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平行四辺形の面積の公式を作ろう(PDF:232KB)
第5学年 算数科単元プラン 指導者 由布川小学校 T1 和田 巧 T2 松井 巳美 T3 阿部 幸一 1.単元名 「図形の面積」 2.単元目標 ・図形を分解したり、合成したりする具体的な操作(等積変形や倍積変形)を通して、基本的な面積の求め方を考 えようとする。 〔算数的活動〕 (1)イ ・平行四辺形、三角形、台形、ひし形の面積を求めることができる。B(1)ア ・求積の公式に関連して、平行四辺形や三角形の底辺・高さ、台形の上底・下底・高さの意味を理解する。B(1)ア 3.指導の立場 これまで、子どもたちは4年生で、面積について基本単位(㎠・㎡・㎢)について知り、正方形と長方形の面積を計 算によって求めることを学習している。 本単元では、平行四辺形、三角形、台形、ひし形の面積を、既習の求積可能な図形の面積の求め方を基に考え、公式 をつくり出し、それを用いて面積を求めることができるようにすることが主なねらいである。特に、求積のためにどの 部分の長さを測る必要があるのかを考え、 「底辺」と、底辺に対して垂直な直線をひかないと見えてこない「高さ」を見 つけることが重要である。また、既習の図形の面積の求め方をもとに、具体物を操作したり、その過程を言葉や式を使 って説明する算数的活動も大切である。 レディネステストでは、 1㎠のマス目を使った等積変形と、 長方形のたてと横の長さを測定して面積を求める問題は、 9割以上の正答率であったが、複合図形の求積は、7割程度となっている。9月に実施した「由布市算数科合同テスト」 では、体積の問題において、単純に「たて×横×高さ」で求められる直方体の体積の正答率は95、8%と高かった。 しかし、たて・横・高さの長さの単位がそろっていない直方体の体積では、43,1%と大きく低下している。その理 由を詳しく見ると、 長さの単位をそろえず与えられたス地をそのまま使って計算した子が27%と多い。 このことから、 公式は定着しているが、公式を使うために必要な部分の測定の測定に課題があると考えられる。また、6年生の基礎基 本定着状況調査でも、平行四辺形の求積に必要な部分の選択ができず、本校の正答率は76%である。このことから、 等積変形や陪積変形をして求めた面積から、公式をつくり出す過程において、必要な部分の選択・測定を確実に身につ けさせたい。そのためには、求積のためにどの部分の長さを測る必要があるのかを大切にした学習過程を組んでいくこ とにする。 4.指導計画 時 平行四辺形 1 の面積 2 (本時) 3 三角形の面 4 積 5 学習活動及び内容 おもな評価基準 ○平行四辺形の面積の求め方を考 ・平行四辺形の面積を等積変形の考えを使って、長方形 える。 にして求める方法を考えている。 (考) ◆<算数的活動>平行四辺形を等積 変形して面積を求め、説明する。 ○平行四辺形の面積を求める公式 ・平行四辺形の面積を求めるために必要な長さはどこか をつくる。 を考えている(考) ・平行四辺形の求積公式の意味を理解している(知) ○高さが外側にある平行四辺形の ・平行四辺形では、底辺と高さが変わらなければ面積が 面積を求める。 同じであることを理解している。 (知) ○平行四辺形の面積と、底辺と高さ ・平行四辺形で、底辺の長さが一定で高さが変わったと の関係について考える。 きの面積の変わり方について考えている(考) ○三角形の面積の求め方を考える。 ・平行四辺形や長方形に等積変形や倍積変形して、平行 ◆<算数的活動>三角形を既習の図 四辺形の面積の求め方を考えている。 (考) 形を基にして変形して面積を求 ・三角形の求積公式の意味を理解している。 (知) め、説明する。 ○三角形の面積を求める公式をつ ・三角形の面積を求めるために必要な長さはどこかを考 1 6 7 いろいろな 8 図形の面積 9 10 11 12 まとめ 13 14 くる。 えている。 ○高さが外側にある三角形の面積 を求める。 ○三角形の面積と、底辺の高さの関 係について考える。 ○台形の面積の求め方を考える。 ◆<算数的活動>台形を既習の図形 を基にして変形して面積を求め、 説明する。 ○台形の面積を求める公式をつく る。 ・三角形では、底辺と高さが変わらなければ面積が同じ であることを理解している。 (知) ・三角形で、底辺と面積がわかっているときの高さの求 め方を考えている。 (考) ・台形の面積の求め方を、倍積変形や分割により三角形 や平行四辺形に変形して考えている。 (考) ・台形の面積を求めるために必要な長さはどこかを考え ている。 (考) ・ひし形の求積公式の意味を理解している。 (知) ○ひし形の面積の求め方を考える。 ・ひし形の面積の求め方を、分割やひし形を囲む長方形 ○ひし形の面積を求める公式をつ に変形する方法で考えている。 (考) くる。 ・ひし形の求積公式の意味を理解している。 (知) ◆<算数的活動>ひし形を既習の図 形を基にして変形して面積を求 め、説明する。 ○一般四角形の面積の求め方を考 ・一般四角形の面積を、三角形に分割してその和として える。 とらえている。 (考) ○方眼を使って不定形の面積を求 ・不定形な図形の面積について、方眼の眼の数で概算す める。 る方法を理解している。 (知) ○「たしカメぽいんと」の取り組み、学習内容についての理解を確かなものにする。 5.板書計画 問題 ○ 平行四辺形の面積の求める 公式をつくろう 課題 ○ 公式をつくるには、平行四辺形の どこの長さをはかればよいだろう。 平行四辺形の面積=底辺×高さ 4cm 4cm 4cm 28(㎠) 一つの辺 平行四辺形の面積 練習 ○ 7cm 7cm たて×横 4×7=28(㎠) 5cm ま とめ ○ 垂直な直線 平行な辺の間 = 底辺 × 高さ 28(㎠) 7× 4 = 5×5、6= 7cm ななめ×横ではない! 5×7=35(㎠) <測定用の平行四辺形> 4㎝ 5㎝ 5、6㎝ 7㎝ 2 28㎠ 28㎠ 6×3=18㎠ 4×4、5=18㎠ 6.本時案(2時間目) (1)題目 平行四辺形の面積の公式 (2)主眼 平行四辺形の面積を、長方形に等積変形するときのたてと横の辺に着目し、平行になっている間にひける 垂直な直線(高さ)を見つけることによって、公式にして計算で求めることができる。 (3)展開(45分) 学習活動 時 指導・支援 評価 1.問題文を読み、学 5 ○前時で使った平行四辺形の等積変形の図を使って学習を振り返 習課題を確認す り、平行四辺形の面積は28㎠だったことを確認する。 る。 ○本時の問題文「平行四辺形の面積を求める公式をつくろう。 」を 提示する。 ○長方形と同じように考えて、 「ななめ×横」の計算では、5×7 =35㎠になることから、この公式が成り立たないことを確認 し、課題を提示する。 公式をつくるには、平行四辺形のどこの長さをはかればよいのだろう。 2.ワークシートに、 7 測る場所を書き込 む。 3.測った場所を発表 し、「底辺」と「高 23 さ」の関係をつか ⑬ み、公式化する。 ○ワークシートを配り、測る場所に線を引いて長さを測り、発表で きるように、測った場所の理由もノートに書かせる。 ○斜線や対角線を選んでいる子や見つからない子は、T2・3の指導 者が前時のノートを振り返らせ、方眼入りの平行四辺形を使っ て、長方形にした時のどの部分がたてと横なのかを見つけさせ る。 ○高さの場所の横位置が違う2人の考え選び説明させる。このと き、前時の等積変形の図を使うようにさせる。また、測った場所 に色を付けて共通点と違いを見えやすくしておく。 前時の長方形を もとに、測る場 所を見つけ、そ の理由が書けて いるか。 7×4=28㎠ (底辺を入れ替えた 場合) ⑩ 4.平行四辺形の面積 3 の公式をまとめる。 5.練習問題を行う 7 ○どちらも7cm は同じ辺であることを確認し、高さの位置の違い に目を向けさせ、 (高さ)の線は、 (底辺)に対して垂直であるこ と、向かい合った平行な辺との間ならどこでもよいことをおさえ る。また、 「高さ」がイメージできるように、段ボールの断面を 使って補足する。 ○「底辺」 、 「高さ」の用語を知らせ、平行四辺形の面積は、 「底辺 ×高さ」であることを確認する。 ○同じ平行四辺形の図の斜辺を底辺にした時の高さを考えさせ、回 転させればよいことに気づかせた後、ワークシートで高さを見つ けさせる。 ○T2・T3は、垂直を書いた透明シートで、高さが垂直になってい るかを確認する。 ○高さの場所を説明させ、 ①向きを変えても同じ面積になること ②高さの位置で切れば、前時と同じ長 方形になることを確認し、どちらを 底辺にしても求められることを知らせる。 5×5、6=28㎠ ○平行四辺形の面積の公式を入れて、学習したことの中で大事だと 思うことを自分の言葉でまとめさせる。板書には「平行四辺形の 面積=底辺×高さ」だけをまとめとして書いておく。 ○底辺を指定した練習問題を行う。 6×3=18㎠ 3 4×4、5=18㎠ 垂直を使って高 さを見つけてい るか。 平行四辺形の面 積の公式が書け ているか。 高さを見つけら れたか。