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第3回目Note
講義日程 講義ノートアクセスURL http://www.osakac.ac.jp/labs/s-jeong/mecha1 第1回: メカトロニクス概要 第2回: メカトロニクスの実際 第3回: 直接伝動機構1:ねじ機構、摩擦車 第4回: 直接伝動機構2:歯車1(歯車の種類とインボリュート歯車) 第5回: 直接伝動機構3:歯車2(歯車の速比、歯車列) 第6回: 直接伝動機構4:カム、つめ車機構(せばね) 第7回: 間接伝動機構:ワイヤ、ベルト、チェイン、(リンク) 第8回: メカトロニクス機器の調査レポート 第9回: 学修達成度中間確認テスト 第10回:アクチュエータ1:DCモータ(トルクと逆起電力) 第11回:アクチュエータ2:DCモータ(モータの諸静特性) 第12回:アクチュエータ3:ステッピングモータ、ACモータ、誘導モータ 第13回:アクチュエータ4:空、油圧アクチュエータ、メカトロ設計レポート 第14回:学修達成度最終確認テスト 第15回:解答/まとめ 講義目標 1. 機械と機構 2. 機械の要素と伝動 ① ねじ伝動機構 ② 摩擦伝動機構 1 機械と機構 - 機械 物体(剛体)の組合せが、 互いに相対運動を行うことで、 入力エネルギーを力学的仕事に変換する物。 - 機構 物体(剛体)を、互いに相対運動を行えるように 組み立てて連結したもの 機素 対偶 機構を構成する最小単 位の機能を備えたもの 相対運動を行う二つ の機素の接触部分 ピストンクランク機構 クランク、棒、シリンダ、ピストン(剛体)の組合せで、互いに相対 運動を行うことで、直動運動と回転運動間の変換を行う機構 機械 機構 回転運動 機素 対偶 ガソリン 2.機械の要素と伝動 物体(剛体)の組合せが、 互いに相対運動を行うことで、 入力エネルギーを力学的仕事に変換する物。 動力から役に立つ運動を作りだすことが必要 動力伝動機構 ■伝動機構での機素(部品)の呼び方 ・節(リンク):運動を伝達する機素(部品) ・原動節:最初にエネルギーを取り入れて動く節 ・従動節:原動節によって動かされる節 ・中間節:運動を伝達する節 ・静止節:固定されて運動しない節 ■運動の伝達方法 1. 直接伝動機構 機素が直接接触して 運動を伝える 転がり接触 ねじ機構 摩擦車 歯車 カム つめ車 2.間接伝動機構 原•従動機間に媒介する 機素を入れて運動を伝える ワイヤ駆動 ベルト駆動 チェイン駆動 リンク機構 すべり接触 ころがりと滑り 巻掛け媒介節 硬質媒介節 2-1 直接伝動機構:ねじ機構 • ねじ 三角形を円筒の周りに巻きつけてでき た、らせん状の曲線にそって溝を作っ て作製した、山と谷を持つ機械要素 𝐴 = 𝜋𝑟 2 リード リード角 ※回転角度と進む距離との関係 2𝜋 ∶ 𝑙 = 𝜃 ∶ 𝑥 2𝜋 𝑥 = 𝑙𝜃 円筒の半径 𝑙 𝑥= 𝜃 2𝜋 1. ボールねじ送り機構において、送り量を30[mm]にしたい場合、ねじの必要回 転角度[rad]を求めよ。ただし、ボールねじのリードは2[mm]である。 2-1 直接伝動機構:ねじ機構 例題 ボールねじ送り機構において、送り量を30[mm]にしたい場合、ねじの 必要回転角度[rad]を求めよ。 ※ただし、ボールねじのリードは2[mm]である。 • 右ねじ:つる巻線を右回り に辿ると遠ざかるねじ • 左ねじ:つる巻線を左回り に辿ると遠ざかるねじ • 多条ねじ:平行な2本以上のつる巻線を持つねじ n条ねじでは •おねじ: 円筒の外面にねじ山 •めねじ: 円筒の内面にねじ山 ■ねじ伝動機構 おねじとめねじをはめ合わせて 対偶として用いれば小さなトルク (回転力)で軸方向に大きな力を得る ■ねじの種類 ・三角ねじ:ねじ山の断面が三角形、角度60°、締結用 ・管用ねじ:ねじ山の角度が55°の三角ねじ、管を継ぐ ・角ねじ :ねじ山の断面が四角形、動力伝達用 ・台形ねじ:四角ねじの代用、ねじ山の角度29~30° ■ねじ伝動の例 ・滑りねじ送り機構 大きな負荷の移動、締め付けに利用 Ex) プレス機械、旋盤の親ねじ、 フライス盤のテーブル送りねじ ■ねじ伝動の例 ・ボールねじ送り機構 摩擦抵抗が極めて小 高速回転可能 おねじの回転とともに鋼球が転動しな がら循環を繰り返し、運動を伝える Ex) NC工作機械の送り装置 自動車のステアリング装置 ■ねじ伝動の例 ・差動ねじ送り機構 ・大きなリードで動くねじ部 →回転すると大きく動く ・リードの差の分だけしか 動かないので精密に 移動できる ・小さなリードで動くねじ部 →回転すると小さく動く 2-1 直接伝動機構:摩擦車 (a) 両節の回転軸が平行な場合 (I) 円筒摩擦車 回転軸が平行、接触面が円筒。 摩擦力で回転運動を伝達する1対の転がり接触伝動要素 伝達動力 伝達力 回転周速度 摩擦係数 押し付け力 2-1 直接伝動機構:摩擦車 例題 軸間距離a=600[mm]、原動車の回転数ω_a=600[rpm]、回転角速度 比e=0.5の1対の円筒摩擦電動機構において次の問いに答えよ。 ①従動車の回転数ω_bはいくらか。 ②両摩擦車半径r_a,r_bを求めよ。 ③摩擦係数μ=0.1、許容押し付け力が200[N]の場合、伝達動力を求 めよ。 (ii) みぞつき摩擦車 一方に台形上の溝、他方に台形上の凸部を設けたもの 接触箇所の摩擦力の増加 回転運動に寄与する摩擦力は、 したがって、 見かけ上の摩擦力 (ii) みぞつき摩擦車 例題 軸間距離a=600[mm]、原動車の回転数ω_a=600[rpm]、回転角速度比 e=0.5、みぞの角度θ=π/9の場合、10[KW]の仕事を伝達するために 必要とされる押し付け力Pを求めよ。ただし、μ=0.1。 (b) 両節の回転軸が平行でない場合 円すい車 外側で接触 内側で接触 回転角速度比 したがって、回転角速度比及び回転軸交角が与えられれば、 マイタ車(miter wheel) 回転軸交角θがπ/2となる摩擦車 冠車(crown wheel) 従動車の半頂角がπ/2である摩擦車