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Title 蛋白質のフォールディング反応 Author(s) 後藤, 祐児
Title Author(s) Citation Issue Date 蛋白質のフォールディング反応 後藤, 祐児 大阪大学低温センターだより. 104 P.1-P.9 1998-10 Text Version publisher URL http://hdl.handle.net/11094/5068 DOI Rights Osaka University 研 究 ノー ト タ ンパ ク質 の フ ォ ール デ ィ ン グ反 応 蛋 1.は じめ に タ ン パ ク質 のX線 結 晶 構 造 を見 る と 「よ くも ポ リペ プ チ ド鎖 が もつ れ る こ と も な く、 見 事 な 立 体 構 造 に フ ォ ー ル デ ィ ソ グ して い る もの だ 」 と 感 心 す る(図1)。 teinFolding)は 折 り紙(PaperFolding)に タ ソ パ ク 質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応(Pr(y 例 え ら れ る 。 共 に 、 広 が っ た 自 由度 の 高 い 状 態 か ら 、 コ ン パ ク トで ユ ニ ー ク な 立 体 構 造 が構 築 され る。 しか も、 小 さ な 球 状 タ ン パ ク質 で あ れ ば 、 この 過 程 は 可 逆 で あ る 。 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ反 応 に 必 要 な 情 報 は 、 タ ソ パ ク質 の ア ミ ノ酸 配 列 に 全 て 含 ま れ て い る。 折 り 紙 は"ひ との で に よ っ て 折 ら れ る が 、 タ ン パ ク質 折 り紙 は"ひ と りで"に 折 られ る 。 そ の し くみ は い ま だ 、 な ぞ で あ る。 タ ンパ ク質 の 立 体 構 造 や 機 能 を理 解 す る た め は 、 タ ンパ ク質 折 り紙 の な ぞ を 解 くこ と が 必 要 で あ る 。 私 た ち は 、 牛 乳 に 多 く含 ま れ る β ラ ク ト グ ロ プ リ ン を 材 料 と して 、 フ ォ ー ル デ ィ ン グ 反応 のなぞ解 きを試 み てい る。 カルボ キシル末端 斗. β一シ ー ト 〆 \ 嵐ろ .を 舎 ア ミノ末端 α一 ヘ リ ック ス 図1:β ラ ク ト グ ロブ リソ の 立 体 構 造 の 模 式 図 。 左 上 は 空 間 充 填 モ デ ル 、 右 上 は 針 金 モ デ ル 、 下 は リ ボ ソモ デ ル で 表 示 した も の 。 ネ イ テ ィ ブ構 造 で は 、 ポ リペ プ チ ド鎖 が最 密 充 填 に 匹 敵 す る コ ソ パ ク トさ に フ ォ ー ル デ ィ ン グ して い る。 リボ ン モ デ ル で は ポ リペ プ チ ド鎖 が フ ォ ー ル デ ィ ン グす る パ ター ン をみ る こ と が で ぎ る。 フ ォ ー ル デ ィ ン グ の 代 表 的 な パ タ ー ン に は α ヘ リ ッ ク ス(ペ 鎖 が らせ ん に折 れ た た まれ る)と プチ ド β シ ー ト(ペ プ チ ド鎖 が 平 行 に な る よ う に折 れ た た まれ る)が あ る が 、 β ラ ク トグ ロ ブ リ ンは 主 に β シー トか ら構 成 さ れ る 。 2.フ ォ ー ル デ ィ ン グ 反 応 と は?(1一 助 蛋 白質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 とは 、 多 数 の ア ミノ酸 が 一 次 元 的 に 連 な っ た ポ リペ プ チ ド鎖 が 、 機 能 的 な立 体 構 造(ネ イ テ ィ ブ構 造)を DNA配 列(1次 形 成 す る過 程 で あ る。 遺 伝 子 情 報 発 現 は 次 の よ う に表 わ され る。 元)→RNA配 ア ミ ノ酸 配 列(1次 元)→ 列(1次 元)→ タ ソ パ ク質 立 体 構 造(3次 一1一 元) フ ォ ー ル デ ィ ソ グ以 前 の 段 階 は 、1対1の 情 報 伝 達 で あ る の に 対 して 、 フ ォ ー ル デ イ ソ グ反 応 で は 、 ほ と ん ど 無 限 の 可 能 性 の 中 か ら特 定 の 立 体 構 造 が 選 択 さ れ る 。 そ こで 、 フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 は 、 遺 伝 子 情 報 発 現 の 最 終 段 階 で あ る と 共 に 、 遺 伝 子 情 報 発 現 の 中 で 最 も複 雑 な 過 程 で あ る と い わ れ る。 タ ン パ ク 質 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ 反 応 の 複:雑 さ を 指 摘 す る も の に 、1960年 "L evinthalの パ ラ ド ッ ク ス"が 代 後半 に提 唱 された あ る(4)。1972年 に ノ ー ベ ル 化 学 賞 を 授 賞 したAnfinsenの 実 験 に よ る と、 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ は 熱 力 学 的 に コ ソ トロ ー ル され た 反 応 で あ る 。 す な わ ち 、 タ ソ パ ク質 の ネ イ テ ィ ブ構 造 は ア ミ ノ酸 配 列 に よ って 決 ま る 自由 エ ネ ル ギ ー の 最 も低 い 状 態 で あ る 。 こ こ で 、100残 基 か ら な る タ ソ パ ク質 を 考 え る。1残 基 あ た りの 自 由 度 を少 な く見 積 も って3と ン フ ォ メ ー シ ョ ン の 数 は310G=5x1047以 す る と 、 タ ンパ ク質 全 体 の 可 能 な コ 上 と な る 。 タ ソパ ク質 が 全 て の コ ソ フ ォ メ ー シ ョ ン を ラ ン ダ ム に検 索 して ネ イ テ ィブ 構 造 に フ ォ ー ル デ ィ ン グ す る と仮 定 し、1つ の コ ソ フ ォ メ ー シ ョソ の 検 索 時 間 を10-13秒 とす る。 この と き フ ォ ー ル デ ィ ソ グ に 要 す る 時 間 は 、5x1酬 秒=1.6x1び 年 で あ る。 これで は タ ン パ ク 質 は 永 久 に フ ォー ル デ ィ ン グで き な い 。 そ こ で 、 フ ォ ー ル デ ィ ソ グは 速 度 論 的 に も コ ン トロー ル され て い る と考 え ら れ る。 別 の い い 方 を す る と 、 フ ォ ー ル デ ィ ン グ に は 、 無 駄 な コ ン フ ォ メ ー シ ョ ソ を 回 避 し な が ら ネ イ テ ィ ブ 構 造 に 至 る た め の"経 路(Pathway)"が あ る に違 い な い 。 熱 力 学 的 コ ソ ト ロー ル は 経 路 に 依 存 しな い の に対 し て 、 速 度 論 的 コ ソ ト ロー ル は 経 路 依 存 を 暗 示 す る。 「特 定 の 経 路 を 通 っ て 、 か つ 熱 力 学 的 に 最 も安 定 な 状 態 に 到 達 す る こ と は 可 能 で あ ろ う か?」 と い う の が 、Levinthal の問題 提起 で あ った。 Levinthalは こ の 問 題 提 起 に よ っ て 、 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ経 路 の 存 在 す る こ と を 示 唆 した 。 多 くの 研 究 者 が影 響 を 受 け 、 フ ォー ル デ ィ ン グの 中 間 状 態 を 明 らか に す る こ と に よ っ て 、 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ の 経 路 を 理 解 し よ う と試 み て き た 。 あ た か も折 り紙 の 途 中 を 知 る こ とが 、 折 り紙 の 折 り か た を 理 解 す る 近 道 で あ る か の よ う に。 3.フ ォー ルデ ィンゲ 研 究 の新 た な展 開 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ反 応 を 理 解 す る こ とは 、 タ ンパ ク質 を理 解 す る基 盤 と な る重 要 な課 題 で あ る こ と は 間 違 い な い 。 た だ 、 この よ うな 意 義 付 け に基 づ く従 来 の 研 究 は 、 物 理 化 学 的 要 素 の 強 い 基 礎 的 研 究 とみ ら れ が ち で あ6た 。 と こ ろが 今 日、 フ ォ ー ル デ ィ ン グ研 究 に 対 す る認 識 に 変 革 が も た ら さ れ て い る(1)。 そ れ は 以 下 の 発 見 や 進 展 に よ る。 (a)遺 伝 子 操 作 や 化 学 合 成 に よ って タ ン パ ク質 を 人 為 的 に 作 製 す る こ と が 可 能 と な っ た 。 しか し、 タ ンパ ク質 配 列 は 完 成 して も、 タ ン パ ク質 立 体 構 造 の 作 製 に て こず る場 合 が しば しば で あ る。 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ反 応 を 理 解 す る こ と は 、 現 実 的 な 重 要 課 題 と な っ た 。 (b)生 体 高 分 子 の 構 造 と機 能 に 基 づ き 、 生 命 現 象 を理 解 し よ う と す る 構 造 生 物 学 が 台 頭 したbそ の中 心 に タ ソパ ク質 が あ る。 タ ンパ ク質 の 理 解 に は 、 フ ォー ル デ ィ ン グ反 応 の 理 解 が必 須 で あ る。 フ ォー ル デ ィング反応 を研 究す ることの 基礎 的重 要性 が再 認識 された。 (c)細 胞 内 に は 分 子 シ ャペ ロ ソ と 呼 ば れ る フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 を 助 け る タ ソ パ ク質 の 存 在 す る こ と が 明 らか と な っ た ⑤。 これ に 伴 い 細 胞 内 で の フ ォ ー ル デ ィ ソ グ 反 応 が 実 際 の 研 究 対 象 と な り、 よ り生 物 学 的 な 分 野 ま で 研 究 が 広 が っ た6 一2一 (d)こ れ ら に 加 え 、 後 で 述 べ る よ う に 狂 牛 病 に お け る プ リオ ソ蛋 白 質 の構 造 転 移 や ア ミ ロ イ ド形 成 で 注 目 さ れ て い る よ うに 、 病 気 と フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 の 密 接 な 関 わ りが 明 ら か に な.って き た ⑥。 従 来 か ら の 認 識 が 高 ま る と共 に 、 生 物 学 的 な意 義 が 加 わ っ た と い っ て よ い。 4.フ ォー ルデ ィンゲ 反 応 の モデ ル フ 才 一 ル デ ィ ソ グ 反 応 の モ デ ル を い くつ か 述 べ よ う。 最 も 代 表 的 な も の が 、 .枠 組 み モ デ ル(frameworkmodel)で あ る。 枠 組 み モ デ ル で は 、Levintha1の パ ラ ドッ ク ス .に答 え る よ うに ヤ あ る経 路 を 通 っ て 立 体 構 造 が 段 階 的 に 形 成 さ れ る。 「ツ.ルに は 決 ま っ た 折 り方 が あ る」 と い っ た モ デ ル で あ る。 まず 、. 2次 構 造(・ ヘ リ ・ ク ス ・ β シー ト)の 枠 組 み カ・で き て ・ 次 に3次 が 完 成 す る。 フ ォ 」 ノ レデ ィ ン グ反 応 で 最 も難 しい の は3次 構 造(側 鎖 の特 異的 な… .キン グ) . 構 造 の 形 成 と考 え 、 そ の 手 前 に あ る 中 間 体 は モ ル テ ン ・グ ロ ビ ュー ル 状 態*と 呼 ば れ る。 こ の よ うな ラ ォ ー ル デ ィ ソ グ を す る タ ソ パ ク質 と して ア ポ1 ミオ グ ロ ビ ソが あ げ られ る(図2)。 F H G→ A → D → H 遅い lB G 速い '.C A → 11 1「日 田oロ 図2ア ポ ミオ グ ロ.ビンの フ ォ ー ル デ ィ ン グ 。.ミオ グ ロ ビ ンは153ア ミ ノ 酸 残 基 か ら構 成 さ れ 、 筋 肉 な ど の組 織 で 酸 素 を 運 ぶ タ ンパ ク質 で あ る。 ミオ グ ロ ζ ン はAヵ 疹Hの8本 の α ヘ リッ ク ス か ら構 成 さ れ る。 ミオ グ ロ ビ ン か ら ヘ ム を 除 くと 、 ヘ リ ッ ク スの ほ と ん ど は ネ イ テ ィ ブ と 同 じだ が 、 安 定 性 の 減 少 した ア ポ ミオ グ ロ ビ ソ に な る。 ア ポ ミオ グ ロ ビ ン は 、 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ反 応 が 詳 細 に 研 究 さ れ た 代 表 的 な タ ン パ ク 質 で あ り、 ネ イ テ ィ ブ構 造 が 段 階 的 に で き あ が る こ と が わ か っ て い る。 図 に 示 した 中 間 状 態 はA、.G、Hの ヘ リ.ッ ク ス を もつ 。 ア ミ ノ酸 側 鎖 の パ ッ キ ン グ な ど周 辺 他 方 、 小 さ な タ ンパ ク質 の フ ォ「 ル デ ィ ン グ研 究 か ら支 持 さ れ て い る の が 、 「フ ォrル デ ィソグ妹 さ ま ざ ま な経 路 で 起 き る」 と い.うモ デ ル で あ る。 ジ グ ソー パ ズ ル を思 ㌧ い 浮 か べ る とわ か りや す い 。 ジ グ ソ「 一3一 パ ズ ル を 解 くの に 、 特 定 の経 路 を と る必 要 は な い 。 も し あ る とす れ は 、 「あ る中 心 的 な か た ち が 作 りや す い 」 とい う程 度 の 選 択 性 で 、 必 ず し もそ うで あ る 必 要 は な い 。 近 年 、 い くつ か の 小 さ な タ ソパ ク質 の フ ォ ー ル デ ィ ソ グ反 応 は 、 中 間 状 態 を 形 成 す る こ と な く、 ミ リ 秒 の 時 間 で 極 め て 迅 速 に進 行 す る こ と が わ か っ て きた 。 これ ら の 結 果 はLevinthalの パ ラ ドックス とは 反 対 に 、 タ ン パ ク質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 は 本 来 、 相 当 に 速 い 反 応 で あ り、 ま た 多 数 の経 路 を 含 む こ と を示 唆 して い る。 ジ グ ソー パ ズ ル モ デ ル は フ ォ ー ル デ ィ ン グ フ ァネ ル(foldingfunne1)と い う、 よ り 」 般 的 な概 念 に 発 展 して い る ω 。 そ して 「中 間 状 態 は フ ォ ー ル デ ィ ン グ 反 応 を加 速 す るた め に 存 在 す る の で は な く、 む し ろ フ ォ ー ル デ ィ ン グが 何 ら か の 理 由 に よ り迅 速 に起 き な い 場 合 に み え る の で は な い か 」 と 考 え る研 究 者 が 増 え て い る 。 5.β ラ ク トグ ロ ブ り ン β ラ ク トグ ロ ブ リ ンは162残 基 か ら構 成 さ れ 、 主 に β シ ー ト構 造 を と る タ ソ パ ク質 で あ る(図1)。 β ラ ク トグ ロ ブ リ ンは 牛 乳 の 主 要 成 分 で あ り、1リ ッ トル の牛 乳 に 数 グ ラ ム も含 まれ る。 栄 養 素 と して は 重 要 で あ る。 と こ ろ が 意 外 な こ と に ヒ ト乳 に は 全 く含 まれ ず 、 新 生 児 の 牛 乳 ア レル ギ ー の 原 因 と な る 。 "β ラ ク トグ ロ ブ リ ン除 去"を ア ピー ル した 新 生 児 用 粉 ミル ク も 売 ら れ て い る。 私 た ち は 、 β ラ ク トグ ロ ブ リ ン に 、 ト リ フル オ ロエ タ ノ ー ル な ど の ア ル コ ー ル を 加 え る と 、 極 め て 容 易 に αヘ リ ック ス構 造 に 変 わ る こ と を 見 い 出 した ⑦。 こ れ よ り、 β ラ ク トグ ロ ブ リ ソ は 大 部 分 β シ ー ト か ら な る タ ソ パ ク質 で あ る で あ る に も 関 わ らず 、 極 め て 高 い αヘ リ ッ ク ス形 成 傾 向 を 隠 し も っ て い る こ とが わ か っ た 。 これ を 裏 付 け る証 拠 と して 、 従 来 の 二 次 構 造 予 測 プ ロ グ ラ ム を 用 い る と 、 ほ とん ど の 領 域 が αヘ リ ッ ク ス と"間 違 っ た 予 測"を さ れ て し ま う。 こ れ ら は 他 の タ ソ パ ク質 で は 見 られ な い β ラ ク トグ ロ プ リ ソ に特 徴 的 な 現 象 で あ る。 タ ンパ ク質 の ネ イ テ ィブ 構 造 を安 定 化 す る 力 は 、 一 次 配 列 上 近 くの ア ミ ノ酸 間 の 相 互 作 用(局 互 作 用)と 離 れ た ア ミ ノ酸 間 の 相 互 作 用(非 局 所 的 相 互 作 用)に 所 的相 分 け る ことがで きる。 ネイ テ ィブ構造 は これ らの 総 和 に よ っ て 決 ま る 全 体 的 な 自 由 エ ネ ル ギ ー 最 小 状 態 で あ る。 非 局 所 的 相 互 作 用 は 個 々 の タ ンパ ク 質 で 大 き く異 な る こ と か ら 、 二 次 構 造 予 測 に 取 り入 れ る こ と は 難 しい 。 二 次 構 造 予 測 プ ロ グ ラ ム の 成 績 が 上 が ら な い原 因 は こ こに あ る。 ア ル コー ル は 疎 水 的 溶 媒 で あ り、 タ ン パ ク質 の 疎 水 的 相 互 作 用 (非 局 所 的 相 互 作 用 に 含 ま れ る)を 弱 め る 。 ア ル コー ル 添 加 や 二 次 構 造 予 測 に よ り"β ソ び っ く り箱"の 鍵 を開 け る と(非 局 所 的 相 互 作 用 を 弱 め る と)、 βシ ー トの 奥 に隠 され て い た αヘ リ ッ ク スが 飛 び 出 して き た の で あ る 。 β ラ ク トグ ロブ リ ン は 、 熱 力 学 的 に 最 も安 定 な構 造(β 局 所 的 相 互 作 用 が も た ら す安 定 構 造(α ヘ リ ッ ク ス)と ラ ク トグ ロ ブ リ シ ー ト)が 、 大 き くか け 離 れ て い るユ ニ ー ク な 例 で あ る(図 3)。 で は 、 β ラ ク トグ ロ ブ リンの フ ォー ル デ ィ ン グ反 応 は ど の よ うに 進 行 す るの で あ ろ う か?フ ン グ反 応 の 速 度 論 的 研 究 が 行 わ れ た ⑧。 そ の 結 果 、 極 め て 速 い 時 間(ミ む 中 間 状 態 の 形 成 さ れ る こ と が 明 らか と な っ た(図3)。 リ秒 以 内)に ォール デ ィ αヘ リ ッ ク ス を含 この 中 間 体 の αヘ リ ッ ク ス 含 量 は ネ イ テ ィ ブ 構 造 よ り多 か っ た 。 す な わ ち 、 フ ォー ル デ ィ ソ グ反 応 の 初 期 に 、 過 剰 の αヘ リ ッ ク ス が 形 成 され 、 そ の 後 約 数 分 で 最 終 的 な β シ ー ト構 造 に 転 換 して い っ た 。 この 結 果 は 、 β ラ ク トグ ロ ブ リ ソ の 高 い α ヘ リ ッ 一4一 ク ス 形 成 傾 向 と よ くあ っ て い る。 しか し、 ネ イ テ ィブ 構 造 が 形 成 さ れ る 以 前 に 、 ネ イ テ ィ ブ構 造 に は な い αヘ リ ッ ク ス が 形 成 さ れ る こ と は 、枠 組 み モ デ ル や ジ グ ソー パ ズ ル モ デ ル とは 対 照 的 で あ る 。 β シー ト形 成 に お い て αヘ リ ッ ク ス 中 間 体 の 果 た す 役 割 は 、 何 で あ ろ うか 。 も し、 中 間 状 態 の α ヘ リ ッ ク ス が 一 旦 ほ ど け て 再 び ラ ン ダ ム コ イ ル に な り、 次 に β シー トが 形 成 され る と した ら 、 大 変 都 合 が 悪 い 。 この よ うな み か け の 中 間 状 態 は"折 れ た た み 経 路 か ら外 れ た 中 間 状 態"と 呼 ばれ る。他 方 、 αヘ リック ス 中 間 状 態 の 形 成 に よ り、 タ ンパ ク質 分 子 が コ ソ パ ク トに な り、 そ の 結 果 複 雑 な β シー ト構 造 の形 成 が 促 進 さ れ る こ と も考 え られ る。 α ヘ リ ッ ク ス 中 間 状 態 は 折 れ た た み 反 応 全 体 の 進 行 を 加 速 して い な い に して も、 β ラ ク トグ ロ ブ リ ン の フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 に は 不 可 欠 な もの で あ る と 考 え て い る。 速い → ,、.遅 い .琴. ⇒ 一 一 r一 ρ-冨、 比 ●● b → 畜/ 9レ 冨 非 局所 的 局所 的 相 互作 用 相互作 用 自由エネル ギー最小 図3:β ラ ク トグ ロ ブ リ ン の フ ォ ー ル デ ィ ソ グ反 応 。 α ヘ リ ッ クス を 含 む 中 間 状 態 を経 て 、 β シ ー ト構 造 が 完 成 す る 。 近 くの 残 基 間 の 相 互 作 用(局 所 的 相 互 作 用)で の 残 基 間 の 相 互 作 用(非 よ っ て び っ く り箱 の ふ た を しめ る と、 αヘ リ ッ ク ス 局 所 的 相 互 作 用)に び っ く り箱 の 材 料 を つ く る。 遠 く は β シー トに な っ て 箱 の 中 に 収 ま る 。 最 近 の 研 究 か ら 、 α ヘ リ ッ ク ス 中 間 体 は 、 β シ ー トの一 部 を 含 む こ と も示 唆 さ れ て い る 。 一5一 折 り紙 の ツ ル を 思 い 浮 か べ て み よ う。 ツ ル の 羽 や 頭 、 尾 は 、 決 し て 段 階 的 に は で き な い。 紙 を 折 た た み コ ソ パ ク トに し、 折 り返 しを 何 回 か や る うち に 、 大 き な 構 造 変 化 が 起 きて 、 ツ ル が 完 成 す る 。 で き上 が り と途 中 め構 造 が 大 き く異 な る点 、 コ ンパ ク トに す る こと が 重 要 な点 な ど、 β ラ ク トグ ロ ブ リ ンの フ ォ ー ル デ ィ ソ グ は 、 実 に 折 り紙 に よ く似 て い る。 現 在 、 異 種 核NMRを 用 い て 、 中 間 状 態 の 立 体 構 造 を 残 基 レベ ル で 解 析 して い る 。15N、13C安 体 で 標 識 した ウ シ ・β ラ ク トグ ロ ブ リ ソ を 、 酵 母 を利 用 して 発 現 さ せ る(9)。これ をNMRで 定 同位 解析す るこ とに よ っ て 、 タ ソ パ ク質 の 立 体 構 造 を ア ミノ酸 残 基 レベ ル で 研 究 す る こ と が 可 能 とな る(図4)。 今後 、 中 間 体 の ど の 部 分 に α ヘ リ ッ ク ス や β シ ー トが ど の 程 度 形 成 され て い る か を 明 ら か に す る こ と が で き る と期 待 して い る。 O.りO 府 撃7 蟹 ・・72ssteVt層 .㌔T σ _,。"rt,.も.騨 附♂㌦ ・・轟 。 轟 ち_ O.ON } 聖諺 馨 鵡 伊 ロ リ ・脚 タロご ほゆ ロ 拶 ち1・ ・。 躍 窮網。L"? ●'o O. ㊨N F り の 鴫 .u。3飼 ( E & )Z O. O P甲 "謬 にりづ O. O FF v2tl ・ 諭. L57 ● A,3 論. 9.08.O HN(ppm) 10.0 図4:β O. O◎り γ 筍br 7.0 ラ ク トグ ロ ブ リ ソ の ネ イ テ ィ ブ状 態 の1H,15NHSQCNMRス ア ミ ノ酸 残 基 の ア ミ ドの'H,15N交 ペ ク トル 。 各 ピ ー ク は 、 表 示 した 差 ピ ー ク を 示 す 。 これ ら を 用 い て 、 溶 液 中 の 二 次 構 造 や そ の 変 化 を解 析 す る こ と が で き る 。 6.α → β構 造 転 移 の 一 般 性 β ラ ク トグ ロ ブ リ ソ で 観 測 さ れ た 、"α (α→ β構 造 転 移)"は ヒ ビ タ ー1(PAI-1)の ヘ リ ッ ク ス の 過 渡 的 形 成 と 、 よ り安 定 な β シ ー トへ の 転 移 、 他 の い くつ か の タ ン パ ク質 で も見 られ る。 プ ラ ズ ミ ノ ー ゲ ン活 性 化 因 子 イ ン 例 を紹 介 し よ うQ。)。PAI-1は391ア ミノ ー ゲ ン活 性 化 因 子 と1対1で ミノ酸 残 基 よ り構 成 さ れ 、 プ ラ ズ 結 合 して そ の 活 性 を 阻 害 す る。 活 性 型 のPAI-1は が た つ と 、 よ り安 定 な 不 活 性 型 に変 化 す る。PAI-1の 不 安定 で 、時 間 活 性部 位 は αヘ リックスで あ るが 、不活 性 化 に伴 い 、 α ヘ リ ッ ク ス は β シ ー ト構 造 の 中 に 挿 入 さ れ 、 新 た な 逆 平 行 βス トラ ソ ドを つ く る。 こ の 構 造 一6一 転 移 は ペ プ チ ド結 合 の 切 断 を 伴 わ な い の で 、 各 種 の 変 性 剤 、 熱 に よ り不 活 性 型 のPAI-1か を 再 生 す る こ と が で き る。PAI-1の ら活 性 型 活 性 型 は 速 度 論 的 に トラ ッ プ さ れ た フ ォ ー ル デ ィ ソ グ の 中 間 状 態 に相 当 し て い る 。 さ ら に狂 牛 病 や ク ロ イ ツ フ ェル ト ・ヤ コ ブ病 な ど の 原 因 と され る プ リオ ン蛋 白質 で も、 α→ β構 造 転 移 が 、 そ の 伝 播 や 発 病 に 関 与 して い る こ と が 示 唆 され て い る(6)。 正 常 な プ リオ ン蛋 白質 は だ れ も が も っ て お り、 αヘ リ ッ ク ス 構 造 を と っ て い る。 と こ ろ が 何 ら か の 原 因 で プ リオ ン タ ソ パ ク質 に α→ β構 造 転 移 が 起 き る と 、 ア ミ ロ イ ドと 呼 ば れ る 規 則 正 しい 繊 維 状 の 会 合 体 を 形 成 して し ま い 、 発 病 に 至 る 。 プ リ オ ソ蛋 白質 の α→ β構 造 転 移 は 、 極 め て 低 い 確 率 で 突 発 的 に起 き る が 、 特 定 の ア ミ ノ酸 変 異 に よ りそ の 確 率 が 高 ま る。 ま た 、 既 に α→ β構 造 転 移 を 起 こ した プ リオ ソ タ ンパ ク質 に よ って 、 正 常 な プ リオ ン タ ンパ ク質 の α→ β構 造 転 移 が 誘 起 さ れ る。 これ ら の プ リオ ン タ ソ パ ク 質 の α→ β構 造 転 移 の 機 構 や そ の 意 義 に つ い て は 、 ま だ不 明 な点 が 多 い 。 しか し、 局 所 的 相 互 作 用 に よ る α ヘ リ ッ ク ス 構 造 の す ば や い形 成 と、 よ り安 定 な β構 造 へ の ゆ っ く りと した 変 換 と い う構 図 は 、 い くつ か の 蛋 白 質 に 共 通 して お り、 タ ン パ ク質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ機 構 の 基 本 原 理 の ひ と つ で あ る こ と は 間 違 い な い と思 う。 ア ンフ ォ ール デ ィ ング した状 態 活性型 不活性型 活性 部 位 一 ゆ 欝 一 数分 37℃,2時 閥 一 変性 剤 、 熱 図5プ ラ ズ ミ ノ ー ゲ ソ活 性 化 因 子 イ ン ヒ ビ ター の フ ォ ー ル デ ィ ン グ 反 応 。 活 性 型 イ ソ ヒ ビ タ ー の 活 性 部 位 は α ヘ リ ッ ク ス で あ る。 よ り安 定 な 不 活 性 型 で は 、 この αヘ リッ クス は β ス トラ ン ドに な る。 変 性 剤 や 熱 に よ り不 活 性 型 を 壊 して さ せ て 、 再 び 、 活 性 型 を つ くる こ と が で き る。 α→ β構 造 転 移 反 応 が タ ン パ ク質 の 機 能 を 制 御 す る例 で あ る 。 7.お わ りに Anfinsenの フ ォ ー ル デ ィ ソ グ 反 応 に 対 す る 熱 力 学 的 仮 説 は 、 あ る ア ミ ノ酸 配 列 に 対 応 す る 立 体 構 造 は ひ とつ で あ る こ と を 主 張 す る も の で あ っ た 。 しか し最 近 で は 、 あ る ア ミ ノ酸 配 列 に対 して 異 な っ た 立 体 構 造 を と る タ ン パ ク質 が い くつ か 明 らか と な っ て きて お り 、alternatefold(別 る 。 こ こ に 紹 介 し たPAI-1や の 折 り方)と プ リオ ソ タ ン パ ク質 な ど の構 造 変 化 も、alterna乞efoldに 一7一 呼 ばれ 含 ま れ る。 "だ ま し ぶ ね"と い う 、 帆 と 船 首 を 交 換 す る 折 り紙 あ そ び が あ る が 、 そ れ を 思 い 出 す 。Levirltha1の パ ラ ド ッ ク ス は 、 ネ イ テ ィ ブ な タ ソ パ ク質 に 到 達 す る 経 路 が ひ と つ で あ る こ と を 主 張 す る も の で あ っ た が 、 ジ グ ソ ー パ ズ ル モ デ ル で 述 べ た よ う に 、 さ ま ざ ま な 経 路 の 存 在 や 間 違 っ て フ ォ ー ル デ ィ ン グ し た状 態 の 重 要 性 が 議 論 さ れ て い る 。 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ研 究 の 進 展 に は 目 を 見 張 る も の が あ る が 、 そ れ が 解 明 さ れ 、 任 意 の ア ミ ノ酸 配 列 に対 して 立 体 構 造 を 予 測 す る こ と が で き る よ うに な る に は 、 ま だ ま だ 時 間 が か か り そ う で あ る 。 折 り紙 を 思 い 浮 か べ な が ら 、 タ ン パ ク 質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ 反 応 の し くみ や 中 間 状 態 の 役 割 を 探 る こ と の 楽 しみ は 当 分 続 くで あ ろ う。 謝 辞 共 同 研 究 者 で あ る 桑 田 一 夫(岐 CarlBatt(コ ー ネ ル 大 学)の 阜 大 学 医 学 部)、 星 野 大 、VincentForge(た ん ぱ く 質 研 究 所)、 諸 氏 に感 謝 す る ・ 文 献 1)Pain,R.H。Editor(工994)Mechanismofproteinfolding,OxfordUniv.Press.日 崎 山 文 夫,後 藤 祐 児,河 田 康 志 訳(1995)タ 本 語 訳: ン パ ク 質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ,シ ュ プ リ ン ガ ー フ ェ ア ラー ク 東 京. 2)後 藤 祐 児(1994)立 編)野pp.54-78吉 3)星 野 大,後 体 構 造 は ど の よ う に し て で き る か?,"蛋 坂 一 之 岡 書 店. 藤 祐 児(1997)フ 雄 編"pp.98-109,共 白 質 一 こ の 絶 妙 な る 設 計 物(赤 ォ ー ル デ ィ ン グ 中 間 体,"タ ソ パ ク 質 の か た ち と 物 性(中 村 春 木,有 立 出版 4)Dil1,K.A..&Chan,H.S.(1997)FromLevinthaltopathwaystofunnels:Thenew viewofproteinfoldingkinetics.NatureStruct.Bio1.4,10一 5)後 藤 祐 児(1997)シ ャ ペ ロ ニ ンGroELに ユ9. よ る タ ソ パ ク 質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ.細 胞 工 学,16,1250- 1257. 6)Prusiner,S.B.(1997)PriondiseasesandtheBSEcrisis.Science,278,245-251. 7)Shiraki,K、,Nishikawa,K.&Goto,Y.(1995)Tfifluoroethanol-inducedstabilization oftheα 一helicalstructureofβ 一lactoglobulin:Implicationfornon-hierarchicalprotei nfolding.J.Mo1.Biol.245,180-194. 8)Hamada,D.,Segawa,S.&Goto,Y.(1996)Non-nativeα refoldingofβ 一helicalintermediateinthe 一lactoglobulin,apredominantlyβ 一sheetprotein.NatureStruct.Biol. 3,868-873. 9)Kim,T.R.,Goto,Y.,Hirota,N.,Kuwata,K.&Batt,C.A.(1997)Highlevel expressionofbovineβ 一1actoglobulininPichiapastorisandcharacterizationofitsphysi calproperties.ProteinEng.10,1339-1345. 10)Mottonen,J.,Strand,A.,Symersky,J.,Sweet,R。M.,Danley,D.,Geoghegan,K:. F.,Gerard,R.D.&Goldsmith,E.J.(1992)Structuralbasisoflaterlcyinplasminogen activatorinhibitor-1。Nature,355,270-273 一8一 坂 文 用 語 説 明 モル テ ン ・グロ ビュール状 態 ネ イ テ ィ ブ状 態 と 同 様 な 多 くの 二 次 構 造 を 含 み 、 側 鎖 は フ レキ シ ブ ル な コ ン パ ク トな 変 性 状 態 。 タ ン パ ク質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 の 主 要 で 普 遍 的 な 中 間 状 態 と し て 提 唱 さ れ た。 しか し、 さ ま ざ ま な タ ン パ ク質 で 研 究 が 行 わ れ た 結 果 、 実 体 は 最 初 の 定 義 と は 異 な る こ とが 明 ら か と な り、 解 釈 に つ い て 意 見 が わ か れ て い る。 フ ォ ー ル デ ィ ソ グ ・フ ァ ネ ル フ ァネ ル(funnel)と は ロ ー トを 意 味 す る 。 フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 の エ ネ ル ギ ー 曲 面 は ロ ー トを 立 て た よ うに な っ て い る と い う概 念 。 ロ ー トの 縦 軸 は エ ネ ル ギ ー を 示 し、 横 軸 の 広 が りは コ ン フ ォ メー シ ョ ン を示 す 。 ロー トの注 ぎ 口が 変 性 状 態 で あ り、 出 口 が ネ イ テ ィブ抹 態 に 相 当す る。 小 さ な タ ソパ ク質 の フ ォ ー ル デ ィ ン グ反 応 は 、 エ ネ ル ギ ー の 高 い 変 性 状 態 か ら、 エ ネ ル ギ ー の 低 い ネ イ テ ィ ブ状 態 へ と 、 ロ ー トを 水 が 流 れ 落 ち る よ う に進 む 。 これ が妨 げ ら れ る と、 中 間 状 態 が蓄 積 し た り、 特 定 の 経 路 が 形 成 さ れ る と 考 える。 保 安 組 織 表 低 温 セ ソ ター で は 寒 剤 液 化 ・供 給 業 務 を行 な って い くに あ た って は 、 高 圧 ガ ス保 安 法 に よ り、 以 下 の保 安 管 理 の た め の 組 織 を設 け る こ と が 義 務 づ け られ て い ま す 。 吹 保 安 総 括 者 田 分 室 豊 城 野 政 弘(工 学 部長) 櫛 代 理 濱 口 智 尋(副 セ ソター長) 都 保安 技術 管理 者 百 瀬 英 毅 但 岡 田 東 一 牧 山 博 美 〃 〃 保 安 〃 代理 係 員' 代理 中 田 分 室 孝 司(理 学部 長) 福 仁(セ ン ター 長) 採 道 夫 松 尾 隆 祐 鷹 岡 貞 夫 石 塚 守 (平成10年10月 現 在) 一9一