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本市を取り巻く社会情勢

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本市を取り巻く社会情勢
本市を取り巻く社会情勢
5
6
第2章
1
本市を取り巻く社会情勢
人口減少、生産年齢人口の減少
○国立社会保障・人口問題研究所の推計1によると、我が国の平成 72(2060)年の推計人口は 8,674
万人と見込まれ、平成 22(2010)年国勢調査の 1 億 2,806 万人と比較して 50 年間で 4,132 万
人(平成 22 年人口の 32.3%)減少するものと推計されています。
○同推計期間に、生産年齢人口2は 8,173 万人から 4,418 万人へと 3,755 万人(平成 22 年人口の
45.9%)減少するものと推計されています。
○生産年齢人口の減少により、若年層の採用難や従業者の高齢化などの雇用問題の深刻化や、事
業承継や技能承継の困難化のほか、消費市場の縮小などの問題が生じており、それらに柔軟に
対応した事業活動が求められています。
○定住人口や交流人口の増加に向けた地域間競争がますます激しくなることが予想されます。
人口構造の推移
(千人)
140,000
120,000
100,000
65 歳以上人口
80,000
60,000
15~64 歳人口
(生産年齢人口)
40,000
20,000
14 歳以下人口
0
H22
(2010)
H27
(2015)
H32
(2020)
H42
(2030)
H52
(2040)年
H62
(2050)
H72
(2060)
資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)」
を加工して作成(http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/sh2401top.html)
1
2
日本の将来推計人口(平成 24(2012)年 1 月推計)の中位推計による。
生産年齢人口
:生産活動ができる年齢の人口
通常 15 歳以上 65 歳未満の人口をいう。
7
2
経済のグローバル化
○平成 20(2008)年 9 月のリーマンショックに端を発する世界経済危機により大幅に落ち込ん
でいた我が国の経済は、平成 23(2011)年 3 月の東日本大震災の影響や、同年夏以降の欧州
政府債務危機を背景とした海外景気の減速など、さまざまな影響を受けて低迷していましたが、
平成 25(2013)年に入って、政府の金融・財政政策の実施などにより、一部では持ち直しの動
きがみえてきています。
○地域経済は、世界経済の影響を受け、生産活動や観光客の入込みの急激な減少、新規学卒者の
就職や正規労働者の雇用の困難化、非正規労働者の雇用止めなど、急激に変動する時代となっ
ています。
経済成長率の推移
(%)
3.4
4.0
3.0
2.3
2.0
1.9
1.5
2.0
1.8
2.1
1.8
1.1
1.0
1.0
0.0
0.4
-1.0
-0.4
-2.0
-2.0
-3.0
-4.0
-3.7
-5.0
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
(2000) (2001) (2002) (2003) (2004) (2005) (2006) (2007) (2008) (2009) (2010) (2011) (2012) (2013)
※経済成長率:国内総生産(GDP)が、前年と比較してどの程度成長したかを表すもの
資料:内閣府「国民経済計算(GDP 統計)」
3
交通アクセスの向上
○ローコストキャリア3の新規就航、高速道路や新幹線などの高速交通網の整備により、国内外の
交通アクセスは急速に向上しており、地域経済の活性化や利便性の向上などに大きな効果をも
たらしています。
○東海北陸自動車道の全線開通や中部縦貫自動車道の高山インターチェンジの開通などにより人
やモノの流れが大きく変化し、今後も北陸新幹線やリニア中央新幹線の整備促進などにより、
さらに変化していくことが予想され、これらに柔軟に対応した事業活動が必要となっています。
3
ローコストキャリア
:格安航空会社。低運賃を最大の特徴とする航空会社。機内サービスの有料化、大都市から離れた使用料の安い空港
の利用、航空券のインターネット直販などで経費を削減する。
8
4
高度情報通信社会の進展
○情報処理・通信技術の飛躍的な進歩により、高度情報通信社会の進展は、経済活動や人々の生
活様式に変革をもたらしています。
○インターネットなどの情報通信手段が発達し、広く一般社会に浸透するなかで、電子マネー4や、
Facebook、Twitter、LINE などの SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)5、スマート
フォンやタブレット端末など、情報通信技術や携帯情報端末の発達がもたらす影響に柔軟に対
応することが必要となっています。
情報通信端末の世帯保有率の推移
(%)
120
94.4
100
92.2
87.6
78.5
90.7
91.3
80.5
80.8
95
95.6
96.3
85
85.9
87.2
93.2
94.5
94.5
94.8
78.2
80
67.7
78.2
77.5
79.1
83.4
77.4
71.7
60
75.8
62.6
58
50.5
40
49.5
29.3
37.7
20
9.7
21.9
15.3
0
8.5
7.2
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
(1999) (2000) (2001) (2002) (2003) (2004) (2005) (2006) (2007) (2008) (2009) (2010) (2011) (2012) (2013)
携帯電話・PHS
パソコン
タブレット端末
スマートフォン(※)
※「スマートフォン」は「携帯・PHS」の再掲
資料:総務省「平成 26 年度情報通信白書」
4
5
電子マネー
:現金やクレジットカードではなく、電子的なデータのやり取りによって決済するサービスの総称
IC カードや携帯電話を利用して決済するものとインターネットのコンピューターネットワーク上で決済するものが
ある。
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
:インターネット上の交流を通して社会的ネットワークを構築するサービス
9
5
価値観の多様化
○個人の価値観は「物の豊かさ」から「心の豊かさ」に移行し、多様化がすすむなかで新しいニ
ーズが発生しています。
○多様なニーズに的確に対応するために機動力や柔軟性のある事業活動が求められているととも
に、東日本大震災発生以降の脱原子力や節電・省エネルギーの機運の高まり、リスクマネジメ
ントの重要性の高まりなど、さまざまな課題に対応した事業活動も求められています。
○個人のさまざまな社会活動への参加意欲が高まり、市民活動団体などが地域社会の担い手の一
翼を担っています。
○安全・安心・健康に対する関心の高まり、高品質で付加価値の高い商品に対するこだわりなど
に応えるため、生産者の顔や生産過程などが見えるシステムなどの構築をさらにすすめる必要
があります。
6
産業構造の変化
○情報通信網や交通網の発達により、経済活動はもとより生活・文化面でも、人、モノ、情報な
どが国境を越えて移動するようになり、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に基づく自由貿易
の推進などをはじめ、国際的な経済競争の激化や分業体制の進行、工場の海外移転など、産業
構造の変化がさらに加速していくものと予想されます。
○国内総生産のうち、第 1 次産業の占める割合は、直近の 10 年間ではほぼ横ばいで推移していま
すが、第 2 次産業の割合は減少傾向、第 3 次産業の割合は増加傾向にあります。
○地域間・国際競争力強化のため、高品質・高付加価値化などの取り組みや外国人観光客の受け
入れ体制の強化などが求められています。
訪日外国人の推移
(万人)
1,600
1,341
1,400
1,200
1,036
1,000
835
800
614
600
673
861
835
733
679
836
622
521
400
200
0
H15
(2003)
H16
(2004)
H17
(2005)
H18
(2006)
H19
(2007)
H20
(2008)
H21
(2009)
H22
(2010)
H23
(2011)
H24
(2012)
H25
(2013)
H26
(2014)
※H26(2014)は暫定値
資料:日本政府観光局「訪日外国人の推移」
10
7
まちづくりの必要性
○定住人口や都市機能の郊外化に伴い、中心市街地の空洞化がすすみ、まちの活気が低下しつつ
あります。
○農山村地域では、過疎化や高齢化の急速な進行により、集落機能が低下し、良好な環境が維持
できなくなってきています。
○空き家・空き店舗の増加、地域コミュニティ機能の低下、担い手・後継者の不足、伝統文化や
伝統技術の衰退など、地域が抱えるさまざまな課題はまちづくり全体の課題として取り組んで
いくことが必要となってきています。
○人口減少社会に対応したまちづくりや定住人口、交流人口の増加をめざした対策が必要になっ
てきています。
○高齢化の進行などに伴い、誰もが安全に安心して、快適に過ごせるようなユニバーサルデザイ
ン6に配慮したまちづくりが必要となっています。
高山市の推計人口
(人)
120,000
実績値← →推計値
100,000
97,014
96,221
92,633
89,797
85,887
20,552
81,757
22,982
25,025
80,000
27,795
28,601
28,181
60,000
61,637
59,050
40,000
54,341
49,994
46,753
44,156
20,000
14,825
14,189
13,267
12,008
10,533
9,420
H12
(2000)
H17
(2005)
H22
(2010)
H27
(2015)
H32
(2020)
H37
(2025)
0
15歳未満人口
15~64歳人口
65歳以上人口
資料:高山市第八次総合計画「高山市の推計人口」
6
ユニバーサルデザイン
:障がい者・高齢者・健常者の区別なしにすべての人が使いやすいように製品・建物・環境などをデザインすること。
1974 年にアメリカのロナルド・メイスによって提唱された概念
11
8
環境・エネルギー問題の顕在化
○大量の資源消費に起因する二酸化炭素の増加等による地球温暖化の進行や大規模な自然破壊等
による生物多様性の喪失など、環境問題が顕在化しており、地球規模での取り組みが一層強化
されてきています。
○平成 21(2009)年における我が国のエネルギー自給率7はわずか 4.4%であり、新興国を中心と
したエネルギー需要の急増等による国際的な資源獲得競争の激化などのエネルギー問題に対し、
それぞれの地域にあった分散型供給システムへの転換、自然エネルギー8などの導入促進、一層
の省エネルギーなどの取り組みが必要となってきています。
○環境関連市場の拡大に伴い、個人、事業者、地域などがそれぞれの立場でリサイクル技術や環
境負荷の軽減技術、自然エネルギーの活用技術などを取り入れた取り組みをすすめることが重
要となってきています。
日本のエネルギー国内供給構成
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
H1
(1989)
H6
(1994)
H11
(1999)
H16
(2004)
H21
(2009)
石油
石炭
天然ガス
原子力
水力
地熱・新エネルギー等
平成21(2009)年のエネルギー自給率(4.4%)の内訳
天然ガス
14.8%
石油
3.2%
水力
32.6%
石炭
0.0%
廃棄物等
33.0%
地熱、太陽光等
16.3%
資料:経済産業省「エネルギー白書 2014」
7
8
エネルギー自給率
:生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で確保できる比率
自然エネルギー
:再生可能エネルギーともいわれ、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして、太
陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマスが規定されている。
12
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