当初予算の概要[PDF：2MB]

平成２７年度当初予算について
経済倶楽部（大分銀行、市内商工業者）
平成27年度当初予算額
１．予算編成に当たっての基本的な考え方
※　国の動向（地方財政への対応など）
政府は『日本再興戦略』の実行を加速化し、強化に向けた取り組みを行っています。
その中にあって、地方財政対策としては、地方が地方創生に取り組みつつ、安定的に
財政運営を行うことができるよう、平成２７年度においては、地方交付税等の一般財
源総額について、地方創生のための財源等を上乗せして、平成２６年度の水準を相当
程度上回る額を確保するとしています。
また、第三次安倍内閣としては、「ようやく掴んだデフレ脱却のチャンスを確実な
ものとするため、「日本再興戦略」を実現するための構造改革を今後とも断行する。
これによって、経済の好循環の流れを力強く回し続け、景気回復の波を全国津々浦々
の地域にまで及ばせるべく、アベノミクス成長戦略を推進する」としています。
予算編成に当たり
第２期中津市行財政改革５ヵ年計画に掲げられた取り組みを推し進めつつ、「行って
みたい、住んでみたい中津市の実現」に向け、市長公約である「住みよいまちづくり」
「地域経済の更なる活性化と産業の振興」「福祉・教育の充実」「環境対策」について
本市が直面している諸課題へ的確に対応するための予算を編成しました。
また併せて、平成２６年度３月補正においても、国の経済対策に積極的に対応するた
め事業年度の前倒しをしました。
２．予算規模等
（単位：千円、％）
平成27年度
平成26年度
差引
伸び率
41,998,809
41,095,422
903,387
2.2
○主な要因
区　分
物
差引
備　考（主な要因）
豊寿園指定管理委託料、学校給食調理配送業務委託
5,645,210
5,064,023
等
1,956,640
臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金の減、
2,291,480 △ 334,840 △ 14.6 中津市産材利用住宅促進事業補助金の増等
費
8,838,802
8,315,417
普通建設事業費
7,141,966
常備消防施設整備事業費（東部出張所建設）の減、
7,472,432 △ 330,466 △ 4.4 豊寿園建替事業費の増等
公
費
5,443,276
5,100,568
災害復旧事業費
13
扶
助
費
助
債
581,187
伸び率
費
補
件
（単位：千円、％）
平成27年度 平成26年度
523,385
342,708
11.5 料の増、学校給食臨時職員賃金の減等
6.3 認定こども園運営費、私立保育所運営費の増等
6.7 平成22年度市民病院債　一括償還分の増等
82,314 △ 82,301 △ 100.0 平成24年豪雨災害復旧費分の減
平成２７年度当初予算のテーマ
更なる
飛躍に
チャレンジ ‼
『行ってみたい、住ん
でみたい中津市の実現
に向けた予算』
３．５つの施策（公約）と平成２７年度重点施策(予算面)
コミュニティ・活力活性化対策
生活環境対策
住みよい
まちづくり
過疎対策（生活支援拠点形成など）
地域経済
の活性化
と産業の
振興
行財政改
革と健全な
財政運営
観光対策（発信と受入れ）
観光対策（きれいな街）
５つの
施策
農林畜水産業の振興（構造改革）
３Ｄプリンター
福祉・教
育の充実
自然環境
を守り育む
養護老人施設の充実
太陽光、太陽熱、ＬＥＤ化
文化教養施設の充実
有害鳥獣対策
文化財の保存整備
共通
国際化（英会話教育の充実）
教育環境（空調設備設置）
まち・ひと・しごと創生
『行ってみたい、住んでみたい中津市の実現』に向けた方策
○コミュニティ・活力活性化対策（今津校区）
○生活環境対策（本耶馬渓屋形地区飲料水確保対策）
○過疎対策（地域おこし協力隊の活用、山国地域生活支援拠点形成対策、
耶馬溪地域コミュニティバス）
○観光対策（おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーンに向けた情報
発信と観光客受入れ）
○観光対策（きれいな街づくり）
○農林畜水産業の振興（中山間地農業の活性化、循環型の森林整備、儲かる畜産業、
中津干潟のカキ養殖の規模・販路拡大）
○新技術の普及促進・産業化（３Ｄプリンター）
○福祉の充実（豊寿園建替え、児童館整備）
○文化教養施設の充実（歴史民俗資料館改修）
○文化財の保存整備（奈良時代から続く沖代条里、長者屋敷官衙遺跡等）
○国際化への対応（英会話教育の充実）
○教育環境の改善（学校施設空調設備設置）
○環境対策（太陽光、太陽熱、ＬＥＤ化）
○環境対策（有害鳥獣対策）
○「まち・ひと・しごと創生」アイデアの創造
（１）住みよいまちづくり
中津市民病院の機能強化や地域医療機関との連携による「地域医療の充実」と公共施設
耐震化や災害対応など「災害に強いまち」づくりを進めます。
●重点施策：コミュニティ・活力活性化対策
◇今津校区をモデル地区とした活力活性化事業(349万円)
●重点施策：生活環境対策
◇本耶馬渓屋形地区飲料水確保対策事業(3,000万円)
●重点施策：過疎対策（生活支援拠点形成など）
◇山国地域買い物支援センター運営事業(500万円)
◇山国社会福祉センター（仮称）整備事業(4,126万円)
◇【新規】地域おこし協力隊活動事業(3,654万円)
◇【新規】コミュニティバス運行事業〔耶馬溪地区〕(722万円)
●地域医療の充実
◇学童フッ化物洗口事業(554万円)
◇初期救急在宅当番医制事業医師会委託料(780万円)
◇二次救急病院群輪番制病院運営事業医師会委託料(3,130万円)
◇予防接種委託料(2億7,454万円)
四種混合、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、水痘、
高齢者の肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンなど
◇【新規】若人健診委託料(1,096万円)
◇子ども医療費助成事業(2億3,392万円)
◇病院事業会計負担金(1億3,249万円)…小児救急医療に要する経費ほか
◇病院事業会計補助金(1億1,506万円)…医師確保対策等に関する経費ほか
◇国民健康保険事業特別会計（直診勘定）繰出金(3,965万円)…津民・山移・槻木診療所
●災害に強いまちへ
◇浸水対策事業委託料(2,236万円)
◇緊急情報伝達施設整備事業(1,927万円)
◇学校施設非構造部材耐震化事業(559万円)
◇自主防災組織活動事業費補助金(300万円)
◇常備消防施設整備事業(3億1,219万円)
・はしご車購入、資機材購入ほか
◇非常備消防施設整備事業（4,254万円)
・消防車車庫兼詰所建設工事、消防小型動力ポンプ付積載車購入ほか
（２）地域経済の更なる活性化と産業の振興
「少人数」・「大規模」といった収益性向上のための新しい経営手法に取り組むなど
構造改革による「農林畜水産業の振興」、観光資源の再発掘、観光ルート化などによる
「観光振興」、企業誘致、産業活性化などによる「商工業の振興」を進めます。
●重点施策：観光対策（情報発信と観光客受入れ）
◇【新規】おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーンＰＲ事業費（3,068万円）
・中国、近畿圏へのテレビコマーシャル
・プロスポーツイベントでのＰＲ企画
・鱧パンフレットの製作　など
◇観光宣伝活動事業（2,673万円)
◇八面山観光振興事業（351万円）
◇中津耶馬溪観光協会補助金(1億376万円)
◇国際交流事業(680万円)
八面山
（山頂から見る冬の夜景は絶景です）
●重点施策：観光対策（きれいな街づくり）
◇公園芝管理等景観形成必要経費(9,365万円)
◇道路・農道草刈経費拡充分(1,720万円)
◇路面清掃車の運行委託費(1,400万円)
路面清掃車
◇市役所本庁舎トイレ改修工事(1,286万円)
リール式芝刈機
山国町での清掃活動では案山子のお出迎え
●重点施策：農林畜水産業の振興
◇カキ養殖振興事業(185万円)
※漁場整備などに係るカキ養殖補助金について、国の第１号補正対応事業とし、３月補正
予算に前倒しをして、事業実施します。（1,280万円）
※大分県漁業協同組合中津支店が主体となって行っている、豊かな生態系・環境に恵まれ
た中津干潟を利用したオーストラリア方式のカキ養殖の事業化に向けての経費を一部支援
（補助）します。
干潟にバッグを設置してい
るところ
◇中山間地域農業再編事業(3,780万円)
◇中山間地域等直接支払事業補助金(9,796万円)
◇【新規】畦畔管理省力化対策モデル事業補助金(25万円)
◇耕畜連携推進補助金(400万円)
◇地域振興施設（道の駅なかつ）管理事業(1,352万円)
◇なかつ６次産業創生事業(2,602万円)
◇【新規】貯木場整備事業(2,750万円)
◇中津市産材利用住宅促進事業補助金(3,000万円)
◇漁業振興指導事業補助金(2,050万円)
◇水産環境整備事業負担金（藻場造成）(1,000万円)
３Ｄプリンター試作品
●重点施策：新技術の普及促進・産業化
◇３Ｄものづくり協議会補助金(2,936万円)
※国の第１号補正対応事業とし、３月補正予算に前倒しをして、事業実施します。
●商工業の振興
◇ジョブカフェ若年者就職支援事業委託料(301万円)
◇大分県北部勤労者福祉サービスセンター補助金(1,302万円)
◇中小企業振興資金借入助成金(178万円)
◇中小企業振興資金預託金(4,000万円)
●重点施策：幹線道路の整備
◇八面山線道路改良事業（中津日田高規格道路関連）(8,320万円)
◇宮永角木線街路事業(5,255万円)
◇万田沖代線道路整備事業(4,923万円)
◇下池永西大新田線外１線道路整備事業(1,515万円)
万田沖代線 イメージ図
（３）福祉・教育の充実
地域住民との連携による地域福祉システムの確立などによる「福祉の里づくり」、郷土
の自然や歴史に親しみ、人とのつながりを育む教育の推進などによる「学びの里づくり」
と、スポーツ観光などによる「スポーツ振興・スポーツ施設の充実」を進めます。
また、沖代条里や長者屋敷官衙遺跡など、奈良・平安時代古代遺跡群の保存整備を推進
し、併せて観光資源の磨き上げにも取り組んでいきます。
●重点施策：高齢者福祉の充実
◇養護老人ホーム建設事業(5億2,024万円)
養護老人ホーム「豊寿園」 完成イメージ図
●重点施策：子育て支援施設の充実
◇児童館整備事業(1億1,627万円)
◇児童福祉施設整備事業(5,245万円)
●重点施策：文化教養施設の充実
◇新歴史民俗資料館建設事業(4,339万円)
◇学校及び幼稚園施設空調設置事業(3億9,423万円)
※豊陽・中津・東中津・今津・三光・本耶馬渓・山国中学校、
南部小学校、豊田幼稚園に今夏整備します。
●重点施策：スポーツの普及・振興
◇ケーブルウェイク運営事業(759万円)
◇中津港親水促進事業(170万円)
◇コロナ運動公園施設改修事業(3,167万円)
◇永添運動公園整備事業(3億5,330万円)
※これまで九州財務局に土地借上料を支払っていた総合運動場用地の購入費や、野球
場解体工事費及びサッカー場を主体とした改修設計委託費などです。
●重点施策：国際化への対応（英会話教育の充実）
◇英語指導助手招致事業(5,922万円)
※幼稚園…週1回1時間　○小学校…1～4年生は月1回1時間、
5～6年生は週1回1時間　○中学校…週1回1時間
◇国際化・学びの教室事業(1,306万円)
※この中で新規に、中学生を対象とした海外短期留学研修に取り組みます。
○ジュニア・グローバルリーダー育成事業〔グアム短期留学〕(249万円)
●重点施策：文化財の保存整備
◇【新規】名勝耶馬渓整備活用事業(1,297万円)
◇古代ゾーン推進事業（5,071万円）
※中津市文化財公開活用事業、長者屋敷官衙遺跡整備事業、文化財保護事業
※古代ゾーン並びに沖代条里の解説は、9頁参照
●「福祉の里」づくり
◇地域福祉活動推進事業(643万円)
◇重度心身障害者医療給付費(1億4,788万円)
◇障害者地域生活支援事業委託料(1,824万円)
◇障がい児の居場所づくり事業委託料(531万円)
◇障害福祉サービス等給付費(15億1,760万円)
◇障害者自立支援医療給付費(1億6,190万円)
◇生活保護扶助事業(20億1,695万円)
◇ひとり暮らし老人愛の訪問事業委託料(1,084万円)
◇高齢者生きがい活動支援通所事業委託料(1,580万円)
◇高齢者の生きがいと健康づくり推進事業委託料(1,560万円)
◇ひとり親家庭児童扶養手当(4億3,637万円)
◇放課後児童健全育成事業(1億1,807万円)
◇地域子育て支援拠点事業(3,128万円)
◇ファミリー・サポート・センター事業(223万円)
◇認定こども園運営費(3億2,684万円)
◇私立保育所運営費(18億4,507万円)
◇母子生活支援施設措置費(2,920万円)
◇一時預かり事業費補助金(2,088万円)
◇延長保育促進事業費補助金(8,340万円)
◇児童手当給付金(15億6,083万円)
◇保育所施設整備補助金(3億8,201万円)
●「学びの里」づくり
◇学び合いのある授業づくり(講師招聘費、先進地視察)(210万円)
◇学校図書館嘱託職員(司書)報酬(3,264万円)
◇特別支援教育補助員設置事業(報酬)(6,240万円)
◇学力向上学習補助員設置事業(報酬)(1,286万円)
◇適応指導教室事業(433万円)
◇学校用パソコンリース料及び運用支援委託料(8,851万円)
◇タブレット端末導入(2,261万円)
◇要・準要保護児童生徒援助費(4,876万円)
◇幼稚園預かり保育員配置(2,897万円)
◇私立幼稚園就園奨励費補助金(5,997万円)
◇地域協育振興プラン推進事業補助金(1,800万円)
◇アーカイブズ講座開催事業(343万円)
◇文化財保護事業(627万円)
●スポーツ振興・その他のスポーツ施設の充実
◇中津市スポーツ・福祉・文化等大会開催補助金(500万円)
◇中津市体育協会補助金(2,535万円)
◇中津市中学校体育連盟補助金(1,380万円)
◇中津市総合体育館管理事業(5,403万円)
◇【新規】大貞総合運動公園野球場完成記念事業(234万円)
（４）中津の自然環境を守り育み　よりよい未来を築く
ごみの減量化、太陽光エネルギーの利用などによる「自然環境との調和」と城下町の
歴史と風情を残したまちづくりや名勝耶馬渓再生事業などによる「未来へ引き継ぐ景観
づくりの推進」を進めます。
●重点施策：環境対策
◇太陽熱温水器設置工事（深耶馬温泉館（もみじの湯）整備事業）(4,097万円)
◇太陽光発電システム設置補助金(2,500万円)
※太陽光パネル設置補助
※【新規】定置式リチウムイオン蓄電池設置補助（太陽光パネルが設置されている、
又は、同時に設置することが条件です。（同時補助可：上限20万円））
◇道の駅なかつ太陽光発電設備設置事業(4,300万円)
◇ＬＥＤ街路灯整備(1,330万円)
●重点施策：有害鳥獣被害対策
◇有害鳥獣捕獲奨励金(4,129万円)
◇有害鳥獣被害対策関係事業費補助金(2,267万円)
◇鳥獣害防止総合支援事業補助金(192万円)
●未来へ引き継ぐ景観づくりの推進
◇景観形成補助金(1,000万円)
◇名勝耶馬渓景観再生事業(265万円)
◇【新規】南部まちなみ再生事業(341万円)
（５）行財政改革の推進と健全な財政運営
確固とした行財政改革の推進に取り組みます。
●行財政改革の推進
◇第２期中津市行財政改革５ヵ年計画に掲げられた施策を総合的かつ計画的に推進し
ていきます。
・自主財源の確保（市税等の滞納整理の強化、市有財産の有効活用など）
・経常経費の削減（人件費や物件費の経常経費の抑制）
・起債管理の適正化　など
（６）共通
●地方創生
◇地方からの「まち・ひと・しごと創生」アイデアの創造に積極的に取り組みます。
※国の第１号補正予算に対応し、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」対応事業を、
３月補正予算に前倒しをして、取り組みます。
●大学連携
◇大学相互協力事業費(49万円)
古代ゾーンとは・・
県道万田四日市線は古代の官道（公の
道）です。相原～永添～大幡では、古代
官道沿いに奈良・平安時代の古代遺跡が
集中して分布しており、中津市ではこの
一帯を古代ゾーンと位置付けています。
いずれの遺跡も町の中に当時のまま
残っていることが最大の特徴です。
◎長者屋敷官衙遺跡
→古代下毛郡衙正倉（米蔵）
◎相原廃寺
→九州初期の白鳳寺院
◎相原山首遺跡（風の丘）
→豪族の墳墓群
◎古代官道
→古代のメインストリート
◎沖代条里
→古代から続く水田
◎薦神社
→古代の池・宇佐神宮の租宮
◎大井手堰・鶴市神社
→条里水田の水口と
水田にまつわる神社
「私たちは古代が息づくまちに住んでいる」
中津市では、市民が古代遺跡が生きる町に住むこと
を体感し、地域に誇りを持ってもらえるよう、古代
ゾーン一帯の整備活用に取り組んでいます。
沖代地区条里跡（沖代条里）とは・・
「条里」とは、古代から中世にかけて行われ
た土地区画制度のことで、土地を約109m四方の
正方形（坪）に整理することで、効率よく安定
した米の収穫を得ることができました。条里は
古代社会の重要な経済拠点でした。
中津市の沖代平野を空から見ると、土地が正
方形に区画されているのがわかります。近代の
土地区画ではなく、古代に整備された水田なの
です。
全国的に条里水田は姿を消していく中、圃場
整備もうけず、古代のままの水田景観を残す沖
代条里は貴重な文化財であるといえます。中津
市では未来に条里水田を伝えるため、価値の周
知に努め、保存の方策を検討しています。
１坪