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別紙17

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別紙17
スクリーニングの手順
記載の有無
※「あり」とするとデータ抽出の対象となります。記載する内容がない場合は「なし」としてください。「なし」の場合は以下について記入の必要はありません。
あり
病院名: 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院
期間: 平成27年9月1日現在
スクリーニングの項目、対象、方法、タイミング、スクリーニングした結果の確認者、スクリーニング結果の活用方
法等についてご記載ください。
役職等に個人名が記載されていないことをご確認ください。
このシートに貼付することが難しい場合、ファイル名の頭に別紙17を付けた電子ファイル、別添資料を提出すること。
別添資料の提出有無
あり
(あり/なし)
(ワード/一太郎/リッチテキスト/エクセル/パワーポイント/PDF/その他)
ファイル形式
ワード
その他の場合ファイル形式を記載してください。
<ペインスケールを用いたスクリーニング>
■スクリーニング対象者・・・全患者さま
■方法・・・NRSを使用し10段階でペインスケールの評価を行う
■詳細に関しては添付資料をご確認下さい。
1/1
別紙17(スクリーニングの手順)
<疼痛スケール運用基準※2)>
『痛み』とは、「組織の実質的あるいは潜在的な障害に関連する、またはこのような障害と
関連した言語を用いて述べられる不快な感覚・情動体験」と国際疼痛学会は定義している。
『痛
み』は、あくまでも患者個人の不快な感覚・情動体験であるため、実際に患者が感じている痛
みを、私達が代わりに体験することはできないし評価することはできない。そのため客観的に
評価を行う上でペインスケールを用いることになる。
第 5 のバイタルサインと考え、医療者が患者の『痛み』を理解しようとする姿勢が鍵となる。
図1 全人的苦痛の理解
恒藤暁:最新緩和医療学 全人的苦痛とチーム医療 p7,最新医学社,1999 年
≪目的≫
● 目に見えない『痛み』を見えるものにする。
● 治療の効果を客観的に測定する。
● 共通認識をもって患者の苦しみを少しでも取り除くケアを考え提供できる。
● 患者、家族にも治療(ケア)に参加し、主体的に医療を受けるように教育をしていく。
≪対象≫
●入院している全ての患者(入院時にペインスケールで疼痛の有無について確認をし、その後、
疼痛がない場合は、再度患者の病状や状態の変化があった際にペインスケールで確認をしてい
く)
≪方法≫
● 体温表(観察表)の作成:看護指示項目「症状」から「ペインスケール」の表示を設定す
る。また、指示設定には所属設定で体温表に表示するようにする。
1/6
● スケール評価は NRS(Numerical
Rating
Scale)を使用し、10段階で評価を行う。
ただし、自分で表現出来ない場合(疾患に伴い話が出来ない場合、または表現することが
困難な場合は、フェイススケール:FS(Wong-Barker
Face
Scale)を使用し、FS と記
録に残す。フェイススケールは、0~5段階の評価となっているので、NRS と評価を同じ
にするために、2倍にして10段階評価で記載を行う。循環器・救急病棟においては BRS
での評価を行う。どの評価方法を使用しているのか記載し、病態によりスケールを変える
場合は記録に残す。認知症、せん妄などで、自分の意思でスケール評価ができない場合は、
認知症患者疼痛アセスメントツールを用いて評価を行う(P6図3)
。
● スケール評価では、例えば「3~4」「3~5」という「〇~〇」評価をしない。患者から提
示された場合も「ペインスケール」として記録する場合は高い数値を記録に残す。
● 一番痛い部位を記入し、対処方法についてカルテ欄から選択し、チェックをつける。
● 疼痛の評価は一日の変化を見ていく。
● 痛みの部位(腹部・背部・胸部・腰部など痛みがある場所)、時間(どのくらい続いている
のか)、強さ(眠れない、動けないほど、食事が取れないほどなど日常生活にどのように影
響しているのか)、痛みの種類(ズキズキ・鈍い・キリキリ・拍動性・チクチクなど)を聴
き自由記載欄に記録を残す。
● 鎮痛剤(NSAIDs、オピオイド、鎮痛補助薬など)を定期的に使用している患者は各勤務
評価を行う。
● 臨時で鎮痛剤を使用した場合(レスキュードーズ使用)、使用する直前の疼痛スケールと、
使用後 30 分~1 時間の疼痛スケールを残す。
● 痛みが増強する場面や、逆に減弱する場面では、再評価をする。
● 「痛みがない=0」という場合も記録に「0」と残す。
「0」が続いてもその都度観察・評
価は行っていく。
● 使用するスケールは「患者に選んでもらうこと」が重要である。痛みの治療の初期には、
スケールを使用したアセスメントと評価が重要となる為、対象者によって使い分ける。
● ペインスケール中等度以上(4点以上)の場合、薬剤投与等の疼痛ケアを検討する。その
際に、患者の希望をペイン経時記録の項目(希望なし、看護ケア、薬剤使用、睡眠中、緩
和ケアチームへの依頼検討
など)選び、希望なし以外は、ケアの効果を 30 分~1 時間後
に再評価し記録に残す。
● ペインスケールが中等度以上(4 点以上)でも看護ケアや薬剤の希望がない場合は、次勤
務で評価を行う。
● ペインスケールが中程度以上(4 点以上)で「緩和ケアチームへの依頼を検討」と判断し、
主治医と介入検討を相談するが、主治医が「依頼を必要としない」と判断しても、看護師
が対応困難と判断した場合、看護師から直接、緩和ケア医または、緩和ケア認定看護師へ
ナースコンサルテーションを行うことができる。
2/6
≪ペインスケールを使用するにあたり注意点≫
● あくまでも“日々の変化”をみるものであり、点数の“多い”
“少ない”で大丈夫かどうか
を判断するものではない。
● 必ずしも「10点が一番痛く、2点や3点はそうでもないから大丈夫」ではない。例えば、
「2点」と言っていてもでも痛みで眠れない患者もいる。また、8点や9点と言っている
が、食事摂取出来ている、夜は眠れる、など日常生活に影響がみられない場合もある。
● 数字に捉われず、日常生活動作や治療への影響など全体的に捉えることが重要となる。
≪スケールを拒否する場合≫
● 「なぜ、そう思うのか」拒否する理由を聞いた上で痛みの治療を行うために役立つことを
丁寧に説明する。
● それでも拒否する場合は、医療者側がフェイススケールを用いて評価を行う。また、日常
生活動作(食事、睡眠、排便、歩行など)から判断して点数表記する。
● 決して無理強いをしない。
≪ペインスケールの紹介≫図2
0
2
4
6
8
10
上記ペインスケールのうち当院では NRS を使用する。(NRS 使用が難しい場合は、フェイス
スケールを用いる。フェイススケールは、5 段階評価ではなく、10 段階評価にするために、2
を掛けた数値を記載する。場合によっては簡易表現スケールも使用し、その際には点数化に直
して記載をする。)
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≪NRS スケール≫
痛みの程度を点数(0~10点)で評価するものである。本来は点数を患者自身に口頭で評価
してもらうものである。
【評価方法】
・ 痛みが全くない状態を0点、最高の痛みを10点とする。
・ 0~10点の間で、患者に「今の痛みはどの程度か」を0~10点で選んでもらう。
・ 現在の状況を評価してもらう。
Point!
・ 表現しにくい人には
「一番痛かった時を10としたら、今は何点ですか?」
「動いた時の痛みを10としたら、安静時は何点ですか?」
「薬を飲む前は何点ですか?飲んだ後では何点ですか?」
・ 痛みが強すぎる場合、薬剤投与前の評価を聞くのは難しいこともある。そのため、薬を飲
んでもらい、30 分~1 時間後に変化を聞くときに「薬を飲む前と飲んだ後の変化を教えて
ください」と話し表現してもらう。
≪評価例≫
【評価例1】「今朝、起きたときは2点。トイレに行くために動いたら4点になった。午後は
面会者がいて話をして過ごしていた時は2点だったが、夜寝る前になると何だか色々考えてし
まい5点くらいになった」など。
考え方
・上記の場合、ベッド上安静時の評価は2点となる。ただ、体動時や夜間一人になるときなど
には、5点へと痛みが強まっている。
・これを踏まえると、体動時や夜間の状況を踏まえた薬剤の増量・追加を検討する必要がある。
【評価例2】
NRS9だったが、鎮痛役投与後によって NRS2になった患者
「以前は痛くて歩こうという気分になれなかったが、今は歩いてもさほど痛みがなくなりま
した」など
考え方
・
鎮痛薬に効果がみられ、痛みからくる行動制限が減っている。
・ NRS の評価がさらに低くなる(少なくとも痛みからくる行動制限が減っている時間が維持
できる)ように対応していく。
4/6
≪フェイススケール≫
もともと小児用に開発されたスケールである。6段階の表情のうち、自分の痛みを最も良く
表す顔を選択する。呼吸困難の評価にも使用することもある。
【フェイススケールを使用するにあたり】
●小児患者での使用では有用性が確立しているが、成人では他の不快な症状や気分などの影響
が入ってしまいやすい。
●NRS や VAS での評価が難しい認知症がある患者でも変則的であるが、体動時やケアの際に
苦痛表情になる場合に医療者がフェイススケールをつけることで評価する。
●もとから額や眉間に皺があるような高齢者に使用するのは、難しい場合がある。
●フェイススケール表を見せられることで子供扱いをされている、と感じる成人患者もいるの
で注意が必要となる。使用する場合は、患者に NRS で評価が難しいと言われた時に、他の
手段として「フェイススケールという方法もあります」と言って紹介をする。その後の反応
をみてから使用をする。
【評価方法】
・ 全く痛みがない状態を笑顔(0)、痛みが最悪の状態である泣き顔を「10」とする。
・ 1~5の数値を 2 倍し、NRS と同じ0~10 で記載する。
[NRS でもフェイススケールでも評価できない場合の他の方法]
≪VAS≫
一本の線上に痛みの程度を記入してもらうことで、患者の痛みの程度を評価するものである。
10cm の物差しを使用するとよい。
【使用上の注意】
● 個人差が出やすいといわれている。痛みを過大評価しがちな患者と、過小評価しがちな患
者がいることに注意する。
【評価法】
● 10cm の定規にスライドできるものがついたもの(入職時等でお渡ししたもの)を使用す
る。ない場合は、紙に 10cm 線を引き、左端を0、右端を 10 と書いておく。
● 痛みが全くない状態を左端(0cm)とし、最大の痛みを右端(10cm)とする。
● 赤矢印を(0~10cm の間)で、患者さんに「今の痛みはどの辺りですか?」と聞き、実
際に動かしてもらう。紙に書いたものであれば、患者自身に印をつけてもらう。
● スライドした矢印を動かさないようにし、裏に書いてある目盛り(cm)をみる。
● 記載は、目盛りを数値とする。mm 単位は、四捨五入して記載をする。例えば 4.4cm であ
れば、「4」に、6.7cm であれば「7」と記載をする。
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≪簡易表現スケール≫
痛みなし、軽度、中等度、強度、最大の痛み、といったように言葉で評価をしてもらう。
痛みなしを0とし、軽度を3、中等度を5、強度を8、最悪の痛みを 10 とする。
≪認知症患者の疼痛アセスメントツール≫図 3
●せん妄、認知症などで、自分で痛みを表現できない患者に対して使用する。
それぞれの項目の得点を足して 10 点満点中の何点なのかをカルテに記載する。
認知症患者の疼痛アセスメントツール
PAINAD(Pain Assessment in Advanced Dementia)
0
呼吸
(非発声時)
ネガティブな
喘鳴(発声)
顔の表情
ボディ
ランゲージ
正常
1
2
随時の努力呼吸
短期間の過換気
雑音が多い努力呼吸
長期の過換気
チェーンストークス呼吸
なし
随時のうめき声
繰り返す困らせる大声
ネガティブで批判的な 大声でうめき苦しむ
内容の小声での話
泣く
微 笑 ん で い る / 悲しい
顔をゆがめている
無表情
怯えている/不機嫌な
顔
リ ラ ッ ク ス し て 緊張している/苦しむ 剛直/握ったこぶし
いる
行ったり来たりする
引き上げた膝/引っ張る
そわそわしている
押しのける/殴りかかる
慰める必要なし
声掛けや接触で気をそ 慰めたり、気をそらせた
らせる
り、安心させたりできな
安心する
い
慰めやすさ
PAINAD(Pain Assessment in Advanced Dementia)
平原佐斗司 編:チェレンジ 非がん疾患の緩和ケア.南山堂,p69,2011より引用
≪認知症患者の疼痛アセスメントツールの使用方法≫
①呼吸、ネガティブな喘鳴(発声)
、顔の表情、ボディーランゲージ、慰めやすさ、の 5 項目
を0~2で記載されている内容に近いものを選ぶ。
②選んだものの数字を足す。
③足した数字がペインスケールとなる。
④数字を疼痛評価に記載する。
≪評価例≫
呼吸:正常⇒0
ネガティブな発声:なし⇒0
顔の表情:顔をゆがめている⇒2
ボディーランゲージ:そわそわしている⇒1
慰めやすさ:声をかけると安心する⇒1
合計 4 点
⇒対処する必要がある。まず看護ケア(体位交換、マッサージ、温罨法・
冷罨法)を検討し、改善がなければ薬剤使用について検討、または、医師へ報告・相談
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スクリーニングの手順
項目
外来
入院
嘔気・嘔吐、食欲低下、便秘、倦怠感、呼吸困難、腹部膨満感、浮腫
などの身体症状や、不安、不眠などの精神症状、経済問題・家族関係・
仕事などの社会的な心配や不安、など
スクリーニングの項目
対象
抗がん剤治療中の患者様
悪性腫瘍患者様
・化学療法を実施する患者様
悪性腫瘍の患者様及びご家族
対象
方法
タイミング
スクリーニングした結
果の確認者
・化学療法センター看護師がスク ・病棟看護師が口頭で聴き、カル
リーニング用紙を渡し、患者様が テに残す
記載。記載されたものを、話しを
聴きながら看護師が確認する。
必要時に主治医へ連絡し対応。
・化学療法を行う度に
・化学療法室看護師が確認し、主 ・病棟看護師が確認。
治医へ報告
・病棟リーダー看護師が確認
・化学療法室看護師が把握し、カ
ルテに記載する。
・つらさの有無の確認
・緩和ケアチームへの依頼時利用
スクリーニングの活用
方法
・入院時
・症状変化時
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