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インターネット利用実態と リテラシー向上対策の調査研究 報告書

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インターネット利用実態と リテラシー向上対策の調査研究 報告書
禁無断転載複写
インターネット利用実態と
リテラシー向上対策の調査研究
報告書
平成 18 年 3 月
FMMC
財団
法人
マルチメディア振興センター
Foundation for MultiMedia Communications
はじめに
一般電話から PPP でダイヤルアップ接続により利用していたインターネット。時計
とにらめっこをしながら、電話代や接続料金を気にしながら利用していたことが嘘の
ように、常時接続、料金定額が一般的になり、今や情報は電話帳を引くよりもネット
で調べる時代になりました。この数年でインターネットは、ビジネスや一般の生活に
浸透し、利便性が社会的に広く認知されてきています。それに伴い、最近のインター
ネット環境は、コンピュータ・ウイルス、迷惑メール、なりすましや違法・有害情報、
著作権や名誉毀損問題、フィッシング詐欺等の様々なトラブルが発生し、その件数は
増加しています。これらの問題は、インターネット初心者や、将来インターネットを
活用すると思われる子供達からインターネットを遠ざけるような結果を引き起こし
かねません。
今日、日本においても国民の大多数が利用するようになったインターネットの世界
は、なにもバーチャル・ワールドと言われるような特別の世界ではなく、通常生活し
ている社会と同じようにマナーやモラルが守られるべき世界です。人間と人間が直接
顔を合わさないインターネットだからと言ってマナーやモラルを守らなくていいと
いう事はありません。前述したトラブルが発生している大きな要因の一つとして、こ
れらが原因になっていると考えられます。技術的な安全安心はもとより、利用者のリ
テラシーの向上は、単に犯罪やトラブルの防止と言うことだけではなく、インターネ
ットの利便性を有効に活用し、よりよい社会生活を営む一助になるものと確信してお
ります。
このような背景のもと、本調査研究は、初心者や未利用者を対象に、広く都道府県
に会員を持つ社団法人日本インターネットプロバイダー協会に委託し、実態調査と研
究会を実施したものです。本調査研究の成果が今後のリテラシー向上の環境整備にご
活用頂けると幸いです。
平成 18 年 3 月
財団法人マルチメディア振興センター
理事長
白井
太
目次
はじめに
第1章 本調査について
1.
目的..........................................................................
1
2.
背景..........................................................................
1
3.
概況..........................................................................
2
第2章 インターネット利用者における利用状況の調査報告
2-1
初心者ヒアリング調査..................................................
3
2-1-1
初心者ヒアリング調査概要..............................................
3
2-1-2
初心者ヒアリング調査結果..............................................
5
(1) 回答者属性............................................................
5
(2) 自宅にあるパソコンの利用状況..........................................
7
(3) 自宅でのインターネット利用状況........................................
16
(4) パソコン・インターネットに関するセキュリティ対策......................
26
(5) その他のパソコン・インターネットに関すること..........................
44
Web によるアンケート調査...............................................
53
2-2-1
Web によるアンケート調査概要...........................................
53
2-2-2
教師アンケート調査結果................................................
55
(1) 回答者属性............................................................
55
(2) 学校でのパソコンの利用状況............................................
59
(3) 学校でのインターネット利用状況........................................
61
(4) 携帯電話の利用状況....................................................
70
(5) IT リテラシーについて..................................................
72
2-2
2-2-3
PTA アンケート調査結果.................................................
73
(1) 回答者属性............................................................
73
(2) 家庭でのパソコンの利用状況............................................
79
(3) 家庭でのインターネット利用状況........................................
81
(4) 携帯電話の利用状況....................................................
91
(5) IT リテラシーについて..................................................
98
2-2-4
子供アンケート調査結果................................................
99
(1) 回答者属性............................................................
99
(2) 家庭でのパソコンの利用状況............................................
102
(3) 家庭でのインターネット利用状況........................................
107
(4) 携帯電話の利用状況....................................................
117
(5) インターネットを利用することで感じること..............................
121
第3章 研究会における検討結果
3-1
研究会概要............................................................
123
3-2
第 1 回研究会内容......................................................
123
3-2-1
趣旨説明............................................................
123
3-2-2
ヒアリング調査結果の考察とアンケートへの要望...... ..................
125
3-3
3-3-1
第 2 回研究会内容......................................................
131
アンケート調査結果への考察と分析及び感想............................
131
第4章 他団体のインターネットリテラシー活動状況と学校の取組み
4-1
概要....................................................................
139
4-2
他団体のインターネットリテラシー活動の状況..............................
139
4-2-1
財団法人インターネット協会............................................
139
4-2-2
NPO 日本ネットワーク・セキュリティ協会..................................
140
4-2-3
総務省及び関連団体....................................................
141
4-2-4
警察庁................................................................
141
4-2-5
トレンドマイクロ株式会社..............................................
141
4-2-6
セキュリティソフトウエアメーカー......................................
143
学校の取組み............................................................
145
4-3-1
宮城県大河原商業高等学校の取組み......................................
145
4-3-2
静岡県立静岡中央高等学校の取組み......................................
145
4-3
第5章 総括
5-1
総括....................................................................
第6章
6-1
147
提言
提言...................................................................
153
添付資料 1 インターネット利用者アンケート(ヒアリング).........................
155
添付資料 2 教師に対するアンケート.............................................
165
添付資料 3 PTA に対するアンケート..............................................
169
添付資料 4 子供に対するアンケート.............................................
173
添付資料 5 学校の取組み資料...................................................
177
第1章
本調査について
第1章
本調査について
第1章 本調査について
1.目的
インターネットや携帯電話は、いまや国民生活のあらゆる分野に浸透し、社会的に
利便性が広く認知されている一方で、インターネットを始めたが、その楽しさや便利
さを体感できずにいる利用者も少なくない。そのうえ、インターネットの利用を通じ
て、迷惑(spam)メール、コンピューターウィルスの蔓延、著作権や名誉毀損問題、
なりすましや有害情報の流布、架空請求や個人情報漏洩問題など、さまざまなトラブ
ルが発生し、増加してきている。
最近のインターネットに関して最優先で取り組むべき主要課題の一つとして、迷惑
(spam)メールを始め、フィッシング、スパイウエアへの対策がある。これらの問題
は技術的な解決が難しいだけでなく、法的な整備をはじめ、事業者はもとより利用者
のリテラシー向上のための施策を実施しなければ、被害が拡大する一方である。
また、最近では児童のインターネットに絡んだ事件がニュースで大きく取りざたさ
れており、将来インターネットを活用すると思われる児童からインターネット、コン
ピュータを遠ざけようとする傾向が見られる。このように恐怖心や猜疑心でむやみに
インターネットの利用を制限し、企業が顧客への通知に一切メールを使わなくなれば、
本来インターネットによってもたらされる利便性を自ら放棄しかねない大きな問題
になると思われる。より安全で安心なインターネットの利用環境整備を行うとともに
インターネット利用者が自らトラブルに巻き込まれないようにリテラシーを向上さ
せることが今後のインターネット社会と利用者の利便性を確保することにつながる。
本調査では、インターネット初心者や児童等のインターネット、コンピュータ及び
携帯電話に対する利用実態や知識を把握し、インターネット等をより安全・安心に使
い、本来のインターネットの機能を有効に活用出来るようリテラシーの向上を目指す
ものとする。
2.背景
ここ数年、急激にインターネットのブロードバンド化が進む一方で、日本国内にお
いてもデジタルデバイド地域の解消はまだまだ先のようであり、ブロードバンド系の
インフラが使えるエリアに対して使えないエリアでは、単に視聴出来ないコンテンツ
があるだけでなく、そのようなコンテンツの存在を知らないことによる弊害や、利用
できないことによる技術が伝わらない、また極端な場合には人口の移動まで起こって
いる。
このデジタルデバイドはインフラだけの問題ではなく、知識、あるいはリテラシー
-1-
第1章
本調査について
の問題とも大きく関係していると思われる。
子供たちを取り巻く物理的な環境は地域によって大きく変わる(都会と田舎など)
がインターネットの場合は、地域特性がない。あるとすれば、ブロードバンド環境が
ない地域では見たいものも見られなかったり、セキュリティ関連のファイルなど、ダ
ウンロードしたくても出来ない状況にあることだ。
また、インターネットを利用した犯罪が起こる度に学校や家庭で使える環境を制限
しようとする動きだけが進み、本来のインターネットの長所・短所を見極めるような
活動があまり行われてきていない。実際、東京都を始め多くの自治体でフィルタリン
グを義務づけるなどの条例が制定されているが、多くの場合その効果や関係法令の十
分な議論がなされずに進められている。
インターネットの普及によりインターネットはもはや社会そのものとなり、その利
用マナーやモラルの向上は社会のマナーやモラルそのものが向上しなければなしえ
ない。利用者が安全・安心にインターネットを利用していくには、利用者のリテラシ
ーを向上させることが、もっとも有効な対処法ではないかと考えられる。まずは今の
ユーザ環境の現状を理解することが第一歩であり、特に初心者を中心に実態調査を行
い、それらに基づいた方策を考えることで、ユーザのリテラシー向上や今後も出てく
る新手のインターネット上の脅威に強いユーザを育てることがインターネット・コミ
ュニティ社会の責務ではないかと考える。
実態調査を行うに際しては地域による格差も歴然とあることから、広範な地域から
アンケートを集めることによりできるだけ偏りのないものを目指すこととする。
3.概況
よく行われる調査では対象となりにくい初心者や未利用者を対象にあらかじめヒ
アリング調査を行い考察を行う。その調査結果を元に子供を取り巻く環境、教職員や
PTA 及び子供たちに同一の質問でアンケート調査を行う。これにより、少しでも初心
者を取り巻く環境の実態、またそれをサポートする体制などを調査し、今後初心者や
子供たちに対して、どう取り組んでいくかを考える。
-2-
第2章
インターネット利用者における利用状況の
調査報告
第2章
第2章
2-1
2-1-1 初心者ヒアリング調査概要
インターネット利用者における利用状況の調査報告
初心者ヒアリング調査
2-1-1
初心者ヒアリング調査概要
□ 調査の概要
パソコンやインターネットを利用する上で、どのような使い方をしているか、及び、
家庭内でのパソコン・インターネットの利用率からセキュリティ、フィルタリング対
策の実施状況なども含めて、誰が中心になって使っているのか、管理しているのかを
調査した。
本調査はヒアリングによる方法で行い、主にパソコン操作やインターネット利用の
初心者を対象にプロバイダーの方々にご協力いただき実施した。アンケート項目数と
しては、多岐にわたった項目となっており、アンケート回答者が今後もインターネッ
トを利用するうえで、知っておかなければならないこと「(4)パソコン・インター
ネットに関するセキュリティ対策」を盛り込み、用語解説を添付して啓発を兼ねてい
る。
よって、回答数の少なさや地域、年齢に、ある程度の偏りがあるものの利用者の概
観的な把握は出来ている。
□ 調査項目
本調査における主な調査項目は、
・ 自宅におけるパソコンの利用・管理状況
・ 自宅におけるインターネットの利用・管理状況
・ プロバイダーサービス利用状況
・ セキュリティ等対策対応状況
・ 今までにパソコン・インターネットがもたらした情報等
□ 調査方法
調査の対象は、出来るだけパソコンの操作に不慣れな人、よくわかっていない人、
またインターネットについては初心者の方を選んでヒアリングを行っていただくよ
う依頼した。このヒアリングにあたっては地域プロバイダー事業者の方々を中心に社
団法人日本インターネットプロバイダー協会会員にご協力いただいた。
□ 実施期間
2005 年 10 月~2005 年 12 月まで
-3-
第2章
2-1-1 初心者ヒアリング調査概要
□ 有効回答数
質問項目によるが、最大 128 人
□ 調査票
本報告書の巻末に添付
□ 協力事業者
NTT コミュニケーションズ株式会社(OCN)
群馬インターネット株式会社(群馬インターネット)
株式会社サンライズシステムズ(両毛インターネット)
株式会社仙南情報技術センター(JET インターネット)
ディーシーエヌ株式会社
株式会社新潟インターネットサービス
株式会社新潟データセンター
株式会社日本 IT 総合研究所
日本電気株式会社(BIGLOBE)
株式会社日本ファシリティ
株式会社ネットフォレスト(かもめインターネット)
ヒロボーメディアサーブ株式会社(府中インターネット)
株式会社富士通ソフトウェアテクノロジーズ(Web しずおか)
株式会社マイメディア(いわみインターネット)
松下電器産業株式会社
-4-
第2章
2-1-2
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
初心者ヒアリング調査結果
(1)回答者属性
調査対象者は、女性が 60.9%と若干多い。年齢については、幅広く拾えているが、
やはり 30 代が 32.8%と多かった。
性別
男性
39.1%
女性
60.9%
(n=128)
性別
(単一回答)
全体
N
職業
%
(単一回答)
全体
N
%
男性
50
39.1
学生
24
18.8
女性
78
60.9
会社員
54
42.2
全体
128
100.0
会社役員
5
3.9
公務員・団体職員
6
4.7
SOHO・自営業・経営者
4
3.1
専業主婦
10
7.8
パート・アルバイト
14
10.9
無職
5
3.9
その他
6
4.7
128
100.0
全体
-5-
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
70才以上
4.7%
60才~69才
5.5%
年齢
小学生
4.7%
中学生
2.3%
50才~59才
4.7%
高校生
9.4%
40才~49才
14.8%
20才~29才
21.1%
(n=128)
30才~39才
32.8%
年齢
全体
(単一回答)
N
%
小学生
6
4.7
中学生
3
2.3
高校生
12
9.4
0
0.0
20 才~29 才
27
21.1
30 才~39 才
42
32.8
40 才~49 才
19
14.8
50 才~59 才
6
4.7
60 才~69 才
7
5.5
70 才以上
6
4.7
128
100.0
上記~20 才未満
全体
※小学生は 6 年生のみ回答有り
小6
中1
中2
中3
高1
高2
高3
6
1
1
1
5
6
1
-6-
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
(2)自宅にあるパソコンの利用状況
Q1:ご自宅にパソコンは何台あり、どなたが使っていますか。
また、持っていないなはなぜですか。
自宅にパソコンを所有しているかいないか、所有している場合にはその台数と誰が
使っているのかを調査した。
パソコン所有については、約 9 割の家庭にパソコンが導入されていることから世間
一般に言われている通り、普及率は大幅に上がっていることは良くわかる。所有台数
については、1 台所有が半数を占め、ついで 2 台所有と続いている。比較的、家族共
同で利用している割合が多く、初心者が利用している形態の特色といえるのではない
か。
自宅にパソコンが何台あるか
5台
1.6%
持っていない
9.4%
4台
10.2%
1台
50.0%
3台
10.2%
2台
18.8%
(n=128)
ご自宅にパソコンは何台ありますか
全体
N
%
1台
64
50.0
2台
24
18.8
3台
13
10.2
4台
13
10.2
5台
2
1.6
12
9.4
128
100.0
持っていない
全体
-7-
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
自宅のパソコンは誰が使っているか
0%
10%
20%
家族所有のパソコン台数
3台
4台
5台
所有無し
全体
60%
4 301
20
1台
2台
12
6 40
3台
70%
80%
13
13
90%
100%
2 12
72
62
自分以外の専用パソコン台数
2台
50%
24
48
自分専用のパソコン台数
1台
40%
64
自宅にあるパソコンの合計台数
(n=128)
30%
310
50
98
4台
5台
所有していない
自宅にある
自分専用の
家族所有の
自分以外の
パソコンの
パソコン
パソコン
専用パソコン
合計台数
台数
台数
台数
全
体
N
64
48
62
20
194
%
50.0
37.5
48.4
15.6
50.5
N
24
4
12
6
46
%
18.8
3.1
9.4
4.7
12.0
N
13
3
3
4
23
%
10.2
2.3
2.3
3.1
6.0
N
13
0
1
0
14
%
10.2
0.0
0.8
0.0
3.6
N
2
1
0
0
3
%
1.6
0.8
0.0
0.0
0.8
N
12
72
50
98
232
%
9.4
56.3
39.1
76.6
60.4
N
128
128
128
128
-
%
100.0
100.0
100.0
100.0
-
-8-
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
パソコンを持っていない理由を、複数回答で聞いたところ、4割の方が「学校また
は職場でしか使わないから」と応えており、使わない人は必要性もあまり感じていな
いと考えられる。また、次いで3分の1の人は携帯電話で十分だと答えており、一般
的なコミュニケーションにパソコンの必要性は感じていないようである。また、4分
の1の人は高額であることを理由にしており、低価格が進んでいる中でもまだ高いと
考えている人も意外に多いようである。
%
パソコンをどうして持っていないのか
0
5
10
15
20
25
30
35
40
41.7
学校または職場でしか使わないから
25.0
ほしいけど高いから
16.7
使い方が難しそうだから
33.3
携帯電話で十分だから
16.7
使いたいと思わないから
その他
(n=12)
45
0.0
持っていないと答えた方にお聞きします。どうしてもって
いないのですか(複数回答可)
全体
N
%
学校または職場でしか使わないから
5
41.7
ほしいけど高いから
3
25.0
使い方が難しそうだから
2
16.7
携帯電話で十分だから
4
33.3
使いたいと思わないから
2
16.7
その他
0
0.0
(回答
12 人)
-9-
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q2:ご自宅以外では、どこでパソコンを使いますか(複数回答可)
自宅でパソコンを所有している人、いない人に限らず自宅以外では、職場や学校で
の利用が圧倒的に多い。やはり、自宅や職場、学校での利用が多いのでインターネッ
トカフェでの利用は少ない。その他の少数意見は、実家や親戚の家と言うのがあげら
れている。
自宅以外では、どこでパソコンを使うか
0
10
%
20
30
40
50
54.7
職場
19.5
学校
インターネットカフェ
7.0
10.2
知人の家
22.7
使わない
その他
60
3.9
(n=128)
ご自宅以外では、どこでパソコンを使いますか
(複数回答可)
全体
N
%
職場
70
54.7
学校
25
19.5
9
7.0
知人の家
13
10.2
使わない
29
22.7
5
3.9
インターネットカフェ
その他
(回答
128 人)
- 10 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q3:ご自宅で主に何の目的でパソコンを使っていますか(複数回答可)
やはり「インターネット関連に使っている」が圧倒的に多い。ついで、ゲーム
(24.1%)、仕事の続き(23.3%)となっている。その他の回答としては、年賀状作成
や家計簿、音楽を聴いたり、編集をしたり等に使っているという意見も多かった。
自宅で主に何の目的でパソコンを使っているか
%
0
20
40
仕事の続きで使っている
23.3
ゲームに使っている
24.1
教育ソフト等で勉強に使っている
60
80
5.2
84.5
インターネット関連に使っている
その他
100
12.9
(n=116)
ご自宅で主に何の目的でパソコンを使っていますか。
(複数回答可)
全体
N
%
仕事の続きで使っている
27
23.3
ゲームに使っている
28
24.1
教育ソフト等で勉強に使っている
6
5.2
インターネット関連に使っている
98
84.5
その他
15
12.9
(回答
116 人)
- 11 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q4:パソコンの設定(アプリケーションソフトのインストールを含む)は、
どなたがやっていますか。
パソコンを扱うことによって、新しいアプリケーションのインストールや、プリン
タの設定、ネットワークの設定等は、その都度どうしても必要になってくる。その設
定を誰が行っているか。「自分の持っているパソコンは自分で設定している」と言う
回答が比較的多かった。しかし、当然と言うべきか「特定の人に設定してもらってい
る」が半数占めている。パソコン操作が簡単になったとはいえ、設定まで行くとなか
なか自分では思い通りに行かないようだ。
パソコンの設定(アプリケーションを含む)は誰が行っているか
家庭のパソコン
はすべて自分で
設定している
14.7%
自分の持ってい
るパソコンの設定
はそれぞれ自分
で設定している。
37.1%
特定の人に設定
してもらっている
48.3%
(n=116)
パソコンの設定(アプリケーションのインストールも含
む)はどなたがやっていますか。
全体
N
自分の持っているパソコンの設定はそれぞれ自分で設
%
43
37.1
特定の人に設定してもらっている
56
48.3
家庭のパソコンはすべて自分で設定している
17
14.7
116
100.0
定している。
全体
- 12 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
では、特定の人とは誰なのか。購入業者が少なく、父親に設定してもらっていると
いうのが意外と多かった。父親と回答しているのは、学生が多い。当初考えていた、
親より子供のほうがパソコンの管理設定は得意なのではないかとの考えがあったが、
そうではないようだ。
特定の人とは誰か
その他
16.1%
父親
26.8%
買ったときに設定
してもらった業者
5.4%
知人
12.5%
母親
3.6%
兄弟
8.9%
子供
8.9%
配偶者
17.9%
(n=56)
特定の人に設定してもらっている方で、特定の人とは
どなたですか。
全体
N
%
父親
15
26.8
母親
2
3.6
10
17.9
子供
5
8.9
兄弟
5
8.9
知人
7
12.5
買ったときに設定してもらった業者
3
5.4
その他
9
16.1
56
100.0
配偶者
全体
- 13 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q5:使っている OS(Operating System)は何ですか。(複数回答可)
やはり、Windows が圧倒的に多い。その他は、Linux と回答いただいたが稀なケ
ースである。
しかし、まだ Windows95、98、Me を利用しているという回答が 2 割もあるのは、
マイクロソフトがサポートを取りやめた為、今後セキュリティ上の問題も浮上してく
るのではないかと懸念される。
使っているOS(OperatingSystem)は何か
Windows95
2.6%
Mac その他
1.7% 3.4%
わからない
6.9%
Windows98
9.5%
WindowsMe
9.5%
WindowsXP
71.6%
Windows2000
16.4%
(n=116)
ご自宅で使っているパソコンの OS(OperatingSystem)
は何ですか(複数回答可)
全体
N
%
WindowsXP
83
71.6
Windows2000
19
16.4
WindowsMe
11
9.5
Windows98
11
9.5
Windows95
3
2.6
Mac
2
1.7
その他
4
3.4
わからない
8
6.9
(回答
116 人
全体
141 件)
- 14 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q6:Windows をお使いの方にお聞きします。Windows アップデート
(マイクロソフト
アップデート)を行っていますか。
Windows アップデートを定期的に行っているのが、51.9%と半数になっているが、
行っていないが 24.1%、行っているのかいないのかわからないが 24.1%にも上って
いる。
Windows の脆弱性を考えると早々に啓発を行う必要があると思われる。しかし、
実際は大容量のアップデートファイルを必要とする為、デジタルデバイド地域では現
実的に不可能なこともある。
Windows利用者のWindowsアップデート(マイクロソフト アップデート)を行っ
ているかどうか
わからない
24.1%
定期的に行ってい
る
51.9%
行っていない
24.1%
(n=108)
Windows アップデート(マイクロソフト アップデート)を
行っていますか。
全体
N
%
定期的に行っている
56
51.9
行っていない
26
24.1
わからない
26
24.1
108
100.0
全体
- 15 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
(3)自宅でのインターネット利用状況
Q7:ご自宅ではインターネットに接続しているパソコンを何台お持ちですか。
2 台以上のパソコンをインターネットに接続している家庭は、3 割程になる。意外
に多い数字である。先の「Q1」で既に 9 割の家庭にパソコンがあることを考えると、
インターネットへの接続は、一家に 1 台の時代へ移行しつつあるように思われる。
また、インターネットが日本で普及し始め、民間用ルータが数万円で販売され始め
た頃までは、プロバイダーへの接続アカウントが 1 つであるのに、複数のパソコンが
ルータで接続される事へ疑念があったが、今やそれは当たり前の時代になったようだ。
自宅でインターネットにつないでいるパソコンの台数
わからない
8.6%
つないでいない
9.4%
5台
0.8%
4台
3.1%
1台
51.6%
3台
10.2%
(n=128)
2台
16.4%
ご自宅ではインターネットに接続しているパソコンを何
台お持ちですか。
全体
N
%
1台
66
51.6
2台
21
16.4
3台
13
10.2
4台
4
3.1
5台
1
0.8
わからない
11
8.6
つないでいない
12
9.4
128
100.0
全体
- 16 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q8:ご自宅でのインターネットの接続方法について教えてください。
全国の統計データが語るのとよく似た構成になっている。
やはり、ADSL による常時接続が圧倒的に多く、CATV や FTTH による接続も、
かなり普及し始めている。しかし、一方でアナログ・ISDN による接続も 2 割近くあ
り、やはり「Q5」「Q6」の Windows のバージョン、Windows アップデートの問題
と並び、セキュリティの問題になる可能性は十分に考え得る。
自宅でのインターネットの接続方法
携帯電話・PHS(通
信カード等)
2.9%
わからない
4.8%
アナログ回線によ
るダイヤルアップ
7.6%
ISDN回線によるダ
イヤルアップ
5.7%
光ファイバー
11.4%
CATVインターネッ
ト(ケーブルモデ
ム)
2.9%
ISDN回線による常
時接続(フレッツ
ISDN)
5.7%
(n=105)
ADSL回線
59.0%
ご自宅でインターネットの接続方法について教えてくだ
さい。(出先は含まない)
全体
N
%
アナログ回線によるダイヤルアップ
8
7.6
ISDN 回線によるダイヤルアップ
6
5.7
ISDN 回線による常時接続(フレッツ ISDN)
6
5.7
62
59.0
3
2.9
12
11.4
携帯電話・PHS(通信カード等)
3
2.9
その他
0
0.0
わからない
5
4.8
105
100.0
ADSL 回線
CATV インターネット(ケーブルモデム)
光ファイバー
全体
- 17 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q9:ご自宅で週に何時間インターネットを利用しますか。
平日と週末では、利用時間が異なるであろうと考え、1 週間での利用時間を聞いた。
約半数が「1~10 時間」と答えている。当初 1 日 1 時間で週末は数時間であろうと
言う予想で、10 時間程度が多いと考えていたが、「10~20 時間」も合わせると半数
を超える事からも 1 日 1 時間程度が多いようである。
週に何時間インターネットをするか
わからない
7.8%
50時間以上
0.8%
つないでいない
9.4%
~1時間未満
18.0%
30~50時間未満
0.8%
20~30時間未満
7.0%
10~20時間未満
8.6%
(n=128)
1~10時間未満
47.7%
ご自宅で週に何時間インターネットを利用しますか。
全体
N
%
~1 時間未満
23
18.0
1~10 時間未満
61
47.7
10~20 時間未満
11
8.6
20~30 時間未満
9
7.0
30~50 時間未満
1
0.8
50 時間以上
1
0.8
わからない
10
7.8
つないでいない
12
9.4
128
100.0
全体
- 18 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q10:主にお使いの電子メールソフトは何ですか。(複数回答可)
予想通り、Microsoft Outlook Express が約 50%弱と多い。また、並行して使って
いるのが、Web メールである。無料で取得できることからある程度インターネット
に慣れてくると使う人が多くなってくる。
主にお使いの電子メールソフトは何ですか
0
5
10
Microsoft Outlook
Express
Microsoft Outlook
15
20
25
%
30
35
40
45
43.0
10.2
Becky! Internet Mail
14.8
1.6
Eudora
Netscape Navigator/
Mozilla Thunderbird
Opera
0.0
ポストペット
0.0
2.3
10.2
Webメール
その他
(n=128)
4.7
23.4
使っていない・わからない
お使いの電子メールソフトは何ですか。(複数回答可)
全体
N
%
Microsoft Outlook Express
55
43.0
Microsoft Outlook
13
10.2
Becky! Internet Mail
19
14.8
Eudora
2
1.6
Netscape Navigator/Mozilla Thunderbird
3
2.3
Opera
0
0.0
ポストペット
0
0.0
Web メール
13
10.2
6
4.7
30
23.4
その他
使っていない・わからない
(回答
50
128 人)
- 19 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q11:現在ご利用のプロバイダーが提供している各種サービスのうち、基本的なイ
ンターネット接続サービス(ホームページの閲覧と E-Mail)以外に、どのよう
なサービスを利用していますか。(複数回答可)
特に突き出して多く利用しているサービスはないようだ。意外に「IP 電話」
「ブロ
グ」等、最近始まったサービス利用もそれぞれ 17.1%、15.2%とあり、インフラとし
てインターネットが普及した為、新しいサービスも普及しやすくなったと考えてもい
いのではないだろうか。
基本的なインターネット接続サービス以外に利用しているサービス
0
5
10
ホームページ公開・容量追加・URL追加など
15
20
%
40
12.4
7.6
必要としないメール(勧誘・広告等)の防止
Webメール
20.0
ウイルスチェックサービス
21.9
有害ソフトのブロック機能
3.8
迷惑メールブロック機能
8.6
IP電話機能
17.1
有料コンテンツ
4.8
デジカメ画像の保存などのオンラインストレージサービス
5.7
1.0
ブログ
その他
35
20.0
メールの転送サービス
(n=105)
30
11.4
メールアドレス追加・メールボックス容量追加
ホットスポットなどの無線関係
25
15.2
1.0
特になし
- 20 -
38.1
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
基本的なインターネット接続サービス(ホームページの閲覧と E-Mail)以外
に、どのようなサービスを利用していますか。(複数回答可)
全体
N
%
ホームページ公開・容量追加・URL 追加など
12
11.4
メールアドレス追加・メールボックス容量追加
21
20.0
メールの転送サービス
13
12.4
8
7.6
Web メール
21
20.0
ウイルスチェックサービス
23
21.9
有害ソフトのブロック機能
4
3.8
迷惑メールブロック機能
9
8.6
18
17.1
有料コンテンツ
5
4.8
デジカメ画像の保存などのオンラインストレージサービス
6
5.7
ホットスポットなどの無線関係
1
1.0
ブログ
16
15.2
その他
1
1.0
40
38.1
必要としないメール(勧誘・広告等)の防止
IP 電話機能
特になし
(回答
105 人)
- 21 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q12:現在ご利用のプロバイダーのサービスに支払っている利用料金
(接続サービスやコンテンツ利用料等)は全部で 1 ヶ月あたりいくらですか。
「3,000~5,000 円」の回答が 3 割で最も多い。回線料+接続料金(プロバイダー
やサービスにより、回線料が含まれる場合とそうでない場合がある)で、この価格帯
になるのが多いと思われる。
「Q8」で、ADSL が 5 割、FTTH が 1 割という結果からすると概ね基本料金程度
の支払いだと考えられる。
また、ウイルスチェックの付加サービスも数百円程度のものが多い為、この程度の
金額までで殆ど納まるのであろう。
プロバイダーの利用料金
わからない
13.3%
0円
2.9%
5,000円~7,000円
未満
8.6%
(n=105)
1~500円未満
2.9%
500~1,000円未満
5.7%
1,000円~2,000円
未満
17.1%
3,000円~5,000円
未満
30.5%
2,000円~3,000円
未満
19.0%
プロバイダーのサービスに支払っている利用料金は全
部で 1 ヶ月あたりいくらですか。
全体
N
%
0円
3
2.9
1~500 円未満
3
2.9
500~1,000 円未満
6
5.7
1,000 円~2,000 円未満
18
17.1
2,000 円~3,000 円未満
20
19.0
3,000 円~5,000 円未満
32
30.5
5,000 円~7,000 円未満
9
8.6
7,000 円~10,000 円未満
0
0.0
10,000 円以上
0
0.0
14
13.3
105
100.0
わからない
全体
- 22 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q13:現在ご利用しているプロバイダーで満足していない点は何ですか。
(複数回答可)
回線速度に対する不満がもっとも多く、28.6%。次いで「利用料金が高い」が 24.8%
と、この二つが際だって多い。回線速度は一概にその理由を判断することは出来ない
が、もっと高速であることを望んでいる人が多いようである。
しかし、フレッツ網等の普及により「アクセスポイントがない」という不満はなく、
また「繋がりにくい」といった不満もほとんどないようである。
「特になし」が多い
のは、その他の回答でもあったように、まだ「何をしていいかわからない」という人
が多いのかもしれない。
%
プロバイダーに満足していない点
0
5
10
15
35
40
6.7
28.6
0.0
3.8
サポート体制が整っていない
ウイルスチェック、必要としないメール防止などを行っていない
4.8
提供しているコンテンツが少ない
4.8
0.0
ブロードバンドが提供されていない
2.9
その他
2.9
(n=105)
30
5.7
自分にあったサービスや料金体系を選べない
インターネットにつながりにくい、または時々途中で途切れてしまう
ことがある。
回線の速度が遅い
ホームページ作成環境が整っていない
25
24.8
利用料金が高い
アクセスポイントが少ない
20
36.2
特になし
現在ご利用しているプロバイダーで満足していない点はなんですか
(複数回答可)
全体
N
利用料金が高い
%
26
24.8
自分にあったサービスや料金体系を選べない
6
5.7
インターネットにつながりにくい、又は時々途中で途切れてしまうことがある
7
6.7
30
28.6
アクセスポイントが少ない
0
0.0
サポート体制が整っていない
4
3.8
ウイルスチェック、必要としないメール防止などを行っていない
5
4.8
提供しているコンテンツが少ない
5
4.8
ホームページ作成環境が整っていない
0
0.0
ブロードバンドが提供されていない
3
2.9
その他
3
2.9
38
36.2
回線の速度が遅い
特になし
(回答
105 人)
- 23 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q14:ご自宅でインターネットを利用する際、どのような用途で利用されることが
多いですか。(複数回答可)
実際にインターネットに接続して、何に使っているかということを聞いてみた。検
索や情報収集を行っているということはホームページ閲覧とほぼ同義であるため当
然だといえるが、数字の上でも同じ結果となっている。また、84.8%とかなりの人は
このために利用しているようである。次いで電子メールが 63.8%と半数以上の人が
主な利用目的としてメールをあげている。単純に携帯だけでもないようである。
次に多い回答が 38.1%のオンラインショッピングであり、このところのインター
ネット通販の売上高の伸びと合致している。ついで、
「チケット・講座・お店予約」
「オークション」が2割強あり、先の4割弱の回答をあわせて考えると、日本での
EC も定着しつつあるようだ。
%
自宅でのインターネット利用
0
10
20
30
40
50
60
70
63.8
電子メール
84.8
インターネット検索・情報収集
12.4
音楽ダウンロード
10.5
ネット対戦ゲーム
19.0
チャット・掲示板・メーリングリストへの書き込み・投稿
21.9
オークション
38.1
オンラインショッピング
11.4
懸賞応募
16.2
ホームページ・ブログ・メールマガジン・メーリングリスト等の運営
23.8
チケット・講座・お店予約
10.5
ネットバンキング・オンライントレード
9.5
IP電話
8.6
SNS(ソーシャルネットワークサービス)
その他
90
84.8
ホームページ閲覧
(n=105)
80
4.8
- 24 -
100
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
ご自宅でインターネットを利用する際、どのような用途で利用されることが多い
ですか。(複数回答可)
全体
N
%
ホームページ閲覧
89
84.8
電子メール
67
63.8
インターネット検索・情報収集
89
84.8
音楽ダウンロード
13
12.4
ネット対戦ゲーム
11
10.5
チャット・掲示板・メーリングリストへの書き込み・投稿
20
19.0
オークション
23
21.9
オンラインショッピング
40
38.1
懸賞応募
12
11.4
ホームページ・ブログ・メールマガジン・メーリングリスト等の運営
17
16.2
チケット・講座・お店予約
25
23.8
ネットバンキング・オンライントレード
11
10.5
IP 電話
10
9.5
SNS(ソーシャルネットワークサービス)
9
8.6
その他
5
4.8
(回答
105 人)
- 25 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
(4)パソコン・インターネットに関するセキュリティ対策
(ウイルスについて)
Q15:ウイルスと思われるメール、プログラムを送ってこられた経験がありますか。
「ウイルスと思われるメールを受け取ったことがない」という答えが6割を占め、
Q27 の回答とも関連すると思われるが、
「わからない」が 26.6%もいるのは脅威とい
える。やはり実際にウイルスなどの脅威をその目で見るまで危機を感じないと対策を
行わないことがよくわかる。
ウイルスと思われるメール、プログラムを最近送ってこられたことがあるか
ある
21.1%
わからない
26.6%
ない
52.3%
(n=128)
ウイルスと思われるメール、プログラムを最近送ってこ
られた経験がありますか。
全体
N
ある
%
27
21.1
(1 週間以内)
15
11.7
(1 ヶ月以内)
12
9.4
ない
67
52.3
わからない
34
26.6
128
100.0
全体
- 26 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q16:ウイルスについてセキュリティ対策をしていますか。
パソコンに標準でインストールされていることが多くなったからなのか、あるいは
ウイルスの脅威が多いからかは判定できないが、4割の人はインストールし且つ更新
もしているようである。また「プロバイダーのウイルスチェックサービスとの併用」
もあわせると5割を超えている。しかし、「していない」が 14.1%あり、「ソフトの
更新をしていない」8.6%とあわせると2割を超える。その上、わからないと応えた
人 18.0%の中にもそれなりに対策が出来ていない人もいるであろう事を考え合わせ
るとかなりの割合の人のパソコンが何の対策も施されていないことになり、今後問題
になると思われる。
%
ウイルス対策をしているかどうか
0
5
10
ウイルス対策ソフトを利用しており、頻繁に更新してい
る。
ウイルス対策ソフトを利用しているが、更新をしたこと
がない。
プロバイダーのウイルスチェックサービスを受けてい
る。
ウイルス対策ソフトとプロバイダーのウイルスチェック
サービスを併用している。
その他
20
25
30
35
40
45
40.6
8.6
10.9
9.4
1.6
していない
(n=128)
15
わからない
14.1
18.0
ウイルスについてセキュリティ対策をしていますか
(複数回答)
全体
N
%
ウイルス対策ソフトを利用しており、頻繁に更新している。
52
40.6
ウイルス対策ソフトを利用しているが、更新をしたことがない。
11
8.6
プロバイダーのウイルスチェックサービスを受けている。
14
10.9
12
9.4
2
1.6
していない
18
14.1
わからない
23
18.0
ウイルス対策ソフトとプロバイダーのウイルスチェックサービスを併用して
いる。
その他
(回答
128 人)
- 27 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
(迷惑メールについて)
Q17:ここ 1 年間に迷惑メールを受け取ったことがありますか。(複数回答可)
意外に多かったのが「迷惑メールを受け取ったことがない」35.2%。よく迷惑メー
ルを受信する人は、インターネットのヘビーユーザほど多いと言われるがその裏返し
の数字でもある。あまり使わない人は、当然メールアドレスが露出する可能性も低い
ためメールアドレスの存在を知られる可能性が低ければ、それだけ迷惑メールを受け
取る可能性も低くなることは容易に想像できる。また、受け取ったことがもっとも多
いのはやはりアダルト情報で、次いで勧誘・販売目的となっている。「特定電子メー
ルの送信の適正化等に関する法律」が制定されたが、やはり迷惑メールを止めること
は難しいようである。
%
ここ1年間に迷惑メールを受け取ったことがあるか
0
5
10 15 20 25 30 35 40 45 50
アダルト情報の迷惑メールを受け取ったことがあ
る
44.5
勧誘・販売の迷惑メールを受け取ったことがある
42.2
知人のふりをした迷惑メールを受け取ったことが
ある
22.7
14.1
ウイルス付きのメールを受け取ったことがある
その他のメールを受け取ったことがある
2.3
35.2
迷惑メールを受け取ったことはない
(n=128)
ここ 1 年間に、迷惑メールを受け取ったことがあります
か。
全体
(複数回答可)
N
%
アダルト情報の迷惑メールを受け取ったことがある
57
44.5
勧誘・販売の迷惑メールを受け取ったことがある
54
42.2
知人のふりをした迷惑メールを受け取ったことがある
29
22.7
ウイルス付きのメールを受け取ったことがある
18
14.1
3
2.3
45
35.2
その他のメールを受け取ったことがある
迷惑メールを受け取ったことはない
(回答
128 人)
- 28 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q18:迷惑メール対策をしていますか。
システム的な迷惑メール対策である、「迷惑メール対策ソフトの利用」9.4%、「プ
ロバイダーのウイルスチェック対策サービスの利用」10.2%、
「上記2つの併用」3.9%、
の3項目を足しても2割強にとどまり、迷惑メール対策をシステム的に行っている人
は少ないようである。
迷惑メール対策は、
「通信の秘密」など法的にも行うことが難しいことや、日本国内
で対策を行っても海外からのメールが実際は多いため、国内的な対策だけでは解決が
難しいことを物語っているようでもある。
%
迷惑メール対策をしているかどうか
0
5
9.4
迷惑メール対策ソフトを利用している
プロバイダーの迷惑メール対策サービスを利用し
ている
10.2
迷惑メール対策ソフトとプロバイダーのサービスを
併用利用している
3.9
12.5
メールソフトにより振り分けをしている
その他
10 15 20 25 30 35 40 45 50
0.8
43.8
していない
(n=128)
わからない
20.3
迷惑メール対策をしていますか。
全体
(複数回答)
N
%
迷惑メール対策ソフトを利用している
12
9.4
プロバイダーの迷惑メール対策サービスを利用している
13
10.2
5
3.9
16
12.5
1
0.8
していない
56
43.8
わからない
26
20.3
迷惑メール対策ソフトとプロバイダーのサービスを併用利用している
メールソフトにより振り分けをしている
その他
(回答
128 人)
- 29 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q19:迷惑メールを止めるためにはどうしたらいいと思いますか。
(複数回答可)
迷惑メールを止める方法は様々なところで模索されているが、まだ決め手には達し
ていない。もちろん法的な整備も少しずつはされているが全体を網羅するには至って
いない。そこでこの迷惑メールを止めるためにはどうすればいいのかを聞いてみた。
最も多いのは「システム的に送れないようにしてしまう」で 44.5%。次いで「法的
規制を強化して取り締まる」が 41.4%で、この二つが抜きん出て指示されている。
通常の使い方をしているだけでは問題ない、ということか。また、11.7%ではあるが
3 番目に多いには「送信時に課金」を選択している。自分が出す時にも課金されるの
であるが、それでも迷惑メール対策をすることを選択しているように考えられる。
迷惑メールを止めるためにはどうしたらいいと思うか
0
5
10
15
20
25
30
35
40
法的規制を強化して取り締まる
45
41.4
啓蒙活動を積極的にする
7.8
システム的に送れないようにしてしまう
44.5
メールを送信するときに課金する
メールを使わないようにする
11.7
3.1
その他
5.5
(n=128)
迷惑メールをとめるためにはどうしたらいいと思います
か
全体
(複数回答可)
N
%
法的規制を強化して取り締まる
53
41.4
啓蒙活動を積極的にする
10
7.8
システム的に送れないようにしてしまう
57
44.5
メールを送信するときに課金する
15
11.7
メールを使わないようにする
4
3.1
その他
7
5.5
(回答
128 人)
- 30 -
%
50
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
(フィッシング・ファーミングについて)
Q20:フィッシング詐欺をご存じですか。
フィッシングそのものが新しいだけに、やはり認知度はまだ低く、知らない人も
33.6%いた。知っている人は半分に及ばない。
フィッシング詐欺を知っているかどうか
知らない(今回初
めて聞いた)
33.6%
知っている
43.0%
名前だけは聞い
たことがある
23.4%
(n=128)
フィッシング詐欺をご存知ですか
全体
N
%
知っている
55
43.0
名前だけは聞いたことがある
30
23.4
知らない(今回初めて聞いた)
43
33.6
128
100.0
全体
- 31 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q21:フィッシング・ファーミング対策をしていますか。
フィッシング対策については、何か1つに頼るというよりは様々な方法で対策を考
えているようである。しかし、一方で「していない」26.6%、「わからない」22.7%
を合計すると半数近くになるため、今後、フィッシング対策もしっかりと行っていく
必要がある。
%
フィッシング・ファーミング対策をしているか
0
5
10
表示されたURLを常に確認
15
20
25
10.2
メールで送信されてきたURLは、クリックしない
27.3
ホームページ上でのID、パスワード、クレジットカード関係
の手続きはしない
14.8
URLはダイレクトに入力するか、お気に入り(ブックマーク)
にいれたものしか利用しない
7.8
オンライントレード、オンラインバンキングは行わないもしく
は、利用する金額設定を小額にする。
7.0
2.3
電子証明書が付与されているか確認する
ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入しているので対策
出来ていると思う。
インターネットを使わないようにしている
30
7.8
0.0
その他
3.9
26.6
していない
わからない
- 32 -
22.7
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
フィッシング・ファーミング
全体
(複数回答)
N
%
表示された URL を常に確認をしている
13
10.2
メールで送信されてきた URL は、クリックしないようにしている
35
27.3
19
14.8
10
7.8
9
7.0
3
2.3
10
7.8
インターネットを使わないようにしている
0
0.0
その他
5
3.9
していない
34
26.6
わからない
29
22.7
ホームページ上での ID、パスワード、クレジットカード関係の手続きはしない
ようにしている
URL はダイレクトに入力するか、お気に入り(ブックマーク)にいれたものしか
利用しない
オンライントレード、オンラインバンキングは行わないもしくは、利用する金額
設定を小額にする。
電子証明書が付与されているか確認する
ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入しているので対策出来ていると思う。
(回答
128 人)
- 33 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
(スパイウエアについて)
Q22:スパイウエアをご存じですか。
スパイウエアについてはかなり前から知られた存在ではあるが、あまり目立たない
せいか知らない人が 48.4%もいる。知っている人は、33.6%にとどまっている。
スパイウエアを知っているか
知っている
33.6%
知らない(今回は
じめて聞いた)
48.4%
名前だけは知って
いる
18.0%
(n=128)
スパイウエアをご存知ですか
全体
N
%
知っている
43
33.6
名前だけは知っている
23
18.0
知らない(今回はじめて聞いた)
62
48.4
128
100.0
全体
- 34 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q23:スパイウエア対策をしていますか。
スパイウエアについてもフィッシング対策に似た傾向を示しているようで、「して
いない」25.0%、「わからない」23.4%であり、合計するとほぼ半数になる。フィッ
シングそのものは比較的新しい脅威であるが、スパイウエアについては、以前から知
られている脅威の一つであるだけにそれほど対策が施されていないと言うことはや
はり今後、さらなる問題になる可能性をはらんでいる。
%
スパイウエア対策をしているかどうか
0
スパイウエアを検知するソフトを導入
ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入している
ので対策出来ていると思う
必要な時にしか接続しない
アプリケーションソフトをむやみにインストールしな
い
知らない人のmailで届いた添付ファイルを開かな
い
Windowsのセキュリティパッチを定期的に当てる
5
10
15
20
25
30
22.7
12.5
4.7
12.5
28.1
14.1
インターネットを使わないようにしている
その他
25.0
していない
(n=128)
23.4
わからない
スパイウエア対策をしていますか
全体
(複数回答)
N
%
スパイウエアを検知するソフトを導入している
29
22.7
ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入しているので対策出来ていると思う
16
12.5
6
4.7
16
12.5
知らない人の mail で届いた添付ファイルを開かない
36
28.1
Windows のセキュリティパッチを定期的に当てる
18
14.1
インターネットを使わないようにしている
0
0.0
その他
0
0.0
していない
32
25.0
わからない
30
23.4
必要な時にしか接続しない
無料ソフトやアドウェア(企業の広告を表示するかわりに無料で使えるツー
ル)・インターネットでダウンロードしたアプリケーションソフトをむやみにイン
ストールしない
(回答
128 人)
- 35 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
(ボットネットについて)
Q24:ボットネットをご存じですか。
ボットネットはあまりマスコミ等、一般の方の目に触れる媒体で目にすることが少
ないことなどからか、8 割近くの人が全く知らなかったようである。知っていると応
えた人も 8.6%にとどまっている。ボットネットはセキュリティソフトでも非常に発
見・駆除が難しいため、今後この問題への対応が急務だと考えられる。
ボットネットを知っているか
知っている
8.6%
名前だけは知って
いる
13.3%
知らない(今回はじ
めて聞いた)
78.1%
(n=128)
ボットネットをご存知ですか
全体
N
%
知っている
11
8.6
名前だけは知っている
17
13.3
知らない(今回はじめて聞いた)
100
78.1
全体
128
100.0
- 36 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q25:ボットネット対策をしていますか。
さらにこの「ボットネット」についてもスパイウエアと同様である。システム的に
も対策が行いにくい脅威である上、「していない」が 32%にも上る。
その他の脅威と共に単にシステムで対応するだけではなく、脅威の種類と仕組みを
利用者がよく理解し、それぞれ適切な対策を取って行かなければならないことを、脅
威に対する対策状況からも考えられる。
%
ボットネット対策をしているか
0
5
10
15
ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入している
ので対策出来ていると思う
20
25
30
20.3
必要な時にしか接続しない
7.0
知らない人のmailで届いた添付ファイルを開かな
い
31.3
Windowsのセキュリティパッチを定期的に当てる
インターネットを使わないようにしている
その他
14.8
0.0
0.8
していない
(n=128)
35
32.0
わからない
26.6
ボットネット対策をしていますか
全体
N
ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入しているので対策出来ていると思う
%
26
20.3
9
7.0
知らない人の mail で届いた添付ファイルを開かない
40
31.3
Windows のセキュリティパッチを定期的に当てる
19
14.8
インターネットを使わないようにしている
0
0.0
その他
1
0.8
していない
41
32.0
わからない
34
26.6
必要な時にしか接続しない
(回答
128 人)
- 37 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
(セキュリティ対策について)
Q26:ウイルス対策(セキュリティ対策)ソフトは何をお使いですか。
ウイルス対策ソフトは3大セキュリティ対策ソフトメーカーでほぼ半数を占めて
いる。パソコン出荷時にインストールされているソフトをそのまま利用するとも思わ
れるが、次の質問ではその対策を行った理由を聞いている。
ウイルス対策(セキュリティ対策)ソフトは何を使っているか
ウイルスバスター
インターネット セ
キュリティ(トレンド
マイクロ)
25.8%
ノートン・インター
ネットセキュリティ
(シマンテック)
18.0%
無回答
33.6%
その他
13.3%
ウイルスブロック(イ
ンターチャネル)
0.8%
(n=128)
マカフィーインター
ネットセキュリティ
ウイルスセキュリ
スイート(マカ
NOD32アンチウイ ティ(ソースネクス
フィー)
ルス(キヤノンシス
ト)
4.7%
テムソリューション)
3.1%
0.8%
■ウイルス対策(セキュリティ対策)ソフトは何をお使いですか。
N
%
ウイルスバスター インターネット セキュリティ(トレンドマイクロ)
33
25.8
ノートン・インターネットセキュリティ(シマンテック)
23
18.0
マカフィーインターネットセキュリティスイート(マカフィー)
6
4.7
ウイルスセキュリティ(ソースネクスト)
4
3.1
NOD32 アンチウイルス(キヤノンシステムソリューション)
1
0.8
ウイルスブロック(インターチャネル)
1
0.8
eTrust インターネットセキュリティ(コンピュータ・アソシエイツ)
0
0.0
SG アンチスパイ(ジャングル)
0
0.0
ウイルスキラー(イーフロンティア)
0
0.0
ファイナルストッパー(AOS テクノロジーズ)
0
0.0
ウイルスチェイサー(インテリジェントウェイブ)
0
0.0
その他
17
13.3
無回答
43
33.6
128
100.0
全体
- 38 -
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
第2章
Q27:セキュリティ対策をしている、またはしようと思ったのはどうしてですか。
もっとも多いのが「みんながしているから」25.0%、であり明確な動機だとは言い
難い。次いで「感染してしまった」10.9%、と「頻繁にウイルスが来るようになった」
9.8%と実際にウイルスがコンピュータに入っていることを見てからの対策だといえ
る回答が2割をしめる。
%
セキュリティ対策をしている、またはしようと思ったのはどうしてか
0
5
10
20
25
7.6
頻繁に迷惑メールが来るようになった
8.7
パソコンにはじめから入っていたから
1.1
10.9
ウイルスに感染してしまった
25.0
みんながしているから
知り合いに進められた
(n=92)
30
9.8
頻繁にウイルスが来るようになった
パソコンの動きが変だから
15
7.6
29.3
その他
セキュリティ対策をしている、またはしようと思ったのは
どうしてですか。
全体
(複数回答)
N
%
頻繁にウイルスが来るようになった
9
9.8
頻繁に迷惑メールが来るようになった
7
7.6
パソコンにはじめから入っていたから
8
8.7
パソコンの動きが変だから
1
1.1
ウイルスに感染してしまった
10
10.9
みんながしているから
23
25.0
知り合いに進められた
7
7.6
27
29.3
その他
(回答
92 人)
- 39 -
35
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q28:セキュリティ対策をしていないとお答えになった方にお聞きします。
対策をしていない理由を聞いてみたところ、
「わからない」がもっとも多く 47.6%。
この数字だけをとらえても脅威に対するリテラシーが進んでいないことが伺える。つ
いで「面倒だから」28.6%の回答でありこれも認識不足がその原因だともいえるため、
脅威に対する正しい知識の取得が不可欠だと考えられる。
%
セキュリティ対策をしない理由
0
10
値段が高いから
20
30
40
50
4.8
必要とは思えないから
0.0
Windowsを使ってないから
0.0
面倒だから
28.6
47.6
わからないから
その他
(n=21)
19.0
セキュリティ対策をしていないとお答えになった方にお
聞きします。しないのはどうしてですか
(複数回答)
全体
N
%
値段が高いから
1
4.8
必要とは思えないから
0
0.0
Windows を使ってないから
0
0.0
面倒だから
6
28.6
10
47.6
4
19.0
わからないから
その他
(回答
21 人)
- 40 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q29:フィルタリングは有害サイトのブロックに有効だと思いますか。
フィルタリングは「ある程度有効だと思う」50.0%と「有効だと思う」19.2%を見
ると半数以上の人が「有効」と感じていると回答があった。
フィルタリングは有害サイトのブロックに有効だと思うか
まったく意味が無
その他
い
4.8
1.0
あまり有効ではな
い
4.8
有効だと思う
19.2
どちらともいえない
20.2
ある程度有効だと
思う
50.0
(n=104)
フィルタリングは有害サイトのブロックに有効だと思いま
すか。
全体
N
%
有効だと思う
20
19.2
ある程度有効だと思う
52
50.0
どちらともいえない
21
20.2
あまり有効ではない
5
4.8
まったく意味が無い
1
1.0
その他
5
4.8
104
100.0
全体
<その他>
・ 結局、ブロックをしても知らなければならないこともある。
・ ブロックをすればいいというものではないと思う。
・ 自分で良い、悪いの判断できる力をつけることが必要。
・ 何事も勉強。
・ 見ても悪い方向に行く人もいるし行かない人もいる。
- 41 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q30:有害サイトを法律で規制すべきだと思いますか。
有害サイトについて法律で、
「大いにするべき」37.0%、
「するべき」30.6%との回
答があり、過半数の人が法律によって規制すべきだと考えているようである。
有害サイトを法律で規制すべきか
するべきではない
4.6
大いにするべきで
ある
37.0
どちらともいえない
27.8
するべきである
30.6
(n=108)
有害サイトを法律で規制すべきだと思いますか。
全体
N
%
大いにするべきである
40
37.0
するべきである
33
30.6
どちらともいえない
30
27.8
するべきではない
5
4.6
絶対するべきではない
0
0.0
108
100.0
全体
- 42 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q31:有害サイトについて対策をすべきところ、してほしいところはどこですか。
対策をすべきところはどこかという質問に対して、「行政」33.6%と圧倒的に多く
行政への期待が大きいことがわかる。一方で意外に「利用者」つまり自分たちが行う
べきだと考える人も2割近くおり、インターネットについては自己責任という考え方
もそれなり浸透しているようだ。
有害サイトについて対策をすべきと思うところ
0
%
5
10
15
20
25
30
35
33.6
行政がすべきである
ソフトメーカーがすべきである
7.0
14.1
インターネットコミュニティがすべきである
15.6
プロバイダーがすべきである
19.5
利用者がすべきである
(n=128)
その他
3.1
有害サイトについて対策をすべきところ、してほしいとこ
ろはどこですか。
全体
(複数回答可)
N
行政がすべきである
%
43
33.6
9
7.0
インターネットコミュニティがすべきである
18
14.1
プロバイダーがすべきである
20
15.6
利用者がすべきである
25
19.5
4
3.1
ソフトメーカーがすべきである
その他
(回答
128 人)
- 43 -
40
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
(5)その他のパソコン・インターネットに関すること
Q32:あなたはコンピュータ・インターネットを活用することが好きですか。
日頃の感覚に近いものを選択して下さい。
「かなり好き」と「まあまあ好き」という回答をあわせると 8 割弱に及ぶ。以前程コ
ンピュータやインターネットに対する苦手意識のある人は減ってきているようであ
る。「インターネットって、知っているか?」というテレビコマーシャルはもう通じ
ない時代になったようだ。
コンピュータ・インターネットを利用することが好きかどうか
あまり好きではな
い
5.2%
まったく好きでは
ない
0.0%
どちらともいえな
い
16.4%
(n=116)
かなり好き
26.7%
まあまあ好き
51.7%
あなたはコンピュータ・インターネットを利用することが
好きですか。日ごろの感覚に近いものを選択してくださ
い。
全体
N
%
かなり好き
31
26.7
まあまあ好き
60
51.7
どちらともいえない
19
16.4
あまり好きではない
6
5.2
まったく好きではない
0
0.0
116
100.0
全体
- 44 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q33:あなたはご自身のコンピュータスキル(知識)についてどう思いますか。
予想外にコンピュータのスキルがあると答えた人が多く、自身の評価については回
答が分かれた。
自分のコンピュータスキル(知識)について
無回答
7.8%
ほとんどスキルが
ないと思う。
17.2%
(n=128)
かなりあると思う どちらかといえば、
スキルがあるほう
1.6%
だと思う
23.4%
平均的だと思う
23.4%
どちらかといえば、
スキルがない方だ
と思う
26.6%
あなたはご自身のコンピュータスキル(知識)について
どう思いますか。
全体
N
かなりあると思う
%
2
1.6
どちらかといえば、スキルがあるほうだと思う
30
23.4
平均的だと思う
30
23.4
どちらかといえば、スキルがない方だと思う
34
26.6
ほとんどスキルがないと思う。
22
17.2
無回答
10
7.8
128
100.0
全体
- 45 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q34:インターネット・パソコンを使っていて困ったとき、トラブルになったときに
どなたに聞きますか。
もっとも多いのが「よく知っている知人に相談」で半数を超える。次いで「家族」
と応えた人が 25%である。当然の結果ではあるがそれだけ周りにそういう人がいる
と言うことは、全体的にそれなりの知識を有する人が増えてきているという結果でも
あると思われる。意外に「プロバイダーに相談」も1割と多く、特殊な事例について
はやはり専門家に聞くこともまだあるようである。
%
インターネット・パソコンを使っていて困ったときに聞くところ
0
10
20
30
40
50
インターネット・パソコン関係をよく知っている知人
に相談する
53.1
家族に相談する
パソコンメーカーに相談する
サポート専門店に相談する
ショップ・購入したところに相談する
プロバイダーに相談する
誰にも相談しない
(n=128)
25.0
3.9
0.0
3.1
10.2
7.8
インターネット・パソコンを使っていて困ったとき、トラブル
になったときどなたに聞きますか。
全体
(複数回答可)
N
インターネット・パソコン関係をよく知っている知人に相談
%
68
53.1
32
25.0
パソコンメーカーに相談する
5
3.9
サポート専門店に相談する
0
0.0
ショップ・購入したところに相談する
4
3.1
プロバイダーに相談する
13
10.2
誰にも相談しない
10
7.8
する
家族に相談する
(回答
128 人)
- 46 -
60
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q35:上記で相談すると答えた方にお聞きします。
どうしてそちらに相談するのですか。
「技術」が 28.8%となっているが、ある程度使えて相談に乗ってくれる人に対し
ては、そう思っている感覚が多いようだ。やはり「信頼」が 31.4%となっているの
は、「インターネット・パソコンを知っている人」だからなのだろう。
また、その他の回答では気軽に聞ける、話がしやすい、説明がしやすい、自分の説
明を理解してくれるから、と言うように身近で気軽に相談できる人にするようだ。
困ったことを相談する理由
%
0
保守契約をしているから
5
10
15
20
25
30
35
2.5
TELがつながりやすいから
4.2
31.4
信頼できるから
料金が無料あるいは、安いから
4.2
28.8
技術があるから
その他
12.7
19.5
無回答
(n=118)
上記で相談すると答えた方にお聞きします。どうしてそ
ちらに相談するのですか。
全体
(複数回答可)
N
%
保守契約をしているから
3
2.5
TEL がつながりやすいから
5
4.2
37
31.4
5
4.2
技術があるから
34
28.8
その他
15
12.7
無回答
23
19.5
信頼できるから
料金が無料あるいは、安いから
(回答
118 人)
- 47 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q36:下記候補群は、URL カテゴリー分け(シマンテック社参照)したものです。
あなたが有害サイトとして閲覧規制した方がいいと思うものはどれですか。
規制すべき Web のカテゴリーを聞いてみたところ、もっとも多いモノが「医療外
のドラッグ」53.9%、ついで「暴力」50.0%、次に「犯罪」と「武器」が同数で 47.7%。
引き続き「ヌード・セックス(個人)」43.0%、
「非合法医薬品」42.2%となっており、
薬物や犯罪に関係することを中心に規制したいと考えている人が多いようである。
あなたが有害サイトとして閲覧規制をしたほうがいいと
思うものはどれですか。(URL カテゴリー分けはシマンテ
ック参照)
全体
(複数回答可)
N
%
ドラッグ(医療外)
69
53.9
暴力
64
50.0
犯罪
61
47.7
武器
61
47.7
ヌード、セックス(個人)
55
43.0
非合法医薬品
54
42.2
セックス(行為)
50
39.1
セックス(衣装)
33
25.8
賭博
26
20.3
性教育(性生活)
25
19.5
オカルト/ニューエイジ
22
17.2
性教育(上級)
22
17.2
宗教
15
11.7
性教育(初級)
14
10.9
ドラッグ(医療用)
7
5.5
煙草/アルコール
6
4.7
不寛容
6
4.7
仕事探し
2
1.6
不動産
2
1.6
Web ゲーム
1
0.8
Web チャット
1
0.8
旅行
1
0.8
スポーツ
0
0.0
財務
0
0.0
ユーモア
0
0.0
Web メール
0
0.0
ニュース
0
0.0
乗り物
0
0.0
(回答
128 人)
- 48 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q37:あなたがご存じの有害サイトによる被害や有害サイト対策について
思うことをご記入下さい。
有害サイトについて自由に回答していただいたが、ほぼ半数の方は有害サイトの被
害から身を守るのはユーザ自身であると考えているようである。ユーザ自身が知識や
判断力をつけなければ守れないと考えるのはインターネットを利用する上で大切な
考え方だと思われる。しかし下記を集計した結果、約 4 分の1の人は行政等が規制を
するべきだと考えており、当然法律等による取り締まりを望んでいる。
□知っている有害サイトの被害
1.違法な薬、武器等の販売による被害
2.知らない
3.そのページを間違って開いただけで、ウイルスやスパイウエアに感染した。
4.なぜ有害サイトが作られるのかと思う
5.表示内容とは違うサイトに繋がっている URL でアクセスしたらウイルスを検出
した。
□有害サイト対策について思うこと
1.有害か無害かは閲覧する側によるので、ユーザのモラルを高めたほうが良いと思
う。
2.行政がもっと積極的に動いてもらいたい
3.サイト自体が有害と言うか、見る人によって悪影響を及ぼすことはあると思う
(自殺サイト)ので、そういうサイトは取り締まるべきだと思います。
4.規制はなかなか難しいと思うので個人で気をつけなければならない。
5.集団自殺等のインターネットがきっかけになっている事件が多い。フィルタリン
グも有効な手段の一つだが、最終的には使う人のモラルが大切だと思う。
6.実世界(世間)と一緒と考えること。通常の生活のモラルと同じ。
7.発信者(作る側)のモラルの問題。作る人が悪い
8.犯罪につながるようなものであれば、やはり行政が判断してほしいが、それ以外
は利用者が判断できる知識を増やすべきだと思う。安易に使えるようになった以
上、教育は必要でしょう。
9.そもそも良く知らないので情報提供してほしい、対策を含め広く啓発活動をして
いく必要がある。
10.規則はホワイトフィルタ式でないと追いつかない。ホワイトフィルタは使い物
にならない。よって判断力を養う啓発活動を行うべき
- 49 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
11.自分がしっかりしていればある程度被害は押さえられると思う。
12.プロバイダーの有害サイトブロックのサービスを有効活用できると思う
13.結局は管理する人のモラルに頼らざるを得ないのかなと思います。
14.プロバイダーがすべきかもしれないが利用するのは利用者や関係者等しかいな
いと思います。そう考えれば利用者が注意して対策を取るしかないと思います。
15.法律で規制するほうが良いと思う。
16.有害サイト対策をとってもすぐに新しい手口で犯罪をしてしまっていると思う
ので、やはり、作成者が変わっていかないといけないと思う。
17.ワンクリック詐欺など被害にあった場合は、そのメールアドレスをすぐプロバ
イダーに連絡して応対してもらう。
18.商用サイトの立ち上げについては国に申請を行うなど基準を厳しくすべき
- 50 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
Q38:インターネットを利用する上で、困ったことやトラブルになったこと、
逆に良かったことがあったらご記入下さい。
インターネットを利用することでよかったことを自由にお答えいただいたところ、
回答者の全員が、「ほしい情報がその場で手に入った」事をあげている。日本国内で
もようやく誰もがほしい情報はそれなりにネット上に存在するようになったことの
表れでもあると考えられる。
逆に困ったことについては多種多様で、その人の感じ方に依拠するところが多いと思
うが、特にこれという傾向はないと思われる。しかし、ここで応えている方について
は基本的にインターネットは油断してはならないモノだと考えているようである。
□良かったこと
1.共通の趣味を持つ知人がふえた。
2.海外にいる友人とメールや Skype で会話できること。
3.情報を得るのに早くわかるので都合が良いですね。いろいろな情報を簡単に収集
できる。
4.自宅にいながらいろいろな情報を得ることが出来るので便利。欲しい物が簡単に
安く手に入るから良いと思う。困ったことは無いです。
5.手軽に世界中の品の高い情報が手に入ること
6.夜中ムカデにさされて、どうしたら良いかインターネットで調べて対処したので
あわてて病院に行かなくてすんだ。
7.旅行の予約、情報収集が容易になった。
8.情報収集をする上でとても便利、すぐに欲しい情報がコストをかけずに見つかる。
9.トラブルほどではなくても困ったと思うことを通じてネットに対する理解が少
しずつ深まってきたところはあります。
10.野球やサッカーの試合状況がわかるようになった。(リアルタイムで情報が入
る)
11.自分の知らないことを知ることが出来た。
12.学習等に使って広い知識を身につけることが出来たのでよかったです。
□困ったこと・トラブル
1.PC に自動的に海外につながるダイヤルアップの接続設定が出来ていて、高額の
電話料金請求が届いた。
2.インターネットは怖い
3.ウイルスの侵入や、勝手におかしなページに行ったりしたことに困った。
4.オークションで状態の悪いものをつかまされて連絡が取れなくなった。
- 51 -
第2章
2-1-2 初心者ヒアリング調査結果
5.インターネットは情報の宝庫と思う。偽の情報も多いので判断する能力を養うべ
き
6.ウイルスやフィッシング等の被害にあわないか常に不安がある。
7.無線 LAN がよく切れること
8.いろんな情報を得たいとき、たくさん情報を得られるが、必要ないものなどもつ
いてくるときもある。
他の会社の PR として URL がついてきたりするのは困る。
9.掲示板で間違った情報が瞬時に広まってしまった。または、喧嘩。
10.たくさんの人たちとつながりがもてるのが良い。知識がないと犯罪に巻き込ま
れそうで恐い。
11.ウイルスソフトを導入したりするときにすぐ更新のメッセージが面倒だなって
思う。
12.ワンクリック詐欺にあったことがあり、非常に困りました。
13.インターネットに長時間接続しているとボットを仕組まれたり、強制終了させ
られたり、ソフトをインストールされたりしてしまいウイルスソフトでは、検出
やブロックが出来ていない。最悪は、OS のインストールからやり直しさせられ
ている。
- 52 -
第2章
2-2
2-2-1
Web によるアンケート調査概要
Web によるアンケート調査
2-2-1
Web によるアンケート調査概要
□ 調査の概要
2-1「初心者ヒアリング調査」を受けて、親、子供、教師の 3 者の意識調査を行う。
初心者調査によると、パソコンやインターネットがわからない分、ある程度親や身近
な人に頼って行動していることが多い。
このインターネットによる Web 調査では、日々使っているインターネットの利用
方法や活用方法、ルール、インターネットのどんなページを見たいのか、どう考えて
いるかの意識を 3 者同じ質問に対する回答で比較する方法を取った。
学校教育の場では、パソコンやインターネットがどう使われているかの調査である。
昨今の学校現場では、パソコンやインターネット環境が徐々に整いつつあり、子供
に自由にパソコンで学んで欲しいという事とは裏腹に、どうしても管理上の問題で、
パソコンがある部屋に鍵をかけなくてはならなかったり、先生が一緒でないと自由に
さわれなかったりと学校によって、また学年によって様々である。パソコン・インタ
ーネットを利用する上で子供にどのような対応と今後の教育現場でどうしていきた
いか等を調査し子供に対するアンケートと照らし合わせて分析をする。学校内の IT
担当者に限らず、広い範囲の先生方を対象とすることで、先生方の考え方の格差を見
出せるのではないかと思う。
親と子供については、自宅のパソコンの利用状況、子供がインターネットをする場
合の親の対応、家庭でのルール等を回答いただき比較する。
今回は、携帯電話についての質問も盛り込み、すでに現代社会で問題になっている
利用形態を調査した。
□ 調査項目
本調査における主な調査項目は、
・ 教師アンケート
・ PTA アンケート(小学生高学年、中学生、高校生を持つ親)
・ 子供アンケート
それぞれに対して
・ パソコンの設置場所
・ パソコンの利用目的
・ 自宅でのインターネット環境
・ 自宅でインターネットをする上でのルール
- 53 -
第2章
2-2-1
Web によるアンケート調査概要
・ インターネットをどう思っているか
・ 携帯電話の所持、利用、管理状況
□ 調査方法
インターネットによる Web アンケートにより調査を行った。
教師アンケートについては、あらかじめ小学校・中学校・高校の先生の絞り込みを
行った。
PTA アンケートについては、第一子についての回答に制限し、あらかじめ第一子
が小学生、中学生、高校生と配分が均等になるように絞込みをした。
子供アンケートについては、それぞれ研究会に参加してくださった先生方の呼びか
けで授業の一環として子供たちにアンケートを実施していただいた。
□ 実施期間
2006 年 2 月 14 日~2006 年 3 月 3 日まで
□ 有効回答数
・ 教師アンケート
小学校の教師
103 人
中学校の教師
103 人
高校の教師
104 人
計 310 人
・ PTA アンケート
第一子が小学生
361 人
第一子が中学生
361 人
第一子が高校生
361 人
計 1,083 人
・ 子供アンケート
271 人
□ 質問票
本報告書の巻末に添付
- 54 -
第2章
2-2-2
2-2-2 教師アンケート調査結果
教師アンケート調査結果
(1)回答者属性
性別
性別は男性がやや多く、66.5%。女性は 33.5%であった。
女性
33.5%
男性
66.5%
(n=310)
性別
全体
(単一回答)
N
%
男性
206
66.5
女性
104
33.5
全体
310
100.0
- 55 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
年齢
調査対象者の年齢は、20 才~24 才が 1.6%、55 才~59 才は 5.2%と少ない。その
他は比較的均等な割合になっている。
55才~59才
5.2%
50才~54才
10.3%
20才~24才
1.6% 25才~29才
13.5%
30才~34才
13.2%
45才~49才
20.6%
35才~39才
14.5%
40才~44才
21.0%
(n=310)
年齢
全体
(単一回答)
N
%
20 才~24 才
5
1.6
25 才~29 才
42
13.5
30 才~34 才
41
13.2
35 才~39 才
45
14.5
40 才~44 才
65
21.0
45 才~49 才
64
20.6
50 才~54 才
32
10.3
55 才~59 才
16
5.2
0
0.0
310
100.0
60 才以上
全体
- 56 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
地域
関東地方が多く、24.2%、ついで中部地方、近畿地方が 18.7%となっている。
ある程度、地域をカバーしていると考えられる。
九州地方
10.3%
北海道
10.6%
東北地方
7.7%
四国地方
3.2%
中国地方
6.5%
近畿地方
18.7%
関東地方
24.2%
中部地方
18.7%
(n=310)
地域
全体
(単一回答)
N
%
北海道
33
10.6
東北地方
24
7.7
関東地方
75
24.2
中部地方
58
18.7
近畿地方
58
18.7
中国地方
20
6.5
四国地方
10
3.2
九州地方
32
10.3
310
100.0
全体
- 57 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
受け持ちの学年
小学校、中学校、高校と均等にアンケートが行えた。
小学校の教師
33.2%
高校の教師
33.5%
中学校の教師
33.2%
(n=310)
割付
全体
(単一回答)
N
%
小学校の教師
103
33.2
中学校の教師
103
33.2
高校の教師
104
33.5
全体
310
100.0
- 58 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
(2)学校でのパソコンの利用状況
Q1:あなたが勤務している学校で児童又は生徒が使うパソコンを
どこにおいてありますか。(複数回答可)
パソコン専用の部屋への設置が 95.5%と飛び抜けて多く、次いで図書室 31.6%、
教室 19.4%となっている。その他の回答として職員室、進路指導室等があった。パソ
コンを使用するための部屋として独立させることにより指導者の管理や指導をやり
やすくするためと考えられる。
0
20
60
80
100
31.6
図書室
8.1
95.5
パソコン専用の教室
その他
%
120
19.4
教室
視聴覚室
40
8.4
(n=310)
あなたが勤務している学校で児童又は生徒が使うパ
ソコンをどこにおいてありますか。(いくつでも)
(複数回答)
全体
N
%
教室
60
19.4
図書室
98
31.6
視聴覚室
25
8.1
296
95.5
その他
26
8.4
無回答
0
0.0
パソコン専用の教室
(回答
310 人)
- 59 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
Q2:Q1でお答えのパソコンを児童又は生徒が自由に使うことができますか。
「申請をすれば自由に使える」は「自由」とは言えない為、やはり「自由に使える」
と言う観点では、24%に過ぎないといえる。教室ではほとんど自由に使えるとなって
いるのは施錠できないため、どうしても「自由に使える」と言う状態になってしまう
のだろう。視聴覚室では、28%は申請しても自由に使うことはできない。これは目的
に応じ指導的な使用を限っているのではないかと考えられる。
0%
20%
教室
60%
80%
16.3
28.0
52.0
20.0
22.3
65.5
12.2
7.7
50.0
42.3
その他
5.0
45.9
37.8
視聴覚室
100%
41.7
53.3
図書室
パソコン専用の教室
40%
(n=310)
自由に使うことができる
申請をしても自由に使うことはできない
申請をすれば自由に使うことができる
無回答
Q1 でお答えのパソコ
ンを児童又は生徒が
自由に使うことができ
ますか。
(マトリクス・単一回答)
申請をすれば自
申請をしても自由
自由に使うことが
由に使うことがで
に使うことはでき
できる
きる
ない
全体
N
%
N
%
N
%
N
%
教室
60
100.0
32
53.3
25
41.7
3
5.0
図書室
98
100.0
37
37.8
45
45.9
16
16.3
視聴覚室
25
100.0
5
20.0
13
52.0
7
28.0
296
100.0
36
12.2
194
65.5
66
22.3
26
100.0
11
42.3
13
50.0
2
7.7
505
100.0
121
24.0
290
57.4
94
18.6
パソコン専用の教室
その他
全体(積み上げ)
- 60 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
(3)学校でのインターネット利用状況
Q3:あなたが勤務している学校で児童又は生徒がインターネットを使う
場合のルールを定めていますか。
教育の場ではほとんどがルールづくりをしているのではないかという予想に反し
て、ルールを定めているのは約半数 56.1%に留まった。使用制限はしていても、使用
時のルールに関しては緩やかである。ルールは実在していても知らない、そこまで関
心を持っていないまたは、
「パソコン専用教室」の担当者(情報担当)に PC 利用を含
め委ねてしまっている可能性は考えられる。
いいえ
43.9%
はい
56.1%
(n=310)
あなたが勤務している学校で児童又は生徒がインタ
ーネットを使う場合のルールを定めていますか。
(単一回答)
全体
N
%
はい
174
56.1
いいえ
136
43.9
無回答
0
0.0
310
100.0
全体
- 61 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
Q4:学校で児童又は生徒がインターネットを使う場合のルール
0%
10%
20%
30%
40%
50%
41.8
12.5
8.7
7.6
6.5
6.0
4.3
4.3
3.3
2.2
1.1
1.1
0.5
特定サイトへのアクセス禁止
ネチケットを守る
授業・部活動で使うものの調べ物にのみ使用する
教師の監督の下で使用する
許可のないプログラムのインストールやファイルのダウンロード
印刷する際のルール
使用時間を守る
使用許可をもらってから使う
検索はキッズ専用サイトからのみ行う
メール送信の際は教師の許可を得る
飲食禁止
自治体が定めているルールに従っている
分からない
ネチケットや友だちと仲良く使う等のモラルに関してのルールもあるが、メールや
インターネットはだめ、ゲーム・チャットはしない、プリントアウトしない等の禁止
事項が主である。フィルタリングでアダルト等のサイトに入れないようになっている
というのもルールに挙げている人が多い。
- 62 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
特定サイトへのアクセス禁止
77
41.8
ネチケットを守る
23
12.5
授業・部活動で使うものの調べ物にのみ使用する
16
8.7
教師の監督の下で使用する
14
7.6
許可のないプログラムのインストールやファイルの
12
6.5
11
6.0
使用時間を守る
8
4.3
使用許可をもらってから使う
8
4.3
検索はキッズ専用サイトからのみ行う
6
3.3
メール送信の際は教師の許可を得る
4
2.2
飲食禁止
2
1.1
自治体が定めているルールに従っている
2
1.1
分からない
1
0.5
184
100.0
ダウンロードを行わない
印刷する際のルール
全体
- 63 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
Q5:学校で児童又は生徒が見ているインターネットのページ
(どんなところを見ているか)を把握していますか。
常に把握している 18.7%、ある程度把握している 58.0%と約5分の4は、インタ
ーネットで見ているサイトを把握できていると答えている。学校においては、Web フ
ィルタリング対策を行っているところあることから、「把握している」という考えが
出てきているのかもしれない。この把握しているという観点において、保護者と子供
がどう思っているかの調査と対応して見ていきたい。
把握していな
い
5.2%
まったく把握し
ていない
常に把握して
1.3%
いる
18.7%
わからない
16.8%
ある程度把握
している
58.0%
(n=310)
学校で児童又は生徒が見ているインターネットのペー
ジ(どんなところを見ているか)を把握していますか。
(単一回答)
全体
N
常に把握している
%
58
18.7
180
58.0
わからない
52
16.8
把握していない
16
5.2
まったく把握していない
4
1.3
無回答
0
0.0
310
100.0
ある程度把握している
全体
- 64 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
Q6:インターネット上で(利用する場所は問わず)児童又は生徒にさせたくない、
見せたくないと思うものは何ですか。(複数回答可)
アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトの閲覧を、ほとんどの回答者が
最も見せたくないものとして挙げている 96.1%。ホームページの開設をさせたくない
のは 16.8%と少ないのに比べ、掲示板やチャットへの書き込みや交流をさせたくない
は 62.9%と多い。ホームページなどの開設による児童・生徒からの情報発信に対して
は否定的でないが、情報交換の場となる掲示板等への参加には消極的である。
0
20
40
60
80
96.1
アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトの閲覧
62.9
掲示板やチャットでの書き込みや交流
42.9
メールで来た情報へのアクセス
37.4
音楽のダウンロード
ネット対戦ゲーム
56.5
オンラインショッピング
57.1
61.3
オークション
47.4
懸賞応募
43.9
チケット・講座・お店予約
55.5
ネットバンキング・オンライントレード
16.8
ホームページ開設(ブログ含む)
(n=310)
100
その他
1.6
特にない
2.6
児童又は生徒にさせたくない、見せたくないと思うもの
は何ですか。
(複数回答)
アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトの閲覧
掲示板やチャットでの書き込みや交流
メールで来た情報へのアクセス
音楽のダウンロード
ネット対戦ゲーム
オンラインショッピング
オークション
懸賞応募
チケット・講座・お店予約
ネットバンキング・オンライントレード
ホームページ開設(ブログ含む)
その他
特にない
無回答
(回答 310 人)
- 65 -
全体
N
298
195
133
116
175
177
190
147
136
172
52
5
8
0
%
96.1
62.9
42.9
37.4
56.5
57.1
61.3
47.4
43.9
55.5
16.8
1.6
2.6
0.0
120
%
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
Q7:Q6でお選びになった「生徒にさせたくない、見せたくないと思うもの」を
出来ないように学校で対策をしていますか。
80.1%が具体的に対策をしている。Q5 の見ているサイトを把握できている数とほぼ
同様であることから、指導している学校では対策もとれているということであろうか。
不特定多数の子供が使用するため、フィルタリングソフト等を使って対策をとらざ
るを得ない部分はあると考える。フィルタリング対策が有効だと思うか、あるいは実
行値があるかを聞いてみたい。
していない
19.9%
している
80.1%
(n=310)
Q6 でお選びになった「生徒にさせたくない、見せたく
ないと思うもの」を出来ないように学校で対策をしてい
ますか。
全体
(単一回答)
N
している具体的に
していない
無回答
全体
- 66 -
%
242
80.1
60
19.9
0
0.0
302
100.0
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
<具体的な対策>
0%
20%
40%
60%
80%
100%
81.2
9.9
3.1
学校でフィルタリングソフト等を
使って、閲覧できないようにして
いる
地方自治体・教育委員会のサー
バでフィルタリングが設定されて
いる
パソコンの履歴のチェックを行っ
ている
直接指導を行っている
1.8
対策はされていると思うが把握し
ていない
0.9
その他
3.1
具体的な対策
N
学校でフィルタリングソフト等を使って、閲覧で
%
181
81.2
22
9.9
パソコンの履歴のチェックを行っている
7
3.1
直接指導を行っている
4
1.8
対策はされていると思うが把握していない
2
0.9
その他
7
3.1
223
100.0
きないようにしている
地方自治体・教育委員会のサーバでフィルタリン
グが設定されている
全体
- 67 -
2-2-2 教師アンケート調査結果
第2章
Q8:インターネットを利用する上で児童又は生徒に何をさせたいですか、
または、期待することはありますか。(複数回答可)
学校の学習・勉強に役立てて欲しいが最も多く 86.5%。次いでたくさんの情報を収
集して欲しい 75.5%、パソコンの基礎的なことができるようになってほしい 69.4%
であり、パソコンを使えるようになることとインターネットを通じてたくさんの情報
を得て、学習に役立てて欲しいというのがさせたいこととなる。
案外少なかったのが、受験勉強に役立てて欲しい 20.6%であるが、受験勉強とイン
ターネットが結びつきにくかったのではないかと想像できる。ここでも情報発信は
27.7%とあまり多くない。インターネットで情報を得るには積極的だが、情報提供に
は消極的である。他の地域の人と交流して欲しいは 34.2%である。本来のインターネ
ットの特徴である情報発信の部分に対する期待値が小さい。インターネットの特性と
して、全く違った地域との交流を可能にしやすいという点があるが、教師はあまりさ
せたいことと思っていないようだ。
%
100
0
10 20
30 40
50 60
E-mailやWeb検索等、基礎的なことが出来るように
なって欲しい
70
80 90
69.4
86.5
学校の学習・勉強に役立てて欲しい
20.6
受験勉強に役立てて欲しい
情報を発信して欲しい(例.ホームページの作成
等)
27.7
たくさんの情報を収集して欲しい(疑問に思ったこと
等)
75.5
良いこと、悪いことの分別が出来るようになって欲
しい。
55.2
他の地域の人と交流して欲しい(例.海外の人とコ
ミュニケーションをする等)
34.2
2.6
その他
特にない
0.6
(n=310)
- 68 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
インターネットを利用する上で児童又は生徒に何をさせたいです
か、または、期待することはありますか。(いくつでも)
(複数回答)
全体
N
%
E-mail や Web 検索等、基礎的なことが出来るようになって欲しい
215
69.4
学校の学習・勉強に役立てて欲しい
268
86.5
受験勉強に役立てて欲しい
64
20.6
情報を発信して欲しい(例.ホームページの作成 等)
86
27.7
たくさんの情報を収集して欲しい(疑問に思ったこと等)
234
75.5
良いこと、悪いことの分別が出来るようになって欲しい。
171
55.2
106
34.2
その他
8
2.6
特にない
2
0.6
無回答
0
0.0
他の地域の人と交流して欲しい(例.海外の人とコミュニケーショ
ンをする等)
(回答
310 人)
<その他の回答>
1.情報リテラシーの習得
2.テレビや新聞ではわからない海外の今の姿を知ってほしい
3.期待をしていない
4.情報の取捨選択が出来るようになってほしい
5.進路学習、就職の情報収集
6.インターネット利用上のマナー習得
- 69 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
(4)携帯電話の利用状況
Q9:あなたが勤務している学校では、児童または生徒の携帯電話所持や
利用を許可していますか。またそれぞれ理由をお聞かせ下さい。
50%が学校内での所持は許可しているが、学校内での所持も利用も許可して
いない。所持も使用も許可しているのは 21.6%。学校内外の所持や使用の有無
は問わずに学校内での使用を許可していないは、78.4%となる。
学校内での所
持も学校内での
利用も許可して
いる理由
21.6%
学校外での所
持も利用も許可
していない理由
14.2%
学校外での所
持は許可してい
るが学校内で
の所持も利用も
許可していない
理由
50.0%
学校内での所
持は許可してい
るが学校内で
の利用は許可
していない理由
14.2%
(n=310)
あなたが勤務している学校では、児童または生徒の携
帯電話所持や利用を許可していますか。
またそれぞれ理由をお聞かせ下さい。
(単一回答)
全体
N
学校内での所持も学校内での利用も許可している理由
学校内での所持は許可しているが学校内での利用は許
可していない理由
学校外での所持は許可しているが学校内での所持も利
用も許可していない理由
学校外での所持も利用も許可していない理由
無回答
全体
- 70 -
%
67
21.6
44
14.2
155
50.0
44
14.2
0
0.0
310
100.0
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
学校内での所持も学校内での利用も許可している理由
・ 授業中以外の使用を前提としている(22 人・36.7%)
・ 禁止する理由・必要がない(19 人・31.7%)
・ 禁止しても無駄(5 人・8.3%)
・ 危険防止(2 人・3.3%)
・ 保護者の要望が多い(6 人・10.0%)
・ その他(6 人・10.0%)
計:60 人
学校内での所持は許可しているが学校内での利用は許可していない理由
・ 家庭との連絡手段など保護者の要望(18 人・48.6%)
・ 授業への妨げ(8 人・21.6%)
・ 必要ない(5 人・13.5%)
・ 生徒を信頼(2 人・5.4%)
・ その他(4 人・10.8%)
計:37 人
学校外での所持は許可しているが学校内での所持も利用も許可していない理由
・ 学校内では必要がない(59 人・41.5%)
・ 学校生活に悪影響を及ぼす恐れがある(36 人・25.4%)
・ 学校外は保護者の責任になる(32 人・22.5%)
・ その他(15 人・10.6%)
計:142 人
学校外での所持も利用も許可していない理由
・ 必要がない(29 人・78.4%)
・ 学校生活の妨げとなる(2 人・5.4%)
・ 責任を持てる年齢ではない(1 人・2.7%)
・ トラブルを招く恐れがある(5 人・13.5%)
計:37 人
- 71 -
第2章
2-2-2 教師アンケート調査結果
(5)IT リテラシーについて
Q10:IT リテラシーを子供に教えるのは、誰だと思うか。
主に教師、家族という意見が多い。
学校の先生で、インターネットを自宅でしていない人については、学校のイ
ンターネット環境がすべて、もしくは特殊だと言うことを認識できていない場
合が多い。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
(n=304)
42.4
家庭と学校(親と教師)
35.2
学校(教師)
7.6
家庭(親)
4.6
地域社会
2.0
専門家
5.3
大人
0.3
子供自身
2.6
その他
IT リテラシーを子供に教えるのは、誰だと思うか
N
%
家庭と学校(親と教師)
129
42.4%
学校(教師)
107
35.2%
家庭(親)
23
7.6%
地域社会
14
4.6%
6
2.0%
16
5.3%
子供自身
1
0.3%
その他
8
2.6%
304
100%
専門家
大人
回答内容:分からない、特に決まっているものではない
全体
- 72 -
第2章
2-2-3
2-2-3
PTA アンケート調査結果
PTA アンケート調査結果
(1)回答者属性
性別
性別はほとんど同じで男性が 49.2%。女性は 50.8%であった。
男性
49.2%
女性
50.8%
(n=1083)
性別
全体
(単一回答)
N
%
男性
533
49.2
女性
550
50.8
全体
1083
100.0
- 73 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
年齢
調査対象者の年齢は、
40 才~44 才が 43.3%と最も多く、ついで 45 才~49 才の 25.6%
だった。ちょうど親の年代も小学生、中学生、高校生を持つ親として均等になってい
るようだ。
25才~29才
55才~59才 0.3%
30才~34才
0.9%
4.3%
50才~54才
5.4%
35才~39才
20.1%
45才~49才
25.6%
40才~44才
43.3%
(n=1083)
年齢
全体
(単一回答)
N
%
25 才~29 才
3
0.3
30 才~34 才
47
4.3
35 才~39 才
218
20.1
40 才~44 才
469
43.3
45 才~49 才
277
25.6
50 才~54 才
59
5.4
55 才~59 才
10
0.9
0
0.0
1083
100.0
60 才以上
全体
- 74 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
地域
関東地方が多く、40.3%、ついで近畿地方が 21.1%、中部地方が 14.2%となっ
ている。ある程度、地域をカバーしていると考えられる。
九州地方
7.1%
四国地方
2.4%
北海道
4.1%
中国地方
5.5%
近畿地方
21.1%
東北地方
5.3%
関東地方
40.3%
中部地方
14.2%
(n=1083)
地域
全体
(単一回答)
N
%
北海道
44
4.1
東北地方
57
5.3
関東地方
436
40.3
中部地方
154
14.2
近畿地方
229
21.1
中国地方
60
5.5
四国地方
26
2.4
九州地方
77
7.1
1083
100.0
全体
- 75 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
職業
専業主婦が 26.2%と多いが、全体的に多業種の方々に回答いただいた。
その他
3.3%
パート・アルバ学生
公務員
イト
6.2%
0.1%
16.8%
経営者・役員
3.1%
会社員(事務
系)
10.2%
会社員(技術
系)
17.1%
専業主婦
26.2%
自由業 自営業
1.4%
6.7%
会社員(その
他)
8.8%
(n=1083)
職業
全体
(単一回答)
N
%
公務員
67
6.2
経営者・役員
34
3.1
会社員(事務系)
111
10.2
会社員(技術系)
185
17.1
会社員(その他)
95
8.8
自営業
73
6.7
自由業
15
1.4
専業主婦
284
26.2
パート・アルバイト
182
16.8
1
0.1
36
3.3
1083
100.0
学生
その他
全体
- 76 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
小・中・高の子供の割合
本回答に該当する子供を第一子に限定した。家庭で第一子を基準にして第二子以降
もそれに順ずるという考え方とした。また、第一子が小学生、中学生、高校生の割合
が均等になるように配慮した。
第一子が高校
生の親
33.3%
第一子が小学
生の親
33.3%
第一子が中学
生の親
33.3%
(n=1083)
割付
全体
(単一回答)
N
%
第一子が小学生の親
361
33.3
第一子が中学生の親
361
33.3
第一子が高校生の親
361
33.3
1083
100.0
全体
- 77 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
あなたのお子様(第 1 子)の学年をお聞かせ下さい。
小学4年から高校3年まで均等に分布した回答数となり、全体像が見える結果とな
っている。
小4
11.4%
高3
10.3%
高2
11.7%
小5
11.4%
高1
11.3%
中3
11.6%
小6
10.6%
中2
11.0%
中1
10.7%
(n=1083)
あなたのお子様(第 1 子)の学年をお聞かせ下さ
い。
全体
(単一回答)
N
%
小4
123
11.4
小5
123
11.4
小6
115
10.6
中1
116
10.7
中2
119
11.0
中3
126
11.6
高1
122
11.3
高2
127
11.7
高3
112
10.3
0
0.0
1083
100.0
無回答
全体
- 78 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
(2)家庭でのパソコンの利用状況
Q1:パソコンは、ご自宅のどこに置いていますか。
(最も使うものについてご回答下さい。)
居間 65.7%が最も多く、次いで親の部屋 16.2%、書斎 8.7%である。子供部屋は
4.6%と案外少ない。その他の回答についても和室や家族が使っていない部屋等の回
答があった。家族の共有スペースである居間が多いことから、複数台数なく家族で共
有して使っていることが考えられる。また親の目の届くところが監視に向いていて主
導権を親が持つのに一番適している場所だと考えることができる。
書斎
8.7%
その他
2.5%
親の部屋
16.2%
子供部屋
4.6%
居間
65.7%
台所
2.3%
(n=1083)
パソコンは、ご自宅のどこに置いていますか。(最も
使うものについてご回答下さい。)
全体
(単一回答)
N
%
居間
712
65.7
台所
25
2.3
子供部屋
50
4.6
親の部屋
175
16.2
書斎
94
8.7
その他
27
2.5
無回答
0
0.0
1083
100.0
全体
- 79 -
2-2-3
第2章
PTA アンケート調査結果
Q2:ご自宅で主に何の目的でパソコンを使っていますか。
(利用者全員の利用目的を教えて下さい。複数回答可)
インターネット関連が最も多く 94.6%、趣味での使用は 67.3%である。情報収集
のための利用が増えている。続いて仕事 40.3%、ゲーム 44.4%である。
%
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
40.3
仕事に使っている
44.4
ゲームに使っている
17.4
教育ソフト等を利用するために使っている
94.6
インターネット関連に使っている
67.3
趣味に使っている
その他
100
2.4
(n=1083)
ご自宅で主に何の目的でパソコンを使っています
全体
か。(利用者全員の利用目的を教えて下さい。)
(複数回答)
N
%
仕事に使っている
436
40.3
ゲームに使っている
481
44.4
教育ソフト等を利用するために使っている
188
17.4
1025
94.6
729
67.3
その他
26
2.4
無回答
0
0.0
インターネット関連に使っている
趣味に使っている
(回答
1,083 人)
- 80 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
(3)家庭でのインターネット利用状況
Q3:ご自宅では 1 日平均どのくらいインターネットを利用しますか。
(利用者全員の利用時間を合計したものを教えて下さい。)
2時間以上が 51.2%と半数以上を占める。ブロードバンド化が進み接続環境が整っ
たことに伴い、利用時間が増えている。
~30分未満
2.3%
30分~1時間
未満
18.6%
2時間以上
51.2%
1時間~2時
間未満
28.0%
(n=1083)
ご自宅では 1 日平均どのくらいインターネットを利用
しますか。(利用時間合計)
全体
(単一回答)
N
~30 分未満
%
25
2.3
30 分~1 時間未満
201
18.6
1 時間~2 時間未満
303
28.0
2 時間以上
554
51.2
0
0.0
1083
100.0
無回答
全体
- 81 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q4:お子様(第 1 子)がインターネットを利用する際、あなた(親)は
どのようにしていますか。
おおむね子供に任せている 40.6%、すべて子供に任せている 23.2%と任せている
親は過半数を超える。同じ部屋にいるが特に監視などはしない 27.5%を含めると
90%を越えている。Q1では居間で使用させている人が多く、かつ Q8で子供の利用
状況を把握していると答えていることからこそ、子供の意志に任せていると考えられ
る。また、その他の回答の中に、あらかじめ規制をかけているので、安心して使わせ
ていると言う少数回答もあった。
子供が操作をす
るときは、必ず
誰かが一緒に
画面を見ている
など、親の管理
の元で行ってい
る。
6.4%
親が操作をして
子供と一緒にす
る。
1.9%
その他
0.4%
すべて子供に任
せている。
23.2%
子供が操作をす
るときは同じ部
屋にいるが、特
に監視などはし
ない。
27.5%
おおむね子供に
任せている。
40.6%
(n=1083)
お子様(第 1 子)がインターネットを利用する際、あ
なた(親)はどのようにしていますか。
(単一回答)
全体
N
%
すべて子供に任せている。
251
23.2
おおむね子供に任せている。
440
40.6
298
27.5
69
6.4
21
1.9
その他
4
0.4
無回答
0
0.0
1083
100.0
子供が操作をするときは同じ部屋にいるが、特に監
視などはしない。
子供が操作をするときは、必ず誰かが一緒に画面
を見ているなど、親の管理の元で行っている。
親が操作をして子供と一緒にする。
全体
- 82 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q5:お子様(第 1 子)がご自宅でインターネットをする上でのルールは
ありますか。
Q4 を受けるように、過半数 59.5%はルールがないとの回答である。目の届く範囲
であれば自由に使わせている、もしくはあらかじめフィルタリング等の設定をしてい
ることも考えられる。
ある
40.5%
ない
59.5%
(n=1083)
お子様(第 1 子)がご自宅でインターネットをする上
でのルールはありますか。
全体
(単一回答)
N
%
ある
439
40.5
ない
644
59.5
0
0.0
1083
100.0
無回答
全体
- 83 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q6:Q5で「ある」と答えた方は、具体的にどのようなルールですか。
やはり、特定サイトへのアクセスや閲覧の禁止が多い。ついで、使用時間について
の言及も多い。インターネットのトラブルが多い中、個人情報を入力することや、親
がいないときには利用してはいけないとのルールも多くなっている。
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
38.5
3.8
11.1
35.7
1.3
1.3
4.9
(n=468)
3.4
特定サイトへのアクセスや閲覧の禁止
チャットへの参加・掲示板への書き込み・メールの使用禁止
ファイルのダウンロードや個人情報を入力するようなサイトは親の許可を 得てから行う
使用時間をきちんと守る
ファイルやプログラムのダウンロードやインストールを禁止
キッズサイトからアクセスする
親がいないときは使用しない
その他 困ったことがあったらすぐに相談する など
具体的なルール
N
特定サイトへのアクセスや閲覧の禁止
%
180
38.5
チャットへの参加・掲示板への書き込み・メールの使用禁止
18
3.8
ファイルのダウンロードや個人情報を入力するようなサイト
52
11.1
167
35.7
ファイルやプログラムのダウンロードやインストールを禁止
6
1.3
キッズサイトからアクセスする
6
1.3
親がいないときは使用しない
23
4.9
その他・困ったことがあったらすぐに相談する など
16
3.4
468
100.0
は親の許可を得てから行う
使用時間をきちんと守る
全体
- 84 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q7:身近で誰がインターネットを一番よく知っていると思いますか。
(ご自分から見た間柄)
調査方法がインターネットのためか、回答している本人が一番良く知っているが最
も多く 65.7%、次いで配偶者 22.4%である。子供は 8.5%であった。
その他
0.5%
両親
0.4%
知人
2.5%
子供
8.5%
配偶者
22.4%
自分
65.7%
(n=1083)
身近で誰がインターネットを一番よく知っていると思
いますか。(ご自分から見た間柄)
全体
(単一回答)
N
%
自分
712
65.7
配偶者
243
22.4
子供
92
8.5
教師
0
0.0
両親
4
0.4
知人
27
2.5
その他
5
0.5
無回答
0
0.0
1083
100.0
全体
- 85 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q8:お子様(第 1 子)がご自宅で見ているインターネットのページを
把握していますか。
(どんなところを見て、活用しているか)
ある程度把握している 67.1%、常に把握している 15.0%であり、概ね把握されて
いる。Q4での推測で述べたとおり、親の目が届く範囲で使用させている人が多いと
推測されるため、把握していると答えている人が多いと考えられる。
まったく把握して
いない
2.2%
把握していない
7.0%
常に把握してい
る
15.0%
わからない
8.7%
ある程度把握し
ている
67.1%
(n=1083)
お子様(第 1 子)がご自宅で見ているインターネットの
ページを把握していますか。
全体
(単一回答)
N
%
常に把握している
162
15.0
ある程度把握している
727
67.1
わからない
94
8.7
把握していない
76
7.0
まったく把握していない
24
2.2
0
0.0
1083
100.0
無回答
全体
- 86 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q9:お子様(第 1 子)がご自宅でインターネットを利用する上で、
させたくない、見せたくないと思うものは何ですか。
(複数回答可)
アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトが 90.9%と断然多い。メールで
きた情報へのアクセス 39.0%もこれに類した選択肢である。続いて、掲示板やチャッ
トでの書き込みや交流 44.4%が多い。これらは人間関係の絡んだ事件、フィッシング
詐欺などの報道がテレビなどで大きく取り上げられたことも背景にあると考えられ
る。ネットバンキング・オンライントレードなどについては、金銭トラブルを起こし
たくないと考える人が多いと想像できる。対策をしていないが 78.4%である。見せた
くない、させたくないと考えていることははっきりしているが、対策に対しては案外
していない。Q8の結果のとおり、親がある程度把握しているため対策をする必要が
ないと答えた人が多いと考えられる。
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトの閲覧
掲示板やチャットでの書き込みや交流
44.4
メールで来た情報へのアクセス
39.0
音楽のダウンロード
9.4
ネット対戦ゲーム
30.5
オンラインショッピング
31.9
32.3
オークション
懸賞応募
12.7
チケット・講座・お店予約
19.2
ネットバンキング・オンライントレード
37.8
ホームページ開設(ブログ含む)
その他
(n=1083)
12.6
0.6
特にない
5.7
させたくない、見せたくないと思うものは何ですか。
(複数回答)
全体
N
%
アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトの閲覧
984
90.9
掲示板やチャットでの書き込みや交流
481
44.4
メールで来た情報へのアクセス
422
39.0
音楽のダウンロード
102
9.4
ネット対戦ゲーム
330
30.5
オンラインショッピング
346
31.9
オークション
350
32.3
懸賞応募
138
12.7
チケット・講座・お店予約
208
19.2
ネットバンキング・オンライントレード
409
37.8
ホームページ開設(ブログ含む)
136
12.6
その他
特にない
無回答
(回答
100
90.9
1,083 人)
- 87 -
6
0.6
62
5.7
0
0.0
%
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q10:Q9でお選びになったお子様(第 1 子)に「させたくない・見せたくないと
思うもの」が出来ないように対策をしていますか。
対策をしていないが 78.4%である。見せたくない、させたくないと考えていること
ははっきりしているが、対策は案外していない。Q8の結果のとおり、親がある程度
把握しているため対策をする必要がないと答えた人が多いと考えられる。している対
策としては、「させたくない」ことを「しない」ようにセキュリティソフトなどによ
るフィルタリングが多く、実際に「しつけ」をしている親は少ない。
している
21.6%
していない
78.4%
(n=1083)
Q9でお選びになったお子様(第 1 子)に「させたくな
い・見せたくないと思うもの」が出来ないように対策
をしていますか。
全体
(単一回答)
N
%
している具体的に
221
21.6
していない
800
78.4
0
0.0
1021
100.0
無回答
全体
- 88 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
70%
80%
<具体的な対策>
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
90%
78.7
9.6
10.2
1.5
フィルタリングソフトやプロバイダーのフィルタリングサービスを使って
いる
常に監視している、一緒にインターネットを行う
直接子供に教えている
その他
「させたくない・見せたくないと思うもの」が出来ないよう
に対策をしていますか。
全体
N
フィルタリングソフトやプロバイダーのフィルタリングサ
%
155
78.7%
常に監視している、一緒にインターネットを行う
19
9.6%
直接子供に教えている
20
10.2%
3
1.5%
197
100.0%
ービスを使っている
その他
全体
- 89 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q11:インターネットを利用する上でお子様(第 1 子)に何をさせたいですか、
または、期待することはありますか。(複数回答可)
たくさんの情報を収集して欲しい 62.7%、学校の学習・勉強に役立てて欲しい
71.1%、E-mail や Web 検索等、基礎的なことができるようになって欲しい 57.1%、
良いこと・悪いことの分別ができるようになって欲しい 53.7%と学習などの能力向上
を期待する回答が多い。遊びで使うことは望んでいない。また、他の地域の人と交流
して欲しいは 15.1%と少なく、インターネットを通じてグローバルな世界を開いてほ
しいというような期待はしていない。
0
10
20
30
40
50
60
E-mailやWeb検索等、基礎的なことが出来るようになって
欲しい
学校の学習・勉強に役立てて欲しい
57.1
71.7
受験勉強に役立てて欲しい
28.3
情報を発信して欲しい(例.ホームページの作成 等)
12.0
たくさんの情報を収集して欲しい(疑問に思ったこと等)
良いこと、悪いことの分別が出来るようになって欲しい
他の地域の人と交流して欲しい(例.海外の人とコミュニ
ケーションをする等)
その他
(n=1083)
特にない
62.7
53.7
15.1
1.0
5.4
インターネットを利用する上でお子様(第 1 子)に何をさ
せたいですか、または、期待することはありますか。
(複数回答)
全体
N
%
E-mail や Web 検索等、基礎的なことが出来るようになっ
て欲しい
618
57.1
学校の学習・勉強に役立てて欲しい
777
71.7
受験勉強に役立てて欲しい
307
28.3
情報を発信して欲しい(例.ホームページの作成 等)
130
12.0
たくさんの情報を収集して欲しい(疑問に思ったこと等)
679
62.7
良いこと、悪いことの分別が出来るようになって欲しい
582
53.7
他の地域の人と交流して欲しい(例.海外の人とコミュ
ニケーションをする等)
163
15.1
その他
11
1.0
特にない
58
5.4
0
0.0
無回答
(回答
1,083 人)
- 90 -
80 %
70
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
(4)携帯電話の利用状況
Q12:お子様(第 1 子)に携帯電話を持たせていますか。
またその理由をお聞かせ下さい。
持たせている 55.0%と過半数である。連絡手段として持たせている親が多い一方で
子供が欲しがったからという理由も多く、積極的に持たせたいと思っていない親もい
る。
持たせていないのは、年齢的にまだ早いとの考えも多く、年齢別の携帯電話所有率
を見ると良くわかる。
持たせていない
45.0%
持たせている
55.0%
(n=1083)
お子様(第 1 子)に携帯電話を持たせていますか。
またその理由をお聞かせ下さい。
全体
(単一回答)
N
%
持たせている
596
55.0
持たせていない
487
45.0
0
0.0
1083
100.0
無回答
全体
- 91 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
<年齢別携帯電話所有率>
高3
5 .4
9 4 .6
高2
8 9 .8
高1
1 0 .2
6 .6
9 3 .4
中3
6 2 .7
中2
3 7 .3
4 7 .9
5 2 .1
4 3 .1
中1
5 6 .9
小6
2 1 .7
7 8 .3
小5
22
78
1 5 .4
小4
0%
8 4 .6
20%
40%
60%
持たせている
回答数(%)
全体
%
小4
%
小5
%
小6
%
中1
%
中2
%
中3
%
高1
%
高2
%
高3
%
持たせている
596
55
19
15.4
27
22
25
21.7
50
43.1
62
52.1
79
62.7
114
93.4
114
89.8
106
94.6
80%
100%
持たせていない
持たせていない
487
45
104
84.6
96
78
90
78.3
66
56.9
57
47.9
47
37.3
8
6.6
13
10.2
6
5.4
- 92 -
全体
1083
100
123
100
123
100
115
100
116
100
119
100
126
100
122
100
127
100
112
100
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
<持たせている理由>
家族との連絡・コミュニケーションが 66.6%と圧倒的に多い。
0%
20%
40%
60%
66.
6.5
家族との連絡・コミュニケー
ション
本人が欲しがったから
友達が持っているから
4.8
友達との連絡・コミュニケー
ション
防犯のため
2.8
3.8
便利だから
2.8
分別のつく年齢になったか
ら
今の時代には必要だから
2.0
6.0
2.8
特になし
1.7
その他
持たせている理由
N
家族との連絡・コミュニケーション
%
399
66.6
本人が欲しがったから
39
6.5
友達が持っているから
29
4.8
友達との連絡・コミュニケーション
17
2.8
防犯のため
23
3.8
便利だから
17
2.8
分別のつく年齢になったから
12
2.0
今の時代には必要だから
36
6.0
特になし
17
2.8
その他
10
1.7
599
100.0
全体
- 93 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
<持たせていない理由>
必要ないが圧倒的に多く 60.3%、持たせるのには時期が早い 21.6%は低学年の親
の回答と思われる。携帯電話を持たせるのには親と時期を約束している場合が多いよ
うだ。
0%
20%
40%
60%
80%
持たせるのには時期が早い
必要ない
21.6
60.3
トラブルを避けるため
子供と持たせる時期につい
て約束をしている
お金がかかるため
20.0
2.2
5.0
子供が欲しがらない
4.8
1.3
(n=459)
学校で禁止されているため
0.4
使いすぎていてやめさせた
2.4
その他
持たせていない理由
N
持たせるのには時期が早い
%
99
21.6%
277
60.3%
9
20.0%
子供と持たせる時期について約束をしている
10
2.2%
お金がかかるため
23
5.0%
子供が欲しがらない
22
4.8%
学校で禁止されているため
6
1.3%
使いすぎていてやめさせた
2
0.4%
11
2.4%
459
100.0%
必要ない
トラブルを避けるため
その他
全体
- 94 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q13:お子様(第 1 子)の携帯電話の利用金額(月額)はいくらぐらいですか。
2,500 円~5,000 円が 43.3%と最も多く、その前後の金額が次いで多い。Q14 でメ
ールの利用が多いことから、基本料金とメールでの通話料金が主であり、あまり高額
にならないよう利用制限をかけていることも考えられる。
10000円~
15000円未満
3.5%
15000円~
20000円未満
0.3%
7500円~
10000円未満
15.8%
20000円~
25000円未満
0.2%
2500円未満
17.1%
2500円~5000
円未満
43.3%
5000円~7500
円未満
19.8%
(n=596)
お子様(第 1 子)の携帯電話の利用金額(月額)は
いくらぐらいですか。
全体
(単一回答)
N
%
2500 円未満
102
17.1
2500 円~5000 円未満
258
43.3
5000 円~7500 円未満
118
19.8
7500 円~10000 円未満
94
15.8
10000 円~15000 円未満
21
3.5
15000 円~20000 円未満
2
0.3
20000 円~25000 円未満
1
0.2
25000 円~30000 円未満
0
0.0
30000 円以上
0
0.0
無回答
0
0.0
596
100.0
全体
- 95 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q14:お子様(第 1 子)の携帯電話の利用方法はおもにどれですか。
(複数回答可)
91.8%で、ほとんどが主にメール利用である。通話は 57.9%であり、従量課金で長
電話は高額になるためメールでの利用が多いと考えられる。Web はあまり利用してい
ないが、これはパソコンを利用していると考えられる。
0
20
40
通話
60
80
100
57.9
メール
91.8
Webサイト
22.8
13.1
ゲーム
27.3
音楽
その他
0.7
わからない
0.0
(n=596)
お子様(第 1 子)の携帯電話の利用方法はおもにど
れですか。
全体
(複数回答)
N
%
通話
345
57.9
メール
547
91.8
Web サイト
136
22.8
78
13.1
163
27.3
その他
4
0.7
わからない
0
0.0
無回答
0
0.0
ゲーム
音楽
(回答
%
596 人)
- 96 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
Q15:お子様(第 1 子)の携帯電話の利用相手は誰だと思いますか。
(複数回答可)
友だちとメールでやりとりしている子供が多い。親とのやりとりを上回っている。
携帯電話を持たせている理由として「家族との連絡・コミュニケーション」のためが
圧倒的に多かったが、実際には若干のずれが生じているのかもしれない。
%
0
20
40
60
80
100
60.1
両親
87.4
友達
9.7
兄弟
4.9
教師
2.5
その他
(n=596)
0.7
わからない
お子様(第 1 子)の携帯電話の利用相手は誰だと思います
か。
全体
(複数回答)
N
%
両親
358
60.1
友達
521
87.4
兄弟
58
9.7
教師
29
4.9
その他
15
2.5
わからない
4
0.7
無回答
0
0.0
(回答
596 人)
- 97 -
第2章
2-2-3
PTA アンケート調査結果
(5)IT リテラシーについて
Q16:IT リテラシーを子供に教えるのは誰だと思うか。
家庭で教えるが 47%と多いが家庭だけ、学校だけと言うのではなく「学校と家庭」
と言う意見も 20%と多い。子供自身で学ぶという、自主性に任せる意見もあった。
逆に専門家というのは少ない。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
学校と家庭
家庭
20.0
学校
8.5
47.0
8.2
友達
子供自身で学ぶ
6.3
地域社会
1.8
専門家
1.2
Webサイトや本などか
ら自分で学ぶ
分からない
2.1
3.7
1.3
その他
IT リテラシーを子供に教えるのは誰だと思うか
N
%
学校と家庭
221
20.0%
家庭
518
47.0%
学校
94
8.5%
友達
90
8.2%
子供自身で学ぶ
69
6.3%
地域社会
20
1.8%
専門家
13
1.2%
Web サイトや本などから自分で学ぶ
23
2.1%
分からない
41
3.7%
その他
14
1.3%
1103
100.0%
全体
- 98 -
第2章
2-2-4
2-2-4 子供アンケート調査結果
子供アンケート調査結果
(1)回答者属性
年齢
年齢は、小学生 49.4%、中学生 26.6%、高校生 20.3%とある程度同じような比率
になった。
また、定時制高校の方々にもご協力いただいたため、3.7%と若干年齢が高い。
20才~29才
3.7%
16才~19才
20.3%
12才以下
49.4%
13才~15才
26.6%
(n=271)
年齢
全体
(単一回答)
N
12 才以下
%
134
49.4
13 才~15 才
72
26.6
16 才~19 才
55
20.3
20 才~29 才
10
3.7
0
0.0
271
100.0
無回答
全体
- 99 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
性別
男の子 52.0%、女の子 48.0%とほぼ同数の回答となった。
女性
48.0%
男性
52.0%
(n=271)
性別
全体
(単一回答)
N
%
男性
141
52.0
女性
130
48.0
0
0.0
271
100.0
無回答
全体
- 100 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
地域
関東地方 45.0%、東北地方 33.9%、中部地方 19.6%となっている。今回の調査研
究にご協力いただいた先生方に依頼して授業の一環に導入したため、地域的には偏っ
ている。子供アンケートについて、親が関わらないように単独で回答を取りたいため
の処置である。
四国地方
0.7%
中部地方
19.6%
中国地方
0.4%
九州地方
0.4%
東北地方
33.9%
関東地方
45.0%
(n=271)
地域
全体
(単一回答)
N
北海道
%
0
0.0
東北地方
92
33.9
関東地方
122
45.0
中部地方
53
19.6
近畿地方
0
0.0
中国地方
1
0.4
四国地方
2
0.7
九州地方
1
0.4
無回答
0
0.0
271
100.0
全体
- 101 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
(2)家庭でのパソコンの利用状況
Q1:家にパソコンはありますか。
80.8%が家にパソコンがあると答えている。日本全体で見た場合もよく似た比率で
ある。
ない
19.2%
ある
80.8%
(n=271)
家にパソコンはありますか。
全体
(単一回答)
N
%
ある
219
80.8
ない
52
19.2
0
0.0
271
100.0
無回答
全体
- 102 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q2:パソコンは、どこに置いていますか。
以下の中から当てはまるものを全てお答えください。
(複数回答可)
居間や台所にパソコンがおいてある比率は PTA の分などに近いが、大幅に多いの
は子供部屋にある割合である。
ここでは 24.7%、つまり4人に一人は子供部屋にパソコンがおいてあるようだ。
0
10
20
30
40
50
46.1
居間
2.3
台所
24.7
子供部屋
31.5
親の部屋
11.0
書斎
10.5
その他
(n=219)
0.0
無回答
パソコンは、どこに置いていますか。以下の中から当て
はまるものを全てお答えください。
全体
(複数回答)
N
%
居間
101
46.1
台所
5
2.3
子供部屋
54
24.7
親の部屋
69
31.5
書斎
24
11.0
その他
23
10.5
無回答
0
0.0
(回答
219 人)
- 103 -
%
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q3:Q2でお答えの場所に置いてあるパソコンからインターネットが
利用できますか。
※同じ場所に複数台パソコンが設置されている場合は、1 台でもインターネッ
トが利用できるパソコンがあれば「できる」とお答えください。
居間に置いてあるパソコンでインターネットが出来る割合は 86.1%と非常に高い。
また親の部屋に置いてあるパソコンが 69.6%、書斎が 91.7%と高い割合で接続され
ている。これに対して意外に多いのが子供部屋のパソコンがインターネットに接続さ
れている割合は 68.5%もあり、PTA のアンケートでは、何らかの監視下にあるパソ
コンで無ければインターネットに接続できない割合が7割ほどあったのと対称的で
ある。
0%
20%
40%
60%
80%
100%
86.1
居間
13.9
100.0
台所
0.0
子供部屋
68.5
31.5
親の部屋
69.6
30.4
書斎
Q2でお答えのその他
91.7
できる
できない
8.3
65.2
3.5
%
(n=219)
Q2 でお答えの場所に置いてあるパソコン
からインターネットが利用できますか。
全体
できる
(マトリクス・単一回答)
N
居間
101
100.0
87
86.1
14
13.9
台所
5
100.0
5
100.0
0
0.0
子供部屋
54
100.0
37
68.5
17
31.5
親の部屋
69
100.0
48
69.6
21
30.4
書斎
24
100.0
22
91.7
2
8.3
Q2 でお答えのその他
23
100.0
15
65.2
8
3.5
276
100.0
214
77.5
62
22.5
全体(積み上げ)
%
- 104 -
N
できない
%
N
%
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q4:あなたがパソコンを利用する理由は何ですか。
以下の中から当てはまるものを全てお答えください。
「勉強に使っている」が 35.6%と約3分の1が答えているのは親の期待通りなのだ
ろうか。「インターネットに使っている」が 60.7%あるのは他の調査でも同じような
傾向を示しており、一般的にもインターネットをするためにパソコンを購入する家庭
が多いことを示唆している。
「ゲームに使っている」が 47.5%にとどまっているのは、
ゲームはゲーム専用機を利用していることが多いからだろう。
%
0
10
20
30
50
60
6.4
47.5
ゲームに使っている
60.7
インターネット関連に使っている
その他
使っていない
(n=219)
70
35.6
勉強に使っている
クラブ活動に使っている
40
11.0
10.0
あなたがパソコンを利用する理由は何ですか。以下の
中から当てはまるものを全てお答えください。
(複数回答)
全体
N
%
勉強に使っている
78
35.6
クラブ活動に使っている
14
6.4
ゲームに使っている
104
47.5
インターネット関連に使っている
133
60.7
その他
24
11.0
使っていない
22
10.0
0
0.0
無回答
(回答
219 人)
- 105 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q5:あなたは自分専用のパソコンを持っていますか。
自分自身のパソコンを持っているかという問いに対して持っている人は 21.9%と
4人に一人程度である。大学生でも意外に持っている人が少ないことを考えるとこれ
ぐらいの数字が妥当かもしれない。
持っている
21.9%
持っていない
78.1%
(n=133)
あなたは自分専用のパソコンを持っていますか。
(単一回答)
全体
N
持っている
持っていない
無回答
全体
- 106 -
%
48
21.9
171
78.1
0
0.0
219
100.0
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
(3)家庭でのインターネット利用状況
Q6:あなたが、家でインターネットを使うときパソコンはいつでも自由に
使えますか。
※インターネットをするパソコンは自分専用でなくても構いません。
インターネットをいつでも自由に使えると答えた人が 82.7%と非常に多かった。こ
れは PTA に対するアンケート調査の結果と矛盾する。保護者に許可をもらって使っ
ている人は 12.8%に留まっている。この辺は、親は監視下にあれば多めに見ているた
め、子供の視点から見るといつでも自由に使えると感じているのであろう。
親と一緒に使う
2.3%
その他
2.3%
使うときは親
(保護者)に許
可をもらって
使っている
12.8%
使いたいときに
いつでも自由に
使える
82.7%
(n=133)
あなたが、家でインターネットを使うときパソコンはいつ
でも自由に使えますか。
全体
(単一回答)
N
使いたいときにいつでも自由に使える
%
110
82.7
17
12.8
親と一緒に使う
3
2.3
その他
3
2.3
無回答
0
0.0
133
100.0
使うときは親(保護者)に許可をもらって使っている
全体
- 107 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q7:あなたは、家のパソコンでインターネットを 1 日平均どのくらい使いますか。
インターネットを利用するときのルールを定めている(Q10 参照。特に時間に関
するルールを定めている家庭は多い)ところが多いからか、1 日 1 時間以内の利用が
全体の 3 分の 2 を占めている。ゲームと同様、時間による制限をかけている家庭は多
いようである。
3時間以上
9.8%
2~3時間未
満
10.5%
~30分未満
27.1%
1~2時間未
満
15.0%
30分~1時間
未満
37.6%
(n=133)
あなたは、家のパソコンでインターネットを 1 日平均ど
のくらい使いますか。
全体
(単一回答)
N
%
~30 分未満
36
27.1
30 分~1 時間未満
50
37.6
1~2 時間未満
20
15.0
2~3 時間未満
14
10.5
3 時間以上
13
9.8
0
0.0
133
100.0
無回答
全体
- 108 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q8:あなたはインターネットをどんな目的で使っていますか。
以下の中から当てはまるものを全てお答えください。
「ホームページ閲覧」と「インターネット検索・情報収集」が、それぞれ 57.2%と
53.1%と飛び抜けて多いのは、やはり他の調査の比率と似通っており、子供も大人も
同じような使い方をしているようである。電子メールの利用が 15.1%に留まっている
のは携帯電話での利用が主なため、パソコンでメールをすることは少ないのかもしれ
ない。また、意外にネット対戦ゲームも 14.4%ほどしかなく、ネット上におけるゲー
ムは有料からか子供による利用は少ないようだ。
0
10
20
40
50
60
57.2
ホームページ閲覧
15.1
電子メール
53.1
インターネット検索・情報収集
16.6
音楽ダウンロード
ネット対戦ゲーム
14.4
チャット・掲示板・メーリングリストへの書き込み、投稿
15.1
オークション
10.0
オンラインショッピング
10.0
4.4
プレゼントや懸賞への応募
ホームページ・ブログ・メールマガジン・メーリングリス
ト等の運営
チケット・講座・お店予約
9.6
4.4
ネットバンキング・オンライントレード
0.7
IP電話
1.1
ソーシャルネットワークサービス(ミクシー、グリー)
1.1
その他
(n=271)
30
インターネットを利用していない
- 109 -
3.7
16.6
%
70
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
あなたはインターネットをどんな目的で使っていますか。
以下の中から当てはまるものを全てお答えください。
(複数回答)
全体
N
ホームページ閲覧
%
155
57.2
41
15.1
144
53.1
音楽ダウンロード
45
16.6
ネット対戦ゲーム
39
14.4
チャット・掲示板・メーリングリストへの書き込み、投稿
41
15.1
オークション
27
10.0
オンラインショッピング
27
10.0
プレゼントや懸賞への応募
12
4.4
26
9.6
12
4.4
ネットバンキング・オンライントレード
2
0.7
IP 電話
3
1.1
ソーシャルネットワークサービス(ミクシー、グリー)
3
1.1
その他
10
3.7
インターネットを利用していない
45
16.6
0
0.0
電子メール
インターネット検索・情報収集
ホームページ・ブログ・メールマガジン・メーリングリスト
等の運営
チケット・講座・お店予約
無回答
(回答
271 人)
- 110 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q9:インターネットを使ってやってみたいこと・見てみたいものは何ですか。
「調べ物をしたい」など情報受信型の答えをした人が 39.6%であったのに対して、
「ホームページを作ってみたい」など情報発信型の答えを書いた人が 15.1%しかいな
かったことは残念である。本来コミュニケーションツールというのは文字通り双方向
のものである。インターネットの最大の特徴である双方向性を利用してもらいたいも
のである。また、チャットやオークションをしてみたいなど、現状ではおそらく禁止
されていることをしてみたいと答えた人は 19.8%いる。これは先の情報発信とも関連
することだが、あまりに子供たちがインターネットを利用することに対して規制をか
けすぎてはいないだろうか。
%
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
21.9
9.9
10.4
8.9
2.6
5.2
4.7
4.2
4.2
3.6
2.1
2.1
1.0
1.0
18.2
- 111 -
情報収集
ゲーム
学習や調べもの
ホームページ作成
その他
音楽のダウンロード
オークション
メール
ショッピング
チャット
ダウンロード
オンライントレード
世界中の人との交流
ブログ
特になし
2-2-4 子供アンケート調査結果
第2章
インターネットを使ってやってみたいこと・見て
みたいものは何ですか
全体
(複数回答)
N
%
情報収集
42
21.9
ゲーム
19
9.9
学習や調べもの
20
10.4
ホームページ作成
17
8.9
音楽のダウンロード
10
5.2
オークション
9
4.7
メール
8
4.2
ショッピング
8
4.2
チャット
7
3.6
ダウンロード
4
2.1
オンライントレード
4
2.1
世界中の人との交流
2
1.0
ブログ
2
1.0
その他
5
2.6
35
18.2
192
100.0
特になし
全体
- 112 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q10:パソコンやインターネットをする上で、家庭内でのルールはありますか。
ルールがあるのは、わずか 22.8%であった。ルールという形ではあまりこだわって
いないのかもしれない。
ある
22.8%
ない
77.2%
(n=197)
パソコンやインターネットをする上で、家庭内でのルール
はありますか。
全体
(単一回答)
N
%
ある
45
22.8
ない
152
77.2
0
0.0
197
100.0
無回答
全体
- 113 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q11:具体的にどのようなルールですか。
自由回答でルールについて具体的に答えてもらったところ、ルールを定めている家
庭の内、時間制限を設けている家庭が 30.4%、Web の閲覧制限を設けている(シス
テム的にではなく、約束事としてであるが)家庭が 26.1%、お金のかかるものはやら
ないなど金銭に関わることを禁止している家庭が 8.7%、チャットの禁止が 4.3%とな
っている。
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
%
30.4
26.1
8.7
4.3
2.2
28.3
時間に関する制限によるもの
お金に関する制限によるもの
ゲームの制限によるもの
Web 閲覧の制限によるもの
チャットの制限によるもの
その他
パソコンやインターネットをする上で、家庭内での
ルールはありますか。
全体
(単一回答)
N
%
時間に関する制限によるもの
14
30.4
Web 閲覧の制限によるもの
12
26.1
お金に関する制限によるもの
4
8.7
チャットの制限によるもの
2
4.3
ゲームの制限によるもの
1
2.2
その他
13
28.3
全体
46
100.0
- 114 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q12:身近で誰がインターネットを一番よく知っていると思いますか。
(自分から見た間柄)
身近でよく知っている人は意外にも自分が 10.7%と1割を超えて多かった。しかし、
父親と答えた人が 29.0%と多く、次いで教師の 15.8%になっている。友人や兄弟が
15.4%、14.3%とあるのは当然にしても、やはり父親に3割近い子供たちが信頼を寄
せいていることや、教師へも 15%の子供が知っていると思っていることを考えると、
教室に数人はインターネットのことを先生に尋ねてくる可能性がある。この結果から
考えると、子供に期待されている以上、大人ももっとインターネットのことを勉強し、
知っている必要があると思われる。
友達
15.4%
親戚
2.9%
その他
3.7%
自分
10.7%
祖父・祖母
0.0%
父親
29.0%
兄弟
14.3%
教師
15.8%
母親
8.1%
(n=271)
身近で誰がインターネットを一番よく知っていると思いま
すか。(自分から見た間柄)
全体
(単一回答)
N
%
自分
29
10.7
父親
79
29.2
母親
22
8.1
教師
43
15.9
兄弟
39
14.4
祖父・祖母
0
0.0
親戚
8
3.0
友達
42
15.5
その他
10
3.7
無回答
0
0.0
271
100.0
全体
- 115 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q13:インターネット上でトラブルにあったとき、誰に相談しますか。
以下の中から当てはまるものを全てお答えください。
トラブルにあったときに相談する相手は、「家族」が 70.8%と最も多く、次いで友
人が 34.5%となっている。教師に相談すると答えた人も 11.9%と次いで多く、この
結果から巷で言われているよりは意外に家庭内での会話があるようであり、やはり先
のQ12 と同じく、ある面、期待されているように考えられる。
0
10
インターネット・パソコン関係を良く知っている友
だち
家族(両親・兄弟・姉妹・祖父母など)に相談す
る
親戚に相談する
40
50
60
70
80
%
70.8
4.9
11.9
9.3
プロバイダーに相談する
サポート専門店に相談する
7.1
購入したところに相談する
8.0
4.9
その他
相談しない・自分で何とかする
30
34.5
教師に相談する
(n=226)
20
2.7
インターネット上でトラブルにあったとき、誰に相談しま
すか。以下の中から当てはまるものを全てお答えくださ
い。
全体
(複数回答)
N
インターネット・パソコン関係を良く知っている友だち
%
78
34.5
160
70.8
親戚に相談する
11
4.9
教師に相談する
27
11.9
プロバイダーに相談する
21
9.3
サポート専門店に相談する
16
7.1
購入したところに相談する
18
8.0
その他
11
4.9
相談しない・自分で何とかする
6
2.7
無回答
0
0.0
家族(両親・兄弟・姉妹・祖父母など)に相談する
(回答
226 人)
- 116 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
(4)携帯電話の利用状況
Q14:携帯電話を持っていますか。
携帯電話の所持については、
「持っている」が 47.6%と「持っていない」が 52.4%
とほぼ半々の数字であった。
持っている
47.6%
持っていない
52.4%
(n=271)
携帯電話を持っていますか。
全体
(単一回答)
N
%
持っている
129
47.6
持っていない
142
52.4
0
0.0
271
100.0
無回答
全体
Q15:携帯電話をどうして持っているのですか。携帯電話を持っている理由を
お知らせください。
携帯電話を持っている人にその理由を訪ねたところ、ほとんどの人が通話とメール
をあげており、携帯の Web 閲覧は数件しかなかった。また年齢が低いほど親との連
絡用に使っているようだ。しかし中には携帯でネットショッピングをしている人もい
た。
- 117 -
2-2-4 子供アンケート調査結果
第2章
Q16:携帯電話の月額利用金額はいくらぐらいですか。
※携帯電話を複数台お持ちの方は、最もよく利用する携帯電話についてお答え
ください。
※携帯電話の利用方法は通話、メール、パケット通信など、全てを含めてお答
えください。
15000 円~
20000 円未満
1.6%
20000 円~
25000 円未満
1.6%
25000 円~
30000 円未満
0.8%
2500 円未満
9.3%
10000 円~
15000 円未満
19.4%
2500 円~5000
円未満
20.2%
7500 円~
10000 円未満
14.0%
5000 円~7500
円未満
33.3%
(n=129)
携帯電話の月額利用金額はい
くらぐらいですか。
全体
(単一回答)
N
%
2500 円未満
12
9.3
2500 円~5000 円未満
26
20.2
5000 円~7500 円未満
43
33.3
7500 円~10000 円未満
18
14.0
10000 円~15000 円未満
25
19.4
15000 円~20000 円未満
2
1.6
20000 円~25000 円未満
2
1.6
25000 円~30000 円未満
1
0.8
30000 円以上
0
0.0
無回答
0
0.0
129
100.0
全体
- 118 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q17:携帯電話の利用目的は主に何ですか。
※携帯電話を複数台お持ちの方は、最もよく利用する携帯電話についてお答え
ください。
携帯電話の主な利用目的を聞いたところメールが 56.6%で最も多く、次いで通話が
24.0%であった。これは、意外に通話が多いこととメールが少ない結果になった。イ
メージ的にはもっとメールを行っているように感じるが、実際におしなべて見るとほ
ぼ半分がメール、と言うことなのであろう。
音楽
4.7%
ゲーム
1.6%
その他
2.3%
わからない
0.8%
通話
24.0%
Webサイト
10.1%
メール
56.6%
(n=129)
携帯電話の利用目的は主に何ですか。
(単一回答)
全体
N
%
通話
31
24.0
メール
73
56.6
Web サイト
13
10.1
ゲーム
2
1.6
音楽
6
4.7
その他
3
2.3
わからない
1
0.8
無回答
0
0.0
129
100.0
全体
- 119 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
Q18:携帯電話を利用する際の相手は主に誰ですか。
※携帯電話を複数台お持ちの方は、最もよく利用する携帯電話についてお答え
ください。
※携帯電話の利用方法は通話、メール、パケット通信など、全てを含めてお答
えください。
その携帯電話を利用する際の主な相手を訪ねてみた。やはり予想通り「友達」が
73.6%で当然の結果だといえる。「両親」も 17.1%で少なくはないと考えられる。
その他
2.3%
決まった人はい
ない
6.2%
両親
17.1%
兄弟
0.8%
友達
73.6%
携帯電話を利用する際の相手は主に誰ですか。
(単一回答)
全体
N
%
両親
22
16.2
友達
95
69.9
兄弟
1
0.7
教師
0
0.0
その他
3
2.2
決まった人はいない
8
5.9
無回答
0
0.0
136
100.0
全体
- 120 -
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
(5)インターネットを利用することで感じること
Q19:インターネットを利用することで、自分の役に立ったこと・良かったこと・
悪かったことなどをご自由にお書きください。
※インターネットのご利用はパソコンからのご利用でも携帯電話からのご利
用でも構いません。
インターネットを利用することで良かったこと悪かったことを自由に答えてもら
った。特徴的なことあげると、やはり最も多かったのが情報を簡単にすぐ手に入れら
れることで、76.7%があげている。ただし、入手しやすいことが仇となり、かえって
情報過多による混乱も付け加える人もいた。また、次いで多かったのは迷惑メールや
掲示板への書き込みでマナーが悪いことで 14.0%であった。子供ながらにも、ホーム
ページに掲載されていることの真偽を判断することの重要性や難しさを指摘してい
る人が 7.0%。また、利用料金が発生するという指摘が同じく 7.0%あった。子供とし
ては特異な例だと思われるがオンラインショッピングをあげている人が 4.7%。本来
はもっと増えて欲しい内容の「新しい友人が出来た」「連帯感が生まれた」などコミ
ュニケーションツールであるインターネットの特性を上げたものも 4.7%に留まって
いる。
0
20
40
60
80
76.7
情報が手にはいることに関するもの
14.0
ネット上でのマナーに関するもの
情報の真偽に関するもの
7.0
お金に関するもの
7.0
オンラインショッピングに関するもの
4.7
友人とのコミュニケーションに関するもの
4.7
- 121 -
100
%
第2章
2-2-4 子供アンケート調査結果
インターネットを利用することで、自分の役にた
ったこと、良かったこと、悪かったことなどをご
自由にお書き下さい。
全体
(単一回答)
N
情報が手にはいることに関するもの
%
33
76.7
ネット上でのマナーに関するもの
6
14.0
情報の真偽に関するもの
3
7.0
お金に関するもの
3
7.0
オンラインショッピングに関するもの
2
4.7
友人とのコミュニケーションに関するもの
2
4.7
43
100.0
全体
- 122 -
第3章
研究会における検討結果
第3章
第3章
3-1
研究会における検討結果
研究会における検討結果
研究会概要
実際に子供たちにICT教育を行っている学校関係者や地方で活躍している
プロバイダーに参集していただき研究会を行った。この度、初心者を中心に
行ったヒアリング調査結果と学校関係者、PTA及び子供たちにも行ったアン
ケート調査結果について、また今後の調査や課題とすべきことを中心に討論
していただいた。
ただし、話題はこれに限らず学校を取り巻くインターネットやパソコン環
境も含めてお話しいただき、我々では考えの及ばない領域についても討論し
ていただいた。
3-2
3-2-1
第1回研究会内容
趣旨説明
今回の調査の目的は、昨今インターネットの急激な普及に伴いその便利さ
と裏腹に様々な脆弱性も指摘されるようになってきた。特に子供を巻き込ん
だ事件、あるいは子供同士がインターネットを介して起こした事件について
は、マスコミで取り上げられる度に、インターネット危険論のみが浮上し、
それらに対する対応策が各地で条例等となって成立し始めている。(特にフ
ィルタリングに関する条例が多い。)
しかし本当にそれが正しい選択なのか、あるいは有効なのか議論が尽くさ
れていない。確かに、性善説で作られてきたネットワークであるだけに、迷
惑(spam)メールやウイルスを始め、インターネットが普及するまでは考
えられなかった現象が起こっていることも事実である。他方、これまで国境
という壁で仕切られていたり、地理的に遠いが故に成り立たなかったことが
インターネットを利用することで出来るようになり、様々な活動に活かされ
始め、生活が豊かになりつつあることも事実である。
プロバイダー等、長年インターネットに携わってきたものの立場からすれ
ば、知っていて当然の様なことやあるいは知っていなければいけない様なこ
とを知らないために、トラブルに遭遇したり、犯罪に巻き込まれたりしてい
るケースをよく見かける。それらを「単に知識不足だから、勉強すればいい」
といってしまうのは簡単であるが、実際に日本国民全般がそれらを習得する
には多大なる費用と時間が必要になることは明白である。その間、被害に遭
うのは子供たちや初心者といった、情報弱者ばかりで、悪循環が生まれるこ
- 123 -
第3章
研究会における検討結果
とは容易に想像できる。では、トラブルに巻き込まれないために管理ばかり
が先行し本来の双方向性と自由がなくなったインターネットに将来はある
のか。また、いつまでも管理下のネットワークだけで生活していくことが出
来るのか、と現状を見る限りでは疑心暗鬼にならざるを得ない。
そこで実際にインターネットのリテラシーがどこまで進んでいるのか、ま
た、リテラシー教育をするとすればどこに焦点をあて、何をすればいいのか
等を短期的ではなく、ある程度、中・長期的視野からインターネットコミュ
ニティで出来ることを模索し、何らかの対策を立てたいと考えた。その為に
は現状を知る必要があり、また、実際に初心者や子供たちの現状を知ること
で足りない箇所を補い、また、効率を上げるためにも他で行っていない活動
を行うべきだと考え、研究会を催した。
具体的には先のヒアリング調査結果を参照しながら分析を行い、アンケー
ト調査の項目検討等を行うこととした。
- 124 -
第3章
3-2-2
研究会における検討結果
ヒアリング調査結果の考察とアンケートへの要望
家庭におけるパソコンの位置づけ
ヒアリング調査Q1の「パソコンを持っていない理由」において、「学校
または職場でしか使わない」と答えた人が41.7%と意外に多い。比較的老齢
の初心者の中には、「一生使わずにすまそう」という考え方の人や、「家に帰
ってまで仕事の延長線上の様な事はしたくない」と考える人が多く、また、
そういった意見も巷ではよく聞くが、調査結果でも同じような数字が出てい
る。これは教育現場においても同じで、やはりさわりたくない先生はさわら
ない、という意見が出されていた。また、携帯電話で機能的には十分だと思
っている人も多く、携帯電話の普及率と高機能化も相まって特にパソコンを
導入しなくとも必要な情報を得られると感じているのだろう。
ヒアリング調査Q1:パソコンをどうして持っていないのか
0
5
10
15
%
20
25
30
35
45
41.7
学校または職場でしか使わないから
25.0
ほしいけど高いから
16.7
使い方が難しそうだから
33.3
携帯電話で十分だから
16.7
使いたいと思わないから
その他
40
0.0
n=12
- 125 -
第3章
研究会における検討結果
ヒアリング調査Q4においてパソコンを設定する人は家庭の中で誰なの
かを尋ねたところ37.1%の人は自分で行っており、ヒアリング調査前に我々
が予想していたよりは多くの人が自分のPCを設定しているようである。しか
し、やはり48.3%の人が「特定の人にしてもらっている」と答えているよう
に、まだまだ、パソコンを自分の力で設定できる人は少ないようである。次
いでその特定の人とは誰なのかを質問したところ、回答者の「父親」が26.8%
と多く、次いで回答者の「配偶者」と答えた人が17.9%と占めており、意外
に少ないのは「業者」に頼んでいる人で5.4%であった。やはり、業者に設
定を頼むと費用が発生するため依頼することは少ないのであろう。思った以
上に「お父さん」がパソコンの設定をしている家庭が多いようである。
ヒアリング調査Q4:パソコンの設定(アプリケーションを含む)は誰が行っているか
家庭のパソコンはす
べて自分で設定して
いる
14.7%
自分の持っているパ
ソコンの設定はそれ
ぞれ自分で設定して
いる。
37.1%
特定の人に設定して
もらっている
48.3%
n=116
- 126 -
第3章
研究会における検討結果
セキュリティについて
ヒアリング調査Q14において、「自宅でのインターネット利用の用途」に
ついて調査を行った結果、ホームページ閲覧と検索による情報収集が同数で
84.8%の回答があった。ここでフィルタリングについて触れておきたい。学
校におけるインターネット接続は、特殊な場合を除き、ほとんどすべての学
校がホームページ閲覧に規制をかけている。いわゆるフィルタリングを実施
しているのである。しかし、家庭におけるフィルタリングはあまり施されて
いないのが、セキュリティ対策ソフトメーカなどからも指摘されている。こ
の点をWebのアンケートでPTAに調査する必要があるが、最近のセキュリテ
ィ対策ソフトは高機能過ぎて一般にはその機能を理解できていない場合が
よくある。よって、そこまで聞いてもWeb調査では正確な回答が得られない
のではないか、ということでこれに限った質問は行わないことにした。しか
し、学校ではコントロールされているにもかかわらず、家庭で全くコントロ
ールがないとすると、問題にならないであろうか、ということが指摘された。
実際、子供たちがトラブルに遭っているのは家庭やインターネットカフェな
ど学校以外の場所か携帯電話での通信においてである。
ヒアリング調査Q14:自宅でのインターネット利用
0.0
10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.
0
84.8
ホームページ閲覧
63.8
電子メール
84.8
インターネット検索・情報収集
音楽ダウンロード
ネット対戦ゲーム
12.4
10.5
19.0
チャット・掲示板・メーリングリストへの書き込み・投稿
21.9
オークション
38.1
オンラインショッピング
懸賞応募
ホームページ・ブログ・メールマガジン・メーリングリスト等の運営
11.4
16.2
23.8
チケット・講座・お店予約
ネットバンキング・オンライントレード
IP 電話
SNS(ソーシャルネットワークサービス)
n=105
その他
- 127 -
10.5
9.5
8.6
4.8
第3章
研究会における検討結果
ヒアリング調査Q15ではウイルスメールを受信したことがあるかを尋ね
てみた。ここでは、52.3%の人が受け取ったことがないと答えている。「わ
からない」と答えている人も26.6%おり、合計で約8割の人が経験として知
らない状況である。単に数字だけを見れば、それだけ被害に遭う可能性も少
ないわけだから悪いことではないのだが、実際、今後もインターネットの利
用を続けていればどこかでウイルスメールを受け取る可能性は非常に高い。
そう考えると、やはり先のフィルタリングと同様、単なる知識としてだけで
はなく経験としてウイルスメールがどんなものか知っておく必要があるの
ではないだろうか。(例えば実験用のパソコンを用意し、実際にウイルスを
稼働させてパソコンにどのような現象が起こるかを見てみる。)
一方、ウイルスより深刻なのがQ17で尋ねた迷惑メールを受け取ったこと
があるかどうかである。44.5%の人が「アダルト情報の迷惑メールを受け取
ったことがある」と答えている。子供にPCのメールを使わせない理由にこの
ことをあげる人が非常に多いのだが、今回の調査による数字でも裏付けられ
たことになる。携帯電話であればかなり送信先を絞り込むことが出来るため、
その対策を施して利用させているようだ。
ヒアリング調査Q15:ウイルスと思われるメール、プログラムを最近送ってこられた
ことがあるか
ある
21.1%
わからない
26.6%
n=128
ない
52.3%
- 128 -
第3章
研究会における検討結果
また、Q22で質問したスパイウェアは約半数の人が知らず、Q24のボット
ネットに至っては8割近くの人が知らない。スパイウェアについてはその存
在がそれなりには知られているはずなのに、やはり比較的初心者には知られ
ていないようだ。ボットネットについては、スパイウェアほどは認知されて
いないからか「知っている」と答えた人は8.6%しかいない。ウイルスに感
染したパソコンは明らかに動作がおかしくなったり、ひどい場合には起動す
らしなくなるなど顕著にわかる。しかし、スパイウェアやボットネットのソ
フトウェアは感染してもこの様に顕著な症状が現れるわけではない。よって
セキュリティ対策ソフトを導入していなければ発見されにくい。
また、関心の低い人やパソコン経験の非常に少ない人だと、調子が悪くな
っていることにさえ気づかないでいる可能性が高いのではないかとの指摘
も研究会であった。さらにボットネットに至ってはセキュリティ対策ソフト
でも対処できないものが非常に多く、実際に感染していても知らない可能性
が高い。
ヒアリング調査Q22:スパイウエアを知っているか
知っている
33.6%
知らない(今回
はじめて聞いた)
48.4%
名前だけは知っ
ている
18.0%
n=128
ヒアリング調査Q24:ボットネットを知っているか
知っている
8.6%
名前だけは知っ
ている
13.3%
n=128
知らない(今回
はじめて聞いた)
78.1%
- 129 -
第3章
研究会における検討結果
これらの認識不足、リテラシーの低さはQ28で端的に表れており、セキュ
リティ対策をしていない人のうち、「わからない」ことを理由にしている人
が47.6%でほぼ半数。「面倒だから」が28.6%であり、知識不足・認識不足
から対策をしていない人が全体の7割を超えていることからも、今後、セキ
ュリティ対策には啓蒙活動が重要であると思われる。
%
ヒアリング調査Q28:セキュリティ対策をしない理由
0
10
20
40
50
4.8
値段が高いから
必要とは思えないから
0.0
Windowsを使ってないから
0.0
28.6
面倒だから
47.6
わからないから
n=21
30
19.0
その他
全体的にはやはりインターネットやパソコン、及び携帯電話への基本的な
知識や使う上でのマナー等に対する認識不足が感じられた。今後の将来を担
う子供たちに焦点を当てたアンケート調査を次に行うこととし、特に立場の
違いによる考え方や持っている知識の違いを明確化するために、教師、PTA
及び子供たちに対してそれぞれアンケートを行うこととした。
- 130 -
第3章
3-3
3-3-1
研究会における検討結果
第2回研究会内容
アンケート調査結果への考察と分析及び感想
それぞれの立場から見たパソコンとインターネット
アンケート調査の結果を受けて再度研究会を行った。
PTAに対して行ったアンケート調査のQ1パソコンをどこにおいてあるか
の問に対して、「居間」と答えた人が65.7%、次いで「親の部屋」と答えた
人が16.2%である。いずれにしろ親の目の届くところにパソコンが置かれて
おり、子供たちが利用する場合には近くに大人がいる状況が多いようである。
「子供部屋」にあるのは4.6%に過ぎないため、子供が家族の目を気にせず
利用できる環境はあまりないようである。間接的なコントロール下にパソコ
ンがあることで、一定の歯止めがきいていると考えているようである。
PTA へのアンケート調査Q1:家庭でパソコンはどこにおいていますか
書斎
9%
その他
2%
親の部屋
16%
子供部屋
5%
居間
66%
台所
2%
n=1083
- 131 -
第3章
研究会における検討結果
教師へのアンケートQ3で、インターネットを利用する際のルールを定め
ているかどうかの問に対して、43.9%の人が「いいえ」と答えているが、実
際のところルールのない学校は存在しないと言うことが出席されている教
育関係者から異口同音に語られた。学校にインターネットを導入する際、必
ずルールを決めてからでなければ導入できない制度になっているため、ルー
ルは必ずあるはずだという。恐らく「いいえ」と答えた人が単に知らないだ
けではないかと言うことである。その理由として以下のことが考えられる。
第一に、単にこのアンケートに答えた人がそういうことに興味がない、ある
いは無頓着な人で知らないだけの可能性。第二に、フィルタリングによって
一定のウェブサイトにはアクセスできなくしている、等のシステムによるル
ール化を実現していることを知っているが、それをわざわざルールだと言う
ほどには意識していない場合。また、第三にシステム担当者の異動などで細
かなことまで引き継ぎされていない場合。そのほか、第四に学校として徹底
して周知されていない場合。しかし、これだけの割合でルールがないと答え
ている人がいることは問題であり、今後学校内でルールがあることを周知す
る活動を最度考え直す必要があるようだ。また、ルールそのものについては、
単に導入のためのルールではなく、教員も子供たちもよく理解し常に意識し
て守られるものであることが重要だ。
教師へのアンケート調 Q3:学校でインターネットを使う際のルールを定めているか
いいえ
43.9%
はい
56.1%
n=310
- 132 -
第3章
研究会における検討結果
一方、PTAに対してインターネットを利用する際のルールの有無について
質問を行ったところ(PTAに対するアンケート調査Q5)、「ある」と答えた人
は40.5%にすぎない。これはパソコンの置き場所との関連もあると思われる。
またそのルールの内容に関しては特定サイトへの接続禁止38.5%、使用時間
の制限35.7%であり、あまり細かなことまで制限を行っていないのが現状の
ようである。また、Q4で「すべて子供に任せている」23.2%、「おおむね子
供に任せている」40.6%と子供に任せている親が全体の6割を超えているよ
うに、家庭におけるインターネットの利用は自由な環境の家庭が多いようで
ある。一方、
(子供へのアンケート調査Q10)に対して子供たちの回答は、「ル
ールがある」と答えた人は22.8%に留まり、「ルールがない」と答えた人は
77.2%となり、多少子供たちとのずれがある。ただし、PTA、子供の調査を
同じ家庭に行ったわけではないため有意差はないかもしれない。
PTA へのアンケート調査Q5:子供がインターネットを利用する際にルールはあるか
ある
40.5%
ない
59.5%
n=1083
- 133 -
第3章
研究会における検討結果
PTA へのアンケート調査 Q4:子供がインターネットをする際あなたはどうしていますか
子供が操作をす
るときは、必ず誰
かが一緒に画面
を見ているなど、
親の管理の元で
行っている。
6.4%
親が操作をして
子供と一緒にす
る。
1.9%
その他
0.4%
すべて子供に任
せている。
23.2%
子供が操作をす
るときは同じ部屋
にいるが、特に
監視などはしな
い。
27.5%
おおむね子供に
任せている。
40.6%
n=1083
子供たちへのアンケート調査 Q10:インターネットをする際にルールはあるか
ある
22.8%
ない
77.2%
n=197
- 134 -
第3章
研究会における検討結果
このように、ほぼすべての学校においてはインターネットの利用に際して
何らかの規制がかかっているにもかかわらず、親の監視下にあるとはいえ、
比較的自由にインターネットを利用できる環境が家庭にはあるのが日本の
子供たちを取り巻く環境であるようだ。
実際の子供たちの反応として、検索で変なサイトが引っかかり、実際にア
クセスしようとすると学校では、ブラウザで警告され、「制限下であるため
アクセスできません」と表示される。小学生ぐらいであれば先生に対して正
直にどんな画面が表示されるのか知りたいと意思を表明するが、中学生ぐら
いになると、さすがに先生にはその意思表示をせず、さっさとあきらめたり、
どこか制限がかかっていないところで見ているはずだと指摘している。しか
し、先生によってはそれで事足れり、で事後のフォローがされていないので
はないだろうか。例えば自転車の乗り方教室を学校で行うことと比較すると
わかりやすいのではないだろうか。学校の運動場で自転車の乗り方を教えた
としよう。実際と同じように信号機もあれば道路や横断歩道もある。模擬的
に信号も動作させて自転車の交通マナーと事故に遭わないための乗り方を
子供たちに教える。当然実際には自動車は走ってこないし歩行者もいない、
道路脇に駐車されている車などの障害物も恐らくほとんどないはずである。
しかし、実際には学校から一歩出た途端にそれではすまされない現実の交通
社会があり、事故も十分あり得るのである。よって学校内でも自転車の乗り
方教室もかなりの程度、実際の車社会を想定して教えているはずである。し
かし、ことインターネットとなると学校のインターネット接続環境は「無菌
状態」といってよい環境下のものが多く、恐らく学校のインターネット環境
しか知らないものにとっては想像できない世界になっているのではないだ
ろうか。またそれは家庭でのそれとも別世界の状況になっているのではない
だろうか。問題は果たしてそのような環境下で何事もなく子供たちがインタ
ーネットをうまく利用しているような気になってしまって問題がないのだ
ろうか、ということである。
例えば、ここ数年で急激に増えているフィッシング詐欺のサイトを見たこ
とがなければ、実際にそういう場面に遭遇した時に適切な対応が出来るので
あろうか?特にプロバイダーの参加者からは疑問視する声が上がった。ユー
ザサポートをしていると未だによくあるのがワンクリック詐欺などの相談。
この手の犯罪はすでによく知られているため、まさかと思うが、いまだに大
金を振り込む人は後を絶たないのである。この現象は何もインターネットに
限ったことではなく、電話で「オレオレ詐欺」に引っかかってしまう人が多
いことと何ら変わりはないことだ。マスコミであれだけ取り上げられても自
分の事となると別次元になってしまうようである。
実際に経験を積まなければ、今後出てくる新手の犯罪に対して応用が利か
ない。それが出来なければいつまでたっても事故や犯罪を避けられないため、
やはり単なる「無菌状態」のインターネット環境を作ることがいいとはいえ
- 135 -
第3章
研究会における検討結果
ないという意見が多数出た。このことをオランダの「着衣水泳」の教育にた
とえた方がいた。周知の通りオランダには無数の水路がある。しかし、その
水路には柵がない。では子供たちはどうしているのか。学校で教えているの
は「着衣水泳」である。服を着たまま泳ぐことがどれだけ大変であるか、身
をもって体験させるのである。そうすることで実際に落ちたときにパニック
になったり泳げなくなったりしないように、子供たちに経験を積ませ、落ち
たときにはまず何をするべきなのか、また落ちた時にこれだけ大変な思いを
するのであれば落ちないようにしようという「意識」を持たせているのであ
る。この辺は国民性が大きく関与しているのかもしれないが、インターネッ
トについては国境がなく、世界中どこでも同じ環境で動いているため「国の
特殊事情」は通用しないのである。
また、学校と言う公の場であるが故の特殊事情もあるようだ。
「管理者の許可がなければ利用できない」という回答が多かった。この理
由について参加している先生方から話されたのは、物がなくなる為に許可制
にしているようである。具体的には、マウスやキーボード、時にはメモリま
でなくなるそうである。
しかし、これもピークを過ぎると、本当に困るのは自分たちであることに
気付き始め、盗難等もなくなるそうだ。
教師に対するアンケートQ10においてもPTAに対するアンケートQ16にお
いても、概算するとほぼ同じような割合で、教師、PTAが子供に対してICTや
インターネットの利用について教育を行うべきだと結果が出ている。この点
を出席していただいた先生方にお尋ねしたところ、全員の一致した意見で、
インターネットやICTのリテラシー教育は、学校が行うべきであると皆さん
自負されており、その為に努力されている先生方がいらっしゃることに安堵
と期待を覚えた。しかし、他方この一連の調査や他の調査からもわかるよう
に、特にセキュリティについて詳しい知識を持った大人は関係者に限らず非
常に少ないのが現状である。この点について、やはり専門家の意見や知識も
かなり必要とされているようである。
プロバイダー業界としても将来のために子供たちにできることをするべ
きであると感じられた。また、その内容は単に子供たちに直接インターネッ
トの事を教えるだけでなく、教職員の方々と共にシステム作りに参加したり、
また新しい技術、セキュリティに限らずいろいろな技術情報を共有すること
が必要である。また都道府県の境界線を越えてまで教職員同士で情報交換を
行うことは少ないようなので、教職員及びインターネット技術に携わるもの
同士の情報交換の場を提供することも必要であり、有効な手段である。
- 136 -
第3章
研究会における検討結果
教師に対するアンケート調査Q10:子供にITリテラシー教育を行うのは誰か
0%
10%
20%
30%
40%
n=304
50%
家庭と学校(親と教師)
学校(教師)
家庭(親)
地域社会
専門家
大人
子供自身
その他
PTAに対するアンケート調査Q16:子供にITリテラシー教育を行うのは誰か
n=1103
0%
10%
20%
30%
40%
50%
学校と家庭
家庭
学校
友達
子供自身で学ぶ
地域社会
専門家
Webサイトや本などから
自分で学ぶ
分からない
その他
- 137 -
第4章
他団体のインターネットネットリテラシー
活動状況と学校の取組み
第4章
第4章
4-1
他団体の活動状況
他団体のインターネットリテラシー活動状況と学校の取組み
概要
e-Japan 戦略の際、日本中でパソコン講習が行われたが、それはあくまでパソコン
講習会やインターネットの使い方講習会であって、リテラシー教育ではなかった。ま
た、それ以後、国内のインターネット環境は大きく変貌し、ブロードバンド環境も比
べものにならないほど増加した。それに伴って、インターネット上でのアプリケーシ
ョンも増え、また犯罪の種類も件数も増加している。
この調査の目的でもあるが、果たして一般のリテラシーを向上するための講習会等
は行われているのか。
ある団体の調査(Web による)で 1,540 人のインターネット利用者を対象にアンケ
ートを行ったものを参考にしてみると、「インターネットのリテラシー(ネット上の
エチケットや犯罪迷惑行為について)や、 セキュリティに関する講習会や勉強会を
受けたことがありますか。」との問いに「受けたことがある 113 人(7.3%)」
「受けよ
うと思ったことがあるが受けたことはない 177 人(11.5%)」「受けようと思わない
360 人(23.4%)」「そういう講習会があることを知らない 890 人(57.8%)」と言う
結果が出てきている。(2006 年 3 月実施)
これを参考にすると、講習会があることを知らないが半数を超えている。
今回は、特にインターネット上のセキュリティについて啓発活動を行っている団体
を調べてみた。
また、今回は研究会に参加された先生方の学校の取組みについても参考にさせてい
ただくことになり掲載してある。
4-2
他団体のネットリテラシー活動の状況
4-2-1
財団法人インターネット協会
名称:インターネットのルール&マナーセミナー
対象:児童向け、保護者向け、児童・保護者向け、教員向け、初心者向け(主婦など)
教育関係者、行政関係者
目的:子どもがインターネットや携帯電話の利用を通じて巻き込まれる犯罪やトラブ
ルは、大きな社会問題となっている。このような状況を踏まえ、子どもの適正
なインターネットの利用のため、保護者や教員が実態を理解し子どもたちを指
導できるように、保護者や教員のためのインターネットセミナーを、また直接
子どもたちにも伝える。
- 139 -
第4章
他団体の活動状況
内容:子どもがインターネットや携帯電話を利用する際に必要なルールやマナーの知
識を、トラブル事例を通して紹介。また、子どもを守るために、保護者ができ
ることに焦点を当て、フィルタリングソフトの利用、親子ルールのあり方、困
ったときの情報・相談窓口、インターネットに関する法律、最新情報について
も紹介。
パワーポイントでの説明、ビデオ上映、おさらいクイズ、など。
頻度:月 3~5 回
所要時間:1~2時間
受講者週:延べ 2000 人/2005 年
開催場所:小・中学校、公民館、セミナー会場、ホールなど
4-2-2
NPO 日本ネットワーク・セキュリティ協会
名称:「インターネット安全教室」
対象:家庭や学校からインターネットにアクセスする人々
パソコンや携帯電話でインターネットを活用する方
ネットワーク・セキュリティ啓発に関わる方
目的:誰でも手軽にインターネットに接続できるようになった今日、ウイ
ルス
感染、詐欺行為、プライバシー侵害など情報犯罪の被害にあう危険性がますま
す高くなってきている。いかに技術が進歩しても、ひとりひとりの意識の向上、
モラルの徹底がなければ、情報犯罪を防ぐことはできない。こうした状況をふ
まえ、経済産業省とNPO日本ネットワーク・セキュリティ協会(JNSA)で
は、どうすればインターネットを安全快適に使うことができるか、被害にあっ
たときにはどうすればいいかなど、情報セキュリティに関する基礎知識を学習
できるセミナーを経済産業省と一緒に開催している。
内容の概要:プログラム
「インターネット安全教室」CD-ROM(映像)上映
上映内容に基づいた講師の解説
県警担当者によるネットワーク犯罪についての講話
講義の復習としてのクイズ学習
質疑応答
一回の平均時間:約2時間
過去一年間の受講者人数:3,581 名(2004 年度)
※2005 年度は、5000 名程度を予想
主な開催場所:全国各地(http://www.jnsa.org/caravan/ 参照)
- 140 -
第4章
他団体の活動状況
4-2-3 総務省及び関連団体
名称:e-ネットキャラバン
対象:保護者・教職員等
目的:子ども達が容易に携帯電話やインターネットに触れる環境が整ってきているこ
とから、児童・生徒を保護・教育する立場にある保護者・教職員等に対しても
インターネットの安心・安全利用に関する啓発が必要。
内容:子どもたちが安心・安全にインターネットを利用するためのガイダンス
「e-ネット安心講座」にて講演を行なうための講師派遣を行う。
頻度:各学校やPTAの要望に応じて行う。
所要時間:1時間半~2時間
受講者数:17 年度は関東・東海地域で試行。18 年度より本格運用。
Cf. http://www.fmmc.or.jp/e-netcaravan/
4-2-4
警察庁
http://www.cyberpolice.go.jp/
子供向けにはゲームサイトを用意し、手軽にインターネット上のセキュリティにつ
いて学べるように工夫されている。また、大人向けには、別途一般のパソコンユーザ
向けの講座サイトを開設。利用している OS 毎にセキュリティ情報がまとめられてお
り、初心者にも利用しやすい。また特徴的なのは、システム・ネットワーク管理者向
けにもサイトを用意してある。製品の調査報告書等まで用意してされており、セキュ
リティ情報は十分に用意されたサイトである。
4-2-5
トレンドマイクロ株式会社
こちらのセキュリティ対策ソフトメーカは、主に講義形式のセキュリティセミナー
を、初心者から上級者にそれぞれあわせて講座を開催、あるいは開催支援を行ってい
る。
名称:インターネット・セキュリティ・セミナー
対象:市民やシニアネット会員、教員や生徒
目的:インターネットを安全に使うための知識の習得
- 141 -
第4章
他団体の活動状況
内容:インターネットの安全対策、実例と被害、対策ポイントの説明、ウイルス/個
人情報の漏えい/有害サイト/詐欺・デマ情報/スパイウェアの詳細、駆除ツ
ールの使い方や啓発用資料(冊子・CD)のご説明
頻度:
所要時間:1 時間半程度
受講者数:シニアネット啓発セミナー約 1590 人、教育系機関・自治体主催 1100 人
以上。
主な開催場所:各種教室等講座形式
名称:セキュリティ・スキルアップ講座
対象:“シニア情報生活アドバイザー”養成講座実施団体
目的:インターネットを安全に使うための講座
内容:財団法人ニューメディア開発協会と共同で支援プログラムの実施
インターネットの安全対策、実例と被害、対策ポイントの説明、ウイルス/個
人情報の漏えい/有害サイト/詐欺・デマ情報/スパイウェアの詳細、駆除ツ
ールの使い方や啓発用資料(冊子・CD)のご説明
頻度:2005 年9~12 月で 18 回
所要時間:2 時間
受講者数:745 人
名称:インターネット安全教室
対象:子供とその保護者
目的:子供たちにより安全で楽しいインターネットの使い方を学んでもらう
内容:子供がインターネットを安全に使うための基本ルールの理解と保護者の知識習
得
(子供向け)インターネットを使う時の注意点の説明、インターネットを使う
時の約束事、セキュリティクイズ
(保護者向け)インターネットを取り巻く現状、気をつけるべきセキュリティ
脅威の説明、対策ポイント、お子様への指導
所要時間:1時間~1時間 30 分
受講者数:1 回に親子 30~50 組
・ その他、自治体、地域コミュニティ、教育機関などでセキュリティ啓発活動を行
- 142 -
第4章
他団体の活動状況
う際に、講師派遣や資料提供、協賛活動などの支援活動を実施。また、啓発教材
の製作(Web、冊子・トレンド家 110 番、5Danger、教育用 CD)やインターネ
ットセキュリティ情報の提供(インターネットセキュリティナレッジ
http://is702.jp/)を行っている。
4-2-6
セキュリティソフトウェアメーカー
あるセキュリティ対策ソフトメーカの普及・啓発活動については、主に PC の販売
促進のイベントに際し行うことが多いようで、教室等で行う講義形式の説明会等は行
っていない。
名称: PC セキュリティまつり Powerd By PC-Maker
対象:新宿 Times Square 周辺の一般通行人(主に家庭での利用者)
目的:PC の販促によるセキュリティソフトの販促
内容:一般的な PC セキュリティの話
頻度:4 半期に 1 回程度
平均所用時間:約 20 分
主な開催場所:新宿 Timse Square 等イベント広場
受講者数:1 回あたり約 1000 人
名称:お客様向けインターネットセキュリティ(スパイウェア対策)勉強会
対象:量販店に来店した人
目的:ウィルス対策は一般ユーザに浸透しているが、スパイウェアに関しては認知度、
理解度が低いため、その危険性を理解してもらう。
内容:スパイウェアの被害とその対策の重要性について
頻度:毎週末
所要時間:約 20 分
開催場所:量販店特設コーナー
受講者数:約 500 名
名称:セキュリティソフトウェアメーカーの Web サイト
対象:Web 閲覧者
目的:インターネットセキュリティに関する知識を面白くわかりやすく理解してもら
う。
内容:セキュリティ全般にわたって解説してある。ゲーム等を取り入れて最後まで読
ませる工夫なども施されている。
- 143 -
第4章
頻度:不定期で内容を更新
所要時間:全ページ閲覧に約 30 分
受講者数:アクセス数不明
開催場所:セキュリティソフトウェアメーカー
他団体の活動状況
Consumer 向け Web サイト
・ その他、年 1 回のセミナー(2 日間)を展示会形式で主催。対象は主に法人。来
場は 2 日間で約 2500 人。また、販社と共同企画にて、法人向けにセキュリティの
知識に関す売る講座を年間6,7回開催。
- 144 -
第4章
4-3
4-3-1
他団体の活動状況
学校の取組み
宮城県大河原商業高等学校の取組み
この高校では、IT の進展に伴い全国各地で IT 講習会などが盛んに開始されている
中、2001 年より商工会会員や企業の事業主、従業員の方々を対象にした、全国でも
初めてとなるビジネス教育の一環として、高校生がパソコンのインストラクターを務
める「小規模企業広域活性化事業」として実践的な活動を行っている。
「IT 化社会と地域の活性化」について調査研究を行い、若い世代のうちから情報
発信やプレゼンテーション、情報の活用能力を身につけ地域社会の活性化に対する意
識を持つ必要があると考えている。そして、2002 年より、仙南地域にある小・中・
高校生を対象に「ホームページコンテスト」を開催。今では、コンテスト募集範囲を
宮城県内に拡大して行っている。
名称:宮城県小中高等学校ホームページコンテスト開催(毎年)
主旨・目的:これからの時代を担う小・中・高校生にコンピュータの楽しさを知って
いただき、IT に必要な知識の習得や新しい人材の育成・発掘を目的と
している。このホームページコンテストを通して、日常生活の中でコン
ピュータを利用して課題を解決するための基礎的な知識や技能などの
コンピュータリテラシー(IT 技術を使いこなす能力)を身につけても
らい、地域の小・中・高校生の皆さんがそれぞれの地域の情報化をリー
ドできる力を養うこと。
学校や家庭で、先生や友人、家族とともに、インターネットの正しい
利用方法や情報モラルについても考えるきっかけに出来るように。加え
て著作権、肖像権などの法令、条例の啓発もかねている。
4-3-2
静岡県立静岡中央高等学校の取組み
この高校では、
「情報セキュリティの維持と校内 LAN システム」を活用するために、
学校運営全体の効率化を図るシステムを導入されている。教職員間での情報共有、情
報交換を目的にグループウエアの導入、生徒情報の管理、生徒・教師間の連携を強化
するシステムの導入(SNS)、インターネットを活用するためのサーバー整備等。と
ても積極的な学校である。
また、具体的な取り組み事例「実社会で通用する情報処理技術を育成するシステム
の構築」として、担当の小林先生のレポートをここで紹介する。
- 145 -
第4章
他団体の活動状況
今日の企業では、コンピュータを 1 台で利用することはほとんど無い。業務を分散
化して、複数の人員で分業したり、共通のデータを共有したりして効率化を図るのは
当然のこととなっている。それに加えて、インターネットや電子メールを利用し業務
のスピードアップや効率化に役立ており、今やネットワー
クなしにビジネスは成立しない、というところまで来ているのである。本校ではこの
ことに注目して、平成 15 年度より「シスコ・ネットワーキングアカデミーを採用し
たネットワークエンジニアの養成」に特化した情報教育の推進を積極的に考えていた。
しかし、「公立の学校が、私企業名を冠につけた教育活動
を推進・広報するのは如何なものか?」という反対意見も示された。結局、予算面や
「リージョナル・アカデミー(RA)」注1との連携面にも難しい点があり、シスコ ネ
ットワーキングアカデミーの導入計画を見直すことにした。
その後、本校商業科・工業科・情報科では、上述の通り平成 16 年度(2 年間の研究)
の上月情報教育財団の研究助成に応募した「実社会で通用する情報処理技術を育成す
るシステムの構築」という研究テーマが幸いにも採択された。そこで、この2年間で
IT 産業を中心とした社会の情報化トレンドを掴み、それに
対応した教育システムを構築するために、もう一度情報教育改善の原点に返って研究
を行うこととした。
本レポートは、体裁を崩さないために添付資料とさせていただく。
(添付資料5を参照)
- 146 -
第5章
総 括
第5章
第5章
総括
総括
子供たちの目から見たインターネット
今回の調査を通して関係者が最も驚いたことは、子供たちに対するアンケートの結
果であった。それは、10 年ほど前、日本にインターネットが入り普及し始めた頃、
我々がインターネットに対して抱いたイメージと、今の子供たちがインターネットに
対して抱いているイメージがあまりにも違うように感じられたことである。
インターネットが日本で普及し始めた頃は、バブル崩壊後の日本で、バラ色のもの
は何一つなく、その中で唯一希望を持てるのが IT 社会であり、その代表的存在がイ
ンターネットであった。その時と今とでは社会的な状況も大きく変わっていることは
事実である。しかし、無法地帯である一方、夢や希望も大きくふくらませることが出
来たのがインターネットの世界であり、その道は「世界にも通ずる」ものであること
を感じる事が出来た。
子供たちがインターネットを使ってやりたいこと
ところが、今回子供たちに「インターネットでやりたいこと」を訪ねたところ、
「掲
示板の利用」「オンラインショッピング」などが目立った。もちろん、インターネッ
トに対する知識もそれほど豊富ではない子供たちが対象なのだから、そういう答えが
多くとも無理はないかもしれない。一方で、少ないながらも「自分のホームページを
作りたい」「友達を作りたい」など、情報発信型のものもいくつかあり、希望ももて
るのだが主流ではなかった。これでは矮小化されたインターネットしか子供たちに伝
わっていないということではないか、単に教育現場の問題というのではなく、日本の
社会全体の問題ではないかと考えさせられた。確かにインターネットでは、ワンクリ
ック詐欺や迷惑メール、また掲示板の書き込みに端を発した傷害・殺人事件など危険
なことはたくさん起こっている。しかし、そのことを意識するあまり、インターネッ
ト本来の「良さ」が子供たちに伝わってはいないのではないだろうか?大人も含め「萎
縮」してしまっているように感じられる。その「萎縮」が子供たちに伝わってしまっ
てはいないか。今子供たちがインターネットを使ってやってみたいことは、単に大人
に規制されたことをしてみたいだけであって、インターネットの自由な世界でコミュ
ニケーションを行い、世界を広げることではないようである。
顔が見えないインターネット(利用者の匿名性)
何もインターネットの世界に限ったことではないのだが、ホームページを見ただけ、
- 147 -
第5章
総括
掲示板の書き込みを読んだだけ、あるいはメールでやり取りをしただけでは、相手が
男なのか女なのかを含め全く氏素性はわからないのである。それ故なのか「匿名性」
がよく語られる。これは 10 年ほど前、インターネットが日本に入ってきたころから
すでに、アメリカやカナダなどインターネット先進国では「フライ・バイ・ナイト」
と言っていわゆる成りすましによる詐欺(ネットショッピングでお金を振り込ませて
おいて商品を送ってこないといった類)が横行しているから気をつけなさい、と言わ
れていたことである。この「顔」が見えないことによって、誹謗中傷合戦になったり、
だまされたりすることがよくある。単純にインターネット上で公開されている情報が
正しいと信用することがいかに危険であるかを示しているものだが、われわれインタ
ーネットユーザには、常にこの「情報の真偽」を確かめる必要性があることを認識し
ておく必要がある。
インターネットの「匿名性」(機械の匿名性)
では、本当にそれほどインターネットは危険なものなのであろうか。プロバイダー
などこの業界の担当者の多くが疑問に感じていることは、報道で繰り返される、「イ
ンターネットは匿名性が高い」というフレーズである。実際にインターネットをオペ
レーションしているものから見ると、首をかしげざるを得ない事が何の疑いもなく言
われているように感じる。一般に極稀な場合を除けば、ホームページを閲覧したパソ
コンのアドレスや、メールを発信したパソコンのアドレスは確実にわかる。より正確
にいうならば、それがサーバ側にわからなければ、ホームページを見ることもメール
を送信することも出来ないのである。テレビやラジオと基本的な仕組みが違うインタ
ーネットは、いわゆる双方向性のメディアであるため、具体的なコンテンツを送受信
する前に必ず「挨拶」を交わす。その機械同士が「交わす挨拶」には双方の IP アド
レスという、いわば住所が必要となる。電話をかける際に、相手先の電話番号が必ず
必要で、かける電話の方も必ず電話番号を持っていなければかからないのと同じ事な
のである。(公衆電話も一般には知られていないが、電話番号を必ず持っている)つ
まりお互いに、後ろで操作を行っている人間の素性はわからなくとも、機械同士は最
低限、住所を確かめ合っているのである。また、その「挨拶を交わした」相手の住所
をサーバは「ログ」という形で記憶しているため、一定の期間内はその「ログ」を調
査することで特定の相手の「住所」を調べることが出来るのである。
(ここで言う「住
所」に地理的な規則はないため、電話番号のように相手が何県であるかのような判断
は出来ない)つまり、少なくとも機会同士が挨拶を行ったと言うことは、その時点で
「匿名」ではないということである。そもそもそういうシステムでなければ、あるホ
ームページを見た際、自分のブラウザ上に、
「あなたは、○○人目の訪問者です。」な
どの表示は出来ないはずである。
- 148 -
第5章
総括
プロバイダーの仕事
また一般にはあまり知られていないことだが、プロバイダーは、この IP アドレス
と後ろで操作を行っている人間(ユーザ)の情報を管理しており、その情報を課金に
利用したりするのである。通常、この情報を外部に対して知らせることはないが、裁
判所からの情報開示命令があったり、プロバイダー責任制限法で該当する場合は手続
きを踏んで、関係者に開示することがある。これによって、掲示板に書き込んだユー
ザの特定や迷惑メールを発信したユーザの特定を行う事が出来るのである。プロバイ
ダーの仕事はこの IP アドレスの発行・管理である。
犯罪の抑止効果
にも関わらず「匿名性」が語られるのはなぜなのか理解に苦しむ。「犯罪の抑止効
果」という事を考えると、
「インターネットは匿名性が高い」などと言うのではなく、
むしろ「インターネットは匿名性が低い」というだけでも、犯罪をあきらめる可能性
が高くなるのではないか。それが事実とは異なるのでは問題であるが実際に匿名性は
低いわけである。もちろん「通信の秘密」を考えた場合、そう簡単に「ログ」を公表
することはできないため、確かに「匿名性」は高くなるが、それはあくまで法的な問
題であり、技術的な問題で高いわけではないことを周知することが大事ではないだろ
うか。それだけでも犯罪等の抑止効果はかなりあると考えられる。
事実インターネットを介した犯罪でも犯人は逮捕されているのである。本当に匿名
性が高いのであれば犯人は逮捕されないはずではないだろうか。
学校等におけるインターネット環境
研究会の中でも述べられているように、学校にインターネットを導入する際、ルー
ルのない学校はないわけであるから、何らかの形でインターネットは管理されている
わけである。「管理」については大きく 2 種類の管理があり、パソコンそのものが壊
されたり、なくなったりしないための物理的な管理とインターネットを利用する上で
の管理である。先の問題については肝心のパソコンが正常に動作しないようではイン
ターネットも使えないわけであるからそれなりの管理をする必要はあるであろう。し
かし、他方、むしろ単に制限と言った方が近いであろう管理は、まだまだ考えていく
必要があるのではないだろうか。この制限・管理が子供たちにインターネットの本来
の姿ではなく、別物の形で伝わっている根源ではないかと思われる。
- 149 -
第5章
総括
フィルタリング
ではその制限の一つである、ホームページ閲覧制限つまりフィルタリングについて
は、ほぼ全ての学校が採用している。都道府県によっては条例を制定しているところ
まである。確かにフィルタリングは有害情報を子供たちから遠ざけるために、ある程
度有効な手段の一つである。しかし、問題はそうすることで一応の決着がついている
と考えていることではないだろうか。一口にフィルタリングと言っても様々な方式や
製品が存在し、当然、有用なものからそうでないものまで存在する。しかし、専門知
識がなければわからないからか、この件について詳細に議論されていることがあまり
聞かれない。この度の研究会に参加してくださった担当の方々の間では、様々な意見
が交わされた。それぞれのフィルタリングシステムの性能や費用、メンテナンス性な
ど。しかし、「こんな機会でもなければフィルタリングの事を相談したりすることは
ない」そうである。まだ本当に少数であるが、フィルタリングをあえて導入しない学
校もあるようだ。
認証
また、学校内での認証のことも問題になった。多くの学校ではコンピュータそのもの
の認証で学校 LAN に接続できるが、生徒個人で認証しているわけではない。そのた
めに、いくつかの問題が生じるというのだ。例えばどこかの掲示板に問題になる事項
を書き込んだ生徒がいれば、IP アドレスからどこの学校から書き込んだかは判明す
る。そこで今度は、誰が書き込んだのかが問題になる。そこで個人認証(生徒毎に ID
とパスワードを発行する)が必要となる。しかし、導入する方法によっては非常に高
価なシステムになるためあまり導入されていない。偶然であるが安価にその個人認証
を導入していた例があり、参考にされていた。そこで、米国等ではフィルタリングで
閲覧を禁止するのではなく、パソコンやインターネットを利用する際には個人認証を
採用し、利用履歴を取る、という方法をとっている事が多いそうである。つまり、
「い
つ、どんなホームページを見たかを誰かに知られてしまうかもしれない」という状態
を作り出すことで子供たちにインターネットを利用する上での自主的な制限を作り
出しているのである。
セキュリティ
その他に、コンピュータ利用の上で制限をかけている、あるいはかけざるをえない
のがセキュリティ対策である。ウィルスを始めフィッシングやボットネットなど、
- 150 -
第5章
総括
次々と新しい脅威が生まれ、それがインターネットを介して世界中に広まっているの
は事実である。しかし、これについても正しい知識をもって対処すればほとんどの場
合、感染を防ぐことが出来る。いずれにせよ、正しい知識が必要であり、その知識を
常にアップデートすることが重要である。コンピュータやソフトウェアの「使い方」
だけでなく、その仕組みを知り、それぞれの脅威を学習していけば、それほど怖がら
なくていいのである。
情報教育
また、高等学校の教育課程に「情報」が入っている。しかしそこで教えられている
ことはパソコンの操作方法やアプリケーションソフトの使い方である。調査結果から
は、パソコンの利用目的でもっとも多いのは「インターネットを利用するため」であ
るにもかかわらず、インターネットを専門に教える機会や機関が非常に少ない。ある
教育関係者が「小学校でも先進的なところは、ワープロや表計算を教える。そして、
中学校でもワープロ・表計算。高校でも同じ。下手すると大学へ行ってもまた同じ。
それでは子供たちもやる気をなくす。もっと、幅広い内容を年代に応じたカリキュラ
ムで子供たちに教えないと、コンピュータを学ぼうと言う子供がいなくなる。
「国語」
や「数学」と同じようなカリキュラム作りが「情報」でも必要とされているのではな
いか」と語っていた。
「情報教育」というものとは違うかもしれないが、子供たちへのアンケートにおい
て、一部の子供が「インターネットを利用する上でホームページの内容が正しいかど
うかを見極めること」と書いてある子供がいた。いみじくもこれがインターネットの
リテラシー教育の本質ではないだろうか。実際の生活を行っていく上で情報をどう取
り扱っていくかを学習するのが最も必要になってくる。
リテラシー教育
インターネットやパソコンが日本で本格的に家庭にまで普及し始めたのはこの 10
年である。しかし、性善説で普及してきたインターネットを始め、やはり「悪い」使
い方を想定して作られていないコンピュータ。今後コンピュータやインターネットの
普及がさらに進むことで今まで以上にリテラシー教育の重要性が増してくる。
一方インターネットに対する価値観が昔のそれと違ってきている理由は、恐らく、
インターネットの、いわゆる「陰」の部分がクローズアップされているからだと思わ
れるが、言うまでもなく「文明の利器」にはすべてつきものである。それをどう利用
するかはやはり人間の問題である。そのためにはその「利器」の本質を十分理解しな
ければ単に「危ないもの」だと片付けられてしまうのではないだろうか。単に危ない
- 151 -
第5章
総括
から使わせない、目に触れさせないのではなく、その性質を理解し、様々な経験を積
むことでより効率的な使い方や情報の真偽の見極め方、ひいては新手の犯罪にも巻き
込まれない力を我々はつけていく必要がある。インターネットはコミュニケーション
ツールである。
- 152 -
第6章
提 言
第6章
第6章
提言
提言
インターネットに対するイメージ
アンケート調査や研究会を通して明らかになってきたのは、日本でインター
ネットの黎明期から携わってきたものと、そうでないもののインターネットに
対する「イメージ」が大きく違ってきていることだと思われる。イメージが違
うだけならそれでいいのだが、それによって利用形態が大きく変わり、インタ
ーネットの機能の一部しか使うことがなくなったのでは、日本の将来が非常に
危うくなるのではないかと懸念せざるを得ない。インターネットを利用してい
るのは日本だけではない。国際的な観点からも日本国民すべてがそれなりに使
えるようになることは、必須であると考える必要がある。
では現状で誰にそのリテラシー教育を行う必要があるのだろうか。保護者に
対するアンケートでも教師に対するアンケートでも、子供たちへ誰がインター
ネットを教えるべきだと考えているか、という質問に対する答えで、
「両者」だ
と答えた割合がそれなりにあった。しかし、これからの将来を担っていくのは
子供だから、まず子供だ。という人もいるかもしれない。
情報共有
研究会等を通して副次的に明らかになったのは、インターネットを中心とし
た情報技術に対する情報不足であった。関連書籍一つ取っても 10 年前に比べれ
ば非常に増えているが、情報教育やインターネットの特殊な技術については未
だ情報が不足している。あるいは行き届いていないと言うことだ。特に先の認
証技術などがその例の一つである。
インターネットが普及して情報過多と言われる時代になっているにもかかわ
らず、ある部分については情報が非常に不足している。この状態は、我々がイ
ンターネットを始めた頃によく似ている。同じ問題に各地でばらばらに対応し
ているため非常に多くの時間とコストをかけてしまっている。情報共有を行う
と、日本のどこかで解決されていれば、日本中で同じ問題を解決できるのだ。
気軽に情報交換できる場を
今回の研究会では教育現場の担当者の方々とプロバイダー関係者で行った。
そこでわかったことは、プロバイダーが持っている情報で、情報教育の担当者
の手助けになることはたくさんあるということであった。地域によっては、地
- 153 -
第6章
提言
元のプロバイダーと情報交換を行っている教育機関や関係者もあるようだが、
まだまだ例外でほんの一部行われているに過ぎないようである。
また教育機関は日本中に存在するが、やはり学校の情報教育担当者に情報が
少ないのが実情のようである。ヒアリングをした範囲では特に担当者間での情
報共有のシステムも場もないようである。
であるならば、各地域にいるプロバイダーと教育関係者で連携しリテラシー
教育を行っていく上での情報交換を行う場の提供は出来ないものであろうか。
システムや技術の問題だけでも話し合うことでお互いに有益な情報を得ること
は可能だと考えられる。特にこのところ学校からの情報提供をどうするかなど、
地域と学校で考えなければならない課題も多く、そういったことで連携できる
可能性は非常に高い。例えば「不審者情報や災害時の情報共有」など、学校独
特の制度などを取り入れなければ役に立たないことも多々ある。その一方で効
率的且つ安価な方法はプロバイダーの方がよく知っていることが多い。この様
な具体的で喫緊の課題解決あたりから情報共有を行う方法の模索や、場の提供
を行うことから始めることで、子供たちを取り巻くインターネット環境がより
よくなることが我々の願いである。
- 154 -
添付資料
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
添付資料1
■インターネット利用者アンケート(ヒアリング)■
・ 調査方法:主にパソコン操作やインターネット初心者を対象。ヒアリング調査
・ 実施期間:2005 年 10 月~2005 年 12 月まで
質問1.性別を教えてください。
1.男性
2.女性
質問2.年齢を教えてください。
1.小学生(
年生)
5.20 才~29 才
9.60 才~69 才
2.中学生(
年生)
6.30 才~39 才
10.70 才以上
3.高校生(
年生)
7.40 才~49 才
4.上記~20 才未満
8.50 才~59 才
質問3.職業を教えてください。
1.学生
4.公務員・団体職員
7.パート・アルバイト
2.会社員
5.SOHO・自営業・経営者
8.無職
3.会社役員
6.専業主婦
9.その他
Q1.ご自宅にパソコンは何台あり、どなたが使っていますか。また持っていないのはなぜですか。
1.合計
(
)台
・自分専用のパソコン(
)台
・家族共有のパソコン(
)台
どなたが主に使っていますか(
・自分以外の家族所有のパソコン(
)
)台
2.持っていない
持っていないと答えた方にお聞きします。どうして持っていないのですか。
(複数回答可)
1.学校または、職場でしか
4.携帯電話で十分だから
使わないから
2.ほしいけど高いから
5.使いたいと思わないから
3.使い方が難しそうだから
6.その他
- 155 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
Q2.ご自宅以外では、どこでパソコンを使いますか。
(複数回答可)
1.職場
3.インターネットカフェ
5.使わない
2.学校
4.知人の家
6.その他
(
)
(以下はパソコンを使っている方にお聞きします。
)
Q3.ご自宅で主に何の目的でパソコンを使っていますか。
(複数回答可)
1.仕事の続きで使っている
4.インターネット関連に使っている
2.ゲームに使っている
5.その他
3.教育ソフト等で勉強に使っている
(
)
Q4.パソコンの設定(アプリケーションのインストールも含む)はどなたがやっていますか。
1.自分の持っているパソコンの設定はそれぞれ自分で設定している
2.特定の人にしてもらっている
( 父親 ・ 母親 ・ 子供 ・ 兄弟 ・ 知人 ・ その他 )
※その人の職業:
( 小学校:低学年・中学年・高学年 ) ( 中学生・高校生 )
3.家庭のパソコンはすべて自分で設定している
Q5.使っている OS(Operating System)は何ですか。
(複数回答可)
1.Windows (バージョンは、 XP ・ 2000 ・ Me ・ 98 ・ 95
2.MAC(Ver.
)
)
3.その他(
)
4.わからない
Q6.Windows をお使いの方にお聞きします。
Windows アップデート(マイクロソフト アップデート)を行っていますか。
1.定期的に行っている
2.行っていない
3.わからない
Q7.ご自宅ではインターネットに接続しているパソコンを何台お持ちですか。
1. 1 台
3. 3 台
5. 5 台以上
2. 2 台
4. 4 台
6. わからない
Q8.ご自宅でインターネットの接続方法について教えて下さい。
(出先は含まない)
1.アナログ回線によるダイヤルアップ
5.CATV インターネット
(ケーブルモデム)
2.ISDN 回線によるダイヤルアップ
6.光ファイバー
3.ISDN 回線による常時接続
7.携帯電話・PHS(通信カード等)
- 156 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
(フレッツ ISDN)
4.ADSL 回線
8.その他
(
)
Q9.ご自宅で週に何時間インターネットを利用しますか。
1.~1 時間未満
3.10~20 時間未満
5.30~50 時間未満
2.1~10 時間未満
4.20~30 時間未満
6.50 時間以上
Q10.主にお使いの電子メールソフトはなんですか。
1.Microsoft Outlook Express
6.Opera
2.Microsoft Outlook
7.ポストペット
3.Becky! Internet Mail
8.Web メール(Yahoo ・ Infoseek ・
ライブドア ・ Hotmail)
4.Eudora
5.Netscape Navigator
9.その他
/Mozila Thunderbird
(
)
Q11.現在ご利用のプロバイダーが提供している各種サービスのうち、基本的なインターネット接続サービ
ス(ホームページの閲覧と E-mail)以外に、どのようなサービスを利用していますか。
(複数回答可)
1.ホームページ公開・容量追加・URL
追加など
8.迷惑メールブロック機能
9.IP 電話機能
2.メールアドレス追加・メールボックス
10.有料コンテンツ
11.デジカメ画像の保存などのオンライン
容量追加
3.メールの転送サービス
ストレージサービス
4.必要としないメール(勧誘・広告等)
12.ホットスポットなどの無線関係
の防止
13.ブログ
5.Web メール
14.その他
6.ウイルスチェックサービス
(
)
15.特になし
7.有害ソフトのブロック機能
Q12.現在ご利用のプロバイダーのサービスに支払っている利用料金(接続サービスやコンテンツ料等)は
全部で 1 ヶ月あたりいくらですか。
1.0 円
6.3,000~5,000 円未満
2.1~500 円未満
7.5,000~7,000 円未満
3.500~1,000 円未満
8.7,000~10,000 円未満
4.1,000~2,000 円未満
9.10,000 円以上
5.2,000~3,000 円未満
- 157 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
Q13.現在ご利用しているプロバイダーで満足していない点はなんですか。
(複数回答可)
1.利用料金が高い
2.自分にあったサービスや料金体系を選べない
3.インターネットにつながりにくい、または時々途中で途切れてしまうことがある。
4.回線の速度が遅い
5.アクセスポイントが少ない
6.サポート体制が整っていない
7.ウイルスチェック、必要としないメール防止などを行っていない
8.提供しているコンテンツが少ない
9.ホームページ作成環境が整っていない
10.ブロードバンドが提供されていない
11.その他(
)
12.特になし
Q14.ご自宅でインターネットを利用する際、どのような用途で利用されることが多いですか。
(複数回答可)
1.ホームページ閲覧
2.電子メール
3.インターネット検索・情報収集
4.音楽ダウンロード
5.ネット対戦ゲーム
6.チャット・掲示板・メーリングリストへの書き込み・投稿
7.オークション
8.オンラインショッピング
9.懸賞応募
10.ホームページ・ブログ・メールマガジン・メーリングリスト等の運営
11.チケット・講座・お店予約
12.ネットバンキング・オンライントレード
13.IP 電話
14.SNS(ソーシャルネットワークサービス)
15.その他
Q15.ウイルスと思われるメール、プログラムを最近送ってこられた経験がありますか。
1.ある
a.一週間以内
2.ない
3.わからない
b.一ヶ月以内
Q16.ウイルスについてセキュリティ対策をしていますか。
(複数回答可)
a. ウイルス対策ソフトを利用しており、頻繁に更新している。
- 158 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
b. ウイルス対策ソフトを利用しているが、更新をしたことがない。
c. プロバイダーのウイルスチェックサービスを受けている。
d. ウイルス対策ソフトとプロバイダーのウイルスチェックサービスを併用している。
e. その他(
)
f. していない
e.わからない
Q17.ここ 1 年間に、迷惑メールを受け取ったことがありますか。
(複数回答可)
1.アダルト情報の迷惑メールを受け取ったことがある
2.勧誘・販売の迷惑メールを受け取ったことがある
3.知人のふりをした迷惑メールを受け取ったことがある
4.ウイルス付きのメールを受け取ったことがある
5.その他のメールを受け取ったことがある(具体的に
)
6.迷惑メールを受け取ったことはない
Q18.迷惑メール対策をしていますか。
(複数回答可)
a. 迷惑メール対策ソフトを利用している
b. プロバイダーの迷惑メール対策サービスを利用している
c. 迷惑メール対策ソフトとプロバイダーのサービスを併用利用している
d. メールソフトにより振り分けをしている
e. その他(
)
f. していない
e.わからない
Q19.迷惑メールをとめるためにはどうしたらいいと思いますか。
1.法的規制を強化して取り締まる
2.啓蒙活動を積極的にする
3.システム的に送れないようにしてしまう
4.メールを送信するときに課金する
5.メールを使わないようにする
6.その他(
)
Q20.フィッシング詐欺をご存じですか。
1.知っている
3.知らない
2.名前だけは聞いたことがある
(今回のアンケートではじめて知った)
Q21.フィッシング・ファーミング対策をしていますか。
a. 表示された URL を常に確認をしている
- 159 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
b. メールで送信されてきた URL は、クリックしないようにしている
c. ホームページ上での ID、パスワード、クレジットカード関係の手続きはしないように
している
d. URL はダイレクトに入力するか、お気に入り(ブックマーク)にいれたものしか利用しない
e. オンライントレード、オンラインバンキングは行わないもしくは、利用する金額設定を
小額にする。
f. 電子証明書が付与されているか確認する
g. ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入しているので対策出来ていると思う。
h. インターネットを使わないようにしている
i. その他(
)
j. していない
k.わからない
Q22.スパイウエアをご存じですか。
1.知っている
2.名前だけは聞いたことがある
3.知らない
(今回のアンケートではじめて知った)
Q23.スパイウエア対策をしていますか。
a. スパイウエアを検知するソフトを導入している
b. ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入しているので対策出来ていると思う
c. 必要な時にしか接続しない
d. 無料ソフトやアドウェア(企業の広告を表示するかわりに無料で使えるツール)
・
インターネットでダウンロードしたアプリケーションソフトをむやみにインストールしない
e. 知らない人の mail で届いた添付ファイルを開かない
f. Windows のセキュリティパッチを定期的に当てる
g. インターネットを使わないようにしている
h. その他(
)
i. していない
j.わからない
Q24.ボットをご存じですか。
1.知っている
2.名前だけは聞いたことがある
3.知らない
(今回のアンケートではじめて知った)
Q25.ボットネット対策をしていますか。
a. ウイルス対策(セキュリティ)ソフトを導入しているので対策出来ていると思う
b. 必要な時にしか接続しない
c. 知らない人の mail で届いた添付ファイルを開かない
d. Windows のセキュリティパッチを定期的に当てる
- 160 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
e. インターネットを使わないようにしている
f. その他(
)
g. していない
h.わからない
Q26.ウイルス対策(セキュリティ対策)ソフトは何をお使いですか。
a..ウイルスバスター インターネット セキュリティ(トレンドマイクロ)
b.ノートン・インターネットセキュリティ(シマンテック)
c.マカフィーインターネットセキュリティスイート(マカフィー)
d.ウイルスセキュリティ(ソースネクスト)
e.NOD32 アンチウイルス(キヤノンシステムソリューション)
f.ウイルスブロック(インターチャネル)
g.eTrust インターネットセキュリティ(コンピュータ・アソシエイツ)
h.SG アンチスパイ(ジャングル)
i.ウイルスキラー(イーフロンティア)
j.ファイナルストッパー(AOS テクノロジーズ)
k.ウイルスチェイサー(インテリジェントウェイブ)
l. その他(
)
Q27.セキュリティ対策をしている、またはしようと思ったのはどうしてですか。
1.頻繁にウイルスが来るようになった
5.ウイルスに感染してしまった
2.頻繁に迷惑メールが来るようになった
6.みんながしているから
3.パソコンにはじめから入っていたから
7.知り合いに進められた
4.パソコンの動きが変だから
8.その他
Q28.セキュリティ対策をしていないとお答えになった方にお聞きします。
しないのはどうしてですか。
1.値段が高いから
4.面倒だから
2.必要とは思えないから
5.わからないから
3.Windows を使ってないから
6.その他
Q29.フィルタリングは有害サイトのブロックに有効だと思いますか。
1.有効だと思う
2.ある程度有効だと思う
3.どちらともいえない
4.あまり有効ではない
5.まったく意味がない
- 161 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
6.その他(
)
Q30.有害サイトを法律で規制すべきだと思いますか。
1.大いにするべきである
2.するべきである
3.どちらともいえない
4.するべきではない
5.絶対するべきではない
Q31.有害サイトについて対策をすべきところ、してほしいところはどこですか。
1.行政がすべきである
2.ソフトメーカーがすべきである
3.インターネットコミュニティがすべきである
4.プロバイダーがすべきである
5.利用者がすべきである
6.その他(
)
Q32.あなたはコンピュータ・インターネットを活用することが好きですか。日頃の感覚に近いものを選択
して下さい。
1.かなり好き
4.あまり好きではない
2.まあまあ好き
5.まったく好きではない
3.どちらとも言えない
Q33.あなたはご自身のコンピュータスキル(知識)についてどう思いますか。
1.かなりあると思う
2.どちらかといえば、スキルがあるほうだと思う
3.平均的だと思う
4.どちらかといえば、スキルがない方だと思う
5.ほとんどスキルがないと思う。
Q34.インターネット・パソコンを使っていて困ったとき、トラブルになったときにどなたに聞きますか。
1.インターネット・パソコン関係をよく知っている知人に相談する
2.親・兄弟に相談する
3.パソコンメーカーに相談する
4.サポート専門店に相談する
5.ショップ・購入したところに相談する
6.プロバイダーに相談する
7.誰にも相談しない
- 162 -
添付資料1:ヒアリング調査項目資料
Q35.上記で相談すると答えた方にお聞きします。どうしてそちらに相談するのですか。
1.保守契約をしているから
4.料金が無料あるいは、安いから
2.TEL がつながりやすいから
5.技術があるから
3.信頼できるから
6.その他(
)
Q36.下記候補群は、URL をカテゴリ分け(シマンテック社参照)したものです。あなたが有害サイトとし
て閲覧規制をしたほうがいいと思うものはどれですか。
【項目の詳細は別紙】
煙草/アルコール
Web メール
ヌード、セックス(個人)
犯罪
不寛容
性教育(初級)
ドラッグ(医療用)
仕事探し
性教育(上級)
ドラッグ(医療外)
ニュース
性教育(性生活)
Web ゲーム
オカルト/ニューエイジ
旅行
スポーツ
非合法医薬品
乗り物
財務
不動産
暴力
賭博
宗教
武器
ユーモア
セックス(行為)
Web チャット
セックス(衣装)
Q37.あなたがご存知の有害サイトによる被害や有害サイト対策について思うことをご記入下さい。
Q38.インターネットを利用する上で、困ったことやトラブルになったこと、逆に良かったことがあったら、
ご記入下さい。
ご協力ありがとうございました。
ご協力会社名
- 163 -
添付資料2:Web アンケート(教師)資料
添付資料2
■教師に対するアンケート■
・ 調査方法:インターネットの Web による調査
・ 実施期間:2006 年 2 月
1.性別
2.年齢
3.都道府県
4.受け持ちの学年
Q1.学校で児童又は生徒が使うパソコンをどこにおいてありますか。
(複数回答可)
教室、図書室、視聴覚室、パソコン専用の教室、
その他(
)
Q2.上記のパソコンは児童又は生徒が自由に使うことが出来ますか。
1.できる
2.できない
3.申請をすれば出来る
Q3.学校で児童又は生徒がインターネットを使う場合のルールを定めていますか。
1.はい
2.いいえ
Q4.ルールを定めているとご回答いただいた方にお聞きします。簡単で結構ですので、ど
のようなルールかご回答下さい。
※6で「1.はい」と回答した方に回答者を限定
(
)
Q5.児童又は生徒が見ているインターネットのページを把握していますか。
(どんなところを見ているか)
- 165 -
添付資料2:Web アンケート(教師)資料
1.常に把握している
2.ある程度把握している
3.わからない
4.把握していない
5.まったく把握していない
Q6.インターネット上で児童又は生徒にさせたくない、見させたくないと思うものは何で
すか。(複数回答可)
1.アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトの閲覧
2.掲示板やチャットでの書き込みや交流
3.メールで来た情報へのアクセス
4.音楽のダウンロード
5.ネット対戦ゲーム
6.オンラインショッピング
7.オークション
8.懸賞応募
9.チケット・講座・お店予約
10.ネットバンキング・オンライントレード
11.ホームページ開設(ブログ含む)
12.その他(
)
13.特にない
Q7.上記が出来ないように対策をしていますか。
※9で「13.特にない」と回答した方以外に回答者を限定
1.している
具体的に(
)
2.していない
Q8.インターネットを利用する上で児童又は生徒に何をさせたい、または、期待すること
はありますか。
1.E-mail や Web 検索等、基礎的なことが出来るようになって欲しい
2.学校の学習・勉強に役立てて欲しい
3.受験勉強に役立てて欲しい
4.情報を発信して欲しい(例.ホームページの作成 等)
5.たくさんの情報を収集して欲しい(疑問に思ったこと等)
6.良いこと、悪いことの分別が出来るようになって欲しい。
- 166 -
添付資料2:Web アンケート(教師)資料
7.他の地域の人と交流して欲しい
(例.海外の人とコミュニケーションをする等)
8.その他(
)
9.特にない
Q9.学校での携帯電話の利用を許可していますか。またそれぞれ理由をお聞かせ下さい。
1.許可している
理由(
)
2.許可していない
理由(
)
Q10.IT リテラシーを子供に対して教えるのは誰だと思いますか。
- 167 -
添付資料3:Web アンケート(PTA)資料
添付資料3
■PTA に対するアンケート■
(本調査では PTA とは、小学生高学年、中学生、高校生を持つ親に限定)
・ 調査方法:インターネットの Web による調査
・ 実施期間:2006 年 2 月
・ パソコンが自宅にある人のみに限定
・ 第一子に限定
1.性別
2.年齢
3.都道府県
4.職業
5.あなたの第 1 子の学年をお聞かせ下さい。
小4、小5、小6、中1、中2、中 3、高1、高 2、高 3
Q1.パソコンは、ご自宅のどこに置いていますか。(主に使うものでご回答下さい)
1.居間
2.台所
5.書斎
6.その他(
3.子供部屋
4.親の部屋
)
Q2.ご自宅で主に何の目的でパソコンを使っていますか。
(複数回答可)
1.仕事に使っている
2.ゲームに使っている
3.教育ソフト等を利用するために使っている
4.インターネット関連に使っている
5.趣味に使っている
6.その他(
)
- 169 -
添付資料3:Web アンケート(PTA)資料
Q3.家庭では 1 日平均どのくらいインターネットを利用しますか。
1.~30 分未満
2.30~1 時間未満
3.1~2 時間未満
4.3 時間以上
※以下の質問は第 1 子を対象にご回答下さい。
Q4.子供がインターネットを利用する際、あなた(親)はどのようにしていますか。
1.すべて子供に任せている。
2.おおむね子供に任せている。
3.子供が操作をするときは、同じ部屋にいるだけで特に監視などはしない。
4.子供が操作をするときは、必ず誰かが一緒に画面を見ているなど、親の管理
の元で行っている。
5.親が操作をして子供と一緒にする。
6.その他(
)
Q5.子供が家庭でインターネットをする上でのルールはありますか。
1.ある
2.ない
Q6.あると答えた方は、具体的にどのようなルールですか。差し支えない程度にお聞かせ
下さい。
※5 で「1.ある」と回答した方に回答者を限定
(
)
Q7.身近で誰がインターネットを一番よく知っていると思いますか。
(自分から見た間柄)
1.自分
2.配偶者
3.子供
5.両親
6.知人
7.その他(
4.教師
)
Q8.子供たちが見ているインターネットのページを把握していますか。
(どんなところを見て、活用しているか)
1.常に把握している
2.ある程度把握している
3.わからない
4.把握していない
5.まったく把握していない
Q9.インターネット上で子供にさせたくない、見させたくないと思うものは何ですか。
(複数回答可)
- 170 -
添付資料3:Web アンケート(PTA)資料
1.アダルトサイト、薬物、暴力等の有害・違法サイトの閲覧
2.掲示板やチャットでの書き込みや交流
3.メールで来た情報へのアクセス
4.音楽のダウンロード
5.ネット対戦ゲーム
6.オンラインショッピング
7.オークション
8.懸賞応募
9.チケット・講座・お店予約
10.ネットバンキング・オンライントレード
11.ホームページ開設(ブログ含む)
12.その他(
)
13.特にない
Q10.上記が出来ないように対策をしていますか。
※12 で「13.特にない」と回答した方以外に回答者を限定
1.している
具体的に(
)
2.していない
Q11.インターネットを利用する上で子供たちに何をさせたい、または、期待することはあ
りますか。(複数回答可)
1.E-mail や Web 検索等、基礎的なことが出来るようになって欲しい
2.学校の学習・勉強に役立てて欲しい
3.受験勉強に役立てて欲しい
4.情報を発信して欲しい(例.ホームページの作成 等)
5.たくさんの情報を収集して欲しい(疑問に思ったこと等)
6.良いこと、悪いことの分別が出来るようになって欲しい
7.他の地域の人と交流して欲しい
(例.海外の人とコミュニケーションをする等)
8.その他(
)
9.特にない
Q12.お子さんに携帯電話を持たせていますか。またその理由をお聞かせ下さい。
1.持たせている
理由(
)
- 171 -
添付資料3:Web アンケート(PTA)資料
2.持たせていない
理由(
)
Q13.お子さんの携帯電話の利用金額(月額)はいくらぐらいですか。
※12 で「1.持たせている」と回答した方に回答者を限定
<選択肢>
2500 円未満、2500 円~5000 円未満、5000 円~7500 円未満、
7500 円~10000 円未満、10000 円~15000 円未満、15000 円~20000 円未満
20000 円~25000 円未満、25000 円~30000 円未満、30000 円以上
Q14.お子さんの携帯電話の利用方法はおもにどれですか。(複数回答可)
※15 で「1.持たせている」と回答した方に回答者を限定
1.通話
2.メール
3.Web サイト
4.ゲーム
5.音楽
6.その他(
)
7.わからない
Q15.お子さんの携帯電話の利用相手は誰だと思いますか。
(複数回答可)
※15 で「1.持たせている」と回答した方に回答者を限定
1.両親
2.友達
3.兄弟
4.教師
5.その他(
)
6.わからない
Q16.IT リテラシーを子供に対して教えるのは誰だと思いますか。
- 172 -
添付資料4:Web アンケート(子供)資料
添付資料4
■子供に対するアンケート■
・ 調査方法:インターネットの Web による調査
・ 実施期間:2006 年 3 月
1.年齢
2.性別
3.都道府県
Q1.ご自宅にパソコンはありますか。
1.ある
2.ない
Q2.パソコンは、どこに置いていますか。
1.居間
2.台所
5.書斎
6.その他(
3.子供部屋
4.親の部屋
)
Q3.Q2 でお答えの場所においてあるパソコンからインターネットが利用できますか。
※同じ場所に複数台パソコンが設置され散る場合は、1 台でもインターネットが利用で
きるパソコンがあれば「できる」とお答え下さい。
Q4.あなたがパソコンを利用する理由は何ですか。(複数回答可)
1.勉強に使っている
2.クラブ活動に使っている
3.ゲームに使っている
4.インターネット関連に使っている。
5.その他(
)
Q5.あなたは自分専用のパソコンを持っていますか。
1.持っている
- 173 -
添付資料4:Web アンケート(子供)資料
2.持っていない
Q6.あなたが、家でインターネットを使うときパソコンはいつでも自由に使えますか。
※インターネットをするパソコンは、自分専用でなくてもかまいません。
1.使いたいときにいつでも自由に使える
2.使うときは親(保護者)に許可をもらって一人で使う
3.親と一緒に使う
4.その他(
)
Q7.あなたは、家のパソコンでインターネットを 1 日平均どのくらい使いますか。
1.~30 分未満
2.30 分~1 時間未満
4.2~3 時間未満
5.3 時間以上
3.1~2 時間未満
Q8.あなたはインターネットをどんな目的で使っていますか。(複数回答可)
1.ホームページ閲覧
2.電子メール
3.インターネット検索・情報収集
4.音楽ダウンロード
5.ネット対戦ゲーム
6.チャット・掲示板・メーリングリストへの書き込み・登校
7.オークション
8.オンラインショッピング
9.懸賞応募
10.ホームページ・ブログ・メールマガジン・メーリングリスト等の運営
11.チケット・講座・お店予約
12.ネットバンキング・オンライントレード
13.IP 電話
14.ソーシャルネットワークサービス(ミクシー、グリー))
15.その他
Q9.インターネットを使ってやってみたいこと・見てみたいものは何ですか。
(複数回答可)
Q10.パソコンやインターネットをする上で、家庭内のルールはありますか。
1.ある
2.ない
- 174 -
添付資料4:Web アンケート(子供)資料
Q11.Q10 であると答えた方は具体的にどのようなルールですか。
Q12.身近で誰がインターネットを一番よく知っていると思いますか。
(自分から見た間柄)
1.自分
2.父親
3.母親
4.教師
5.兄弟
6.祖父・祖母
7.親戚
8友達
9.その他(
)
Q13.インターネット上でトラブルにあったとき、誰に相談しますか。
1.インターネット・パソコン関係を良く知っている知人
2.家族(両親・兄弟・姉妹・祖父母など)
3.親戚に相談する
4.教師に相談する
5.プロバイダーに相談する
6.サポート専門店に相談する
7.購入したところの相談する
8.その他(
)
9.相談しない・自分で何とかする
Q14.携帯電話を持っていますか
1.持っている
2.もっていない
Q15.携帯電話をどうして持っているのですか。持っている理由をお知らせ下さい。
Q16.携帯電話の利用金額はいくらぐらいですか。
※携帯電話を複数台お持ちの方は、最もよく利用する携帯電話についてお答えく
ださい。
※携帯電話の利用方法は通話、メール、パケット通信など、全てを含めてお答え
ください。
Q17.携帯電話の利用目的は主に何ですか。
※携帯電話を複数台お持ちの方は、最もよく利用する携帯電話についてお答えく
ださい。
1.通話
2.メール
- 175 -
添付資料4:Web アンケート(子供)資料
3.Web サイト
4.ゲーム
5.音楽
6.その他(
)
7.わからない
Q18.携帯電話を利用する際の相手は主にどんな人ですか。
1.両親
2.友達
3.兄弟
4.教師
5.その他(
)
6.わからない
Q19.自分にとってインターネットはが役に立ったこと、良かったこと、悪かったことを書
いてください。
- 176 -
添付資料5:学校の取組み資料
添付資料5
■学校の取組み資料■
静岡県立静岡中央高等学校
教 諭
小 林 猛 久
実社会で通用する情報処理技術を育成するシステムの構築
―商業科・工業科・情報科の Collaboration―
はじめに
単位制高校の魁として多種多様な希望や経歴を持つ入学生を受け入れてきた本校には、
普通科であっても商業や工業といった職業教育科目(特に情報に関する科目)に対する履
修希望が多く、高度な資格取得を目標とする生徒も少なくない。これまでも、商業科・工
業科は、お互いの特徴を生かしてユニークな授業を展開してきた。
例えば、平成13年度から15年度にかけて、
・汎用機を利用したコボルによるプログラミング学習を、イベント駆動型 Basic に変更。
・イラストレーター・フォトショップを利用したコンピュータグラフィック指導のためのカリキュラムを確立。
・ネットワーク(電子掲示板・電子メール・インターネット)を利用した授業展開の研究。
・シスコ ネットワーキングアカデミーの研究。
などを行ってきた。
しかし、新教科「情報」の導入による情報リテラシーの一般化・企業業務システムの高
度情報化などを考えると、専門教育(職業教育)としての情報教育は、より高度で実践的
な内容の修得を目指す必要を強く感じられてきた。そこで、これまでの研究をさらに発展
させるために、「実社会で通用する情報処理技術を育成するシステムの構築」というテー
マを新たに設定した。そして、本研究には平成 16年度から2年間、上月情報教育財団の
研究助成を受けることとなった。本稿は、この新たな研究に関する報告として、高等学校
における情報教育のひとつの改善手法の提案を試みるものである。
1研究経過
今日の企業では、コンピュータを 1 台で利用することはほとんど無い。業務を分散化
して、複数の人員で分業したり、共通のデータを共有したりして効率化を図るのは当然の
こととなっている。それに加えて、インターネットや電子メールを利用して業務のスピー
ドアップや効率化に役立ており、今やネットワークなしにビジネスは成立しない、という
ところまで来ているのである。本校ではこのことに注目して、平成 15 年度より「シスコ
ネットワーキングアカデミーを採用したネットワークエンジニアの養成」に特化した情報
教育の推進を積極的に考えていた。しかし、「公立の学校が、私企業名を冠につけた教育
活動を推進・広報するのは如何なものか?」という反対意見も示された。結局、予算面や
「リージョナル・アカデミー(RA)」 注1 との連携面にも難しい点があり、シスコ ネッ
トワーキングアカデミーの導入計画を見直すことにした。他県では、シスコ ネットワー
キングアカデミーを採用したネットワークエンジニアの養成を情報教育の中心として位置
- 177 -
添付資料5:学校の取組み資料
づけるとともに、企業名(資格名も)を広報している学校 注2が誕生しているが、これは
まだ稀なケースであろう。
その後、本校商業科・工業科・情報科では、上述の通り平成 16 年度(2 年間の研究)
の上月情報教育財団の研究助成に応募した「実社会で通用する情報処理技術を育成するシ
ステムの構築」という研究テーマが幸いにも採択された。そこで、この2年間で IT 産業
を中心とした社会の情報化トレンドを掴み、それに対応した教育システムを構築するため
に、もう一度情報教育改善の原点に返って研究を行うこととした。
最初に、静岡情報産業協会 注3に学校会員として入会し、継続的な情報収集や一般企業
との連携を行うことを始めた。また、協会主催のオープンプラットフォームセミナーに参
加し、主要都市銀行でも汎用コンピュータによる集中制御方式からクライアント・サーバ
方式へと転換が進んでいるというトレンドを掴んだ。
ま た 、 各 種 検 定 試 験 ( ベ ン ダ ー 試 験 や 国 家 試 験 な ど ) の 比 較 を 行 う た め に New
Education Expo’ 2004(平成16年 5 月)やその他、IT セミナーに多数参加した。
そして、高等学校の情報教育として採用すべき情報処理技術のトレンドは、来るべき「ユ
ビキタス社会」に対応できる能力ではないかと感じた。
『平成 16 年度版 情報通信白書』(総務省,平成 16 年 7 月)は、「世界に拡がるユ
ビキタスネットワーク社会の構築」を特集として取り上げ、進化するネットワークインフ
ラの現状、ネットワークにより変わる国民生活や企業のネットワーク活用の現状や期待、
ユビキタスネットワーク社会の実現に向けた課題や経済に与える影響等について分析を行
っている。ユビキタス(至るところに存在する、という意味)社会とは、場所にとらわれ
ない働き方や娯楽などが、情報ネットワークにより実現された社会のことである。今後の
ユビキタス社会を想定した場合、社会生活の基盤(家電・水廻り・音響・照明・自動車・
決済など)を「守る」(セキュリティ)、「つなぐ」(ネットワーク)、「指示する」
(インターフェース・コンピュータ)という三つの要素は、情報を伝達する上での共通項
目であり、その中でも、もっとも大切なことは、コンピュータの理解である。
そこで、本校では、コンピュータのしくみ、それぞれの部品の役割や目的の理解を情
報教育のベースとすることにした。これら、クライアント環境、ネットワーク、インター
ネットなどを取り扱う能力をどのように定義し、評価すべきであるかが本研究の中心とな
ったが、このことについて各種の検定試験を調査研究して、最終的に CompTIA(コンプ
ティア)注 4 の認定資格である CompTIA A+ が、本校が策定する IT スキルの評価基準
として最もふさわしいと判断した。以後、その内容と理由について述べたいと思う。
2CompTIA 認定資格とその役割り
CompTIA という名前を聞いたことがないという人は、少なくないと思う。紙面に限り
があるので、ここでは簡単な概要とその役割りについて記述し、本校が採用する情報教育
のベースをご理解いただくにとどめるが、世界的には主流となりつつある実務能力基準で
あるので、日本支局の Web をぜひ参照頂きたい注4(特に日立電子サービス株式会社のケ
ーススタディや他企業の導入事例が興味深い)。
日本には、数多くの資格が存在する。それらすべてを難易度という尺度で整理すること
は不可能である。資格にはそれぞれ役割・目的がある。効率的に良質な人材を排出するこ
とと、顧客満足度の向上という、内側と外側に対する貢献を資格取得によって実現するた
めには、それを見失ってはならない。ここでは、大きく「ベンダー資格」「国家資格」そして
「CompTIA 認定資格」という 3 つに分けて考えたい。
2-1ベンダー資格・・・IT に関する即戦力、専門的技術力を客観的に測る尺度
- 178 -
添付資料5:学校の取組み資料
ベンダー資格は、「商品」から連想されるものであり、各ベンダー特定の商品知識、活用
法、最新技術情報という「技術専門性」を向上させる役割がある。身近で認知をされたベン
ダーからの認定は、求職者にとっては業界に足を踏み入れるモチベーションの向上の要素
として、求人者にとっては技術者としての専門的スキルを客観的に評価できるスケールと
しての役割も果たしている。
2-2国家資格
国家資格は、国家が求める情報システム開発・運用やプログラム設計における専門知識、
利用者側に対し業務の情報化を支援するなど、国家の「政策」から発想されるものであり、
そのための「知識専門性」を問うものである。経済産業省の資料「IT スキル標準 -IT サ
ービス・プロフェッショナル育成の基盤構築に向けて-」では、情報化において政策的な
観点から必要と考えられる役割をモデル化(システムアナリスト・システムアドミニスト
レータなど)したものであること、知識を主体とした一定のスキルを客観的に見るものと
して表現されている。
2-3CompTIA 認定資格
CompTIA 認定資格は、市場に肩入れせず、今現在業務で求められているものを忠実に
問うている。各 IT「業務」から発想されるものであり、現在・将来必要とされている各 IT
業界の「実務能力」「実務基盤」を問うものである。CompTIA の評価する「実務能力」
「実務基盤」とは、“各 IT 業務において、顧客側の環境を理解(現状把握)し、最適な
環境へと導く能力(問題解決、状況判断、環境評価能力)”を評価することが特徴である。
つまり各 IT 業務において「顧客の立場に立てる」人材を育てることが特徴でなのである。
例えば、あるシステムで問題が生じた場合、エラー状況だけで判断するのではなく、
様々な情報(時間の有無、外的環境、顧客の求めているもの)を総合して、プライオリテ
ィの高い選択ができる人材を育てるということである。
すなわち「技術専門性」を問うベンダー資格や、「知識専門性」を問う国家資格を、実務
であてはめて活用できる能力を評価できるもの、それが CompTIA 認定資格であると定義
できる。
3CompTIA A+の採用
CompTIA A+は、顧客側のクライアント環境の理解と、最適化へと導くための「スキ
ル」と「マインド」、デスクトップ管理(OS/ハードウェア)、インターネット・ネッ
トワーク基礎、 周辺環境への対応能力、つまり、クライアント環境の運用・管理業務に
必要な実務能力を世界的に評価する認定プログラムである。IT業界の現場関係者により
作成された、業務を遂行する上で必要な能力基準であり、個々人に対する「業務保証」を
提供している。CompTIA A+認定資格試験は、IT 業界のリクエストにより 1993 年から
スタートしたが、多くの企業が IT 実務能力基盤の必要性と雇用やトレーニングにかかる
コスト削減を求め、A+認定資格の開発のために、一同に会していた。
つまり、CompTIA A+認定資格試験は、IT 企業が社員に求めている実務能力であると
いえるのである。静岡ではまだ耳慣れないかもしれないが、世界で約 60 万人以上の取得
者が存在している(2003 年 12 月現在)大規模な認定資格である。
このように評価内容が、①実務能力として IT 業界が欲していること。②IT 技術者とし
てのマインドを評価していること。③IT 環境を理解するために最も大切なコンピュータ
のしくみ、それぞれの部品の役割や目的の理解を目標としていることなどから、本校にお
ける情報教育の基盤として、CompTIA A+ が最もふさわしいと判断した次第である。
- 179 -
添付資料5:学校の取組み資料
4CompTIA A+認定資格試験をブループリントとした情報教育計画
表1
以上のように本校では、
Core Hardware
OS Technologies
CompTIA A+ を情報教育の
インストール、設定、アップグレード オペレーティングシステムの基本
ベースとして採用し、指導計画を
原因分析、トラブルシューティング
インストール、設定、アップグレード
作成することにした。CompTIA
予備メンテナンス
原因分析、トラブルシューティング
A+ は、Core Hardware と OS
マザーボード、プロセッサ、メモリ
ネットワーク
Technologies の2科目で構成さ
プリンタ
れているが、具体的試験分野と主
基本ネットワーク
な内容は表1の通りである。
CompTIA A+では、IT 業界に
入るためのクライアント環境の運用・管理にともなう「実務能力」の習得であることは、
上述のとおりであるが、この基本は「守る」(セキュリティ)、「つなぐ」(ネットワー
ク)、「指示する」(インターフェース・コンピュータ)という三つの要素から成ってい
る。そして、その中でももっとも大切なことは、コンピュータの理解であるが、このコン
ピュータのしくみ、それぞれの部品の役割や目的の理解が、A+のベースとなっている。
これまで本校では、表2(平成16年度履修登録状況)のように工業科(情報科として情
報B・C)、商業科(情報科とし
表2
商業科
人数
工業科
人数 総合計
て情報A)が、それぞれの特徴を
基礎科目 プログラミング①(VB)
96 情報 B
32
生かした科目を用意して、生徒の
情報A(エクセル)
300 情報 C
25
履修希望を満たしてきた。本校で
文書処理(ワード)
120
は、単位制・生徒が自由に授業と
合計
516 合計
57 573
応用科目 プログラミング②(C言語)
7 通信技術(ネットワーク)
14
指導者を選択できるというシステ
情報管理(シスアド)
5 プログラミング技術(JAVA)
3
ムの中で、教科間において、学習
商業デザイン
60 ハードウエア技術
3
内容の重複や学習順序の反故など
合計
72 合計
17
89
の問題点があるものの、実は
CompTIA A+の内容に近いもの
を既に実行していたことに気がついた。我々は、これまで目標とする人材モデルの提案や
それに基づいた段階的な学習ステップを相互に補完してこなかったが、両教科が協力して
本校として目指すべき人材育成モデルを提案し、そのための指導計画を策定すれば、意外
と簡単に研究成果に即した情報教育の改善ができるのではないかと確信した。
5総合情報科としての目的
商業科・工業科・情報科が共同して情報教育を行うシステム構築のために、仮称として
「総合情報科」(最終的には専門教科「情報」の導入を行うことも視野に入れて研究を行
っている)として、平成17年度の教育目的を策定した。
① 育成する人材像として、高度な情報処理技術と創造的な感性の両面を備えた人材を想
定する。IT時代での問題解決能力を持ち、多様なメディアを駆使して情報発信ができ
る21世紀のリーダーとなりうる人材である「情報ジェネラリスト」の育成を目指
す。
② 必要なスキルとして、Windows・Macintosh・UNIXといったマルチプラットフォー
ムに対応し、企業規模にあったネットワークの設計・構築技術とセキュリティ・ネッ
トワークポリシーの知識、各プラットフォームでのデータ共有やトラブルシューティ
ングの知識、プログラミングとシステム設計の知識を身につけることを目指す。
これらは、CompTIA A+の認定条件をブループリントとして本校生徒の状況やこれまで
- 180 -
添付資料5:学校の取組み資料
の指導実績も反映させたものである。情報科として商業科・工業科をまとめるとともに、
それぞれの科目の学習要件に連携をもたせることを狙った。本校では、平成17年度用シ
ラバスを平成16年12月に完成させ、指導計画を生徒に発表した。1月から履修登録が
始まるが、17年度の履修状況・修得結果と生徒の要望・教師の感想を集計し、18年度
からの本格的な導入を目指している。
6新指導計画
本校では平成15年度より、情報 A(商業科担当)、B・C(工業科担当)に関して、
ほぼ学習指導要領の指導計画案にそって授業を行ってきた。しかし、初めてキーボードを
触る生徒から、基本的な IT リテラシーを身につけている生徒、既にある程度のプログラ
ミングや各種ソフトの高度な利用を経験しているという生徒たちの学習歴・情報リテラシ
ーの差は、大きな問題を残してきた。ティーム・ティーチングを可能な限り導入し、初心
者に負担のない授業進度を維持するよう配慮しながら、上級者には個別指導で発展的な学
習ができるよう支援してきたが、結局初心者からは早すぎる、上級者からは退屈であると
いう不満を払拭することはできなかった。また、必修科目(情報A・B・C)を履修後の
発展科目の商業・工業科間の連携が取れていなかった。たとえば、通信技術(工業科)と
情報管理(商業科)でネットワーク構築の部分が重複したり、プログラミング技術(工業
科)でのJAVAの学習とプログラミング②(C言語)を同時に履修して、大変な思いを
したりする生徒がいた。そこで、平成17年度からは情報科としての情報教育という概念
を商業科・工業科で共有し、各科目の指導内容の見直しを行ったが、特に情報A・B・C
は以下の用に大幅に変更を加えた。
課
「情報A」・・・基礎 初めてコンピュータを利用する生徒を対象に、キーボードの操作
からゆっくりとワープロソフト・表計算ソフトを学ぶ。実習を多く行うこ
とで情報活用の基礎的な実践力を養うことを目標とする。
「情報B」・・・コンピュータの基本操作を習得している生徒を対象にする。プログラミ
ングやデータベースの基礎を学び、情報処理の手法、問題解決の方法や、
情報の科学的な理解を深める。将来プログラマやシステムエンジニアなど
を目指すための基
表3
礎技術を養うこと
情
を目標とする。
商業技術a(ワープロ)
報
「情報C」・・・コンピュータの
基本操作を習得し
A
ている生徒を対象
商業技術b(デザイン)
とする。デジタル
化やネットワー
ク・OSのしくみ
情
を学びながら、ネ
報
ットワークエンジ
基本情報試験
プログラミング(C 言語)
ニアやシステムア
B
全国工業校長協会情報技術検定2・1 級
ドミニストレータ
などになることを
プログラミング技術(JAVA)
目指すための基礎
課
技術を養うことを
題
情
ビジネス情報(ネットワーク)
目標とする。
題
研
究
総合情報科(仮称)としての履修
概念図は、表3の通りである。情
報
研
C
究
ハードウエア技術(PC 組立)
CompTIA A+
- 181 -
シスアド初級
添付資料5:学校の取組み資料
報A・B・Cは工業科・商業科別々に担当するのではなくて、情報科として教材観を共有
し、共同して授業を行う。またこの連携によって、それ以外の細枠は商業科、太枠の科目
は工業科が担当するが、導入ゲートしての情報A・B・Cを履修した後をスムースに引き
継げるようになっている。また、情報 A・B・C もそれぞれその目的と役割を上記のよう
に明確に分けているので、生徒の興味・関心や能力に応じて、全て履修したり、スキップ
して次のステップの科目を履修したりすることを可能とした。
紙面の都合上、各教科の詳しいシラバスをここで記述することはできないが、既に完成
し本校全生徒に公表している。ご興味をお持ちの方にはいつでもお渡しできるので、その
際はご連絡を頂きたい。
7最後に
本研究では、ITスキル標準(ITSS Ver1.1,『経済産業省』2003 年7月)やベンダ
ー資格の詳細な研究・調査も行ってきた。本来ならば、その過程やそれに基づいた判断の
上で採用を決めた CompTIA A+の詳しい内容や企業での導入状況、その費用対効果な
どを報告しなければならないと思う。しかしながら、紙面の都合上その全てを報告するこ
とができなかった。そこで、「商業教育」に掲載いただく本稿として少しでも皆様のお役に
立てる報告とするべく、高等学校における情報教育環境や IT 産業業界の動向、標準とす
べきスキル評価についての検証を簡略化し、本校が取り組んできた具体的な研究活動の内
容や平成 17 年度から開始する情報教育活動を中心に報告させていただいた。したがって、
本校が採用した CompTIA 認定資格の正当性や社会的な認知性などに不明な点が残り、本
校情報教育改善の主旨を充分お知らせできなかったのではないかと反省している。しかし、
本研究は来年度を含めた2年間で行われているので、平成 17 年度の研究成果を加えて、
後日完成した報告をさせていただくことをお約束し、本稿をその中間報告とさせていただ
ければ幸いある。
最後に、CompTIA 日本支局 事務局次長 板見谷様には、本校でのセミナー開催を
始め、 CompTIA 主催の Boot Camp(セミナー)の参加機会や詳細な情報を頂くなど
多大なご協力を頂きました。静岡情報産業協会事務局長 矢部様には、セミナーの参加
や協会への入会援助・本研究へのアドバイスを頂きました。また、静岡産業技術専門学校
紅林先生には、CompTIA 認定試験の紹介やシスコ ネットワーキングアカデミーに関す
る支援を頂きました。そして総合情報科(仮称)のコンセプト作成や教員向け情報リテラ
シー向上セミナーの講師として、大原情報ビジネス専門学校静岡校 佐野先生、沖山先生
にご協力を頂きました。この場を借りまして、厚くお礼申しあげます。
- 182 -
添付資料5:学校の取組み資料
(注)
1自校生を対象に開講するシスコ ネットワーキングアカデミーを、「ローカル・アカデ
ミー(LA)」と呼ぶ。ローカル・アカデミーは、「リージョナル・アカデミー
(RA)」と契約を結び、アカデミーを運営することになる。
http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/event/training/academy/edu/proce
dure.shtml
2シスコ ネットワーキングアカデミーのカリキュラム採用事例
秋田県仁賀保高校(http://www.akita-c.ed.jp/~sch11158/media/me1.htm)
平成 15 年度に新設した「情報メディア科」において採用
豊橋西高等学校(http://www.toyohashinishi-h.aichi-c.ed.jp/)
平成 15 年度に新設した「情報活用コース」において採用
福岡県教育委員会の取り組み「県立高校におけるIT人材育成事業について」(福岡
県教育庁教育振興部高校教育課)
( http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/event/training/academy/casestu
dy/006.shtml)
IT技術者養成事業により、IT技術者の養成に力を入れている情報技術科、ビジ
ネス情報科等の専門学科及び総合学科を持つ高校へシスコ ネットワーキングアカデミ
ー高校モデルを導入し、実践的技術を習得させることで、IT関連企業への就職活動
や上級学校への進学を支援することを目的としている。平成 15 年度は9月より9校で
導入し、平成 16 年度には4月から更に4校に導入する。この計 13 校では、平成 16 年
度より2・3年次において教育課程に位置づけて実施している。
3静岡情報産業協会(http://www.siia.or.jp)は、静岡地区における情報産業の育成強化
と産業界の情報化を促進し、あわせて、会員相互の情報交換を図ることによって、地
域経済の発展に寄与している。
4CompTIA(Computing Technology Industry Association)―コンピュータ技術産業協会
の略称。コンプティアと読む。1982 年に設立し、IT 業界内で作成された各業務の実務
能力基準の認定活動などを行っている IT 業界団体。欧米を中心とし 12 拠点を持ち、
メンバー企業として 89 カ国 18,000 機関以上(2004 年 6 月現在)の企業が参加してい
る。2000 年に南アフリカ、2001 年に日本・オーストラリアと拠点を増やし、今後欧米
の IT 業界団体から世界の IT 業界団体へと活動を広げる予定。
CompTIA日本支局RUL(http://www.comptia.jp/index.html)内に、本校のCompTIA A+
の導入事例が掲載されている。(http://www.comptia.jp/cont_test.html)
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インターネットの利用実態調査研究とリテラシー向上対策報告書
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平成 18 年 3 月
財団法人マルチメディア振興センター
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