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キーワード 公営企業 水道は、一般会計などの税金で事業を行う公共
キーワード ○公営企業 水道は、一般会計などの税金で事業を行う公共サービスとは異なり、水道料 金を主たる収入として独立採算により事業運営しており、このような企業を公 営企業(公益企業)といいます。 そのため、経営状況がよいかどうかを判断するために、水道料金でかかった 経費をどれだけ回収できているかを見る必要があります。 したがって、公営企業の決算は、現金がどれだけ残っているかではなく、回 収ができているか(純利益が生じている)、回収ができていないか(欠損金が生 じている)を表すものになります。 公営企業の決算はあくまでも「成績」であり、市役所の決算のような現金収 支の「結果」ではないということがいえます。 ○収益的収支 収益的収支は、1年間の間にどれだけの経費を回収できたかをみるために、 その年度に生じた料金収入と、その料金を得るために役立った経費(支出)を 表します。 したがって、ここに表される支出の効果は1年間限りのものということにな ります。 具体的には1年間にかかった人件費や、水道料金を徴収するための委託料、 施設や機械を動かすための動力費や壊れたものを使えるようにするための修繕 費などがこれにあたります。 ○資本的収支 配水施設や管路を新たに建設すると、その年度は工事費が支出されますが、 実際に施設は動いていないので、水道料金収入を得るために役立っていません。 しかも、収益的収支にこれを反映させると、これからずっと使える施設なの に、建設した年度に料金を払う人が工事費を全部負担しなければ膨大な欠損金 が生じることになり、不公平が生じます。 そのようなことから、施設の建設した年度にかかる支出や建設費に対する国 からの補助金、建設のための借入金(企業債)などの収入を収益的収支から切 り離し、資本的収支として経理します。 ○減価償却費 資本的支出で経理されたものは、その年度は収益的支出に反映されませんが、 その翌年度以降施設が供用開始されると、施設が使用に耐えなくなるまで何年 間も水道料金を得るために役立つことになります。そこで、過去に建設された 施設が、その年度1年間でどれだけ水道料金を得るために役立ったかを表すも のが「減価償却費」です。 施設は地方公営企業法に定められた区分ごとに耐用年数が決められていて、 建設費の 1 割(最後まで残る価値)を除いた残りの 9 割を耐用年数で割ったも のが1年当たりに役立った費用として、収益的収支の支出に経理されます。 ○損益勘定留保資金 減価償却費や資産減耗費などは、過去に支出した建設費を費用化したものな ので、その年度に現金の支出はありません。 したがって、その金額分は確実に現金として企業内に留保されることになり、 これを損益勘定留保資金(内部留保資金)といいます。 この損益勘定留保資金があることにより、将来施設が使用に耐えなくなり、 施設を再建しなければならなくなったときの財源が確保されることになります。 事業継続のためには施設の再建は将来避けてとおれないものであり、現金支 出がない減価償却費や資産減耗費を費用として経理することにはそういう意味 もあります。 ○補てん財源 資本的収支では通常、過去の建設などのために起こした借入金(企業債)の 償還のための支出が含まれるため財源が不足することになります。 この財源不足を埋めるための財源としては、前年度からの繰越金や、現金支 出を伴わない減価償却費などの内部留保資金、収益的収支の純利益(純損失の 場合は財源から控除)などが当てられ、これらの資金が、資本的収支の財源不 足額を補てんするための補てん財源となります。 ○長期前受金戻入(会計基準の見直しに伴う新たな収益) 長期前受金戻入とは、地方公営企業法施行規則第 21 条第 2 項又は第 3 項の規 定により償却した長期前受金の額のうち収益として整理するものです。 ◎長期前受金:償却資産の取得又は改良に充てるための補助金、負担金その他 これらに類するもの。 例)国庫補助金、工事負担金、他会計負担金、他会計補助金等をいう。 ◎長期前受金の収益化方法:固定資産のうち、長期前受金の割合を減価償却費 に乗算して算出します。