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8 女性の母性保護(PDF:157KB)
8 女性の母性保護 労働基準法や男女雇用機会均等法では、働く女性の母性を保護するための規定を設けています。 1 労働基準法における規定 ⑴坑内業務の就業制限(労基法第 64 条の 2) 妊娠中の女性および坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年を経過しない女 性は坑内業務に就かせてはいけません。また、坑内業務のうち、人力による掘削業務など作業員の業務 に女性を就かせてはいけません。 ⑵妊産婦の危険有害業務の就業制限 妊産婦(妊娠中および産後1年を経過しない女性)等については、妊娠、出産・哺育(ほいく)等に 有害な業務(重量物の取扱いや有害ガスを発散する場所における業務等)に就かせてはなりません。 (労基法 第64条の3) ⑶産前・産後休業 産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性労働者が休業を請求した場合には、就 業させてはいけません。(労基法第65条第1項) *出産日は産前に含みます。 産後8週間は、女性労働者を就業させてはいけません。 ただし、産後6週間を経過した場合で、本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務に就業させること は差し支えありません。(労基法第65条第2項) ⑷妊娠の軽易業務転換 妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。(労基法第65条 第3項) ⑸妊産婦に対する変形労働時間制の適用についての制限 変形労働時間制がとられる場合にも、妊産婦が請求した場合には、1日および1週間の法定労働時間 を超えて労働させることはできません。(労基法第66条第1項) ⑹妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限 妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働または深夜業をさせてはなりません。(労基法第 66条第2項、第3項) ⑺育児時間 生後満1年に達しない生児を育てる女性は、1日2回それぞれ少なくとも30分の育児時間を請求でき ます。(労基法第67条) ⑻生理休暇 生理日の就業が著しく困難な女性は生理休暇(半日、時間単位でも可能)を請求することができます。 (労基法第68条) 56 第2章●その他の労働法のポイント 2 男女雇用機会均等法における規定 ⑴保健指導または健康診査を受けるための時間の確保 事業主は、女性労働者が妊産婦のための保健指導または健康診査を受診するために必要な時間を確保 することができるようにしなければなりません。(均等法第12条) ●妊娠中 妊娠23週までは4週間に1回 妊娠24週から35週までは2週間に1回 妊娠36週以後出産までは1週間に1回 ●産後(出産後1年以内) 主治医等が健康診査等を受けることを指示したとき ⑵指導事項を守ることができるようにするための措置 妊娠中および出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、主治医等から指導を受けた場合は、その女 性労働者が、受けた指導を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽 減等の措置を講じなければなりません。(均等法第13条) ●事業主が講じなければならない措置 ①妊娠中の通勤緩和 ②妊娠中の休憩に関する措置 ③妊娠中または出産後の症状等に対応する措置 ●「母性健康管理指導事項連絡カード」の利用 主治医等の指導内容を事業主に的確に伝えるためにこのカードを利用しましょう。 (様式は厚生労働省のHPからダウンロードできます。) その他の労働法のポイント●第2章 57