Comments
Description
Transcript
3.第3章:企業価値とキャッシュフロー1
第3章 キャッシュフローと企業価値 企業価値の算定や投資プロジェクトの評価 将来発生すると期待されるキャッシュフローを 適当な割引率で現在価値に割り引く 資本コストk DCF法 リスクを反映 (割引キャッシュフロー法) C1 C2 C3 ・・・ 0 PV= 1 2 3 ・・・・ C1 C2 C3 + + 2 3 1 + k (1 + k ) (1 + k ) 仮に C1 = C2 = C3 = = C ならば、PVは? 1 3.1 財務諸表とキャッシュフロー 財務諸表 投資家をはじめとする利害関係者に企業の財務状況を報告するのに 役立つ 貸借対照表(B/S) 損益計算書(P/L) キャッシュフロー計算書 etc 現金の収支 キャッシュフローとは 「 資金の出入りの流れ 」 実際にどれだけのキャッシュが動いたのか? つまり、 「キャッシュは事実である」 企業の経済的な成果を 評価できる 2 ※ 会計上の利益との違いは? 会計上の利益の場合 ・ 会計基準によって利益が変化する ・ 実際にキャッシュの動きがない場合でも、収益や費用に 計上することがある (例) 減価償却費 売上債権 など B/S や P/L との関係 B/S 設備 土地 在庫品 売掛金 資産 負債 自己資本 資金運用 P/L 営業活動 借入金 社債 買掛金 株式 内部留保 配当 内部留保 費用 70 収益 30 純利益 100 資金調達 3 会計上の利益 収益 100 50 原材料費 人件費 など (法人税率t=0.4) キャッシュフロー算定の ための調整 ・ 税引後営業利益をベースにする → 支払利息を差し引かない 10減価償却費 10 支払利息 (※1) ・ 減価償却費を戻し入れる (※2) 税 t=0.4 + 1-t=0.6 (※1) 負債利子分を差し引かない キャッシュフロー 収益 100 キャッシュフローでは、企業が 資金提供者(株主、債権者)に 分配できる資金額を求めるため 50 原材料費 人件費 など 10減価償却費 営業利益 税 (※2) 減価償却 設備や建物などの固定資産に 関する費用化 (価値の減少分を費用と考える) 支払利息が 含まれている 支払利息+純利益 実際の現金流出はない 4 さらに + (1-t)営業利益 (営業キャッシュフロー) 減価償却費 ※3 (B/Sの調整項目) 売上債権(売掛金)+棚卸資産(在庫品) − 買入債務(買掛金) − 正味運転資本 の増加分 − 資本的支出 設備投資などの投資額 (投資キャッシュフロー) = フリーキャッシュフロー (FCF) さらに・・・ (財務キャッシュフロー) − 配当 + 借入 (※3) キャッシュへの転換のズレの分の調整 現金 → 仕入 → 製品 → 売上 → 現金 買掛金 在庫 売掛金 5 例題 次のようなデータが与えられているとき、フリーキャッシュフローを 求めなさい (ただし、運転資本の増減は考慮しなくてよい) 売上高 営業利益 負債利子 減価償却費 設備投資額 法人税率 2000万 150万 10万 20万 100万 40% 6