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失望売り - 第一生命保険株式会社

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失望売り - 第一生命保険株式会社
Global Market Outlook
それでも「失望売り」は最適戦略にならない
~4月緩和の可能性は後退した~
2014年1月23日(木)
第一生命経済研究所 経済調査部
藤代 宏一
TEL 03-5221-4523
15:56 現在
<主要株価指数>
日経平均株価
NYダウ
DAX(独)
FTSE100(英)
CAC40(仏)
<外国為替>※
ドル円
ユーロドル
<長期金利>※
日本
米国
英国
ドイツ
フランス
イタリア
スペイン
<商品>
NY原油
NY金
終値
15695.89
16,373.34
9,720.11
6,826.33
4,324.98
(円)
16000
前日比
-125.07
-41.10
-10.01
-7.93
1.11
104.36 円
1.3552 ㌦
日経平均株価
15900
15800
15700
15600
(㌦)
16450
-0.18 円
0.00 ㌦
NYダウ平均株価
16400
0.663
2.866
2.886
1.757
2.440
3.832
3.736
%
%
%
%
%
%
%
-0.01
0.04
0.05
0.02
0.03
0.00
0.00
96.73 ㌦
1238.60 ㌦
%
%
%
%
%
%
%
16350
16300
USD/JPY
105.0
104.5
1.74 ㌦
-3.20 ㌦
104.0
※は右上記載時刻における直近値。図中の点線は前日終値。
103.5
(出所)Bloomberg
【海外株式市場・経済指標他】
~来月は7%割れ?~
・NYダウ平均株価は前日比▲44.10㌦の16373.343㌦で取引を終了。決算シーズン独特の個別株中心の相場
となりNYダウは下落もS&P500、NASDAQは上昇。
・MBA住宅ローン申請指数は前週比+4.7%と3週連続の増加。新規購入指数、借換指数がともに反発に転
じており、底打ちの兆しがみられる。
・11月英失業率(ILO基準、3MA)は7.1%と前月(7.4%)から急低下。12月失業保険基準の失業率が3.7%
と前月(3.8%)から更に低下していることなどを踏まえると、来月にもBOEが利上げの閾値としている
7.0%に到達する可能性がある。昨日公表されたBOE議事録では「失業率が近い将来に7%に達しても、
直ちに利上げする必要はない」との従来からの見解を示し、閾値変更を議論した様子は窺えなかったが、
2月MPCではフォワード・ガイダンス変更が濃厚だろう。なお、就業者数は28万人増加し、週平均賃金
は前年比+0.9%と伸びが鈍化した。詳細はEU Indicators「英国労働統計~来月には7%閾値到達の可能
性~」(田中 理)をご参照ください。
250
MBAモーゲージ指数
新規購入
225
9
5000
140
労働力調査基準(ILO、3ヶ月、右)
失業給付基準
失業保険申請件数
8
7
4000
90
6
200
40
5
3000
4
175
2000
3
1000
2
借換(右)
150
10
11
12
(備考)Bloombergにより作成。
失業率
(%)
6000
13
14
-10
-60
05
(年)
06
07
08
09
(備考)Bloombergにより作成。
10
11
12
13
(年)
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
1
【外国為替相場・債券市場】~それでもEURは売られない~
・22日はGBP、AUDの強さが目立った一方でCADの弱さが目立った。USD/JPYに特段の材料はなかったが、米金
利が上昇するなか徐々に水準を切り上げた。GBPは英雇用統計の強さに反応して1.66に急接近。一方、BOC
声明で緩和バイアスが示されたことを受けてCADは大きく売られた。EURは、EONIAが急低下したほか、ス
ワップ金利差も拡大したが小動き。新興国通貨は米金利上昇を受けて全般的に軟調。23日日本時間の
USD/JPYは中国PMIを受け104.30近傍まで下落。AUDは急落して22日の上昇を帳消しにした。
・米10年金利は+3.7bpの2.87%。ギルト債下落に追随して欧州時間から上昇を開始、その後の押し目買い
も限定的。欧州債市場も全般的に軟調。ただ、スペイン債は100億ユーロの発行をこなし比較的堅調に推
移、対独スプレッドはタイトニングした。EONIAとEURIBOR(3m)は低下。
EONIA・EURIBOR
(%)
(EUR/USD)
(%)
0.31
0.45
1.37
0.27
eonia
EURIBOR(3m、右)
0.35
1.39
スワップ金利差・EUR/USD
(%)
EUR/USD
2年スワップ金利差(EU-US、右)
0.3
0.2
1.35
1.33
0.23
0.25
0.1
1.31
0.15
0.19
0.05
13/01 13/03 13/05 13/07 13/09 13/11 14/01
0.15
(備考)Bloombergにより作成。
0
1.29
1.27
13/01 13/03 13/05 13/07
-0.1
13/09 13/11 14/01
(備考)Bloombergにより作成。
(年/月)
(年/月)
【国内株式市場・経済指標他】~中国PMI:ネガティブサプライズ、ロイター短観:「消費税」現る~
・日経平均株価は前日比▲125.07円の15695.89円で取引を終了。中国PMIの下振れが嫌気された。
・1月中国製造業PMI(Markit/HSBC)は49.6と前月(50.5)から悪化。市場予想(50.3)も大きく下回っ
た。内訳をみると、生産は小幅改善したものの、新規受注と新規輸出受注が揃って50割れとなり、雇用も
一段と低下した。春節(1/31-2/6)による季節調整の難しさ等から額面通りに受け止めづらいが、モメン
タムが弱まっているのは確かだ。
・1月ロイター短観によると製造業DIは+19と前月(+17)から一段と改善し今次サイクル最高を更新。だ
が、一方で先行き判断(3ヶ月後=4月)は「消費税」への警戒から+14に低下し、景気のピークアウト
時に観察される“現先”逆転現象が発生。当面はヘッドラインよりも逆転が解消されるかに注目したい。
中国PMI(HSBC/Markit)
56
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
53
50
47
10
11
12
(備考)Thomson Reutersより作成。
13
14
ロイター短観
実績
3ヶ月先の見通し
10
11
12
(備考)Thomson Reutersにより作成。
(年)
13
14
【注目点】~4月緩和の可能性は後退した。それでも「失望売り」は最適戦略にはならない~
・昨日の日銀総裁会見や声明文を見返すと、4月緩和の可能性は低そうだ。声明文では「不確実性」の文言
が削除されるなど、日銀が下振れリスクを意識している様子が窺えない。筆者は4(7)月追加緩和への
地均しとして「消費税」というキーワードが声明文のリスク要因に加わる可能性を言及してきたが、実際
に日銀が採った行動は逆であった。①消費税率引上げの影響が想定以上になる(例えば、価格転嫁が進展
せずにCPIが明確に鈍化)、②急激な円高・株安が進行する、③政治的圧力が高まる、これらの何れか
が現実とならない限り、日銀がアクションを起こす可能性は低そうだ。
・ただ、日銀が緩和に踏み切らなくとも、それに失望した円高・株安が生じる可能性は低いとみる。グロー
バルリスクオンの源泉となっている米経済回復が順調であれば中長期的な円安・株高は半自動的に担保さ
れよう。係る状況下、日銀への「失望売り」は多くの投資家にとって最適戦略とはならないだろう。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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