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低血糖症

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低血糖症
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低血糖症
解説(病気/「低血糖症」
)
文明諸国の特徴として、糖尿病の増加とともに低血糖症は社会一般に蔓延している。昼食
や夕食の後に甘いものを求めたり、毎日2∼3回甘いものを求める人々は、低血糖症であ
ると言っても過言ではない。殊に午後2時過ぎに、大気が下降するにつれて、これらの人々
は異常に甘いものを要求したり、または不規則な食事を要求したりするが、もしこれらの
欲求が満たされない場合には、これらの人々は異常な疲れや不眠症、また気力の低下、能
率の減退、イライラ、憂鬱や不満を強く感ずる。この状態にあるときは、感情の起伏が激
しくなり、そのため人間関係が不安低になる。夕方は疲れのために正規の食事がとれなか
ったり、またはすぐに横になったり、休養を必要とする。夜は全身、特に手足が冷たい。
睡眠はともすれば浅く、長時間必要とする場合が多い。朝は大気が上昇し、一応血糖値が
上がるので通常の元気を回復する。しかし、午後再び、低血糖に悩まされる。人間関係、
特に男女関係や夫婦関係、親子関係が感情的になりしばしば混乱を招く。朝、血糖を測定
したり、または甘いものや食事をとった後に血糖値の測定をしても、多くの場合は低血糖
症であることが明らかにならない。症状がひどくなると、めまいを起こし倒れる場合もあ
る。また全身のふるえを伴う場合もある。若い女性や中年の女性に男性よりも多く低血糖
症が見られる。
原因(病気/「低血糖症」
)
1.
幼児からの乱食
2.
次のような食べ物のとり過ぎ。
a.
卵
b.
鶏
c.
チーズ
d.
その他の動物性食品、例えば牛肉、豚肉、乳製品
e.
魚介類の中の特にエビ、ロブスター、かに、貝柱(スカロップ)
、魚の卵などのと
り過ぎ。また赤身の魚、例えばサケやマグロなどのとり過ぎ。
f.
パン、クラッカークッキー、マフィン、せんべい、その他のベークしたもののと
り過ぎ。
g.
上記のものとともに塩分やミネラル分の強すぎる食事を続けてとった場合。また
塩気の強いナッツ類を長期にしばしばとった場合。
h.
3.
ことに上記の食品を油で炒めたり、バターで炒めたりしてしばしば食べる場合。
これらの食物を継続して長期間とり過ぎると、膵臓に堅い脂肪がたまり、またタンパ
ク質や塩気が膵臓を堅くする。
4.
そのために血糖値を下げるインシュリンは依然としてでるが、血糖値を上げる反イン
©1997 Michio Kushi
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シュリンは順調に分泌されない。
5.
その低血糖を高血糖に変えようとして、単糖類(例えば砂糖、チョコレート、蜂蜜)
やメープルシロップ、その他の甘いものや甘いお菓子、デザートが欲しくなる。また
刺激的に即効のあるアルコール類(例えばワイン、ビール、酒)
、香料の入った飲み物
(例えばミントティー、ペパーミントティー、カフェインの強いコーヒーや緑茶)を
しばしば本能的に求める。
6.
夜食が重なり、ことに上記の食物がしばしば夜食の中に含まれると、低血糖症を招く。
7.
ある種の薬品は(例えばある種の制ガン剤、ステロイド系統など)は低血糖症を促進
する傾向がある。
合併症(病気/「低血糖症」
)
次のような症状が、しばしば低血糖症とともに見られる。
1.
顔の赤らみ
2.
不整脈
3.
アレルギーや皮膚炎
4.
便秘または下痢
5.
筋肉麻痺、疼通、しびれ、金縛り
6.
頭痛
7.
腸炎や肝炎の傾向
8.
カンジタ
9.
ガンを発生させる傾向
10. 各種のビールス性の病気(エイズや肝炎を含む)
11. リュウマチ
12. 不感症
13. 不妊症や流産
14. 貧血と同じようなめまい
15. 全身のふるえ
16. 心理の不安定
a.
疲れ
b.
憂鬱
c.
ストレス
d.
イライラ
e.
激しい感情の起伏
f.
興奮しやすい
©1997 Michio Kushi
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g.
神経質
h.
食事の不規則
i.
自殺願望
j.
人生の目標のゆれ
k.
疑い
l.
不安
m.
自閉症、など
解決法((病気/「低血糖症」
)
久司マクロビオティックの原則に従い、久司ヘルスメニューの標準食をとる。特に次の事
項に注意すること。
■ 食事によるアプローチ ■
1.
主食は精白していない穀物、特に玄米、餅米、アワなどがよい。穀物は柔らかめに料
理した方が食べやすい。
2.
粉類はなるべく避ける。麺類も少量にした方がよいが、殊にベークしたもの(例えば
パン、マフィン、クラッカー、クッキーなど)はできるだけ避ける。
3.
味噌汁にはいろいろな材料を使ってよいが、特にアワと甘い野菜(例えばかぼちゃ、
タマネギ、人参)とワカメまたは昆布を一緒に煮たものや餅を入れたスープなどもよ
い。野菜はいろいろな料理を使ってよいが、特にかぼちゃや人参や大根を含む煮しめ
や小豆・かぼちゃ・昆布などをしばしばとるとよい。しかし、トマト、ナス、じゃが
いも、ピーマンなどの熱帯性起源の野菜は避ける。
4.
豆類や豆製品(豆腐や納豆、テンペ、湯葉など)を普通にとってもよい。
5.
海草類はすべてよい。
6.
果物やジュースなどはできるだけ避ける。欲しいときには煮た果物に少量の塩を落と
したものをたまに食べる。
7.
塩分(味噌、醤油、塩など)は中庸にする。
8.
脂肪分は植物性の油、特に少量の胡麻油を料理に使うとよい。
9.
ふりかけ類は糖尿病の場合と同じく、黒胡麻のごま塩(胡麻10:塩1または、12:
1の割合で混ぜたもの)、あるいは標準食のふりかけや梅干しはすべてよい。
10. 飲み物には砂糖の入った飲み物やソーダ、コーヒー、蒸留水、炭酸水やアルコール類
はなるべく避ける。
11. 魚介類は脂肪分の少ない白身の魚であれば週1∼2回はよい。
12. 甘味は穀物の甘味、例えば麦飴、米飴、甘酒などのほか、甘茶やみりんもよい。さら
にかぼちゃ、タマネギ、人参、キャベツなどの甘い野菜をよく煮た甘味を使うとよい。
©1997 Michio Kushi
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13. 調味料は長期(二夏以上)醸造の味噌や醤油、微量のミネラルを含む海塩(にがり分
を減らしたもの)
、みりん、玄米酢、梅酢、ショウガなどを使う。刺激性の調味料、例
えばマスタード、ペパー、カレーなどはよく噛むこと。
14. 食物、殊に穀物をできるだけよう噛むようにする。
■ 生活からのアプローチ ■
1.
早寝早起き。
2.
日常生活は心身ともに活発に活動すること。
3.
適度な運動はのぞましい。
4.
食事は標準の一日2∼3回よりも多く、4∼5回当分の間とってもよいが、少量にし、
規則正しい時間にとる。
5.
人工的な環境、たとえば電磁波が多く冷暖房の強い環境や、空気の流れの悪いところ
や湿気の多いところ、また化学剤の多いもの(例えばヘアードレッサーや人工的な化
粧品など)はなるべくさける。
6.
身の回りの整理整頓をして清潔につとめる。
7.
余分なストレスを起こす人間関係はさける。
8.
しばしば自然にふれるようにする。
9.
生活様式は簡素であること。
10. 肌着や、布団カバー、シーツ、枕カバーなどはすべて木綿類にする。
11. テレビ、コンピューター、電子レンジ、蛍光灯などの電気器具はなるべく使わないよ
うにする。
12. 毎日楽しい歌を歌うか、声を出して朗読したり読経するのは役立つ。
家庭療法(病気/「低血糖症」
)
1.
スウィート・ベジタブル・ドリンクを毎日コーヒーカップで2杯(朝1杯、夕1杯)
飲む。3∼4週間続ける。毎日数杯飲んでもよい。
2.
腸が不調の場合には梅醤番茶、梅醤くずを隔日、コーヒーカップに1杯飲む。3週間
ほど続ける。
3.
憂鬱やストレス、イライラを強く感じる時には、くず湯に麦飴、または米飴を混ぜて
飲むとよい。また甘酒を温めて飲んでもよい。
4.
毎日全身をよくしぼったタオルで軽く摩擦して、血行をよくする。
5.
体または手足が冷たくてよく眠れないときには、膵臓のところ(みぞおちの下あたり)
か足に湯たんぽをするとよい。また、くず湯に麦飴か米飴を混ぜ、小匙3分の1程の
おろし生姜を入れて、よく混ぜてゆっくりと飲む。
©1997 Michio Kushi
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注意事項(病気/「低血糖症」
)
1.
薬剤(例えばインシュリン)のとり過ぎ、ある種の制ガン剤(キモセラピーなど)
、そ
の他によって血糖値が下がっている場合、まためまいが起こる場合には、湯茶やくず
湯に麦飴、米飴を混ぜて毎日コーヒーカップに1杯、5∼10日間ほど飲む。甘酒も
よい。
2.
漢方薬、鍼灸、ホメオパシーやその他の民間薬なども役に立つ場合もあるので、それ
ぞれの専門家に指導を受けるのがよい。
※ この食事法と家庭療法を続ければ早くて2ヶ月、遅くて4∼5ヶ月で低血糖症はよ
くなるのが普通である。
代表的なメニュー(病気/「低血糖症」
)
•
甘い野菜(人参、かぼちゃ、タマネギ、キャベツ、パースニップなど)の煮しめ
【作り方】
a.
煮しめ用の土鍋、または鉄の鍋を使う。
b.
2∼3カップの野菜に対して、7∼8センチ角の昆布を水に浸して、2∼3センチ
角の大きさに細かく切る。
c.
昆布を鍋の底に敷き、3∼5センチの水を入れる。
d.
大きめに切った野菜を加える。煮しめは普通2∼3種類の野菜を加えるが、それ以
上加えたり、1種類の野菜だけを使ってもよい。
e.
野菜を鍋に入れるときは、鍋の中に場所を分けて入れる。
f.
野菜に一つまみの塩を入れるか、少量の醤油をおとしてもよい。
g.
蓋をして湯が煮立つまで強火にかける。煮立ったら弱火にして、およそ15∼20
分ほどぐつぐつ煮る。
(この時間は、短くすることができる。特に夏場は、野菜を小
さめに切ったり時間を短くする。
)もし、水が蒸発してしまうようであれば、鍋の底
の方に水を足してもよい。
h.
野菜が柔らかくなって食べられるようになったら、数滴の醤油をおとして蓋をした
まま鍋を軽く揺する。
(この時かき回してはいけない)
i.
弱火でさらに3∼5分、蓋をしたまま煮る。
©1997 Michio Kushi
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j.
蓋をとり火を消して、そのまま2分ほど待つ。野菜の煮汁とともに皿に盛って食べ
る。
©1997 Michio Kushi
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•
おはぎ
【作り方】
玄米3分の2、もち米3分の1を混ぜて、それを圧力がま、または重い蓋で炊く。それ
を適当な大きさに握って大皿にならべる。その間、
・麦飴、または米飴で甘く味付けした小豆
a.
一晩水づけした小豆を炊いて、できあがる前に麦飴、または塩を加えてよく混
ぜる。それをする鉢でよくすり潰す。小豆がほぼ室温くらいまで下がったら、
丸めた上記のおにぎりの全体をくるむ。その厚さは約1センチくらいにする。
・よく煮たかぼちゃをすりつぶしたもの
a.
かぼちゃの皮をむき。適当な大きさに切る。それを水に入れた鍋に入れて重い
蓋をする。水の分量はかぼちゃの分量の3分の1ほどにする。はじめは強火に
かけ、沸騰したら弱火にして長時間煮る。十分にかぼちゃが柔らかくなったら、
ほんの少量塩を振り掛けて、さらに2∼3分煮る。できあがったらすり鉢に移
して、よくすりつぶす。室温まで下がったら、そのかぼちゃで上記のおにぎり
をくるむ。厚さは1センチくらいにする。
・柔らかく炊いた栗をすりつぶしたもの
a.
栗の皮をはぎ、鍋の中に入れて3分の1ほどの水を加えて重い蓋をする。最初
は強火にかけ、水が煮たったら弱火で長時間煮る。栗が柔らかくなったら、蓋
をとって塩を振り掛け、さらに3∼4分煮る。できあがったらすり鉢に入れて
よくすりつぶす。室温まで下がったらそれで上記のおにぎりの周りを包む。厚
さは約1センチくらいにする。もし、干した栗を使う場合には一晩水に浸けて
柔らかくする必要がある。
•
小豆・かぼちゃ・こんぶ
※前記参照
©1997 Michio Kushi
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