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f国民経済計算」と「家計調査」の家計貯蓄率手離

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f国民経済計算」と「家計調査」の家計貯蓄率手離
国民経済計算」と「家計調査」の家計貯蓄率手離について
f
r
家許調査」のバイアスの検証とその修正
前田芳昭
臼本経済研究センター・富民金融公!議
F鴎民経済計算」と「家計調査J
の家計数蓄率が8
0
年代以鋒、異なった動きをし
ており、年々その主主露差額を拡大している G 統存の研究はず欝民経済計算』
の定義を
f家計課査ょの定義に揃えることで都離を説明しようと拭みたが、十分に
は説明しきれていない。本研究では、
「家計言!毒査手の貯蓄率を対象範額と定義につ
いて F撞長経書計算C
J に様えるように修正を誤み、議離の原留を説明しようとする
ものである。本研究の結論は以下のようになる。
の許蓄率は 8
0
若手代以降、上昇トレンドにある G これは舎サンプル世
において、高貯蓄率の共働き没後の比率が上昇している②年々増加している低貯
蓄率の無報世帯を食んでいない@勤労者世帯の持ち家主終が上昇している中で帰属z家
されていをい、ためである o ここに無職世帯の貯警察と持ち
を算入してみると、貯蓄率の上昇トレンドは修正される。
「家計調査手と「菌民経答計事事J を共に有諮活用するためには、将龍許の特性を
十分理解し、自的に応じて的確に利用することが蓑撃さである。
1
.
~まじめ
経済企画庁ぎ謹民経済計葬s と
『家計額資」の家計芽蓄率辻、
1
9
7
0
年弐
半ばまで誌記閉じ動きをしていたが、 8
0年代に入ってから持統計のトレンドに違い
が生じ、議離隔が年々拡大している。このため両統計の議離の原因を巡っていくつ
もの研究が行われてきた。それらの詐究のほとんどは、
を{藤正することによって
『国民経謀計算三における
の水準やトレンドに近づけ
ょうと試み、翠離の風間を貯蓄率の定畿の将違で説明しようとしている c しかしそ
日本総済研究
N
o
.
2
8,1
9
9
5
.
3 105
の結果は両統計の水準の遣いをある程度説明し得たものの、
トレンドの違いについ
て法十分立説明し得ていない。そこで本研究ではヂ霞民経済計算」と
の家計貯蓄率の主主離について、これまでの主要な研究とは逆に
F家計調査三に注目
生の修正を通じて臼
しず家計調査』の特霊を検証した上で、その特i
の長期的なトレンドをどうみるべきかを考察する。そのこと辻、日本の家計貯蓄率
がー穀に権じられているようにライフサイクル佼説に藩づき長期的には法下してい
くのか、あるいは宗家計調室王手が訴すよ昇トレンドがライフサイクル叡説への畏証
であるのかということにも lつの判断材料を提供する。
本研究の構成は次の通りである
G
第 2箆でず謹民経済許算」と宮家計鶴査』の統
計約特性の分析を行い、議離の原国と考えられるものを特定する。第 3蔀で既存の
研究のサーベイを行い、その結果と本研交が指捕する準高差諜因との整全性を投討す
る。第 4節でそれぞれの統計に修正を行い、貯蓄率がどのように変換されるかをみ
る。第 5蔀辻結論である。本研究の特教は、家計貯蓄率の奥のトレンドを探るとい
う視点から、多くの先行研究の結果を踏まえて家計詐蓄率主義離の露関を分析し
二重要なイ事正根挺があるとした上で再統計の{儀正を試みず家計調査三
の方 i
のトレンドを変換 Lていることである。本研究の結論は、家計幹蓄基幹の全体のトレ
ンド i
まず留民経済計算』のように母下しているが、
「家計議査」の貯蓄率;まその統
計的持!生から今後も高めに推移する可能性が強いというものである。
2
.r
冒設経b
奇計算iと?家許調査Jの統計的特性と家計貯蓄率のトレンド要霞
T国民経済計算三と「家計調査」の家計貯蓄率は、
7
0年代半ばまで認申立食持した
園設経済計算』の方法 7
6年を墳に以後、低下し続けて
動きをしていた。ところが r
いるが、
4
年を壌に-緩やかに悲下したものの、 8
2
年から
「家計調査J の方:ま 7
転 L、上昇 L続けている(悶1)0 なぜこのような水準とトレンドの異なった動き
が生じているのだ、ろうか。
関統計の主主離をみると、以下の点が持徴として挙げられる。
0
年代半 i
まから生とている
I.水準の議離は 7
立. トレンド
は8
2
年頃から生じ、以後拡大している
惑は、この 2つのポイントを説明できなければならない。これまでの研
主義離の露 E
究で指擁されている要臨誌。両統計における貯蓄率の窓義の違い争再統計の露策対
象の違い③
f翠民経寝計算」の土地の設い、が主なものである。先行研究は貯蓄率
匂
)
'
d彼潟市川凋溺必市ド
106 B本経済研炎目。 2
8,工事事5
.
3
%
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家計調驚」と
図
で異なる家計貯蓄率
3
0
2
5
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家計調査』
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宮井
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G
6
5
資料}総務庁「護主義十線三霊法手線』、級決公i
曲
j
i
i
Tr
阪民経済計算王子報」
を
の定義の遣いの
準の事離についてはある
しようと試みるものが多く、それら
は説明するものの、方向性の違いは説明しない。つま
I
Iについては説明し得ていない。そのた
り Iについて
調査対象の速いも
として指摘されているが、まだ実証的な確認はなされていな
し
、o
の貯蓄率と「家計調査J
問題となるの試
用し、トレンド
に作
る環留である o @
のようにバブル期の土地議引を
えていないためという指摘もあるが、、
トレンド
i
立大きくなく、しかも 9
0年以降のバブル崩壊後も
の議いを
の菜撃が皇室較していることを説明しない
3
館で検証する}。つまり議難題盟はー詩的な要密で誌なく、議綾釣かっ
る
し
、
でなければならない。
きポイントは、
の貯蓄率は 8
2年以後、一貫 L
I
I
I
.
している
ト
レンドにあるのか
である o
はこの問題意識に基づき、両統計の特徴を
しながら戦離の原
閣を明らかにする。
T国民経済計算』と「家計翰蕊』の家計貯蓄事選事教職について
107
2
.
1
r悶民経済計算J の特性と争レンド要霞
「国技経清計算」
あらゆる形態の堂著、すなわち 2入以上勤労者世替、
勤労者世帯、無職世帯(単身者無業世帯も含む〉、一般世帯情営業者、農家、法
人経営者等。単身者世替も含む)を縮羅している。したがって
f菌畏経沼計算』の
f龍民経済計
家計皆蓄率は一国の家計部門全体をカバーしているといえる。また
算」は現金J[又支以外の帰議分
めている。予
、室寮費現物給付等)
し、計算
はほとんどが可処分所得と消費に両建てで加算される
であるため、現金政支の貯蓄率を引き下げるような効果を持っている。
はかつては上昇トレンドにあったが、 7
6年以降反
If'~長経済計算」
転し、緩やかに母下している。
H
o
r
i
o
k
a(
19
9
3
) はこれをライフサイクルイ反説に基
づく人口高齢化で説明できるとしている c 確かに高齢化の進展とともに全体の貯蓄
引き下げ要悶となる高齢無職者の数辻増加の一途をたどっており、年々引き下
げ圧力を強めている(菌 2)。したがってこれが『国民経法計算」における家計貯
蓄率の低下トレンドの大きな要罷になっているものと考えられる。
なお、ここで注意すべきは最近の研究で指摘されている土地の取扱いについてで
9
2
) のように、
ある。名倉(19
『悶民経書計算」の貯蓄率辻土地売却額を
ば上昇トレンドに変換されるとする説もあるが、第 3節で検設するように、これ辻
額 2 増加する無蟻高齢者(対総人口比}
%
1
4
1
2
1
0
8
5
6
0歳以上有職
4
2
G
6
5 6
7 6
9 7
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3
繁華斗)隠さ主省
108
日本経済研望号
7
5 7
7 7
9 8
1 8
3 8
5 8
7 8
9
T人口統計資料主義』、労働省
N
.
o
2
8,1
9
9
5
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3
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"fi数カ調査」
9
1 際若手
『国民経済許算J の俄下トレンドを変える i
まどの大きさではない。
2
.
2
I
F家 計 器 変J の 特 性 と ト レ ン ド 襲 爵
(
1
) サンプルの特性
さhている
家計諦査J の貯蓄率は、勤労者世帯を
一般に用いられる r
G
より議室にいえば、 2入以上核家主英世替を中心にサンプリングされており、約 8制
を占める。またこの割合は長期的にみても安定している。 7
0年
、 7
6
年
、 8
2年
、 8
8
年
の 4 時点をとって世帯類芸~illJ サンプル数〈抽出率調整済み〉を比べてみても、誌と
んど変化がみられない(表1) (この 4時点を選乏したのは、
T家計調査』と r
菌
6年頃、そして r
家計調査』だけが上
民経詩計算手の水準の事離が生じ始めたのが7
昇し始めたのが8
2
年頃であるため、等調隔で比較するために前後の均年と 8
8
年を
んだという理由による)。
したカfって
では、全体の貯蓄率は接家挨世帯の貯蓄率とほぼ一致す
る。このこと:ままた
ないことを意味する。
の貯蓄率が、無職世帯等の増加の影響を受けてい
w
家計調査手は典型的な勤労者世勢の収支動向を謎統的
ることが主留であるため、意閥的に核家接世替中心のサンブリンク令を行ってい
るとみられる。
0
年
、 7
6
年
、
世楼主年齢階級到の霊帯数構成止を 7
8
8
年でみてみると、
2
5
議来讃世搭主世帯の比率と 6
5
歳以上世帯主世帯の辻率辻 4時点いずれも出主一致
しており、堂菩数構成比の U
Jのぜークが3
5
3
9
歳世梼主階級あたりで安定しながら
の比率が減少し、高齢醸の辻塁手が上昇している(盟 3)。これは接家族世帯
中心のサンプリングの結果というより、もともと調査対象が 2人以上勤労者世普で
あるために、若年準身者世帯、高齢無犠者世帯が除かれた結果、
と最高
齢階級の比率辻安定的となり、その関の階級 i
こおいて高齢化が長挟されたものと
没帯数構成比
「家髭調査J の世帯鱗盟主5
(%)
7
0年
初年
核家主災
7
7
.
1 7
9
.
2
接 家 族 と 毅 族 { 毅 除 く 1 .0
0
.
8
片殺と未婚の子供
3
.
2
3
.
1
間続と子供夫婦または未婚の孫
4
.
7
4
.
3
片親と子供夫婦または未婚の孫
1
2
.
6 1
1
.
6
i
結核家主主は火婦のみまたは夫妻蚤と米鱈の子主誌のいる之主務
8
2王
子
8
8
年
7
9
.
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.
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資料)総務庁 r
家計筑波年報J
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寄計算」
T国民絞
と 弓E
言
十
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:J の家計lIT害事主事主義織について
109
「家計調査J の 年 齢 階 級 別 世 帯 数 構 成 比
関3
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〆
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25-29 3
4 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 650…3
世帯主年齢階級
主
主
) 2人以上勤労者投与葬
資料} 総務庁 F家計“害警護室長手綴』
表 2 r~設計調査」と「国勢調査J の緩業別世帯手数構成比
MM Ml
一
村
一
一
一
計
一
一
一
口
一mm一
行
⋮
一
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一
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併一 U U一
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山
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,
一
山
山
一ω
川口一⋮おわれ⋮一一けい一引い一一一山川⋮ M M一
即日ロ一mm一
山
口
一UM
8
サーピス
UM
山
川
一 M M一
消一 M M一一ぷ一幻当日一川一山一日一山肌一 U U一
山
口
一
明一 M M一
一
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一
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制
一
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鉱業
(
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.
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6
1
.5
1
.5
は雇用
者数構成比
資料)総務庁 Tゑ官十語調宝疫学幸弘、総務庁 r~霊勢謙三笠J
110 際立ド緩詩善事芳突 N
0
2
8,1
9
9
5
.
3
歳
#
4
た
えられる。
山
でi
ま程対的
い公務員世帯のサン
これが全体の幹蓄率を引き上げている 1つの婆器ではないかとの指摘もあるが(村
岸
(
1
9
9
3
)
)、 f家計調査』と F盟勢爵査」で、(勤務先)産業別構成比を比べてみると、
かに F家計調査J の方が公務員の比三容が高い。
ではこうした産業構造変
し、サーピス業勤務の比率が上昇しているが、
のサンプリングがサービス f
と
2。
) これは
化の影響詩より小さい
ニグ〉
F翠勢調査」で、は製造業勤務の比擦が程下
している。 またこ
構成比落差
7
0
9
0年を 5 ごとにみても、
追い切れていないということ
しているのかもしれない
o
(
2
) 上昇トレンドの説明要因
2年頃まで低下し
の貯蓄率は 8
、
ている。 浦
反転し、上昇
ち降
ろうか。 7
6
8
2
年の貯蓄率の低下は、
の貯蓄率の上昇トレンドはどう説暁できる
オイル・ショックによる実質所得の伸びの低下と、減悲の先延ばし並び立社会保険
料引き上げ l
こよる非洛費支出の高い枠び、によって可絡分所得が押し下げられたため
2
年から
と考えられる o しかしそれによって生とた貯蓄率の低下トレンドは、なぜ8
図4
%
T家計調驚」の各項毘の伸び
3
0
2
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可処分所得
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1
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5
8
7
8
9
9
1
き3 草
委年
資料)総務庁ず家計識変年報」
1
1
1
r~室主主経済計算』と f 家計警警査4 の家計貯蓄率主義総について
反転したのか。これ誌景気回護による所持増加が原因であるというような形でi
ま説
明で、きない。なぜなら、所得は 8
0年代以降む自立った伸び、を涼しているわけではな
く、むしろ消費がそれをやや下回る形で伸びている結果として貯蓄率が高まってい
るからである(悶 4入
この議費の伸びが低いという点辻、
f家計調査手の貯蓄率の上昇トレンドを解暁
する上で、麓婆な点であり、先行研究で辻いくつかの原題が指摘されている。例え
F家計構査』は由答者が主揚であり、その主婦が詑握できない消費支出が存在する
ため、結果的に消費が過小に報告される傾向がある、あるいは酎久消費財支出が十
9
2
) 入また『家計課査」は調査
分担躍されていないという指摘がある(溝口(19
丹中に転惑した設帯はサンプルに含まれないようになっているため(調査開始後に
転居した世幕の家計薄はサンプルから;まずされ、新しく紙居してきた世帯も蔵ちに
辻サンプルに入らない)、転屠時に発生する一時的な高額の消費が把撞きれない、
あるいは調査摸本には笠宅購入等の貯蓄目的があって所需の変動に対し治費支出が
まないかとの指摘もある〈村岸
敏感に反花、しない家計が多く合まれているので i
9
3
) )。これらの饗器が消費を抑制し、結果的に貯蓄率を高め i
こみせていたと
(
19
いうことは考えられる。ただしそれらが貯蓄率の上昇トレンドにまで作吊するよう
i
な 継 続 的 な 強 ま り を 訴 し て い た か ど う か は 明 ら か で は な い 。 MakiandN
shiyama (
19
9
3
)で
、
は
、 8
4
ω
8
8
年の「家計調査請と r
国民経済計算 J の諮費支出額
I・商品タイプ別に比較し、消費支出額、の F家計調査J / Ii'国民経済計算』
を自的 Jj
底下鎖向にあることを指摘している。またこの
比率が王子均 80%で¥その比率は年々 f
として樹久財支出の議離が大きいことも指摘されている(ただし再統計の捕費
額の準離が、 f
可に却因するかまで、は結論されていない)
0
本訴究では貯蓄率の上昇トレンドを説明し祷るな要因を 2つ指摘しだい。
わち世帯内有業率の高まりと、持ち家率の高まりである o
〈む設支まされたサンプルにおける世帯内有識芸春の高まり
の「非消費支出/実~又入 J 比率をみると、 76-82年には上昇してい
るが、 8
2年以降誌ぽ…定に推移している。これを
T霞民経済計算」の f非消費支出/受歌J
F国民経謀計算」と比較すると、
比率は一貫して上昇し続けている(関 5)
(
l
f
蔭正後は第 3館で詳述する土地売却効果を鯵正したもので為るが、結果 i
出まとん
ど変わりない}。この非消費支出比率は、委託計部門における国民負担率(租税・社会
i
l
I
i
立するものとみることができる。全部の
協棒負閣を国民所得で除したもの)に :
民負経率はこれまで上昇領向で推移してきており、
112 B 本経済研究 ~o.28 .
1
9
9
5
.
3
「国民経済計算』の非浪費支出
一O W 3
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s 収入におめる非消費支出の畿合
頭
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今、
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2 暦年
経議会主室JTr国民縫i
i
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計算年季量a
去を料)総務庁
ノO
一
。
関 8 世帯内有業率の推移ド家計調ままJ 勤労者〉
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註
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芸
品
8
6
8
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9
2
経年
資料}総統守「家計務室芝若手幸霊ぷ
r~自民経済計算』と r 家計識変」の委主計貯蓄率立花開撃について
113
⋮
it--
比率はその較さを反映した動冬をしているが、
F家計調査』の方は国民負担主容の動
きに反して一定で推移するという不自然な形告示している。
こ札を説明する 1つの披説は、
言家計調査』の対象営替では世帯主恕稿者等の有
まりによる、税・社会保障費控を倖わないような技入が増加していると考
えることである c そこでこ
を確認するために「家計謡査ぶのは世帯平均}
宥業人員を世番人員で除して、世菩当たり有業率として求めてみた(罰的。これ
をみると 7
0年代は横 i
まいで推移していた世帯内有業率が、 8
0年代に入ってから上昇
し始め、そのまま
説における
して上昇し続けている。つまり
とみな
る所得が増えることによっ
(
1
9
9
2
) でも
まっている o
まる{頃向カまあることは、
共動きによって可処分所得が増えること
出-
きの増加で、罷常所得仮
さhている i
J
大
有業人員別分類でみても、
2人の世帯の貯蓄率は 1人の世帯の貯蓄率よりも 5%前後高い。
の場合、調査対象世帯の約 8
ヂ家計調
2人以上接家艇でこのサンプノレ比率は安定的
全体の貯蓄率に対して支配的であるため、世帯内宥業率の高まり
かつ
が家計貯蓄事率に及認す影響が願著に現れたと考えられる。
詔 1-a 持ち家世帯の貯蓄率寄与度(1"家計調査」勤労者)
%
3
0
2
5
2
01
r2222?
丈 JV
1i
1
0
主主滋後議定世帯の寄与i
交
3
、
_
.
.
.
.
.
-....,..割、チー
戸
-.
- 附 /
開 削 町
ω
.
.
.
.
:
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:
"
"
.
.
.
:
.
.
・
給与住宅世手警の寄与俊
容ふ一一
7
0
時-剛'--=-・ ・・・--=-勺ユ酬雌制--・国幽閉---・ ・
一一一.-.回ー←
- 伊 もJ
h
d
一」ームー_.L---I
7
2
7
4
7
6
資料)総務庁縦十銭主主年報』
114 岡 本 経 済 務 交 ぬ2
8,
1
9
9
5
.
3
7
8
8
0
8
2
8
4
8
6
8
8
9
0
9
2 薬害年
関 7- b
%
F家計調査J の持ち家率の推移
7
0
6
8
6
6
6
4
6
2
6
0
5
8
/
「家計警護変£勤労幸吉t
設帯
5
4
5
2
5
0
7
0
7
2
7
4
i
部 会 設 帯i
立5
7
8
7
6
8
0
8
4
8
8
8
6
9
0
9
2 勝年
ただし 9
3年は速報銭。
総務庁『住宅統計露関査報含a
資料)総務庁
翻 7-c 消 費 支 出 に 占 め る
%
8
2
-地代構成比
F家計調査..1)
2
0
1
8
1
6
1
4
1
2
;:凶
AU06P
写
ふ
ll
む
4
全体平均
幽 閉 " 酬 働 眠 幽 ・ ・ ・ 鍋 物 ..
. ・
4
日
2
0
7
0
7
2
7
4
7
6
7
8
8
0
8
2
8
4
8
6
8
8
9
0
9
2 勝年
i
ゑ) 2人以上勤労者世帯
資科)総務庁主計親交年報』
ずお民経済費十算」 と F護主貯蓄毒査4 の家計貯蓄系議選震について
115
家率の高まり
「家計欝査sの勤労者霊薬貯蓄率を、住居舟省関係別にそれぞれの所得シェアを
Z
I7 aで、ある。これをみると、 70年代前半、お
乗とて寄与度として求めたものが I
よび前年代の貯蓄率のよ昇期には、持ち家世帯の貯蓄率寄与度が上昇していたこと
がわかる。つまり『家許認査J と「国民経済計算』の貯蓄率の悉離が問題とされる
8
0
年代には、持ち家世帯が F家計調査』貯蓄率のトレンドを搾り出していたといえ
るのである。このことは持ち家主容の推移からも確認できる。総務庁二 F住宅統計調
査J にみる全世帯平均の持ち家率は 6
0%諮後で安定的に誰移 Lている一方、
r
家計
の勤労者世帯では持ち家惑が急 i
議に上昇し、 8
0
年代とは全世帯の持ち家主事を
b)。また
る水準で、誰移している(儲 7-
F家計調査』の動労者世帯統計で、
持ち家世帯と借家堂書を乎均した 1堂毒患たりの消費支出に占める家震・地代支払
額の比率をみると、はぽ一定で推移している o ところが、これを民営借家設替のみ
でみると、清費支出に占める家賃・地代支払額のよと率は一貫して上昇し続けている
(
関 7-c)。これらのことはず家計調査」における持ち家率の高まりが、持ち家ー
岱家を合わせた平均家賃・地代支払額の伸()¥の鈍化をもたらしていることを
る。また持ち家世帯と民数欝家世帯の貯蓄率を比べると、現金~又支の
では持ち家註暑については家貫貢担がないため、明らかに持ち家世帯の貯蓄率が姦
ししかも持ち家世帯と借家殻替の貯蓄率格差は 7
0
年代平均でら β ポイント、 8
0年
代平均で 7
.
4ポイントと徐々に拡大する傾向にある
Q
したがって r家許議査』に
いて辻現金収支である(嬉鶏家貫計算がない}ことによる貯蓄率の押しょげ効果が
年々強まっていたと考えられる。
これら 2つの要問(世帯内有業率と持ち家率の高まり)が8
0年代に入って領向的に
まってきたため、
f家計調査」の貯蓄率に上昇トレンドが生じたものと考えられる O
以上みてきたように
f留民経済計算」と
f家計調査』の良守護率は、それぞれの統
計上の特徴からず富民経済計算£辻下降トレンドで、
計調査J 法上昇トレンド
していたと考えられる G したがってもしこれらの統計を修正することで家計
貯蓄率の真のトレンドを導き出そうとするなら、
f家計言書査』についてそ
の定義や対象を修正するのが有効で、ある。なぜなら「家計調驚s はそのサンプリン
グの特性から、特に顕著な貯蓄率の上昇トレンドが生じるようになっているからで
ある。そこで本研究では「家計議資s を『富民経済計算J ベースに変換するという
を誤みるが、その詰にここまでのファクト・ブァインデイングと、先行研究結
との整合設を検討する。
116
日本経済研究誌な2
8,1
約5
.
3
3
. 家計貯蓄率議離についての既存の研究結果の示すもの
これまでの研究は、家計貯蓄率主義離の牒匿を、水準の違いについてはある程書記説
'
o その理由を考察
明しているが、方向性の違いについては十分に説明し得ていな V
してみる。
3
.1 定義の穆正結果の意味するもの
既専の研究の内容と
これらの研究をみると、
3の通りである。
φ②③の研究は宮田氏経詩針算J の貯蓄率の定義を
ベース立修正したが、 トレンドは変わらなかったという結果で一致してい
るo このことはとたのようなことを意味する。
みを娃正レてトレンドが変換されるに辻、 2つの前提
条件が必要である。 1つ辻、
ヂ国民経活計算』と「家計課査」の貯藩率の定轄の相
違する部分で、 8
0
年代に大きな変化が組こっていたということ。もう 1つはその大
きな変先が、
ヂ盟民経議計算 J の家計貯蓄率の散さ;二大きな影響を与える設替層で
起こっていたということである。この 2つの条件が議たされれば、
の貯蓄率の定義を『家計調査』の定義に描えることで、
F国民経涜計算 J
の家
計貯蓄率は惚下トレンドに変換されるだろう。しかし実 i
禁立はトレンド泣変換され
なかった。ここからは 2通りの結論が導かれ鐸る。
(
a
)
ぎ富民経済計算』と「家計欝査」の貯蓄率の窓畿の棺遣部分では、 トレンド
に影響するような大きな変化は生じていなかっ
く
も
) あるいはず鴎民経滞計算』と F家計講査』の貯蓄率の定義の相違部分で大き
な変化 i まさ長じていたが、ぞれがH"~設経済許算」の家計貯蓄率の動きに大き
与える世帯躍では組こっていなかった。
これら泣具体的に言い換えれば、帰嬬計算の効果の大きさの問題である。
w
盟民
経済計葬』と宗家計鱗査£の家計貯蓄率の水準の違いを説明する主な定義の違い培、
帰藤家賃と謹療費現物給付の計算の者無で、ある。リ帝鵜家震についていえ述、前年代
に全体的に急迷に持ち家主容が高まっていれば、ぞれは帰属家議を計算するず盟民経
済計第三にとっては嬉譲家賃計算による貯蓄率の引き下げ効果が高まることになる
ので¥帰農家設計算さと除去する修正で『国民経諸計算J の貯蓄率は上葬トレンドに
変換される可能誌がある。しかし実擦にはトレンドは変換されなかったわけであり、
これ誌初年代は持ち家率の急速な上昇辻生じなかったか、あるい辻部分的に生と
r~霊長経済計算三と r 認定許認宝めの家計貯蓄率議襲撃について
117
表 3 家計貯蓄率悉離についての既存の研究舟容と結果
ぐ会土志間 (
1
9
91
)
その結果、
を f家計調査」ベースに変換するために、帰属家賃、利子支払いを修正。
『臨民経済計算J の貯事答率は約 5ポイント上昇したが、低下トレンドは不変。
⑨横田・大野 (
1
9
9
3
)
を『家計調査手ベースに変換するために、帰属家主言、震資料、損害保険総
保険料、対家計民間非常利間体への経常移転、その他の経常移転、遺療事妻、利子支払い、社
国民経済針算』の貯蓄議は 8
0年代以降 1-2ポ
その他凝主負担を修正。 r
イント低下し、 トレンドは低下傾向がむしろ強まった。
③村岸 (
1
9
9
3
)
を家計調動ベースに変換するために、帰属家賃、医療望号、社会保障蔑
その他尊重主負担、給与性宅差額家主君、受取り利子、利子支払い、係議会社からの配
1
麟善望号ー緩持管理費、持ち家の火災保険料
当収入、無造容金尊重用者福祉給付・主主担、持ち家の1
のうち保険サービス料穏滋分、損害保検料のうち保険金に回った分、掛け捨てでない生命保
険料、紹続税、対家計氏関委主営利団体への経常移転、その他経常移転、支払い財産量所得を修
正。その結果、 「閣民経済計算s の貯蓄率の水準は 4ポイント前後高まるが低下トレンドは
0年度と 9
1年度の貯蓄率が高まることを指矯しているが、
った。譲渡税の修正により 9
ぞれによるトレンドの変化については言及していない。
④名倉 (
1
9
9
2
)
については帰属家賃、支払い利子を修正。 L家計鶏変」については仕送
関民経済計算ぷの貯3
蓄率は 7ポイント程度上手干し、 宮家計調交』の貯蓄
り・贈与を?修正。 w
率は 4ポイント程度上昇十るが、 トレンドは不変であった。単身勤労者世帯、一般世帯の貯
0
年代前半の「家計繍変去の貯議率
して f家計調査』の貯議率に加算した結果、 8
0年は再ぴ上昇し修正幅 0
.
2ポイントで逆に上昇しているむ
は 2ポイント鴇度低下するが、 9
つまりトレンドは変化していない。また『燦林水産統計』と「貯蓄動向銭資J を
部門の土地総購入額を推計し、 f霊長経済計算」の家計部門の貯蓄額をよ方修正し
年代後半以降のトレンドを上方転換させている。
き0
$足立 (1993)
を『岡氏経済計算』べ…スに変換するために、帰騒宮家葉、涯療費、仕送り・ 1
議
J
子、利子支払いを{修正。また等生身勤労者世帯、一般世帯、無職世帯の加算も行っている。
0ポイント程度、対象の修正で 2ポイント程度低下す
「家計調査』の貯蓄さ容は定義の修正で 1
悶氏走お斉計算」にニt
地売却収入を加算し 8
0
年代後半グ〉
るが、 トレンドは不変。 T
計算J のトレンドを上昇基調に転換さ 4きている。
1
9
9
2
)
$経済企画斤 (
を F国民総済計算sベースに変換するために、帰属家索、医療費、自動家等高
徳磁品支出を 11~jEo
r
家計調査」の貯落率が水懇意で約 3ポイント低下したが、 トレンドは不
変令あった。
(
j
)安 滋 総 合 頚 究 所 (
1
9
91
)
「家計調査s を f国民経済計算sベースに変換守るために、単身勤労者t
投与野を加え、
9年度準年のみ修正したところ、
賞、医療後、利子支払いそ修正 c 7
23.0%が 17.7%に修まされ、 r
園長経済計算」貯蓄率の 17.4%に
いる。
$溝口 (
1
9
9
2
)
r
家計調査』における耐久消蓄を棄さの支出が過小に評倍されるパイアスがあり、そのバイアス
カ匂3
年と 8
8ft.を比較して拡大傾向にあると指摘している c また「家計調査手"ごは負債返済金
菱重に加えて利子部分も貯蓄に計上されがちであるため、住宅購入費用の増大に伴う
が宮家計線変J における貯蓄率押し上げに寄与していると指摘している。
1
1B 総 本 経 済 研 究 ぬ 2
8
.
1
号9
5
.
3
ものの、全体の貯蓄率に及ぽす影響力宮小さかったかを意味している ο
本研究では、第 2節で述べたように、持ち家率の急速な高まりは生じていたが、
それが
T家計開査』が対象とする
2人以上勤労者世替においてのみ強くさ主じていた
ために、 2入以上勤労者設準以外の世帯も食めた 1関全体の貯蓄率に及ぼす影響辻
0
年から 9
0年にかけて
小きかったと考えている。実瞭、 8
の勤労者世帯
の持ち家率誌 5
9.4%から 64.9%へと急漉に高まっているが、それは全体の平均より
も急速な変化であるため、
『悶民経謀計算」において 1盟全体の鐸農家建の修正効
を輔定しても、 8
2
年と 9
2年とで貯蓄率を上方修正する議果がO9ポイント強まる
寄
だけである。
の対象藤についてのみ、怒速な持ち家率の上昇が生じた理出誌次め
ように考えられる。家計調査」勤労者統計が対象としない層は、単身勤労者世帯、
無職世帯{単身者無業堂苦手を金む)、一散世帯(農家、自営業等)であるが、
世替、一般世帯拡充々持ち家率が言語いため、急速に持ち家率が高まるというような
余地:まない。また若年に多い単身勤労者投警は持ち家率が龍いが、彼らが単身にと
どまるうちは、住宅軟得インセンティブは低〈、結語後に住宅を耳文書するさ容が高い
とみられるため、結莱拾に単身勤労者世替の持ち家率は告まいままで、 2人以上勤労
者註帯の持ち家惑を高めることに寄与するということになる。このように
査』勤労者世帯統計の対象屠以外では、持ち家率が急速記言語まるという余壊が小さ
いため、 8
0
年f
eの住宅ブームのような折りには、
F家計調査』
についてのみ
持ち家率が懇速に高まるということが越こ号棒る。
帰属計算のもう lつの大きな要棄で、ある鹿繋費の計算は、罷醸費の現物給付部分
を推計して、家計部門の舟得・消費に加察するものであり、貯蓄率を引き下げる効
0年代にこの医揮饗現物給付部分が特む急増レごし、れ培、その計算の除
果がある。 8
去により『悶民経済計算sの貯蓄率法上昇トレンドに変換される可能性があるが、
既存の研究で行われた修正結果をみても、
トレンドは変換されていない。こ
療費の簿議部分がトレンドを変換する迂ど怒に増加したわけで、はないものと考えら
れる。
3
.
2 土地売却効果の評舗
②舎丹研究では
F富民経済計算』の土地兜却額を大幅に過小推計するか、
却収入を所得記念めるかして、
F盟民経清計算 J
るが、これらの接正方法にはそれぞれ賄躍がある
の貯蓄率のトレンドを変換してい
O
名倉(19
9
2
) はストック勧定か
r
彼氏経済計算aと F家計雪道支払の家計五ヂ3
蓄率読書誌について
119
らアフ。ローチし「
が家計部門の土地純購入(実勢は売却額)を過
大誰計しているため、それが貯蓄率の引き下げ要国になっている」と議定し、それ
を修正して家計貯蓄率の上昇トレンドを導き出している。つまりストックの差分を
として提之、このストック立おけるマイナス婆密である土地純購入が近年拡大
していることから、ここにノ fイアスがかかっているのではないかと考えた。しかし
「国民経済計算」 における政詩・企業の土地購入が過大推計だったという議骨けが
9年の家計部門の土地総売却額が実際は
欝いため、 8
F国民経済計算£披計の 17%
の
とどまるという大経な指摘は、以下のような点から話器佳が弱い。
9
2
) は T農林水産統計
倉(19
(
8
9年度}ぷおける農家の土地売却額をもって、
家計部門の土地売却総収入が5~ls2000f意丹であると掻定し、総務庁l']宇蓄動向調査』
から勤労者世帯・自営業世帯の土地購入額を 2兆 8
0
0
0
億円と試薬して、ぞれらの差額
から家計部門の土地縄購入績を 2~主4000億円と箆穫もり、
r
固ま経議計算』推計舗
の 17%にとどまるとしている。しかしこの土地売却総収入には、同じ家計部門の勤
労者世帯、自営業世帯、襲職設楼の土地売却額が含まれていなし、盟税庁の
f税務
設計調査」では、 8
9年賓のイ関入の土地権建物売却収入にかかる分離長期譲渡所得税
の課税対象所得金額は 13~主 1652億円である。これに未申告・過小申告部分を加算し、
建物売却収入部分を差しヲ│いたものが家計部門の土地売却総収入になり、そこから
家計器門の土地購入額を差しヲ│いたものが家計部門の土地純売却になるはずである c
実際には土地・建物苑却~又入のほとんどが土地にかかる部分であろうから、土地純
売却鎖は『国民経法計算」の推計量14~ls2500構内 (89年)と一致するかその近辺に
とどまる可能性が高い。したがって名倉の推計は『国民経詩計算」の土地売却を大
し、その結果、
能性が強いと考えられる
ず器技経済計算£の家計貯蕃率を過大接正している可
G
この名倉誰計をフロー悪からフォローしたものが足立(19
9
3
)、村岸 (
1
9
9
3
)で
1
9
9
3
) では「関民経法計算』統計が資産売却による収入は所得に計上
あるの足立 (
きれない半面、資産売却技入から支出した分も消費支出に計上されてしまうため、
資産インフレ揺には「臨畏結謀計算』は訴審率を過小推計するバイアスが働くと説
明している。村淳 (
1
9
9
3
) では、土地売却などが話発化 Lた際に、売却者が支払う
譲i
度所祷税が所得税全体を膨らませ、可足分所持を過小推計させるため、貯蓄率を
i
最小推計させるとしている。足立推針は、
を推計するために土地売却収入を
こ加えるという方法を採用した去に関親がある c 土地売却行為はー殻む資産の
所得 i
取り崩し{流動化)と考えられるため、その収入を可免分所得に合めることは、
120 日本経済研究 N0
.
28,
1
9
号5
.
3
「由民経詩計算」でも『家計調査』でも行っていない。
w家計調査J
では封産売却
辻「実収入以外の収入 J ~こ含められる c もしその~又入を所簿に含めると貯蓄率を退
大掻言すすることむなる。したがって
の方にのみ土地売却設入を加
えて r
国民経済計算』と r
家計調査」
トレンドが一致すると結論するこ
とは妥当で‘はない。
確かに名倉が着想、したように「国民経済計算」の土地の取扱いには開趨がある。
異体的には村岸が指摘しているように、土地究知;こともなう譲議所帯税の支払が所
まれると子頭、土地売却設入は苛経分所識に含まれないため、土地取引が活
発f
(
:
すると可延分所持がi
最小推計されるようなメカニズムがず盟毘経詳計算」に内
が多い時期 i
こは可処分所帯は低めに推計され
されている。結果として、土地取ヲ i
るため、貯蓄率は油小推計されるということになる。よって真の家計貯蓄率のトレ
ンドを知るためには、可処分所得と貯蓄に譲捜草肘目当額を加算しなければならない。
r
国民経活計算sの家計貯蓄さ容は、 8
2年の 1
6‘
7%から 9
2年の 14.3%まで、 2
.
4ポ
イント怒下している。つまりず国長経書許算J の貯蓄率程下要菌と指摘し祷るもの
この 2
.
4ポ千ントを説明できなければならない。上記の譲渡税の効果で、約
1ポイントはヲ i
き下げを説明できる。また帰属家賃計算は、貯蓄率を低める効果を
っているが、年々その比議を高めており、 8
2年と 9
2
年とを比べると 0
.
9ポイント
引き下げ効果が強くなっている
O
しかしこれらを嬢工としても、
『富民経済計算」の
にしかならない。しかも場議家震の計算が妥当なものであ
るなら、これを詮去する修正はむしろ真のトレンドを克失わせることになる。
においても持ち家の所有率は高まっており、場属家賃計算が近年貯蓄
引き下げ圧力を強めていることは妥当で、あると思われる。したがって
トレンドを捉えるために必要なの
しないとすると、
の家計許蓄率は若干の殻下傾向にあることは変わらない。つまり
留を求めて楼まを試みても字国民経済計算手のトレンド泣変わら
辻説明されない。
3
.
3 単身勤労者世帯の貯審事の見方他
ゅの研究は詳細な推計方法が不明だが、
『家計調査」
める誰計を試みていないこと、端康家賓の推計で持ち
に無職世帯を
推計結果が法眼
していない点に需題がある。
舎の研究は単年の推計でありトレンドを示すものではないが、ボーナス分
V関E
走経済計算』と『家計調査転」の家計貯蓄何率;ljE離について
121
ないために貯蓄率が低く
いる単身勤労者世帯のデータを
る。単身者世帯について
蓄率が低下するとしている
一般に貯蓄率
2通りに分け
るが、これは就業状態を
がイ広いのではないかという
ることで¥日宇
に多い単身者無業世帯 i
訓守護率がマイナス
えるべきである c
とi
おま爵
であるほど低いが、若年層に多い単身勤労者世帯は、 2
水準の高さの雰蓄率を害している
G
比較釣患いられやすいぎ会議諸費議態語査報告三の
8
9年では 1
5
.
6先で、時年の
T
家計鱗驚sの (2人以上)勤労者世帯貯議率 24.9%と
比べるとかなり怪い。しかしこれをもって単身者世帯の家計貯審議が低いと判断す
るのは誤りである。なぜなら「金悶消饗実態調査報告』の 2人以上勤労者世帯の貯
は16.2%で、単身者世帯の貯蓄率とわずかな差しかないからである。
と「家計調査」は嬬々のデータがかなり正確に対}車、しており、法
にははとんど格差がないが、戸荊専に関しては同じ分類でも暁らかな
るc これ辻
f全富市費実態調室主報告三の鵠査期間が
91
1丹の 3ヌ
jJ
'
J
の
み
り、ボーナスによる年平均塁守護塁手の搾しょげ効果を含まないためである。し
がってこのボーナス効果を議整すると、単身勤労者世帯の貯蓄率辻
とも j
司水準むなる。
%
関 8 住宅ローン保有世帯比率た返済分の貯蓄率 (
r家計調査」勤労者)
3
5
住宅ローン係符除機比率
3
0
2
5
2
0
1
5
1
0
住宅ローン返済分の貯革審議
5
。
7
8 7
9 8
0 8
1 8
2 8
3 8
4 8
5 8
6 8
7 8
8 8
9 9
0 9
1 9
2 9
3 暦年
資料}総務庁
f家計総宝差是子孝弘
122 8本 経 液 続 交 泌 総 .
1
9
9
5
.
3
の
舎の耕究は、揺す久議事者財支出の過小評{泌がなぜ拡大傾向にあるのかという
説明されていない c 持ち家率の上昇とも関係があるように恩われるが、この点
証の余地を桟している。また住吉官ローンについては、確か立性宅ロ…ン保有量馨の
貯蓄率辻非探有枇替よりも高いが、その住宅ローン体省設普比率は 8
4王子までは上昇
していたものの、 8
4
年以降横ばいになっており、その結果、動労者世筈平均の可処
こ出める生宅ローン返済額の比率
分所得 l
住宅ロー
2入以上勤労者世帯全体の貯蓄率への
寄与度)も 8
4年から境ばいとなっているく館 8)。したがって
の上昇トレンドに誌ほとんど
住宅ロー
していな
かったと考えられる c
以上みてきたように、先行研究の結果は、本研究と必ずしも矛潜せず、
ある点も多い。また先行研究が
F盟民経:斉計算 J
と「家計調査J 統計のトレンドの
相違を説明し婚なかった 1つの陳悶は、誌とんどの研究が、対象範聞の違いをその
ままにして、定義についてのみ「国説経渚計算」の貯蓄率を「家計調査ぷベースに
修正することで時統計を一致させようとしたことにある。そこで第 4箆では対象範
屈の修正も静せて、
の貯蓄率をヂ留民経済計算」ベ…スに変換するこ
とを試みる。
4 If'国民経諮計算 J と f家 計 調 査 J の穆正
これまで穂認してきた捜挺から「国民経済計算J と「家計誤査ょの家計貯蓄率を
協正する。主な修正はぎ家計調査」を中心に背うが、
「器民経清計算」についても
されている部分はついては修正を試みる o
ιu
摺民経済計算」の穆立とその結集
9
3
) の指摘にある譲接税の修正を行い、
「冨長経済計算」については、村岸(19
非議費支出から譲渡貌支払いを除いて可処分所得と貯蓄を再推計し、幹蓄率を求め
1が活発化していた 70年代前半と 80年代議半の貯蓄率
てみた。その結果は、点地取 5
を約 1ポイント程度押し上げるが、低下トレンドに辻変わりがない。
4
.
2 u家 計 開 資 ふ の 穆 正 と そ の 結 集
出単身勤労者詮帯の統合
の勤労者世帯データを
に遥吊しようと
r
国民経済計繁婦と r
君主計調査.1 0
ぅ家言i
ti!宇後継続離について
123
る場合、ボーナス調整を仔う必獲がある。その lつの方法として、描出・大野
(
1
9
9
3
) で は [ w家計調査』の 2人以上勤労者世帯貯蓄惑/ w全閣 i
奇襲実態調査報
の 2人以上勤労者世替貯蓄率〕を
F全国消費実態講笈報告」の単身勤労者世馨
貯蓄率に乗じて、科講可能な単身勤脅者世帯詐蓄率としている。そこで議問・大野
(
1
9
9
3
) にならい、より最密に〔宮家計調査sの 2入以上勤労者散筈可処分詩鐸/
ア全国浪費実態額三転報告義の 2人以上勤労者世帯可処分所簿〕を
F全閣消費実態調
三の単身勤労者栓帯可処分所得に乗じて、利用可能な単身勢労者散装可処分
として、元の鴻費額とから貯蓄主義を計算した。その結果、単身勤労者世帯の貯
9
年で2
4.7%となり、これを『家計調査」の 2人以上勤労者世帯貯寵率と統
は8
合したが、
f家計調査二の貯蓄率は不変で‘あった。つまり単身勤労者世帯について
は、所簿シェアが低いよに貯蓄率の水準が 2人以上動労者世帯に近いため、
の貯蓄率に対する影響はほぽ中立的で、ある。
(
2
) 無職世帯の続合
一般に利期される主家計讃資」の貯蓄率は、無職世菩(単身者無業世帯を含な)
の貯蓄率を含まない。
w
全国消費実態調査報告」では襲職世帯は貯蓄率がマイナス
であり、勤労者設替と統合すると貯蓄率引き下げ効果が大きい。この
態調査報告』の禁職・単身者無護世帯の貯藩率を、単身勤労者世搭統合後の r
家計
9年 0
R
'
ヂ響率は 2
4.9%から 2
1
.8%まで程下する。
調査三の貯蓄率と統合すると、 8
この無職栓著は 8
0年代から増加しており、
全体の幹蓄率に対する引き下げ効果
を強めている。したがってこの無鞍世帯が『家計調査』に含まれていないことが、
斉計算ぷと
『悶民経i
F家計調査J
の主義離を説明する大きな要因となるとヨ替えられる G
ここでは 8
4
年と 8
9年の「全麗諸費実態調査報告三の無鞍世幣・単身者懇業世帯の貯
き下げ効果を前後に娃ばしてみた。
蓄準データを統合し、その 2期のき i
(
3
) 場思議定賃の計算
は現金ベースでの収支誤査であるため、
いるような持ち家の帰属家禽は計草していない。しかしその
で、行って
f家計麟査」でみても、
持ち家散帯の比率辻高まっており、この結果による家賃室組の軽減が貯蓄率を押し
上げている可能性がある c そこで、以下の方法で婦議家震を参入した貯蓄率を計算し
F金聾浪費実態調査報告 sの持ち家t
世帯分類の
124 日 本 経 漆 研 究 ぬ2
8,1
9
9
5
.
3
の各年
を乗じて利用可能な婦璃家鍵とし、ぞれに
を乗とて営業余莱J
Iを求め、機;護家業を
f国民経済計算」の
f家計語査』
をず家計翼査三の可経分所簿に加えて、貯蓄率を計算する。
宮家計欝査手の貯 3
蓄率 i
ま8
0
年 代3
.
8
5
.
1ポイントの鰭で殻
これらの計算の結果、
き下
その効果は最近年になるほど大きい。しかもこの効果は、無職澄搭のき i
と合わせると、 8
2年以降の貯繋率をほぽ横 i
まいのトレンドに{事正する。
(
4
) 産業構成バイアスの修正
「家計調査』は貯蓄率の高い公務長えのサンブルが多く含まれているといわれるが、
民の勤労者堂書の(勤務先)産業別世帯構成比と
権成比を比べたところ、
F家計調査J
の対象は確かに公務員の比率が実勢より高い。
そして製造業、連事金・逸話業の警Ij合も高く、逆にサービス業、
;立音まい。そこです雷勢競査三
してみると、貯蓄率辻 0
.3-05ポイント低
権成比をl
f
芸正 Lて全体の貯蓄率
てみると、公務員比率の修正は約 1ポ
下した。これを全体の貯蓄率への
イント貯蓄率を低下させる
るが、他方で世帯構成を過小評輔されていた、
相対的に貯蓄率の低いサービス操、卸売・小売業勤務世帯の
まるため、
結果として小幅な抵下になっている。
(
5
) 藍療費現物給付の計算
医察費の現物絵f
寸分 i
ま
諸費に辻含まれる。そこ
に合まれないが、
ナ盟段経詳計算」の所得・
寸分を推計して可処分所得・
ように医護費現物詮f
培養に加えた。
吋土全保捧統計年報』の政府菅掌鍵棄探険と組合管掌鍵康保験分の 1人当たり診
療費を被保険者数と被扶喜義者数の合計で加重平均し、利用可能な 1人当たり診察費
を求める。この 1人当たり診療費に「家計調査」
じて 1世帯当たり
診療費を求める。この 1世帯当たり診療費から
医療費を差し引
いて蔑額を医顕著を現物給付額とする。この現物給付額を
の可処分所得、
諒費に加える。
この結果、
以上の修正により、
く
、
トレンド
2-3ポイント法下し
の貯蓄率は水準ではヂ部設経済許算£よりも告
0年代のみ i
こついてみれ;おおま
らみればイ丘一円要向、関懇の 8
『国民経済計算」と
F君主計総笈0)家計殺害喜楽主義綾について
125
詔 9-a 各修正後の貯蓄率(0"家計警護査』
%
3
0
-
..
川 町 _
....
酬
幽
開
柑
嶋
崎
、
‘
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一¥七四--""二.........-伊川網"占・・-.
舗 網 欄 " "
2
0
ー一・
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1
5
1
0
一一一無綴君主,苦手加算
ー剛山開帰属議定震加算
5
8
7
0
7
2
7
4
7
6
7
8
8
0
8
2
8
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8
6
9
0 悪事年
資料〉総務庁「家計調査王手事議選
o
o
u
o
一
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つd
国 9-b 修正後の家計貯蓄率
V家計調驚」と
F留民経済計算 J
)
えを
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2
5
.
.~ '-山、ー~.
.
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2
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..家計調支援」
、埼凡
、
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‘
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後
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国民緩済計算」
、""-:....:.~_
.
.
、町向輸で-・~--;;....、、...欄・ J
1
5
f悶氏経済計芸品
、二ご岬色、
.
.
修正「家計鈎査』
1
0
5
7
0
7
2
7
4
7
6
資料}総務庁『料十総重量年孝弘、経済企隣
126 日本経済研究 N
0
2
8
.
1
9
9
5
.
3
7
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8
0
8
2
f
r 富民章受済計算王子孝氏
8
4
8
6
8
8
事
告
暦年
ji1i!lia
Q
横ばいという形になった(図 9-a
、 9-b)。結果的に修正した「家計調査 J の貯
蓄撃の方が水準として「国民経済計算 J を下削っているが、これは相対的
が高いとみられる一救世替を含めていないことからみて、整合的な結果と考えられ
る
が無鞍t
を寄を含めていないこと、場,富家賃を
て
ないことの 2点が、
してい
f菌民経済計葬』と
f家計調査」のトレンドグコ主主離を説明する
大きな要顕であると考えられる。さらに
T家計調査」が医療費現物給付を計算に入
れていないことや、公務員世帯比率が高いことも併せて考慮すれば、残された部分
の水準の哨離についてもほぼ説明できると考えられる。またここでは試みていない
が、溝口(19
9
2
)、 MakiandNishiyama (
1
9
9
3
) 等専の指摘にあるような
査 i とア国民経法計算J の融久罫支出の恭離についてその原因を検査し、館正を
みることも必要だろう。再統計における諮費懇の教離議題が
F家許翼査J
にお汁る
清費支出の詑議議れであるなら、それを修正することはぎ家計調査」の貯蓄率をさ
らに抵下させる i
まずであるが、この点については今後の研賞課題である c
h
:
:
>
.
!
t
:
士号d..
ホロロ叩
と r
家計調査』
本研究は
とを目的に
u
留を解明するこ
を中心に分析を行ったが、捧ら
を整理すると以下
のようになる。
;
宗家計書奪三をsの勤労者世帯分類で辻、サンプルの約 8鱗が 2人以上接家族で
あり、この比率は安定的である o
I
I
. !f'家計調査』
(共働き世帯の増加)と
のサンプノレでこれら
おいては、 8
0年代に入り世帯内有業率の高まり
まりが顕著で、ある。 2人以上核家族世帯中心
じているため、 8
0年代以降の
の貯蓄率
は上昇トレンドになっている。
w
家計翼査」の貯蓄率 i
こ摂職t
を替の貯蓄率を加え、
を
剖
ると、
8
0
年代の穿蓄率ははほ横ばいトレンド;二変わる。
I
V
. w
全冨消費実建議毒査報器sの単身勤労者世帯の貯蓄率辻、
て諜査されているため程くみえるが、罰じ
F全国;自費実態調査報告」の
ス月を捺い
2人以上勤
労者世帯の穿蓄率とほぼ前水準で、ある o したがって r全菌消費実態概資報告』の単
身勤労者世帯の貯蓄率をボーナス調整して「家計調査」の(2人以上)
r~留民経涛計算」 と F家 計 調 変4 の 家 計E
ヂ望書益事;jfE海設について
127
貯蓄惑に加えても、全体の貯蓄率の水準は母下しない。
V. ず家計欝査」のサンプノレ i
こおける公務員世替の比率詰確かに
より高いが、
これによる全体の貯蓄率 i 二対する影響は、 O.3~0.5 ポイント押
にとどまる O
以上から第 2蔀で指議した貯蓄率主義離をみるポイントを
るとこのようにな
る
。
F家言十言毒査」の貯蓄率が8
0
年代に入って上昇トレンド
じたの辻、
に誌、該家謀議労者世著という設定されたサンプリングめ中で、
と持
ち家率が高まったためであり、これ泣無職世帯色合ま
言十襲査」題宥の現象である。 8
0年代の持統計のトレンド
サンプ/レの持笠と貯蓄率の定義の桔遠
グ
〉
おり、対
の貯蓄
象を拡大し、帰属家費や縮かい調整要鴎を
率は『富民経i
斉計算』のように低下トレンドに
い。均年代議半の需
統計の水準の違いについても、貯蓄率の定離と
されたものと
考えられる。
「国民経済計算』と『家計調査」
向は今後も続くだろう
O
拡大しているが、この傾
なぜ、なら
トレンドで推移するた、ろうし、
を反映して低下
はその構造的な特散と世帯内有業率の
上昇トレンドから、もうしばらくは貯帯率が潟水準で推移する可能性が高いとみら
れるからである o 重要なことは、このような問統計の遊興を十分に理解し、目的に
応じて的確に統計を利用することである。そのためには、本研究で、行わなかった自
営業世帯の貯蓄率の推計や、
r
家計調査」の耐久消費財支出把揮の問題等について
もさらに研究することが必婆であると思われる
128 B*
緩お等研究泌総, 1
9
9
5
.
3
O
注釈
本稿の作成にあたり、本誌レブエリー、八代尚宏上智大学教授/8本経済研究センター主任研
大石~希子関~ンター研究員から有益なコメントを嘆いた。ここで深く感謝の意を表した
い。ただし含まれ得る誤りの資任は全て筆者にある。
とは、特に断らない繰り、勤労者世帯分類
本研究で取り上げる
1)
の黒字滋を指す。
も加えた全蛍帯分類
ごいるが、可処分所得の把援が困難であるため、会役帯分類での黒
の収支についても調査し 1
字選容は掲載していない。既存の研究もヂ家計調査』の貯蓄率という時は勤労者設悲の黒字率
を対象にしている。
Iについては、議離の発生時期を 7
0若手代半ばと特定することには問題がみるかもしれない c
れ
なぜなら均年代半ば以前についても 3ポイント稜皮の水準の差は容主としており、 トレンドが
同傾向であったことからそれまでは対応していたとみなしているからである。したがって、
若手の水準の議離が生じたことをもって議幾の発生とみなすので7まなく、むしろ 2つの統計
でトレンドが逆方向に動いたということをお離の思安と考えることも可能で弘ある。そういう
2
年頃ということになる。本研究も 8
2年から生じ f
こトレンドの
意味なら、準離の発生時期は 8
相違の方を重視している。
"jun--
3) ただしこれは『家計調交』の産業主J
I
世帯数構成比に対して、
『臨勢調査」は産業別藤用者
数構成比を利煎しているため、その傾向が強〈出ている可詑性がある。
だがずE
翼民経済計算」においても雇用者役帯の所得シェアは大きく、かっ年々拡大してお
り
り、もし「極民経済計算」のこの屠で持ち家率が急速に高まっていれば、帰属家鎮の修正効
果はより大きく現れて/いるはずで、ある。実際にはそうなっていないというのは、
査」の勤労者投与警と「国民経済計算手の雇用者分類の対応関係にある程度のズレがあること
るのではないだろうか。ぞれはま家計調査」が単身者投手務を含まないといった違い
理由はいくつか考えられるが、この点は実言互の余地を残している。
無職t
佐平警にはボーナスは関係ないのでボーナス調整は行っていない。単身勤労者統合後と
め
したのは、これによって勤労翁世帯の所得シェアがより大きしかっ正確になり、無職世擦
の引券下げ効果が過大に表れることを妨げるからである。また、無磯世帯の貯議率について
3
.
8
%からサイ
はヂ家計調驚」でも約若手から調査・掲載されており、その貯蓄率は?イナス 2
1
.
3
%と抵く、これらを勤労者世帯貯警率と統合すると、部年で統合後の貯警警察を約
ナス 1
3.3 ポイント引き下げる効果がある e ただしこの無職世帯は 2 人以上世待て~.;t'J,単身者無
業世帯については調査されていない。
r
金屋浴室費実態調査報告 J (部長f:)によれば、単身者無
業世帯の貯蓄E
容はさらに低く、これも統合すれば、勤労議世帯の貯議塁手はさらに号!き下げら
れる。よってここでは
6)
の方のデータを潟いている。
の燦廃家賃はjf!小推計との批判もあるが、
l
ま
との対応、関係が良好なこと、
r~室長溢済計算」
を務め、むし
と f雪線十翻査」の吉宗督十貯蓄率主義議護について
129
ろ殺しい条件となるのでこの数鐙を用いる o
竹
本来ならば、ここに農家・自
(無職投手書除く)の貯蓄率ぞ加えたもの
闇民経済計算」と比較できれば完
が全体の貯蓄率になるわけであるから、その捻計を行い r
全であるが、本研究では試みていない。その理由は、第
uこ一般世帯の正礁な所得、税・社
会保険料等主主抱塁手が不籾であり可処分所得が把握図難?あるために一般世帯の貯裟芸名の被
害十にはかなりの不正確さがっ冬まとい、推計結果の信頼度が低くなることを避けられないこ
と。第 2[之、貯蓄懇のトレンドの決定繋留としての一般没後の重要性はそれほど高くないた
めである。
0…9
0年の職業別の世裕構成 j
比の推移をみると、
ず関設生活基礎調査三で 7
.
1部へ、自
帯上ヒ療が 15.3%から 8
.
1誌から 14.3%へと
E
義務世
しており、農
〈無磯世帯除く)の全体の貯蓄率への寄与度は年々低下している。
家-
掲載の差是家の貯議率(農家経済余剰/可処分所得)をみると、 7
5山部
{例えば
8
0
8
7年度は横ばい、 8
7年度以降が上昇しているが、試みにこれに
F富民経済
5
年度以降、一貫して低下
計算」の幾家の所得シェアを粂じて寄与度として求めてみると、 7
pで73嶋田
している a またず貯蓄動向調査』で、自営業設識の貯蓄慾をみると、振幅が大きい r
年が{低下、 8
2
8
8
年が上昇、 8
8年以降が低下というトレンドで動冬、
F国民経済計算』グ〉所
年前後に高まりがみられるものの、往年以降、低下ト
得シェア安楽じてみると、寄与度はさS
0年代半ば以
レンドにある。すなわち、農家・自営業者等の一般世帯(無職世帯徐く)は、 7
降、全体の貯蓄主義の寄与度を下げており、その半面、勤労者世帯(終戦没接合む)
がよがり、全体の貯蓄率への影響度を強めているのである o 従来、
とい bれてきた幾家・自営業者等の一般世帯{然職世帯除く)
よりも貯蓄率
を低下冬せて
いることは、全体の貯議率の低下婆図とみなし得るものでみる。その意味で、一数f
量管貯蓄
率の推計の省略は木研究の結論を変えるものではないと思われるが、
経済計算』を共に有効利用するためには、
必要である。
130 日 本 経 済 研 究 ぬ2
8,1
9
9
5
.
3
f家計調支援」と
いても今後、詳細
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Horioka,口l
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i
n
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3
) “C
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l
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h3
9
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2
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DataS記t
r
[;fll民絞済計算」 と r
家計網ヨ是正の君主智子診著書祭主票数について
131
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