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健康的な飲酒 8つの心得

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健康的な飲酒 8つの心得
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チェンジ! あなたの生活習慣
チェンジ!
あなたの生活習慣
健康的な飲酒
8つの心得
アルコールの飲み過ぎがもたらす病気といえば、アルコール中毒や
肝臓の病気が代表的。しかしそれだけでなく、大量の飲酒は脳卒中
やがん、認知症などにも関係してきます。
「百薬の長」とも言われる
お酒を健康的に飲むには、どのようなことに気をつけたらいいので
しょうか?
知
る
アルコールと病気の関係
飲み過ぎは、身体に
様々な影響 をもたらします
るカロリーオーバーも関わってきます。放置してお
アルコールも薬物の一種。長期にわたって大量の
どを招く危険が増大します。
飲酒を続けていると、アルコール依存症といった精神
■がん:WHO(世界保健機関)によれば、飲酒は口
的な問題だけでなく、いろいろな臓器に悪影響を及ぼ
腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と、
してきます。
女性の乳房がんのリスクを高める
■肝臓:数ある悪影響の中でも最も多いのが肝臓病
そうです。また、特に飲酒で赤く
で、重篤にもなりやすいといえます。大量飲酒を続け
なりやすい人ほど、口腔・咽頭・食
ているとまずなるのが脂肪肝で、症状がないため気
道の発がんリスクが高くなること
づきにくいのが問題。飲酒をやめれば治りますが、そ
がわかっています。
のまま続けていると、今度はアルコール性肝炎に発展
し、腹痛や発熱、黄疸などの症状が出てきます。さら
お腹の 赤ちゃん にも 影響 が
に進むと起こるのが肝硬変で、腹水や黄疸、吐血な
妊娠中に酒を飲むと、胎盤を通じてアルコールが
ど重大な症状がみられま
お腹の赤ちゃんに入り、様々な悪影響を及ぼす可能
す。アルコール性肝硬変
性があります。その一つが胎児性アルコール症候群
は、禁酒を続ければ他の
( FAS )で、発育の遅れや中枢神経系の障害などの
肝硬変に比べて改善され
先天異常が生じます。また、妊婦がお酒を飲むと早
やすいともいわれます。
産や流産、分娩異常の原因になる
■循環器:適量の飲酒は、心臓や血管などを保護し
こともわかっています。
ます。その1日の目安は日本酒なら1合、ビールな
授乳期にも注意が必要です。ア
ら中ビン1本程度。女性はこれより少ない量が勧め
ルコールが母乳へ移行する割合は
られます。しかし、脳出血や不整脈などは少量の飲
非常に高く、血液中のアルコール
酒であってもリスクが高まります。
濃度と母乳中の濃度はほぼ同じ。
■メタボリックシンドローム:高血圧、脂質異常症、
母乳で赤ちゃんを育てている間は、
高血糖には、酒の飲み過ぎやつまみの食べ過ぎによ
ぜひアルコールを控えましょう。
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けば、当然動脈硬化をきたし、脳梗塞や心筋梗塞な
赤くなりやすい人ほ
ど、がんのリスクが高
まります!
奥さんが妊娠中は、旦
那さんも断酒に協力し
ましょう。
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チェックする
アルコール依存度をチェック
(「KAST」久里浜式アルコール症スクリーニング・テスト)
あなたの日頃の飲酒習慣は適正ですか? 健康への被害や
日常生活への悪影響の可能性がないか、チェックしてみましょう。
最近6カ月の間に、次のようなことがありましたか?
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ある
ない
あてはまる
せめて今日だけは酒を飲むまいと思っても、つい飲んでしまうことが多い。
あてはまらない
ある
周囲の人(家族・友人・上役など)から大酒飲みと非難されたことがある。
ない
あてはまる
適量でやめようと思っても、つい酔いつぶれるまで飲んでしまう。
あてはまらない
酒を飲んだ翌朝に、前夜のことをところどころ思い出せないことがしば あてはまる
しばある。
あてはまらない
あてはまる
休日には、ほとんどいつも朝から酒を飲む。
あてはまらない
二日酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことが あてはまる
時々ある。
あてはまらない
糖尿病、肝臓病、または心臓病と診断されたりその治療を受けたことが ある
ある。
ない
酒がきれたときに、汗が出たり手が震えたりイライラや不眠など苦しい ある
ことがある。
ない
よくある
商売や仕事上の必要で飲む。
ときどきある
めったにない
あてはまる
酒を飲まないと寝つけないことが多い。
あてはまらない
ほとんど毎日、3合以上の晩酌をする(ウイスキーなら1/4本以上、ビー あてはまる
ルなら大ビン3本以上)
あてはまらない
ある
酒の上の失敗で警察のやっかいになったことがある。
ない
あてはまる
酔うといつも怒りっぽくなる。
あてはまらない
酒が原因で、大切な人(家族や友人)との人間関係にひびが入ったことが
ある。
3.7
-1.1
3.2
-1.1
2.3
-0.8
2.2
-0.7
2.1
-0.7
1.7
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0.8
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0.7
0
-0.2
0.7
-0.1
0.6
-0.1
0.5
0
0.1
0
判定
2点以上 ⇒重篤問題飲酒群:きわめて問題大。ただちにアルコール専門医に相談しましょう。
2~0点 ⇒問題飲酒群:問題あり。できるだけ早くアルコール専門医に相談しましょう。
0~-5点⇒問題飲酒予備群:まあまあ正常。アルコールとの関わり方を変える必要があります。
-5点以下⇒正常飲酒群:全く正常。ただし、今後の飲み過ぎには注意しましょう。
アルコールの脳への影響
アルコール依存症の人や、大量に飲酒する人に、脳が小さくなる脳萎縮が高い
割合でみられるようです。また、いくつかの疫学調査では、アルコール乱用者や
大量飲酒の経験のある人では、認知症になる危険が高まると報告されています。
一方、少量ないし中等量の飲酒は認知症とは関係ないだけでなく、むしろ認知
症の予防につながる可能性が複数の調査によって示されています。
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チェンジ! あなたの生活習慣
実
践する
健康的に飲むためのコツ
お酒は、賢く、適量を飲めば健康にも好影響を与えます。
健康を守るための飲酒ルール、覚えておきましょう。
①飲酒量は1日平均純アルコール20g以下
厚生労働省は「健康日本21 」の中で、節度ある適度な飲酒を“ 1日平均純アルコールで20g程度”と示し
ています。純アルコール20gは、ビール中ビン1本、日本酒1合、チューハイ350ml缶1缶、ウイスキー
ダブル1杯などが相当します。
1日の適度な飲酒量(純アルコール20gに相当する酒量)
お酒の種類
お酒の量
アルコール度数
ビール
中ビンまたはロング缶1本(500ml)
日本酒
1合( 180ml )
15%
ダブル1杯( 60ml)
43%
小グラス2杯( 200ml)
12%
ウイスキー
ワイン
チューハイ
焼酎
1缶( 350ml )
5%
7%
コップ半分( 100ml)
25%
②女性・高齢者は少なめに
④食事と一緒にゆっくり飲む
一般的に女性は男性に比べてアルコールの分解速
空腹時に飲んだり、一気に飲んだりするとアル
度が遅いといえます。また、体重あたり同じ量のア
コールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いしたり、
ルコールを摂取しても、女性のほうが臓器障害を起
場合によっては急性アルコール中毒を引き起こすこ
こしやすいといわれますから、女性の飲酒量は男性
ともあります。おつまみを食べながらゆっくり飲む
の1/2~2/3程度が適当と考えられます。
ように心がけましょう。
高齢者はアルコールの分解速度が低下したり、血
おつまみは揚げ物を控えて低カロリーに。たん
中濃度が高くなくても酔い方がひどくなる傾向があ
ぱく質は肝臓を修復し、魚などに多いビタミンB 6
ります。65歳以上の人も飲酒量を抑えることが望
は脂肪肝を予防する効果があります。比較的低カ
ましいでしょう。
ロリーで肝臓に優しいおつまみとしては、大豆製
③赤くなりやすい人も控えめに
品や魚、野菜類が最
お酒を飲むと赤くなりやすい人は、そうでない人
適。牛乳やチーズな
に比べて、体内でアルコールからつくられる有毒な
どの乳製品は胃壁を
アセトアルデヒドの血中濃度が高くなりやすく、ア
覆ってアルコールの
ルコールの分解も遅れます。このような人でも長年
吸収速度を遅くする
飲み続けると不快にならずに飲酒できるようになり
ので、飲む前や飲み
ますが、赤くなりやすい人ほど口腔・咽頭・食道の発
始めに摂るとよいで
がんリスクが高いので、無理は禁物です。
しょう。
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⑤強いお酒は薄めて飲む
⑧週に2日は休肝日を
アルコール度数の高い酒は、のどや胃腸の粘膜に
ビール中ビン1本のアルコールを肝臓が分解する
強い刺激を与えます。それを繰り返すと、咽頭がん
のに要する時間は、約3時間。酒量が増えれば、その
や食道がんの原因になることもあります。
分肝臓の負担はどんどん高まります。例えばビール
強い酒は小さめのグラスで出されることが多く、
中ビンを2本飲んで寝れ
知らないうちに飲み過ぎてしまうことに。このよう
ば、肝臓は寝ている間中、
なことを避けるためにも、強い酒は薄めて飲むよう
働くことになるのです。
にしたいものです。
この肝臓を休めるために
⑥寝酒は避ける
も、週に2日はアルコー
寝酒は入眠を誘う効果はありますが、眠りを浅く
ルを口にしない日を設け
するため良質な睡眠が持続できなくなります。また、
ましょう。
寝酒の習慣を続けていると睡眠促進効果が下がり、
同じ効果を得るために必要なアルコールの量がどん
どん増えてしまいます。健康な睡眠を得るためにも、
アルコールの力は借りないようにしたいものです。
⑦薬と一緒に飲むと危険!
アルコールは薬の効果を強めたり、逆に弱めたりし
ます。精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存を速
二日酔いを防ぐには
二日酔いは、アルコールの分解過程でつくら
れるアセトアルデヒドや、アルコールによる脱
水作用、胃の荒れ、エネルギー不足、低血糖な
どが複合して引き起こされるといわれています。
めることも知られています。また、鎮痛剤や風邪薬と
肝臓にはブドウ糖をつくる働きもあるのですが、
一緒に飲むと胃潰瘍を起こしやすくなります。
アルコールの分解で手一杯になるとブドウ糖の
その他、糖尿病の
産生が抑制されてしまい、低血糖を起こします。
薬 と 一 緒 に 飲 む と、
この二日酔いを防ぐ方法については、2005
昏睡などの低血糖発
作が起こることもあ
ります。薬物治療中
はお酒を飲まないよ
うにしましょう。
年にイギリスとオランダの医師が実験を行い、
イギリスの医学誌『British Medical Journal』
にその結果を発表しましたが、決定的な予防法
は見つからなかったようです。専門家らは、一
番よいのは酒量を抑えること、そして脱水など
を防ぐために水分や食事を一緒にとることと結
論づけています。
定期健診で肝機能の状態を知ろう
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるように、かなり悪くならないと症状が出ま
せん。お酒をよく飲む人は、定期的に健診を受け、肝機能の数値の変化に注
意することが大切です。
特定健診の肝機能検査では、AST(GOT)
、ALT(GPT)
、γ-GT(γ-GTP)
の3種類の数値を測定します。
この3つは、肝臓の細胞中にあってたんぱく質をつくっている酵素。AST
とALTは肝細胞が壊れると血液中に放出されて数値が上がります。肝炎や脂
肪肝などではどちらの数値も少し上がりますが、肝硬変や肝がんでは、ASTの上がり方のほうがやや大き
くなります。またγ-GTはアルコールや毒性のある薬物を処理するときなどに増えます。γ-GTだけが高
値だったらアルコールによる肝障害が考えられます。
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