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「明日の京都」丹後地域振興計画

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「明日の京都」丹後地域振興計画
「明日の京都」丹後地域振興計画
<新丹後活動プラン>
地域の持っている
「宝」
をいかした
「元気な丹後」
京都府丹後広域振興局
<写真>
琴引浜(京丹後市)
舟屋(伊根町)
ちりめん街道(与謝野町)
天橋立(宮津市)
<目 次>
計画の概要 ……………………………………………………………………………… 2
第1章 策定趣旨 ……………………………………………………………………… 4
第2章 地域特性 ……………………………………………………………………… 6
第3章 基本方針 ……………………………………………………………………… 9
第4章 現状と課題、及び重点施策 ………………………………………………… 10
第1 産業振興による丹後地域の活性化 ………………………………………… 10
けん
1 丹後地域の活性化を牽引する観光立地 ………………………………… 10
2 ものづくり産業等地域産業の振興 ……………………………………… 21
第2 環境と文化の伝承 …………………………………………………………… 25
第3 府民が共にいきいきと安心に暮らせるまちづくり ……………………… 29
1 人々が交流・連携する地域共生 ………………………………………… 29
2 府民安心のまちづくり …………………………………………………… 33
<参考資料>
「明日の京都」丹後地域振興計画策定までの主要経過 ………………………… 42
丹後地域戦略会議委員名簿 ………………………………………………………… 44
−1−
「明日の京都」丹後地域振興計画〈新丹後活動プラン〉の概要
自然、文化、歴史、食、ちりめん、温泉…地域のもっている「宝」をいかした「元気な丹後」をめざします
丹後地域の現状
施策の基本方向と重点施策
◆地域産業の不振、厳しい雇用情勢
◆過疎化や少子高齢化による人口減少
◆京都縦貫自動車道の全線開通見通し 等
産業振興による丹後地域の活性化
丹後
「日本海観光」
プロジェクト
■地域の魅力を結集した観光ゾーン形成
■こだわりの魅力創出(ブランドの確立、体験メニューの
創出、テーマ性のある資源の活用など)
■メディア活用の「ふるさと丹後」発信
■顧客ニーズ対応の接客サービス充実
■観光振興に向けた道路整備(京都縦貫自動車道の早期
整備、丹後半島一周道路などの整備)
「丹後・食の王国」プロジェクト
海上タクシー
府中バイパス
丹後とり貝
環境と文化の伝承
■中小企業へのステップアップ支援
■「丹後・知恵のものづくりパーク」での人材育成と施設活用
■織物産地の強みをいかした製品づくり
■企画力や開発力の向上による機械金属業の振興
■企画力や開発力の向上による機械金属
■商店街活性化支援
■産業振興の基盤となる道路整備の推進
丹後・知恵のものづくりパーク
人材養成研修
(機械金属業)
)
ブランド京野菜
夕日ヶ浦
きもの展示会
府民が共にいきいきと安心に暮らせるまちづくり
■環境・文化をいかす(ジオパーク、天橋立など)
■豊かな自然を守り育てる(健全な森林等の育成、放置竹
林対策、里山保全、阿蘇海などの環境改善等)
■地域の行祭事や食文化などの伝承、国民文化祭を通じ
た文化の気運醸成
木製治山ダム
ものづくり産業等地域産業の振興
■強みをいかした産品の増強
(コシヒカリ、ブランド京野菜、
丹後とり貝など)
■新食材開発や食関連ビジネスの創出
■観光との連携、
販路開拓やPRなど
■「食」を支える基盤づくり
丹後産コシヒカリ
丹後地域での新たな動き
◆京都丹後観光圏の認定
(H20)
◆丹後天橋立大江山国定公園の指定
(H19)
◆山陰海岸ジオパーク、
世界遺産登録を目指す天橋立
◆各地で地域力再生の取組
◆丹後産コシヒカリの食味ランキングでの高評価
◆茶、
ブランド京野菜、
ブランド水産物等の生産拡大
◆丹後産材料による日本酒、
ワイン等の食品関連産業の広がり
人々が交流・連携する地域共生
府民安心のまちづくり
■人権の尊重 ■地域力再生・NPOとの協働
■ふるさと定住(Uターン等支援) ■地域を担う人づくり
■
「命の里」
事業による農村地域の再生とふるさと保全活動
■利用しやすい公共交通の実現(KTR等)
■幹線道路の通年2車線確保など
■情報通信網活用のネットワーク支援
■医師確保・救急医療など医療の充実
■高齢者支援体制の構築 ■子育て支援 ■障害者支援
■安心安全な消費生活の実現
■安心安全のまちづくり(河川整備・土砂災害対策)
高校での
高
消費者研修会
ドクタ ヘリ
ドクターヘリ
プレ国民文化祭
植林作業
地域力再生活動(FMたんご)
里の仕事人
地元の方と協働での作業
KTR
認知症キャラバンメイト養成講座
改修された大手川
−2−
「明日の京都」丹後地域振興計画
<新丹後活動プラン>
地域の持っている「宝」をいかした「元気な丹後」
−3−
第 1章
策定趣旨
京都府では、平成16年5月、地方機関の再編によって広域振興局を設置し、平成17
年3月には、それぞれの広域振興局において地域振興計画を策定し、以後、現地現場
主義の観点から、それぞれの地域の特性に応じた地域振興を進めてきたところです。
新しい京都府政の基本指針となる「明日の京都ビジョン」は、変化の激しい時代に
も柔軟かつ機動的に様々な課題に対応できるよう、いつの時代も変わることのない府
政運営の基本理念や原則等を示す「基本条例」
、めざす将来の京都府社会の姿を示す「長
期ビジョン」、府域全体を考えながらこれからの京都づくりの戦略をまとめた「中期
計画」に加えて、それぞれの地域が有する特色ある資源をいかす「地域振興計画」で
構成されています。
丹後地域では、観光業、農林水産業、機械金属業、織物業など、地域の特性をいかし、
また、長年の歴史と伝統につちかわれた技術をいかした様々な産業が展開されていま
す。さらに、変化に富み、人々を魅了する海と山などの自然、随所に息づく歴史と文
化など、多くの魅力ある地域資源があり、そして何よりも、地域を守り育てるため、環境、
文化、福祉、地域振興など様々な分野で、多くの方々が、いきいきと活動されています。
一方では、今後、これまで経験したことがないような人口減少・少子高齢化や社会経
済情勢など、丹後地域を取り巻く状況は大きく変化することが予想されます。
このたび策定しました丹後地域振興計画(「新丹後活動プラン」)は、平成17年3月
に策定した前計画に代わり、長期ビジョンでめざす京都府社会の実現に向けて、丹後
地域の状況を踏まえ、地域の未来を築くため、今後(平成23年1月から平成27年3月まで)
の重点的、戦略的に推進すべき必要な取組について示しています。
具体的には、丹後地域の活性化のため、様々な産業に波及効果を及ぼす「観光」を
けん
牽引役とすることで交流人口を増やし、農林水産業、商業、サービス業などの産業振興、
雇用機会の増加等を図ることを一つのビジョンとして掲げています。
しかしながら、観光も、海外を含めた他の観光地との競争が激化しており、従来の
ような観光施設中心、名所旧跡の物見遊山型ではなく、地域の持つ様々な資源をいか
すという観点から、丹後の魅力ある「食」を伸ばし、広げることをもう一つのビジョ
ンとして掲げています。
−4−
以上のような基本的な方針に加え、織物業、機械金属業など地場産業の振興、環境
と文化の伝承、そして、地域を支えるためのまちづくりの基盤整備等を重要な柱と位
置付け、いわば観・環・農・商工連携として必要な取組を掲げています。
そして、これらの取組については、市町、関係団体はもとより、府民参画、府民協
働により、進めていく必要があります。
なお、本計画に取り上げていない多くの課題についても、上記「中期計画」に基づ
き取り組んでいくこととしています。
また、運営目標を通じて、「目標の設定」・「実施」・「評価」・「見直し」という
PDCAサイクルにより、絶えず、この計画を点検しながら推進していくこととしてい
ます。
予算編成
運営目標の設定
(Plan)
施策・事業の検討
施策・事業の執行
(Act)
(Do)
現状・課題、対応方向の確認
基本目標の進捗管理
(Check)
−5−
第 2章
地域特性
丹後地域は、優れた自然景観やロマンあふれる歴史・文化、海の幸・山の幸など豊
かな食、そして古代以来のものづくりの技術や伝統など、地域の「宝」ともいうべき様々
な資源に恵まれた地域です。
一方で、府内で最も高齢化が進んでいるとともに、京阪神地域から約100㎞離れて
いることなどが、観光・産業の振興を図る上で制約となってきました。しかし、多く
の高齢者が農林水産業や地域の伝統・技能の継承など、様々な分野で活躍されている
とともに、京阪神とのアクセスについても京都縦貫自動車道全線開通の見通しがつく
など、着々と整備が進められつつあります。
こうしたものも地域の「宝」として、丹後が一緒になり、地域をあげて「元気な丹後」
をめざします。
1 位置・地勢等 人々を魅了する自然景観に恵まれた丹後地域
丹後地域は、京都府の最北部に位置し、東は舞鶴市、西は兵庫県豊岡市、南は福
知山市に接し、面積は約845㎢と府全体(4,613㎢)の約18%を占めています。
さ
し
丹後半島の東と西には、それぞれに砂嘴を持つ宮津湾と久美浜湾があり、南には
大江山連峰、中央には丹後山地が連なり、その中央部を竹野川が流れています。由
良海岸から久美浜湾に至る海岸線は変化に富み、天橋立、伊根湾、経ヶ岬、夕日ケ
浦など、様々な貴重な地質遺産を有し、東側は丹後天橋立大江山国定公園、西側は
山陰海岸国立公園に指定されています。
また、自然環境保全地域の上世屋、内山のブナ林、鳴き砂で有名な琴引浜、日本
の棚田百選に選ばれた袖志の棚田、さらには各所に湧出する170を超える温泉など、
自然景観に恵まれた地域です。
気候は四季の変化に富む日本海型気候で、夏は気温が高い日が続き、晩秋から冬
うら にし
にかけては「浦西」といわれる季節風とそれに伴う時雨現象で、不安定な天候とな
ります。冬季には山間部では1mを超す積雪が見られることもあります。こうした
気候は生活に厳しさをもたらす一方、良質な水や適度な湿気が、米作りなど農林水
産業や丹後ちりめんに対する恵みとなってきました。
−6−
2 歴史・文化 歴史・文化のロマンあふれる丹後地域
丹後地域は、縄文・弥生時代から大陸との交流が活発に行われていたと考えられ、
え び す やま
蛭子山古墳など日本海三大古墳をはじめとする古墳群が残されているように、いわ
ゆる「丹後王国」として「大和朝廷」に比肩する独自の繁栄を遂げていたとみられます。
その後、奈良時代の713年(和銅6年)に丹波国から分かれ丹後国が置かれましたが、
江戸時代には宮津藩、峰山藩と田辺藩(現在の舞鶴市)の三藩に分割され、さらに
江戸中期以降は、幕府の天領として久美浜代官所が置かれました。明治維新後は、
久美浜県が先に置かれ、廃藩置県による宮津県、峰山県、舞鶴県を経て、1876年(明
治9年)には京都府に統合されました。
はしうど
また、丹後七姫(安寿姫、乙姫、小野小町、静御前、間人皇后、羽衣天女、細川
ガラシャ)、浦島太郎、徐福など数多くの伝説や民話、江戸後期の北前船で繁栄し
た豪商の住宅、重要伝統的建造物群保存地区の「伊根の舟屋」や「ちりめん街道」など、
歴史・文化のロマンあふれる地域です。
3 産業 豊かな食、古代以来のものづくりの伝統、技術が息づく丹後地域
産業分類別の就業比率は、第1次産業10%、第2次産業34%、第3次産業56%とな
っていますが、基幹産業である農林水産業、織物業、機械金属業など、第1次産業、
第2次産業の比率が、他地域よりも高くなっています。
こうした中で、平成19年から平成21年まで3年連続特A評価を受けた丹後産コシ
ヒカリや黒大豆、間人ガニや伊根ブリなど丹後地域ならではの食に加え、茶、丹後
とり貝、イワガキなど新たな農産物、水産物の生産が始まるなど、いわば「丹後・
食の王国」と呼ぶのにふさわしい豊かな食に恵まれています。
一方、丹後地域は、奈良時代に古代の織物「あしぎぬ」が献上されるとともに、
えん じょ
わが国最古の製鉄所遺跡である遠處遺跡製鉄工房跡が存在するなど、わが国のもの
づくりの発祥地とも言えます。
こうした伝統、技術が継承され、現在の丹後ちりめんや機械金属業の発展につな
がるなど、丹後地域は、豊かな食、古代以来のものづくりの伝統、技術が息づいて
います。
−7−
4 人口等 高齢者など人々がいきいきと活動する健康長寿の丹後地域
丹後地域では、全国や京都府の平均を上回る少子高齢化が進行しており、地域の
社会経済全般にわたり様々な影響を与えています。
丹後地域の人口は、2005年(平成17年)の国勢調査では111,859人ですが、長期
的な人口減少と高齢化が進み、1970年(昭和45年)の140,186人と比べると約20%
の減少となりました。65歳以上の人口比率は、この間に11%から29%に上昇するなど、
保健・医療・介護基盤の整備を進める必要があります。
一方、100歳以上の長寿者の比率が府平均の約2倍であるとともに、多くの高齢者
が農林水産業等に従事したり、地域の様々な行事や伝統文化の継承に中心的に活躍
するなど、高齢者がいきいきと活動している地域と言えます。
5 生活基盤等 京阪神へのアクセス充実により発展をめざす丹後地域
京阪神と結ぶ高規格道路として、京都縦貫自動車道(京都市∼宮津市)と舞鶴若
狭自動車道があり、現在整備を進めている鳥取豊岡宮津自動車道(宮津市∼京丹後
市大宮町)と合わせ、丹後地域の観光・産業の基盤として、京都府の南北軸を形成
する京都縦貫自動車道の早期全線開通が期待されています。丹後地域の幹線道路と
しては国道178号、312号とこれにアクセスする国道176号、482号や主要地方道等に
より道路ネットワークが形成されています。
第三セクター方式により運営される北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、昭和63年の
宮福鉄道「宮福線」として開業し、現在、丹後地域のほぼ東西を横断し兵庫県豊岡
市と舞鶴市を結ぶ宮津線と、宮津市と福知山市を結ぶ宮福線が運行されています。
現状のまま推移すれば、人口減少等による利用者数の減少が見込まれる中で、他の
交通機関とともに、地域の生活、観光等の基盤として、地域全体で支えていくこと
が重要になっています。
−8−
第3 章
基本方針
∼地域の持っている「宝」をいかした「元気な丹後」∼
第 1 産業振興による丹後地域の活性化
けん
1 丹後地域の活性化を牽引する観光立地
過疎化や少子高齢化が進行し、今後も人口減少が予想される中にあって、地域
けん
の自然・文化・歴史遺産をいかす「観光」を牽引役として、交流人口を増やし、
「食」
関連をはじめとする様々な産業への波及効果により、雇用拡大など地域の活性化
をめざします。
<丹後「日本海観光」プロジェクト(日本海観光構想の実現に向けて)>
地域の魅力を結集した観光ゾーンの形成をめざします。
<
「丹後・食の王国」プロジェクト(丹後・食の王国構想の実現に向けて)>
観光と連携して、丹後の魅力ある「食」を発信します。
2 ものづくり産業等地域産業の振興
丹後地域の活性化を支える産業基盤として、織物業・機械金属業など「ものづ
くり産業」等地域産業について、担い手の確保・育成を図るとともに、産地の強
みをいかしてさらなるスキルアップ、経営体質の強化を進めます。
第 2 環境と文化の伝承
産業振興、地域振興、まちづくりなどを通じて、丹後地域の豊かな景観・自然・環境・
文化を守り、次世代に伝えていきます。
第 3 府民が共にいきいきと安心に暮らせるまちづくり
1 人々が交流・連携する地域共生
地域力再生活動の推進をはじめ、より利用しやすい公共交通の実現など、ふる
さと定住や、地域の生活や活動、地域内外の交流を支えるとともに、一人ひとり
の人権が守られ、自分らしく暮らせるための地域をつくります。
2 府民安心のまちづくり
少子高齢化などで人口減少が進行する中で、保健、医療、福祉施策や防災対策
を充実し、健康長寿で安心・安全に暮らせる生活基盤を整備します。
−9−
第 4章
現状と課題、及び重点施策
第 1 産業振興による丹後地域の活性化
けん
1 丹後地域の活性化を牽引する観光立地
<<現状と課題>>
(1)観光
観光業は、雇用創出や他産業への波及効果が大きいことから、丹後地域の活
性化に欠かすことのできない主要産業の一つとなっています。
官民一体となった丹後広域観光キャンペーン協議会を中心に、四季型・滞在
型観光地をめざして、これまで、広域的な情報発信や広報宣伝、イベントなど
を推進し、京阪神をはじめ、中京圏や首都圏への誘客促進活動などを進めてい
ます。
丹後への観光入込客数は、昭和から平成に至る時期には年間500万人台、平
成15年には約630万人となりましたが、海外も含めた他の観光地との競争激化
の中、近年は足踏み状態となり、年間600万人に満たなくなっています。
平成19年には、丹後天橋立大江山国定公園の指定、平成20年には新たに制定
された「観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律」に基づく広域観光圏の
認定を受けるとともに、天橋立の世界遺産登録をめざした活動、平成22年に世
界ジオパークネットワーク加盟が認められた山陰海岸ジオパークの活用など、
一層の飛躍をめざす取組が進められています。
丹後地域には、海、海岸、山地、丘陵、棚田、温泉などの自然に加え、過去
から現在に至る丹後の歴史・文化、伊根の舟屋やちりめん街道などの集落や町
並みなど、数知れない魅力が存在しています。まちづくりでも、大手川改修に
合わせた宮津城城壁の復元など、地域の歴史・文化をいかす取組も行われてい
ます。これらを一層活用して、丹後の新たな魅力を創出する必要があります。
さと
また、丹後あじわいの郷、丹後海と星の見える丘公園、丹後ちりめん歴史館、
与謝野町古墳公園など、丹後の魅力を伝える観光拠点施設との連携も重要です。
さらなる観光・産業振興のために、丹後半島一周道路を形成する国道178号
をはじめ丹後と京阪神を結ぶ動脈となる京都縦貫自動車道の早期完成とともに、
鳥取豊岡宮津自動車道の宮津天橋立IC∼与謝天橋立IC間の早期完成や与謝天
橋立IC∼大宮森本IC(仮称)間の事業推進が必要です。
−10−
(2)農林水産業など「食」関連産業
ア 農林業
丹後地域における就業人口に占める第一次産業従事者の割合は、10%と府
全体の3%よりも高くなっています。農業は水稲を中心として、砂丘地や国
営開発農地(国営農地開発事業により造成された農地)を利用した野菜や果
樹などの生産も各地で行われています。
丹後産コシヒカリ、黒大豆をはじめ、丹後の農産物は良質でおいしいとの
評価がある一方で、農産物価格の低迷もあり、こうした評価が必ずしも農家
所得の向上に反映されていないことや、少量多品目生産であるため、大型店
などへの安定した出荷に課題があります。
丹後産コシヒカリ、ブランド京野菜、ナシ・ブドウ・桃等果樹などの農産物、
カニ、カキ、ブリ、トリガイなどの水産物など、魅力ある食が豊富であり、
観光と食の連携により、地域の活性化にしっかりと活用する必要があります。
丹後の強みである丹後産コシヒカリの特A評価の維持、ブランド京野菜の
生産力の強化、果樹については消費者ニーズの高い品種への転換・加工品の
開発などを進めていくことが必要です。
茶の生産が始まるとともに、農商工連携による商品の開発など、新たな取
組が始まっています。こうした取組を押し進め、高品質でブランド力の高い
生産物を生み出していく必要があります。
過疎高齢化が急速に進む中、管内の販売農家数は、ここ10年で4分の3に減
少するなど担い手不足が深刻な状況になっています。一方で、意欲と能力を
持つ多くの青年農業者が農業に取り組んでおり、こうした動きを支援し、都
市部からの移住等も含め、多様な担い手を確保する取組を進めるとともに、
農業法人化や営農組織体制の強化などにより、経営力を強化する取組が求め
られています。
地域面積の76%を占める自然豊かな森林には、コゴミ、コシアブラなどの
山菜をはじめ、清流でのわさびや食関連のササなどの林産物が多くあり、グ
ループによる出荷も行われていますが、生産量が不安定なこともあり、丹後
の林産物として定着するには至っていません。
イノシシ、シカなどの野生鳥獣による農林産物の被害は、年々拡大し、経
済的損失に止まらず、耕作意欲の減退など耕作放棄地拡大の要因にもなって
います。効果的な被害防止対策を推進するとともに、猪肉・鹿肉の有効利用
による丹後の新たな食材として開発することが求められています。
−11−
イ 畜産業
丹後地域は、府内の肉用繁殖牛飼養頭数の約50%が飼育され、中丹・南丹
地域への和牛子牛の供給地として重要な役割を担っていますが、近年、畜産
農家数減少と頭数伸び悩み等の厳しい状況にあります。後継者、新規就農者
の経営支援による増頭、「京たんくろ和牛」のブランド化と増頭、ジャージ
ー牛などの乳製品販売など、丹後の新たな「食」として発展させていく必要
があります。
ウ 水産業
丹後の海では、ブリ、マグロ、サワラなど暖水性の魚と、冷水性のズワイガニ、
ハタハタなど多様な水産物がとれます。さらに、海流の影響や地形の特性から、
久美浜湾のカキ、伊根のブリ、宮津湾、栗田湾のトリガイなど特徴ある水産
物が生産されています。
「間人ガニ」の地域団体商標で知られているズワイガニ、アカガレイにつ
いては、アジア初のMSC認証を受けており、資源と環境に優しい漁法が資
源の回復にもつながっています。こうした取組について積極的にPRを行い、
付加価値を高めることにより、販路拡大を進める必要があります。
漁業生産については、近年の海況変化等により漁獲対象種が変化する一方、
魚価の低迷や高齢化による担い手不足への対応が重要な課題となっています。
トリガイ、イワガキ、アワビを中心に、アカモクなどの海藻類や、水産加
工品などを対象に、丹後水産物全体のイメージアップと付加価値の向上を図
っていますが、生産体制の強化とブランド化の推進が期待されています。
エ 食品関連産業
食品関連産業については、漬物、佃煮、豆腐、和菓子、アイスクリームな
どの工場・工房や、酒造・醸造、ワイナリーなど、地域の食材を活用した加工・
販売施設が地域内に立地しています。
地産地消や観光の取組とも連携し「食」をテーマとした地域振興のためには、
さと
「丹後あじわいの郷」などを活用した「食」の拠点の形成、ブランド化の推進、
地域外への販売を増やす取組などを進め、食品産業の集積を図ることが課題
です。
目標:丹後地域を訪れる観光客数 年600万人(平成21年:535万人)
:京都から丹後の観光地への時間短縮(道路)
京都市∼京丹後市 約25分短縮し、約2時間(平成21年度:約2時間25分)
−12−
:丹後産コシヒカリの食味ランキング 10年連続の「特A」評価
:農商工連携取組支援 5年間で新たに50件(平成21年度:4件)
:ブランド水産物の販売額 年3,000万円(平成21年度:1,200万円)
:担い手農業者 5年間で新たに20名育成(平成21年度:227名)
:漁業への新規就業者数 5年間で15名増
<<重点施策>>
(1)丹後「日本海観光」プロジェクト(日本海観光構想の実現に向けて)
地域の魅力を結集した観光ゾーン形成
丹後地域への年間観光入込客数600万人の回復とさらなる入り込みを実現す
るため、「丹後の新たな魅力」を創出し、四季型、滞在型観光地へとシフトす
ることが重要となります。このために、市町、丹後広域観光キャンペーン協議会、
観光団体等と連携して、
「丹後の恵まれた海、里、山、温泉などの多様な自然景観」
や「ロマンあふれる丹後の歴史と文化」などの資源を活用した観光ゾーンを形
成するとともに、「新鮮な海産物や農産物の丹後ブランドの確立」による観光
けん
と「食」関連産業とのリンクにより、観光を牽引役とする地域振興を図ります。
また、中丹地域と連携した府北部観光の強化を図るとともに、兵庫県や福井
県との連携による周遊観光の提案など、広域観光を推進します。
ア こだわりの魅力創出(魅力にまつわる物語性の発信)
(ア)丹後の奥深い歴史、文化・伝説をいかした観光誘客(テーマ性のある資源の活用)
a 時代、人物、遺跡等テーマによる資源活用
丹後王国等古代の歴史や、丹後七姫伝説・徐福伝説・浦島伝説などの人
物にまつわる伝説、民話、古代のものづくり遺跡等の発信による好奇心と
ロマンあふれる旅の推進
b 地域と触れ合う町並み散策
重要伝統的建造物群保存地区(伊根の舟屋、ちりめん街道)や豪商・旧家、
復元された宮津城城壁等を活用した魅力ある町並み散策地域の創造
伝統的な建造物や町並み等を保存・活用した地域振興の取組への支援
「まち歩きコース」の設定や紹介マップの作成
伊根の舟屋の活用(民宿の開設等)の支援
そろ
景観にマッチした案内看板・サインの設置、揃いののれんなど統一感の演出
「第26回国民文化祭・京都2011」などを契機として、与謝蕪村の俳句や、
与謝野晶子の短歌などにゆかりの地を巡る観光コース設定など
−13−
(イ)
「丹後ならではの」
「地域と触れ合う」体験メニューの創出とブラッシュアップ
a 丹後ならではの体験メニュー等
丹後ならではの体験を可能とするモデルコースの設定をはじめ、ネイチャ
ーガイドの養成や案内看板の整備等を推進
観光客ニーズに対応した各種ツーリズムの開発
丹後天橋立大江山国定公園の魅力をいかしたエコツーリズム/農業体験
などアグリツーリズム/山陰海岸ジオパークをいかしたジオツーリズム/
漁船等を活用したクルージング(漁船クルージング)の運航区域拡大や漁
業体験等の丹後の海をいかしたブルーツーリズムなど
丹後海と星の見える丘公園やマリーンピアなどの体験型施設の活用
自然との共生を体感する生き物標本作りなど自然と触れ合う環境学習や
滞在型の里山体験や保全活動、海でのカッター体験など
干物作り・農業体験・生活体験メニューの創出
畜産体験と丹後半島の海と山・高原等の観光資源とが一体となった碇高原
牧場の活用
b 温泉をいかした「いやし」と「健康づくり」
「関西有数のいやしの温泉地」として「温泉マップ」の作成等による情報
発信
「たんご湯遊パス」による割引制度や、温泉とトレーニング施設との連携
による商品開発
(ウ)四季折々の新鮮な食材 PR による地域ブランドの確立
コシヒカリ、ブランド京野菜、果樹をはじめ、ズワイガニ、カキ、ブリ、トリガイ、
イワガキ、アワビ、マグロ、アマダイなど水産物を中心とする四季を通じた丹
後地域ブランドの確立
丹後地域の食材にこだわったメニューの開発、コンクール・試食会の開催、
レストラン等への食材提供などあらゆる機会を使ったPR
観光業者と1次・2次産業とが連携した新商品開発など
味めぐりマップの作成など
(エ)公共交通機関と連携した観光プランや「滞在を促進」する旅行商品の開発
公共交通機関(北近畿タンゴ鉄道(KTR)、丹後海陸交通バス等)と連携し
た「丹後まるごとフリー切符」「味めぐり得々プラン」などの商品開発
丹後広域観光キャンペーン協議会と旅行会社等が連携した、ロングステイ商
品・連泊促進商品づくり
「かにカニエクスプレス」などの旅行商品と連携した企画、JR駅での観光情
報誌配架などJRとの連携による取組の推進
−14−
イ メディア等を活用した「ふるさと丹後」の発信
「丹後広域観光キャンペーン協議会」を核としながら、さらに広域的な観光
立地の形成に向けて、丹後七姫伝説や自然・文化・歴史などの多様な観光資源
について、丹後地域全体で、統一テーマを持った、テレビ、雑誌等による知名
度アップ作戦
旅番組やグルメ番組等での放映
こだわりの情報誌への掲載
ウ 顧客ニーズに対応した接客サービスの充実
(ア)宿泊客の満足度の向上
個々の顧客ニーズに対応した宿泊スタイルや食事内容の選択肢提供等の推進
(イ)外国人観光客誘客推進(Yokoso Tango)
東アジア(中国、韓国、台湾、香港等)をターゲットにした誘客と受入態勢整備
案内窓口・案内看板・HP・パンフレット・自動翻訳等の外国語対応の推進
旅館・ホテル等での支払や買物でのカード決済対応の普及拡大
外国人観光客等に対応できる人材育成を図る「外国語会話」、「異文化理解」
等の研修の実施
(ウ)おもてなし人材の育成とスキルアップ
旅館従業員等のレベルアップを図る「おもてなし講座」等の実施
エ 観光を支える基盤づくり
(ア)京都縦貫自動車道の早期整備(平成 26 年度目標)
京阪神からの時間距離を短縮し、観光客が訪れやすい交通アクセスを整備
(イ)丹後半島一周道路の整備
丹後半島に点在する名所や景観地を大型バスで周遊することを可能にする観
光道路を整備
国道178号(蒲入バイパスなど)の整備
国道178号、岩滝海岸線などが今後の検討路線
(ウ)広域観光アクセス等の道路整備
網野峰山線、網野岩滝線、久美浜湊宮浦明線、綾部大江宮津線、丹後縦貫林
道(リフレッシュ事業)などの整備
宮津養父線が今後の検討路線
−15−
(2)
「丹後・食の王国」プロジェクト(丹後・食の王国構想の実現に向けて)
ア 丹後の強みをいかした産品の増強
丹後を代表する安心・安全で品質が優れ、地域に根付いた産品を地域戦略産
品として位置付け、産地確立に向けた生産体制の確立と丹後の新たな魅力創出
のための産品開発・ブランド化を図ります。
(ア)丹後産コシヒカリ特 A 評価の維持
丹後米改良協会をはじめとした生産者・関係者が協働して栽培技術と食味向
上の取組を強化し、10年連続して食味ランキング「特A」評価をめざすことに
よる市場評価の向上・定着を通じて、農家所得の増加を促進
栽培管理の注意情報等をタイムリーに配信
米の食味コンテストの開催
おいしい丹後産コシヒカリ栽培方法開発研究
(イ)ブランド京野菜、黒大豆等の生産強化
a ブランド京野菜
生産技術の向上による生産安定と新規生産者育成による産地体制の強化
流通形態の多様化に向け予約相対取引(価格・量を設定して相手方と取引)
の拡大、販路拡大等の取組を支援
ハウスや機械・施設の整備による生産力強化
b 黒大豆等
集落における集団的取組と団地化の推進
耕うんと種まきの同時作業、マルチ栽培による省力栽培体系の確立及び基
本技術の励行による安定生産のための支援
こも いけ
小豆「薦池大納言」などを地域特産物として確立し、ブランド化を推進
(ウ)基幹漁業(定置網、底びき網)の振興
定置網の急潮予測、大型クラゲ被害防止対応への支援
底びき網の資源管理の検証調査等、漁業者の効果的な取組への支援
漁場利用協定の取組や遊漁の釣獲状況を踏まえ、資源の持続的な利用と漁場
(天然及び人工魚礁)利用の安定化
関係者による漁業と遊漁を包括した資源管理計画づくりと実践の支援
イ 丹後の特色をいかした新たな食材の開発や食関連ビジネスの創出
(ア)新たな商品開発の支援等
a 食関連ビジネスの創出やネットワークづくり等
「きょうと農商工連携応援ファンド」等の活用、農業ビジネスセンター京
都など関係機関との連携による事業展開・構築までの支援や水産ビジネス
−16−
プランの推進による食関連ビジネスの創出
さと
「丹後あじわいの郷」を拠点とした「食の回廊」に向けた食関連施設等の
ネットワークづくりや食品産業の集積
b 水産資源を利用した新たな商品開発への支援
有効利用の進んでいない水産資源を活用した商工連携(海業)等による新
商品の開発などを支援(例:サワラ、アカモク等)
低価格魚の加工等による付加価値向上、利用促進
c 健康長寿のレシピ開発等
丹後の食材をいかした健康長寿のレシピ開発や商品開発の推進
(イ)丹後産宇治茶産地の確立
国営開発農地を中心とした茶の新規参入による産地拡大のための新規植栽を
支援
製茶工程管理システムを実践指導できる技術者育成等による製茶工場運営体
制の確立
茶園品評会開催をはじめ、被覆茶栽培の技術指導、丹後の気候風土に適合した
栽培技術開発等による丹後産の特徴を引き出す栽培技術と製造技術等の確立
試飲によるお茶に親しむイベントやお茶摘みツアー開催など府民等への啓発
(ウ)猪肉等の安定供給システムづくり
有害等で捕獲された猪肉・鹿肉の広域有効活用の推進
講習会の開催等による生産技術(解体技術)の向上による生産量の増加
レシピの作成、旅館などへの説明会・勉強会の開催を通じた販路の拡大(ホ
テルやレストランのチェーン店等)を市町と連携して支援
地元での地産地消の促進
(エ)ブランド水産物の生産拡大(京の水産物生産拡大対策の推進)
京都府の独自技術をいかし、府ブランド水産物の生産拡大(丹後とり貝、育
成イワガキ)等につなげるため海洋センター等の種苗生産施設の整備等を実
施し、種苗供給体制を強化
育成イワガキの天然採苗技術の開発
宮津湾などで丹後とり貝育成漁場の拡大
(オ)丹後産材料にこだわった日本酒、ワイン等の普及、PR
「地酒飲み比べ会」の開催や、観光イベントと連携したPRの実施
(カ)食に彩りを添える林産物の商品化
サンショ、コゴミ、コシアブラ、ワサビ等を地域の特色ある食材としてPR
しながら、旅館などで使ってもらえるよう、生産者と旅館等の交流の場の設
定等により販路を拡大
−17−
(キ)和牛振興基地をめざした牧場づくり(和牛生産の基地である碇高原牧場に
おける和牛子牛の生産拡大)
はい
和牛の受精卵(胚)の生産譲渡の拡大や、担い手農家への妊娠した牛の譲渡
優良和牛繁殖雌牛の導入と遺伝的能力の高い子牛の安定供給
ウ 観光との連携、販路開拓やPR等
さと
(ア)
「丹後あじわいの郷」を拠点とした丹後地域の「食」の魅力発信
さと
観光とリンクし、
「丹後あじわいの郷」を拠点に、丹後の農林水産物の食の体験、
情報発信や周辺施設等との連携による新レシピ・新商品開発の推進
実際の食材を見て・触れ・味わう食の体験の実施
地域農産物等を活用した「製造・加工・販売拠点」としての機能強化
(イ)地産地消の推進、地元産品の PR(農産物等の地元利用の推進)
協議連携組織設置や児童・福祉等関係者を対象とする教育・体験ファーム等の実施
コシヒカリをはじめとする地元産の米・野菜・果樹、水産物、畜産物を学校・
福祉施設・病院等に供給するしくみを構築
旅館、ホテル等での地元食材活用に向けての集荷・供給システム構築の検討
野菜の収穫オーナー制度の構築
地元消費者への地元産品を利用したレシピの普及
「地産地消推進の店」の設置・推進やこだわりの農産物の活用
(ウ)丹後ならではの「食」等が味わえる施設の確保
a 京都縦貫自動車道完成に向けた販売施設整備の支援
京都縦貫自動車道完成に向けて、丹後らしいものが買える、食べられる施設
整備の支援
b 朝市等の直売所の支援
観光と連携した直売所のPR
直売所間のネットワークの育成強化
直売所運営ノウハウを習得するための講習会の開催
(エ)インターネット、情報誌を活用した丹後を代表する農産物・水産物の魅力
の戦略的 PR
丹後産コシヒカリをはじめ、生産農家や販売情報等を提供し産地銘柄をPR
丹後の四季折々の旬の食材やレシピをインターネットや情報誌等により広くPR
漁業、漁村の様々な資源の効率的な活用(海業)により、都市と漁村の交流
を促進するとともに、府民にゆとりとうるおいを提供することにより「丹後
の海ファン」を獲得し、丹後水産物の消費を拡大
MSC認証水産物(ズワイガニ及びアカガレイ)のPR
−18−
(3)
「食」を支える基盤づくり
ア 担い手の確保・育成等
(ア)新規就業支援、後継者の確保
a 就業希望者に対する情報ネットワークづくり
農林水産業ジョブカフェと連携した新規就業希望者に対する情報提供
漁協組合員資格の取得までのマニュアル作成及び資格取得の指導
担い手づくりサポートセンター等と連携した農林水産技術研修の実施及び就
労の機会や場の提供
漁業従事者の育成を図るための漁労技術などの研修
b 関係機関との連携による新規就業環境整備
担い手養成実践農場及び漁場を活用した就業支援
技術指導者や担い手づくり後見人の確保、研修の場や必要な機械等の確保、
住居のあっせんや研修受入者への支援
農地バンクシステム等を活用した研修農地の確保
農業大学校における茶・京野菜栽培の技術習得支援
(イ)経営力向上のための支援
農業ビジネスセンター京都の情報提供、専門家派遣等による農商工連携の取
組を推進し、地域の雇用拡大と所得向上をめざす農業経営体の経営強化を図
るためビジネスプラン策定、マーケティング及び施設・機械整備を支援
集落型農業法人の設立及び経営改善を支援するとともに、地域の人的・面的
特性に応じた経営体育成を支援
地域農業振興のリーダー・コーディネーター育成システムの構築
漁村での雇用の場としても重要である定置網及び底びき網漁業の経営の安定
化や将来を担う人材の育成
漁業技術、会社運営、販売戦略などの研修機会を増加し、経営改善と企業的
経営意識の向上を促進
海業の質的向上に向けた取組と人材育成の支援
イ 生産基盤整備・地域づくり
(ア)農業生産基盤の整備の推進
高生産性農業の展開が見込まれる大区画水田の整備の推進
ほ場・水路などの保全・更新整備及び農地や農業用水の維持保全活動の展開
−19−
(イ)水産業の生産基盤の整備の推進
a 藻場の造成による海づくりとつくり育てる漁業の推進
環境保全(窒素・リンの吸収・固定や二酸化炭素の吸収)や、アワビ、サ
ザエ等の磯根資源や稚魚の育成に重要な役割を果たす藻場の造成・維持保
全
b 安心・安全な漁業施設の整備等
水産物の安心・安全を図り、付加価値を高めるための、荷さばき所や水産
加工施設など漁港施設の整備
ウ 有害鳥獣被害対策の推進
「野生鳥獣被害に強い地域づくり総合対策事業」を活用し、市町や地域住民
と連携・協働して地域実態に応じた効率的・効果的な被害防除対策を講じると
ともに、有害鳥獣捕獲体制の整備を推進
電気柵等の防除施設の整備など地域における自主防除体制の整備の推進
狩猟免許取得の啓発による捕獲班員の確保
広域捕獲により有害鳥獣の効果的頭数削減
レンタカウ(碇高原牧場の牛の貸出し)・サポートカウ(畜産農家の牛の貸
出し)で、農家等の草刈の省力化・獣害低減に活用
エ 環境保全・資源循環型農業の推進
エコファーマー認定の推進
与謝野町での「京の豆っこ」の取組をはじめとする地域資源循環型農業の推
進
市町のバイオマス利活用の取組への支援
−20−
2 ものづくり産業等地域産業の振興
<<現状と課題>>
(1)中小企業等地域産業
丹後地域は、約290年の伝統を誇る「丹後ちりめん」の産地として知られ、
織物業が基幹産業の一つとして地域経済を支えてきたところであり、丹後織物
産地の生糸消費量は、全国の約3割を占めるなど国内の絹織物産地としては、
全国一の規模で、特に白生地織物の生産高は国内生産量の約6割を占めています。
また、織物産地の発達を背景に育った機械金属業は、大手企業からその下請
すそ
企業に裾野が広がり、着実に地域を支える産業として発展してきました。
商業関係では、消費者の生活スタイル・ニーズの多様化、大規模小売店舗の
進出、後継者難等により、商店街が厳しい状況にあり、商業統計によると、管
内の小売業の事業所数は、平成19年調査では1,644事業所となっていて、平成
16年から140の事業所が減少し、その後も減少傾向が継続しています。
(2)織物業
消費者の生活スタイルが多様化する中での和装需要の減少や外国産製品の輸
入などにより、平成21年には丹後ちりめん(白生地)の年間生産量は約50万反
となるなど厳しい経営環境が続いています。一方で、
「半製品(白生地)産地であり、完成品や新商品の開発力・企画力に乏しいこと」
「消費地から遠く、市場ニーズの把握が弱いこと」
「従事者の高齢化、後継者不足、産地内で関連工程を担う企業の確保が困難」
などが指摘されており、こうした課題に対応していくことが求められています。
(3)機械金属業
京都府では平成20年10月に、中小企業のための総合的な拠点となる「丹後・
知恵のものづくりパーク」を開設し、府北部のものづくり人材の育成や新規産
業の創出支援を行っています。
下請け部品加工が大半を占める丹後の機械金属業においては、平成20年秋の
「リーマン・ショック」以来の景気低迷は、機械加工の受注量の減少に大きく
影響しています。こうした中で、高精度・高品質な加工やコスト削減は言うま
でもなく、部品加工から一歩進んだ独自製品設計・新技術開発による高付加価
値化、地域内の関連企業のネットワーク化によるユニット受注や新分野進出な
ど新たな取組がますます重要となってきています。そのためにも、新事業展開
への支援、将来を担うものづくり人材の育成、小規模事業者のスキルアップ支援、
−21−
また、製品化を進める上で必要不可欠な企画力・開発力等ものづくり力向上を
図る取組が求められています。
目標:
「知恵の経営実践モデル企業認定制度」等に取り組む事業件数 年20件
(平成21年度:10件)
:経営問題等に係るサポート(相談)件数 年200件(平成21年度:100件)
:
「丹後・知恵のものづくりパーク」における人材育成研修等受講者数
延べ5,000名(平成21年度:2,894名)
<<重点施策>>
(1)中小企業へのステップアップ支援
ア 総合的な中小企業支援・サポート体制の整備
京都府元気印中小企業認定制度による認定や経営革新計画の承認などにより、
新事業の展開を図る取組を支援
「きょうと元気な地域づくり応援ファンド」や「きょうと農商工連携応援フ
ァンド」などによる支援
行政・商工団体・専門家などで編成する「中小企業サポートチーム」による
経営課題に応じた支援
地域金融対策協議会の開催による金融機関及び信用保証協会との連携
中小企業融資制度による経営の安定・再生支援
イ 小規模事業者のスキルアップ、経営体質の強化に向けた支援
産業や事業者の課題は、地域間、業種間でも異なるため、丹後地域の事情に
応じて、関係機関が連携し、中小企業が抱える課題解決への支援
ものづくりをしている工房・工場等が消費者に自社のものづくりをPRし、
企業の意識改革と経営力の向上を図る「丹後ええもん工房」づくりを支援
ウ 受発注先確保の支援
産地として必要な生産基盤・生産工程を維持するため、産地内での受発注先
確保に向けた支援(受発注先のあっせん等)
(2)
「丹後・知恵のものづくりパーク」における人材育成と施設の有効活用
「丹後・知恵のものづくりパーク」で実施中の人材育成研修(織物業の後継者、
機械金属業の高度機械加工技術者、在職者の技術向上)に加えて、次の取組を実
−22−
施するなど、ニーズが高い分野に対応し、利用しやすいカリキュラム作成に努め、
施設の有効利用を推進
丹後地場産業の未来を担う小中学生対象のおもしろ科学教室
将来の担い手確保につながる府立峰山高等学校産業工学科等の課外実習
在職者の技術力向上のため技能検定資格取得につながる研修事業
「丹後・知恵のものづくりパーク」内での技能検定学科・実技試験
企業と府織物・機械金属振興センターが連携した試作・研究開発
(3)丹後ちりめん等織物業の振興
丹後織物産地の振興を図るため、丹後織物ルネッサンス事業等により、地域に
蓄積した高度な技術を活用した新商品の開発及び販路開拓の取組を実施
ア 丹後産地の強みをいかした製品開発
耐摩擦性、防縮性を付加する「ハイパーシルク」等の新加工技術の活用支援
和装品だけでなく、生活用品、産業資材や環境分野への用途拡大をめざして、
企業、専門家(デザイナー等)及び府織物・機械金属振興センターが連携し
た競争力のある製品開発の推進
デザイナーや異業種と提携した商品開発の支援
イ 販路開拓
流通業者、専門家等の助言を得て、百貨店やセレクトショップでの定期的な
展示販売の開催と丹後産地の工場見学、展示即売会の実施
地元企業が立ち上げたLLP(有限責任事業組合)を中心に優れた丹後の織技
術をいかし、シルクや和の文化に関心の高いヨーロッパをはじめ海外に視点
を向けた事業展開への支援
丹後ちりめんの製造過程で排出される「絹セリシン」を活用した化粧品や浴
用品などの販路拡大など
ウ 和装振興
「ゆかた・きものを楽しむ日、月間」を中心として、丹後地域全体で関係機
関の連携のもとに、観光振興の視点も踏まえ、「きもの着用」の機会を広げ
る運動を推進
(4)機械金属業の振興
ア 企業の企画力、開発力の向上
下請け賃加工等を中心とした経営から、自立技術を磨き、元請けに過度に頼
−23−
らない経営への転換を促し、自社製品を開発するための企画力、設計・開発
力向上を目的とした人材の育成
イ 丹後地域内企業ネットワーク化の推進
鍛造、鋳造、機械部品加工、機械装置組立、熱処理、表面処理など、素材か
ら仕上げまで一貫生産できる強みをいかし、地域企業のネットワーク化を推
進
ウ 試作産業の育成
京都試作産業グループと連携して試作や新規事業にチャレンジする企業・グ
ループに対し、「丹後・知恵のものづくりパーク」の機能を最大限に活用し、
技術的に支援
他業種との連携を促進し、新たな展開を模索
(5)商店街活性化支援
ア 商店街活性化のハード、ソフト事業を支援
街路灯の設置やポイントシステムの導入等、地域の特色をいかした元気のあ
る商店街づくり、個性あふれる商店街づくりや創意あふれる集客事業を支援
することにより、商店街のにぎわいづくりを推進
イ 中心市街地活性化の取組を支援
市町のまちづくり計画を推進する中で、まちなかにぎわいづくりと商業活性
化に積極的及び戦略的に取り組む事業を支援
地域の観光資源を有効活用しつつ、観光集客でのにぎわいづくりをめざす、
まちなか観光の推進等
(6)産業振興の基盤となる道路整備の推進
ア 京都縦貫自動車道の早期整備(再掲)
イ 鳥取豊岡宮津自動車道の事業推進
宮津野田川道路(平成22年度目標)
野田川大宮道路(平成20年代半ば)
−24−
第 2 環境と文化の伝承
<<現状と課題>>
丹後地域には、世界文化遺産登録をめざす日本三景として名高い天橋立や山陰
海岸ジオパークなど、世界に誇りうるすばらしい自然環境があります。また、丹
後王国、丹後七姫や浦島太郎などにまつわる歴史や伝説、人の営みと絡む棚田や
ぶ
笹葺き民家など、人と自然とのかかわりによって形成された景観が数多く残され
ています。こうしたことが評価され、平成19年8月には、里山のすばらしい景観
がある自然公園として「丹後天橋立大江山国定公園」が指定されました。
先人たちが守ってきたこれらの自然や暮らしを次世代に守るべき資産として伝
えていくための様々な課題に対応していく必要があります。
(1)丹後の美しい景観や自然
琴引浜や内山のブナ林、宇川などでは自然を守る取組が続けられてきました。
また、伊根町の舟屋群や与謝野町のちりめん街道、京丹後市久美浜町の一区な
どでは、町並み保全に向けた取組が進められています。
天橋立については、世界文化遺産登録をめざした取組が行われています。ま
た合わせて、阿蘇海の環境改善や天橋立周辺地域景観計画に基づく町並み保全
などが行われています。
京都府・兵庫県・鳥取県にまたがる「山陰海岸ジオパーク」は、地質遺産を
いかしたジオツーリズムや、科学者や地元でガイド活動等にかかわる人のネッ
トワークづくりなどが行われており、丹後の豊かな自然環境を地域振興につな
げていく必要があります。
こうした課題に対応するためには、コーディネーター的役割を担う人材の育
成も必要となっています。
(2)森林の保全・間伐・モデルフォレスト運動
森林は、木材生産だけではなく、水源のかん養・土砂の流出防止、美しい景
観の形成、地球温暖化防止、環境学習や健康づくりの場の提供など公益的機能
も果たしています。
木材価格の低迷や作業者の高齢化等により、適正な管理が行われていない森
林が増え、林床に光が入らず、植生が育たないために降雨により表土が流出す
るなど、丹後地域の森林の荒廃による環境への影響が懸念されています。
森林の整備・保全を進めるため、持続可能な資源である木材・竹材の利用促
進や森林施業の担い手確保とともに、地域の森林を地域全体で守っていくモデ
ルフォレスト運動の輪を広げる取組が必要です。
−25−
(3)自然と調和する文化振興
丹後地域には、古墳や社寺などの建造物等、歴史と文化が息づいています。
また、伝統的な技術や行祭事については、少子高齢化等の影響で、伝承が難し
ぶ
くなりつつある中で、地域活動団体等による「藤織り」や「笹葺き民家」の維持、
おきなさん ば そう
伝統芸能の「翁三番叟」をはじめとする伝承のための活動もみられます。
丹後地域における貴重な文化遺産や活動を次世代に確実に引き継いでいくこ
とが地域の活性化に不可欠であり、平成23年に開催される「第26回国民文化祭・
京都2011」に向け、プレイベントなどにより高まった気運を、国民文化祭につ
なげるとともに、終了後も地域文化を盛り上げ、次世代への文化伝承につなげ
る取組を進める必要があります。
目標:モデルフォレスト運動の推進(森林利用保全重点区域) 5年間で新た
に2地区(平成21年度:2地区)
<<重点施策>>
丹後の美しい海と山で構成される景観を守り、次世代に引き継ぐためには、海や
山を守る取組を別々に行うのではなく、海から山までの総合的な視点での取組が必
要です。
(1)丹後ならではの自然環境・文化をいかす
ア 山陰海岸ジオパークの推進
世界ジオパークネットワークへの加盟が認められた山陰海岸ジオパークの活
用を通じて、地域の自然遺産の保全意識を高めるとともに、観光振興や地域振
興にもいかします。
ジオパークの拠点整備の支援
ジオパーク・ガイドなどの人材育成やジオツアー・コースの設定
漁船クルージングの運航区域拡大
イ 天橋立の世界文化遺産をめざした取組
世界文化遺産登録(当面、暫定リスト入りをめざす)に向けた取組を通じ、
行政と地域が一体となった松並木保全や海岸の清掃、侵食対策等の環境保全
活動の促進
国際シンポジウムや文化・歴史講座等の開催など、日本の文化景観の原点と
しての国際的価値を高める取組を推進
−26−
(2)丹後の豊かな自然を守り育てる
ア 健全な森林等の育成・保全
健全な森林の育成には、森林への継続的働きかけが必要です。このため、森
林資源の利用拡大を図るとともに、森林管理の担い手の確保や環境・景観を含
めた森林の公益的機能を守る取組を進めます。
森林ボランティアによる保全活動など地域の森林を地域全体で支えるモデル
フォレスト運動の推進
集約化団地設定による利用間伐の推進と府内産木材利用の推進
パトロールの強化により、森林の違法開発を抑止
公益的機能が期待される保安林について、治山事業を推進するとともに、木
製治山ダムの整備など府内産木材の利用を促進
林業トレーニングセンターによる林業の担い手育成及び林業経営体の経営力
向上の支援
竹林伐採や、竹林の広葉樹への樹種転換を実施し、実施後の保育を地域住民
と協働して実施
イ 林産物のバイオマス活用等の新用途開発の推進
伐採した竹材等について、新エネルギーとしての活用等の新たな用途開発や
樹脂製品化などによる有効利用のための実証実験
伐採後の林地残材の有効利用のための実証試験
ウ 環境学習
循環型社会と自然との共生について、自然の中で楽しみ、くつろぎ、学習で
きる施設(丹後海と星の見える丘公園、マリーンピア、エコエネルギーセン
ターなど)を活用し環境学習の取組を拡大
エ 阿蘇海等の閉鎖性水域の環境改善
河川流域及び海岸周辺の住民との協働(阿蘇海環境づくり協働会議の取組等)
による環境改善活動のモデルの推進
宮津湾流域下水道の整備及び下水道整備等の促進に向けて市町を支援
シーブルー事業(浅い海底を覆砂)による阿蘇海の環境改善
アマモ藻場造成技術の開発やハマグリ、アサリ、海藻養殖の実証実験と実用
化
富栄養化の原因と考えられる農業排水や生活排水の流入防止を図る「浅水代
かき」農法の普及や環境学習等の推進
−27−
オ 海岸線等の環境保全
(ア)海岸林の再生(白砂青松の復活)
地域と協働した海岸林の再生(防災機能の向上及び観光振興)
(イ)棚田の景観の維持保全
棚田の美しい景観の維持を図るため、持続的な農業生産と農業水利機能の保
全に努め、地域ボランティア団体、企業等とも連携した活動を推進
(3)地域文化の伝承
ア 地域に伝わる行祭事や食等の文化の伝承
地域の行祭事や食文化を再認識する機会を提供するとともに、途切れた行祭
事や食文化の復活を支援(地域力再生プロジェクト支援事業の活用)
地域に残る貴重な建造物等の文化資料の保全活動を支援
イ 国民文化祭を通じた文化活動の気運醸成
国民文化祭を契機に、ふるさとの文化や文化財に親しむとともに、地域での
様々な文化活動や次世代の文化体験活動などを支援
−28−
第 3 府民が共にいきいきと安心に暮らせるまちづくり
1 人々が交流・連携する地域共生
<<現状と課題>>
今後、少子高齢化の進展や家族形態・就業形態の変化など、地域を取り巻く
環境の変化により、将来、地域の生活環境がより厳しい状況となることが予想
されます。
地域の生活基盤を維持するとともに、伝統行事や技術の継承、地域防災や犯
罪被害防止など、安心・安全な地域づくりを進めるためには、各地域の持つ地
域力を再生するとともに、NPOや大学など地域の理解者との交流・連携により、
地域を活性化することが重要です。
生活道路や情報化基盤など、人・もの・情報の交流の基盤整備を進めること
が重要です。
(1)人権の尊重
同和問題や女性、子ども、高齢者、障害のある人、外国人に対する人権問題など、
様々な人権問題が依然として存在しています。
(2)地域力再生・NPO との協働
京都府では、平成19年度から京都府地域力再生プロジェクトにより市町村と
協力して、地域力の再生に取り組む団体を支援しています。丹後地域での平成
21年度までの3年間の支援団体数は、環境や子育て支援、防災・防犯、地域産
業おこしなど様々な分野で110団体となっています。
地域活動団体の交流・協働の拠点として京都府丹後NPOパートナーシップ
センターを平成17年10月に設置し、NPOなどへの支援を行ってきました。丹
後地域の特定非営利活動法人(NPO法人)数は、平成22年4月現在で33法人と
なっており、今後、団体間の情報交換等による活動の輪の拡大が求められてい
ます。
(3)ふるさと定住(Uターン等支援)
・地域を担う人づくり
将来を担う子どもたちに、丹後の自然・歴史・文化を学習する機会を提供す
ることで、ふるさとへの愛着を高め、地元定着者を増やすとともに、地域情報
の発信により、地域外の人との交流促進とUターン等の促進に結び付けるしく
みづくりが求められています。
−29−
元気な高齢者についても、地域で必要とされる仕事や役割を担ってもらうし
くみづくりが必要です。
天橋立の世界遺産登録をめざした活動や、山陰海岸ジオパークなどで、丹後
地域の魅力を世界へ発信するためには、英語等の外国語に対応できるガイド等
の養成が求められています。
(4)命の里の再生とふるさと保全活動
農村地域は、担い手不足や過疎・高齢化が急速に進む中、農業生産だけでなく、
集落機能や活力の低下も心配される状況にあります。農業の持続的な発展によ
り、農村地域の美しい風景、豊かな生態系、環境などを維持・保全するしくみ
が必要です。
(5)公共交通、地域内の道路網等の整備
ア 公共交通
北近畿タンゴ鉄道(KTR)は、路線バスとともに、観光振興はもとより、
通学など地域の交通手段として重要な役割を果たしていることから、両者が
連携し、より便利で使いやすい公共交通ネットワークの実現が求められてい
ます。
イ 道路
丹後半島一周道路を形成する国道178号をはじめ、地域内の道路の骨格を
形成する国道176号、312号、482号及び主要地方道網野岩滝線、網野峰山線、
綾部大江宮津線などの道路改良とともに、地域状況に応じた生活道路の整備
や冬期の安全で円滑な交通の確保が必要です。
ウ 情報通信網
ブロードバンド環境の整備をはじめ、情報化の基盤整備は相当程度進展し
つつあるものの、その利活用が遅れていることから、今後は、人材育成を含
めて、情報インフラを地域振興や産業振興にいかすことが求められます。
目標:地域力再生活動に取り組む団体数 100団体(平成21年度:61団体)
:丹後地域へのUターン就業者数 年70人(平成21年度:58人)
:KTR年間利用者数 年210万人(平成21年度:199万人)
−30−
<<重点施策>>
(1)人権の尊重
同和問題や女性、子ども、高齢者、障害のある人、外国人に対する人権問題など、
様々な人権問題の解決に向けた施策を推進
(2)地域力再生・NPO との協働
ア 地域力再生活動
地域課題について、住民、団体、行政等が幅広く意見やアイデアを出し合う
場(プラットフォーム)を通じて、課題解決のための相互連携を深め、地域の
新しい協働活動を創出
地域コミュニティ放送等を活用した地域活動の情報発信
地域が支える子育て支援や高齢者支援ネットワークの構築 等
イ 丹後NPOパートナーシップセンター機能の充実
丹後地域のNPO等を支援する中間支援組織としてのNPOを育成し、地域内
のNPO活動の支援と地域での活動に取り組む団体間の情報交換を促進
(3)ふるさと定住(Uターン等支援)
丹後Uターンセンター(京都府丹後広域振興局内)の有効活用
地域外からのUターン志望者の情報収集
地元企業等への情報提供の拡充
(4)地域を担う人づくり
ア おもてなし人材の育成とスキルアップ、農林水産業等の担い手育成及び「丹
後・知恵のものづくりパーク」における人材育成と施設の有効活用(再掲)
イ 高齢者の技術・能力の活用
生きがい対策として、農林水産業・製造業をはじめとして就労等の意欲のあ
る高齢者が持つ技術・経験の積極的な活用及び次世代への継承(シルバー人
材センターの運営支援など)
ウ 国際交流の推進
国際交流員や名誉友好大使等による外国文化の理解講座の開催 等
外国人観光客等に対応できる人材育成を図る「外国語会話」「異文化理解」
等の研修の実施(再掲)
−31−
エ 大学と地域との連携、地域外の人材活用
大学・企業・NPO等をはじめ地域外の人たちとの連携・協働によるふるさ
と保全や観光・産業振興等の地域の活性化
(5)命の里の再生とふるさと保全活動
地域の女性や子どもたちも含めた地域ぐるみによる農村地域の生産基盤や環境
を守る協働活動の推進
大学・府民等との連携・協働によるふるさと保全活動の推進
共に育む「命の里」事業等を活用し、農村地域を再生
過疎高齢化の進む地域に「里の仕事人」を配置し、集落連携組織の構築により
はぐく
地域の再生を支援
(6)より利用しやすい公共交通ネットワークの実現(KTR、バス)
「分かりやすく、使いやすい公共交通ネットワーク実現会議」の改善実行計画
を市町や様々な団体と連携して実施し、持続可能で、より利用しやすい公共交
通ネットワークを実現(KTR、バス)
KTRと路線バスとの連携強化による利用者増
駅舎・車両等の改善、駐車場・駐輪場の整備など
(7)幹線道路の通年 2 車線確保等の地域内の道路網整備
国道312号、482号が今後の検討路線
(8)情報通信網を活用した地域ネットワークの整備支援
情報通信網を観光、農業、防災、防犯、高齢者や子どもの安心・安全のサポー
トなど幅広い分野に活用する地域ネットワーク整備に向けて市町と協働して支
援(携帯電話を利活用する「ふるさとケータイ推進事業」など)
−32−
2 府民安心のまちづくり
<<現状と課題>>
(1)保健医療
丹後医療圏は、医師をはじめとする医療従事者が不足しており、医師等医療
従事者の確保対策を推進するとともに、病院・診療所などの医療機関の役割分
担や、介護等福祉分野との連携を強化していく必要があります。
このため、府立与謝の海病院や管内の医療機関等との連携により、地域全体
での医療対策を進めていく必要があります。
がん等の生活習慣病が今後とも増加していくことが予想される中で、丹後地
域の検診受診率は他地域に比較すると高いものの、中小企業や農林水産業の従
事者、専業主婦等を中心に受診率の一層の向上を図るための取組を進めていく
ことが重要です。
(2)高齢者支援
高齢化の進展により、認知症をはじめ介護サービスを必要とする方や、見守
りや生活支援サービスを必要とする方々が増加しています。
こうしたニーズに対応していくため、特別養護老人ホームなどの整備ととも
に、地域での見守り体制をつくっていくことが必要です。
(3)子育て支援
出生児数や児童・生徒数が年々減少する一方で、子育ての経済的・精神的負
担の増大など様々な悩みを抱える家庭が増加しています。
家庭や地域での子育てに対する支援や見守りが弱まっており、保育や子育て
支援施策の拡充とともに、児童・生徒の学習や生活環境を整えて、安心・安全
な子育てをしやすい環境を確保していくことが必要です。
(4)障害者支援
障害者の自立と社会参加を支援するため、「丹後圏域障害者自立支援協議会」
(平成20年2月設置)を中心に各市町・関係機関との一層の連携強化と地域課題
の解決に向けた具体的な取組が必要です。
管内の「ほっとはあと製品」
(障害者施設で作られた製品)の販売支援の強化、
地域や関係機関と連携した商品開発による障害者の経済的な支援が求められて
います。
−33−
(5)自殺対策
丹後地域は、人口当たりの自殺者数が京都府の平均を上回る状況になってい
ます。
自殺に至る要因は様々ですが、いろいろな悩みを抱える人を孤独化・孤立化
させないよう各相談機関・相談窓口での意識を高めるとともに、関係機関相互
のネットワークによる連携強化、京都府の自殺ストップセンターの専用電話を
はじめ、心の悩みの相談窓口の広報など実効性のある取組を進めていく必要が
あります。
(6)安心安全のまちづくり(河川整備、土砂災害対策等)
丹後地域では、台風による風水害と豪雪による被害が幾度も発生しています。
平成16年10月20日に来襲した台風23号による災害は、戦後最大規模となりまし
た。その際には、市町、消防機関、警察、自衛隊さらには住民の自治組織、ボ
ランティア団体など多くの組織・団体が協力して、救助・災害復旧活動を進め
た経験があります。このことを教訓にして、行政による連携した取組に加えて、
日頃から住民一人ひとりが安全と安心の意識を高め、地域ぐるみで防災対策に
取り組み、地域防災力を強化することが求められています。
高齢者、障害のある人等の災害時の要援護者への対応について、対象者の情
報共有、福祉避難所の設置・推進、避難対策等の取組が求められています。
管内には浸水常襲地や、非常に多くの土石流、急傾斜、地すべり等の危険箇
所があり、順次整備を進めていますが、災害時においてソフト対策(情報の的
確な伝達、防災関係機関の連携など)を有効に機能させる必要があります。
また、地域の農業用のため池や水路等の老朽化に対応した施設の保全対策や
防災対策が求められています。
森林については、森林整備の充実とともに山地災害防止対策が求められてい
ます。
目標:特別養護老人ホーム等の整備数 5年間で新たに272床(平成21年度:818床)
:土砂災害危険区域及び特別警戒区域の指定 1,700か所(平成21年度:716か所)
<<重点施策>>
(1)保健医療
丹後地域医療再生計画に基づき、医師確保をはじめとする医療提供体制の充実・
強化
−34−
ア 医師確保対策の推進
「医師バンク制度」、「医大地域医療確保枠」、「地域医療確保奨学金」制度の
活用や自治医科大学出身医師の配置、「看護職復職特別講習」の開催などに
より、府立医科大学等と連携し、医師等の確保対策を推進
「共同利用宿舎、保育所」の整備、「医師事務作業補助者」の確保などにより、
医師等医療従事者の勤務環境の整備を推進
イ 地域医療体制の整備支援
かなめ
初期医療の要となる地域診療所の「新規開設」や「既存診療所の設備の高度化」
に対する支援
地域や家庭で療養生活が送れるよう、「訪問看護ステーション」の整備支援
ドクターヘリの適切な運用に向けての支援
ウ 与謝の海病院の地域医療支援病院機能の充実と地域医療機関の連携
「重点疾病に対応する高度医療機器等」の整備と共同利用の推進
「救急専門医」の配置と救急病院間の「遠隔画像診断システム」のネットワ
ークの整備による救急体制の充実
病院との連携体制の強化を図るため、共同利用可能な「地域共同利用型電子
カルテシステム」の導入
エ 「たんご健康長寿日本一」の推進
こう そく
がんを中心に4疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中及び糖尿病)の予防と早期発
見のために地域団体等と連携し、健診受診促進イベント、キャンペーン等を
展開
高齢者のいきいきとした生活を支援するため、介護予防から生活維持期まで
のリハビリが一体的に途切れることなく実施されるよう、転倒予防体操の普
及や転倒予防アドバイザーの活動を支援するとともに、介護等に従事する職
員への研修や病院・リハビリ施設等との連携を推進
(2)高齢者支援
ア 地域包括ケア体制の整備
在宅で介護や療養を受ける高齢者に必要なサービスを一体的・重層的に切れ
目なく提供できるよう、地域包括支援センターを中心に医療・介護・福祉が
連携した高齢者の生活を総合的に支えるネットワークを構築
−35−
イ 認知症地域支援体制づくり
はい かい
地域のリーダー養成や徘徊捜索模擬訓練等を実施する市町を支援
認知症の早期発見、早期治療や介護保険事業所における対応力を向上するた
め、府立医科大学等と連携し、インターネットの活用により、地域のかかり
つけ医・介護保険事業所のスタッフに専門知見等を提供するサポート事業を
実施
ウ 福祉有償運送事業者への支援
公共交通機関等での通院、通所等が困難な高齢者等が増加しており、移動や
外出を容易にするために、NPO、社会福祉法人等が行う事業を支援
エ 介護保険サービス提供基盤の整備
特別養護老人ホームなど介護施設の整備や、居宅系サービス提供体制の充実
などの介護基盤の整備を推進
地域の福祉サービスを支えるスタッフの確保、質的向上と定着支援のための
管内でのセミナー、研修会等の開催支援
(3)子育て支援
ア 健やかに子どもが育つ地域づくり
(ア)障害のある子とその保護者が地域で安心して生活できるよう保健、医療、
福祉、教育関係者と連携した支援体制の充実
発達障害のある子の早期発見・早期療育事業の円滑な実施と定着への支援
就学前からの一貫した支援の充実・就学への円滑な移行に向けた体制整備
(イ)地域の保育環境を充実していくため、保育所の増改築等、安心して子育て
ができる環境整備
働く家庭への対応とともに、病児・病後児保育等子どもの安心安全の点から
多様な保育環境の整備
「放課後児童クラブ」の充実、「放課後子ども教室」との連携強化などによる
児童の健全育成と子育て家庭の支援の充実
イ 虐待未然防止と子育て支援の充実
管内市町、教育委員会、家庭支援総合センター、福知山児童相談所、医療機
関等との連携強化による児童虐待防止の徹底
子育て不安や心理的サポートの必要な保護者に対する相談機能の充実
地域の子育て支援関係者との連携とネットワーク化
−36−
(4)障害者支援
ア 障害者の就労支援
障害者就業・生活支援センターを核とした地域一体となった障害者の就労支
援の強化
管内市町との連携による企業・事業所への啓発強化
働く場の開拓など、就労支援・生活支援の強化
工賃アップに向けて地域の特色をいかした「ほっとはあと製品」の開発支援、
常設販売店の設置などの販売支援
イ グループホーム等の整備支援
障害者の地域での「住」の場(グループホーム等)の整備への支援と地域住
民の理解拡大
(5)自殺のないまちづくり
管内での自殺者を減少していくため、管内市町・関係機関相互の情報共有と連
携体制の整備(
「丹後管内自殺対策連絡会」の運営等)
管内の相談機関を対象にした知識等を高める研修、管内の団体、府民等を対象
とした出前語らい等による、うつ・認知症等の理解の拡大
市町等と連携した自殺ストップ広報の強化
(6)安心安全な消費生活の実現
ア 迅速な問題解決
身近な市町で消費生活相談ができるよう相談窓口の設置や相談体制を充実
「消費者あんしんチーム」による消費者被害案件の検討や情報の共有
イ 行政、地域団体や消費者団体が連携した安心な地域づくり
消費生活の学習グループ等の育成や活性化を図るための研修会や学習活動へ
の支援
「丹後地域くらしの安心・安全ネットワーク」参加団体や「くらしの安心推
進員」を通じた悪質商法の手口や対処方法等の情報提供等、きめ細やかな啓
発
ウ 自立した消費者の育成
消費者自らが金融・商品取引についてしっかりとした知識や対処法を身に付
ける学習会や出前講座の活用の働きかけ等による学習機会の提供
−37−
高校生に対する消費生活講座による消費者意識の向上等、年齢に配慮した消
費者啓発や注意喚起
(7)安心安全のまちづくり(河川整備、土砂災害対策等)
ア 災害に強い地域づくり
防災意識の向上を目的とした住民の防災教育や防災訓練の実施、消防団や自
主防災組織の活動を円滑に行うための資機材整備等に対する支援
要配慮対象者の情報共有、福祉避難所の設置・推進等、高齢者、障害者等の
災害時の要援護者に対する市町村の避難対策等の取組の支援
イ 治水対策の推進
河川整備計画の治水目標の完成(岩屋川)
福田川、川上谷川、加悦奥川、佐濃谷川、小西川などの整備の推進
佐濃谷川、竹野川、久美谷川及び栃谷川の河川整備基本方針及び河川整備計
画策定
ウ 総合的な土砂災害対策の推進
効率的・効果的な施設整備の促進
土砂災害警戒区域等の指定
エ 災害と雪に強い道路ネットワークの整備
りょう
のり
緊急輸送道路等の耐震対策・防災対策の推進(橋梁耐震対策・法面防災対策
と冬季の積雪時にも2車線確保ができる安心安全な幹線道路整備)
オ 建築物の安心・安全の確保
大規模地震に備えた住宅の耐震対策の推進
カ 老朽化したため池等の農業用水利施設の診断と改修
効率的・効果的な施設整備の促進
キ 治山事業による緊急防災対策の実施
森林の小規模な崩壊が流域全体の大災害につながることから、予防対策も含
め危険箇所の治山対策の推進
−38−
ク 海の安心・安全の確保
プレジャーボートの係留場所の確保や放置艇に対する規制強化等の係留対策
を進めることにより、漁船やプレジャーボートの事故防止、漁港、港湾等の
適正管理と有効利用
−39−
−40−
参 考 資 料
−41−
「明日の京都」丹後地域振興計画策定までの主要経過
【2009年(平成21年)
】
2月25日 第1回「明日の京都」策定委員会幹事会
5月19日 第2回「明日の京都」策定委員会幹事会
7月20日 府民交流会(丹後:宮津市)
7月29日 第1回丹後地域戦略会議
9月 7日 第2回丹後地域戦略会議
10月14日 第3回丹後地域戦略会議
11月11日 第4回丹後地域戦略会議
【2010年(平成22年)】
1月25日 第5回丹後地域戦略会議
1月29日 第3回「明日の京都」策定委員会幹事会
3月11日 第4回「明日の京都」策定委員会幹事会
5月24日 第6回丹後地域戦略会議
6月 1日 第5回「明日の京都」策定委員会幹事会
6月14日 府議会6月定例会全員協議会(中間案)説明
7月 5日 丹後広域振興局管内関係市町説明
7月14日 府議会6月定例会常任委員会(中間案)報告
7月22日 丹後広域振興局管内市町長との意見交換
7月23日 第6回「明日の京都」策定委員会幹事会
7月24日∼8月24日 「明日の京都」(中間案等)1回目パブリックコメント
8月 5日 京都府市長会(行財政部会)説明
8月 6日 京都府町村会説明
8月 9日∼8月24日 丹後広域振興局管内関係団体等との意見交換
8月12日 京都府市長会(経済部会)説明
8月24日 京都府市長会(社会文教部会)説明
9月 5日 府民交流会(丹後:京丹後市)
9月14日 第7回「明日の京都」策定委員会幹事会
10月12日∼13日 府議会「明日の京都」に関する特別委員会審議
10月14日∼28日 「明日の京都」
(中間案等)2回目パブリックコメント
10月19日∼29日 丹後地域戦略会議委員からの意見聴取
−42−
11月 2日∼11日 丹後広域振興局管内市町長への説明
11月 4日 第8回「明日の京都」策定委員会幹事会
11月 8日 第1回「明日の京都」策定委員会
12月 9日 府議会11月定例会
「明日の京都」
に関する特別委員会
(総括質疑)
12月16日 府議会11月定例会可決
【2011年(平成23年)
】
1月 1日 「明日の京都」スタート
−43−
丹後地域戦略会議委員名簿
区 分
学 識
経験者
地元活
動関係
者
(五十音順)
氏 名
所 属 等
宗 田 好 史
京都府立大学生命環境学部准教授 【座長】
深 町 加津枝
京都大学大学院地球環境学堂准教授
今 井 一 雄
株式会社三洋商事代表取締役、
社団法人京都経済同友会北部部会長
大 町 益 美
京丹後 宿 おかみさんの会 前座長
櫛 田 恵里子
峰山乳児院施設長
小 牧 惠 子
与謝野町婦人会顧問、京都府連合婦人会理事
佐 川 久美子
蒲入水産有限会社 加工部主任
田 中 安 隆
株式会社積進 専務取締役
田茂井 勇 人
田勇機業株式会社 代表取締役
長慶寺 久仁子
向井酒造株式会社 杜氏
野 木 武
エコファーマー、指導農業士、
特定非営利活動法人エコネット丹後理事長
山 﨑 浩 孝
天橋立ワイン株式会社 代表取締役
(平成22年5月24日現在 敬称略)
−44−
「明日の京都」丹後地域振興計画
<新丹後活動プラン>
地域の持っている
「宝」
をいかした
「元気な丹後」
平成23年3月発行
発行:京都府丹後広域振興局(企画総務部企画振興室)
〒627-8570 京都府京丹後市峰山町丹波855
電 話 0772-62-4300
FAX 0772-62-5894
URL http://www.pref.kyoto.jp/tango/
e-mail [email protected]
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