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2 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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2 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
有機ハイドライドを使った
エネルギー輸送・貯蔵・利用
2015年2月12日
千代田化工建設株式会社
アジェンダ
1.水素輸入の意義
2.水素の製造方法
3.水素の輸送方法
4.国内チェーンの構築
まとめ
1
1.水素輸入の意義
1
2
3
4
意義 製造 輸送 国内
水素を海外から輸入することで、エネルギーセキュリティ面と環境面の効用が期待
できる。加えて、本格水素社会の水素需要を支える一つの供給手段としても有望
エネルギー 様々な原料、手段から製造が可能でエネルギーソースが多様化できる
セキュリティ 従来市場へのアクセスが難しかった未利用資源も製造に利用可能、エネ
ルギー供給国の選択肢を広げることができる
環境
需要増
への対応
再生可能エネルギーから水素を製造することで、海外の再エネ適地から
クリーンなエネルギーを輸入することが出来る
化石燃料から水素を製造する場合も、発生するCO2をCCS※1やEOR※2等
によって処理し、クリーンなエネルギーを輸入することが出来る。
次の仮定をおくと2030年には水素需要が250億Nm3に達するとの試算が
あり、この需要を支える有望な供給源の一つ
‒ 2030年時点でFCVが200万台普及
‒ 2030年までに新設・リプレースされるLNG火力発電において50%水素混焼を実施
※上記試算は水素燃料電池戦略ロードマップに示された一つの例
※1:CCS:carbon capture and storage
※2:EOR:Enhanced oil recovery
2
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4
意義 製造 輸送 国内
2.水素の製造方法
水素の製造方法は多岐にわたるが、以下の3つに大別される
•石油化学
•化学
改質/
ガス化水素
未利用化石燃料の改質/ガス化により水素製造。
CO2はEOR、CCS等に利用
改質
【未利用化石資源】
ガス化等
•ガス(随伴ガス等)
•石油 (石油残渣(VR)コーク等)
CO2
•石炭(褐炭等)
CCS
EOR
電解水素
再生可能エネルギー発電と
電解プラントにより水素を製造
【再エネ発電】
•風力発電
•太陽光/太陽熱発電
•水力/地熱発電
•波力/海洋温度差発電
電力
供給国
水電解
輸送・
国内インフラの変更なく、
エネルギー源の切り替えがスムースに行える
副生水素
化学工場等において副生する水素を利用
工業
原料
水素
発電
長距離
水素
水素 ・大量 水素
コジェネ
輸送
水素
St.
ガス
供給
需要国
3
1
2
3
4
意義 製造 輸送 国内
2-1. 副生水素
化学工場等において副生する水素を利用
供給国
需要国
長距離
水素 ・大量 水素
輸送
•石油化学
•化学
水素
需要
【例1】メタノール
CH4 + H2O → CH3OH + H2
メタン
水
メタノール
水素
【例2】苛性ソーダ
2NaCl + 2H2O → 2NaOH + Cl2
塩
水
苛性ソーダ
塩素
+ H2
水素
 活用度の低い副生水素を我が国に輸送し、有効活用
 主たる製品とエネルギー消費量を分担する為、より少ないエネルギーで製造可能
 CO2は製品に固定され排出されないケースもあり
4
2-1. 【参考】副生水素供給ポテンシャル
分類
石油
化学
工業
主製品
主要な製造方法
製品生産量
(百万トン)
エチレン
①ナフサの熱分解
②エタンの熱分解
129
プロピレン
①ナフサの熱分解
②精油残渣の
流動接触分
(FCC)
80
①ナフサの熱分解
②ナフサの
芳香族
連続接触改質
(ベンゼン、
(CCR)
キシレン等)
化学 メタノール
工業 苛性ソーダ
副生水素発生量※1
(億Nm3)
623
101
天然ガス改質
51
354
食塩の電気分解
85
237
合計
※1:千代田化工建設による推定
1
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3
4
意義 製造 輸送 国内
1,214
5
1
2
3
4
意義 製造 輸送 国内
2-2. 改質/ガス化水素
化石燃料の改質/ガス化により水素製造。CO2はEOR、CCS等に利用
供給国
【未利用化石資源】
•ガス(随伴ガス等)
•石油 (石油残渣(VR)コーク等)
•石炭(褐炭等)
【未利用化石資源の例】
随伴ガス
原油生産に伴って油田
から噴出するガス、油田
の圧入に利用またその
場で焼却処分される
褐炭
水分の多い、低品位炭
自然発火しやすく輸送に
は適さない
需要国
長距離
水素 ・大量 水素
輸送
改質
ガス化等
水素
需要
CO2
EOR
CCS
EOR
(Enhanced oil recovery )
• ガスや化学薬品を油層中に注入
し、原油と高圧下で混合させ油層
内の原油の流動性を改善すること
で、原油増産を実現
⇒CO2を原油増産に活用すること
で、その対価を得つCO2の処理
(封じ込め)を行うことが可能
CCS
(carbon capture and storage)
• CO2を分離回収し、適切な貯留サ
イトに輸送した後に、CO2を地中深
くに圧入し、永続的に貯蔵
⇒資源国においては廃ガス田など
貯蔵の適地が見つけ易い
⇒圧入にはエネルギーが必要であ
る為、エネルギーコストの低い資
源国での実施はコスト面でも有利
 CO2の分離回収・貯留が比較的容易な資源国においてCO2を処理、
クリーンなエネルギーを我が国に輸送
 市場アクセスが困難な化石資源の有効利用が可能となる
6
2-2. 【参考】EORの仕組み と H2/CO2-FPSO
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意義 製造 輸送 国内
H2/CO2-FPSO
EORの仕組み
CO2
圧縮
水素
気液
分離
原油
生産井
2
キャップロック
油層
原油・
随伴ガス等
CO
圧入井
改質
/CO2
回収分離
EORを海底油田においても行う
設備として、水素および炭酸ガ
スを製造・出荷する洋上浮体施
設(H2/CO2-FPSO※1)を開発中
※1:FPSO:Floating Production
Storage & Offloading unit
参考:(一財)機械システム振興協会CDM(クリーン開発メカニズム)推進のための
CO2 回収EOR(Enhanced Oil Recovery)システム技術に関する調査研究報告書
7
2-2. 【参考】褐炭の賦存量
出典:水素燃料電池戦略ロードマップ
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4
意義 製造 輸送 国内
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2-2. 【参考】原油随伴ガスの利用状況
出典:水素燃料電池戦略ロードマップ
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意義 製造 輸送 国内
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4
意義 製造 輸送 国内
2-3. 電解水素
再生可能エネルギー発電と電解プラントにより水素を製造
【再エネ発電】
•風力発電
•太陽光/太陽熱発電
•水力/地熱発電
•波力/海洋温度差発電
供給国
電力
需要国
水電解
長距離
水素 ・大量 水素
輸送
水素
需要
出力変動が大きい、発電
適地が需要地から遠い等
の理由により利用しにくい
ケースも少なくない
 時間的・空間的な需給ミスマッチが大きい再エネを自在に利用
 CO2フリーのクリーンエネルギー
出典:経済産業省殿 web site
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2-3. 【参考】風況、日射量MAP
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4
意義 製造 輸送 国内
風況、日射量の良い地域は、人口の少ない地域に偏りがある
【風況MAP】
【日射量MAP】
出典:3TIER Inc
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3. 水素の輸送方法
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3
4
意義 製造 輸送 国内
水素の長距離大量輸送手段としては、「有機ハイドライド」と「液体水素」による輸
送が有望視されている
有機
ハイドライド
液化水素
水素を有機化合物に化学的に結合させ、
常温常圧の液体として輸送
水素を-253度まで冷却、
極低温の液体として輸送
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3.有機ハイドライドによる水素輸送
1
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3
4
意義 製造 輸送 国内
水素をトルエンと反応させ、メチルシクロヘキサンとして輸送・貯蔵
CH3
CH3
CH3
+ 3H2
CH3
+ 3H2
メチルシクロヘキサン
水素
水素
トルエン
水素化プラント
タンカー(イメージ)




貯蔵タンク
貯蔵タンク
貯蔵タンク(イメージ)
脱水素プラント
水素化、脱水素プラント
常温のガスに比べて500分の1程度に圧縮することが可能
常温常圧での液体輸送が可能で、取り扱いが容易
化学的に安定な状態にあるため長期間貯蔵・長距離輸送によるロスがない
メチルシクロヘキサン、トルエンとも、化学品として輸送・貯蔵の技術が確立している
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3.有機ハイドライドによる水素輸送
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意義 製造 輸送 国内
横浜新子安の研究所にてデモプラント建設、2013年4月~2014年11月に実証運転。
述べ10,000時間の運転を行い、所定の能力と触媒寿命を検証し技術を確立済み。
反応セクション
貯蔵セクション
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3
4
意義 製造 輸送 国内
4.国内チェーンの構築
発電、工業原料向けの大規模供給からスタートした後、国内水素チェーンの整備
により物流、民生部門への展開することで、さらなる水素利用拡大が期待できる
風力発電
エネルギー貯蔵
エネルギー部門
・余剰電力貯蔵
・非常用発電
太陽光発電
・都市ガス
・発電(混焼)
大規模水素供給
物流部門
エネルギー
戦略備蓄
水素
船舶
MCH
H2
・未利用熱利用
・石油精製
電解水素化
駅・空港・港湾・物流施設
鉄道
・化学原料
・水素還元製鉄
・CO2再資源化
トラック
バス
工業部門
オフィスビル
商業施設 ・熱循環
水素
熱
電気
集合住宅
・定置型燃料電池など
分散型水素コジェネ
・分散型水素コジェネ
地域冷暖房熱源
商業部門
・燃料電池車
家庭部門
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4.水素による再エネ貯蔵・安定化
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意義 製造 輸送 国内
国内水素チェーンと再エネ水素製造を組み合わせることで、負荷変動や需給
ギャップの大きい再エネ電力の貯蔵・安定化の一つのソリューションとなる
NEDO事業「水素(有機ハイドライド)による再生可能エネルギーの貯蔵・利用
に関する研究開発」(平成26年度~29年度)を受託。
風力発電
太陽光発電等
電力グリッド
グリッド安定化
電気
負荷変動対応
一体制御
電気
整流器
水電解
水素粗ガス精製
H2
水素精製
熱インテグレー
ション
SOFC
熱交換
水素粗ガス精製
水素化
メチルシクロ
ヘキサン
水素精製
熱
脱水素
トルエン
有機ハイドライドによる
水素貯蔵設備
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まとめ
1. 海外とつながる水素チェーンの構築により、水素が持つエネ
ルギーセキュリティと環境面での価値は大きく向上する。
水素輸入チェーンの実現を通じ、水素を日本のエネルギー
の一翼を担うるエネルギーとして成長させたい
2. 輸入水素チェーンの構築を実現する2つの大量輸送・貯蔵技
術(有機ケミカルハイドライド法、液体水素法)はいずれも我
が国企業が世界の最先端を歩んでいる。
世界初の水素チェーン実現に向けて、all Japanの体制でさ
らに取り組みを加速したい
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Thank you.
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