発展途上国の経済

政治・経済
学習メモ
第 2 章・現代の経済　［第 5 節］国民経済と国際経済
第 34 回
発展途上国の経済
講師：升野伸子
今回学ぶこと
世界には、豊かな先進国もあれば貧しい発展途上国もあります。発展途上国はなぜ経
済発展が進んでいないのか、その理由を学びましょう。また、後発発展途上国とか最貧
国　とよばれる国々がありますが、その国々から貧困をなくすには、どうしたらいいの
でしょうか？　経済の発展のためには、どのような試みがあるか、学んでいきましょう。
調べておこう・覚えておこう
マイクロクレジット / 最貧国／発展途上国／植民地／南南問題／南北問題／
先進国／マイクロファイナンス／ NIES（ニーズ）
どうして発展途上国は貧しいの？
▼
世界には経済の発展が進んでいない国もあります。このような国を、
ます。
と発展途上国との間の経済格差のことを、
発展途上国の多くは、昔、先進国の
といい
といいます。
でした。そして、原材料の供給地と製品
の売り先の役割を持たされてしまいました。その結果、経済の構造が、偏ったものになって
しまったのです。
偏った経済の構造とは、経済が、カカオ豆や綿花などの農産物や、石炭や銅などの資源の
生産が中心になってしまっていることです。その結果、発展途上国は、工業があまり発達し
ていません。
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発展途上国の経済
外国為替と円高・円安
発展途上国の中には、人件費が安いことと、外国の技術を積極的に導入することで、工業
がすすんでいった国があります。これらの国は、新興工業経済地域とか、英語の頭文字をとっ
て
と呼ばれています。
発展途上国の中には、エネルギー資源や、金やプラチナなど高価な資源を持つ国は、豊か
になることができました。しかし、そうではない国もあり、発展途上国の中の格差が広がっ
てきています。
発展途上国の中でも、特に貧しい国を、
とか後発発展途上国といい、おもに
アジアやアフリカにあります。発展途上国の内部の格差のことを
と呼びます。
あたらしい試み　〜マイクロファイナンス〜
貧しい国は、内戦が今も起きている国が多く、政治が不安定です。このため、経済も順調に
成長できません。そのため、民主的な制度をつくる手伝いを、先進国が行うことも大切です。
経済を発展させるためには、工業の技術が発達することが大切で、その方法のひとつに、こ
のような技術をもつ外国企業がその国に投資をして工場を建てることがあります。
技 術を身につけることと共に、生み出した利益をその国の人がきちんと受け取るしくみ
▼
が大切です。このために、小規模な金融のしくみが考え出されました。このようなしくみを
といいます。金融以外にも、経済活動には、貯金をするための口座や、保険の考
えも必要です。これらの制度、つまり
を整えていくことは、貧しい人の手元に利
益が残るしくみを整備することでもあります。
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