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合 金Al-Cuの 時 効 硬 化 め研 究*

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合 金Al-Cuの 時 効 硬 化 め研 究*
404 研
X線
吸收
究 スペ
合 金Al-Cuの
第4巻
ク ト ル 法 に よ る
時 効 硬 化 め研
小久保
究*
定 次 郎** 林
威***
Von Sadaiiro Kokubo und Takesi Hayasi:
Das Kupfer-K-Absorptionsspektrum der Legierung
Al-Cu and ihr Veredrungsproblem. Die Cu-K-Ahsorptionsspektrender Legierung Al-Cu (5%Cu) wurden
aufgenommen.Die Feinstrukturbei der ausgegluhtenProbe zeigteine ahnlicheStrukturwiebei derintermetallischen
Verbindung CuA12.Diejenige bei der abgeschrecktenProbe 1st ahnlich wie bei der abgeschrecktenand dann
angelassenenProbe. DieseFeinstruktur ist ganz anders als bei CuAI2.
(Eingegangenam 24, August1940)
** 東 北 帝 國大 學 金屬 材 料 研 究所
*** 東 北 帝 國 大學 理 學 部 物理 學 教 室
* 本 研 究 は昭 和14年4月6日
東 卿に 於 て 開催 さた
回本會 講演 大 會 に於 て 獲表 した もの で あ る.
第5
Ⅱ
第12號 X線 吸 牧 ス べ ク トル洗 に よ る合 金Al-Cuの
時 効 硬 化 の研 究 405
が 如 何 に變 化 す るか に就 ては 未 だ 研究 され て ゐない.併
Ⅰ. 時
効
硬
化
し この 問 題 が 明 瞭 に な らない 限 り時 効 硬 化 現 象 の物理 學
合金 め時効 硬 化 問 題が 研 究 さ れ る よ うに なつ で 以 來
30年 間 に磯 表 された論 文 は霧 しい数 に 蓮 して を るが,そ
的説 明 は不 可能 で あ る.
れ等 の大部 分 は所 謂 冶金 學 的 範 疇 を出 で な い もの で あつ
電 位分 布 に よつ て定 まh,そ の 電 位 分 布 は 原子 排 列 及び
た.即 ち,ど んな 組 成 の合 金 が 時効 硬 化 す るか,そ の 合金
に最 良の性 質 を賦 與 す る に は熱處 理條 件 を如 何 に し疫 ら
原 子 内 電子 分 布 に よつ て 定 ま るか ら,X線 吸牧ス ペ ク ト
ル を觀測 す る ことに よつ て 原 子 の 物理 的状 態 の差 を 見出
よいか,等 に關 して は それ 等 の 研 究 實 験に よつ て殆 ど完
す こ とが 出來 る.本 研 究 は このX線
全に明瞭 になつ た と云 ひ得 る に至 つ た.併 し時効 硬 化現
よつ て時 効 硬 化 理 象 を物理 學 的 に解 決 す る鍵 を 見畠 す目
象 の物理 的説 明 に は 尚研 究 の 絵 地 が残 され て を る。
焼入 した過 飽 和 固溶 農 か ら過 剰 の溶 質 を析出 す るた め
合 金 の 一 威分 のX線
吸 牧 ス ペ ク トル は そ の 合 金 内 の
吸 牧 ス ペ ク トル に
的 で行 つた もの で あ る.
試 料 と しては5重 量%の
銅 を含 むAl-Cu二
元合金 を
には,溶質 原 子 は 先づ 結 晶 内或 は 結 晶 粒 界 の 所 々に集 合
用 ひた,ζ の合 金 の時 効 硬 化 現象 に關 して は澤山 の 研 究
する.こ の集 合 は格 子 内 に於 て 相 隣 る原 子 間 の 位 置 交換
磯表 が あ る.こ の合 金 を高温 度 か ら焼 入 した 過 飽 和ui溶
に よつ て行 はれ る覧集 合 した 原 子激 が 或 程 度 以上 にな る
體か ら化 合 物CuA12を
とその所 に局 部的 規 則 格 子 を形 成 す る.そ の 規則 格 子 の
うに,過 剰 の銅 原 子 が集 合 して局 部 的 規 則 格 子 を形 成 し,
格 子型 は母體 格 子 に 近 似 して を る こ とがX線
的 に觀 測
然 る後 にCuAl2固
析 出 す る場 合 に は,前 に 述 べ た よ
有 の 格 子 を形 成 す る こ と が 實 験的 に
され て をる、 原子 の蓮 動 勢 力が 十分 に大 きな場 合 に は規
確 め られ て をる.そ して それ 等 各 段 階 に 封應 して合 金 の
鋼格 子の部 分 は更K進 んで 析 出相 固有 の 室 間格 子 を形 成
機 械 的 性 質 及 び物 理 的性 質が變 化 す る歌 況 も詳細 に研 究
して母體 格 子 か ら分 離 す る.こ の 最 後 の段 階即 ち析 出 相
され て を る.そ の結 果 は,過 飽 和 固 溶 髄 内 で過 剰 の鋸 原
固有 の室間 格 子 を形 成 す る現 象 を 析 出(Ausscheidung)
子 が 所 々に集 合 し初 め る と同 時 に 合 金 は 硬 化 し,局 部 的
と稱す るのが妥 當 で あ る.研 究 者 に よつ て は局 部 的 規 則
者 もあ るが,こ のo'の 格 子 は母體 格 子 に類 似 して ゐ て,
規 則 格 子 の存 在 がX線
的 に 認 め られ る よ うになる 以 髄
に最 高 硬度 に蓮 し,局 部 的 規 則 格 子 が生 成 す る と共 に 徐
々 に軟 化 し,CuAl2が 析 出 す る と急 激 に 軟 化 す る とい ふ
まだ母體 格 子か ら分 離 して は ゐな い と考 へ られ る.後 に
こ とに研 究 者 の意見 が 一致 し て を る.
格子 とな つた部 分をo'と稱
し,o'め 生 威 を析 串 と稱す る
述べ る よ うに,o'を 形 威 す る銅 原子 の物 理 的 状 態 は 圏溶
體となつて ゐ る銅 原 子の そ れ と 似 て ゐ る.然 るに,化 合
.X線
吸 牧 ス ベ ク トル と 合 金 の 構 造
形 成 して をる銅 原 子 の 物 理 的状 態 は 明瞭 に
吸 牧 スペ ク トル に依 て定 性 的 に 元素 を定 む るに は 主級
前記の もの と異 な つ て を る.換 言 すれ ば,固 溶 髄 及 びo'
收端 の波 長 に よ る、吸 牧 端 の 波長 は そ の元 素 の 固體 歌態
を形成 して をる と きの原 子 間 の結 合 状態 とCuA12を
に よつ て 多 少 は變 るけ れ ど もそ の元 素 を定 む るに は妨 げ
物CuA12を
形成
して をる ときの原 子 間 の結 合 状 態 とは 明 瞭 に異 な つ て を
な い.吸 牧 端 の構 造 は 固體 内 の電 子 の状 態 に 關 係 す る.
る.依 て この原 子 間 の結 合 状 態 の 憂 化 に對應 して析 出 と
云ふ ことにすれ ば,析 出 とい ふ 語 の 定 義 が 極 め て明 瞭 に
從 つて 同 じ元素 で も種 々の 合金 に含 まる Σ場 合 に禄 異 な
つ た 構 造 を示 すの が 一 般 で あ る 吸 牧 端 に於 け る吸牧 の
な る。
強 さ は例 へ ば純 粋 銅 に於 て 波 長 と共 に50%も變
時効 に よ る著 しい硬度 の 増 加 が上記 の過 程 の何 れ の 段
また 吸 牧端 を離 れ た 短 波長 域 に於 て も10%位
る縄
の 振幅 を
階で起 るか は合金 の種 類 に よつ て 異 な る。 アル ミニ ウ ム
以 て 極 大 極 小が 環 まれ る.そ の構 造 は固體状 態 に よつ て
基合金 で は溶 質 原 子が 集 合 を 初 め た とき に最 も硬 くな
定 ま る.例 へ ば 以 下 に述 べ るCuA12のCuの
h,集 合が 相 當進 行 して規 則格 子 の生 成 した こ とがX線
的に認 め られ る頃 に は既 に軟 化 の 途 上 に あ 参,第二 相 が
吸牧 スペ ク
トル は純 粋 鋸 の場 合 と著 し く異 な る もので あ る.
吸牧 スペ ク トル の構 造 は 固體 内の 電 子 紙 態 に よつ 七 定
析 出 され ると急 に軟 化 す る.銅 基 合金 及 び マ グ ネシ ウ ム
まh,後 者 は結 晶 内 の 電 位 分 布 に よつ て 定 ま る.從 つ て
墓合金 は反對 に第 二 相 が 析 出し て硬 化 す る。 即 ち第 二 相
吸 鷺 ス ペ ク トル に於 て は 結 晶 構 準 が 重 要 な る因 子 とな
の析 幾前 に硬 化 す る合金 と析 出後 に硬 化 す る合金 とが あ
り,その他 組 成 原 子 の 電子 数 も大 き な因 子 で あ る、 この
る.また兩 者 の 中間 の 賦 況 を示 す 合金 もあ る.
關係 か ら吸 牧 ス ペ ク トル の 構 造 に依 つ て固體 の 結晶 構 造
会金 の硬 さ及 び そ の他 の 性 質 の變 化 は その合 金 を構 成
を知 る こと を得 る.デ バ イ,シ ェラ ー,ハ ル の 粉 末 法 に於
する各 原子 間 の相 互 作 用 の變 化 に基 く もの で あ る こ とは.
て は結 晶 に含 まれ る原 子 か らの 散飢 波 は 凡て 重 畳せ られ
勿論 で あるが 、過 飽 和 固 溶體 よ り過 剰 の 溶 質 原 子 を第 二
て干 渉 線 を作 る.從 つ て 合金 の 中 の あ る特 定 の元 素 を撰
相 と して析 出 す る迄 の各 段 階 に 於 て,原 子間 の 相互 作 用
(1) T. Hayasi, Sci.Rep. Tohoku Univ. I.,25 (1936);661.
40
6 研
究 第4巻
0.23mm.
ん で そ の 朕態 を研 究 す る ご とは粉 末 法に 於 て は一 般 に矛
可 能 で あ る.吸 牧 ス ペ ク トル法 で は合 金 の 中 の特 定 の 元
試 料 の表 面 の酸 化 を 少 くす るた め に熱處 理 は総 て眞 室
素 の み を撰 ん で その 状 態 の差 を研 究 し得 るか ら粉 末 法 に
中 で行 つ た後,0000番エ
封 して補 足的 關 係 に あ る,
皮 膜 を磨 き去 つ た,
メ リー紙 で 箔 の兩 面 の 薄 い酸化
合 金 の 中 に特定 の元 素 が 微 量 に 含 ま る ゝ場 合 を考 へ
以 上 四種 の
る.粉 末 法 の 干 渉 線 は主 と して他 の 多数 の元 素 に依 つ て
試 料 のCu-K-
作 られ る.微 量元 素 の影響 は その分 量比 に銘 例 して僅 で
吸 牧 端 の微 細
あ る.從 つ て 微 量元 素 の状 態 の 差 は認 め難 い.吸 牧 スベ
構 造 を研 究 し
ク トル 法 では微 量 元 素 の吸 牧 端 の 位 置が その 元 素 に依つ
た.そ
の大 略
て 定 ま るか ら この 元素 を他 と分 離 して研 究 し得 る.研究
は 第1圖a,
に適 當 な る元素 の量 を得 るに は 合金 全體 の 量 を増 せ ば宣
b,c,dに
示
しい.そ の際 他 り元 素 の 吸牧 は分 離 し得 るげ れ ど も他 の
す,鼓
元 素 に よ る散亂 波 が 重 な るた め に吸 牧 暦 の 厚 さ を適 當 に
ペ ク トル を目
しな けれ ば明 瞭 な る ス ペ ク トル を撮 り難 い.
測 にて そ の強
Ⅲ.装
にはス
さ を定 め た.
置 及 び 試 料
各 部 分 の強 さ
吸 牧 端 の微 細 構 造 を 明 か にす るた め に は,分 光 器 の分
の體 量的數 値
解能 が 十分 に高 度 で あ る こ と を要 す る,こ の實 験 に 用 ひ
は こ ゝで は 閥
た 分 光 器 は 曲撓結 晶型 コ ーシ ゴア型 で あ る.水 晶板 は 大
題 と な ら な
さ30×20×0・3mmの
平板 で 厚 さは0.3mmの
もの をr
一面 に 平 行 に切 りこれ を平 板 の 光軸 を含む 垂 直 面 と平板
の 極 大 と極 小
の交 線 を母 線 と して半 径50Cmの
て焦點 圓 の半 径 は25cmで
平 均 分 散 率 は4'7XU/mmで
のK吸
い.こ
Abb. 1 Cu-K-Absorptionsspektrum
der Legierung Cu-Al (CuS%).
圓唇 面 に撓 げ た.從 つ
あ る.Cu-K吸
牧 端 に於 て は
に當 る波長 は
十 分 に 精 密 に測 定 せ られ た.
あh,そ の分 解 能 は純 粋 銅
Ⅵ. 測
牧 端 の 三 段 構 造 が ミク ロホ トメー ター 艶線 にて
辛じ て認 あ られ る程 度 で あつ た.こ の分 解能 及 び そ の他
の點 につ い て は前 報 告(1)に記 載 せ る もの とnLで
尚 甥 陰 極 はWを
用 ひ30mA,20kVに
あ る.
て100∼154時
間 の露出 を要 した.
試 料 熔製 に は米 國 標 準 局製 の99・98%品
Abb.1(a)(b)(c)(d)の
定
結
果
各 構 造 の 波 長 そ の 他 はTabelle
1に 示 し て あ る.表 に 於 け る α,β,γ,δ,ε,ζは 吸 雌 の 極 小
部 を示 す
そ の 部 分 が 廣 い 波 長 範圍 を と る もの は 括 孤 を
用 ひ て そ の兩 端 の 波 長 を 示 し た,從
位 の ア ル ミニ
長 は 凡 そ そ の 平 均 値 で あ る.α,β
つ て吸 牧 の極 小の波
等 の 如 く鋭 い 吸 牧極
ウ ム と電 氣 銅 と をグ ラハ イ ト坩塙 で熔 か し,内 径2券mm
小 部 に は 極 小 に 當 る波 長 の み を 示 し た,、D,E,Fは
の 鐵 鋳 型 に鋳 込 んだ.鋳 塊 は540。 に 長 時 間 熱 し て均 質
の 極 大 を 示 す.ま
化 した 後,時 々 中闇 焼 鈍 を行 ひ つ つ鍛 錬 及 び 堅 延 して 厚
Kか
さ約0.2mmの
の張 さ
箔 に しだ.こ の箔 か ら試 片 を 切 取 り,純
た 表 中 の⊿v/R.及
び⊿Vは
吸牧
主吸 牧鯖
ら測 れ る もの で あ る.
以 上 の 結 粟 か ら次 の 事 が 結 論 せ ら れ る.ま つ(a)CuA12
ア ル ミニ ウ ム板 の 間 に挾 ん で所 要 の熱處 理 を施 した.な
と(b)徐
冷 と の 差 は 吸 牧 極 小 部 α,βに 於 て .はな い と見 て
ほ 別 にCuA12の
よ い.然
る に(c)焼
割 合 の 合 金 を熔 製 し,そ れ を粉 末 と して
現 は れ る.そ
實 験 に 用 ひた.
入で は 吸 牧極 小 部 は 唯 一 つ αのみが
の 位 置 も(a)(b)に
於 け る もの と は 異 な る.
實 験 に使 用 した 試 片 は次 の 四種 で あ る.
(d)の 時 効に 於 て は(c)に
(a)化
從 つ て時 効 に於 け る銅 原 子 は焼 入 状 態 に 於 け る もの と岡
合 物CuA12,こ
の適 當 な る 厚 さ を定 む るに は豫
備 實 験 を要 した.
(b)上
類し(a)(b)と
は 明 か に 異 な る.
様 で あ る.
記 の箔 を545。 に30分 間熱 して後 極 めて徐 々に
v.結
果 の 考 察
室 温 迄 冷却 した もの 。吸 牧 暦 の厚 さ0・20mm.
(c)上
記 の 箔 を545° に30分 間熱 して後 水 中に焼 入 し
たも の.吸 牧 暦 の 厚 さ0'20mm.
(d)cの
塵 理 を 施 し た も の を200。 で6時 間 境 戻 時
麹 せ し めて 室 温 迄 徐 冷 せ る もの.吸 牧 層 の厚 さ
實 験 の 結 果 は 試 糊(a)と(b)との銅
を り,濠 た 試 料(c)と(d)と
そ し て,試 料(a)(及
源 子 の状 態 は相 以 て
の 銅 原 子 の 歌 態 は 相 似 て を る,
び(b))と
試 料(c)(及
び(d))と
原 子 の 状 態 は 明 瞭 に異 な つ て を る こ と を 示 す.
の鋸
第12號 X線
吸牧 スぺ ク トル法 に よる合 金Al-Cuの
Tabelle 1. Feinstruktur von Cu-K-
時 効 硬 化 の研 究 (d)Ai-Cu
407
Angelassen
Absorptionsspektrum,
(a)CuA12
試 料(b)で は添 加せ る銅 原 子 の 大 部 分 は化 合 物CuA12
粒 子 と なつ て 存 在 して を る の で ある か ら,銅 原 子 の 状態
が 試 料(a)の それ に似 て を る こ とは 當然 で あ る,
試 料(c)で は 銅 原 子 は全 部 固體 ア ル ミ ニウ ム 中に溶 解
し て所 謂過 飽和固 溶 盤 とな つ て をる.こ の 固 溶髄 となつ
て を る銅原 子 の歌 態 が 前記 の 化合 物 となつ て お る ときの
(b)Al-Cu
Gegluht
そ れ と明瞭 に異 な る こ と も當然 豫 期 され る事 柄 で あ る.
特 に注 目 され る こ とは試 料(c)の 銅 原 子 の状 態 と試料
(d)の銅 原子 の歌 態 とが 相 似 て をる こ とで あ る。試 料(d)
で は過 剰 の 銅 原子 が 結 晶 内 の 所 々に集 合 して局 部 的 規 則
格 子 を形 成 し,試 片 の 硬 度 は 既 に 極 大 値 を経 過 して軟 化
の途 上 に あ る こ とが麹 の研 究 に よ つ て 確 か め られ て を
る.即 ち銅 原子 の状 態 は過 飽 和 固 溶 燈 の とき も規 恥 格 子
の と選 も同 じ で あ る こ とを實験 の結 果 は 示 して を る.換
言す れ ば,ア ル ミニ ウム原 子 と 銅 原 子 との 結合 様 式 は 固
(e)Al-Cu
Abgesehreckt
溶 髄 の と き も規 則 格 子 の と き も同 じ で あ る.固 溶體 で は
銅 原 子 は アル ミニウ ムの格 子霜 の所 々に 不 規 則 に且 つ統
計 的 に一様 に分 布 して を るが,規 則 格 子 で は 銅原 子 が所
々に 集合 して アル ミニ ウ ムの格 子 貼 に規 則 的 に排 列 して
を る。即 ち兩者 の 間 に は原 子 間 の 相對 的 位置 の相 異 は あ
るが,原 子 間 の相 互 作 用 に は大 きな 饗 化 が 起つ て ゐな い
の で あ る.
前 に局部 的 規鶏 格 子 は母體 格 子 と 同型 で あつ て,ま だ
母體 格 子 か ら分 離 して は ゐ な い と 述 べ た が,こ の事 は上
記 め 實 験 事實 と全 く一 致 す る.ま た 規則 格 子 の生 成 を析
出 と呼 ば な い理 由 も上 述 せ る こ とに よつ て 自 ら明 瞭 で あ
る.
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