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2-2 第2章(2)(PDF:258KB)
第2章 台東区産業を取り巻く環境の変化 2.消費・ 消費・流通構造の 流通構造の変化 (1)消費構造の 消費構造の変化 【減少傾向にある消費支出。商品購入時には「品質」など価格以外の要素も重視】 最近の一世帯当たりの消費支出の推移をみると、概ね減少傾向にあります。品目別の消費 支出の割合では、食料品、教養娯楽、交通・通信、身の回り品や理美容費用などを含むその 他の消費支出の割合が比較的高くなっています。また、それらを大きく基礎的支出(食料な どの必需品)と選択的支出(教養娯楽用耐久財などの贅沢品)に分けると、基礎的支出が概 ね6割近くを占めています。 商品・サービス購入時に重視するポイントでは、近年、消費者は「価格」のほか、 「品質」 、 「利便性」 、 「ブランドイメージ」も重視する傾向にあります。また、女性、中・高齢層、子 育て世代には「連絡すると、修理・交換・設置に来てくれる」 、 「お客様相談窓口の常設」と いったサービス面も重視されています。 【東日本大震災を契機に国内消費は低調】 消費支出の減少傾向に加えて、東日本大震災を契機に外出、外食、レジャー、贅沢品の購 入などを控える行動が目立ってきており、国内消費は低調となっています。その一方で、安 全性や被災地復旧、国内経済への貢献、品質や利便性、サービス面に配慮した商品などを提 供することで、消費が回復される可能性もあります。 図表2-9 消費支出の推移(指数) 100.0 98.0 96.0 94.0 92.0 90.0 1~3月 4~6月 7~9月 10~12月 1~3月 4~6月 7~9月 10~12月 1~3月 4~6月 7~9月 10~12月 1~3月 2008年 2008 年 2009 2009年 2009 年 2010年 2010 年 2011 2011 年 ( 2005 年 = 100) 100 ) 資料:家計調査 8 第2章 台東区産業を取り巻く環境の変化 (2)流通構造の 流通構造の変化 【流通再編の中で業態転換が求められる卸・小売業】 スーパーなどの年間販売額は2002(平成14)年から2007(平成19)年にかけ て10%以上減少しており、小売業は全体的に厳しい状況にあります。スーパーやコンビニ エンスストアでは、独自ブランドの拡充が進み、卸売業を経由しない製造業との直接取引も 拡大しています。製造から小売までを統合したSPA(製造小売業)11の台頭もみられます。 そうした状況の中で、卸売業には、商品開発や仕入先の多様化など取引先のニーズに応じ た事業展開が、小売業においても、商品開発や仕入、販売方法などの工夫により独自性を出 すことが求められる傾向にあります。 【世界的に拡大する電子商取引市場も事業展開のターゲットに】 インターネットの普及により、一般消費者向けの電子商取引(EC)12市場が拡大傾向に あります。製造業、小売業、サービス業をはじめ幅広い産業分野で電子商取引が拡大してお り、製造業においてもインターネットを通じた直販が伸びています。電子商取引は今後も一 層の拡大が予想され、卸売業や小売業においてもその対策が求められてくるものと考えられ ます。 電子商取引市場は世界的にも拡大しており、特に中国では著しく拡大しています。中小の 卸売業や小売業においても、海外電子商取引市場は事業展開のターゲットのひとつと考えら れます。 図表2-10 日本の BtoC(企業と消費者との取引)-EC(消費者向け電子商取引)市場規模の推移 EC市場規模 億円 EC化率 % 90,000 3.00 77,880 80,000 2.46 60,890 60,000 50,000 2.00 53,440 43,910 40,000 30,000 2.50 66,960 70,000 2.08 1.79 1.50 1.52 1.25 1.00 20,000 0.50 10,000 0 0.00 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 EC 化率:全ての商取引額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合 資料:電子商取引に関する市場調査報告書(経済産業省) 11 アパレル業界でメーカー自らが既存の卸売業者、小売業者に頼らず消費者に直接販売するショップを持つ業態 12通信販売の一つの形態であり、 インターネットや専用線のようなコンピュータネットワーク上での電子的な情報通信 によって商品やサービスを分配したり売買したりすること 9