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概要版(ファイル名:gaiyo サイズ:960.71 キロバイト)

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概要版(ファイル名:gaiyo サイズ:960.71 キロバイト)
クルマのかしこい利用を進める
京都市自動車環境対策計画
(2011∼2020)
∼概要版∼
平成23年8月
京 都 市
ごあいさつ
きょう
京から始まる
クルマとのかしこいお付合い!
あん ぽ もっ
くるま
あ
中国の故事に「安歩以て車に当つ」という言葉があります。「ゆっくり歩けば車に乗らなくて
も疲れることはない。貧しくとも清く正しい生活をすれば,常に満ち足りた心でいることがで
きる」という意味だそうです。
この言葉を私はこう解釈したいと思います。「一人ひとりがほんのちょっと我慢して,クルマ
などエネルギーに頼らない生活を実践すれば,誰もが心も体も健康で,満ち足りた暮らしを得
ることができる」と。
自転車や徒歩で行ける距離なのに,便利さゆえに,ついついクルマで行ってしまうというこ
とはありませんか?一人ひとりの小さな行動が,それぞれの健康を阻害し,私たちの住む地球
にも大きな負荷をかけています。クルマは,身近で便利な移動手段ですが,クルマに頼りすぎ
る暮らしの延長線上には,私たちが目指すべき持続可能な社会はありません。
私たちは今,一人ひとりの生き方,暮らしの在り方を見直さなければならない,大きな転換
期を迎えています。未来を担う子どもたちが,将来,「あの時の取組があったからこそ,今があ
る」と賞賛を持って振り返ってくれるよう,今を生きる私たちが,持続可能な社会へと新たな
一歩を踏み出さなければなりません。
京都市では,人と公共交通優先の「歩くまち・京都」の実現を最重点政策として位置付け,
歩く魅力に溢れるまち,一人ひとりが歩く暮らしを大切にするまちづくりを進めています。また,
クルマを地域で共同利用するカーシェアリングの取組や環境への負荷の少ないエコカーへの転
換,エコドライブの普及促進など,新しいクルマとの付き合い方を提案する先進的な取組を進
めています。
この度,そうした取組を総合的に進める「クルマのかしこい利用を進める 京都市自動車環
境対策計画(2011−2020)」を策定しました。
京都市では,この計画の下,「環境共生と低炭素のまち・京都」と人と公共交通優先の「歩く
まち・京都」の実現に向け,かしこくクルマとつき合う行動の輪を全力で広げて参ります。
さぁ皆さん!共々に力を合わせて,持続可能なまちづくりのモデルとなる取組を,京都から
世界へと発信して参りましょう!
京都市長 京都市自動車環境対策計画
計画が目指す将来像
澄んだ空気に満ち,青空が広がる健全で恵み豊かな環境が保たれて
いる「環境共生と低炭素のまち・京都」と人と公共交通優先の「歩
くまち・京都」の実現を目指します。
具体的には
カーシェアリング,エコカーへの転換,エコドライブの普及により低炭素型まち
づくりを進めます。
計画の期間
◆平成 23 年度(2011 年度)から平成 32 年度(2020 年度)までの 10 年間とします。
なお,今後の社会情勢の変化等を踏まえ,概ね5年を目途に見直します。
計画の目標
◆「歩くまち・京都」総合交通戦略で掲げる目標値を目指します。
(交通手段別分担率の自動車分担率の目標:28%(2000 年)⇒ 20%以下)
◆京都市環境保全基準の達成を目指します。
(NO2:0.02ppm 以下)
◆自動車に起因する CO2 排出量の削減を目指します。(165 万トン / 年(2008 年)から 121
万トン / 年へ削減)
対策を進める3つの視点に基づく最重点政策と12の施策
人と公共交通優先の歩いて楽しいまち
3つの視点
持続可能な脱「クルマ中心」社会のモデル都市形成を
目指して,世界トップレベルの使いやすい公共交通を
構築し,歩く魅力にあふれるまちをつくります。
一人ひとりが歩いて楽しい暮らしを大切にするライフ
スタイルへの転換を促します。
自動車とかしこくつきあうまち
「クルマに頼りすぎない暮らし」を市民一人ひとりに
呼びかけます。
エコカーによるカーシェアリングが一般的になるよう,
普及を進めます。
エコドライブが常識になるよう,環境にやさしい,ひ
とにやさしい運転意識の向上を図ります。
エコカーへの転換が進むまち
低公害・低燃費車,EV・PHV の普及を進め,エコカー
※中心のまちづくりを進めます。
大型車両等については,石油に代わる環境にやさしい
燃料の利用を進めます。
※電気自動車
(EV)
,
プラグインハイブリッド自動車
(PHV)
,
ハイブリッド自動車
(HV)
,
天然ガス自動車
(HGV)
,
燃料電池自動車
(FCEV)
,
グリーンディーゼル自動車 など
最重点政策
公共交通の利便性向上
歩いて楽しい暮らしを大切にする
ライフスタイルへの転換
12の施策
①効率的な自動車の利用(重点施策)
②自動車の共同利用の促進(重点施策)
③物流の効率化
④エコドライブの推進(重点施策)
⑤高速道路交通システムの実用化
⑥自動車排ガス等対策の推進(重点施策)
⑦エコカー利活用の促進(重点施策)
⑧ EV・PHV 等の導入促進(重点施策)
⑨ EV・PHV 用充電インフラ整備(重点施策)
⑩次世代 EV 京都プロジェクトの推進(重点
施策)
⑪環境にやさしい自動車燃料の普及策の検討
⑫騒音及び振動対策
1
最 重 点 政 策
計画では,
「人と公共交通優先の歩いて楽しいまち」を視点とし,「歩くまち・京都」総合交
通戦略に基づき,最重点政策を掲げて具体的な取組を進めます。
なお,「歩くまち・京都」総合交通戦略に掲げられた3つの柱の中で,公共交通や自動車の利
用が必要な施策については,具体的な取組を掲げ,推進していくこととします。
視点1 人と公共交通優先の歩いて楽しいまち
■持続可能な脱「クルマ中心」社会のモデル都市形成を目指して,世界トップレベルの使
いやすい公共交通を構築し,歩く魅力にあふれるまちをつくります。
■一人ひとりが歩いて楽しい暮らしを大切にするライフスタイルへの転換を促します。
最重点政策
1.公共交通の利便性向上
<「歩くまち・京都」総合交通戦略の「既存公共交通」の取組>
○ 京都に住まい,また京都を訪れるすべての人が,快適,便利に利用できる公共交通の利便
性向上策を推進し,使いやすさを世界のトップレベルにします。
○ 市内で運行するバス,鉄道の交通事業者等の連携によりネットワークを構築し,早期に施
策を実施します。
○ 観光地交通や公共交通不便地域などの時期的・地域的問題への対策を強化します。
○ 状況に応じて進化しながら公共交通の利便性向上を継続的に推進するため,関係者が連携
し続けることが可能な組織体制を整備します。
2.歩いて楽しい暮らしを大切にするライフスタイルへの転換
<「歩くまち・京都」総合交通戦略の「ライフスタイル」の取組>
○ 京都市の都市・交通政策における全ての行動規範となるものとして,
「『歩くまち・京都』憲章」
の普及・啓発を強力に推進します。
○ 歩いて楽しい暮らしを大切にする動機付けのための情報と,公共交通を利用する際に必要
となる情報を,利用者の視点に立って的確に提供します。
○ ライフスタイルの転換を一人ひとりに促すため,自らの行動を振り返り,行動をどのよう
に変えるか考えるきっかけとなるコミュニケーションを実施することにより,市民の皆様と
一体となって過度な自動車利用の抑制を推進します。
○ 買い物,通勤,通学,観光など交通の目的と対象を区分しながら,交通行動を考える機会
の拡大を図ります。
2
京都市自動車環境対策計画
12 の 施 策
計画では,「自動車とかしこくつきあうまち」及び「エコカーへの転換が進むまち」の2つの
視点から,12 の施策を掲げて,具体的な取組を進めます。
視点2 自動車とかしこくつきあうまち
■「クルマに頼りすぎない暮らし」を市民一人ひとりに呼びかけます。
■ エコカーによるカーシェアリングが一般的になるよう,普及を進めます。
■ エコドライブが常識になるよう,環境にやさしい,ひとにやさしい運転意識の向上を図
ります。
【進ちょく指標・目標】
進ちょく指標
市内自家用自動車保有台数
目標値
8%削減,47.
5万台
カーシェアリング拠点数
京エコドライバーズ宣言者数
現状値
※
51.
2万台【2009年度】
330箇所
91箇所【2010年度】
新たに毎年2万人以上
7.
1万人【2010年度】
※ 2008 年実績値 51.6 万台から8%削減した台数
1.効率的な自動車の利用(重点施策)
市街地への車の乗り入れを抑制し,市内の交通渋滞を緩和する手法として有効な「パークア
ンドライド」の取組を進めます。また,タクシーの空車走行を減らす効果的な取組を進めると
ともに,レンタカーの利用やカーシェアリングの利用を促進するなど,効率的な自動車利用を
推進し,公共交通機関の利用拡大につなげます。
1-1.パークアンドライドの充実
パークアンドライド駐車場の設置箇所の拡大等取組の充実を図り,近隣自治体とも協力し
て実施します。
パークアンドライドを効果的に進めていくため,ITS(高度道路交通システム)技術を
活用した駐車場情報の提供などを検討します。
1-2.タクシー交通の位置付けの明確化と効果的な活用の検討
タクシー駐停車マナーの向上や大量の空車タクシーの走行による環境負荷低減に向けた方
策を検討します。
1-3.EVタクシー共同配車システムの構築
むだな燃料(電池)消費と交通渋滞につながる空車タクシーの走行台数を減らすため,ス
マートフォン等(携帯電話,タブレット等)の情報端末を活用したEVタクシー共同配車
システムの導入実験に協力します。
EVタクシーの待機場所として,既存駐車場の有効活用を検討します。
3
2.自動車の共同利用の促進(重点施策)
カーシェアリングは,車を個人で所有するのではなく,複数の人が共同で,必要なときに必
要な人が利用する仕組みですが,市民や事業者にはまだ十分認知されていません。
今後,カーシェアリングの取組の周知を行なうとともに,マンションや自治会などの地域で
の取組やホテル・旅館と連携して,公共交通が乏しい地域にある観光地での活用など普及・促
進を図ります。また,環境にやさしい電気自動車等のエコカーを活用した共同利用の促進を図
ります。
自転車の共同利用については,「歩くまち・京都」総合交通戦略及び改訂京都市自転車総合計
画と連携し検討を進めます。
2-1.自動車の共同利用(カーシェアリング・レンタカー)の普及
市民のカーシェアリングやレンタカー利用への理解を促進し,普及に努めます。
カーシェアリングの拠点として,既存駐車場の有効活用を検討します。
市役所内での庁内カーシェアリングの率先実行を進めます。
2-2.マンション等共同住宅・地域での共同利用(カーシェアリング・レンタカー)の普及促進
市内中心部でのカーシェアリングを検討します。
マンション等の集合住宅でのカーシェアリングを促進します。
自治会やコミュニティー等の地域でのカーシェアリングを促進します。
ビジネス街での複数の事業者間のカーシェアリングを促進します。
2-3.エコカーの共同利用の促進
自動車の共同利用(カーシェアリング,レンタカー)のエコカー化を推進します。
EVの共同利用モデル事業を民間のビジネスモデルとして確立します。
2-4.ホテル・旅館等,観光地と連携したEV利活用システムの構築
「京都Eco観光EVカーシェアリング」
ホテル・旅館,大型デパート,タクシー事業者,レンタカー事業者及び旅行代理店等と
連携し,公共交通が乏しい地域にある観光地などで,京都の環境をアピールする「京都
Eco 観光EVカーシェアリング」を検討します。
2-5.自転車の利用と共同利用の促進
「歩くまち・京都」総合交通戦略及び改訂京都市自転車総合計画と連携し検討を進めます。
市民カーシェアリングの実施風景
4
京都市自動車環境対策計画
3.物流の効率化
物流業務の総合化及び効率化を促進するため,物流拠点の集約化及び配送ネットワークの合
理化を進めます。
また,自家用貨物車は一般的に,自社の荷物のみを運ぶため,営業用貨物車に比べ積載効率
が低く,輸送量の割合に比べ輸送台数が多く,効率の低い配送が行われていると考えられるこ
とから,事業者間での共同配送システムの構築や計画的な配送を進め,物流の効率化を図ります。
3-1.共同配送の推進(インテリジェント物流システムの構築)
自家用貨物から営業用貨物への転換と共同配送の仕組みづくりを検討します。
大口輸送と小口輸送を1台の車で運ぶ共同配送の実証実験等を検討します。
IT,マイクロチップやICタグ,GPSによる位置情報や発着情報などの貨物情報の共
有化・システム化による物流の管理と効率化などの技術開発・対策を推進します。
環境にやさしい事業活動を展開する企業間での共同配送システムを構築するため「京都市
都心部(まちなか)グリーン配送推進協議会」の取組内容の充実を図り,都市内物流の効
率化を検討します。
3-2.計画的な集配,最適な物流単位での配送等の推進
情報システムの活用や自家用貨物車から営業用貨物車への転換を進めます
効率的で環境負荷の少ない配送を目指して,配送ルート,配送方法,配送計画の見直しに
よる効率化を検討します。
梱包を小さくすることや商品の組み合わせによる積載の効率化等を検討します。
3-3.貨物車の荷捌きの適正化
商業店舗,住居への端末輸送等を担う小型トラックがわかりやすく利用しやすい荷捌き施
設の確保と駐車誘導方策を実施します。
荷捌き円滑化と走行環境改善の実現を目指します。
荷捌き場としてまちなかの駐車場を活用することを検討します。
3-4.物流におけるモーダルシフトの推進
中長距離の幹線輸送におけるエネルギー効率の高い鉄道へのモーダルシフトを促進しま
す。
鉄道によるモーダルシフトを推進するため,鉄道事業者と大手配送業者との共同実験の実
施などを検討する。
5
4.エコドライブの推進(重点施策)
燃料消費量が少なく環境にやさしい運転方法であるエコドライブを,
「京エコドライバーズ」
登録事業,
「エコドライブ推進事業所」登録事業を通して普及を進めます。
具体的には,市民(一般ドライバー)やトラック・バス運転者(プロドライバー)が実際に
運転してエコドライブを体験する「エコドライブ教室」や「エコドライブ支援装置」を活用し
た診断・アドバイス等を行うなど,より効果的な普及拡大を進めます。
また,市民,事業者のエコドライブの実践による効果の定量把握など,取組の充実を図ります。
4-1.エコドライブの普及促進
京・エコドライバーズ宣言の登録者を増やしエコドライブを推進します。 エコドライブ推進事業所の登録事業者を増やしエコドライブを推進します。
4-2.エコドライブの実践
エコドライブ教室(実車・同乗体験等)を実施します。
自動車教習所協会と連携して,エコドライブの実車研修及び免許取得時等での講習を実施
します。
エコドライブの実践による効果の定量把握方法を検討する。
エコドライブ教室の実施風景
5.高度道路交通システム(ITS)の実用化
「安全」
「快適」「環境配慮」の3つの観点から,慢性的な渋滞の緩和や交通事故低減等の自動
車交通における課題を解決するため,関連行政機関と協力し,京都市に適したITSの導入を
検討します。
配送車の運行管理を行うシステム開発,交通需要に応じた信号管理システムの採用の検討,
目的地への経路案内による市内での無駄な運転を減らすためのナビゲーションシステムなど,
渋滞を起こさないような道路交通システムの実用化を図ります。
5-1.車のインテリジェント化による交通安全,環境負荷軽減
ナビゲーションシステムの高度化を進めるため,情報発信に努めます。
配送車の運行管理システムの採用による効率化の実証実験等を検討します。
昼夜や平日祝日等の交通需要に応じた信号管理システムの研究をさらに進めるよう関連行
政機関と協力するとともに,国に要望します。
5-2.情報サービスの提供と通信インフラの整備促進
充電設備の位置や利用情報など,EV用充電インフラ情報の充実を図ります。
目的地周辺における最新の観光情報の提供や到着場所における渋滞予測情報等のカーナビ
情報システムの技術開発に関係団体と協力して進めます。
6
京都市自動車環境対策計画
視点3 エコカーへの転換が進むまち
■ 低公害・低燃費車,EV・PHVの普及を進め,エコカー中心のまちづくりを進めます。
■ 大型車両等については,石油に代わる環境にやさしい燃料の利用を進めます。
【進ちょく指標・目標】
進ちょく指標
京都市環境保全
基準達成率
目標値
二酸化窒素
エコカー普及台数
120,
000台
EV・PHV普及台数
EV充電設備
設置数
100%
0%【2009年度】
(国の環境基準である
0.06ppm以下 は100%達成)
9,
483台【2009年度】※
60,
000台
130台【2010年度】
60基
10基【2010年度】
1,
000基
96基【2010年度】
急速充電設備
200V充電設備
現状値
※EV,PHV,HV,NGV,FCEV,クリーンディーゼル自動車の合計台数
6.自動車排ガス等対策の推進(重点施策)
大気汚染防止法等によって,自動車の排出ガス規制基準は順次強化が図られてきました。現在,
世界最高水準の厳しい規制である「ポスト新長期規制(平成 20 年3月)」が,平成 21 年 10 月
から新車のディーゼル車等に適用され,ディーゼル車は従来の「平成 17 年度排出ガス規制(新
長期規制)
」に比べて窒素酸化物(NOx)を 40 ∼ 65%,粒子状物質(PM)を 53 ∼ 64%も
低減することが定められました。
また,地球温暖化対策の推進のため,自動車からのCO2排出量を削減することが重要な課
題であり,「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)
」の改正に伴い,省エネ法で
定める燃費基準値が車両重量に応じて定められ,基準に対し5%以上,10%以上,15%以上,
20%以上,25%以上を達成している自動車について,それぞれステッカーによる車体表示を行
うことにより,自動車の燃費性能が容易に判るようになっています。
京都市は,排出ガス規制の強化の早期実施及び微小粒子状物質(PM2.5)に関する自動車
排ガスの寄与の把握や課題調査等,国に対する規制強化や自動車メーカーへの技術開発の推進
を働きかけていくとともに,京都市独自の対策として,荷主が環境負荷の少ないトラック等を
優先利用することにより環境対応車への転換を促す誘導策を検討します。
6-1.自動車排ガス規制(排出ガス防止性能維持)
国に対して,規制強化に係る要望を行います。
自動車メーカーに対し,車からの環境負荷低減に向けた,技術開発に係る働きかけを行い
ます。
微小粒子状物質(PM2.5)の濃度把握とその対策に関する調査研究を進めます。
7
6-2.京都市内を走行するトラック,バスの環境対応車への転換促進
京都市内を走行するトラック・バスについては,NOx及びPMの排出が一定基準より少
ない車を京都市認定の環境対応車と定め,その転換を促進する誘導策を検討します。
6-3.点検整備等の徹底
自動車の適正な点検・整備を通じて,自動車の安全を確保し,公害の防止及び環境の保全
を図るため,定期点検整備の実施の普及・徹底を行います。
7.エコカー利活用の促進(重点施策)
これまでの自動車の主な燃費対策や公害対策は,内燃機関(エンジン)自体の効率化,低公
害化によるところが主でしたが,近年ではガソリン車の燃費向上とともにハイブリッド車やE
V・PHVなどの環境により配慮したエコカーの普及が目覚しくなっています。
低炭素社会と公害のないまちを目指すため,自動車の需要側と供給側の双方から,低公害・
低燃費で環境負荷の小さいエコカーへの転換を促進します。
7-1.特定事業者の新車購入時に対する一定割合以上のエコカー導入義務化
京都市地球温暖化対策条例に基づく特定事業者に対して,事業用の自動車を購入(リース
を含む)する際に,一定割合以上をエコカーとすることを義務付けます。
7-2.自動車販売業者に対するエコカー販売実績の報告の義務化
自動車販売業者の自動車環境情報の説明義務,エコカー販売努力義務の履行に伴う成果の
一つとしてエコカー販売状況の報告を求めます。
7-3.市役所(市バス・公用車)における低公害車・低燃費車の導入促進
低公害,低燃費の公用車導入のため,排気ガス性能基準及び燃費基準を定めた「公用車の
購入等に係る車種選定要綱」(平成20年7月制定)により,公用車のエコカー導入を引
き続き進めます。
7-4.トラック,バスのエコカー化の推進
トラック・バス事業者にエコカー導入計画の立案を求め,エコカーの導入を進めます。
トラック,バスへのエコカー導入を促進するため,補助等の必要な措置を行います。
7-5.市域におけるエコカーの導入を進めるための普及啓発
市民の方にエコカーを利用していただける機会を増やします。
8
京都市自動車環境対策計画
8.EV・PHV等の導入促進(重点施策)
電気自動車は,走行時の大気汚染物質及びCO2排出量がゼロになるという利点がありますが,
走行に必要な電池容量が限られており,ガソリン車などに比べると現段階では走行距離に限界があ
ります。しかしながら,市内での走行には十分対応が可能と考えられ,今後,移動距離や荷物の積
載可能量等を考慮し,利用地域に応じた導入促進を図ります。
8-1.EVタクシー・EVレンタカーの普及促進(事業者へのEV・PHV導入補助)
タクシーの年間走行距離は一般車に比べ長いため,特にEV化を進めます。
カーシェアリングやレンタカーへのEV・PHV導入を促進するため,補助等の必要な措
置を行います。
8-2.事業者のEV・PHV等新車導入計画の提出
事業者に対して,EV・PHV等新車導入計画の策定を求め,これに基づいて進ちょく管
理を行います。
8-3.事業者のEV・PHV等導入融資(京都市環境保全融資)
中小企業向けに,環境への負荷を低減するため,EV,PHV,NGV等低公害車を導入
するための購入資金融資制度の運用を進めます。
9.EV・PHV用充電インフラ整備(重点施策)
市民や事業者がEV・PHVを利用する際に,充電に
対して安心感を持てるよう,充電設備の設置網を広げて
いきます。また,既に進めている太陽光発電によるEV・
PHV用充電設備の設置等を促進するなど,より一層,
再生可能エネルギーの活用を進めます。
太陽光発電・蓄電機能付充電設備
【京都市体育館(西京極)
】
9-1.自宅(マンション等)や事業所などのEV等保管場所での充電設備整備促進
EV・PHVの保管場所等で基礎充電のために必要な充電設備の整備の普及促進に努めま
す。
9
9-2.大規模小売店舗,コンビニ,有料駐車場 , 等での充電設備整備促進
大規模・中規模量販店やコンビニ等の市民が多く
立ち寄る施設に対し充電設備の普及促進に努めま
す。
ガソリンスタンド,自動車販売店,有料駐車場等
の自動車関連施設に対し充電設備の設置を促進し
ます。
主要な幹線道路には,大規模・中規模量販店,コ
ンビニ,ガソリンスタンド,自動車販売店等にお
いて,長期的な視点に立った急速充電設備の整備
を進めていくよう国に働きかけを行います。
急速充電設備
200V充電スタンド
【京都市体育館(西京極)】 【京エコロジーセンター】
9-3.都心部・観光地での整備促進
都心部の駐車場や公共施設,観光地には集中的に充電設備が整備されるよう誘導していき
ます。
10.次世代EV京都プロジェクトの推進(重点施策)
「次世代EV京都プロジェクト」は,車からのCO2削減をは
じめとする環境にやさしい車の利用を進めるため,民間のノウ
ハウを積極的に取り入れ,市民,事業者と京都市が共同して地
球温暖化対策を進めていくという趣旨や目的に賛同していただ
ける企業と連携して技術開発を進めます。計画では,京都市に
ふさわしい環境対応車の技術開発や普及促進に必要な下記項目
について,技術的検討を共同して実施していくこととします。
平成 22 年度「EV バス運行に関する実証実験」
10-1.充電設備利用の予約,利用情報,利用履歴等の情報の高度化に向けた技術開発と実証実験
国が実施するカーナビによる充電設備の位置や利用状況及び周辺の観光や買い物情報など
が得られるような情報システム開発の共同実験を行います。
10-2.EVバスの実用化に向けた技術開発
国が実施するEVバスに関する実証実験に対して,積極的に京都市の施設や実験場所を提
供し,路線バスとして計画可能な走行距離,効果的な充電方法など本格実用を目指した共
同実験を行います。
10-3.高度道路交通システムの技術開発
EVバス車内における目的地到着予定時刻案内,乗継ぎ案内等の交通情報や目的地周辺の
最新の観光情報を提供するなどの情報通信システムの開発のための共同実験を行います。
10
京都市自動車環境対策計画
11.環境にやさしい自動車燃料の普及策の検討
エコカーへの転換を進めると共に,トラックやバスなどの大型自動車については,ガソリン
や軽油等の石油系燃料から,エネルギーの多様化と環境への対応のため,より環境にやさしい,
天然ガスやバイオマス,石炭等を原料とする合成燃料〔DME(ジメチルエーテル) ,GTL
(ガス液化油),CTL(石炭液化油),BTL(バイオマス液化油)等〕への転換やBDF(バ
イオディーゼル燃料)の利用を進めるなどの施策を検討します。
京都市では,ごみ収集車や市バスには,地産地消のエネルギーとして,BDFを利用してい
ますが,今後,より広く一般車への普及を図るため,品確法(揮発油等の品質の確保等に関す
る法律)で認められた混合率でのBDFやバイオエタノール燃料の利用を広める方策を検討し
ます。
また,早期に,低炭素社会を実現するには,燃料の採掘(製造)から車両による消費までの
ライフサイクルで軽油より,CO2 排出量が少ない燃料の導入が重要です。このため,石炭,
天然ガス等の非石油系エネルギーを液化して利用したり,バイオマス,ジメチルエーテル(D
ME)の利用等の検討を進めます。
11-1.CNG(天然ガス)スタンドのより一層の普及の検討
NGV(天然ガス自動車)の需要拡大にはCNGスタンドの計画的な整備が必要であり,
より一層の普及を進めていく方策を検討します。
11-2.FCEV(燃料電池自動車)の普及策の検討
燃料電池自動車の開発が進み,量産化の動きがありますが,普及には燃料となる水素供給
インフラ整備が不可欠です。このため,天然ガスステーションの拡大・普及を図るととも
に,天然ガスから水素ガスに転換利用する方向,水素ガスステーションからの直接利用す
る方向を検討します。
11-3.BDF(バイオディーゼル燃料)の普及策の検討
BDFは軽油代替燃料として,また,環境負荷軽減の効果がありますが,品質保証のしく
み,価格面での改善を考慮した上で,特にトラック,バス等の大型車両での利用を検討し
ていきます。
BDFを混合した軽油の安定した供給体制(販売網)の整備を検討します。
京都市廃食用油燃料化施設
11-4.バイオエタノール燃料の普及策の検討
品確法で規定されたE3(エタノール3%混合ガソリン)及び規格化に向けて検討が進め
られているE10(エタノール10%混合ガソリン)等のバイオエタノール燃料の普及に
向けた検討を行います。
11
11-5.DME(ジメチルエーテル) ,GTL(ガス液化油),CTL(石炭液化油),BTL(バ
イオマス液化油)等合成燃料の普及策の検討
各種合成燃料の開発や実証実験等を踏まえたうえでその利用方法の検討を進めます。
12.騒音及び振動対策
自動車の騒音対策は,道路の遮音対策と共に,自動車のエンジン音や排気音に対する規制が
行われてきました。ヨーロッパ連合諸国(EU)では,これに加え,タイヤ単体からの発生音
に対する規制も実施され,現在その強化に向けた作業が行われています。
このことから,京都市においても,こうした対策を進めることができるよう,国に対しタイ
ヤ騒音規制の導入を求めます。
12-1.道路構造対策(高機能舗装の実施・遮音壁等の設置)
騒音基準が達成されていない路線区間において,騒音の状況や沿道住居等の立地条件を踏
まえた高機能舗装等や遮音壁等の対策の実施を進めます。
12-2.タイヤ騒音規制の導入
タイヤ騒音規制の導入の早期実現を国に働きかけます。
12
京都市自動車環境対策計画
進 ち ょ く 指 標 と 目 標 値
8つの進ちょく指標と目標を設け,取組の推進を図り,目標達成に向けて市民・事業者に公
表し「見える化」します。
進ちょく指標
市内自家用自動車保有台数
カーシェアリング拠点数
京エコドライバーズ宣言者数
京都市環境保全
基準達成率
二酸化窒素
エコカー普及台数
EV・PHV普及台数
EV充電設備
設置数
急速充電設備
200V 充電設備
目標値
8%削減,47.5 万台
330 箇所
新たに毎年 2 万人以上
100%
120,000 台
60,000 台
60 基
1,000 基
13
クルマのかしこい利用を進める
京都市自動車環境対策計画
(2011∼2020)
∼概要版∼
平成23年8月
発行 京都市環境政策局環境企画部環境管理課
京都市印刷物 第233111号
〒604-8101 京都市中京区柳馬場通御池下る柳八幡町65番地 朝日ビル4階
TEL 075−213−0930 FAX 075−213−0922
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