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学習メモ
簿記
テレビ学習メモ
第5回
簿記の基礎
簿記は仕訳が命
講師
〜仕訳と転記〜
粕谷和生
前回の「取引の分解」に基づいて、「仕訳」の重要
調べておこう・覚えておこう
性とその方法について学びます。次に、仕訳に基づい
て勘定口座に日付と金額を記入する「転記」について
学習します。仕訳と転記は、問題練習を繰り返してマ
スターするようにしましょう。また、実際に使われて
取引/勘定/T字形/
勘定の記入法/取引の分解
いる仕訳帳や総勘定元帳についても紹介します。
仕訳とは
前回の取引の分解では、取引によって増減(発生)した勘定科目と増減(発生)した金額をつか
みました。仕訳はそれを簿記のルールで表したもので、手順は次のとおりです。
手順① 取引を分解する。
手順② 記入する勘定科目を決定する。
手順③ 各勘定科目の借方・貸方を決定する。
▼
手順④ 記入する金額を決定する。
番組では、次の取引の仕訳を仕訳の手順に沿って説明しています。
例1
5 月 8 日 商品¥300,000 を仕入れ、代金は掛けとした。
手順① 商品(資産)¥300,000 増加 ⇔ 買掛金(負債)¥300,000 増加
手順② 勘定科目は、商品と買掛金
手順③ 借方が商品・貸方が買掛金
手順④ 金額は商品が¥300,000・買掛金が¥300,000
(仕訳)5 月 8 日 (借)商品 300,000 (貸)買掛金 300,000
例2
5 月 17 日 仕入価額¥110,000 の商品を¥140,000 で売り渡し、代金は現金で受
け取った。
手順① 現金(資産)¥140,000 増加 ⇔ 商品(資産)¥110,000 減少
商品売買益(収益)¥30,000 発生
手順② 勘定科目は、現金・商品・商品売買益
手順③ 借方が現金・貸方が商品と商品売買益
手順④ 金額は現金が¥140,000・商品が¥110,000・商品売買益が¥30,000
(仕訳)5 月 17 日 (借)現金 140,000 (貸)商品 110,000
商品売買益 30,000
上記の仕訳でわかるとおり、仕訳の借方の金額と貸方の金額は必ず同額になります。
ポイント 仕訳の借方の金額 = 仕訳の貸方の金額 (借方と貸方は一致する) − 13 −
高校講座・学習メモ
簿記
5 簿記は仕訳が命 〜仕訳と転記〜
転記は転がして記入
次に仕訳に基づいて勘定口座に日付と金額を記入する転記について学びます。
転記の意味は、
「仕訳の借方に登場した勘定科目は、その勘定口座の借方に日付と金額を記入し、
仕訳の貸方に登場した勘定科目は、その勘定口座の貸方に日付と金額を記入する。」です。
つまり、仕訳の借方は勘定口座の借方、仕訳の貸方は勘定口座の貸方というように、同じサイド
にセットします。
5月8日 (借)商 品 300,000 (貸)買掛金 300,000
借方は借方に転記 貸方は貸方に転記
商 品
5/8
買 掛 金
300,000
5/8
300,000
5月17日
(借)現 金 140,000 (貸)商 品 110,000
商品売買益 30,000
▼
借方は借方に転記 貸方は貸方に転記
現 金
5/17
商 品
140,000
5/17
110,000
商品売買益
5/17
30,000
Key Word:仕訳/転記 ポイント 仕訳の借方は勘定口座の借方に、仕訳の貸方は勘定口座の貸方に転記する − 14 −
高校講座・学習メモ
簿記
5 簿記は仕訳が命 〜仕訳と転記〜
1 か月間の取引を仕訳 → 転記 → 勘定口座
「さかっち商店」の 1 か月間の取引は、以下のとおりです。
取引を仕訳して勘定口座に転記してみましょう。なお、番組では、転記に際して仕訳をしたとき
の相手の勘定科目を記入することを、わたび〜先生がていねいに説明しています。また、「相手の
勘定科目が 2 つあるときは、2 つとも書くんですか?」という莉奈ちゃんの質問に対して、わた
しょく ち
び〜先生は「諸口と書きます」と答えています。このあたりのやりとりを番組の中でしっかり確認
しましょう。
【取引】
5 月 1 日
さかっち商店は、現金¥600,000 を元入れして営業をはじめた。
▼
2 日
備品¥250,000 を現金で買い入れた。
8 日
商品¥300,000 を仕入れ、代金は掛けとした。
13 日
銀行から現金¥150,000 を借り入れた。
17 日
仕入価額¥110,000 の商品を¥140,000 で売り渡し、
代金は現金で受け取った。
20 日
仕入価額¥150,000 の商品を¥190,000 で売り渡し、
代金のうち¥100,000 は現金で受け取り、残額は掛けとした。
22 日
買掛金¥70,000 を現金で支払った。
25 日
従業員に給料¥50,000 を現金で支払った。
30 日
売掛金¥80,000 を現金で受け取った。
31 日
銀行に借入金¥110,000 と利息¥1,000 を現金で支払った。
上記の取引を仕訳し、転記しなさい。
問
【仕訳】
5 月 1 日 (借)
(貸) 2 日 (借)
(貸) 8 日 (借)
(貸) 13 日 (借)
(貸) 17 日 (借)
(貸) 20 日 (借)
(貸) 22 日 (借)
(貸) 25 日 (借)
(貸) 30 日 (借)
(貸) 31 日 (借)
(貸) − 15 −
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簿記
【転記】
5 簿記は仕訳が命 〜仕訳と転記〜
現 金
売 掛 金
商 品
備 品
▼
買 掛 金
借 入 金
資 本 金
商品売買益
給 料
支払利息
− 16 −
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簿記
5 簿記は仕訳が命 〜仕訳と転記〜
解答
【仕訳】
5 月 1 日 (借)
現金
600,000
(貸) 資本金
600,000
2 日 (借) 備品
250,000
(貸) 現金
250,000
8 日 (借) 商品
300,000
(貸) 買掛金
300,000
13 日 (借)
現金
150,000
(貸) 借入金
150,000
17 日 (借)
現金
140,000
(貸) 商品
110,000
20 日 (借)
現金
100,000
商品売買益 30,000
(貸) 商品
150,000
売掛金
90,000
22 日 (借)
買掛金
70,000
(貸) 現金
70,000
25 日 (借)
給料
50,000
(貸) 現金
50,000
30 日 (借)
現金
80,000
(貸) 売掛金
80,000
31 日 (借)
借入金
110,000
支払利息
商品売買益 40,000
(貸) 現金
111,000
1,000
【転記】
借 入 金
現 金
▼
5/1 資本金
600,000
5/2 備 品
250,000
13 借入金
150,000
22 買掛金
70,000
17 諸 口
140,000
25 給 料
50,000
20 諸 口
100,000
31 諸 口
111,000
30 売掛金
80,000
5/31
現 金
110,000 5/13
現 金
150,000
現 金
600,000
5/17
現 金
30,000
20
諸 口
40,000
資 本 金
5/1
売 掛 金
5/20
諸 口
90,000 5/30
現 金
商品売買益
80,000
商 品
5/8
買掛金
300,000 5/17
現 金
110,000
20
諸 口
150,000
給 与
5/25
現 金
50,000
5/31
現 金
1,000
備 品
5/2
現 金
250,000
5/22
現 金
70,000
支払利息
買 掛 金
5/8
商 品
300,000
− 17 −
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