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運動機能に障害を有する女性の衣生活の現状と課題 - SUCRA

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運動機能に障害を有する女性の衣生活の現状と課題 - SUCRA
埼 玉大学紀要
教育学 部, 57(
1
):
1
49
-1
57(
2
008)
運動機能 に障害 を有す る女性 の衣生活 の現状 と課題
川端
博子 *
キ ーワー ド :肢 体 不 自由 な女性 、衣服 サ イズ、衣 服 へ の 関心 、機 能性 、評価 基 準
1
.は じめに
姿勢 をか え、租 な運動 か ら細かな運動へ と動 き
の質を変 えてい く動作であ り、一般 に移動や食
身体障害者手帳交付台帳登載数か らの推定 に
事動作 に比べて、得点の低 い症例が多 いことが
よれば、平成1
3
年度の身体障害者数 (
1
8歳以上)
報告 されている(3)
。 リハ ビリにおいては、更衣
は約 3
5
2
万人であ り、
肢体不 自由な者が5
4
%を占
を困難 に している内容 を把握 し、治療 や訓練 に
め、その数は近年増加の傾向にある(1)。障害の
よ り軽減す る、 自助具 を使 うな どの方策が とら
状況や程度が個 々に異 なること、購買力が低 い
れている。 看護 ・介護分野では、介助の しやす
な どの理由か ら、衣服市場 の ターゲ ッ トにな り
さを含めた工夫がなされているように感 じる。
に くい現状 であ る
。
しか しなが ら、3
5
2
万 もの
被服学の分野では、高齢者 を対象 に、衣服の材
人が存在 している現実 を直視 し、超高齢社会 に
質、ゆ と りと形態、開 きや留め具 に工夫 をす る
おいて数の増加が見込 まれるため、今後様 々な
な どの研究(
4
)
や、服装 関心 を高めて衣生活の 自
角度か らの支援が必要である。
立範囲を高めるファッション・セラピーの事例(5)
一方で、福祉分野への市場の拡大や起業が話
な どが報告 されている。
。各社か ら出 されている介護
題 になっている(2)
障害の程度が千差万別なため、 1つの試みが
衣料のカタログを調査 した ところ、機能面 に工
ある対象者への改善 になって も、別の対象者 に
夫がみ られるものの、デザ イ ン面での配慮が少
あてはま らないことも多 く、今後事例 を積み上
ない こ とを感 じる 注 文 で請 け負 う例が イ ン
げさまざまなケースに対応 してい くことが望 ま
。
ターネッ トなどで紹介 されているが、気軽 に依
れる。介護衣料の カタログで感 じたのは、品数
頼で きない、 イメージの意思疎通 を図るのが難
が少 な く、掲載 される製品は着用者の衣服への
しい、既製服 に比べ高価 である とい う点か らな
想いを配慮 してお らず、いわゆる 「
機能服」 と
か なか普及 していかない。提供す る側 も利益の
して とらえ られていることである。衣服 をまと
追 求が 困難 なた め、ボ ラ ンテ ィアで活動 す る
うことは 自己を表現す ることである。服の購入
ケースが多い。
や好 きな服 を着て外 出す ることは楽 しみであ り、
リハ ビリテー シ ョン医学 で 周 い られ るADL
(日常生活動作)評価の うち、更衣動作が全体
殊 に女性 においては生活の中で高い関心 を抱 く
ことの一つであろう
。
項 目の約 1/9- 1/6を占めている 更衣は、
ここでは取 り組みの第 1歩 として、衣生活の
。
購入実態 と意識 を調査 し、それ らをもとに改善
● 埼玉大学教育学部家政教育講座
-の方向性 を見出 したい と考 えた。本研究では、
-1
4
9-
運 動 機 能 に障害 が あ る とい う共 通 点 の 中で、
(7項 目)/行 か ない理 由 (
1
0項 目) と、外 出時
(
1)衣 服 購 入 の現 状 とそ の 時 に感 じる不便 、
に感 じる こ と (8項 目)、 (
5)サ イズ に関す る質
(
2)サ イ ズ と機 能 面 に抱 く要 望 、(
3)衣 服- の
問 (
上衣 と下表 のサ イズ、 サ イズ に関す る意識
関心 度 に関す るア ンケー トを もとに、衣生活 の
(8項 目))、 (
6)衣服 関心 度 と衣 生 活行動 (
1
4
現状 と取 り組 むべ き課題点 を ま とめ た。
項 目) と評価 基準 (
1
0項 目) であ る。 具体 的 な
質問項 目と回答 の尺度 は結果 の項 に記載す る。
2
.方法
3
.調査対象者の今
寺徴
調査 時期 は2
001
年1
2月 ∼2002年 6月の 問で あ
調査対 象者 は、肢体不 自由な女性 1
87
名 (
1
8-
り、授 産施設 、療 護 院、救護 院、障害者 スポー
ツセ ン ター、病 院 (
外 来)、作 業所 を訪 問 し、 聞
69歳)であ る 対 象者 の特徴 を表 1- 3に まと
き取 りと ともに、郵送法で ア ンケー トを回収 し
めた。年齢構 成 は年齢 が上 が るにつ れ て人数が
た。本 人か ら直接 の回答が全体 の9
5%で あ り、
多 くなる 「障害者 の高齢化」 に概 ね対応 してい
そ の他 は家族 ・介助者 の記述 で ある。
る。 8
5
.
5
%が東京都 内の居住 であ り、全 体 と して
。
質問項 目は、 (
1)属性 4項 目 (
年齢 、居住地 、
は公共交通機 関が比較 的充実 した地域 に生活 し
てい る とみ な され る。
職業、同居状 態)、 (
2)障害 の程 度、年 数 、種類
と身体 部位、左 右差、器具 ・装具 の利 用 に関す
障害 の程度 と種 類 を表 2に示 した。 障害 の程
る身体 的特 徴 に関わ る 6項 目、 (
3)衣 生活 自立
度 は、 1級 (
41
.
7%)、 2級 (
20.
9%) の割 合 と
につ い て 7項 目 (
4)外 出の頻 度 (3項 目)、一
なってお り、障害 の年 数 は、「
生 まれ た時か ら」
緒 に行 く人 (
MA回答)、衣服 を買 い にい く理 由
と
「
2
1
年以上」 で全体 の半数近 くを占めてい る
。
表 1 調査者 の属性
年 齢
職 業
居住地
人数
(
%)
同居状態
(
%)
(
%)
1
8-29歳
1
7
9.
1 多 摩 地 区
69.
5 フル タイム
20.
5
40-49歳
3
0-39歳
31
1
6
1
6.
6 関 東 地 区
8.
6 東京都区内
7.
5 (
含作業所)
1
6.
0 パ ー トタイム
2
50
9.
0
5 配
6
5-6
歳
以上
4
5
0
-5
9歳
4
3
50
2
1
2
1
7
1
.
4
2
1 そ
の
他
人
1
4.
4
者
1
8.
2
56.
1
辛
施
兄 弟姉妹
設 入な所
ど
1
2
9
5.
8
5
1
親
し
7.
0 な
(
%)
(
複数回答)
偶
表 2 障害 の程 度 ・年数 ・補 助具
障害 の程 度
年
人数
1
2
3
4
5
級
級
級
級
級
78
39
1
8
1
7
ll
数
障害 の種 類
(
%)
41
.
7
20.
9
9.
6
9.
1
5.
9
障害 の部位
あり (
%)
(
%)
1 年
1 3 6 ll -
未 満
2 年
5 年
1
0年
2
0年
1
.
6
5.
4
1
2.
0
1
6,
3
1
7
.
4
変形性 関節症
リ ウ マ チ
脊 椎 損 傷
脳 性 麻 棒
脳血管 障害
あり (
%)
23.
1 上 肢 障 害
22.
6 下 肢 障 害
1
3.
4
1
2.
9
左右差
9.
7
47.
7
98.
9
あり (
%)
不
な
6 級
7
明
し
1
5
3
1
2
0
8
1
.
6
0
7
5 2
生まれた時から
1年 以 上
23.
4
9 そ
-1
5
0-
の
他
1
8.
3 下
上
体
幹
肢
部
4
1
2
8
7
.
8
6
表 3 器具 ・装具 の利 用度
楼
類
*申椅 子
*杖
尻取 りバ ッ ドやお むつ頬
*短下肢装具
*松#杖
コルセ ッ ト
頚椎 カラー
*歩行器
*長下肢装具
採尿器
*義足
その他
件
数
8
7
7
5
2
6
1
4
ll
8
5
4
3
2
1
2
0
■容易にできる
口自力でできる
E
)
介助者がいればできる ロ全面介助
(
%)
4
6
.
5
4
0
.
i
1
3
.
9
7
.
5
5
.
9
4
.
.
3
2
.
7
2
.
1
1
.
6
1
.
1
0
.
5
1
0
.
7
0
%
*は歩行 に関す る もの
5
0
%
1
0
0
%
図 1 衣生活 に関 わる自立 の程度
下 肢 に障害 あ りが98.
9% 、上 肢 に障害 あ りが
(
16%)、「
兄弟姉妹 」 (
12%)の順であった。家
47.
7% を占め てお り、障害 の種 類 は多岐 にわ
族の協力が浮 き彫 りにな り、ヘルパー とボラン
たっていた。 日常的に使 っている装具や器具 と
テ ィアの協力は 9% と少数であった。
46.
5% )、杖 (
40.
1%)、短下肢装
して、車椅子 (
r
衣服 を見 た り買い に行 った りしますか」の
具 (
7.
5%)が挙 げ られた。以上の ような身体 的
問いに、「ほ とん ど行 か ない (
買 って きて もら
状況か ら、購入や着脱 な ど衣生活への支障 と困
」と答 えた者 は18人 にす ぎなかった。外 出が
う)
難が予想 される。
好 きで な くて も、「
衣服 を買 いに行 く」が11人
(
69%) い たの に対 し、外 出が 好 きで あ って
4
.結果
「
衣服 をほとん ど買い に行かない (
買 って きて
もらう)
」 と した者 は1
3人 (8%) とわずかで
4.
1衣生活の 自立度
あった。
衣生活に関わる自立の程度 を図 1にまとめた。
図 2には、「
衣服 を買 いに出かけ る」 と回答
全項 目を 「
容易 にで きる」 とす る者 はお よそ 3
した人の理由を割合の多い順 に記載 した。買い
割 であ った。全 体 の 8割程 度 は 「自力 でで き
に出かける理由 として 「自分で決めたいか ら」、
る」 と答 え、残 りは介助 を受けていた。 ほぼ全
「
気 に入 った服 を買 うため」が巌 も多 く、衣服
員がその 日の服 を自分で選 んでお り、 8割が主
への関心 ・積極性が高 いことと、服の好みや不
に 自分で衣服 を購入 し、 3割 は洗濯 ・手入れで
具合 を伝 えるのが難 しく人に任せ られない と考
介助 を受けていた。
えていると思われる。 また、「
気晴 らしになるの
で」、「シ ョッピングが好 きだか ら」の割合が高
4.
2 外出と衣服の購入
いことか ら、衣服 を買 うことは楽 しみであるこ
F
外 出が好 きですか」の問いには166人、 9割
とが明 らかなった。
近 くが 「
好 きである」 と答 えてお り、障害の程
また、買いに行かない型担由 として、「
買 って き
度や年数の如何 にかかわ らず外 出を好む傾向で
て もらうので必要 ないか ら」、「人混みだか ら」、
あった。「
好 きでない」 と回答 した者 は16人で、
「
道路や駅 に段差があ るため」、「
車や道路が危
食料品などの 日常的な買い物 に出かける頻度 も
険なため」の肯定割合 が高かった。続 いて、「
外
少なかった。衣服の買い物 に同行す る人は 「1
出着 を着 る機 会 が な いか ら」、「障 害 が重 いか
人で」 (
55% ) に続 き、「
配偶者 」 (
29%)、「
親」
ら」、「お しゃれをす る機会がないか ら」の割合
- 151-
E
3そう思う 口思わない
買いに行 く理 由 (
N=1
66)
買いに行 か ない理 由 (
N=1
8)
自分で決めたいか ら
買ってきてもらうので必要 ないか ら
気に入ったl
J
l
iを買 うため
人混みだか ら
気晴 らしになるので
道路や駅に段差があるため
ショッピングが好 きだか ら
坤や道路が危険なため
安 く手に入れるため
外山弟を諮る機会がないか ら
ファッション情報を得 るため
障害が重いため
リハ ビリになるので
お しゃれをする機会がないか ら
0
%2
0
%4
0
%6
0
%8
0
%ユ
0
0
%
家族や周担
削こ迷惑がかかるか ら
服に対 してあまり興味がないか ら
0%20%
L10%60%釦%
100%
タクシーや介助代など金銭的に
負担がかかるため
図 2 衣 服 を買 いに行 く理 由 と行 か ない理 由
が高いことは、物理的障壁 と機会の制約が関係
している ととらえ られる。 しか し、「
服 に対 して
店内で困ったとき、自ら販)
E
I
i
や周 囲 に助けを頗む
外 山時に、人から見 られている
あ ま り興味が ないか ら」 と 「
金銭的負担がかか
と思 うことがある
るか ら」 には否定的な傾向であった。
店内の トイ レや休憩所 が利川 し
にくいことがある
r
衣服 を買いに外 出す る時に感 じること]の回
店内で困 った とき、 自ら
答 を図 3に示 した。「
販売員や周匪=こ助けを求める」、「
外出時に人か
ら見 られていると思 うことがある」の肯定糾合
が高かった。積極 的である一方で、見 られてい
ると感 じている。 ノーマライゼー ション定着 を
店l
人
目二段題があって動 きにくい
ことがある
店l
^J
の 通路が狭いと思 う
版・
J
J
L
I
7
:
f
lに親切にされるとl
r
d
iわな
くてはと想 う
服をI
iう時、店f
lなどか らかわ
いそうだと思われることがある
目指す流れの中で、心理面のバ リアや障害者へ
20%40%60%80%1000/
oo/
a
0
図3
外出時に感じること
いてガイ ドブ ックが出版 されているが (
6
)
、本調
査では売 り手側の対応 はあ ま り問題 と感 じられ
いることか ら、総ての人がそれぞれの立場 を理
解 し、助 け合 う気持ちを行動 に移せ るよう学校
教育や社会教育の役割が重要 となろう。
その次 に高 い割合 となったのは、「
店 内の ト
イ レや休憩所が利用 しに くい」、「
段差がある」、
「通路が狭い」など店内環境 の不備である。店
内のディスプ レイ、わか りやすい案内、通路の
確保、試着の しやす さなど、人-のや さしさを
自分で衣
多くが外出を好み
以上のように
、
は少な
の選択肢をふやす上でも情報提
い
。 供は重要
障害者にも利用しやす
る
いレストランや
。買
楽
買う
服を選び
ことを楽しみと考えている
。
、
である。
い物
の情報誌がしばしば発行されているが、 中でも小規模店に関する情報
全般に関する便、商品
心がけた店内環境
の整備がこれからの課題であ 店舗
ていなか った。 しか し、他者の視線 を意識 して
≡
[
喜
⊆
の態度が問題 とな り、ユニバーサルな接客 につ
- 1
52-
しみを生かすためにも、環境面 と意識面での受
る」では、全体の 4割足 らず しか肯定 していな
け入れ体制 を整 えることの必要性が示 された。
い。着脱が困難、時間がかかる、車椅子 ごと入
れる試着室は少数であ る理由であ きらめている
人が多 いのか もしれ ない。「
衣服 を購入 する店
4.
3 衣服のサイズについて
上衣 ・下表 ご とに 『
衣服 サ イズ を範 囲表示
は決 まっている」(
28%)、「な じみの客 になって、
(
S以下-2L以上)で教 えて ください』の問い
服 の ア ドバ イス や サ ー ビス を受 け て い る」
に対す る回答結果 を図 4に、サ イズ とデザイ ン
(
1
8%) の肯定割合 は さらに低 い傾向である。
に関す る意識 を図 5にまとめた。
(
後述の図 6)サ イズの不具合 を感 じている実
上衣 ・下表 ともに L以上 に比べ S以下の割合
態か ら鑑みて、試着の しやすい売 り場の環境整
が少ない。身体サ イズを問 うていないため、身
備 も必要であるが、試着 を して入念 に選んでい
体 と衣服のサイズの関係 は明 らかでないが、「
袖
く姿勢 を養 うことも必要である。
付 けまわ りや身幅の狭 い服 は着 られないことが
最 も低 い肯定率の質問項 巨
=ま、「
着脱や着心地
ある」 と 「
衣服 は大 き目を着ている」 と半数以
を優先 し、デザ イ ンが気 に入 らない服 を買 うこ
上が答 えていることか ら、大 き目の衣服で対処
とがある」(
20%)であった。 これはデザイ ンが
していると推定 される。
気 に入 らなければ購入 しないことを意味 してお
また、上衣サ イズがM の とき下表サ イズでS
り、注 目しなければな らない点である。
以下 -2L以上 にば らつ いてお り、上半身 と下
身体サ イズの左右差 は下肢 において多 くみ ら
半 身でサ イズが異 なる人が多 い。「あ る部位 の
3
% であった (
表 2)。左右差 においては リ
れ、4
サ イズが合わな くて不都合 を感 じる」 と 「
上下
フォームが必要 となる場合が多い (
7
)
。 しか し、
のサイズが合わな くて不都合 を感 じる」では、
半数近 くが肯定的回答 を してお り、サ イズに不
5
%余 にす ぎず、
「
既製服 を直 して利用する」は3
リフォームをせず着用 している傾向が明 らか と
便 を感 じる人が多 いことが伺 われた。一方でサ
なった。 リフォームについては、潜在的ニーズ
イズ揃 えの豊富 な小売店で選ぶ とカジュアルな
がある とされなが らも利用度が低い現状である。
服種 に限 られが ちになるとい う声 も聞かれた。
磐 田 らが指摘す るように(
8
)
、 リフォーム したこ
しか しなが ら、「
試着 を してか ら買 う方であ
とのある者の方で要望が強いこと、家庭の縫製
■あてはまる □どちらでもない ロあてはまらない
軸付 け まわ りや身幅 の狭 い服
は諮 られないことがある
衣服 は大 き 目を着 て い る
あ る部 位 で サ イ ズ が 合 わ な く
て不都合 を感 じる
る
る
デ
ザ
n
l
う
上 下 の サ イ ズが 合 わ な くて 不
都 合 を感 じる
ボ タ ン をf
1
7
(め る の が 冊 例 で あ
る
試弟 をしてか ら買 う方であ
既 動服 を起 して利用す
着脱 やi
y
f
.
亡
、
地 を優先 し,
イ ンが 気 に 入 らな い服をI
ことがあ る
図 4 上衣 ・下衣 サ イズの 人数割合
0
% 2
0
% 4
0
% 6
0
% 8
0
% 1
0%
図 5 サ イズ ・デザ インに関する回答
- 153-
技術が低下 している現状 と併せ、安価 に迅速 に
提供で きる仕組み を構築す ることが 1つの解決
策である。ズボ ン丈や袖丈の詰め出 しの ように
簡単 な リフォームは普及 して きているo 順方向
への詰め出 しは技術 的に難 しくなるが、アパ レ
ルメーカーにはリフォームを前提 とし、縫代 を
多めにつける、別布 を添えるなどの生産体制 を
検討 して欲 しい (9)
。サ イズの不具合 は安全性 ・
■あてはまる 口どちらでもない 口あてはまらない
外.
J
i
H時に は お しゃ れを したい
と思 う
行 き先 やTP
Oを考 え て服 を選
んでいる
身 な りや 衣 J
J
Bは、 自分 の評価
に関わ る と思 う
お化 粧 をす る
服 を コー デ ィネ イ トした り組
合せ を考 えるのが好 きである
機能性の低下 と関わるため、販売店 とメーカー
フ ァ ッ シ ョ ン雑誌やス タイル
ブ ック を眺 め る のが楽 しい
が連携 しなが ら取 り組 んで行かなければならな
お しゃれ に着 こなす ことは 自分
の生活の中で重要 なこ とである
い課題である。一方で、福祉先進国の例 を参考
友人 な どの服装 に関 心 が あ る
に しなが ら障害に応 じて個別 に対応で きるシス
買
う
い
ま
っ
て
納得す る まで 、服を探して
テムづ くり、補助金制度 も考 えてい くことが望
服 に流行 を と りいj
lた
まれよう。
衣服 を俳 人 す る店 は 決
いる
4
.
4衣服への関心 と衣生活行動
セ ンスや着 こな しに 自信 が あ る
衣服 関心度 と衣生活行動 に関す る回答 を図6
に まとめた。「
外 出時 にはお しゃれ を したい と
思 う」(
8
9
%)
、「
行 き先 やT
POを考 えて服 を選
な じみの客 になって、服 の ア ド
バイスやサー ビスを受 け て い る
フ ァ
ッ シ ョ ン情報にくわ し い
0
% 2
0
% 4
0
% 6
0
% 8
0
% 1
0
0
%
8
1
%)
、「お化粧 をす る」(
7
1
%)
、
んでい る」(
図 6 衣服関心度 と衣生活行動
「
服 をコーデ ィネイ トした り、組み合 わせ を考
6
7%)で肯定割合
えた りす るのが好 きである」(
が高か った。 また、「身な りや衣服は 自分の評価
7
4%)、「
お しゃれ に着 こな
に関わ る と思 う」(
す ことは自分の生活の中で重要 なことである」
4
.
5評価基準 からみる機能性 とデザイン
1
9
96
年 に実施 した女子大学生 (
2
47
名)の衣服
(
63%) の肯定的な傾 向か ら、衣服 の着用やお
購入時の評価基準 の項 目(
‖
)
)に、「
動 きやす さ」、
しゃれ をす ることが潤 いと楽 しみのある生活の
「
着脱の しやす さ」、「
肌触 り」 を加 えて調査 し
実現 と社会へ の積極的参加 につ なが ること、服
た。『
衣服購入時に次の内容 は、どれだけ重要で
をまとうことが 自己の存在意識の高 ま りとかか
1
.
重要でない 2
.あ まり重要
すか』 に対 し、「
でない 3
.どち らで もない 4
.やや重要
わることが読 み取れる。
図 6のJ
B間項 E
Iを障害の重軽度 (1 ・2級 と
それ以外)で分けて比較 した。「
友人な どの服装
に関心 が あ る」「お化粧 をす る」の 2項 目にお
5
.と
て も重要」か ら 1つ を選択 して もらった。表 4
には平均得点 を高い順 に示 した。
評価基準の平均値か ら、サイズ、動 きやす さ、
いて、軽度で 「あてはまる」の回答率が多い傾
着脱の しやす さの順 に要求が高かった。着脱 に
.
05
) であ ったが、その他で
向 (x 2検定 、p<0
介助 を要する者 の方が、動 きやす さと着脱の し
違 いはみ られなかった。着脱の 自立 と介助 を要
やす さの平均値 が有意 に高か った。第 4位 に
す る人 との比較で も一
差 はみ られなかった。
9
96
年の女子大学生 と平均値
色 ・柄があが り、1
以上のことか ら、障害の程度によって衣服へ
に差がなかったが、スタイル ・デザ インでは低
の関心 と意識にほ とん ど違いが ないことが確認
く有意差がみ られた。一般的に加齢 とともにお
された。
0歳未満 の人
しゃれ関心度 は低 下す るので、3
-1
5
4-
表 4 衣服購 入時 の評価 基準
に衣服 を探 し、見 て周 りやす い環境 を整備
し、商 品 の選択技 をふやす。(
物理 的な障壁
回
(
N今
-1
8
7) 女(
子大学
N-2
47
生
) t検 定
サ イズや.フイッ ト性
4
.
7
3
動 きやす さ
4
.
6
6
着 脱 の しやす さ
4
.
5
6
色柄
4
.
51
●
4
.
5
7
*
(
2)サ イズ面の不都合 が多いため、既 製服 のサ
イズ揃 えを充実 させ る。 リフ ォームを施す
4
.
51
4
.
3
8
3
.
5
7
3
.
5
7
ス タイル .デザ イン
4
.
2
4
4
.
6
0
品質
4
.
2
0
4.
2
0
価格
4
.
49
4
.
49
耐久性
3
.
6
8*
3
.
67
肌触 り
洗濯
の除去)
ことで外観面 の満足度 を高め、着脱の 自立
*
*
*
*
や 機 能性 ・安 全 性 を向上 で きるの で、 リ
*
*
す る、 リフ ォームが利用 しやすい よう補助
フ ォームを前提 と した製品づ くりが求め ら
れ る。行政 においてはボラ ンティアを育成
金制 度 につ いて検討す る。 (
販売者 ・
生産者
の対応、制度の確立)
(
3)学校教育や社会教育の中で、障害者 との交
(
N-1
7
) を抽 出 して比 較 す る と、サ イスや ・
流 の機会 を設 け、互いの立場 を理解 し自然
フ イッ ト性 -ス タイル ・デザ イ ン (
4.
82) >色 ・
に助 け合 える よう、社会全体 に働 きかけて
柄 (
4.
76) >価格 (
4.
35) とな り、これ らの平均
い く。 また、外 出や買い物 の便 に関す る情
996年の女子大学生の倍 よ りも高 い傾 向で
値 は1
報が得 られ る よう行政 な どが支援 し、情報
あ った。
活動 を盛 んに してい く。(
啓発 ・
広報の充実)
また、図 5で 「
着脱や着心地 を優先 し、デザ
(
4)障害 にあわせ た機 能 を有 Lかつお しゃれな
イ ンの気 に入 らない服 を買 うこ とがあ る」に、
衣服 を多 くの人 々に供給 してい くために、
6
8%が否定 しているこ ととあわせ、今後の課題
メー カーや販売店へ具体的 な提案 を行 うこ
は、「
機能性が高 く着心地が よ く」かつ 「デザ イ
とが必要であ る。 この ような観点 か ら被服
ンに優 れる」をめ ざ していか なければな らない。
学 の研究 を進 め る ことで社会 に貢献で きる
既製服の普及 によって衣生活 は豊か になった
研究 ・開発の促進)
と考 える。 (
が、平均か ら外れ る身体 的特性 を有す る人た ち
や購 買力の低 い人たちの要求 は満 た されてい な
書 く ・話す ことも困難 を有す る多 くの方 々か
い。サ イズの種類 をふやす とともに、技術 の利
らの協力 に感謝 します。私の不手際で資料が歳
用 に よって個 にあわせ て提 供で きる体制づ くり
月 を経 て しまい ま したが、実態 と要望 をまとめ
が 、 よ り多 くの人の豊か な衣生活 を実現す る上
ることが 白身の使命 と考 え、 ここに提 示 します。
で求め られてい る。
引用 文献
5
.まとめ
本調査 を通 じて、服を着 るこ と ・選ぶ ことは
機能 を満 たす だけで な く、楽 しみ と生 きがい に
(
1)障害 者 白書 (
平成13年版)
、 p 3、内閣府編
(
2)例 えば,東 南
つ なが ることが 明 らか となった。 よ り多 くの人
が 『
着心地 よ く、着脱 Lやす くかつお しゃれ な
服 を着 る』ことがで きる よう、 以下の 4点 を提
言 しまとめ とす る
弘子 ;「福祉機器 の市場 と流通」
講 座 ・高 齢 社 会 の 技 術 5福 祉 機 器 、 1
78-1
9
(
1
996) 日本評論社
(
3)井手
睦、緒方
甫 ;更衣動作、総合 リハ、1
9
(9)91
9-923 (
1
991)
(
4)例えば、猪又美栄子、中村亜矢子 ;
高齢女性の
。
(
1
)道路での危 険、建物 内外 の段 差や店内の商
品配置 に不便 を感 じてい る こ とか ら、気軽
- 1
55-
袖口ボ タンか けはず し動作、家政誌 48 (6)、
531-537 (
1
997)
(
5)泉 加 代 子 ;要 介 護 高 齢 者 と フ ァ ッ シ ョ ンセ ラ
ピー、 衣服学 会誌
(
9)水 谷 雅美 ;リフ ォー ムで手持 ちの服 を もっ と着
5
0 (1)1
7-22 (
2006)
や す く着 心 地 よ く しよ うⅤた しか な 目、 国民生
(
6)例 え ば、 ユ ニ バ ー サ ル な接 客 ;ユ ニ バ ーサ ル
フ ァ ッシ ョン商 品 &売 り場 開発 ハ ン ドブ ック、
活 セ ンター、 1
6-1
8、 No.1
70 (
2000)
(
1
0)H.KAWABATA al
l
d N.∫.RABOLT ;
36-38、 ユ ニ バ ー サ ル フ ァ ッ シ ョ ン協 会 編
Compa
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(
2001)
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y
(
7
)千 葉桂 子 ;障害 者 の リフ ォー ム につ いて、 日本
家政学 会
被 服 構 成 学 部 会 夏 期 セ ミナ ー要 旨
S,
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Cons
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es & Home
1999)
Ec
(
)
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1
0
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s23 (4)213-223 (
集 、 48-5
1(
2002)
(
8)隻 円珠 巳 ;運 動 機 能 に障 害 が あ る人 の衣生活 の
(
20
07年 9月 2
5日提 出)
服構 成学 部会 夏
(
20
07年 1
0月 1
.
9日受 理)
現 状 と課 題、日本 家 政学 会
被
期 セ ミナ ー要 旨、 44-47 (
2002)
- 156-
Current Situation and Future Assignment in Clothing Life of
Women with Upper/Lower Limb Disabilities
Hiroko
KA W ABA T A
Key words: Women with upper/lower limb disabilities, Clothes size, Interest in clothing,
Functionality, Evaluative criteria
We made questionnaire surveys on 187 women with upper/lower limb disabilities on their
current situation in clothing life and their interest in clothing. The results were as follows:
(1) Most of the woman with upper/lower limb disabilities liked purchasing clothes and felt
pleasure in doing so. However, they were feeling inconveniences in environments both outside
and inside the buildings on their outings. Improvements supportive of their outings are
desired in the environments of towns and stores.
(2) Their dissatisfaction level was high for clothing size. Problems exist in the disruption of topbottom and right-left balance in clothes. The design of clothes sometimes made it difficult for
them to put on and take off their cl<;>thing. A system that corresponds to easier remake of
clothing should be prepared by the manufacturers and retailers in the future.
(3) High interest in clothes was seen. However, there were few tendencies to give priority to
comfort and to wear clothing that they disapproved of the design. Our assignment for the
future is to develop clothes that possess both high functionality and good design, to improve
environment that allows for easier outings, and to equip better opportunities for abundant
selection of goods.
-157-
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