もつ
点 の意 味を 理解 す る うえで必 要 な 限 りで 言及
ことは、容 易 にみ て と る ことが で きよ う。S
す るに とどめ る。他 方 、1990年 法 で改 正 され
AFERが
たSAFERに
従 来 か ら担 って きた機 能 ・役 割 も、
関す る基本 的 な法令 の 規 定 は 、
もとよ り基 本的 に維 持 され 、拡 張 され さえ し
本稿 の末尾 に 「参考 資 料」 と して掲 げて あ る
て い るが、上 記 の よ うな制 度 改正 によ りフラ
の で、必 要 に応 じて 参 照 され たい。
ンスのSAFERは
、今 ま さに新 た な 出発 点
(注1)原
田純 孝
に立 って い る とい って もおそ らく過言 で は あ
のSAFERの
るま い。1990年 法 に よ る改 正 点 の適用 に関す
1990年3月)33頁
「近 年 に お け る フ ラ ン ス
動 向 」(『
土 地 と 農 業』20号
、
以 下 。 正 確 に は 、1989年6
月 に行 った講 演 の記録 であ る。
るデ ク レも、91年 の初 め まで に ほほ整 備さ れ
た(と くに91年1月9日
さ らに、SAFERに
(注2)こ
の 法 律 に つ い て は 、 前 編 で も簡
単 に ふ れ た が 、 詳 細 は 、『 フ ラ ン ス の 構 造 政
の デ ク レ第29号)。
策 立 法 の 新 動 向 一--翻
と って は きわ めて好 都
訳 と 解 説 』(農
造 改 善 局 農 政 部 農 政 課 、1990年3月
合 な ことに、80年 代 にお け る経 営 難 と制度 の
孝 執 筆)や
、 後 出 注6の
(注3)こ
動揺 の 規定 的要 因 とな った農地 価 格の 下落 傾
水 省 構
。原 田純
拙稿 を参 照 され た い 。
の法 律 の全 体的 内容 の詳 細 につ
い て は 、『 フ ラ ン ス の 構 造 政 策 の 再 編 と 農 地
向 も、 ほぼ89、90年 頃 まで で一 段 落 し、最 近
政 策-ー 噺
の農 地 市場 は、 い わば"平 常 の状 態"を 回復
訳 と 解 説 』(農
政 部 農 政 課 、1992年3月
ほ か 、 後 出 注6の
して きて い る。
水 省構 造 改善 局 農
。 原 田 純 孝 執 筆)の
拙稿 を参照 され た い。
(注4)"LeredeploiementdesSAFER:
そ こで、以 下 に お いて は、前 編 での 考察 を
InterviewdeRolandBAUD",EtudesFonci
eres,no51,juin1991,P.39
踏 まえつ つ この 制度 改正 の 意義 と内容 を概 括
的 に検 討 し、SAFERが
(注5)そ
構造 政策 と農地 政
の 典 型 的 な も の と し て は 、1990
年 法で 創 設 され た、
策 の新 しい方 向づ けの も とで今 後 どの よ うな
「農 業 経 営 多 年 次 契 約 」
(c0nventiOnpluriannuelled'exploitationagricole)と
役割 と機能 を担 って い こ うと して い るの か を
い う 名 前 の 新 しい 農 用 地 利
用 契約 が あ る。 これ は、 本来 的 には 山岳 地 域
探 って み る ことにす る。
その他 の 条件不 利 地域 を念 頭 にお いて 、
なお 、そ の作 業 のた め には、 本来 で あれ ば 、
放 的性 格 の強 い農 業活 動 の維持 また は創 設 」
の た めに 、
現段 階 にお け る フラ ンスの 構造 政策 と農地 政
「粗
「小 作 関 係 規 則 」(本
貸 借 に 関 す る 特 別 制 度)の
来 の農 地 賃
適用 を 受 けな い 農
策 の 内容 と特 徴 を それ 自体 と して あ らか じめ
用 地 の 利 用 関 係 を 設 定 ・普 及 さ せ 、 そ う し た
考 察 してお くこ とが 当然 に必要 にな るが、 そ
地 域で の農 用地 の 利活 用 の促進 を 図 ろ う とす
る もの で あ る。 た だ し、 この 制 度 を ど の よ う
の点 に 関 して は、す で に筆 者 は幾つ か の論 稿
を別 に発 表 して い る(注6)。
に活用 す るか は、 基本 的 に県単 位 の イニ シア
したが って 、
チ ブ に委 ね られ て お り 、 そ の 使 い方 次 第 で は 、
まさ にわが 国の 農 用地 利用 増進 事業 と同 じよ
ここで は、 その 問題 は独 立 した項 目と して は
109
う な 、"本
た ので あ る。 そ こで 、 まず その 点 か らみ てい
来 的 な農地 賃貸借 制 度の 枠外 の 、
よ り 柔 軟 な 農 地 利 用 関 係 の 設 定 促 進 手 法"と
こ う。 具体 的 には、 以下 の よ うな諸 点 で あ る。
して 機 能 す る 可 能 性 を も って い る。 詳 細 に つ
い て は 、 後 出 注6の
① 論 文448頁
以 下 を参
照 せ よ。
(注6)最
純 孝
(1)「 農村 開 発」 と自然 ・環境 保 護 の ため
も 詳 細 な もの と し て は、 ① 原 田
の 土地 活動
「フ ラ ン ス の 構 造 政 策 の 再 編 と 農 地 保
有 ・流 動 化 政 策 の 方 向 」(島
1)ま ず、 今後 にお いて はSAFERは
本 富 夫 二田 畑保
編『 転 換 期 に お け る 土 地 問 題 と 農 地 政 策 」 、
農 業 総 合 研 究 所 、1992年3月)405頁
そ の ほ か 、 ② 原 田 純 孝『ECお
① 「
農 村 開発 な らびに 自然 お よ び環境 の保護
以 下 。
を 助長 す るた め」 の もので あ れば 、 そ の取得
よび フ ラ ンス
した土 地--正
に お け る 農 業 ・農 用 地 の 多 面 的 利 用 方 策 の 現
況 」(全
、
国 農 地 保 有 合 理 化 協 会『 平 成2年
確 に は、農業 お よび林 業 用の
土地 、 建物 また は経 営、 不耕 作 地等 の 土地 資
度 ・農 地 の 多 面 的 利 用 方 策 の 手 法 開 発 に 関 す
る 調 査 報 告 書(海
3月)89頁
外 調 査 部 会 編)」
産一
以 下 、 お よ び 、 前 出 注3の
、1991年
拙 稿 の
を非 農業 な い し農 業外 の 使用 に利 用 転
換 させ て い く事 業 を行 うこ とが で きる(新15
5頁 以 下 な ど で も 、 そ の 問 題 に 関 す る 一 応 の
条5項)。
考 察 を 行 っ て あ る。
その た め、SAFERは
、② その
所 得 した土地 資産 をす べ て の公法 人 や私 人 に
Ⅱ"専
対 して再 譲渡 で きる もの とされ る(同6項)。
門 的 土地活 動 機関"と してのSA
しか も、③ その よ うな再譲 渡 の対 象 とな る土
FER
地 の量(ま たは比 率)に つ い て も、法 律 上で
固 有 の意 味 で の農 業内部 的 な課題 に関す る
SAFERの
は特 段 の 制限 は一切 設 け られ て いな い。
役 割 と機 能が 基本 的 に維 持 され
この よ うな本 来 の農業 目的以 外 の用 途へ の
たば か りか 、む しろ拡 張 され てい るこ とは、
再譲 渡 は、 従前 にお いて は、地 方 公共 団体 、
す で に述 べ た通 りであ るが 、1990年 法 に よ る
そ の公 の施 設、 許可 設立 の土 地 所有 者 組合 な
制 度 改正 の最 も大 きな特徴 は、SAFERに
どの 公 共 ・公 益 的 な法 人 ・機 関 に対 して 、
対 して、"農 村 部 の地方 公共 団体 と連携 を取
りつ つ 行動 す る専 門的土 地活 動機 関
「
農 村整備 」(amenagementrural)や
と して
留 地」(reservesfoncieres)の
の役 割 と機 能 を も正 面か ら認 め た こ とにあ る。
一言 で いえ ば、1990年 法(第26条)は
目的規 定 を全
面 的 に改 正 して、SAFERが
「
農 村 開発 」
(devel0ppementrural)と
の た めに の み、 な しうる こ とが で き る とされ
て お り、 それ に充 て られ るべ き土 地面 積(比
率)に つ いて も、SAFERが
「
農 村土 地 整 備」
(amenagementfoncierruraI)の
形成(将 来
の公共 用 地 の確保)を 容易 にす る とい う目的
、1960
年法 第15条 にあ るSAFERの
「
保
土地 の5%ま
領域 で よ
毎 年取 得 す る
で、 とい う制 限が お かれ て い た
(1960年 法15条 の 旧5項 。 これ は、1980年 法
り広範 かつ 積 極 的 な活動 を な しうるよ うに し
110
で新 設 され た規定 であ る)。 最 後 の土 地 面積
あ くまで そ の中核 には、"農 村社 会 と地 域 農
の比 率的 な制限 は 、 「山岳 地域 の 開発 と保護
業 の維 持 ・発 展"と い う目標 が おか れ て い る。
に関す る1985年1月9日
ECの
の法律 」第30号(以
構 造政 策 の最 重要 な柱 の一 つ に位 置づ
下 、1985年1月 法 と呼 ぶ)に よ って、 山岳地
け られ た 「農 村 開 発政 策 」 が 、 「農 村 的 性
域 にお いて は 「10%ま で」 に引 き上 げ られ た
格」(ruralite)の
が 、 その場 合 に も、 その よ うな利 用転換 を 伴
し、農 業 お よ び農 村 と農 用地 の もつ多 面 的価
う土地 の再 譲渡 が 、SAFERの
活 動 と して
値 と機能 の 尊重 、困 難 を抱 え る諸 地域 で の地
はあ くまで 例外 的 な もの と考 え られて い た こ
域 農業 と家 族農業 経 営 の維 持 ・存 続 、 そ れ を
とに は変 わ りが ない。1990年 法の 改正 は、 こ
通 じる農 村 人 口の可 及 的維持 な どを 目指す 多
の よ うな制 限的 な考 え方 を大 幅 に除去 したの
面 的な施 策 を広 く包 摂 し うる仕組 み にな って
であ る。
い る こ とは 、 そ れ を 象 徴 す る もの とい え る
2)た
だ し、 その よ うな 「土地 、建 物 ま た
強 い地域 ・地 区を 対象 と
(注7)。
は経営 の非 農業 的 使 用 に向 けた新 しい方 向つ
その 意味 で は、 「
農村 開 発」 とい う概念 が
の
「
農 村 整備 」 あ るい は 「
農 村土地 整 備 」 の概
け」 のた めの事 業 や 再譲 渡 に関 して は、 「農
ひ
の
つ
や
村開発 な らびに 自然 お よ び環 境 の保護 を助 長
念 よ り広 い意 味 内容を もつ こ とは確 か だ と し
す るため 」 とい う限 定 が付 され て いる こ とを、
て も、 そ の 目的 との関 係でSAFERが
同時 に強 調 して お く必要 が あ る。
事 業活 動 や土地 の再譲 渡 は、 あ くまで も、農
その うち 、最初 の 「農村 開発 」 とい う概 念
は、近 年 に お け るECの
ゆ
の
の
の
行う
業 活動 の場 と しての農 村 の開発 ・整備 ・活 性
農 業社 会構 造政策 や
化 を助 長す るた めの もの と して位 置づ け られ
フラ ンスの構 造 政策 の なか で頻 繁 に用 い られ
て い るの であ る。 「
農 業 開発 」の 具体 的 な 内
るよ うにな った もので 、わ が国 にい う 「
農村
容 と して も、 た とえ ば、滞 在 型の 農村 ツー リ
活性化 」 と も近似 す る よ うな 内容 を含ん で い
ズム の開発 ・促進 、 その ため の受 け入 れ施 設 、
る。 したが って 、ECや
遊 歩道 や狩 猟 用 の道路 、 ス ポー ツ施 設等 の整
フラ ンスで打 ち出 さ
れて い る 「
農 村 開発 政策 」(P01itiquede
備 な どが まず あ げ られ る とい う状 況 を知 れ ば 、
developpementrura1)も
そ う した諸 課題 に関連 してSAFERが
、農 業外 の経 済 的、
なし
社会 的諸 活動 の 活性 化 とか、 それ を通 じる農
うる寄 与 の 内容 も、 か な りイ メ― ジ しや す い
村部 で の雇 用 と所得 獲 得機 会 の拡大 とかの 側
ので は ないか と思わ れ る。
面を もその 重要 な要 素 の ひ とつ と して い るが、
他方 、 そ のあ とに続 く 「自然 お よび環 境 の
ヨー ロ ッパ で は一般 に都 市 と農 村 との 区分 が
保 護」 とう 目的 につ いて は、 多言 を 要 しまい 。
わが 国 よ りず っ と明確 で あ るこ ともあ って 、
近 年 のEC諸
111
国 にお い て農 業 と環 境 との か か
わ り方 が現 実 の 政策 レベ ルで も大 きな関心 を
言(右 のデ ク レで改 正 され た1961年6月14日
集 めて い る こ とは、 わが 国で もす で に広 く知
の デ ク レの 旧第3条3項
られて い るか らで あ る。 その場 合 の農 業 と環
た め(改 正 後 の 規 定 は 、 末尾 の参 考 資 料 参
境 との 関係 に は 、(イ)自 然 ・環 境 の破 壊を も
照)、
た らさな い"環 境 にや さ しい農 業"の 普 及 ・
権 を行 使 して取得 した土地 で も一一-他方 で法
促 進 とい う問題 と、(ロ)山 岳地 帯 その他 で の
定 されて い る先買 権行 使 の 目的 に捉 わ れ るこ
適 切 な農 業活 動 の維持 を通 じる 自然 空 間や環
とな く-自
境 、 景観 の保 全 とい う問題(い わば"自 然 空
とい う解釈 が 一部 で行 われ て いた。 筆 者 もそ
間 と環境 、景 観 の維持 に寄 与す る農 業")と
の解 釈 に従 って 、別稿 で その可 能性 を 示 唆 し
の両側 面が 含 まれ て い る(注8)が
た ことが あ る(注9)。
ERの
、SAF
活動 は、 その いずれ の側面 の 問題 に も
《
今 後 にお いて はSAFERは
、先 買
由 に再譲 渡 で きる よ うにな る》
しか し、SAFER
自身 は、先 買権 に関す る1962年 の法 律 の規 定
の改 正が な い以上 、先 買権 の行使 目的 は もと
及 び うる もの と考 え られ る。
3)と
参照)が 削 除 され た
ころで 、以 上 の よ うな非 農業 用 の使
よ り、先 買 した土地 の再 譲渡 の 目的 や用 途 は、
途へ の再譲 渡 に関 して い まひ とつ 問題 とな る
今後 と も農 業 内部 的な もの に限 られ る、 と解
点 と して、SAFERが
先買 権 を行使 して取
して い る。 具体 的 に は、 《
先 買 した 土地 につ
得 した土 地 もそ の よ うな再 譲 渡 の対 象 と しう
いて も、 そ の再 譲渡 の相 手 の選択 は 自由化 さ
るのか ど うか 、 とい う問題 が あ る。 従来 の制
れ た(1960年
度 で は、先 買 権行 使 の 目的 は、法令 上 で 限定
の土地 の 用途 に関 して は、先 買権 の 行使 目的
的 に列挙 され て お り(と くに1962年8月8日
に関す る限定 が 遵守 されな ければ な らな い》
の法 律第933号7条2項
とい うこ とに な るわ けで あ る(注10)。
の
参 照)、 その なか に
は、 非農 業 用 な い し農 業外 で の使用 に かか わ
の
法15条6項)が
、再 譲 渡後 の そ
な お、任 意 譲 渡 によ るので あれ 、先 買 によ
る 目的 は含 ま れ て いなか った(た だ し、 林業
るので あ れ、SAFERが
取得 で きる土地 資
や森 林保 護 に 関す る もの はあ る)。 そ して 、
産 は、 従来 と同様 に、取得 の と きに農 業用 ま
1990年 法 は、 この先買 権 に関す る規 定 に は基
た は林 業 用の 用途 に充て られ て いた土 地 、建
本 的 な改 正 は加 え て いな い。
物 、経 営等 に限 られ る(注11)。
非 農 業 用途
へ の再譲 渡 が認 め られ るか らとい って、現 に
しか し、 そ の後 に発 布 され た1991年1月9
日の デ ク レ第29号(前 掲)で は、従来 存 在 し
非農 業 用途 に供 され て い る土地 資産 をSAF
てい た、 《
先 買 した土地 と任 意譲 渡 で取得 し
ERが
た土 地 とを区 別 し、 農業 外 の 目的で の再譲 渡
取 得 で き るこ とにはな らな い ので あ る。
4)さ て 、 で は この よ うな制 度改 正 は、S
は任 意取 得 した土 地 に限 る》 とす る制 限の 文
AFERの
112
実際 の 活動 に対 して いか な る影 響
を もた らすで あ ろ うか 。
直訳 すれ ば 「
農 事 土地 整備 中央 協会 」)やF
その点 に関 して 注 目され るの は、少 な く と
も法 文の うえ で は、SAFERの
NSAFER(全
本来 の農 業
国SAFER連
盟)を 訪 問
した 際 に も、 《次 の(2)で み る制度 改正 と も
内部 的 な活動 と上 記 の よ うな 目的 で の活動 と
あわ せ て、 今後 にお け るSAFERの
の間 に特段 の 優先 順位 がつ け られ て いな い こ
機 能 は従 来 の それ とは大 き く異 な った もの と
とで あ る。従来 の 制度 の もとで は、SAFE
な って い く可能 性 が あ るの か》 とい う趣 旨の
Rが 取得 ・保有 す る土 地 は優先 的 に農 業者 に
質 問 を繰 り返 し提起 してみ た。 しか し、 それ
対 して再譲 渡 すべ き もの とされて い たが、 そ
に対す る答 え は、 つね にそ の可 能性 を否 定 す
の趣 旨の 規定 は、 改正 後 の第15条 に はおか れ
る趣 旨の もので あ った。 す なわ ち、 《
全体 と
て いな い。 したが つて 、形 式的 ・抽 象 的 にみ
して のSAFERの
れば 、今後 にお いて はSAFERは
、 同一 の
地 介入 とか 開発 が らみ の事業 を 中心 とす る も
土 地 に対 して農 業 用 と非 農 業用 の双 方 の 目的
の に変 わ って い くおそ れ はほ とん どな い。 非
にか か る取 得希 望者 が でて きた場合(注12)
農 業用 途 の再 譲 渡 は、 これ まで毎 年 の取得 農
にそ の いず れ に対 して再 譲 渡 を行 うか につ い
地 の5∼10%程
て、 自由な裁量 権 を もつ こ とにな る(全 国S
況 に よ って は15∼20%ぐ
AFER連
可 能性 が あ るが 、 その ことに よ って 、基本 的
盟 の事 務局長 で あ るR.BAun氏 の 発
言)(注13)。
AFERが
そ うだ とす る と、各 地域 のS
活動 が 、非農 業 目的 の土
度 で あ った ものが 、地 域 の状
らいに まで増 え る
には農 業 内部 の 公共機 関 と して のSAFER
採用 す る活動 方 針の あ り方 しだ い
で は、 そ の活動 内容(と くにSAFERが
性格や
の性 格 や機 能 が変 わ る もの とは考 え て いな い。
再
立法 の 精神 もそ れを前 提 と した もの であ る》
譲渡 す る土地 の用途 の 内訳)に 大 きな変 化 が
とい うので あ る。
出て くる こと も考 え られ な くはな いわ けで 、
第2に 、 の ち のⅣ(2)2)で
み る1990年 の
その点 が ど うな るかが 当然 に関 心 をひ こ う。
活動 結 果 も、 ま さ にその よ うなSAFERの
しか し、筆者 が これ まで に入 手 しえ た情 報 か
役割 の性 格 づ け を裏付 け る もの とな って い る。
らみ る限 り、実 際 のSAFERの
非農 業用 途 へ再 議 渡 され た土地 面積 の比率 は、
づ け は一
活 動 の方 向
少 な くと も当面 の と ころ は-法
全国 平均 で7.8%程
度 にす ぎず 、従 前 のそ の
文 だ けか ら形 式 的 に演繹 され るよ うな形 の も
比率 を さ して上 まわ る もの とはな って いな い
の にな って い ない とい って よ い。
か らで あ る(詳 細 は後 述す る)
す な わ ち、 第1に 、上 記 に よ うな疑問 を抱
また、 第3に 、 《SAFERの
い た筆 者 は、1990年11月 にパ リのSCAFR
(SAFERの
土 地活 動 は、
あ くまで 当該 地 域 にお け る農 業 構造 の改 善 へ
の 寄与 と い う点 を 中 核 にお きつ っ 遂 行 さ れ
活 動 を統 括す る中央機 関 で、
113
る》 とい う考 え方 は、 各地 域 のSAFERの
県)の 意 向、利 害 を無視 して 行動 す る ことは
基本 理 念 と して変 わ る こ とな く維 持 されて い
基本 的 に はあ りえ ない と考 え られ て い る。 こ
る。 た とえ ば 、前 述 した優 先 順位 の定 め の消
の うち、 と くに地域 自治 体 との関 係 につ いて
去 が もつ 意 味 を 重 視 す る 前 出 のR.ボ ォー
は、 ま さにそ の連携 ・協 同 をよ りよ く確 保 す
も、 その こ とを認 め た うえ で 、
るた めの制 度 的仕組 みが 今回 の改 正 の なか に
《
農 業 構造 の 改善 を成 功 させ るため に は、 非
盛 り込 まれ て い る(改 正 され た1960年 法 の15
農 業用 の土地 の使 用を も考 慮 に入 れ て、 「土
条11項)。 そ の具体 的 内容 は、次 の(2)で 詳
地整 備 につ い ての よ りグ ローバ ルな ヴ ィ ジ ョ
論 しよ う。 他方 、地 域の 農業 者 の意 向や 利 害
ン」 を もって行 動 す る こ とが 必要 で あ り、 上
の反 映 とい う点 につ いて は、 さ きのボ ォー氏
記 の改正 はま さ にそれ を や り くりす る意味 を
は、 む しろSAFERこ
もって い る》 と述べ て い るの で あ る(注14)。
て地 域 農業 の利 益 を代表 す る機関 とな り うる
実 際 、そ こで も指 摘 され て い る よ うに、 フ
の だ とい う、次 の よ うな興味 深 い指 摘 を行 っ
(BAUD)氏
ラ ンスで も地 域 に よ って は、後 継 者 のな い老
そが 自治 体 に もま し
て い る。
す な わ ち、 氏 によれば 、農 業人 口の減 少 ・
齢農業 者 が大 量 の農地 を放 出 して もそのす べ
てが 他 の農業 者 に よ って取 得 ・利 用 されえ ず、
流 出 に伴 って 、農村 部の 地方 自治 体 で も、農
条 件 の悪 い土 地 は農業 用の 利 用か ら離脱 した
業者 の 声が そ の議会 や執 行部 に反 映 され る度
状態 で残 され る とい う状 況-先
に もふれ た
"deprisedesterresagricoles"と
呼ば れ
合 い は年 々低下 す る一方 に あ る。 市町村 議 会
る状 況-が
て い る。 しか し、農 村部 の 「土地 管 理」(la
にお け る農 業者 代 表の議 員の数 も減 少 して き
か な り広 範 に 生 じて きて い る
(注15)。 そ のよ うな 事態 を考 慮 すれ ば、 確
か にSAFERが
gestiondufoncier)に
つ いて は 当然 に、 全
、 農村 の土地 整備 に関す る
国 レベ ルの 組織 を も含 めた農 業者 の声 を反 映
よ り広 い視野 と ヴ ィジ ョンを もって、 それ ら
させ 続 け るこ とが必 要で あ り、 「その た めの
の農 業 的利用 か ら離脱 して い く農 地の 農業外
適 切 な 機構 を 用意 しな けれ ばな らな い」 。 全
での 使用 方法(た とえ は再 植 林、 狩猟 用地 、
国 な らび に地域 レベル の農業 関係 の機 関 ・団
キ ャ ンプ用地 な ど)を 積 極 的 に方 向づ けて い
体 の 意 向 を土地 管理 に反 映 させ る組 織構 造 を
くことは有意 義 な ことで あ ろ う。 わが 国で も
も ったSAFERは
これ に類 似す る議論 が登 場 して きて い るこ と
あ り、 「ま さに この点が 、法 第15条 の最 も基
は、 周知 の ところか と思わ れ る。
本 的 な点 をな して い るので あ る」(注16)。
そ の よ うな機 構の一 つ で
5)最 後 に、上 の4)で
さ らに第4に 、今後 にお いて も、SAFE
Rが 地 域 の農 業 者 や 自治 体(と くに市 町村 や
の指 摘 を補 完す る
ため に、 この 領域 でのSAFERの
114
具体 的 な
活 動例 を示 して お こ う(注17)。
また、民 間会 社 との特 別 の協 定 に基 づ く興
(イ)ま ず 、最 も問題 とな りそ うな 「
農村開
味 あ る活動 と して 、 ヴ ォ― ジ ュ山地 中の飲 料
発 」 にか か わ る領域 で は、 市 町村が 「
農村開
水販売 会社(EauxdeVittelの
発 」の た めに、 た とえ ば一 定 の区域 の農 地 の
要望 に応 じた ものが あ る。 す なわ ち、 水源 の
開 発 ・分 譲 事業(わ が 国 の土地 区画 整 理事 業
周 囲の農地 が 集約 的 な農 業 活動 によ って汚 染
に相 当す るよ うな 事業 と して 、 フラ ンス に も
され る ことを避 け るた め に、SAFERは
「分画 事業 」=10tissementと
呼 ばれ る事 業
販売 会 社)の
、
相 当の広が りを もった一 定 の 区域 内 の農 業者
が あ る)を 実施 しよ うとす る場 合 に、SAF
で集 約的 な農 業生 産 の継 続 を希 望 す る者 に対
ERが
して は、 交換 や再 譲 渡等 に よ りその 区域外 に
その事 業主 体 とな り うるの か ど うか 、
とい う問題 が あ る。 前記 の ボ ォー氏 に よれ ば、
適切 な農 業経 営 を提 供 して移転 させ る事業 を
SAFERは
行 った。 そ の移 転後 の農 地 は、 い ったんSA
、周 辺 の農 業経 営の 土地 構造 や
将 来 の農 業的 土地 利 用 との調 整 のあ り方 を十
FERが
分 に考 慮 しなが ら、農 地 の交 換、 取得 、土 地
譲渡 されて い る。 そ して その うえ で、 それ ら
構 造 の再 編 ・集 団化 等 を行 うと ともに、 市 町
の農 地 は、SAFERと
村 に対 して適 切 な位 置 の農地 を提 供 ・再譲 渡
間 で事 前 に締 結 され た 合意 に従 って、 水源 の
す る とい う仕 事 は 引 き受 け るけれ ど も、 「土
汚 染 を もた ら さな い よ うな一 定 の 厳 格 な 経
地 活 動機 関」 と してSAFERの
営 ・耕 作条 件を 守 る ことを約 束す る農 業者 に
任 務(meti
er)は そ こまで で あ って、SAFER自
らが
取得 したの ち に上 記 の民 間会 社 に再
上 記 の民 間会 社 との
対 して 、通 常 の場合 よ り も格 安 の小作 料 で賃
そ の開発 事 業 の事 業主体(「 分 画事 業者 」)
貸 され たの で あ る。 フラ ンスの農 地賃 貸借 権
とな る ことは あ りえ ない と され て い る。
は特別 法(「 小 作 関係 規 則」)に よ り極 め て
(ロ)次 に、 「自然 およ び環境 の保 護」 に関
強力 に保護 され て い るこ とが 当然 の 前提 で あ
す る領域 で は 、す で に幾つ か の実 際の活 動 例
るが 、SAFERの
が報 告 され て い る。 た とえば、 プ ロヴ ァ ンス
白 い事 例 とい え よ う。
のSAFERが
環 境省 との間 で特定 の ビオ ト
(注7)ECや
ー プの 保 護 に 関 す る協 定 を締 結 し、 「保 護
区」(reservesdeprotection)の
新 しい土 地活 動 と して面
フ ラ ン ス の
策 」 に っ い て は 、 前 出 注6の
同 ① 論 文414頁
創設を 目
以 下 、475-476頁
せ よ 。 ま た 、 と く にECに
的 と した土 地取 得 を進 めて い るの は、 そ の一
純 孝「EC農
つ の典 型 的な 例で あ る。 同様 の協 定 に基づ く
展 開一
活動 は、 「
海 岸保 存事 業 団」 との 間で も行 わ
れ て い る。
以 下、
な ど を参 照
っ いて は 、 ③ 原 田
政 の転 換 と農業 社会 構 造政 策 の
農 業 の 多 面 的 価 値 づ け と新 しい 政 策
論 理 の 形 成 を 中 心 に し て-」(「
社会 科 学
研 究 」43巻6号
以下 とそ
、1992年3月)52頁
の 続 稿 も参 考 に な る。
115
「農 村 開 発 政
② 論 文46頁
(注8)こ
注6の
① 論 文415頁
-27頁
に、 同地 域 内 の人 口2,000人 未満 の 町村 に対
の 問 題 の 詳 細 に っ い て は 、 前 出
、50頁
論 文35頁
、440-441頁
以 下 、67-68頁
、43頁
、 ② 論 文26
、 前 出 注7の
し、 「
技 術 的協 力」(concourstechnique)
③
な らびにそ の先買 権(町 村が もっ 先買 権)の
以 下 等 を 参 照 せ よ 。
代位 行使 を な しうる こ ととされて いた(1960
(注9)SAFER-Missions-Moyensd'acti0n,
RevuedeDroitRural,nol90fevrier1991,
p.xn.ま
た 、 前 出 注3の
年法15条 の 旧3項)。
拙 稿18頁
定を一 般 的 な規定 に改 めて、 この領 域 で のS
(注10)LeredeploiemuntdesSAFER,op.
cit.,p.38、
今 回 の改正 は、 この規
参 照0
お よ び 、SCAFR-FNSAFER,Les
AFERの
活 動範 囲 を大幅 に拡張 して い る。
iiouveauxtexteslegislaifsconcernantLes
す なわ ち、 今後 に お いて はSAFERは
S.A.F.E.R.,1e31janvierl990,p.2.
、
① すべ て の 「
地 域 的公 共団 体 お よびそ れ に由
(注11)SCAFR-FNSAFER,Lesnouveauxte
xtesIegislatifsc0ncernantlesS.A.F.E.
来 す る公 の施設 」 に対 して 、② 「
土 地 関係事
R.,OP,cit.,P今2.
そ の 保 有 地 を
業 の実 施、 お よび と くに、 それ らの 公共 団体
再 譲 渡 す る 場 合 に は 、 そ の 土 地 が 所 在 す る 市
また は公 の施設 が その 資格 に おいて 有す る先
(注12)な
お 、SAFERが
町 村 の 庁 舎 お よ び 地 方 新 聞 に お い て 事 前 に 公
示(広
告)を
買権 の行 使 の ため に、技 術 的協 力を供 与 す る
行 い 、 買 受 希 望 者 を 募 る と い う
こ とが で き る」(同15条8項)。
手 続 きが 行 わ れ る 。
(注13)LeredeploiementdesSAFER,op.
この うち①
の点 が、 この活 動の 大幅 な拡 張 ・一般 化 を意
cit.,P.38.
味す る ことは い うまで もな いが、 同 時 に、②
(注14)Ibid.,p.38.
(注15)こ
oles"と
の点 の うちの 「
土 地 関係 事業(operations
の"deprisedesterresagric
呼 ば れ る状 況 の 背 景 や 意 味 、 な ら び
foncieres)の 実施 」 とい う 目的 も、従 来 の も
に そ れ へ の 政 策 的 対 処 の 方 向 の 特 徴 な ど に っ
い て は 、 前 出 注6の
① 論 文441-443頁
の(「 町村 土 地整 備」)よ り拡 張 され て い る。
を 参 照
その意 味 で は、SAFERは
さ れ た い 。
(注16)LeredeploiementdesSAFER,op.
共 団体(州 、 県、 市 町村 や それ に由来 す る公
cit.,P.38.
(注17)以
下 は 、ibid.,p.40の
の施 設 。許 可 設 立の土 地 組合等 も含 まれ る)
ボ ォ ー 氏 の
発 言 に よ る 。
(3)地
が行 う公共 ・公益 的 な諸事 業 や土地 活動 の 実
施 の ため に、 その人 員 とノ ウ ・ハ ウを もって、
方 公 共 団 体 へ の 「技 術 的 協 力 」 と連
広 く協 力 ・関与 す る ことが で きるよ うに な っ
携 の強 化
1)地
法(前
③ 「
技 術 的協 力」 の 具体 例 と して は、 公共
掲 の 「山 岳 地 域 の 開 発 と
保 護 に 関 す る法 律 」)に
FERは
た ので あ る。
方 公 共 団 体 へ の 「技 術 的 協 力 」
1985年1月
、各 種 の地 方 公
団体 に よ る土 地 取得 の援 助(任 意 取得 と先買
よ る 改 正 以 来 、SA
取 得 の双 方 を含 む)、 事 業 の遂行 に必 要な さ
、 山 岳 地 域 の 「町 村 土 地 整 備 」(am
eiiagementfoncierc0mmunal)の
ま ざま な調査 研 究の 実施 などが あ げ られ て い
促進 の た め
116
るが 、そ の内容 はか な り広 い範 囲 に及 び う る
ら存在 す る 「
長 期 整備 区域 」-ZADの
と考 え られ て い る(注18)。
権 、1985年7月18日 の法 律 第729号 で新 た に
また,こ の新規
先買
定の適 用 のた め に発布 され た1990年12月3日
創 設 され た 「市街地 先 買権」=DPU(既
の デ ク レ第1076号 の 規定 か らみ る と、SAF
市 街地 縁辺 部 の開発 用地 の取 得 もそ の対 象 と
ERが
な る)、 公益 的都 市施設 と して の 正 確 を もつ
固有 の 立 場 で取 得 した土 地 を上 記 の
「
土地 関係 事業 の 実施 」 の た め に譲 り渡 す こ
「家庭 菜 園」(jardinsfamiliaux)の
成
開設 の
と自体 も、 この 「協 力」 の 重要 な一 部 とみ な
ため の先 買権(農 事 法典561-1条 以 下)な ど
され てい る(注19)。
が あ る(注20)。
もっと も、 このSAFERの
「
協 力」 は 、
市町村 等 は、 必要 に 応 じて
これ らの先買 権の行 使 を 「専門 的土 地 活 動 機
地 方公 共 団体等 の 側 か らの 要請 が あ る ことを
関 」 と してのSAFERに
前提 に して考 え られ て い る。 その 意味で は 、
の が 、上 記の 改正 の趣 旨で あ る。
この規 定 は正確 に は、"地 方公 共 団体 に対 し
て開 かれ た、SAFERの
委託 で き る とい う
ま た、 これ らの先 買権 を代 位 行使 して取 得
新 しい機能"と い
した土 地 は もとよ り、 「
技術 的 協 力 」 の名 の
うべ き もので あ る。 しか し、土 地 関係事 業 の
もとに任意 売買 で取 得 した土 地 も、 直接 に公
実施」 が、 土地 取 得 の実 現 を は じめ さまざ ま
共 団体 等 に帰属 す るこ とにな るか ら、SAF
な困難 を伴 うの は フ ラ ンスで も同 様で あ るか
ERの
ら、県 等 に と って は もとよ り、 概 して規 模 が
半 に お け るス トックの累 積がSAFERの
非 常 に小 さい フラ ンス の 市町村 に とっては 、
営 難 の最大 の要 因 のひ とつ とな って きた こ と
広 くSAFERの
協 力 を期 待で き るよ うに な
を 考 え る と、 この よ うに 自己の 土地 ス トッ ク
った ことは実 際上 で もか な り重 要 な意義 を も
を 増大 させ る ことな くその活 動 範 囲 を拡張 で
つ もの とな るで あ ろ う。
き るよ うにな った こと も、SAFERの
な お、④ 「
地 域 的 公共 団 体や そ の公 の施設
が 有す る先 買樹
土地 ス トックを構 成 しない。80年 代 前
経
今後
の経 営 に と って はか な り大 きな メ リッ トを与
とい うの は、 地方 公共 団体
え る もの であ る。
等 が他 の個 別 の立 法 に よ って付 与 されて い る
2)地 方 公共 団体 との連携 の 強化
先 買権 の ことを指 す 。 フラ ンスで は、 と くに
次 に、 この よ うに地方 公共 団 体 との協力 関
1960年 代以 来、 土 地 問題 へ の対 処-な
かん
係 が大 幅 に拡張 され た こ とに対 応 して 、SA
ず く公 共 ・公益 用 地 の先 行取 得 の実 現 と土 地
FERと
投 機へ の対処-を
目的 と して 先 買権 の制度
り方 につ いて も、 その強化 を図 るた めの改 正
が広 く利 用 され て きて い るが、 こ こで問題 と
が 同 時 に行 われ て い る。 この こ とは、 の ちの
な り うる先 買権 と して は、 た とえ ば、早 くか
(3)で述 べ る権 限 ・活 動領域 との 関係 か らい っ
117
地 方公 共団 体 との日 常 的 な連 携の あ
て も、 また必 要 な こ とといえ よ う。
事 会 の構成 員 の総数 を例 外的 に引 き上 げ るこ
まず、 すべ て の公 共団体 がSAFER
とを認 め る とい う形 で 、利害 の調 節を 図 って
に資本 出 資を す る こ とが で き る とい う従前 か
い る。 具体 的 に は、 通常 の株式 会 社で は取締
らの原 則 は、 改正 され た1960年 法 第15条 の1
役会(SAFERに
項 中で そ の ま ま維持 され 、確 認 されて い る。
した もの と同 じもの)の 構成 員数 は12人 まで
この原 則 は、 「
農村 土 地整 備」 の 制度 を整 備
に制限 され て い るの を、株 式 会社 の形 態 を と
す る と同 時 にそれへ のSAFERの
るSAFERに
①
を 拡 張 した1985年12月31日
関 与権 限
つ いて は 「
理 事会 」 と訳
つ いて は と くに定款 で18人 に
まで引 き上 げ られ るよ うに した のであ る(新
の法 律 第1946号
15条 の10項)。 この例 外 措置 を活用 す れ ば、
(以下 、1985年12月 法 と呼 ぶ)で 導 入 され た
もので あ った(1960年 法 第15条 の 旧2項)が
、
SAFERは
、従 来 の理事 の人 員構 成 を変 え
新 規 定 の もとで はよ り重 要 な、 当然 の 原則 と
るこ とな く、新 たに地 方 公共 団体 の代 表者 を
考 え られ たよ うで あ る。
所 定 の比 率 を満 たす ところ まで迎え い れ る こ
②
とが で きるわ けで あ る。
第2に 、よ り重要 な点 と して 、各 地域
のSAFERの
この よ うな改正 の経緯 か らみ る と、 この規
理 事 会の 構成 員 の少 な くと も
4分 の1は 、 当該 地 域 の地 方 公共 団体 の代表
定 は-と
一
者(州 、 県 お よび市 町村議 会 の代 表者)に よ
くにSAFERの
側 か らみ る と
単 な る 「地方 公共 団体 との連 携の強 化」
って 占め られ なけれ ば な らない ことが 規 定 さ
とい うこ と以 上の 意味 を もつ改 正 のよ うで あ
れ た(新15条 の10項)。 従 来 は単 に 「
県 議会
るが 、結果 的 に はSAFERの
の代 表者 を含 まな ければ な らな い」 とされて
際 に広 げ て い くうえで か な り重 要 な意味 を も
いた(旧15条 の7項 。1980年 法で 導入 され た
つ で あ ろ う。 ま た、 この よ うな強行 規定 が お
規 定)の に対 して、代 表者 を 送 りこめ る地方
か れ た こ とによ り、SAFERが
公 共 団体 の範 囲 を拡大 す る と同時 に、 その最
って きた公 共 的性 格が一 層 強 ま る とみ られ る
低 限 の比 率 を法文 上で 明定 したの で あ る。
こ とに も注意 して お きた い。
この改 正 は、議会 で の修 正 に よ る もの で、
SAFERの
活動 範 囲を実
従 来か らも
(注18)LeredeploiementdesSAFER,
権 限 の大 幅 な拡 張を認 め る代 わ
op.clt.,p.38;SCAFR-FNSAFER,Les
nouveauxtextes1egislatifsconcernant
りに地 方公 共 団体 に よ るコ ン トロール の余 地
lesS.A.F.E.R.,op.cit.,P.2.
を増 大 す るこ とを意 図 して い た。 ただ 、 それ
だ けだ とSAFERの
(注19)こ
の デ ク レ は 、 山 岳 地 域 の 小 規 模
な 市 町 村 に 対 す るSAFERの
側 に と って は従 来 の理
条 件 を 定 め て い た1986年1月10日
事会 構 成 のあ り方 を全体 的 に見 な お さな けれ
51号
ば な らな くな るとい う問題が 生 ず るの で、理
の デ ク レ第
を 、 一 般 的 に 適 用 で き る よ うに 改 正 した
も の で あ る が 、 改 正 さ れ た86年
118
技 術 的 協 力 の
の デ ク レの 第
の で あ る。 た だ、 そ こにい う 「
協 約 」 は、 旧
1条 に は 、 地 域 的 公 共 団 体 等 へ の 土 地 の 再 譲
渡 の 条 件 が 定 め られ て い る 。 な お 、 そ の 再 譲
規 定の 文言 で は、SAFERと
その認 可 権者
渡 の 対 象 と な る土 地 が 一 定 の 価 額 を 上 回 る と
た る国 との間 の 「協約 」 を指 してい たが 、新
きには、 事前 に政 府委 員 の承認 を 得 な けれ ば
な らな い と さ れ て い る こ と も 、 こ こ で あ わ せ
規 定の も とで は、 必ず しもそれ に限 られ る こ
て 指 摘 して お こ う 。
(注20)ZADお
よ びDPUの
とな く、州 、 県、 市町 村等 との 間の 「
協 約」
先 買権 は 、
い ず れ も 都 市 計 画 ・都 市 整 備 事 業 制 度 上 の も
に基づ く活 動 も認 め られ るこ とにな るの で は
ので あ る。
ないか と思 わ れ る。
ま た、
「家 庭 菜 園 」 の 開 設 の た め の 先 買 権 に
つ い て は 、 前 出 注6の
① 論 文469頁
ま た、 この規 定 の意 義 につ い ては 、同 項 に
以下 を 参
いう 「
農 事 法典 第1条 に定 め る農 村土 地 整備
照 せ よ。
の諸 事 業」 が きわ めて 広 い範 囲 に及ん で い る
(3)「 農村 土地 整備 」 に関 す る権 限 の確認
こ とに注意 してお く必 要が あ る。 す なわ ち、
と拡 張
85年12月 法 で 改 正 され た 同 法 典 第1条
1)「 農村 土地 整備 」へ の関与 ・協 力
は、
「
農 村土 地 整備 」 の 目的 と して、(イ)「 農 用
農 村 の土地 整 備事 業 に対 す るSAFERの
地 また は林 地 の利活 用(lamiseenvaleur)
関与 ・協 力 の権 限 は、 「
農 村 土地 整 備」(am
と経 営条 件 の改 善 に寄 与す る こと」(1項)
enagementfoncierrural)制
度 の再 編 ・整 備
と、(ロ)「 第三 者 に対 す る対抗 力 を もつ都 市
を行 った1985年12月 法(前 掲)に よ って、 す
計 画文 書 によ って定 め られ た 市町村 領 域 の整
で に広 く承認 され るに至 ってい たが 、90年 法
備 に寄与 す る こと」(2項)と
は、 そ れを さ らに一般 的 な形 で拡 張 して い る。
そ のた め に適用 可能 な事 業 手続 きの種 類 ・態
す なわ ち、今 後 にお いて はSAFERは
様 と して は、a)「
、①
を掲 げた うえ 、
土地 再編 事 業」 、b)
枠 内 にお いて 、農 事法
「
交 換分 合 事業 」 また は 「交換 分合 ・整備 事
典 第1条 に定 め る 「
農 村土 地 整備 」 の諸 事 業
業」(後 者 は、 市街 地 の開発 ・整備 と農 用 地
に協 力 で きるだ けで な く(1960年 法15条 の新
整備 とを一体 的 に行 うた めの事 業手 続 きで あ
4項)、
る)、c)「
協 約(convention)の
②土 地整 備 また は土地 の 利活 用(1a
miseenvaleur)に
関す るす べて の調 査 研 究
の2)で
農 事不 動産 交換 事 業」 、d)次
ふ れ る不 耕 作地 等 の活 用 ・利 用増 進
を 第三 者 の ため に行 い、 かつ その 工事 の 実施
事業 な どの 、全 部で7つ の事 業 を列 挙 して い
に参加 す る ことが で きる(同3項)。
るので あ る(3項)。
この うち① の点 は、 上記 の85年12月 法 で す
で に認 め られ て いた原 則(旧15条1項
他 方、② の点 は、新 た に明文化 され た規 定
の 末尾)
で あ る。上 記 の① の点 に関す る旧規 定 の もと
を 、若 干表 現 を変 え てあ らためて 確認 した も
で も、SAFERが
119
第三 者の た め に土 地 整 備
事 業等 の調 査 研 究を行 った り、 その工 事 の実
って、 「
不 耕作 地 また は明 らか に低利 用 の土
施 に参 加 す る こ とは、事実 上 行わ れて い たよ
地(terresincultesoumanifestementsou
うで あ るが、SAFERの
その よ うな活動 は
s-exploitees)の 利 用増 進の ため に介 入 す る
農 事法 典 第5条 の1の 規定 に違反す るので は
こ とが で きる(1960年 法 第15条 の8項 後段)。
ないか 、 とい う疑 義 が しば しば提起 されて い
この規 定 は、 山岳地域 の開発 と保 護 に関 す る
た。 とい うの は、同条 によれ ば、主 要 な農 事
1985年1月 法(前 掲)に よ る改 正 です で に設
の土 地 整 備事 業 の 「
準 備 お よび施行 」(prep
け られ て い た条 項(同 条 旧3項 の 後段)を 確
arationetexecution)は
、 市町村 また は市
認 しただ けの もので あ るが、 そ こで 問題 とさ
町村 間 土地 整 備委 員会 の管 轄 の もとで 、特 別
れ て い る不 耕 作 ・遊 休地 等の利 用 増進 に関す
の資格 を もつ 「
測 量技 師」(geometre)に
よ
る フラ ンスの特 別制度 につ いて は、 まだ ま と
って な され るべ きもの とされ て いたか らで あ
ま った 紹介 が な され て いな いので 、多 少 の前
る。 そ こで、 この点 に関す る疑 義 を解 消す る
提 的な こ とが らも含 め た解 説 を行 って お こう。
ため に、90年 法 の 審議 に際 してFNSAFE
わが 国 の 中 山間地域等 にお ける現 下 の問題 状
R(全
況 か らみて も、 参考 に なる と ころが あ るので
国SAFER連
盟)は 、測 量 技 師団体
との意 見調 整 を行 った うえ で、上 記 の② の規
は ない か と思わ れ る。
定 を議 員提 出 の修 正 とい う形 で挿 入 させ た の
①
フラ ンスに は以 前 か ら、 不 耕作地 や遊
で あ る。法 文 上で 「
農事 法典 第5条 の1の 規
休 農 地 等 の利 用 増進 を図 るた めの 特別 制度 が
定 を留保 して」 とい う文 言 が おかれ て い るの
存 在 して いたが 、上記 の85年1月 法 は、 その
はその た めで あ るが、 ここで もまた 、SAF
関係 規 定(農 事 法典第39条 以下)を 全面 的 に
ERの
改 正 して、 そ の制度 の大 幅な整 備 ・強 化 を行
権 能 が拡 張 され てい るこ とは間違 い な
った。 山岳地 域 その他 の条 件不 利 地域 等 を中
い。
なお 、以上 の① 、② の活動 に関 して も、S
AFERの
保 有 す る土地 ス トックが―
心 に して耕作 放 棄地 や遊 休農地 の 発生 が 目立
場合
つ な どの、 前述 した"deprisedesterres
によ り交 換 や再 譲渡 等 の手続 きを も介 在 させ
agricoIes"と
なが ら― 大 きな積 極的 な意 義 を もち うるこ
の背 景 に あ る ことはい うまで もな い。 最終 的
とは い うまで もな い と ころで あ る。
に は第三 者 の ための経 営 権の設 定-第
三者
への 「
経 営許 可 」(autorisationd'exploit
2)不 耕作 ・遊休 地等 の利 用増 進 とSAF
ER
以 上 の ほか 、SAFERは
呼ば れ る問題状 況 の登 場が そ
er)の
付 与-ま
で を含 ん だそ の制度 は、
「農村 土 地整 備 」事業 の一 タイ プ と して位 置
、特 に 山岳地 域
づ け られ(前 述1)参
に おい て は、 農 事法典 第40条 の1の 規 定 に従
120
照)、 次 の よ うな2種
類 の手続 規定 か らな って い る。
合、 または、 当該 土地 が 約束 の 期間 内 に利 活
イ)個 人 の イニ シアチ ブに基づ く手 続 き
用 され ない場 合 に は、県 知事 はその ことをア
a)「
過去3年 以上 不耕 作 また は明 らか に
レテ によ つて 確認 し、 その 旨を所 有 者お よび
低利 用 の状態 にあ る、農 業用 また は放 牧用 の
上記a)の
利活 用が 可能 な地 片 」が あ る ときに は、す べ
請者 は、 「
利活 用 計 画」 を提 出 して 、 自己の
て の 自然 人 ま たは法 人 は、県知 事(正 確 に は、
経営 許可 の 申請 を再確 認 しな ければ な らない
県 にお け る国 の代 理 官)に 対 して その地 片 の
申請者 に通 知 す る。 その場 合、 申
(同7∼8項)。
経 営許可 を 申請 す る こ とがで きる。 「低利 用 」
d)そ
の うえで 県 知事 は、提 出 された 「
利
か否 か は、 「
近 隣 に所在 す る家族 的性 格 の農
活用 計画 」 に関 して 県 の農業 構造 委 員会 と土
業経 営 にお け る同様 の耕作 的 価値 を もつ地 片
地整 備委 員会 の意 見 を 聞 いたの ちに 、 当該 土
の経 営条 件 との比較 」 によ って判 断 され る。
地 の経営 許可-実
また、上 記 の 「3年 」 とい う期間 は、 山岳 地
設定一
域 で は 「2年 」 に短 縮 され る(農 事法 典39条
あ ると きは、 まず 新 た に 自立 す る農 業者 、次
1の1項)。
b)申
体 的 には、賃 借権 の 強制
を 申請者 に付 与 す る。 申請者 が複 数
に 「主 業 的 農 業 経 営 者 」 が 優 先 され る(注
請 を受 け た県知 事 は、所 定の 手続 き
21)。 経 営許 可 の付 与 に伴 う賃借条 件 につ い
に従 って 当該 土 地 の不耕作 また は低 利 用 の状
て土 地所 有者 と賃 借 人(経 営 許可 の取 得者)
態 とそ の所有 者 また は経 営権 者(賃 借 人等)
との間で 協議 が調 わ な い と きには、農 事賃 貸
を確 認 した うえ、所 有者 ま た は経 営権 者 に対
借 同数裁 判所 が その 条件 を決 定す る(同 Ⅱの
して利活 用す べ き 旨の催 告を 行 う。所 有者 ま
1項)。 経営 認可 の 取得 者が 遵守 す るべ き義
た は経営 権者 は、 その催 告の 通知 を受 けてか
務等 に関 す る規定 ももち ろん 用意 されて い る
ら2ヶ 月 内に、 一年 以 内に利 活用 を行 う こ と
が、 それ は ここで は省 略 しよ う。
を約 束す るか 、そ の土地 の経 営権 を補償 な し
ロ)県 知 事 また は県 議会 の イニ シア チ ブに基
に放 棄す るか の返答 を しな ければ な らな い。
づ く手続 き
この返答 を怠 った場 合 に は、経 営権 の 放棄 と
み な され る(同 条 Ⅱの1∼3項)。
a)基
本的 な考 え 方 はイ)の 場 合 と同様 で
ただ し、
あ るが、 この手続 きは、県議 会 の請 求 また は
当該 土地 が小 作 地 で、賃 借人 等が経 営権 を放
県知 事 自身 のイ ニ シア チ ブに基 づ いて、県 知
棄す る ときに は、所 有 者 は、 その土 地 を取 り
事が 県 の土地 整 備委 員会 に、不耕 作地 等(そ
戻 して 自作 す るか 、別 の賃借 人 に賃 貸 す る こ
の定 義 はイ)のa)と
と もで きる(同4項)。
用が 一般 的利 益 とな る区域」 の調 査 を命 じる
c)所
有者 も賃借 人 も経営権 を 放棄 す る場
同様 であ る)の
「
利活
こ とに よ つて 開始 され る。 同委員 会 の報告 に
121
基 づ き県 知事 は、 県議 会 お よび県 の農 業会 議
②
以上 の よ うに、不 耕 作地 や遊 休 ・低 利
所 の 意見 を 聞 い た うえ で、 不耕 作地 等 の 「
利
用 地 等の利 用 増進 のた めの 制度 は、 わが 国 の
活 用手 続 きが 実施 され るべ き界 域」 を ア レテ
類似 の制度 に比 べ る と格 段 に強 力か つ体 系的
によ って 決定 す る(農 事 法典40条 Ⅰの1項)。
な形 で 整備 され て い るが 、SAFERは
b)界
域 が 決定 され る と、 市町村 または市
、こ
こで も当然 に一 定の役 割 を担 う ことを期待 さ
町村 間土 地 整備 委 員 会が 、利 活用 が可 能 また
れ て い る。
は適 切 と判 断 され る土 地 の一 覧表 を作 成 し、
その一 つ は、す ぐ上 で述 べ た、 国や地 方 公
交換 分合 事業 の場 合 に準 じて所 有 者や経 営者
共 団体 等 が不 耕作地 等 の所 有権 を取 得 す る場
等の利 害 関係 人 の意 見を 聞 いたの ち に、 その
合 で、 実 際 には、 しば しばSAFERが
一 覧表 が 県知 事 の ア レテ によ って確 定 され る
。
その
利 活用 の方 策 を考 え る役 割 を まか され る こ と
その ア レテの 写 しは、 そ こに含 まれ る土地 の
にな る 催 事法 典42条 参 照)。 これ は、1960
所 有者及 び経 営権 者 に送 付 され 、上 記 イ)の
年法 以来 の 規定 であ る。
b)に
おける 「
利 活用 の催告 」 と同様 の効果
いま一 つ は、 前記 の85年1月 法 で整 備 され
を もつ ことに な る(同2∼6項)。
た山 岳地 域 にお け る特 例規 定 で あ り、上 記 ①
c)他 方 、 県 知 事 は、 その ア レテの 内容 を
の2つ の 手続 きに際 してSAFERが
自 ら経
所 定 の手続 き に従 って 公示 し、そ こに含 まれ
営 許可 を 申請 す る ことを認 めて い る(同40条
る土 地 につ いて の経 営 許可 の 申請者 を募 集す
の1の1項)。
る。 申請者 が あ った と きは、 その 旨が 当該 土
は、① の イ)、 ロ)の いず れの手 続 きに際 し
地 の所 有者 に通 知 され る(同7項)。
て もc)の
そ して、
そ のた め、 山岳地 域 に お いて
段 階で、SAFERに
経 営許 可 を
所有 者 も賃借 人 も経営 権 を放 棄す る場 合、 ま
申請 す る意 図が あ るか否 かを 問 い合 わせ る通
た は、 当該土 地 が イ)のb)に
知が な され るよ うにな って い る(同39条
おけ るの と同
様の期 間 内 に利 活用 され な い場 合 に は、 イ)
のc)、d)と
の8項 、40条1の7項)。
ほぼ同 様 の手続 きに従 って、
た だ、SAFERが
申請 者 に対 す る経 営 許 可 の 付 与 が 行 われ る
(同条 Ⅱの1∼3項)。
Ⅰの
自 らそ の土地 を経 営す
る こ とはで きな いか ら、SAFERは
また、 この ロ)の 手
、所 要
の整 備を加 え た うえで その土 地 の経 営権(賃
続 きの場 合 に は、 そ の ほか に も、国 、地方 公
借権)を 、 最長 で も10年 までの 期 間内 に しか
共 団体お よび その 公 の施設 が それ らの土地 を
るべ き農 業者 一
取得 し(収 用 も可能)、 その処 理 をSAFE
者 、第2次 的 に は 「主業 的農 業経 営者 」一
Rに 委ね る とい う方 法 も認 め られ てい る(同
に譲渡 また は転貸 しな ければ な らない(同40
条 Ⅱ)。
条 の1の3、4項)。
122
第1次 的 に は 自立 す る農業
も し適 当 な候補 者 が見
つ か らなか った場 合 には、SAFERが
当該
って転 貸 す る こ とを特 例 と して認 め た もの で
土地 の経 営 権を そ れ以上 の 期 間に わ た って保
あ る(1960年 法 に第18条 の1を 追 加)。 制度
有 しつづ け る ことを避 け るた め に、 その経営
の仕 組 み は 、以下 の よ うで あ る。
権 は公 共団 体 に譲渡 され、 公共 団体 が 最終 的
①SAFERは
な経営 者 を捜す こ とにな る。 したが って、S
AFERが
、賃貸 されて いな い農 事
資産 の所 有 者か ら自立下 限面積=SMⅠ
自 ら経 営許 可 を受 け るた めに は、
の2
倍 までの農 事不動 産 の管理 を、地 片 整備 また
あ らか じめ公共 団 体 との 間で その 旨の合意 を
は農 業的 利 活用 の ため に、個 別的 な 「
合意」
取 りつ けてお くこ とが 必要 と され て い る(同
(convention)に 基 づ いて受 託す る こ とが で
40条 の1の2項)。
(注21)農
業 経 営 者 と して の
「自 立 」 と か 、
「主 業 的 農 業 者 」 と い う 概 念 の も つ 意 味 に っ
い て は 、 前 出 注6の
き る。 この 所 有者 との 間 の 「合 意 」 な い し
"管理委 託 契約"は
、通常 の農事 賃 貸借 とは
ま った く別 の もの とされ(し たが って 、小 作
① 、② 論 文の 関係 箇所 を
関係 規則 の 適 用を一 切除外 され る)、 その 存
参 照 さ れ た い。
続 期 間 は6年 以 内で 、一度 だけ 更新 す る こと
Ⅱ
を許 され る(同18条 の1第1項)。
農 業経 営 の構造 改 善 にか かわ る諸活 動
AFERへ
さて、 次 に、農 業経 営 の構 造 改善 にか かわ
るSAFERの
SAFERが
活 動 内容 を みて み よ う。 この
の この農 事 資産 の管理 委 託契 約 も、
関与す る他 の農 地取 引 と同様 に、
印紙 税 、登 録税 および 取引高 税 を免 除 され て
局面 で は、転 貸借 を通 じる農 用地 の利用増 進
い る(同18条 の1第4項
の ため の新 た な権 限 を付 与 され た ことが 重要
で あ るが 、従 来 か らのSAFERの
な お、S
。全 体 と して の税 制
上 の 取 扱 い に つ い て は 、 後 述(2)2)③
固有 の活
参
照)。
動領 域 につ いて も若 干 の制 度改 正が 行 われ て
こ こで 「自立下 限面積 」(surfacemminim皿l
い る。
d'installati0n)と
(1)SAFERに
資料 」 の注2に も記 した よ うに、 いわ ば"存
よ る農 地 の受託 と転 貸手
続可 能 な経 営 の最低 面 積水 準"を 示す もの と
続 きの特 例
して、従 来 か らフラ ンスの 構造 政策 上 で用 い
1)制 度 の概 要
られて きた基 礎 的な面 積単位 で あ る。 そ の絶
この 制度 は、先 に もふ れ た よ うにSAFE
Rの 新 しい活動 領域 と して 新設 され た もの で、
引退 す る農 業 者等 か らSAFERが
い うの は、後 掲 「
参考
対値 は、各 地 域 の平均 的 な経 営 規模 に ほぼ相
応 して お り、 た とえば 、 《新 た に 自立 す る青
農 事資産
年農 業 者が 「自立 助成 金」=DJAと
の預 託 を受 け、 それを 他 の適 当 な農業 者 に、
い う特
別 の補 助金 を 受給 す るた めに、 は この 「自立
小作 関 係規 則 の適 用を 除外 され る賃貸 借 に よ
123
下 限 面積 」 を上 回 る規模 の経 営 を保 有 しな け
を除去 して 管理 委 託を しや す くす る こ とに あ
れ ば な らな い》 とい うよ うな形 で利 用 され て
り、 それ もま た、 この 制度 に期待 され る機能
きた(1988年 の改正 前 の 自立 助成 制度 の場合 。
の 内容 と結 びつ い て い る(後 述2)参
た だ し、 第2に 、 その ことが 同 時 に、賃 貸
以 後 の制 度 で は、所 得基 準 に変 わ って い る)。
したが って 、 こ こで 、個別 の所 有 者がSA
FERに
照)。
人(転 貸人)た るSAFERの
管理 委託 をな し うる農地 面積 につ い
負担 を軽 くす
る意味 を もってい る ことに も注 意 を要 しよ う。
て 「自立 下 限面 積 の2倍 まで 」 とい う制度が
た とえ ば、 契約 締結 時 にその施 行 と費用償 還
付 され て いる の は、 この管理 委 託の対 象 と し
の 合意 を して いな い改 良行 為 を賃借 人が 実施
て念 頭 にお か れて い る農 事資 産が 、 そ れだ け
して も、SAFERは
では十分に存続可能な経営を構成 しえない農
、契 約終 了 時 に賃 借人
に対 し何 ら補償 を す る義務 を負 わ な いで すむ
の で あ る(注23)。
事 資 産 であ る ことを意 味 して い る。1990年 法
の 「提案 理 由」 もその点 を 明確 に述べ てい た
③
(注22)。 この こ とは 、 この 新制 度 に期 待 さ
た だ し、 この賃貸 借(転 貸借)の 期間
は、 いずれ にせ よ 、SAFERへ
の管理 委託
れ て い る機能 の内容 と も密接 にか か わ って い
の最 長期 間 で あ る12年 を超 え るこ とはで きな
るの で、 あ らか じめ注意 を喚起 して お きた い。
いか ら(上 記 の① 参照)、 地主 が その期 間 を
②
ERは
管 理委 託 を受 け てい る期間 中 、SAF
超 えて 貸 し付 け る こ とを望 む場 合 に は、小 作
、 この農 事資 産 を、必要 な整備 ・改良
関係 規 則の適 用 を受 け る通 常 の賃貸 借 一
す
なわ ち、地 主 と賃借 人 との間 の直接 的 な賃貸
を 施 した うえで 自 ら捜 しだ した賃 借人 に賃 貸
(転貸)す る ことにな るが、 この 賃貸 借 につ
借契 約 関係一
に 移行 す るこ とが不 可避 とな
いて は、小 作 料 の規 制 を除 いて小 作関 係 規則
る。 そ して 、 この 点 に関 し、新 設 され た1960
の 適 用が 除外 され る。 したが って、 その賃 貸
年法 第18条 の1の 第3項 は、 「その賃貸 借 の
借(転 貸借)の 存 続 期 間や更新 等 につ いての
期 間が6年 を超 え る ときは、所 有 者 は、 そ の
法 規 制 は一 切 存在 せ ず、 フラ ンスで は きわめ
賃貸 借 の期 間満 了 時 に、既 存 の賃 借人 に同 じ
て 重要 な意 味 を もつ 賃借 人の 改良 施行 権 と有
条件(具 体 的 に は同 じ小作 料 ←
益 費 の償 還 に関 す る ことが らも、 賃貸 時 の合
入)で 賃 貸 す るこ とを あ らか じめ提案 した の
意 の 中で 個別 的 に決 定 され る こ とに な る(同
ちで なけれ ば」 、 当該 農事 資産 を第三者 に賃
18条 の1第2項)。
貸す る ことがで きな い と定 めて い る。 これ を
この よ うに、SAFERが
行 う転貸 借 を小
引用 者挿
具体 的 にパ ラ フ レイ ズ して いえ ば、次 の よ う
作 関係 規則 の枠外 にお いた理 由 は、第1に は、
にな ろ う。
まず 、(イ)SAFERを
取 戻 しの可 能 性 につ いて の所有 者 の側 の不 安
124
介 す る賃貸借(転
貸借)の 期間 が6年 未満 の場 合 に は、所 有 者
よ うな制度 を 新 た に用 意 した理 由、 目的 はど
は 自由にその 土地 を取 り戻 す ことが で きる。
の よ うな もの で あ ろ うか。1990年 法 の 「
提案
この場合 には、 その後 に第 三者 に―
理 由」 は、そ れ を次 の よ うに述 べて い る(前
係 規則 の適用 の もとで-賃
小作関
貸 す る こと も自
出注22参 照)。
「
現 状 にお い て は、SAFERは
由で あ る。
しか し、(ロ)そ の期 間が6年 を超 え た場 合
には、所 有者 は、a)取
、賃 貸借
につ い て は 限 られ た役 割 しか 有 して い な い
り戻 して 自 ら自作 す
(再譲 渡前 の ス トックと して の保 有 期 間中 に
前か らの賃借 人 が
おけ る暫定 的 な賃 貸 のみ)。 しか し、 と りわ
耕 作の継 続 を望む 限 り、第 三者 に賃 貸 す る 自
け生産 性 が低 く、 しか も、細分 化 され た地片
由を制約 され、従前 か らの 賃借 人 に同一 の 条
構 造が 追加 的 な ハ ンデ ィキ ャ ップを な して い
件一
るよ うな諸 地 域 にお いて は、退職 年 金 を受給
る こ とはで きるが 、b)従
す なわち、 同一 の小 作料 額〒
の
で、 小
つ
作 関係 規則 の適用 を受 け る通常 の農 事賃 貸 借
して離 農す る農業 者が 放 出す る農 地 が、 完全
と して賃 貸 し続 け るこ とを 強制 され る。c)
には売 買 や賃 貸借 を通 じて農地 市場 に供 給 さ
従 前の賃 借人 が賃貸 借 の継 続 を望 まな い場 合
れ な いお それ もあ るので 、その土 地 を最 大限
には、所 有者 は第三 者 に新 た に賃貸 す るこ と
に活用 す るよ うな方法 を考 え る ことが必 要で
が 可能 とな るが 、その 賃貸 借 も、 や は り一 般
あろ う。 その た め に法 律案 は、土 地 所有 者が
の通 常 の農事 賃貸借 とな るの で あ る。
それ を望 む場 合 に は、 それだ けで は存続 可能
こ うして み ると、 この制 度 は、 わが 国の 農
な経営 を構 成 しえな い その所有農 地(自 立下
地保 有合 理化 法人 が行 う転 貸事 業 とは異 な っ
限 面積 の2倍 未満 の土 地 で、建物 の 有無 を問
て 、 いわば"出 口"の と ころ をか な り厳 し く
わ な い)を 、9年
制 限 してお り、SAFERの
ス1回 の更 新 に変 更 され る-引
行 う転貸 借 は、
ま さに 「
暫定 的 な賃貸 借契 約 」(contratde
locationprovisoire)と
とが わ か る(注24)。
SAFERへ
〔
議 会 の修正 で、6年 プラ
用 者〕 を超
え る ことが で きな い期 間 につ いてSAFER
考 え られて い る こ
に賃貸 す る ことがで きるよ うにす る ことを提
別 の言 い方 をす れば 、
案 して い る。 そ の9年
の農 事資 産 の管理 委 託 は、 その
間 の 間、SAFERは
〔
同上〕 を超 え ない期
、 当該期 間 につ いて そ
資産 の確 定 的な利 用態 様 ない し利 用関 係が 決
の 土地 を転 貸 し、経営 権 の構造再 編 を行 い、
定 され るまでの 間の、 いわ ば過 渡 的 ・暫定 的
さ らに は、土 地所 有者 の 同意 を得 た 上で 最終
な特 例措 置 と して位置 づ け られて い るので る。
的 な地 片構 造 の再 編 を も実 現す るこ とが で き
2)制 度 の 目的 と機 能
①
制 度 の基本 的 なね らい
る。土 地所 有 者 の側 は、 その財産 を 管理 す る
で は、 この
負 担 を免 れ、 賃料 の支 払 いを保 障 され、 しか
125
も、契 約 の終 了 時 には 自由な財 産 と して その
(ホ)ECの
財産 を 取 り戻 す こと もで き る。 賃借 人 の側 に
的 な実施 に移 され るはず の生産 の粗 放化 措 置
と って は、県 ご との ア レテに よ って 定 め られ
を効 果的 に推 進 す るため に も、農 業 者 の土地
る小 作 料 の額 は従 来通 りの水準 の ま まで、利
負 担 を可 及 的 に軽 減 しつつ 規模拡 大 を可 能 に
用 可 能 な土 地 ス トックが 増 大 す る こ とに な
す る仕 組 み を 用 意 す る こ とが 不 可 欠 で あ る
る。 」
生 産調 整施 策 との関 係で 近 く本 格
(粗放化 に よ る単 位面 積 当た りの所 得 の減少
を規 模拡大 で カバ ーす る とい う発 想 が そ こに
要 す るに一 言 でいえ ば、本 稿 の 冒頭 で ふ れ
たよ うな 「
新 しい農地 問題」 の登 場 に対 応 し
はあ る)(注25)。
て 、 と くに生 産性 や経 営の土 地構 造 に 問題 の
こ う した諸 事 情 の もとで いわば"フ ラ ンス版
あ る諸地 域 を 念頭 にお きなが ら農 用地 の 有効
の 農 用地利 用 増進 事業"の 手法 を用 意す る必
利 用 と利 用 増 進 を図 る ことが 、 この制 度 の基
要 が生 じた ことは、容 易 に理解 で き るので は
本的 な ね らい だ とい うわけで あ る。実 際 、前
ない か と思 わ れ る。
編 で 詳 し く述べ たよ うに、 と くに条 件 不利 地
②
新 制度 に期 待 され る具体 的機 能 とそ の
域 その他 の 農業 不振 地帯 にお いて は、(イ)農
実施 状 況
地 価 格 と小 作料 の 下落傾 向が 続 いた もとで、
す る転 貸借 の 設定 促進 事業 は、利 用 増進 の た
リタイ ア ー した農 業者 な どに農地 の貸 し渋 り
め の他 の手 法(と くに前 出注5で ふ れ た 「
農
の傾 向 もみ られ る一 方、(ロ)現 役 また は 自立
業経 営多 年 次契 約 」)と は異 な って 、上 記 の
す る農業 者 の側 で も、耕作 条件 の悪 い土地 や
ご と く過渡 的 ・暫 定的 な利 用関係 の 設定 手続
経 営 につ いて は その取得 や賃借 を ため らう雰
き と して位 置 づ け られ て い る。 した が って、
囲気 が醸 成 され 、 その結果 と して、(ハ)農 地
この手法 ・手 続 きが具体 的 に どの よ うな局 面
の遊 休化 や耕 作 放棄 地等 の発生 に象 徴 され る
で機 能 す る こ とを期待 され て い るの かが 、次
"de
prisedesterresagricoles"と
もっ と も、 このSAFERを
介
呼 ばれ
の 問題 とな るが、 筆者が90年11月 にパ リの 関
るよ うな事態 も生 じて きてい た。他 方 、(二)
係機 関 で行 った ヒヤ リングや前 記の ボ ォー氏
現 在 の農 業人 口の年 齢構成 か らみて 今 後 当然
の発 言等(注26)に
に予想 され る高 齢農 業者 の離農 と大 量 の農 地
うな もので あ る。
よれば 、 それ は以下 の よ
放 出 の可能 性 を 考慮 すれば 、 その農 地 を青 年
まず 、貸 手 とな る所 有者側 との関 係で は、
農 業者 の 自立 や 経営構 造の 改善 ・規 模拡 大 に
(イ)貸 したい と思 って も相手 が 見つ か らない
いか に効率 的 に結 びつけて い くかが 、 これ か
場合 に、 間 にSAFERが
らの構 造政 策 の 推進 に と って きわめ て肝 要 な
の役 割 を果 たす 必要 が あ る、(ロ)相 続 の未 決
課 題 に な る こ とは い う まで もな い。 ま た 、
済 とか、 相続 人の意 向 の未確 定 な どの家族 的
126
入 って仲 介 ・斡旋
事情 によ り、 さ しあた りそ の農地 の 利 用方 針
能 にす る手段 とな る とい う点 で 、 その本 来 の
を確 定 で きな いが、 長期 に わた る貸 付 け は し
活動 範囲 を広 げ る意 味 を もってい る。 そ して 、
た くない(た とえ ば、相 続 問題 の解 決 の帰 趨
その よ うに再 編 ・整備 され た経 営地 となれ ば 、
次第 で は後継 者 の確 保 の見通 しが あ る場 合 な
通常 の農 事賃 貸借 によ る借 り手 も、あ るい は
ど)と い う農 地 所有 者 に対 して 、 と りあ えず
さ らに、 その 土地 所 有権 自体 の 取得 希望 者 も
農地 と して の利 用提供 を行 わ させ る手段 に な
当然 に現 れて くるだ ろ うと期 待 され て い るの
る、(ハ)新 規参 入者 は もとよ り地 元 の農 業者
で あ る(注27)。
に対 してで あ って も、 ま った く新 しい相 手 に
③
新 制度 の実施 状 況
なお、 最後 に、
通常 の農 事賃 貸 借 で確定 的 に賃貸 す る こ とに
この 制度 は まだ始 ま ったば か りで あ り、 さ ほ
は それ な りの不 安が 伴 うのが 一般 で あ り、 そ
どの 成果が 出 て い ないの は当然 で あ るが 、 制
の ことが リタイア した農 業者 の貸 し渋 りの一
度 の適 用 の初 年度 にあ た る1990年 の 実績(S
因 とな って い る側面 もあ るので 、SAFER
AFERか
の受 託 ・転 貸期 間 を、 いわ ば貸手 が 相手 を見
た と報 告 され て い る(注28)。
らの転 貸面 積)は 、 約700haで あ っ
定 め るため の過 渡的 期間 と して利 用 す る、 な
(注22)前
どの点 があ げ られ てい る。
掲『
フ ラ ン ス の 構 造 政 策 の 再 編
と 農 地 政 策 」 、42頁
他 方 、賃 借人 側 の利点 と して は、(二)「 提
案理 由」 もい う賃貸 ス トックの一 般 的 な増 大
の ほか に、(ホ)分 散 的 な形で 提供 され た ので
参 照 。
(注23)SCAFR-FNSAFER,Lesnouveaux
texteslegislatifsconcernantlesS.A.F.
E.R.,OP.cit.,P.3.
(注24)LeredeploienentdesSAFBR,
は借 り る気 の お こ らな い農地 で も、 そ れ らが
SAFERの
手 元で 整備 ・再 編 され 、 ま とま
った経 営地(場 合 によ って はそれ 自体 で 、存
0P,cit.,P.39.
(注25)こ
の 粗 放 化 措 置 を め ぐ る問 題 の 詳
細 に つ い て は 、 前 掲『
再 編 と 農 地 政 策 」 、32頁
続 可 能 な経 営 を創設 す るに足 る規 模 の もの と
もな り うる)と して提供 され るの で あ れ ば、
フ ラ ンス の 構 造 政 策 の
以 下 参 照 。
(注26)LeredeploiementdesSAFBR,op.
cit.,p.39.ま
た 、FNSAFERの
て い るSAFER-90,p.13お
十 分 に取 得 可能 な もの とな る、(へ)引 退 年 齢
に近 づ いた農 業 者が 引退 まで の期 間 に つ いて
追 加 的 ・補 完 的な規 模拡大 を行 う手 段 とな る、
15に
発 行
し
よ びSAFER-91,p.
も、 この 制 度 の 簡 単 な 解 説 が あ る。
(注27)な
お 、 そ の ほ か の 付 随 的 な 使 わ れ
方 と して 、 経 過 的 に 管 理 す べ き 農 用 地 を 保 有
す る公 共 団 体 等 が この 制 度 を 利 用 す る こ と も
な どが あ る。
この うち、(ホ)の 点 は、SAFERの
あ る と さ れ て い る。
側か
(注28)SAFER/SCAFR,SAFER-Resultats
nationauxd'activiteen1990,
らみ て も、必 ず しも土地所 有権 を 取 得す る こ
とな く地 片構 造 や経 営構造 の再 編 ・整備 を可
-127-
septembrel991,P,4.
(2)経 営 構 造 の改 善 に関 す るその 他の 改正
要 な 問題 と して意識 され て い るか らで あ る
(注29)。
点
1)基 本 的 目的
この局 面 で のSAFERの
な お、林 業経 営の 面積 の拡 大が 正面 か ら言
活 動 の 目的 は、
及 され て い る ことは、SAFERに
とって は
改正 され た1960年 法 第15条 の第2項 にま とめ
それ な りの 意 味を もつ ことで あ る。SAFE
られ てい る。 具体 的 に は、 「と くに、一 定の
Rの 林 業経 営へ の関 与 は、1960年 法 の制定 当
農業 また は林 業経 営 の面 積 を拡大 す る こと、
時 に は予定 されて お らず 、1985年12月4日 の
土地 の耕 作(lamiseenculturedusol)お
法律 第1273号 で林業 用 の土 地 整備 の ため に関
よび農 業者 の 自立 また は維持 を 助長 す る こと、
与 ・介入 す る ことが 認 め られ たば か りで あ っ
お よ び、地片 の改 良 を実 施す る こと」で あ る。
た(旧15条 の1項 。 その 内容 は、 新15条 の7
これ を従 前 の規 定(旧15条1項
。1960年 法
項 とほぼ同 じで あ る)。1990年 法 は、そ の経
以来 の文 言)と 比 べ る と、(イ)「 農 業構 造を
緯 を踏 まえ つつ 、林 業経 営 の規模 拡大 をSA
改 善す るこ と」 とい う一般 的 な文 言が 落 ちた
FERの
代 わ りに、(ロ)農 業者 の維 持 の助 長 と、(ハ)
た わ けであ る。 すで に繰 り返 し指 摘 した よ う
地片 の改 良 とい う点が 新 た に言及 されて い る。
な"新 しい農 地 問題"の 登場 と ともに、一 定
しか し、(ロ)も(ハ)も 、従 前 か らSAFER
範 囲の農 地 へ の再 植 林や農 ・林業 一体 で の農
が広 く行 って きた活 動 を法 文 の上 で 明示 的 に
村 開発 の促 進等 が必要 とな って い る状 況 を考
確認 した もの で あ り、取 り立 て て重要 な意 味
え れば 、 この面 で のSAFERの
を もつ もの で は ない。 た だ 、あ えて いえ ば、
後 い っそ う重要 性 を増 して い くもの と思 われ
一般 的 な農業 構 造 の改 善 」 よ り も、農 業者 の
る。
固 有 の基 本 的 目的 の一つ と して掲 げ
活動 も、今
2)そ の 他 の個別 的改正 点
自立 の促 進 とか、農 業 者 の維 持 の助長 とか、
①1960年
地片 構造 の改 良 ・整備 とかが と くに重 要視 さ
法 の 旧15条 に は、SAFERが
れ るよ うに な った と ころに 、 この30年 間 の フ
自立 下 限面 積以 上 の規模 の経 営 を消 滅 させ た
ラ ンス農 業 の構 造 変化 が反 映 されて い る とい
り、 その面 積を 自立 下 限面積 以 下 に引 き下 げ
え な くもな い。 フ ラ ンスの場 合 に は、 この間
るよ うな農地 取 得 をす るた め に は、 特別 の許
の構 造政 策推 進 の成 果 と して、一 般 的な構 造
可 を得 な けれ ばな らな い 旨の規 定が おか れ て
改善 や農 業経 営 数 の減 少 はあ る程 度 まで実 現
いた(旧6項
され、今 日で は、 と くに条 件 の不 利 な諸地 域
新条 文 で は、 これが 削 除 されて いる。農 業経
に お いて 地域農 業 の維持 に必 要 な若 い担 い手
営の 「
構 造 コ ン トロー ル」 制度 におけ る同趣
の数 を いか に して確 保 して い くか が、 よ り緊
旨の規 制の 下 限面積 の基 準 が、1990年 法 によ
128
。1977年 に追加 され た規定)が 、
って 、従 来 の 「自立 下 限面 積 の1倍 」 か ら
の点 が 、今 後 にお いて は非 農 業 ない し農 業外
「自立 下 限面 積 の2倍 」 に 引 き上 げ られ た
の 目的 での 再譲 渡が 増大 してい くとみ られ る
(注30)の を契 機 に、上 記 の 旧規 定 を単純 に
こ と-そ
削除 し、SAFERの
農 地取 得活 動 に よ り大
きな柔軟 性 を与 え よ う と したの で あ る。
②
べ き理 由 はな い こ と-に
対 応 した もので あ
る こ とは、容 易 にみて とる ことが で きよ う。
右 の 「構造 コ ン トロール 制度 」 に関 す
る改正 中で 、従 来 はSAFERが
して、 それ を税 制上で 特 に優 遇 す
介 在 す る農
地取 引につ いて も適 用 され て いた許 可規 制 が 、
原 則 と して単 な る届 出 で足 りる もの に切 り替
な お、 この 免除 の特典 が 適用 され る取 引に
かか る税金 は、0.6%の
土地 公示 税 の みで あ
る(付 加 価値税 も免除 され て い る)。
④
一 見 しただ けで はわ か らな いが 、実 質
え られ た。 これ は、 「
構 造 コ ン トロール」 に
的 にはSAFERに
よ る許 可規 制の 緩 和 ・柔軟 化 の一環 と して な
っ改 正 と して 、1962年 法の 第1条 Ⅱの 改正 が
され た改正 で あ る(前 出注30参 照)が 、SA
あ る。 この規 定 は、農 事不 動産 が国 有 財産 と
FERに
とって もその活 動 を や りやす くす る
な った場 合 に は、 県知 事が 、国 有財 産 管理 庁
効 果 を も って い る。 ただ し、上 記 の よ うに、
の定 め る価格 で随 意 に任意 譲渡 を な しう るこ
自立 下限面 積 の2倍 以 上 の規 模の 経営 を消 滅
とを定 めた もの であ るが、 旧規 定で は、 その
させ た り、そ の面 積 を 自立下 限面 積 の2倍 以
場合 の相 手方(譲 受人)と して4種 類 の者 が
下 に引 き下 げ るよ うな農地 取 得 をす る場合 に
優先 順位 を つ けて列 挙 されて いた。 そ してS
は、 や は り許 可 を得 るこ とが 必要 で あ る。
AFERは
とって 積極 的 な意 味 を も
、 その第4順 位 に掲 げ られて い た
行 う土地 取得 や
の で あ る。 それ に対 して 、新 規定 で は、 そ の
そ の再譲 渡 につ いて はす べて 、 印紙税 、登 録
よ うな譲 渡 人た る者 の列 挙 も優先順 位 も、単
税 およ び取 引高税 が 免 除 され て い たが 、1990
純 に除 去 され たので 、今後 にお いて はむ しろ
年法 は、 この特 典の 制 限 ・厳 格化 を 行 って い
SAFERが
る(改 正 され た1960年 法 の16条 の1)。
とな るで あ ろ うと考 え られて い る(注31)。
③
従来 は、SAFERが
わ ち、今 後 にお いて は、(イ)SAFERが
すな
行
⑤
、多 くの場 合に実際 上の譲受 人
その ほか、1990年 法 で 新 たに創 設 され
う土 地 取 得 はす べ て 免 税 の 対 象 とな るが 、
た地域 的農 地管 理 主体 と して の 「
農 業土 地組
(の 再譲 渡 につ いて は、農 業 また は林 業 目的
合 」=AFR(ass0tiationfonciereagric
で な され る ものの みが 免税 の対 象 とされ、 し
ole)の 設立 や 活動 との 関係で も、SAFER
か も、(ハ)農 業 目的で の再譲 渡 を受 けた者 は、
が 一定 の役 割 を果 たす べ き ことが 予 定 され 、
以後10年 間 の 間、取 得 した不動 産 の用 途を 保
それ にかか わ る関係 規 定が1990年 法 の なか に
全 す る義務 を負 うので あ る。 この うち、(ロ)
設 け られ て い る。 ただ し、 この 「農 業土 地 組
-129-
合 」の 制度 の 内容 や機 能 等 につ いて は、 それ
対 して 、(ロ)70年 代 の末 か ら生 じた農 地価 格
はそれ で多 くの こ とが らを述 べ なけ れば その
の低 下傾 向 の方 は、 そ の速度 こそ鈍 った もの
重 要 な意義 を正確 に伝 え るこ とが で きな いの
の全 体 と して はなお持 続 してお り、 よ うや く
で 、 こ こで は省 略す るこ とに した い(注32)。
89、90年 に至 って下 げ止 ま りの傾 向が み られ
(注29)こ
前 出 注6の
始 めた に とど ま って い る、 とい うこ とに要 約
の よ う な 状 況 の 詳 細 に つ い て は 、
① 論 文410頁
以 下 、429頁
で きよ う。 具 体 的 には以 下の よ うで あ る。
以 下 を 参
照 せ よ 。
(注30)「
構 造 コ ン トロ ー ル 制 度 」 の 改 正
内 容 と そ の 意 義 に つ い て は 、 前 出 注6の
文451頁
1)農 地 市場 の規模 とその 内容
① 論
まず 、 全 体 と して の 農 地 市場 の面 積 規 模
以 下 を 参 照 せ よ 。
(注31)SCAFR-FNSAFER,Lesnouveaux
(注34)は 、 図1のAと
texteslegislatifsconcernantlesS.A.F.
(注32)こ
25頁
あ
るよ うに、1983年 を ボ トム に年 々拡 大 を続 け、
E.R.,0P.cit.,p.5.
rフ
後 掲 の表4のBに
の 制 度 の 詳 細 に っ い て は 、 前 掲
1990年 には50万haを 上 回 って1970年 の水 準 を
ラ ン ス の 構 造 政 策 の 再 編 と農 地 政 策 」 、
以 下 や 、 前 出 注6の
① 論 文456頁
回 復 した。 この農地 市 場 の拡大 は、 過去5年
以 下 を
間 で は、毎 年10%前 後 の伸 び を示 した ことに
参 照 さ れ た い 。
な る。 価額 面 でみ ると、 この傾 向 は、 の ちに
Ⅳ 農 地 市場 の動 向のSAFERの
活 動 状況
み るよ うな価格 水準 の伸 び悩 み(実 質的 には
低 下)の ため に多少 異 な った動 きを示 して い
最後 に、以 上 の よ うな新 たな機 能 ・役 割 を
与 え られ たSAFERが
る(図1のB参
最近 の農 地 市場 の新
照)が 、や は り拡大 傾 向 にあ
る ことに は変わ りが な い。
しい動 向 の も とで どの よ うな活動 を展 開 して
①
この よ うな農 地 市場 の拡 大 の要 因 と し
い るかを、 簡 単 にみて お こ う。 この点 は、前
て は、 売手 の側 につ いて は、 や は り、後継 者
編 で行 った80年 代後 半 まで の状況 の分 析 を フ
の い ない高 齢 の離農 農業 者 か らの放 出圧 力 の
ォローア ップす る意 味 を も って い る。
大 きさが指 摘 され てい る。50ha以 上 の規 模 の
農地 取 引が 年 々増大 して、1990年 で は、農 地
(1)最
近 の 農 地 市 場 の 動 向(注33)
市場 全体 の22.1%を 占め るに至 ってい るの は、
そ の 一つ の 例証 で あ る(表1参
最 近 の 農 地 市 場(marchef0ncieragricol
照)。 実 際、
e)の 動 きの 全 体 と して の 特 徴 は 、 一 言 で い え
この50ha以 上 の規 模 の 農 地 取 引 の面 積 は、
ば 、(イ)1983年
1983年 か ら90年の8年 間で は、 建物 の ない も
ま で 縮 小 して い た農 地 市 場 の
規 模 が1984年 以 降 に は 拡 大 に 転 じ、1990年 に
ので は113%増
は1970年 当 時 の50万haの 水 準 を 回 復 した の に
とい う きわ め て著 しい伸 びを示 した。 また、
130
、建 物付 きの もので は79%増
図1農
地市 場 ・農地 取 引 の推 移(全
総 じて、 建物 付 きの取 引の ほ うが建 物 の な い
国 、1983-1989年)
6.Ihaと7.3ha)、
全 体 と しての 売却 件数 も、
取 引を上 回 る伸 び率を 示 して い る(そ れ ほ ど
1990年 に は、1983年 以 来 は じめて 前年 の件 数
明確 に はでて い ないが 、 さ しあ た り図1のA、
を下 回 る とい う結 果が 生 じて い る(表1)。
B参 照)の も、部 分的 に は同 じ事実 に 由来 す
る もの とみ られ る(注35)。
そ して 、 この よ
他 方 、買 手 の側 の要 因 と して は、非農 業 者
の農 地 購入 意欲 の増 大 が大 きな要 因を な して
うな農 地 市場 の拡大 は、 ほぼ フラ ンス全 土 に
い る(図1のA参
照)。 農 業者 に よ る農 地 購
つ いて 共通 して生 じて い るの で あ る。
入 も持続 的 に増 大 して は い るが 、彼 らの、 良
こ う した動 きに伴 って、1件 当た りの農地
い土地 を選 んで 買 お うとす る選 別志 向 は 引 き
面 積 は年 々増 大 し(全 体 の 平均 で は83年 の
続 き存 続 してお り、 そ の伸 び率 は相対 的 に抑
3.8haに 対 し、90年 に は4.5haと な る。1ha
制 され て い る。 それ に対 して、低 価 格の もと
未 満 の もの を除 外 した平 均 で は 、 そ れ ぞれ
での農 地 市場 の 拡大 は、 非農 業者 によ る農地
-131一
表1
農 地 市場(潜 在 的 農地 市 場)の 規 模 別 内 訳 とその 推移D
(1988--90年 。 建 物 は 除 く)
132
取 得 の チ ャ ンスを大 き く拡 大 し、 その 取得 面
額 が建物 のな い農 地取 引 の それ を上 回 った伸
積 は 、1983年
ら1989年 の
びを みせ 、89年 に は非 農 業者 の 購入 した農地
157,000haに 倍増 した。 その結 果 、農 業者 が
の総額 が農 業 者 の購入 した土 地 資産 の総 額 を
購入 す る農 地 と非 農 業者が 購入 す る農 地 の比
上 回 るにい た って い るの も、 同 じ事 実 に 由来
率 は、面 積比 で みた場 合 に も、83、84年 頃 の
す る もの で あ る。
3:1と
の83,000haか
い う割合 か ら2:1と
い う割 合 に変
こう してみ る と、 さきに もふ れ た よ うな農
わ って きて い る。
業人 口 の老齢 化 の趨勢 の もとで 、農 地 市場 は
この 非農 業者 に よ る農 地取 得 の増大 は、地
今後 さ らに拡 大 を続 け て い くことに な りそ う
中海沿岸 部 、 ロー ヌ渓谷 、 アル プ地方 、 ペ リ
に みえ るが、 しか し、SAFER自
ゴール 、 ドル ドーニ ュ、 ソ ロ一二 ュお よび 西
しで は、1984年 以降 の農 地 市場 の 回復 の過程
部 の諸 地域 な ど、 その観 光 的、 保養 地 的要 素
はほぼ一 段落 し、今 後 は いわ ば巡航 的 な動 き
のゆえ に昔 か ら非農 業者 の農 地 取得 が多 か っ
に変 わ って い くで あ ろ うと さ れ て い る(注
た と ころで や は り顕 著 で あ るが 、 同時 に、 大
36)。
都 市か らの移動 が比 較 的便利 な諸地 域 な どで
②
も、 また は っ きり と現 れて いる。後 者 は、 い
身 の見 通
ところで 、上 記 の よ うに、 い わば 「農
村空 間 の土地 市 場」(1emarchefoncierde
1'espacerura1)と
うまで もな く、 日常 的 に利 用可 能 な"田 舎 の
もい うべ き新 しい性 格 の
別荘"(residencesec0ndairedanslacam
農地 市場 が広 範 な諸 地域で 広が って きて い る
pagne)の 需要 であ る。 高度 に都 市化 した社 会
とす る と、 そ う して非 農業 者 に購 入 され た農
にお け る都 市住 民 の 自然 や農村 的景 観 ・環 境
地 の その後 の利 用 が ど うな るのか が 、 当然 に
への欲 求 の強 ま りが 、低価 格 での農 地 市場 の
問 題 とな る。 さ きの 注33に 引 示 した 諸 資 料
拡大 とい う条件 の も とで農 地 の取 得意 欲を 増
(注37)か らみ る と、 取得 され た農地 の規 模
大 させ、 最近 の農 地 市場 の拡 大を 支え る大 き
が 大 きい場 合 に は、近 隣 の農 業経 営 者 に貸 し
な要 因 とな って い るので あ る。1∼10ha未 満
付 け られ る場合 も少 な くな いよ うで あ る。 し
の建物 付 きの農地 が最 も高 い値段 で取 引 され
か し他 方 で、 と くに小 規模 な農 地 の場 合 を中
(表1参 照)、90年 の その面 積が83年 の それ
心 に して 、農業 的 土地 利 用 を完全 に廃 止 され
と比 べ る と46%増(3∼10haの
もの だ けで み
る と、件 数 、面積 と も約50%増)と
るわ けで はな いが 、か とい って必 ず しも積 極
い う顕 著
的 な農 業生産 に は充用 され な い とい う状態 の
な増大 を示 して い るの は、 この よ うな非農 業
農 地が 発生 す るこ とは、 や は り避 けが たい。
"田舎 の 別荘"と して建物 を取得 す る非農 業
者の農 地 取得 を反 映 した もの にほか な らな い。
図1のBに
お いて、 建物 付 きの農 地取 引の総
者 が 、そ の建物 の 周 囲の 田 園的景 観 や静論 、
133
あ るい は周 囲 か らの 隔離 を確保 す る こ とを主
分 の所 有地 を生 け垣等 で 囲い込 み、 そ のなか
要 な 目的 と して 、数haか ら多 い ときに は15ha
に閉 じこ もる ことを第1の 目的 と して い る と
くらいの農 地 を 同時 に取得 す る とい う場 合が 、
い うの で あ る。 その ため、 農村 空間 の共 同的
その ひ とつ の 典 型的 なパ ター ンで あ る。
な管理 に 関す るその地 域 の慣行 や各般 の努 力
この後者 の よ うな形で の農地 取得 につ いて
に無関 心 で、 その 市 町村 のなか で整備 され て
も、地 域 の農 業人 口の減 少の ゆえ に耕 作放棄
きた既 存 の遊歩 道 とか釣 りや狩 猟用 の道 筋 を
地 や遊 休地 の 発生 が避 けが た い よ うな地 域 で
勝 手に切 断 した り、 その新 た な整備 に も協 力
は、必 ず し もそ れ 自体 と して否 定 され るべ き
しよ うと しな い な どの問題 が 、各地 で新 た に
もの とは考 え られて い ない よ うで あ る。 と く
生 じて きて い る とされ る。 この よ うな状 況 が、
に実 際 には、 そ の土地 取得 の 目的 との 関係 か
今後 にお け る地 域 レベル での 「
農村 整備 」 や
らい って もそれ らの農 地が 完全 に荒 れ た まま
「
農村 開発 」 の推 進(滞 在 型 の余 暇施 設等 の
に放 置 され る こ とはな く、そ の利用 な い し維
整 備 ・開発 によ る"農 村 の ツー リス ム"の 振
持 管理 が近 隣 の農 業者 に無 償 に近 いよ うな賃
興 が その一 つ の 目玉 とな って い る ことは、前
料 で委 ね られ る場 合 の ほ うが多 い ことを考 慮
述 した)に と って もマ イナ スを もた らす こと
す れ ば、 そ う した評価 が な され る理 由 もそ れ
は い うまで もあ るま い。
な りに理解 で きよ う。そ う した場合 の"利 用
さ きに も引 用 した ボ ォ―氏 に よれば 、1990
権"が きわ めて不 安 定 な性 格 の ものに な って
年 法 は この よ うな状 況へ の対処 とい う点で も
い る ことはつ とに問題 視 され て いるが、 そ れ
ま さに恰好 の 時期 に成 立 した とい う。 確か に、
で もその農 地 は、 当該 地域 にお ける 「
農業 空
柔軟 な農地 の利 用 方式 と して の 「
農 業経 営多
間 の維 持 の機 能 」(fonctiond'entretiende
年 次契 約 」の 制度(前 出注5参 照)や 、新 し
l'espaceagricole)を
果 た して い る とみ ら
い地域 的 な農地 管 理 主体 と しての 「
農業 土地
れ るか らで あ る。
組 合」 の 制度 は、 上 記の よ うな事 態 に対処 し
しか し、 他 方 で、5年 ほ ど前 か ら顕著 化 し
て い く うえで も一 定 の有 効性 を もつ であ ろ う。
て きた新 しい問題 と して、 それ らの新所 有者
また、SAFERが
、 同法で 付与 された諸 権
に よる 「
空 間 の 囲 い込み」(lafermmeturede
能を活 用 しなが ら、地 域 的 な利益 の保 全 を 目
1'espace)な い しは 「
農村 空 間で の繭づ くり」
的 と して それ らの問題 の解決 の ため に新 たな
(lecoconingenmilieurural)の
活 動 を展 開 しう るで あ ろ う こと も、 みやす い
傾 向の 強
ま りが 指摘 され て い る。つ ま り、彼 らは、か
ところか と思 われ る。
つ て の よ うにそ の地域 にそれ な りに根 をお ろ
③
した農 地所 有 者 とな ろ うとはせず、 む しろ 自
なお、 最後 に、農地 市場 の動 向 にか か
わ るい ま一 つ の新 しい特 徴 と して、外 国人 、
134
図2ヨ
ー ロ ッノ儲 国 の 農 地 価 格(1988年)
と りわ け他 のEC諸
国の非 農 業者 に よ る土地
て い る大 きな理 由 と して は、 フラ ンスの農 地
取得 が徐 々に増大 して きて い る こ とが あ る。
価 格 が他 の近 隣 諸国 に比べ て格 段 に低 い こ と
3ha以 上 の 建物付 きの農地 に限 って も、1990
が あげ られて い る(図2参
照)。 とす れば 、
年 に は、 約1,700人 の 外 国 人 が20,600haの
ECの
農 地 を購 入 した。 その うちの 大 部分 は非農 業
の よ うな趨勢 は今後 と も続 いてい く もの と考
者 に よ る もの で あ り(人 数 で 約1,500人 、
え られ よ う。 この 事態 に対 してSAFERが
面 積で 約16,000ha)、 地 域的 には観 光 的 ・保
どの よ うに対 処 しよ うと して い るか は、 の ち
養 地的要 素 の強 い地 域 に集 中 して い る。 ま た、
の(2)でふ れ る こ とにす る。
国 別 で は 、EC諸
国 か らの ものが 約7割 で
(なか で はイ ギ リス人が 目立 って い る)、 残
りが ス イスそ の他 の大 陸諸 国か らの もの で あ
る。他 方 、農地 取得 を伴 う外 国人 の農 業者 の
入 植 は 、90年 に は、 人 数 で224人
、面積で
4,460haで あ った。
この よ うに外 国 人の農 地 取得 が 増 大 して き
135
市 場統 合 へ の動 きが 強 ま る もとで、 こ
2)農
地価 格 の動 向
に な って いるか をみ てお くことにす る。
他方 、 農地 価 格 は、名 目価 格(各 年 の時価)
(注33)こ
でみ て も、一 部 の特 殊 な土 地(と くに葡 萄畑)
の 項 につ
い て は、 煩 雑 に な るの
で 、 必 ず し も各 所 で 参 照 した 資 料 を 注 記 す る
を除 いて1987年 まで低 下傾 向を続 けたの ち、
こ と は し な い 。 使 用 し た 資 料 は 、PNSAFER,
88年 に下 げ止 ま りを みせ 、89年 にな って よ う
や く上 昇 に転 じた(表2お
SAFER-90,0P.cit.,P.6ets.;FNSAFER,
SAFER-91,0P.cit.,P.6ets.;SAFER/SCA
よび表3参 照)。
FR,SAFER-Resultatsnationauxd,activite,
そ して 、つ いに1990年 に は、 物価調 整 を行 っ
0P.cit.;Ministeredel,AgriCultureet
delaForet,AGRESTE-LaStatistiqueagri
た うえ での 実質 価格 で みて も、全体 と して の
cole-Donn6s,Nl2,aoutl990;Leredep
平均 価格 が よ うや く下 げ止 ま りを見 せ るにい
た って い る(注38)。
IoiementdesSAFERop.cit.な
地 域的 にみ る と、そ の
(注34)こ
SAFERに
内容 に は、 な お相 当のバ ラツキ があ るよ うで
ど で あ る。
こで
「農 地 市 場 」 と い う の は 、
通 知 が あ っ た 農 地 取 引 の 全 体 で
は な く、 そ の 取 引 後 に お い て も農 業 的 利 用 に
あ る(と くに 自然草地 につ いて顕 著)が 価 格
充 て られ る 蓋 然 性 の 高 い 農 地 取 引 の 面 積 規 模
そ れ 故 、
面 に お いて も、70年 代 末以 来 の農 地 市場 の混
乱 は ほぼ終 息 に 向か いつ つあ るわ けで あ る。
呼 ば れ る
た だ し、 この10年 余 の 間に、 フラ ンスの 農
Rに
を 指
に お い て55万haを
(注35)も
落 した。 物価 調整 を 加 えた実 質価
し て い る 。 な お 、SAFE
通 知 の あ っ た 農 地 取 引 の 総 面 積 は 、 す で
に1988年
地(耕 地 と自然草地 の全 体)は 、名 目価 格 で
も約4%下
「潜 在 的 に 可 能 性 の あ る 農 地 市
場 」(march6potentiellementagricole)と
超 え て い た 。
っ と も 、 全 体 と して の 農 地 の 供
給 源 を 供 給 者 の カ テ ゴ リ ー 別 で み る と 、1989
格で は、 実 に50%近 い価 値下 落 で あ る(図3
年 で は 、 約4分
vision.遺
参照)。 また表1を 表3と 比 べ なが らみ れ ば
の1が
相 続 後 の 不 分 割(indi
産 共 有)か
ら 、 約4分
の1が
の 農 業 者 か ら 、 そ し て 残 り の 約2分
わか るよ うに、 建物 の な い大 規模 な農 地 の価
の1が
現 役
非
農 業 者 か ら、 とな って お り、 そ の 割 合 は 、 従
格 回復 の 動 きは、 いまだ か な り鈍 い もの に と
来 と さ ほ ど 変 わ っ て い な い と い う。
(注36)SAFER/SCAFR,SAFER-Resultats
ど ま って い る。 これ らの ことは、 今後 の農 業
natioiiauxd'activite,enl990,0P.cit.,
経 営の 収支 採 算 の見通 しに関 す る不 安 感が農
p.4.
(注37)そ
業 者の 間 にな お存 続 して い る ことを示 唆す る
の 評 価 に 関 す る 問 題 に つ い て は、
と く にLeredeploiementdesSAFER,op.
もので あ ろ う。
cit.,pp.40-41参
とはいえ、 この よ うに農地 価 格の 回復 ・上
(注38)SAFER/SCAFR,SAFgR-R6sultats
nationauxd'activiteenl990,0P.cit.,
昇 の 趨勢 が確 実 な もの にな って きた ことは、
p.4.ま
SAFERの
照 。
た 、 前 掲 表1も
参 照 せ よ 。
活動 に とって は明 らか に望 ま し
(2)最 近 のSAFERの
い もので あ る。次 に、 この よ うな環境 の好 転
の もとで最 近 のSAFERの
SAFERの
活 動 が どの よ う
136
活動 状況(注39)
最 近 の活 動状 況 の総括 的 な結
表2農
地 価格 の 年次 的 変 動率 の推 移(1984-1989年)
一137-
表3主
図31980年
要 な農 地 の平均 価格(実 勢 の時 価))
∼1989年 の 農地 価格 の推 移(耕 地 と自然 草地 の全 体)
138
果 は、 図4に 示 した通 りであ る。(1)でみた よ
が減 少 し、 よ り大 規模 な購 入 が増 大 して きて
うな低 価格 での 農地 市場 の拡大 とい う好 条件
い るこ とによ る(表5参
の も とで 、SAFERが
地 市場 に対 す る取 引規 模 別 の介入 率 が10ha以
取 得 す る農 地 面 積
照)。 介 入 可能 な農
は、1987年 以 降年 々増 大 し、90年 に は11万
上 の階層 で 平均 を 上 回 って い る こと(表6。
2,000ha弱 とい う記録 的な数 値 を達 成 した。
20∼50haの 建物 の ない農 地取 引 に対 す る介入
再 議渡 され る面 積 も、年 々の取得 面 積 を1万
率 は、46%を 超 え る)も 、 その ことを示 す も
ha以 上 上 回 る水 準 で伸 び続 けて い る。 その 結
の であ る。 た だ し、 これ まで年 々増 大 して き
果 、SAFERの
た、50ha以 上 の規 模 の経 営単 位 の取 引へ の介
経 営難 の象 徴 を な した ス ト
ックの滞 留 とい う問題 は、最 近 に至 って急 速
入 率 は、89∼90年 で ほ ぼ頂点 に達 した よ うで
に解消 されて きて い る。 この図 か らみ るだ け
あ る。
で も、SAFERの
経 営危機 の 時代 は、一 応
ロ)先 買 権 の行 使 比率 は、か って と比 べ る
終 わ つた こ とを みて とれ よ う。 以下 、項 目を
と多少 減少 して い る。1984-86年 の3年 間の
わ けて、 各面 で の活動 につ きいま少 し詳 しい
平 均で は 、件数 比 で14.3%、 面 積比 で9.5%
説 明 を加 え てお こう。
であ った の に対 して 、1988-90年 の3年 間の
平 均で は、 それ ぞれ13.0%、7.9%と
1)土 地取 得
い るか らで あ る。 ただ し、 農地価 格 が上 昇傾
取得 面 積 の年 々の伸 び は、全 体 と しての 農
地市場 の拡大 に伴 いSAFERが
な って
向 に転 じた1990年 には 、件 数比 、面 積比 と も
介 入 可能 な
農地 市場(marcheaccessible)(注40)も
前 年 よ り多 少増 大 し、 価格 の改 定(引 き下 げ)
年
を伴 った ケ ー スが 顕 著 に増 えて きて い る こ と
々拡 大 して きた ことに対応 して い る(図5)。
に注意 して お く必 要 が あ ろ う。 な お、先 買権
全体 と して の潜在 的 な農地 市場 に対 す る介 入
の行使 によ り取得 した 農地 の平均 規 模 は全体
率 も、 表4に あ るよ うに、最近 で は20%を 超
の平均 よ り小 さ く、90年 には5.9haで あ った。
え て い るが 、介 入可 能 な農 地 市場 に対 す るそ
ハ)取 得 価 格 に関 して は、1990年 の全 体 の
れ は、88年 以 降 ほぼ28%の 水 準で 推移 して き
平均 はha当 た り25,165フ ラ ンで 、農 地 市場全
て い る(90年 は、28.3%)。
体の平 均(ha当 た り39,087フ ラ ン。 前掲 表1
その 内容 的 な特
徴 と して は、以 下 のよ うな こ とが あ げ られ る。
イ)ま ず 、1件 当た りの取 得面 積 が年 々拡
のC)は
も とよ り、介 入可 能 な農地 市場 の そ
れ(同 じ く44,535フ ラ ン)と 比 べ て もかな り
大 し、1990年 の1件 当 た りの平均 取得 面 積 は
低 い。 しか し、 この こ とは、SAFERが
約10haに な った(83年 に は6.7haで あ った)。
の劣 る農 地 を買 って い る こ とを意 味す るわ け
これ は、か っ て に比 べ ると小 規模 地 片 の購入
で はな く、SAFERの
139
質
購 入す る農 地が 基本
図4SAFERの
土 地 活動 の量 的推 移(全 国 、1970-90年)
140
図5介
入可 能 な農 地 市場 の拡 大1)
表4SAFERの
取 得 ・再 譲渡面積 と農 地市 場へ の介入率 の推移
一141-
表5SAFERが
表6介
取得 した農 地の規模別内訳(1990年)
入 可 能 な 農 地 市 場 に お け る 取 引 規 模 別 の 介 入 率(1990年:建
142
物 は 除 く))
的 に農 業的 土地 利用 に充用 され るべ き農 地 で
二)そ の ほか、 最近 の フラ ンス農 業の 地域
あ る こと、 したが って 、価 格 の高 い小規 模 の
的状 況を考 慮す る と、 山岳地 域 等で の取 得状
建 物付 きの農地 の取 得 は ご く限 られた もの に
況 が ど うな って い るか が 注 目され よ う。 山岳
とどま って い る こと、 また、農 業 的利 用 目的
地 域 での取 得面 積の全 取 得面 積 に対 す る比 率
の土 地で も相 対的 に価 格 の低 い、 よ り大規 模
は、88年 に は16%、89年 に は15.6%、90年 に
な農 地の取 得 割合 が 高 い こ と(前 述)な ど に
は18%で あ った090年 にお け るそ のha当 た り
よ る。取 得す る農 地 の質 の点 で いえ ば、 む し
の平 均価格 は、12,765フ ラ ンで 、全 国平 均 に
ろSAFERは
比べ るとか な り低 い もの とな って い る。
、容 易 に再譲 渡 で き る質 の良
い農 地 を買 うこ とに腐心 してい るの であ り、
そ の こ とは、上 記 の取得 農地 の平 均 が90年 の
一般 的 な農地 価 格 の平均(前 掲 表3)を
2)再 譲渡 とその 内容
はる
前 述 した再 譲 渡面 積 の伸 びは、 と くに1件
か に上 回 って い る ことに も現れ て い る。
表7再
当た りの面積 の 増大 によ って もた らされて い
譲渡の用途別内訳の推移(経 営用建物を含む)
143
る。件数 自体 はむ しろ減 少傾 向 を 示す なか で、
ハ)「 地 片整備 」 、 「
経 営 構造 の維 持 」等
1件 当た りの 平均 面積 は、1983年 の4.3haか
ら88年に は5.8ha、89年
向につ いて も、類 似 の こ とを指摘 で きよ う。
の 比率 の減 少傾 向 は、部 分的 には、 これ まで
には6.3ha、90年 に
は7.1haと 年 々増 大 して きたの で あ る。 た だ、
のSAFERの
こ こで よ り関 心 を惹 くの は、 再譲 渡 され る土
に伴 い、整 備済 みの土 地 や経 営が 次第 に蓄積
地 の用途 が ど うな って い るか で あ ろ う。 最近
されて きた ことの反 映で あ ろ う。 た だ し、全
の特 徴 をみ る と、以下 の よ うで あ る。(表7
体 と しての再 譲渡 面積 の増 大 や農 業 を取 りま
参照)。
く状 況 の変化 に伴 う再 整備 の 必要 の登場 な ど
イ)ま ず 、一 見 して わ か る こ とは、再譲 渡
活 動 や農村 ・農地 整備 の進 展
を考 え ると、 この面で のSAFERの
の総 面積 の 増大 に もか か わ らず、83、84年 と
活動 の
必要 性 は今後 と も変わ る ことは あ るまい。
二)「 森林 整備 」、 「
放 牧地 整備 」 につ い
比べ る と、全 体 と して の受益 者 の数が 減少 し
て きて い る こ とで あ る。 「利 用転換 ・そ の他」
て は、過 去3年 間 でみ る と、90年 の 「放牧 地
の項 目で もや は り件 数 の多少 の減少 が み られ
整備 」の伸 びが 目立 って い る。 この ことを反
るか ら、 これ は、上 で述 べ た1件 当 た りの面
映 して、 山岳地 域 での再 譲 渡面 積 の比率 は、
積 の増 大 に伴 うもの と、一 般的 に考 え て おけ
90年 に は全 体 の19.3%に 達 して い る(89年 に
ば よいで あ ろ う。
は12.7%で あ った 。)。
ロ)農 業的 利 用 目的 の再譲 渡 の なか で は、
ホ)最 も注 目を 引 く 「
利 用転 換 ・その他 」
「
最初 の 自立 」 の比 率が は っき りと減 少 し、
の項 目に関 して は、第1に 、83、84年 と88-
替 わ って 「
規 模拡 大 」 の比率 が 増大 して い る。
90年 とを比 べ ると、件数 が 減少 して い る一 方
これ は、農 業 経営 の 総数 の減 少 傾 向が続 くな
で、面 積比 は増 大 して きて い るこ とを指 摘 で
か で、 最近 の 困難 な農 業 情勢 を 反映 して全体
きる。 そ の意 味で は、狭 い意味 で の農業 的 利
と して の 自立 の件 数 が減 少 して きて い る とい
用 目的以外 で の再譲 渡 は、90年 法 に よ る制 度
う一般 的状 況 に対 応 した もので あ る。 「規模
改 正以 前か らす で に増大 して きて いた わ けで
拡大 」 にお け る1件 当 た りの平均 面積 が83年
あ る。
の5.Ohaか
ら90年の7.25haま で増 大 して きて
た だ し、 第2に 、88、89年 と90年 とを比 べ
い るこ と、 同 様 に、 「最初 の 自立 」 に おけ る
る と、90年 に その ため の再譲 渡 の件 数、 面積
1件 当 た りの 平均面 積 も83年 の15.5haか ら90
が 急増 した とい う事 実 はみ られ な い。一 方 で
年 の24.2haま で顕 著 に拡大 して きて い る こ と
は、制 度改 正 の効 果 は まだ 現れ て いな い とい
(89年には21.5haで あ った)も 、 同 じ状況 を
う見方 も可 能 だが、 他方 で は、 そ の方面 で の
反映 した もの といえ る。 「再 自立 」の 減少 傾
土地 活動 の拡 張 に対 してSAFER自
144
身 が一
表8「
利 用 転 換 」 の た め の 再 譲 渡 の 内 訳(1990年)
定 の慎 重 さを示 して い る とみ る こ と もで き よ
別 荘 と して の再譲 渡 のよ うで あ る。 ③ の うち
う。 この点 に関 して は、 なお今 後 の推 移 をみ
「
イ ンフ ラス トラ クチ ァ―」 は、 一 般道 路 、
て い くこ とが必 要で あ る。
高 速道 路 、新 幹線 、空 港等 の用地 、 ④ の 「
集
第3に 、90年 にお け る 「
利 用 転換 」 の ため
団 的設 備 」 は、手 工業 また は工業 区 域 の創 設 、
の再譲 渡 の内訳 は、 表8の よ うで あ る。① の
市街地 開 発 ・分 画事業 な どへ の土地 提 供で あ
「農 業にか かわ る一般 的利益 」 の 内容 は、 農
る。① や⑤ の比重 が なお小 さい反面 、② 、 ③ 、
業 高校 、協 同組合 、 実験施 設 、農 産 ・食料 品
④ な どが か な り大 きい比重を 占めて い る こと
企 業等 の用地 の 提供 で あ る。 他 方、 ② の 「非
が 、今 後 の推 移 とと もに気 にかか る と ころで
農 業の私 的利 益」 の 中 に は、 私 人の 別 荘や 建
あ る。
築 用地 、民 間の キ ャンプ場、 農 業 に関 係の な
へ)最 後 に、農 業 また は非農 業用 の イ ンフ
い民間企 業へ の 用地提 供 等が 入 るが 、 中心 は
ラ整備 や集 団 的施設 の整備、 交換分 合 事 業 、
145
「土 地 整 備 集 合 事 業 」==OGAF(注41)、
あ るが 、88年 末 の その比 率が44%で あ った の
放牧 地 や森 林 の整 備 な どの実施 のた め、 地域
と比べ ると、や は り顕著 な削 減で あ る といえ
レベ ル の 協 議 の 枠 内 で 行 わ れ た 再 譲 渡 の 面 積
よ う。
は 、90年 に は8,324haで
あ った。 さ きにみ た
他方 、第2に 、先 に もふれ た ごと く近年 の
「利 用 転 換 」 に か か わ る再 譲 渡 の一 定 の 部 分
SAFERの
土 地購 入 は、保 有の長 期 化 を避
は 、 す で に こ の 「協 議 に よ る介 入 」(inter
け るた め に、再 譲渡 の見 通 しの高 い ・質 の良
venti0nconcertee)の
い農 地 をで きるだ け選択 して行 わ れ るよ うに
枠 内 で 行 わ れ て い るわ
な って い る。
け で あ る(注42)。
また、 第3に 、SAFERか
3)ス
つ いて買 い手 候 補者 との 間で売 買予 約 等の 事
トッ クの状 況
80年 代 を通 じてSAFERが
らの再譲 渡 に
そ の土地 ス ト
前 の合 意 を取 りつ けた うえで購 入 し整備 す る
ックを減少 させ るため各種 の努 力を 農用 して
とい う方法 も、積 極 的 に採 用 され て い る。90
きた ことは、 前編 で もふ れ た通 りで あ る(前
年 末 の 時点 の 価 額 比 で は、 全 ス トッ ク中 の
編49頁 以 下)が 、そ の成果 は、前 掲 の図4に
16.4%が その よ うな 「約束 の あ るス トック」
あ るよ うに、最 近 に至 って きわ めて顕 著 な形
とな って お り、 この比 率 も、88年 末 の7%よ
で現れ て い る。 実 際 、 その量(面 積)は 、S
りは増 大 して い る。
AFERの
活動 が 順調 に展 開 して い た70年 代
そ して、 以上 の よ うな諸努 力 の結 果、 最近
の それ と比 べ て も大 幅 に低 い水 準 に減 少 し、
にお け るス トックの平 均保 有期 間 は10カ 月 を
最近 の 活動量(と
下 回 るよ うにな った。 農地 市場 の拡大 ・回復
くに年 間の再 譲渡 面 積)と
比 べれ ば半 分以 下 とい うことな って い るの で
と地価 の下 落傾 向 の停 止 とい う条件 を も勘 案
あ る。
す れば 、今 後 のSAFERの
多 少 の説 明 を加 えて お くと、 この よ うな結
経 営 は、 ほぼ不
安 の ない もの に な って きて い るので あ る。
果 は、第1に は、近 年 に おい て古 い ス トック
の再 譲渡 の促 進 が大 き く進 め られ た こ とに よ
4)「
る。1988∼89年 の3年 間で みて も、 保有 期 間
その活 動
が2年 を超 え るス トックの評 価 額 は、88年 末
の5億4,000万
な お 、 最 後 に 、SAFERの
フ ラ ンか ら90年 末 の2億
活 動 にか かわ
る新 しい 動 き と して 、SAFERが1990年
に、
「ヨー ロ ッパ の 土 地 」(Terresd'Europe)
9,500万 フラ ンに減 少 した。90年 末 の ス トッ
ク全 体 の 評 価 額 は 、11億6,000万
ヨ ー ロ ッパ の 土 地 」 会 社 の 設 立 と
フ ラ ンだ
と い う会 社 を設 立 した こ とが あ る。 これ は 、
か ら、2年 以上 の ス トックの比 率 は な お25%
い うま で も な く、 前 述 した よ う な外 国 人 の 農
146
地取 得 の増大 に対 処す る こ とを意 図 した もの
AFERが
で 、 その 具 体 的 な活 動 の ね らい と して は 、
地 取 引 を 除 外 し た も の を こ う呼 ん で い る 。 除
介 入 す る こ と を 制 限 さ れ て い る農
外 さ れ る 取 引 の 主 た る もの は 、 現 存 の 借 地 農
(イ)その よ うな外 国 人の 農地 取得 希 望 者 に対
に よ る賃 借 地 の 買 取 り と 一 定 の 親 族 間 の 農 地
して ヨー ロ ッパ レベ ルで 情 報 を与 え る こ と、
(ロ)その者 が農 業者 で あ る場合 に は、 ま さに
売 買(と
くに相続 分 割後 の共 同相 続 人 間で の
取 引)で
あ る。
(注41)こ
新 規 の農業 者 の 自立 や入 植 が もっ と も必要 と
のOGAFの
事 業制 度 は 、地 域
レベ ル の 農 業 者 の 協 議 と 合 意 に基 づ い た ソ フ
トで 柔 軟 な 土 地 整 備 や 土 地 利 用 再 編 の 手 法 と
され て いる地域 へ の入植 を誘導 し、援 助 す る
して 、 近 年 し だ い に 重 要 な 役 割 を 果 た す よ う
こと、(ハ)非 農 業 者 の農地 取得 に対 して も同
に な って き て い るが 、 そ の 詳 細 に つ い て は 、
様 の 配慮 を払 う と同 時 に、(二)と くに その農
前 出 注6の
① 論 文461頁
以 下 と 、 前 掲rフ
ン ス の 構 造 政 策 の 再 編 と 農 地 政 策 」34頁
地 取得 が 非農 業 目的 の土地 使 用 な い し開 発行
ラ
を参
照 された い。
為を 目的 と して い る ときに は、 その プ ロジ ェ
(注42)SAFERが
、 狭義 の農 業 内部 的
な 諸 活 動 は も と よ り農 村 整 備 や 農 村 開 発 と農
ク トの 内容 を地域 の利 害 ・実 情 を踏 ま えて事
用 地 の 利 用 転 換 の 方 向 づ け に 関 して も、 地 域
前 に吟 味 ・検 討 し、 そ の プ ロジ ェ ク トの実 現
レベ ル の 農 業 者 や 市 町 村 と の
「協 議 」(c0n
が、 当該 地域 の農 村 開発 の論 理 に即 した もの
certation)に
とな るよ うにす る ことに寄 与す る こ と、 な ど
い る こ と は 、 前 編 で も ふ れ た し(前
下)、
が あ げ られ て い る。 と くに最後 の(二)の 点 に
つ い て は、SAFERの
編59頁
以
本 稿 で も す で に 述 べ た と こ ろ で あ るが 、
先 に しば しば 引 用 した ボ ォ ー 氏 も、 この 点 を
もつ先 買権 と、土 地
強 調 して 、 次 の よ う に 述 べ て い る 。
rSAFERの
利 用 の方 向づ けを め ぐる地 域 レベ ルで の議 論
活 動 を 介 して 、 フ ラ ン ス の
農 業 者 は 、 土地 の 集 団 的 管 理 の 一 定 の慣 行
・協議 を組 織 化す る能 力 とを考 え れ ば、 か な
(な い し 、 や り 方=uncertainpratiquede
lagestioncollectivedufoncier)を
り重要 な意義 を もった活 動 とな る可能 性 もあ
し て き た 。 …SAFERの
ろ う。 た とえば 、 その プ ロ ジェ ク トの 内容が
750人
地 域 の利 害 に反す る とみ られ る と きには、S
AFERは
基 づ い た 関 与 ・介 入 を 重 視 し て
獲 得
固有 の職 員 は
に減 少 し た と して も 、 そ れ に 加 え て 、
何千 人 もの協 力者 がい る。彼 らは、 各 カ ン ト
ン(小
、開発 予 定で 売買 され る農地 を 自
郡)や
市 町 村 の 隅 々 ま で 存 在 して お り 、
具 体 的 な 事 業 の 実 現 が 問 題 と な る ご とに 、 土
ら先 買 いす る こと もで きるか らで あ る。
地の 最良 の利 用方 法 につ いての 議論 に参加 し
て くれ る 。 そ して そ こに は 、 農 村 部 の 市 町 村
(注39)こ
資 料 を 参 照
の 項 につ
い て は 、 と く に 以 下 の
長 も、 ま た 当 然 に 巻 き込 ま れ る 。 確 か に 、 農
し た 。FNSAFER,SAFER-90,0p.
業 者 は 、 彼 らが そ れ を 必 要 とす る 場 合 に は 、
cit.;FNSAFER,SAFER-91,0p.cit.;
1988∼90年
第1に
の 各 年 のSAFER/SCAFR,SAFER-
しか し、 ま た 農 業 者 は 、 そ の 地 方 の 開 発 に 寄
Resultatsnationauxd'activite,oP.cit.
与 す る そ の 他 の 土 地 利 用 も こ こ ろ よ く認 め て
;LeredeploiementdesSAFERop.cit.
(注40)全
体 と して の
あ る 農 地 市 場 」(前
は 農 地 を 保 全 す る こ と を 望 ん で い る。
い る。 これ は、 フ ラ ン ス の 農 村 空 間 の 管 理 の
「潜 在 的 に 可 能 性 の
出 注34)の
一 つ の 特 徴 と な っ た 慣 行 で あ り 、ECの
う ち か ら 、S
他 の
諸 国 で は そ れ ほ ど み られ な い も の で あ る 。 も
147
役 務(servicesd'operateursf0nciers)を
し、 こ の 市 町 村 に お け る土 地 の 集 団 的 管 理 の
慣 行 が 消 滅 す る とす れ ば 、 ま た あ る い は 、 分
も担 お う と して い る の で あ る 。 」(注45)
権 化 に よ って 市 町 村 長 に付 与 さ れ た 新 し い権
限 の 結 果 、 農 業 者 が そ の 管 理 か ら遠 ざ け られ
る とすれ ば、 そ れ は一つ の損失 とな るで あろ
(注44)Lered6ploiementdesSAFER,op-
う 。 」(LeredeplolementdesSAFER,op.
cit.,P.36.
cit.,P.37)
(注44)LeredeploiementdesSAFER,op.
ciL,p.35.な
誌 は 、 前 出 注4に
Vお
わ りに
Rが 遭 遇 した経 営面 な らびにそ の活動 の 社会
的位 置 づ けの面 で の困難 と動揺 の 時期 は、 ひ
とまず 終 わ りをつ げた 。1982年 に1,200人 い
職 員 は、90年 には750人 にま
で 削減 され 、SAFERそ
れ 自体の 数 も、地
域 区分 の 見直 しと再編 ・統 合 に よ り、30幾 つ
の時代 か ら27(フ ラ ンス本 土 のみ)に 減 少 し
た が 、 間 違 い な く、 「悪 い 時代 は去 り」 、
「
新 しい頁が め くられ た」ので あ る(注44)。
これ まで も繰 り返 し引用 して きた ボ ォー氏 か
らの イ ンタ ビューの記 録 が その小 見 出 しにお
いて この状況 を 以下 の よ うに要 約 して い る こ
とを紹介 して 、 本稿 を 閉 じることに した い。
「農地 価格 の低落 と結 びつ き、 そ の職 員の
削減 を もた ら した騒 乱 の時期 の のち に、SA
FERは
、今 日、 その状 況 を健全 化す る こと
に成 功 した 。 そ の施 行 令 が 最 近 発 布 され た
1990年1月23日 の法 律 は、 今後 に向 けてSA
FERの
示 し た よ う に91年6月
行 さ れ た もの で あ る 。
さて 、以 上 の よ うに、1980年 代 にSAFE
たSAFERの
お 、 この 記 録 が 掲 載 さ れ た 雑
介入 領 域 を大 き く拡 張 して い る。30
年 の歴 史を経 た うえで 、SAFERは
、 現在
で は、 市町村 のた めの土 地活 動機 関 と しての
148
に 発
〔
参 考資料--SAFERに
関す る基本 規 定〕
④
協 約(convention)の
SAFERは
1.「1988年12月30日
の農業 経 営 の経 済的 、
枠 内にお いて 、
、 農 事 法 典 第1条
に 定 め る農 村
土 地 整 備(amenagementfoncierrural)の
社会 的環 境へ の適 応 に関す る法 律 第1202
諸 事 業 に協 力 す る こ とが で き る。
号 を補完 す る1990年1月23日 の法 律」 第
⑤
同 様 に 、SAFERは
、 農 村 開 発(de
85号 によ って 改正 され た 「1960年8月5
veloppementrural)な
日の農業 の方 向づ けの 法律 」 第808号 の
境 の保 護 を助 長 す るた めに、 土地 、建 物 ま た
抜粋
は 経 営 の 非 農 業 的 使 用 に 向 け た 新 しい 方 向 づ
らび に 自 然 お よ び 環
け を 容 易 に す る た め の 諸 事 業 を 行 う こ とが で
第15条(1990年1月23日
26条)《 ①
ERは
の法 律第85号 第
きる。
土地 整備 農事 創設 会 社=SAF
⑥[SAFERの
、場 合 によ る土 地整 備 の の ちに再 譲渡
取 得 した 土 地 の 〕 再 譲 渡
は 、 す べ て の 公 法 人 ま た は私 人 の た め に 行 う
こ とが で き る。
す る ことを予定 して 、 その所 有者 に よって 自
由 に売却 に付 され る農 業用 も しくは林業 用 の
⑦SAFERは
、 同様 に、 許可設 立 の 森
土 地 ま たは経営 な らび に不 耕 作 の土地 を取得
林 管 理 組 合(assocciationsyndicaledege
す るた めに、設 立す るこ とが で き る。す べ て
stionforestiereautorisee)の
の公 共団 体 は、そ の会社 の資 本 に 出資 す る こ
す る こ とが で き る 。 組 合 の 界 域 ま た は森 林 土
とが で き る。
地 整 備 事 業 の 界 域 内 に お い て 取 得 さ れ る林 地
②SAFERは
、 と くに、 一定 の農業 ま
は 、 優 先 的 に 関 係 の 森 林 所 有 者 に 対 して 再 譲
た は林業経 営 の面積 を拡 大 す る こ と、 土地 の
耕作(lamiseencultureduso1)お
創設 に協 力
渡 され る。
よび
⑧
デ ク レに よ っ て 定 め られ る条 件 に 従 っ
農業 者 の 自立 ま たは維 持を 助長 す るこ と、 お
て 、SAFERは
よ び、地 片 の改良 を実 施す る ことを 目的 とす
tivitesterritoriales)お
る。
す る公 の 施 設(etablissementpublic)に
③
農 事法 典第5条 の1の 規 定 を留 保 して 、
SAFERは
、土 地整 備 また は土 地 の利活 用
(lamiseenvaleurdusol)に
かか わ るす
べ ての調 査研 究(etudes)を
第 三 者 の計算 に
、 地 域 的 公 共 団 体(co11ec
よび それ に 由来
対
して 、 土 地 関 係 事 業(operati0nsfonciere
s)の
実 施 、 お よ び と くに 、 そ れ らの 公 共 団
体 また は公 の施 設が その 資格 にお いて 有す る
先 買 権 の 行 使 の た め に 、 技 術 的 協 力(concou
お いて 行 い、かっ 、 それ にか かわ る工 事 の実
rstechniques)を
施 に参 加す る ことがで きる。
山 岳 地 帯 に お い て は 、SAFERは
149
供 与 す る こ と が で き る。
、農 事 法
典 第40条 の1に
の 理事 会へ の参 加 を定 めな けれ ば な らない。》
定 め る条 件 に従 っ て 、 不 耕 作
-(以
地 ま た は 明 らか に 低 利 用 の 土 地(terresinc
下 の⑪ 、⑫項 は改 正 な し)一 一
ultesoumanifestementsous-exploitees)
に 関 して 介 入 す る こ とが で き る 。
⑨
海外 県 に お い て は、
は、〕総 合 的 整備
第16条(②
は省 略 す る)。(注1)
〔SAFER
(注1)削
〔プ ラ ン〕(pland'amena
gementd'ensemble)の
項 の一 部 の削除 が あ るが、 訳 出
除 された文 章 は、SAFERが
行 う農 地取 引 につ いての 印紙 税 、登録 税 、
枠 内にお い て、 公益 事
由 の た め の 収 用 法 典 法13-15条
の意 味 で建 築
取 引高 税 の免 除を定 め た もので あ った。
用 地 所(terrainsabatir)の
性 格 を 有 しな
改正 後 の法 律で は、 その か わ りに、 よ り
い 市 町 村 の 一 部 の 領 域 につ い て も、 前 項 に 定
詳細 な内容 を もつ次 の第16条 の1が 新設
め る 技 術 的 協 力 を 行 う こ とが で き る 。 人 口 の
されて い る。 なお、 この 免税 措置 の 改正
数 量 的 制 限 も、 適 用 さ れ な い 。 》
に よ って生 ず る租 税収 入 の減 少分 は、租
⑩SAFER〔
税一 般法 典 第575条 お よび第575条aに
の設 立〕 は、農 業大 臣 お
よ び 財 務 ・経 済 大 臣 に よ っ て 認 可 さ れ な け れ
定 め る諸 税 の増額 によ り補填 され る こと
ば な らな い 。 そ の 活 動 区 域 は 、 認 可 の 決 定 の
も、 同 時 に規定 され て い る(1990年1月
な か で 定 め られ る。(1990年1月23日
23日 の法 律 第85号 第29条 の Ⅱ)。
第85号 第28条)《
そ の 定 款 は 、 理 事 会(con
seild'administration)の
と も4分 の1に
の法律
構成 員 の少 な く
つ い て は 、 当 該SAFERの
第16条 の1(1990年1月23日
の法 律 第85
号 第29条 の Ⅱ)《 ①SAFERが
行う 〔
不
活 動 区域 の州 議 会、 県議 会 お よび市 町村 議会
動 産 の〕 取得 はすべ て、 印紙 紙 、登録 税 お よ
の 代 表 者 が 含 ま れ る こ とを 定 め な け れ ば な ら
び取 引高 税 を免 除 され る。SAFERが
な い 。SAFERが
株 式 会 社 の 形 態 を と って
す る不動 産 の取 得で 、農 業経 営 の維持 、 創設
設 立 され る と き に は 、 商 事 会 社 に 関 す る1966
ま たは拡 大 を 目的 と し、 その 取得 者 お よび承
年7月24日
第89条 の 規 定 に か
継 人 が所 有権 の 移転 の 日か ら10年の 間、 取得
か わ らず 、 そ の 定 款 に お い て 、 理 事 会 の 構 成
した不動 産 の用 途 を保 全 す る旨の約束 を伴 う
員 の 数 を18人 ま で 引 き上 げ る こ とを 定 め る こ
もの につ いて も、 また 同様で あ る。
の 法 律 第537号
と が で き る。 》(1984年8月2日
747号
第11条 の1)《
の法 律第
②
グ ァ ドル ゥ プ、 ギ ア ナ 、
譲渡
植 林 され た地片 の譲 渡 につ いて も、 同
様 の 免除 が適 用 され る。 た だ し、譲渡 され る
マ ル チ ニ ク お よ び レユ ニ オ ンの 諸 州 に お い て
地 片 の全 体 が10haを こえ な い こ と、 ま た は、
は、 その 定款 は、同 様 に、州 評議 会 の代 表者
10haを こえ る場 合 には それ らの地 片 の全 体が 、
150
1930年4月16日 の予算 法律 第15条 も し くは森
所有 者 は、 第15条 に定 め る 目的 に従 って、地
林法 典法222-1条 の適 用条 件 を定 め る1930年
片整 備 または その農 業 的利 用の た めに 、賃貸
6月28日 の デ ク レの意 味 にお いて 規則 的 な整
されて い ない農 事不 動産 を 、 〔
特 別 の〕 合意
備 また は経 営 の対 象 とな らない ことを条件 と
(conventi0n)に よ って、SAFERの
す る。
③
管理
に委 ね るこ とが で きる。 た だ し、 その農 事不
第1項 に定 め る約束 が遵 守 され なか っ
動産 の面 積 は、 自立 不 限面積(surfacemini
た ときは、取得 者 ま た はその承 継 人 は、最 初
mund'installation)の2倍
の請求 が あ りしだ い、 そ の取得 行 為 につ い て
で きな い(注2)。
免 除 され た諸税 を 、6%の
411-1条 の規 定 の適 用を 除外 され る(注3)。
追徴 金 を付 して支
払 わ な ければ な らな い。
④
を こえ るこ とが
その 合意 は、 農 事法 典法
その 合意 の 期間 は、6年 を こえ る こ とが で き
本 条 は、 不 動 産 の 譲 渡 に つ い て は 、
な い。 その合 意 は、一 度 だ け更新 す る こ とが
1988年12月30日 の農 業経 営 の経 済 的、 社会 的
で き る。
環 境へ の適 応 に関 す る法 律 第1202号 を 補完 す
②
その 〔
農事 不動 産 の利 用の〕 ため に、
る1990年1月23日 の法律 第85号 の公 布 の 日以
SAFERは
、賃 料 に関す る規 定 を除 いて 小
降 に取 得 され た不動 産 の譲 渡 につ いて のみ 、
作 関係 規 則 の規定 に服 しな い賃 貸借 を締 結 す
適 用 され る。 その 日以 前 に取得 され た不 動 産
る。 その賃 貸借 契 約 は、 その締 結 の と きに、
の譲渡 は、従来 の課 税 制度 によ って規律 され
賃 借 人が賃 貸 資産 に対 して 行 うこ とを約 束 す
続 け る。》
る改良 、 お よび、賃 借 人が 賃貸 借 の期 間満 了
時 に受 け る補償 金 の額 を定 め る。
第17条(SAFERの
農地 保有 期 間一 一
原 則 と して は5年 、例外 的 に10年-を
③
この賃 貸借 の期 間が6年 を こえ ると き
定め
は、所 有 者 は、 その賃 貸借 の期 間満 了 時 に、
た規定 で あ るが 、 改正 が ない ので、 訳 出 は省
既 存 の賃借 人 に 同 じ条件 で 賃貸 す る こ とを あ
略 す る)
らか じめ提 案 したの ちで なけれ ば、 上記 の合
意 の 目的 とな って い る財産 を農 事法 典法441
第18条(第15∼
-1条
第17条 の規定 の適用 の 細
則 をデ ク レの定 め に委任 す る旨の規 定 であ り、
改 正が な いので 、訳 出 は省 略す る)
の条 件 に従 って賃 貸 に付 す ことが で き
ない。
④
本条 第1項 の適 用 によ って締結 され る
合 意 は、 印紙税 、登 録税 な らびに取 引高 税 を
第18条 の1(1990年1月23日
号 第30条)《
①
す べ て の(農
の 法 律 第85
免 除 され る。》
事不 動産 の 〕
(注2)「
151
自立下 限面 積 」=SMIと
いう
Ⅱ(1990年1月23日
の は、 いわ は"存 続 可能 な経 営 の最 低面
の法律 第85号 第31条)
積 水準"を 示 す もの と して 、従 来 か らフ
《
農 業用 の不動 産 が国有 財産 法 典 の法27条 の
ラ ンス の構造 政 策上 の基 礎 的 な面積 単位
2の 規定 に従 って 国有財 産 とな った ときは、
とされ て きた もの であ る。全 国 レベ ルで
県 にお け る国 の代 理官 は、 そ の価額 の如 何 に
の基 準 とされ るそ の面積(自 立 下 限面積
か かわ らず、 県土 地整 備委 員会 の 意見 を 聞い
全国 基準 の絶 対 値)は 、全 国 レベ ルの平
た のち に、国 有財 産管 理庁 の定 め る価 格で そ
均経 営規 模 にほぼ等 しいが 、各 県 、各地
の任 意譲 渡(cessionamiable)を
域 レベ ルで の その基 準面 積 の絶 対値 は、
こ とがで きる。》(注4)
当該 地域 の農 業構 造の状 況 に応 じて3倍
以上 の 開 きが あ る。SMIの
(注4)こ
意義、な ら
の改 正がSAFERに
決 定す る
とって有
す る意味 につ い て は、 本文 の 皿(2)2)
④ を参照 せ よ。
び に本項 で そ れを基 準 とす る制 限 が定 め
られ て い るこ との 意味 につ い て は、本 文
の 当該箇 所 と同所 の注 を参 照せ よ。
第7条-一
改正 の要点 は、以 下 の通 りであ
は、 同法典
る。
の同 条 以下 に定め られ て い る 「小 作関係
1)第
規則 」が 適 用 され る農地 の利 用 関 係 を包
立下 限面 積の3倍 まで の範 囲 内で 」 とい う文
括 的 に定 義 した規 定で あ る。 した が って、
言 を 、 「自立 下 限 面 積 の4倍 ま で の 範 囲 内
本項 の この文言 は、農地 所有 者 とSAF
で」 と改 め た(注5)
ERと
2)第
(注3)農
事 法典 法411-1条
の 間 の 農 地 の管 理 委 託 に 関 す る
Ⅰパ ラ グラ フの第2項 第2号 中の 「自
Ⅱパ ラ グラ フの第2項 中 の 「ま たは適
「
合 意」 につ いて は 「
小 作 関係 規 則」 の
法 に代位 す るそ の卑属 」 とい う文 言 を、 「ま
適用 が な い こ とを 意味す るわ けで あ る。
た はそ の配偶 者 も しくは適 法 に代 位す るその
卑 属 」 と改 めた(注6)。
2.「1988年12月30日
の農 業経 営 の経 済的 、
(注5)こ
の第1パ ラ グラ フの第2項 の規
社会 的環 境へ の適 応 に関す る法律 第1202号 を
定 は、SAFERの
先 買 権行 使 の 目的を
補完 す る1990年1月23日 の法 律 」第85号 に よ
列挙 した規定 で あ り、第2号 で は 、既存
って改正 され た 「1960年8月5日 の 農 業の方
経営 を一 定 の限度 内(従 来 は 「自立 下 限
向づ け の法律 第808号 を補完 す る1962年8月
面積 の3倍 まで の範 囲 内」)で 規模 拡大
8日 の法律 」 第933号 の抜粋
させ る場 合が 定 め られて い る。 この改正
は、 同 じ1990年法 によ り、 「
経 営構 造 コ
第1条1(訳
ン トロール」 の許 可規 制 にお け る上 限面
出省 略)
152
積 制 限の基 準面 積が 「自立下 限 面積 の3
また は経 営 が合 理 的な 利 用に適 して いな い土
倍」 か ら 「自立 下 限面積 の4倍 」 に 引 き
地所有 者 また は経 営者 、SAFERが
上 げ られ た こ とに対 応 して 、上 記 の 限度
せ、 も しくは維 持 しよ うす る農 業 者、 このデ
も 「4倍 」 に引 き上 げた もので あ る。 な
ク レの第12条 に定 め る条件 に従 って それ らの
お 、本文 の
農業 者 に賃 貸 す る こ とを 約束 す る者、 あ るい
(注6)第
頁 も参照 せ よ。
Ⅱ段 落の 第2項 は、小 作 地(貸
自立 さ
は、上 記 の法律 の第15条5項 の意 味 にお いて
付地)に つ いて は、現 存 の賃借 人 や そ の
土地 、建物 また は経営 の 〔
利 用 の〕新 しい方
卑属 の もつ 先買権 の方 がSAFERの
向づ け を行 うこ とを 目的 とす る者;
先
2°
買権 に優 先 す る ことを定 め るが、1988年
〔
土地 の〕 農業 的 利用 の増 進 を容 易 に
法 に よ る改正 で 、賃借 人 の先 買権 の行 使
す るこ と、 お よび、農 村 開発 な らびに 自然お
権 者(受 益 者)が
よび環境 の保 護 を助長 す る ことを 目的 と して、
「
賃 借人 の配偶 者 」 に
も拡 張 され たの で(改 正後 の農事 法 典 法
SAFERに
412-5条)、
およ び工事 を実施 す る こと;
それ にあわ せ る形 で本 項 の
3° 第三者 に属す る不 動産 につ いて、土 地
規 定 の文言 を整 え た もの で あ る。 した が
って 、 これ は、SAFERそ
属 す る不 動 産 につ いて調 査研 究
れ 自体 の 機
整備 また は土 地 の利 活 用(lamiseenvaleur
dusol)に
能 に関す る改正 で はな い。
結 びつ いた調 査研 究 を実施 す る こ
と、 それ らの 目的 の工事 の実 施 に参加 す る こ
3.「SAFERに
と;
関 して 、1961年6月14日
の デ ク レ第610号
お よ び1962年10月20日
ク レ第1235号 を 改 正 す る1991年1月9日
のデ
4° 農事法 典 第1編 第1章 第1節 に定 め る
のデ
条 件 に従 って、 〔
土 地 の〕 交換 を行 い、 行 わ
せ る こと;
ク レ」 第29号 に よ って 改 正 され た 右 の1961年
6月14日
の デ ク レ第610号
5° 農事法 典 第1編 第1章 第5節 に定 め る
の抜 粋
条 件 に従 って、 不耕 作 地 また は明 らか に低 利
(SAFERの
事 業 内容一-全 面改 正 後 の条
用の土 地 の利 活 用 〔
の た めの事 業〕 に参加 す
文)
第3条
るこ と。
上 記 の1960年8月15日 の法 律 の第
15条 の適 用 に よ り、SAFERは
、 と くに 以
下の こ とが らを行 う ことが で きる。
1° 以 下 の者 のた めに 〔
土地 資産 の 〕譲 渡
の手続 きを行 うこと。 す なわ ち、 その 所 有地
153
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