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第2章 熱海市の現状と課題(PDFファイル752KB)

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第2章 熱海市の現状と課題(PDFファイル752KB)
第2章
熱海市の現状と課題
第2章
1
熱海市の現状と課題
市勢
熱海市は、静岡県の最東部に位置し、東は相模灘に面し、三方を箱根山系、
天城山系などの山々に囲まれた観光都市です。
北東は千歳川を県境として神奈川県湯河原町に隣接し、南海上には県内唯一
の離島である初島があります。
総面積は 61.55 ㎞ 2、その約 50%が山林であり、急峻な地形であるため、平
坦な土地が少なく、市街地は海岸から山腹にかけて階段状に発達しています。
四季を通じて、温暖な気候と豊富な温泉と美しい自然環境に恵まれ、古くか
ら湯治場として全国に知られ、日本でも有数の国際観光温泉文化都市として発
展してきました。
また、リゾート地としても人気が定着しており、宿泊観光客を含め、多くの
来遊客が訪れます。
産業構造は、観光関連の従事者が多く、第三次産業就労者が大半を占めてい
ます。
- 10 -
第2章
2
熱海市の現状と課題
人口の推移
(1)人口の推移
昭和 60 年から人口が大幅に減少し、平成 12 年からの減少は緩やかになりま
したが、年間 200 人以上の人口が減少しています(図1上)。
平成 17 年以降の人口を、「熱海市次世代育成に関する調査」よりコーホート
法*を用いて推計した結果、減少傾向は続いており、年間 400 人ペースで減少
していくと予測されます(図1下)。
(人)
52,000
51,437
50,082
50,000
49,374
47,291
48,000
45,610
46,000
44,000
42,936 43,184 42,740 42,582
42,000
40,000
昭和50年 55年
60年 平成2年 7年
12年
13年
14年
15年
(人)
42,500
42,000
41,991
41,697
41,500
41,244
40,845
41,000
40,353
40,500
40,000
平成17年
18年
19年
20年
21年
図1 熱海市の人口の推移(上:平成 15 年まで 下:平成 17 年から 21 年)
資料:国勢調査・市民課・行動計画将来人口推計
*コーホート法:コーホートとは、同年(または同期間)に出生した集団のことをいい、
コーホート法とは、その集団ごとの変化を用いる方法である。
- 11 -
第2章
熱海市の現状と課題
(2)年齢3区分別人口の推移
昭和 50 年と平成 12 年とを比較すると、年少層は、昭和 50 年では 20.5%で
したが、平成 12 年では 10.5%と約半数の割合になっています。
また、老年層は、昭和 50 年では 9.3%でしたが、平成 12 年では 27.1%と急
増しており、少子高齢化の傾向が強まってきているといえます(図2上)。
平成 17 年以降の人口を推計した結果、年少層は緩やかではありますが減少
傾向にあります。
また、老年層は平成 17 年には 30%を超え、平成 21 年度には 35.5%に達し、
3人に1人は老年層となり、少子高齢化の流れは今後も続いていくと予測され
ます(図2下)。
0%
20%
昭和50年
20.5
55年
19.3
40%
60%
7年
11.1
12年
10.5
11.5
69.6
14.2
68.7
18.2
66.6
22.2
62.4
∼14歳(年少層)
0%
9.3
69.2
12.9
平成2年
100%
70.1
16.2
60年
80%
20%
27.1
15∼64歳(生産年齢層)
40%
60%
65歳以上(老年層)
80%
平成17年
9.5
59.4
31.1
18年
9.4
58.4
32.2
19年
9.2
57.5
33.3
20年
9.1
56.6
34.4
21年
8.8
55.6
35.5
∼14歳(年少層)
15∼64歳(生産年齢層)
100%
65歳以上(老年層)
図2 熱海市の年齢3区分別人口の推移
(上:平成 12 年まで 下:平成 17 年から 21 年)
資料:国勢調査・市民課・行動計画将来人口推計
- 12 -
第2章
熱海市の現状と課題
(3)今後の0∼17 歳の人口の推移
平成 17 年以降の0∼17 歳の人口を推計した結果、年間 100 人ほど減少して
いますが、特に6∼11 歳の人口の減少が顕著であり、今後も少子化が続いてい
くと予測されます(図3)。
(人)
0∼5歳
6∼11歳
12∼17歳
5,000
4,500
4,000
1,821
1,796
1,786
3,500
1,753
1,776
3,000
2,500
1,698
1,622
1,555
1,481
1,393
1,404
1,371
1,347
1,324
1,300
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
2,000
1,500
1,000
図3 今後の熱海市の0∼17 歳の人口の推移
資料:市民課・行動計画将来人口推計
- 13 -
第2章
熱海市の現状と課題
(4)人口動態の推移
自然動態に注目すると、昭和 60 年以降は出生数が死亡数を下回っています。
また、社会動態を見ると、平成 13 年までは転出数が転入数を上回っていました
が、平成 14 年以降は転入数が転出数を上回っています。
しかしながら、自然動態が社会動態を大きく上回っているため、減少傾向が
続いています。
この状況からも少子化の傾向が読み取れます(表1)。
自然動態
社会動態
増減
出生
死亡
増減
転入
転出
増減
昭和50年
658
367
291
2,283
3,546 ▲ 1,263
▲ 972
55年
495
408
87
3,291
3,683
▲ 392
▲ 305
60年
382
401
▲ 19
3,071
3,450
▲ 379
▲ 398
平成2年
293
441
▲ 148
2,657
2,823
▲ 166
▲ 314
7年
313
478
▲ 165
2,957
3,364
▲ 407
▲ 572
12年
230
558
▲ 328
2,542
2,744
▲ 202
▲ 530
13年
221
599
▲ 378
2,527
2,576
▲ 49
▲ 427
14年
231
535
▲ 304
2,583
2,484
99
▲ 205
15年
221
578
▲ 357
2,498
2,384
114
▲ 243
表1 熱海市の人口動態の推移
資料:静岡県人口動態統計
- 14 -
第2章
熱海市の現状と課題
(5)世帯数と1世帯あたり人員の推移
世帯数は増加傾向にありますが、1世帯あたり人員は減少傾向にあり、平成
15 年には 2.0 人まで減少しています(図4)。
(世帯)
22,000
(人)
世 帯
3.1
1世帯あたり 人員 21,000
3.0
20,298
19,862 19,836
20,000
19,679
2.8
18,923
19,000
2.6
2.6
18,000
17,000
3.2
21,030 21,056 21,150
2.5
16,662
2.4
2.4
16,000
2.2
2.2
2.1
2.2
2.0
2.0
15,000
2.0
昭和50年
55年
60年 平成2年
7年
12年
13年
14年
15年
図4 世帯数および1世帯あたり人員の推移
資料:国勢調査・市民課
- 15 -
第2章
熱海市の現状と課題
(6)世帯構成の推移
核家族世帯は全世帯の約半数を占めていますが、減少傾向にあります。
また、三世代世帯は減少傾向にあり、夫婦共働きの家庭では、育児について
親の代わりとなる人がいないことで、子育て家庭における子育ての負担は親に
集中しているということが考えられます(表2・図5)。
昭和50年
昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年
核家族世帯
9,710
9,774
9,696
9,425
9,389
9,179
単身世帯
3,336
3,821
7,362
7,625
8,418
8,273
三世代世帯
2,746
2,700
2,673
2,611
2,349
2,060
870
2,628
131
175
142
167
16,662
18,923
19,862
19,836
20,298
19,679
その他
合計
表2 熱海市の世帯数の構成の推移
資料:国勢調査
0%
昭和50年
20%
40%
58.3%
60%
80%
100%
16.5%
20.0%
5.2%
昭和55年
20.2%
51.7%
14.3%
13.9%
昭和60年
48.8%
37.1%
13.5%
平成2年
47.5%
38.4%
13.2%
平成7年
46.3%
41.5%
11.6%
平成12年
46.6%
42.0%
10.5%
0.7%
0.9%
0.7%
核家族世帯
単身世帯
三世代世帯
その他
0.8%
図5 熱海市の世帯数の構成割合の推移
資料:国勢調査
- 16 -
第2章
熱海市の現状と課題
(7)出生数・出生率の推移
出生数・出生率の推移に注目すると、ここ数年間は出生数および出生率はほ
ぼ横ばいになっておりますが(図6)、静岡県および全国の出生率と比較してみ
ると、出生率は大きく下回っております(図7)。
こうした現状から、出生率の低下に対して何らかの対応が迫られているとい
えます。
(人)
800
(%)
12.8
出生数
出生率
700
12.0
9.9
600
10.0
7.7
500
6.9
6.2
400
300
14.0
8.0
5.4
658
5.5
5.2
5.3
495
200
382
100
6.0
4.0
313
293
230
221
231
221
12年
13年
14年
15年
0
2.0
0.0
昭和50年 55年
60年 平成2年
7年
図6 熱海市の出生数および出生率の推移
資料:静岡県人口動態統計
(人)
20.0
全国
17.7
静岡県
18.0
16.0
14.0
12.0
17.6
10.1
10.0
8.0
10.0
9.6
9.7
9.5
9.6
9.5
9.5
9.5
9.6
9.4
9.5
9.3
9.5
12年
13年
14年
9.1
8.9
6.0
4.0
昭和50年 55年 60年 平成2年 7年
15年
図7 静岡県および全国の出生率の推移
資料:静岡県人口動態統計
- 17 -
第2章
熱海市の現状と課題
(8)婚姻率・離婚率の推移
婚姻率の推移を見てみると、熱海市においては年々減少しており、全国およ
び静岡県よりも 1 ポイント以上下回っています(図8上)。
こうした状況の背景には、女性の社会進出による晩婚化や非婚化が考えられ、
結婚に対する価値が多様になってきたことがうかがわれます。
また、離婚率に関しては増加傾向にあり、全国および静岡県を上回っていま
す(図8下)。
こうした傾向はひとり親家庭の増加、核家族化の一因となり、こうした状況
への対応も必要になってきます。
(%)
9.0
全国
8.5
静岡県
熱海市
8.5
8.0
8.3
6.7
7.0
6.0
6.5 6.3
6.4
6.1
5.9
6.0
5.0
6.4
6.4
5.4
6.2
6.3
6.5
6.1
5.9
6.4
6.0
5.8
5.7
5.0
5.9
5.1
4.6
4.0
4.2
昭和50年 55年 60年 平成2年 7年
12年
13年
14年
15年
(%)
全国
3.0
静岡県
熱海市
2.79
2.48
2.5
2.29
2.21
2.04
1.86
2.14
1.60
1.39
1.5
1.22
1.28
1.07
1.22
1.28
2.35
2.44
2.10
2.00
2.0
1.0
2.27
1.99
2.14
2.17
2.30 2.25
1.55
1.21
1.07
昭和50年 55年 60年 平成2年 7年
12年
13年
14年
15年
図8 熱海市の婚姻率および離婚率の比較(上:婚姻率 下:離婚率)
資料:静岡県人口動態統計
- 18 -
第2章
熱海市の現状と課題
課題
これまでの熱海市における人口は出生率の低下などの影響で減少傾向にあり、
さらに高齢化が進行しています。
また、少子高齢化の傾向は今後も続いていくと予測されます。
出生率の低下、それによる子ども同士の交流の欠如、核家族化の進行などに
よって、地域社会の人間関係が希薄になり、より一層子育て家庭の抱える不安
感・負担感が大きくなっていくと考えられます。
また、経済面や保健福祉などのあらゆる面で地域全体に大きな影響を与える
ことが懸念されています。
よって、早急に対処していかなければならない問題であるといえます。
したがって、子育て家庭へのあらゆる負担を軽減し、地域全体で子育てへの
理解を示し、あたたかく支援していくことで、安心して産み、ゆとりをもって
子育てのできるまちづくりを推進していく必要があるといえます。
- 19 -
第2章
3
熱海市の現状と課題
就労の現状
(1)本市の産業構造
本市の産業構造は、全国でも有数の観光地であることから、観光関連産業や
小売・飲食店などのサービス業が含まれる第三次産業に従事する就労者が 80%
以上と大半を占めており、その割合は増加傾向にあります(図9)。
こうした就労者は休日に勤務することが多いので、休日出勤の場合における
子育て支援といった保育サービスの提供などにより、就労環境の現状にも対応
していく必要があると考えられます。
0%
昭和50年
20%
40%
60%
13.8
81.8
13.7
82.9
80%
100%
4.2
55年
0.2
3.4
0.0
60年
14.5
82.5
平成 2年
16.5
81.6
15.1
82.9
13.8
84.4
2.9
0.1
0.0
1.9
7年
1.9
12年
0.1
1.7
0.1
第一次産業
第二次産業
第三次産業
分類不能
図9 本市の産業構造の推移
資料:国勢調査
*第一次産業:原材料・食糧など最も基礎的な生産物の生産にかかわる産業。農・林・水産業など。
*第二次産業:製造業・建築業・鉱工業など。
*第三次産業:商業・運輸・通信・金融・公務・サービス・電気・ガス・水道業。
- 20 -
第2章
熱海市の現状と課題
(2)就労状況の推移
年齢5歳階級別の労働力率を見てみると、いわゆる「M字型」のカーブを描
いておりますが、その谷間のカーブは緩やかになっております。
多くの女性が出産するこの時期の労働力率が平成 2 年から増加していること
から、女性の晩婚化や非婚化あるいは夫婦共働き家庭が増えていることが考え
られます(図 10)。
(%)
90
81.3
78.9
77.6
78.8
70
69.2
65.1
75.1
64.7
50
77.7
70.0
68.9
75.3
64.3
61.7
56.8
79.8
67.1
66.9
73.0
78.7
69.5
76.0
74.1
68.0
55.6
51.9
49.5
29.1
30
平成2年
平成7年
平成12年
27.6
23.5
18.1
20.4
20.3
10
15∼
19
20∼
25∼ 30∼
24歳 29歳 34
35∼ 40∼ 45∼ 50∼ 55∼
39歳 44歳 49歳 54歳 59
60∼
64歳
65歳∼
図 10 熱海市の女性の年齢階級別労働力率の推移
資料:国勢調査
- 21 -
第2章
熱海市の現状と課題
(3)母親の就労形態
母親の就労形態を見ると、就学前児童を持つ母親では「無職・家事専従」が
42.6%と最も多く、「パート・アルバイト」が 27.2%と続いています。
一方、小学生を持つ母親では、
「パート・アルバイト」が 43.6%と最も多く、
「自営業・家族従業」が 20.4%と続いています。
就学前児童を持つ母親のうち、何らかの形で就業しているのは 55.9%である
のに対して、小学生をもつ母親のうち、何らかの形で就業しているのは 80.6%
と、大きく就学前児童をもつ母親を上回っています。
こうした状況は、小学生に上がると子育ての負担が軽減され、時間的にも心
理的にもゆとりが生まれたことによるものと考えられます(図 11)。
契約社員・
派遣社員
1.7
常勤の
勤め人
12.1
就学前
0%
在宅勤務・内職
1.8
パート・
アルバイト
27.2
20%
自営業・
家族従業
13.1
40%
無職・家事専従
42.6
60%
契約社員・
派遣社員
4.1
常勤の
勤め人
11.7
小学生
その他
0.9
学生 0.3
パート・
アルバイト
43.6
無回答
0.4
80%
100%
在宅勤務・内職
0.8
その他
0.3
自営業・
家族従業
20.4
無職・
家事専従
18.0
無回答
1.1
学生 0.0
0%
20%
40%
60%
80%
100%
図 11 母親の就労形態の比較
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 22 -
第2章
熱海市の現状と課題
(4)子育て家庭の就労状況
両親が休日に出勤する頻度を見ると、土曜日では父親の 7 割近くが、母親の
4割以上が隔週程度で出勤しています。
また、日曜日では父親の3割以上が、母親の2割以上が隔週程度で出勤して
います(図 12)。
就学前
0%
20%
30.5
20.1
4.9
100%
22.8
42.1
5.4
5.2
80%
9.7
46.2
母親(土曜日)
母親(日曜日)
60%
60.6
父親(土曜日)
父親(日曜日)
40%
6.4 0.6
21.7
23.5
27.1
23.3
46.4
0.7
1.6
1.1
小学校
59.3
父親(土曜日)
父親(日曜日)
28.5
母親(日曜日)
8.3
37.7
母親(土曜日)
9.0
17.2
24.7
40.4
7.4
30.3
27.9
6.4 0.6
21.8
1.0
23.9
0.7
49.5
1.7
3.7
毎週ある
隔週程度
時々ある
まったくない
無回答
図 12 両親の休日出勤の頻度
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 23 -
第2章
熱海市の現状と課題
このような状況の中、仕事と子育ての両立についてどのように感じているの
かを見ると、就学前児童を持つ家庭においては、
「とても大変である」と「どち
らかといえば大変である」を合わせた「大変である」と感じている人が全体の
80%を、小学生を持つ家庭においては「大変である」と感じている人が全体の
約 70%を占めています(図 13)。
0%
就学前
小学校
20%
40%
34.7
21.1
60%
80%
45.9
48.7
とても大変である
どちらかといえば大変ではない
無回答
100%
9.3 4.2 6.0
15.6
9.4 5.2
どちらかといえば大変である
大変ではない
図 13 仕事と子育ての両立の難しさ
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 24 -
第2章
熱海市の現状と課題
どのような時に仕事と子育てを両立させる上で大変だと感じるかを見ると、就
学前児童・小学生を持つ家庭ともに、
「病気の時に代わりに面倒をみる人が少な
い」が最も多くなっています。
以下、
「子どもと接する時間が少ない」、
「急な残業が入ってしまう」、
「職場の
理解が得られない」と続いています(図 14)。
こうしたことから子育て家庭に対するサポート体制の充実が必要となります。
0
10
20
30
40
50
60(%)
53.9
病気の時に代わりに
面倒をみる人がいない
44.1
35.5
34.0
子どもと接する
時間が少ない
22.8
22.9
急な残業が
入ってしまう
就学前
小学校
14.5
9.6
職場の理解が
得られない
図 14 仕事と子育ての両立の難しさを感じる時(上位項目)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
その結果、仕事を優先して子どもに我慢を強いてしまう人は、
「よくある」と
「時々ある」を合わせた人が全体の約8割を占めているのが現状です(図 15)。
よって、バランスの取れる多様な働き方を選択できるような環境を整える必
要があります。
0%
就学前
20%
40%
23.6
60%
52.1
80%
15.0
100%
6.0
3.3
小学校
24.0
55.2
12.0
5.5
3.2
よくある
時々ある
ほとんどない
ない
無回答
図 15 仕事を優先して子どもに我慢を強いる頻度
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 25 -
第2章
熱海市の現状と課題
さらに、どの程度子育てに関わっているかに注目すると、母親の場合は「十
分関わっている」と「ある程度関わっている」をあわせた「子育てに関わって
いる」人の割合は9割を超えていますが、父親の場合は「子育てに関わってい
る」人の割合は7割程度にとどまっています(図 16)。
このことから、できるだけ父親も子育てに関わり、男性の意識の変革を促す
ことも必要になります。
父親
32.4
就学前 38.5
14.1
12.1
1.8
28.5
小学1∼3年生
39.6
0%
20%
40%
十分関わっている
あまり関わっていない
父親はいない
11.7
14.6
1.3
60%
80%
100%
ある程度関わっている
全く関わっていない
母親
1.3 0.0
8.5 0.9
88.4
就学前 78.5
小学1∼3年生
14.9
2.7
0.0
1.6
0%
20%
40%
十分関わっている
あまり関わっていない
母親はいない
60%
80%
100%
ある程度関わっている
全く関わっていない
図 16 子育てに関わっている割合
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 26 -
第2章
熱海市の現状と課題
(5)職場の環境
職場の制度や施設の利用状況をみると、
「産休」、
「育児休暇・育児休業」はあ
まり利用されておらず、8割近くの職場が保育園・託児所がないという現状で
す(図 17)。
このような状況は、子育て家庭への負担を増加させることにつながるため、
子育て家庭への理解を含めて、就労環境の見直しの必要性があるといえます。
0%
20%
40%
29.1
産前産後の
休暇制度
60%
32.2
80%
20.1
100%
13.9
就学前
12.0
小学校
14.3
就学前
12.3
小学校
14.3
就学前
13.0
小学校
2.2 2.4
19.2
46.4
17.9
1.9 2.6
21.6
育児休暇
育児休業
37.3
21.4
2.2 3.1
4.9
保育園
託児所(室)
16.9
1.3 2.9
47.7
18.8
77.3
0.0 0.4
3.1
78.9
3.6 0.6 0.6
ある
あるが利用しづらい
わからない
3.2
あるが利用されていない
ない
無回答
図 17 職場の制度や施設の利用状況
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 27 -
第2章
熱海市の現状と課題
職場において希望する環境整備をしてもらいたいかについてみると、就学前児童・
小学生を持つ家庭ともに、
「子どもが病気やけがのときに休暇がとれる制度」が最も多
くなっています。
以下、
「子どもの行事に参加するための休暇制度」
、
「就業時間をある程度自由に融通
できる制度」、「出産・育児のため会社を辞めた女性を再雇用する制度」が続いていま
す。また、就学前児童を持つ家庭では「育児休業期間にある程度の給料保証がされる
制度」
、小学生を持つ家庭では、
「企業(職場)内で子育てへの理解を広めていくこと」
と、第5位にそれぞれ異なる項目が挙げられています(図 18)
。
全体的には、就学前児童を持つ子育て家庭において、さまざまな面で改善してほし
いと感じていることが多いことから、この時期の子どもを育てている子育て家庭への
支援を強化していく必要があるといえます。
0
10
20
30
40
50
子どもが病気やけがのときなどに
休暇がとれる制度
32.2
31.1
31.3
育児休業期間にある程度の給料保証が
される制度
出産・育児のため会社を辞めた女性を
再雇用する制度
21.8
29.6
30.3
27.9
産前産後の休暇が十分にとれる制度
育児のために必要な場合に、就業時間を
短縮することができる制度
保育料に対する企業(職場)からの助成
企業(職場)内で子育てへの理解を
広めていくこと
企業(職場)内に託児所を設けること
自宅で仕事をすることができる制度
妊娠中の通勤・就労などに配慮した各種制度
育児休業期間が1年を超えてとれる制度
無回答
(%)
64.9
就業時間をある程度自由に融通できる制度
特に希望することはない
70
56.6
51.3
50.0
子どもの行事に参加するための休暇制度
その他
60
1.7
18.4
25.7
22.9
25.6
19.1
23.8
26.6
23.5
16.5
21.0
21.3
14.8
11.4
13.5
7.4
就学前
小学校
8.0
4.3
0.3
6.7
8.5
図 18 職場における希望する環境整備
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 28 -
第2章
熱海市の現状と課題
課題
本市は国際観光温泉文化都市であるため、観光関連産業などのサービス業が
含まれる第三次産業従事者が多く、休日に勤務することが多いなど、さまざま
な勤務形態に合った保育サービスを提供できるよう子育て環境を整備する必要
があり、既存の保育サービスのみならず新規のサービス導入を検討するなど、
市民の多様なニーズに対応していけるように検討する必要があります。
また、土日出勤などによる子育てに関わる時間の減少、親への負担の増加、
仕事と子育ての両立の難しさなどの問題があることから、職場などに就労環境
の見直しをするように働きかける必要があります。
さらに、子育てに関わることのできない父親には、男女共同推進社会の実現
を目指すべく、意識の啓蒙を図っていく必要があります。
- 29 -
第2章
4
熱海市の現状と課題
子育ての現状
(1)保育サービスの現状
現在利用している保育サービスを見ると、「保育園に通っている」が 38.4%
と最も多く、ついで「家庭等で保護者が見ている」が 31.6%、「幼稚園に通っ
ている」が 24.0%と続いています。
現在、何らかの保育サービスを利用している人は全体の6割を占めています
(図 19)。
0
10
20
30
40 (%)
38.4
保育園に通っている
31.6
家庭等で保護者が見ている
24.0
幼稚園に通っている
保護者以外の親族や知人に
見てもらっている
9.7
認可外保育施設や勤務先の
保育施設に通っている
0.6
ベビーシッター、ファミリー
サポートセンターなど
0.3
無回答
0.8
図 19 現在利用している保育サービス
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 30 -
第2章
熱海市の現状と課題
今後利用したい保育サービスを見ると、保育園を希望する声が 45.1%と最も
多く、今後も保育園の入所率は上昇していくと考えられます(図 20)。
0
10
20
30
40
保育園
45.1
29.4
幼稚園
ファミリーサポートセンター
3.5
2.0
勤務先の保育所
認可外保育施設
0.0
ベビーシッター、家政婦
0.0
その他
50 (%)
0.8
19.2
無回答
図 20 今後利用したい保育サービス
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 31 -
第2章
熱海市の現状と課題
前述のように、保育サービスの利用率は上昇傾向にあり、今後も続けて保育サ
ービスを利用したいという現状ですが、これは、現在就労している・していな
いにかかわらず、就学前児童をもつ親の 53.2%が、小学生をもつ親の 87.8%が
「近いうちに就職したいと考えている」、
「現在就労している」
「就労予定がある、
休職中である」という理由により、保育サービスを利用したいと考えています
(図 21)。
多様化している市民のニーズに対応するような保育サービスが必要となって
くると考えられます。
0
近いうちに就職したいと考えている
20
40
60
80
100
(%)
23.1
6.1
17.6
現在就労している
80.2
就労していないが、子どもを預けたい
就労予定がある、求職中である
家族・親族などの介護がある
学生である/就学したい
その他
無回答
17.3
0.0
12.5
1.5
0.8
6.9
就学前
小学校
0.0
1.5
4.7
0.0
23.9
3.8
図 21 保育サービスを利用したい理由
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 32 -
第2章
熱海市の現状と課題
(2)子育てにおける悩みや不安
子育てにおける悩みや不安を見ると、就学前児童・小学生を持つ家庭ともに
上位には、
「自分の自由な時間が持てない」、
「子育てで出費がかさむ」、
「住居が
狭い」、
「仕事が十分にできない」が挙げられており、身体的・経済的・物理的・
時間的にゆとりのないことがうかがわれます。
また、小学生を持つ家庭では「負担に思うことはとくにない」といった回答
が2番目に多く挙げられている一方、就学前児童を持つ家庭では、
「子育てによ
る身体の疲れが大きい」といった回答が3番目に多く挙げられており、就学前
児童の子育ての負担が大きいことがうかがわれます(図 22)。
こうしたことから、就学前児童を持つ家庭にかかる負担を緩和していく支援
体制を整えていく必要があるといえます。
0
10
20
30
40
50
(%)
44.8
自分の自由な時間が持てない
21.3
40.8
39.4
子育てで出費がかさむ
26.3
子育てによる身体の疲れが大きい
7.4
26.1
18.4
住居が狭い
25.8
14.9
14.0
仕事が十分にできない
4.5
夫婦で楽しむ時間がない
子どもが病気がちである
子育てが大変なことを
身近な人が理解してくれない
その他
9.4
5.9
7.1
4.5
8.5
9.3
就学前
13.7
負担に思うことはとくにない
無回答
小学生
27.1
0.9
1.6
図 22 子育てにおける悩みや不安
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 33 -
第2章
熱海市の現状と課題
子育てに関して日常悩んでいることや気になることを見ると、就学前児童を
もつ家庭では、
「子どもの教育に関すること」が 30.7%で最も多く、以下、
「仕
事や自分のやりたいことが十分にできないこと」が 30.3%、「病気や発育・発
達に関すること」が 29.4%、
「食事・栄養に関すること」が 27.6%、
「子どもと
の時間を十分にとれないこと」が 23.0%と続いており、以上が上位5項目とし
て挙げられました(図 23)。
「子どもの教育に関すること」、「病気や発育・発達に関すること」や「食事
や栄養に関すること」など、子どもに与える影響について日頃から思案してい
ることがうかがわれます。
こうした不安を軽減するために、適切な情報を提供し、安心して子育てので
きる環境を整備していく必要があるといえます。
0
10
20
40 (%)
30
子どもの教育に関すること
30.7
仕事や自分のやりたいことが
十分にできないこと
30.3
病気や発育・発達に関すること
29.4
27.6
食事や栄養に関すること
23.0
子どもとの時間を十分にとれないこと
友達づきあい(いじめ等を含む)
に関すること
子育てに関し配偶者・パートナーの
協力が少ないこと
21.6
13.7
13.1
子どもとの接し方に自信が持てないこと
話し相手や相談相手がいないこと
5.9
育児の方法がよくわからないこと
5.6
登園拒否・不登校などの問題について
4.3
その他
4.2
17.4
特にない
無回答
2.0
図 23 子育てに関して日常悩んでいることや気になること(就学前)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 34 -
第2章
熱海市の現状と課題
また、小学生では、「友だちづきあいなど対人関係に関すること」が 32.2%
と最も多く、以下、
「子どもの教育、塾、進路に関すること」が 31.9%、
「子ど
もとの時間を十分にとれないこと」が 27.1%、
「いじめに関すること」が 16.8%
と続いています。また、「特にない」が 17.8%と4番目に多く挙げられており
ますが、就学前児童をもつ家庭と比較して、子育てに関して日常悩んでいるこ
とや気になることについて、変化していることがうかがわれます(図 24)。
「友達づきあいなど対人関係に関すること」、や「いじめに関すること」とい
った、子どもの周囲の環境について日頃から思案していることが考えられます。
0
10
20
40 (%)
30
友達づきあいなど対人関係に関すること
32.2
子どもの教育、塾、進路に関すること
31.9
27.1
子どもとの時間を十分にとれないこと
いじめに関すること
16.8
食事や栄養に関すること
16.5
13.6
病気や発育・発達に関すること
子どものほめ方、しかり方が
よくわからないこと
12.0
子どもの学力の遅れについて
9.6
仕事や自分のやりたいことが
十分にできないこと
9.0
子どもに落ち着きがないこと
9.0
6.9
子どもとの接し方に自信が持てないこと
不登校などの問題について
3.2
家庭内の家事、育児に対する理解がない
3.2
子育ての方法がよくわからないこと
2.4
子どものことに関する話し相手や
相談相手がいないこと
2.4
その他
2.9
17.8
特にない
無回答
2.7
図 24 子育てに関して日常悩んでいることや気になること(小学生)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 35 -
第2章
熱海市の現状と課題
悩みや不安の相談先を見ると、就学前児童・小学生をもつ家庭ともに「配偶
者・パートナー」、「その他の親族」など近しい人への相談が多くなっています
(図 25)。
より専門的な見地から相談・助言が必要な場合は、気軽に公共機関や施設へ
相談できるような環境を整えるとともに、地域全体で子育ての負担を分け合い、
支援していくような体制を築く必要があると考えられます。
0
20
40
60
80
配偶者・パートナー
71.0
64.4
その他の親族
69.5
63.6
(%)
60.1
55.1
隣近所の人、地域の知人、友人
35.4
33.2
保育所、幼稚園、学校の保護者の仲間
28.5
保育士、幼稚園の先生、学校の先生
17.6
15.1
16.0
職場の人
就学前
小学校
図 25 悩みや不安の相談先(上位項目)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 36 -
第2章
熱海市の現状と課題
子育てに関する情報の入手の希望先をみると、就学前児童・小学生をもつ家
庭ともに「市の広報やパンフレット」や「市役所や市の機関」といった行政関
連からの情報発信を希望する家庭が多くなっていることから、より一層情報の
提供に尽力する必要があるといえます(図 26)。
0
10
20
30
40
50
57.4
50.3
保育園、幼稚園、学校
54.7
54.3
市の広報やパンフレット
42.7
37.5
市役所や市の機関
20.6
21.3
隣近所の人、知人、友人
テレビ、ラジオ、新聞
市のホームページ
(%)
60
14.2
17.0
就学前
小学校
10.7
16.8
図 26 子育てに関する情報の入手希望先(上位項目)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 37 -
第2章
熱海市の現状と課題
市に対する子育て支援対策の希望を見ると、就学前児童・小学生をもつ家庭
ともに順番こそ異なりますが、上位の項目が共通しています。
就学前児童をもつ家庭では、
「児童手当制度の充実や税制度での優遇など、経
済的な支援の整備」が小学校よりも高くなっており、小学生をもつ家庭では、
「受験戦争やいじめの解消などゆとりある教育の充実」が、希望されています
(図 27)。
児童数は減少傾向にありますが、子どもを取り巻く環境は大きく変化してい
ます。
子どもの健全な遊び場の提供や医療体制の整備など要望を踏まえ、子育てに
おける悩みや不安を解消できる環境を充実していく必要があります。
0
20
40
60
80
(%)
66.0
71.5
公園、児童館など子どもの
遊び場の充実
62.3
72.1
夜間や休日における
小児科の医療体制の整備
57.5
児童手当制度の充実や税制度
での優遇など、経済的な支援の充実
45.7
45.0
延長保育など多様な保育サービスの
充実と、放課後児童の対策
23.7
34.6
子育て世帯への住宅対策の充実
23.9
受験戦争やいじめの解消など
ゆとりある教育の充実
就学前
小学校
30.9
図 27 希望する子育て支援対策(上位項目)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 38 -
第2章
熱海市の現状と課題
(3)子どもを取り巻く周囲の環境
親子で集える場に期待する役割については、
「子どもの遊び場」の役割を望む
声が最も多く、以下「親子で楽しめる遊びの提供」、「親同士の交流」が続いて
います(図 28)。
こうしたことから、遊び場が不足している現状と、親子間および親同士の交
流がはかられていない現状が考えられ、親子で集える場所を提供できるような
環境を整えていく必要があります。
0
20
40
60
80
100 (%)
82.2
子どもの遊び場
親子で楽しめる
遊びの提供
57.4
54.5
親同士の交流
図 28 親子で集える場所に期待する役割(上位項目・就学前)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
子どもが集う場に期待する役割については、
「子ども同士で自主活動ができる
場」を望む回答が最も多く、以下「土曜日・日曜日に子どもが活動できたり遊
べる場」、「雑木林や川などの自然にふれられる遊び場」、「子どもに遊びを教え
る場」が挙げられています(図 29)。
就学前児童をもつ家庭の場合と異なり、子どもが中心になって自主的に活動
できる場所を求めていることがうかがわれます。
0
20
40
80(%)
60
子供同士で自主活動が
できる場
61.7
土曜日・日曜日に子ども
が活動できたり遊べる場
60.4
雑木林や川などの自然に
ふれられる遊び場
52.9
子どもに遊びを教える場
48.9
図 29 子どもが集う場に期待する役割(上位項目・小学校)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 39 -
第2章
熱海市の現状と課題
就学前児童・小学生をもつ家庭ともに、子どもの遊び場について感じること
の多くは「雨の日に遊べる場所がない」、「近くに遊び場がない」といった内容
になっていることから、現状では満足に子どもを遊ばせることができないと考
えていることがうかがわれます(図 30)。
0
20
40
60
80 (%)
63.5
雨の日に遊べる
場所がない
64.4
49.0
近くに遊び場がない
50.8
就学前
21.2
思い切り遊ぶために
十分な広さがない
29.0
小学生
図 30 子どもの遊び場に対して感じること(上位項目)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
学校教育において取り組むべきことについてみると、
「思いやりの心をもつた
めの道徳教育の充実」が 61.7%と最も多く、以下、「子どもが自発的に物事に
取り組むことができる環境づくり」、「心身ともにたくましく育つための体力づ
くり」、「「生きる力」向上のための総合学習の充実」と続いています(図 31)。
0
20
40
60
80 (%)
思いやりの心をもつための
道徳教育の充実
61.7
子どもが自発的に物事に
取り組むことができる環境づくり
60.4
心身ともにたくましく
育つための体力づくり
52.9
「生きる力」向上のための
総合学習の充実
48.9
図 31 学校教育において取り組むべきこと(上位項目)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 40 -
第2章
熱海市の現状と課題
子どもとの外出の際、不安なことや困ることについてみると、就学前・小学
校に共通して見られることは、
「買い物や用事の合間の気分転換に、遊ばせる場
所がないこと」、「暗い通りなどが多く、子どもが犯罪の被害にあわないか心配
である」、「歩道の段差などがベビーカーや自転車の通行の妨げになっている」、
「緑や広い歩道が少ないなど、街並みにゆとりとうるおいがない」となってい
ます。
就学前児童をもつ家庭では、
「トイレがオムツ換えや親子での利用に配慮され
ていないこと」が多く、小学生を持つ家庭では、
「歩道の段差などがベビーカー
や自転車の通行の妨げになっている」が多くなっています(図 32)。
就学前は親と常に一緒に行動していますが、小学校に入学すると離れる時間
が多くなるので、安心して登下校できる安全性の高いまちであることを望んで
いることがうかがわれます。
0
10
20
30
40
50 (%)
39.4
買い物や用事の合間の気分転換に、
遊ばせる場所がないこと
35.4
31.0
トイレがオムツ替えや親子での
利用に配慮されていないこと
24.7
暗い通りが多く、子どもが犯罪の
被害にあわないかが心配である
38.6
23.4
歩道の段差などがベビーカーや
自転車の通行の妨げになっている
就学前
12.2
小学校
緑や広い歩道が少ないなど、まち
なみにゆとりとうるおいがない
22.3
歩道や信号のない通りが多く、
安全に心配があること
21.5
22.3
34.3
図 32 子どもとの外出の際、不安なことや困ること(上位項目)
資料:熱海市次世代育成支援行動計画ニーズ調査
- 41 -
第2章
熱海市の現状と課題
課題
保育サービスの利用率が上昇し、今後も保育サービスを利用したいと考えて
いる子育て家庭が増加しており、その大半が就労を理由に保育サービスの利用
を希望しています。
こうした状況に対応するため、利用者の生活実態および意向を十分に反映さ
せたサービスの提供体制を整えることにより、身体的、心理的などあらゆる面
でかかっている負担が緩和されると考えられます。
また、子育てに関する情報を効果的に配信し、地域全体で子育て家庭を支え
ることができるよう意識を高揚し、安心して子育てのできる環境を築き、次代
を担う児童の健全育成を図る必要があります。
さらに、子どもの遊び場や親同士の交流の場を提供することで、親同士・子
供同士・親子間などさまざまな交流が生まれ、豊かな感性を育みながら成長し
ていくことが図られると考えられます。
- 42 -
第2章
5
熱海市の現状と課題
妊婦および乳幼児健診の現状
過去5年間の妊娠健康診査の受診状況をみると、平成 14 年までは上昇傾向に
ありましたが、平成 15 年は若干受診率が下がっています。
また、前期と後期の受診状況を比較すると、前期の方が後期よりも受診率が
上回っています(表3)。
前期
対象
(人)
後期
受診数 受診率 対象
(人) (%) (人)
受診数 受診率
(人) (%)
平成11年
256
235
91.8%
264
208
78.8%
平成12年
224
197
87.9%
234
212
90.6%
平成13年
251
227
90.4%
255
201
78.8%
平成14年
209
197
94.3%
213
191
89.7%
平成15年
238
200
84.0%
244
204
83.6%
表3 妊娠健康診査受診状況の推移
資料:熱海市の福祉・健康
過去5年間の乳児健康診査の状況をみると、4ヶ月児健診は 80%を超える受
診率を推移していますが、10 ヶ月児健診は 75%前後となっています(表4)。
4ヶ月
10ヶ月
対象 受診数 受診率 対象
(人) (人) (%) (人)
受診数 受診率
(人) (%)
平成11年
271
218
80.4%
261
174
66.7%
平成12年
239
213
89.1%
246
176
71.5%
平成13年
216
183
84.7%
253
192
75.9%
平成14年
237
206
86.9%
218
177
81.2%
平成15年
211
190
90.0%
226
174
77.0%
表4 4 ヶ月児健診および 10 ヶ月児健診の受診状況の推移
資料:熱海市の福祉・健康
- 43 -
第2章
熱海市の現状と課題
各時期の健康診査を見ると、1歳6ヶ月児の受診率が3歳児の受診率を上回
っています。
また、各時期の歯科検診を見ると、1歳6ヶ月児の虫歯有病者率に比べ3歳
児の虫歯有病者率が上回っています(表5)。
対象
(人)
受診数
(人)
受診率
(%)
受診者数
虫歯の
ある者
(人)
虫歯有病
者率
(%)
平成11年
252
206
81.7
平成11年
206
7
3.4
平成12年
275
238
86.5
平成12年
238
7
2.9
平成13年
247
216
87.4
平成13年
216
5
2.3
平成14年
230
199
86.5
平成14年
199
3
1.5
平成15年
239
209
87.4
平成15年
208
7
3.4
1歳6か月児の健康診査の受診状況
対象
(人)
実施人数
(人)
1歳6か月児の歯科検診の受診状況
受診率
(%)
受診者数
虫歯の
ある者
(人)
虫歯有病
者率
(%)
平成11年
294
228
77.6
平成11年
227
68
30.0
平成12年
266
217
81.6
平成12年
215
74
34.4
平成13年
240
188
78.3
平成13年
185
63
34.1
平成14年
265
226
85.3
平成14年
224
83
37.1
平成15年
256
209
81.6
平成15年
208
58
27.9
3歳児の健康診査の受診状況
3歳児の歯科検診の受診状況
表5 1 歳 6 ヶ月児および 3 歳児の健康診査および歯科検診の受診状況
資料:熱海市の福祉・健康
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第2章
熱海市の現状と課題
課題
妊娠健康診査や乳幼児健診の受診率を見ると、8割前後を推移していますが、
対象者全員が受診している状況ではありません。
母子ともにすこやかに育っていくには、こうした健康診断の受診が重要にな
ってくると考えます。
そのため、本市では受診率を高めていき、健康に意識的になるよう働きかけ
ていく必要があります。
また、虫歯予防に力を入れ、現在、幼児の健康診査で行っているフッ素塗布、
保育園・幼稚園で行っているフッ素洗口に加え、小学校でも継続した虫歯予防
が行えるよう各関係機関と協議する必要があります。
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