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学習メモ
学習メモ 第 15 回 現代社会 第 3 部 日本国憲法と民主政治 日本の政治機構 地方自治 今回学ぶこと 今回は、地方自治について学びます。私たちの政治は、大 きく国の政治と、それより小さい都道府県や市町村などでの 政治とに分けられ、後者を地方自治と呼びます。地方自治の 現状と課題について考えてみましょう。 講師 杉 田 敦 地方自治と民主主義 昔から地方自治は「民主主義の学校」と言われて います。人びとはそこで経験を積むことで、民主政 で、住民が主人公となるということを「住民自治」 といいます。 ▼ 自治体では、行政の長である知事や市町村などの 治をどのように行えばよいのか、学ぶことができる 「首長」が選挙で選ばれる一方で、立法を担う議員 というわけです。 自治体が国から独立した存在であるということを、 「団体自治」といいます。また、それぞれの自治体 たちも選挙で選ばれます。これを二元代表制といい ます。 地方自治と国政 かつて日本の地方自治は、3 割くらいしか財源が 地方分権一括法(1999 年)により、機関委任事 なく、 「3 割自治」などといわれていました。自治 務は廃止され、財源も自治体に移されています。こ 体は国が決めたことを「機関委任事務」として引き うして自治体の自主性が強まりつつありますが、そ 受けて実施するのが中心でした。 の一方で、比較的豊かな自治体とそうでない自治体 − 29 − 高校講座・学習メモ 現代社会 地方自治 との格差も大きくなっています。 また、二元代表制による「ねじれ」には弊害が多 いという意見もあります。 住民の政治参加と地域づくり 住民の政治参加は、選挙だけに限りません。公害 ます。実際、この制度を用いて、さまざまな自治体 反対運動など、社会問題に対してさまざまな住民運 で、原発や基地の立地などをめぐって住民投票が行 動が行われてきました。 われました。 また、自治体の議会が十分に取り上げない問題に 地域のあり方を決めるにあたっては、住民の声が ついても、一定数の署名を集めれば住民は議会に対 さまざまな回路を通じて反映されることが必要なの して、条例をつくるように直接請求することができ です。 ▼ − 30 − 高校講座・学習メモ