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お手柔らかに(6月FOMC)

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お手柔らかに(6月FOMC)
Market Flash
欧州のためにも、お手柔らかに(6月FOMC)
2015年6月3日(水)
第一生命経済研究所 経済調査部
主任エコノミスト 藤代 宏一
TEL 03-5221-4523
【海外経済指標他】~自動車販売:息を吹き返す~
・5月米新車販売台数(季節調整済年換算)は1779万台と市場予想(1720万台)を上回った。3ヶ月平均で
みても1715万台と9ヶ月ぶりに1700万台の大台を回復。ライトトラック(914万台→968万台)が引き続き
堅調に推移したほか、普通乗用車(736万台→811万台)が強さを取り戻した。高額耐久消費財の代表格で
ある自動車の販売好調は、十分な所得と楽観的な将来見通しが担保されていることを物語っており、今後
の消費回復を期待させる。
(百万台)
18
17
16
15
14
13
12
11
10
9
8
米 自動車販売台数
米 自動車販売台数
(百万台)
10
ライトトラック
9
8
7
普通乗用車
6
5
06
07
08
09
10
11
12
(備考)Thomson Reutersにより作成 3ヶ月平均
13
14
4
15
06
07
08
09
10
11
12
(備考)Thomson Reutersにより作成。3MA
13
14
15
・5月ユーロ圏CPIは前年比+0.3%と市場予想(+0.2%)を上回り、6ヶ月ぶりにプラス転化。エネル
ギー価格(▲5.8%→▲5.0%)の下落幅が縮小したほか、食料・アルコール・タバコ(+1.0%→+1.2%)
の上昇幅が拡大。それらを除いたコアCPIも前年比+0.9%と伸びを高めた。内訳は、コア財(+0.1%
→+0.3%)、コアサービス(+1.0%→+1.3%)がそれぞれ上昇幅を拡大。5月の結果は前年の裏要因に
より幾分強さが誇張されているが、インフレ率の基調が上向きに転じていることは確か。また、原油価格
反転上昇を受けて現実のインフレ率と期待インフレ率が共に上昇基調に転じつつあることはECBに自信
を与えているはずだ。
(前年比、%)
4
ユーロ圏CPI
ユーロ圏期待インフレ率
(%)
130
2.3
120
3
110
ブレント
(右)
2.1
2
コア
1.9
1
90
80
70
1.7
0
60
期待インフレ率
総合
-1
10
11
12
13
(備考)Thomson Reutersにより作成
100
14
50
1.5
13/10
15
40
14/01
14/04
14/07
14/10
15/01
15/04
(備考)Thomson Reutersにより作成
5年先5年インフレスワップ
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
1
【海外株式市場・外国為替相場・債券市場】
・前日の米国株は小幅反落。ギリシャ問題が重石となったほか、米金利上昇が嫌気された。欧州株は区々。
・前日のG10 通貨はUSDが全面安となった一方、EURの強さが目立った。EUR/USDは2%強上昇して1.12に迫
った。USD/JPYは欧州時間入り後から下落を開始、米国時間に124を割れた。
・米10年金利は+8.3bpの2.262%。ギリシャ問題の解決期待、及びECBトレード後のボラティリティ上昇
を嫌気した欧州債の下落に追随。欧州債市場はギリシャを除き総じて軟調。独10年金利は0.714%(+
17.3bp)で引けた。なお、17.3bpという上昇幅は独10年金利が反転上昇を開始した4月20日以降で最大。
【国内株式市場・経済指標他】~日中PMI:総合PMIが改善~
・日本株は米株安・USD/JPY下落を受けて安く寄り付いた後、下落幅縮小。
・5月の日本のサービス業PMIは51.5と4月(51.3)から改善。新規受注が(51.7→52.2)が改善した一
方、雇用(50.8→50.4)、受注残(52.7→50.6)が軟化。総合PMIは51.6と4月(50.7)から上昇し4
ヶ月ぶりの水準に回帰した。
・5月中国サービス業PMIは51.2と4月から0.1pt軟化。一方、総合PMIは53.5と前月から0.6pt改善し、
8ヶ月ぶりの水準を回復。中国経済のダウンサイドリスクを幾分和らげる結果となった。
【注目点】
・2日の欧州債市場は大荒れ。独10年金利が+17.3bpも上昇して0.714%を付けたほか、イタリア、スペイン
10年金利がそれぞれ+14.7bp、+12.5bp上昇して昨年11月以来となる2%の大台を突破するなど、ECB
トレードの巻き戻しが再発。ドイツ、イタリア、スペイン10年金利はECBトレード(その織り込みも含
めて)による金利低下を帳消しにした。一旦は収束に向かったかのようにみえた欧州債市場の混乱だが、
収束にはなお時間を要するということだろう。類似の例としてQQE発動前後の円債市場の混乱を参考に
すると、その混乱の期間(金利の凡そのボトムからピーク)は2ヶ月程度だった。今次局面の欧州債市場
にそれを当てはめると、独10年金利のボトム(4月20日)から起算して、6月中旬頃が混乱収束の目安と
なる。ただ、その時期は6月FOMC(17日)の結果発表を控えている時期に一致するため厄介。足元で
は12月の利上げ開始がコンセンサスになりつつあるが、6月FOMCを受けて9月利上げ説が復活した場
合、米債下落が欧州債市場の混乱に拍車をかける事態を招き、グローバルリスクオフを誘発するシナリオ
が浮かび上がる。6月FOMCを通過するまでは欧米債市場の波乱に警戒しておくべきだろう。
日・独10年年利
(%)
1
(%)
0.9
0.8
0.7
0.6
日(2013~)
0.5
独(2015~)
0.4
0.3
5
0.7
4.5
0.6
4
0.5
3.5
0.4
3
0.3
2.5
0.2
2
0.1
1.5
1
13/04
0
01
02 03
04
05
06
07
08
09
10
11
12(月)
伊・西10年金利
(%)
0.8
伊
西
13/08
13/12
14/04
14/08
14/12
15/04
(備考)Bloombergにより作成
(備考)Bloomberg
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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<主要株価指数>
日経平均※
NYダウ
DAX(独)
FTSE100(英)
CAC40(仏)
<外国為替>※
USD/JPY
EUR/USD
<長期金利>※
日本
米国
英国
ドイツ
フランス
イタリア
スペイン
<商品>
NY原油
NY金
終値
20452.32
18,011.94
11,328.80
6,928.27
5,004.46
123.83
1.1185
0.464
2.262
1.980
0.714
1.024
2.127
2.088
(円)
20600
前日比
-90.87
-28.43
-107.25
-25.31
-20.84
20500
20400
20300
-0.29
0.00
%
%
%
%
%
%
%
0.041
0.083
0.132
0.173
0.161
0.147
0.125
日経平均株価 14:34 現在
%
%
%
%
%
%
%
(㌦)
18150
18100
18050
18000
17950
17900
125.5
NYダウ平均株価
USD/JPY
125.0
124.5
61.26 ㌦
1194.10 ㌦
1.06 ㌦
5.80 ㌦
※は右上記載時刻における直近値。図中の点線は前日終値。
124.0
123.5
123.0
(出所)Bloomberg
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
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