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アリとキリギリス
朝会の話 アリとキリギリス 211214 村松 五色百人一首大会の報告、表彰 みなさんは、イソップの「アリとキリギリス」というお話を知っていますか。知ってい る人も多いと思いますが、どんなお話かを簡単に紹介しましょう。 暑い暑い 夏の日。アリたちは冬に備えて一生懸命働いていました。そんなある日、一 匹のキリギリスが草かげで歌を歌っています。キリギリスは、「アリさん、アリさん、何 で君たちはこんな暑い日に汗水たらして働いているんだい?」と聞くと、アリは「冬に備 えて食べ物を集めておくんだよ」「へえー、暑いんだから、もっと楽しめばいいのに!」 と言って、歌を歌い続けました。そして秋が過ぎ、冬が来ました。つめたい雪のふる中を ぼろぼろの服を着たキリギリスが「さむいよ~、おなかが すいたよ~」とおなかをすか せて、さまよっていました。そうしていると、暖かそうな家を見つけました。アリたちの 家です。キリギリスはノックをして、アリたちに聞きました。「寒くておなかがすいてい るので、なにか食べ物をいただけませんか。」と言うと、アリたちは「いいですよ。家の 中に入って暖まってください。食べ物をあげます から。」と言ってキリギリスを暖かく迎えました。 という話しです。みなさんも知っていますよね。 でも、このお話しは日本以外では結末、最後のと ころがちがうのです。他の国では、アリたちが 「夏に遊んでばかりいるから、そういうことにな るのさ、しょうがないね」と言って何もあげずに ドアを閉めてしまうのです。 みなさんは、家に入れてあげる日本の終わり方、家に入れない外国の終わり方、どちら のほうが好きですか。 私は日本の終わり方がいいなあと思います。人に優しくしてあげれば、いつかは自分に かえってきますからね。みなさんはどうですか。 クラスにもどったら、担任の先生と話しをしてみてくださいね。これで朝会の話を終わ ります。 (裏面に「先生方へ」があります) <先生方へ> アリとキリギリスの終わり方で、温かく迎え入れるのは日本だけです。外国では、すべ て家に入れずに終わっています。日本の場合は、「情けは人の為ならず」、困っていればお 互い様、外国の場合は「自業自得」とでも言うのでしょうか。 私は、「前のことはいろいろあるが、困っていればお互い様、助けてあげよう」という 日本文化の良さを子供たちに伝えていきたいと思います。西洋的な割り切りではなく、お 互い様ということをいろいろな機会に教えていきたいですね。学級指導で補っていただけ れば幸いです。よろしくお願いします。 さて、学期末も近づきました。成績づけでお忙しいことと思いますが、いつものように 学年で評価基準をそろえるなど、統一をお願いします。所見も励みとなるようなものにし てください。事実の羅列では、保護者の皆さんはどうすればいいのかわかりません。改善 策をわかりやすく示していただけると助かります。また、前にも書きましたが、よいこと は後に書くといいのです。 「授業に集中していますが、宿題を時々忘れます」よりも、「宿題を時々忘れますが、授 業に集中しています」の方が、ソフトですね。心がけてください。 なお、いつもいつも言っていますが、個人情報の持ち出しは厳禁です。お互いの幸せの ために、必ず守ってください。幸い、六小では教職員全員が意識も高く、ルールを守って もらっているので、管理職は幸せです(^_^)。(ただ、あゆみの提出期限に遅れそうなとき はご相談ください。なんとかいい方法を考えますので) <資 料> キリギリスが食べ物の豊富な夏から秋の間に遊んで暮らしてる間にも、アリは働き続け て蓄えることを忘れず、冬になって暖かい部屋で静かに過ごしているアリの家へ食べるも のもなく住むところもないキリギリスが訪れたときの結末は3つ存在するようです。 1)アリはキリギリスを家に入れて助ける 2)アリはキリギリスを追い返して、キリギリスは死んでしまう 3)アリは「遊んでばかりいたからさ。」とキリギリスに皮肉を言う 1)は良く聞く話、2)は意外な発見、3)は推定されるイソップ物語です。筑波大学 付属図書館のホームページの近世の出版文化のページによると、イソップ物語は江戸時代 の初期(1659年)に伊藤三右衛門によって『絵入伊曾保物語』として刊行され、日本 に紹介されているようです。タイトルは「アリとキリギリス」ではなく、『蟻と蝉の事』。 他のページでも確認したところどうも3)が原作に一番近い解釈であるようです。 イソップ物語は紀元前6世紀頃のギリシャで書かれたとされています。その作家イソッ プ(Aesop)自身は何を書きたかったのでしょうか?当時彼が奴隷の身分であったことか らアリは彼自身の現在と未来を書きたかったのかもしれません。