Windows編 メール編 スマー トフ ォン編

パソコンの使い勝手や見栄えなどが、いつの間にか変わったと
いう「怪現象」に遭遇したことはないだろうか。その場は何とな
く解決したつもりになっていても、心にもやもやは残ったまま。
「も
しかしたら心霊現象？」──。そんな不安を解消しようと“お札 ”
や “ おはらい ” に頼っても意味はない。不可思議に見える怪現
象にも理由はある。パソコンユーザーが遭遇することの多い
22の怪現象を、
「Windows 編」
「Web 編」
「メール編」
「スマート
フォン編」の4 分野に分けて解明する。
（勝村 幸博）
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特集 1「どうしてこうなった？」の理由と対処方法を徹底解説
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▶
女性の裸が表示されて消えない
▶
いつもと違うソフトが起動してしまう
●ファイルの関連付けを変更する
ここ数年、国内で相次いでいるの
るものの、押しても画面が消えない。
で利用しているパソコンでこのよう
画像ファイルや音楽ファイルなど
が、デスクトップ画面に “ 謎の料金
消えた場合でも、すぐに復活する。
な事態になれば、怪現象とは別の意
がいつの間にか見慣れないアイコン
請求画面 ” が表示される怪現象だ（図
しかも画面には、料金を請求する
味でも“ 恐怖 ”だろう。
になり、ダブルクリックしたらいつ
1）
。通常のウインドウ画面と同様に、
文章や、女性の裸の写真などが掲載
料金請求画面が表示される原因は
もと異なるソフトが起動した経験は
右上には「×」の閉じるボタンがあ
されている。職場のパソコンや家族
ウイルスだ。パソコンがウイルスに
ないだろうか。その場合は、ファイ
感染したために Windows などの設
ルの「関連付け」が変更された可能
定が変更されて、料金請求画面が表
性が高い。
示され続ける。
関連付けとは、ファイルの種類（フ
請求画面を表示させるウイルスは、
ァイルの拡張子）と、そのファイル
動画ファイルなどに見せかけて実行
を開くためのソフトを対応付ける機
させようとする（図 2）
。動画を閲覧
能のこと。その種類のファイルをダ
するつもりでウイルスファイルを開
ブルクリックするだけで、関連付け
いてしまうと感染し、請求画面が表
られたソフトが起動されて、そのフ
する。あるソフトに関連付けられて
元の状態に戻したいなら、関連付
示されてしまう。
ァイルを自動的に読み込む。
いる拡張子であっても、同じ拡張子
けを手動で変更すればよい。関連付
ウイルスの一種なので、ウイルス
関連付けは簡単に変更でき、通常
を扱う別のソフトをインストールす
けを変更したい拡張子のファイルを
対策ソフト（セキュリティソフト）で
は、ソフトのセットアッププログラ
ると、関連付けが変更されることが
右クリックして表示される「プロパ
検出・駆除できる場合があるが過信
ム（インストーラー）が自動的に設定
ある。これが怪現象の正体だ。
ティ」から変更できる（図1）
。
●覚えがないのに登録完了、
「すぐにお支払いを！」
●原因はウイルス、だまされて実行した可能性大
図 1　デスクトップ上に表示
される料金請求画面の例。右
上の「 × 」ボタンを押して消
しても、すぐに再度表示され
る。ボタンを押して消えない
場合も多い
図 2　動画などに見せかけて
ウイルスを配布している Web
サイトの例。だまされてウイ
ルスを実行したために、図 1
のような請求画面が表示され
た可能性が高い
は禁物。新たなウイルスが次々と作
成されているので、検出できないこ
とが多い。
料金請求画面が表示される
請求画面が表示されないようにす
るには、怪しいファイルを実行しな
いことが第一。提供元が明らかでは
ないファイルは、決して開いてはい
けない。
●「システムの復元」で感染前の状態に戻す
万一、料金請求画面が表示された
場合の対処法は、
「システムの復元」
を利用すること（図 3）
。請求画面が
画面の指示に従って進む
料金請求画面が表示され始めた
日時よりも前の日時を選択
図 1　ファイルの関連付けを変更する手順例。関連付
けを変更したい形式のファイルを、どれでもよいので
右クリックして「プロパティ」を選択。
「全般」タブ→「変
更」ボタンで表示される選択画面で、関連付けたいソ
フトを選んで「OK」ボタンを押す
▶
夜中にパソコンが突然動き出す
●タイムスケジューラの設定を確認する
休止させたはずのパソコンの画面
図 1　「タイムスケジュー
ラ」の設定画面例。まずは、
スタートメニューの「アク
セサリ」→「システムツー
ル」→「タイムスケジュー
ラ」から「タイムスケジュ
ーラライブラリ」を選ぶ
が、暗闇の中で怪しく光り出す──。
原因は「タスクスケジューラ」
。タス
クスケジューラとは、決められたス
ケジュールに従って特定の処理（タ
スク）を実行する Windows の機能。
問題の現象は、ソフトのインストー
ダブルクリック
表示されるよりも前の時点にシステ
ル時などに、自動的に設定されたス
ムの状態を戻せば、請求画面が消え
ケジュールが原因だと考えられる。
ることがある。
怪現象の解決策は、設定を変更す
ただし、必ず元に戻せるとは限ら
ること（図 1）
。スリープ状態のとき
ない。パソコンを初期化しなければ
には、タスクを実行しないようにす
ならない場合もある。ウイルスに感
図 3　Windows 7 が備える「システムの復元」の利用例。
「すべてのプログラム」→「アクセス」→「システムツール」
→「システムの復元」を選択（左）。画面の指示に従って
操作し、料金請求画面が表示され始めた日時よりも前の
状況（復元ポイント）を選択すれば（上）、料金請求画面
が消える場合がある
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染しないことが何よりも重要。情報
処理推進機構（IPA）セキュリティセ
ン タ ー（ http://www.ipa.go.jp/
security/）に相談するのも手だ。
る。タスクスケジューラの設定画面
チェックを外す
図 2　「トリガー」が夜中になっている
タスクを選択し、ダブルクリックして
「プロパティ」を表示させる。
「条件」タ
ブで「タスクを実行するためにスリープ
を解除する」のチェックが入っていたら
外す
を開き、タスクの「条件」をそれぞ
れ確認。
「タスクを実行するために
スリープを解除する」のチェックを
外せばよい（図 2）
。
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