Comments
Description
Transcript
アリとキリギリス - 小平市教育委員会
朝会の話 アリとキリギリス 260127 村松 スクールダンスフェスティバルの活躍紹介 みなさんは、イソップの「アリとキリギリス」というお話を知っていますか。知ってい る人も多いと思いますが、どんなお話かを簡単に紹介しましょう。 暑い暑い 夏の日。アリたちは冬に備えて一生懸命働いていました。そんなある日、 一匹のキリギリスが草かげで歌を歌っています。キリギリスは、「アリさん、アリさん、 何で君たちはこんな暑い日に汗水たらして働いているんだい?」と聞くと、アリは「冬 に備えて食べ物を集めておくんだよ」「へえー、暑いんだから、もっと楽しめばいいの に!」と言って、歌を歌い続けました。 そして秋が過ぎ、冬が来ました。つめたい雪のふる中をぼろぼろの服を着たキリギリ スが「さむいよ~、おなかが すいたよ~」とおなかを すかせて、さまよっていました。そうしていると、暖か そうな家を見つけました。アリたちの家です。キリギリ スはノックをして、アリたちに聞きました。「寒くてお なかがすいているので、なにか食べ物をいただけません か。」と言うと、アリたちは「いいですよ。家の中に入 って暖まってください。食べ物をあげますから。」と言 ってキリギリスを温かく迎えました。 という話です。みなさんも知っていますよね。でも、このお話は日本以外では結末、最後 のところがちがうのです。他の国では、アリたちが 「夏に遊んでばかりいるから、そういうことになるのさ、しょうがないね」と言って何も あげずにドアを閉めてしまうのです。 みなさんは、家に入れてあげる日本の終わり方、家に入れない外国の終わり方、どちら のほうが好きですか。 私は日本の終わり方がいいなあと思います。人に優しくしてあげれば、いつかは自分に かえってきますからね。みなさんはどうですか。 クラスにもどったら、担任の先生と話しをしてみてくださいね。これで朝会の話を終わ ります。 (裏面に「先生方へ」があります) <先生方へ> アリとキリギリスの終わり方で、温かく迎え入れるのは日本だけのようです。外国では、 すべて家に入れずに終わっています。 日本の場合は、「情けは人の為ならず」、困っていればお互い様、外国の場合は「自業自 得」とでも言うのでしょうか。 私は、「前のことはいろいろあるが、困っていればお互い様、助けてあげよう」という 日本文化の良さを子供たちに伝えていきたいと思います。西洋的な割り切りではなく、お 互い様ということをいろいろな機会に教えていきたいですね。学級指導で補っていただけ れば幸いです。 さて、1月も今週で終わり、またあと2か月で今年度も終わります。学年末にあたり、 それぞれの必達目標の達成はどうでしょうか。だれができてだれができていないか、その 原因は何か、あと2か月で取り組むことは何か、学年でしっかりと話し合って対応策を実 行してください。よろしくお願いいたします。 また東京都教育委員会では、来年度からの「算数の習熟度別指導のガイドライン」を発 表しました。それによると、小学校卒業までに全員が「東京ベーシック・ドリル」(小学 校4年修了レベル)をクリアするという達成水準が示されています。(本校の必達目標の 東京都版です。)今年度の6年生でも、全員がこのレベルを達成できるよう、全校で取り 組んでいきましょう。ご協力お願いいたします。 <資 料> 冬になって暖かい部屋で静かに過ごしているアリの家へ、食べるものもなく住むところ もないキリギリスが訪れたときの結末は3つ存在するようです。 (1)アリはキリギリスを家に入れて助ける (2)アリはキリギリスを追い返して、キリギリスは死んでしまう (3)アリは「遊んでばかりいたからさ。」とキリギリスに皮肉を言う (1)は良く聞く話、(2)は意外な発見、(3)は推定されるイソップ物語です。 筑波大学付属図書館のホームページの近世の出版文化のページによると、イソップ物語 は江戸時代の初期(1659年)に伊藤三右衛門によって『絵入伊曾保物語』として刊行 され、日本に紹介されているようです。タイトルは「アリとキリギリス」ではなく、『蟻 と蝉の事』。他のページでも確認したところ、どうも(3)が原作に一番近い解釈である ようです。 イソップ物語は紀元前6世紀頃のギリシャで書かれたとされています。その作家イソッ プ(Aesop)自身は何を書きたかったのでしょうか?当時彼が奴隷の身分であったことか らアリは彼自身の現在と未来を書きたかったのかもしれませんね。これは推定ですが。