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外貨投資の視点 (No.236) - 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

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外貨投資の視点 (No.236) - 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
外貨投資の視点
(No.236)
リサーチ部 チーフ為替ストラテジスト 植野 大作
2015年8月28日
ドル円相場:2015年8月の回顧と9月以降の展望
ポイント





8月のドル円相場は中国発の世界株安連鎖の嵐に揉まれ、一時116円18銭と約7ヶ月ぶり安値圏に急落
想定外の場外乱闘に巻き込まれた精神疲労が癒えるまで、株高・円安一直線の市場心理は復活しない
ただ、トレンド系のテクニカル指標は円安局面の継続を示唆、日銀による追加緩和期待はむしろ増大
先進国の株価は売られ過ぎ。世界的な株安連鎖が収束すれば、米利上げ期待はいずれ蒸し返される
年金の外貨買いが夏場に復活。投信、直投絡みの外貨買いは昨年を凌駕。いずれ125円超の空中戦へ
8 月のドル円相場~上旬
は、良好な米経済指標を
好感して断続的に 125 円
台を回復
8月のドル円相場は、断続的に125円台に復帰した後に一時116円台へ急落、その後
は121円前後に切り返して神経質な売買が錯綜している。月初来の動きを振り返ると、上
旬は上昇後に伸び悩み。3日のオセアニア市場で始値124円03銭を刻んだ後、しばらく
124円00銭前後での様子見が続いたが、4日にロックハート米アトランタ連銀総裁が9月の
連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを開始する可能性を示唆すると124円台を確保、
5日に米7月ISM非製造業指数が良好な結果を示すと一時125円01銭まで続伸した。節
目の125円00銭台では一旦上値が重くなり、翌6日にかけては124円台後半で小康状態を
迎えたが、7日の米7月雇用統計で概ね予想通りの雇用情勢の改善が示唆されると続伸、
一時125円07銭まで上昇した。その後、週末の利益確定売りが活発化すると反落したが、
124円台前半では底堅く、週明け10日に本邦の実需筋や海外勢によるドル買いが持ち込
まれると124円台後半に復帰した。
8 月のドル円相場~中旬
は、人民元切り下げショッ
クの解釈を巡って乱高下
した後、上海株の大幅安
で 123 円台に反落
中旬のドル円相場は続伸後に反落。11日に中国人民銀行(PBoC)が人民元相場の基
準値を前日比+1.9%のドル高・元安水準に設定するとドル買い・円売りが加速、同日夜
のNY市場で原油価格が下落したこともドル買い材料視されたほか、翌12日にもPBoCが
人民元の基準値を引き上げると一時125円28銭まで続伸した。ただ、同日夕刻に「PBoC
がドル売り・元買い介入を実施している」との噂が広がると当局の意図を読みかねた市場
が混乱、一時123円79銭まで反落した。翌13日にPBoCが現地メディア向けの記者会見で
急激な元の変動を望まない姿勢を示すと124円台に小反発して相場が落ち着き、その後
数日間は夏休み入りする市場関係者が増える中、124円台前半を中心とする狭いレンジ
で膠着したが、19日の海外市場で原油価格が急落して米国債利回りが低下するとドル売
り圧力が強まり、一時123円69銭まで軟化した。20日の東京市場で本邦勢によるドル買い
が散見されると124円10銭台まで持ち直す場面もあったが、この日の中国市場で上海株
が大幅に下落したのを嫌気して欧米主要国の株価が軒並み急落すると市場のリスク許容
度が萎縮、一時123円33銭まで続落した。
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
-1-
外貨投資の視点
8 月のドル円相場~下旬
は、中国発の連鎖株安に
巻き込まれて一時 116 円
台に急落後、株価の自律
反発を受けて切り返し
下旬のドル円相場は暴落後に切り返し。21日に上海株が連日の大幅安となって世界
連鎖株安が加速すると市場のリスク・センチメントが一層悪化、一時121円82銭まで急落し
た。米セントルイス連銀総裁が米国経済に楽観的な見解を示すと122円台で週末を迎え
たが、週明け24日に中国発の世界的な株安連鎖が加速すると節目の120円00銭を割り込
んで国内外の投機筋による投げ売りを誘発、一時116円18銭と1月16日以来の安値圏ま
で差し込んだ。ただ、急激なストップロスの連鎖が一巡すると切り返し、25日に本邦政府
筋による円高牽制発言が伝えられると断続的に120円台を回復した。その後は国内外の
株価睨みの展開となり、同日夕刻にPBoCが金融緩和を発表すると世界各国で株価が上
昇、一時120円40銭まで続伸したが、NY市場の終盤にかけて米国株が失速すると118円
台後半に押し返された。26日にオバマ大統領と電話で会談した安倍総理が「世界連鎖株
安の動向を注視して対応する」と述べたほか、ダドリー米NY連銀総裁が9月の利上げ開
始を見送る可能性を示唆すると日米両国で株価が大幅高になって市場のリスク許容度が
改善して120円00銭前後を回復、翌27日に輸出企業のスポ末のドル売りを持ち込むと119
円台後半に押し戻されたが、東京、欧州、NYの各市場で株価が連日の大幅高になると
一段と買い戻され、121円台前半へと続伸した。
8 月のドル円相場~前半
戦と後半戦で市場の景色
が激変、想定外のリスク
オフ相場での場外乱闘に
巻き込まれた市場関係者
の精神疲労が蓄積
本稿を執筆している28日(金)の11:30現在、ドル円相場は121円10銭台で取引されて
いる。初日の始値124円03銭と比較すると、▲3円近くもドル安・円高の水準にあるため、
週末を挟んだ残り約1.5営業日の間でよほど強烈に買い戻されない限り、月足は2ヶ月ぶ
りの陰線になりそうだ。今月のドル円相場は出だしこそ好調で断続的に125円台を回復、
米国景気の回復期待を背景とした上値試しムードが高まる中、中旬に勃発した「人民元
切り下げ」や「原油価格の下落」すら「ドル高要因」と解釈して一時125円28銭まで上昇す
るなど、6月5日(金)に記録した「13年ぶり高値」の125円86銭に迫りそうな勢いを示した。
ただ、その後勃発した中国発の世界的な連鎖株安に巻き込まれると市場のリスク許容度
が急速に萎縮、原油価格の続落に対する市場解釈も一転して「リスクオフの円買い材料」
に切り替わり、一時116円18銭と約7ヶ月ぶりの安値圏まで差し込んだ。前半戦と後半戦で
相場の風景がこれだけ劇的に一変した月も珍しい。投機筋による投げ売りが一巡すると
流石に自律反発に転じたが、「材料夏枯れムード」が漂い始めてやや油断していた矢先
に全く想定外の場外乱闘に巻き込まれた市場関係者の心身の疲労は蓄積している。
8 月のドル円相場を席巻し
た想定外のボラ・アップの
背景を整理した上で、9 月
以降の予測パターンを再
点検
ただし、筆者の乏しい経験上、これだけ過激なボラティリティーの上昇局面に巻き込ま
れた場合、その後のドル円相場が中途半端なレンジ売買に移行してケジメのないプライ
ス・アクションを長く続けたケースはあまり無かった印象がある。今回我々が巻き込まれた
「1日で▲5円95銭」ものドル円相場の暴落劇も、恐らくその例外にはならないのではなか
ろうか。「これまで続いていた円安トレンドの終わりの始まり」なのか、「依然として続いてい
る円安トレンドの中に出現したダマシ」なのか、早ければ向こう数週間、遅くともこの先数ヶ
月程度の時間軸の中でハッキリしてくる可能性が高そうだ。その意味で、来週9月1日
(火)に開幕するこの秋のドル円相場は、将(まさ)に正念場の局面になりそうな予感があ
る。以下、本稿では毎月この時期に実施しているドル円相場の予測パターンの定期点検
の結果を提示したい。
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
-2-
外貨投資の視点
9 月以降のドル円相場~
予想外の株安連鎖に巻き
込まれたトラウマを癒しつ
つ、いずれまた「1 ドル=
125 円超の空中戦」を目
指す展開に
2015年9月以降のドル円相場は、想定外の世界株安連鎖に巻き込まれた精神疲労を
癒した後は失地回復に向かい、いずれまた「1ドル=125円超の空中戦」を目指すことにな
りそうだ。今月下旬に加速した上海発のグローバルな株価の暴落については、7月上旬
の急落騒動がひとまず収束してマーケットに安堵感が漂い始めていた矢先に再度の暴
落と底割れに見舞われたので、国内外の市場関係者に与えた心理的ダメージが想定以
上に大きくなった。この間、「PBoCによる唐突な人民元基準値算定方式の見直し」、「天
津の化学工場で起きた謎の大爆発」など、得体の知れないニュースが中国絡みで次々飛
んできていただけに、いわゆる「中国ネタ」に対する市場の危険探知機の感応度が高くな
っていたことも、マーケット・センチメントの極端な悪化を増幅したのではなかろうか。いず
れにしろ、今回これだけ派手な株安・円高ショックに見舞われてしまった以上、国内外の
市場関係者がすぐに昔のような「株高・円安一直線」の心理状態に戻るのは難しそうだ。
率直に言って、今回の暴落劇を目撃した直後には、これまでかなり強固な円安の論陣を
張っていた筆者ですら、「そろそろ円高派に転向した方が無難か」との思いが頭をよぎっ
た。だが、熟慮の末、現時点では「まだまだ円安派」の立場を維持したいと考えている。以
下、4つの着眼点を提示しておきたい。
図1:2011年来のドル円相場と「前年同期の雲」の水準
130円
130円
125円
125円
120円
120円
52週移動平均線
115円
115円
110円
110円
105円
105円
100円
100円
95円
95円
90円
90円
5 2 週間前の週足終値
※ドル円の前年割れ
※52週線の下降転換
85円
80円
75円
11/1
85円
80円
75円
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
出所:ブルームバーグより三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
現状程度までの円高ショ
ックなら、ドル円相場の長
期トレンドラインは右肩下
がりに転じない
第一に、テクニカル的にみた場合、現状程度までの差し込みならば、ドル円相場の長
期トレンド線がすぐに円高示唆に転じることはない。具体的に言うと、筆者がドル円相場
の趨勢判断に際して最も重視している52週移動平均線は、その計算式の構造上、「週足
終値ベースの現在値が前年割れを起こすと右肩下がりに転じる」という性質を持っている
が、昨年のドル円相場が1ドル=115円を安定的に超える巡航高度を確保したのは11月
中旬以降の出来事だった。よって、今年の11月中旬頃までなら、仮にドル円相場が今月
安値の116円18銭を下抜けて115円台に突入したとしても、昨年夏場以降に稼いだ「ドル
高の貯金」が効いているため、52週移動平均線は「右肩上がり」の形を崩さない(図1)。今
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
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外貨投資の視点
週24日(月)に記録した「1日で▲5円95銭」の大暴落には本当に驚かされたが、1ドル=
116円台での滞空時間は約4分弱で切り返し、その後は幾許もなく再び121円前後の水準
に戻っている。今すぐには1ドル=125円台を超える空中戦に復帰できない状態が続いて
も、仮に120円前後の水準をキープできていれば、今年の年末頃までは「52週移動平均
線=右肩上がり」の綺麗な形が維持される。チャートの形だけを眺めて為替売買に参画
してくるプレイヤー達の大局観が、すぐに円高優位に転じる可能性は低い。
今回の株安・円高ショック
に対して、政府・日銀が無
手勝流の対応を決め込む
可能性は低い
第二に、今月に入って急加速した株安・円高の動きを受けて、日本銀行に対する追加
緩和期待が再燃し始めている。もともと、我々の円債市場分析チームは、「10月30日(金)
の金融政策決定会合で追加緩和が実施される」とみていたが、今回一連の株安・円高シ
ョックには日銀も巻き込まれており、その実現確率は一層高くなった印象がある。今週25
日(火)に一部通信社が伝えた政府要人の発言によれば、「今後必要ならば、財務省、日
銀、金融庁で市場変動に関する会合を開く」ことが検討されるようであり、26日(水)には
米国のオバマ大統領と電話で話し合った安倍首相が「(世界連鎖株安の)動向を注視し
て対応する」とコメントしている。来年夏の参議院選挙まであと1年を切ったこのタイミング
で勃発した株安・円高ショックに対して、最近支持率が落ちている安倍内閣が、無手勝流
の対応を決め込む可能性は低そうだ。もちろん、実際に追加緩和を実施すべきか否かを
決めるのは日銀だが、傍目にみて難しそうな印象のあった「2016年度前半頃までの物価
目標2%の達成」は、今回の株安・円高・原油安の打撃を受けて相当無理になった感が
否めない。このような環境変化に直面して、日銀が「ゼロ回答」を続けた場合、マーケット
から「有言不実行」のレッテルを貼られ、「動かぬ日銀」が市場のデフレ・マインド克服の障
害になる、という白川総裁時代の悪循環に陥りかねない。
日銀が 2016 年度前半頃
までの物価目標 2%の達
成を放棄しない限り、どこ
かで追加緩和が実施され
る可能性は高い
ちなみに、我々の円債市場分析チームでは、今週行った見通し検討会議の結果、従
来から主張していた「当座預金に対する付利の引き下げ」と「国債買入れ年限の長期化」
のほか、新たに「上場投資信託(ETF)の買入れ増額」を追加緩和のメニューに加えた。よ
り具体的には、①付利については現行の0.10%を0.05%と2分の1にカットする、②国債買
入れについては現行の平均年限である「7~10年」を「9~12年」へ2年延長する、③ETF
については現行の購入額である「年3兆円」を見直し、「年5兆円」へと2兆円分増額する、
と見込んでいる。現在の日銀執行部は政策発表を分かり易く世間に伝えるための方便と
しての「語呂合わせ」を好む傾向にあるが、我々は、「2分の1」、「2年」、「2兆円」が今回の
キー・ワードになると考えている。実現するかどうかは、今後の市場動向にも依存するので
何とも言えないが、日銀がこれまで貫いてきた「有言実行」のスタイルを堅持する限り、こ
の先のドル円相場の水準に反比例する形で日銀による追加緩和の実施確率が上がるこ
とだけは間違いないだろう。その意味で、物価目標2%の早期達成にこだわりを持って運
営されている現在の日銀の金融政策は、その存在自体が時期尚早な円高期待の膨張に
対するバック・ストップになっている。
中国経済と米国経済の連
動性は実際には希薄であ
り、株価が落ち着きを取り
戻せば、FED による利上
げ期待が再燃する
第三に、我々の外債市場分析チームでは、米国連邦準備制度(FED)による年内の利
上げ開始シナリオを堅持している。今後の米国の金融政策運営については、流石にこれ
だけ激しい株安連鎖の波が米国市場まで飲み込んでしまった現状を受けて、平均的な
為替市場関係者の間では「9月利上げ説」は絶滅しかかっている。「12月利上げ説」の当
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
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外貨投資の視点
否すら怪しくなった、との声も一部で挙がり始めており、そうした期待の変化も踏まえて今
回のドル円相場の急落が引き起こされたとの指摘もある。ただ、リーマン・ショック前後の
時期からの米中両国の実質経済成長率を並べてみると、実際には両者の連動性が非常
に希薄だったことが分かる。中国の実質経済成長率は、2010年1-3月期に記録した前年
比+11.9%が近年のピークであり、その後は直近15年4-6月期の同+7.0%まで、5年間も
減速しっ放しだ(図2)。しかし、中国経済がほぼ一方的に減速し続けた5年間、米国は概
ね前年比2%台平均の安定的な成長軌道を歩んでおり、中国発の景気下押し圧力が米
国経済に目に見える形で飛び火した痕跡は確認されていない。米国で株価さえ落ち着き
を取り戻せば、いずれFEDによる年内の利上げ期待が再燃、いったん下火になった分だ
けドル高・円安圧力の蒸し返しに寄与しそうだ。
図2:中国、米国の実質経済成長率の推移
12%
12%
10年1Q
11.9%
10%
10%
8%
8%
中国(左軸)
15年2Q 6%
6%
米国(右軸)
4%
7.0%
2010/1Qからの平均(2.1%)
4%
2%
2%
0%
0%
‐2%
‐2%
‐4%
‐4%
‐6%
‐6%
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
出所:ブルームバーグより三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
先進国の株価は、実体経
済や企業業績に照らして
売 ら れ 過 ぎ の感 が あ り 、
世界的な過剰流動性の膨
張もまだ止まっていない
そこで問題となるのは今後の株価動向だが、いわゆる「フェア・バリュー」がよく分からな
い中国の株価はともかく、米国、欧州、日本などの株式市場でここ数週間に観測された強
烈無比な暴落劇は、当該マザー・マーケットの実体景気や企業業績に照らして行き過ぎ
だとの指摘が多い。世界の株式市場を取り巻く金融環境を俯瞰しても、当面の間、米国
は利上げ開始後も資産売却は行わず、ユーロ圏と日本は異例のペースでの量的緩和を
続けるため、世界三大中央銀行の保有資産残高は合算ベースで拡大(図3)、世界的な
過剰流動性の膨張はしばらく止まらない。先進国のマクロ景気がズッコケない限り、継続
的に株価が暴落し続ける環境にあるとは思えない。今後の各国の経済指標で確認しなけ
ればならないため、市場心理が正常に戻るまでやや時間はかかりそうだが、これまで同様
に日米欧諸国の景気が緩やかな回復基調を維持していることが判明して、世界的な株安
ドミノが一巡すれば、多くの市場関係者が再び日米の金融政策サイクルのズレに着目し
始め、緩やかな円安基調が復活するだろう。
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
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外貨投資の視点
図3:三大通貨圏の中央銀行の総資産合計の推移(ドルベース)
(10億ドル)
11000
三大中銀計
10000
9000
日本
8000
7000
6000
米国
5000
4000
3000
2000
1000
欧州
0
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
出所:ブルームバーグより三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
今週 24 日(月)のドル円
相場の暴落は、当面のセ
リング・クライマックスだっ
た可能性が高い
第四に、ドル円相場を取り巻く基礎的な需給環境は、依然として円売り優位の状態が
続いており、今回の「円高ショック」で撃墜された水準からの失地回復にジワジワと効いて
くる可能性が高い。まず今週24日(月)に観察された1ドル=116円18銭までの差し込み局
面で、対ドルで積み上がっていた投機的な日本円の売りポジションは、一旦かなり整理さ
れたと推測される。本稿で述べた米国と日本の金融政策サイクルの違いを考えると、「早
晩短期金利が上がってきそうなドルを空売りしてまで、金利ゼロの円を買う」という円高推
しのポジションが積み上がっていくとは考えにくい。「今月24日(月)に観察された1ドル=
116円台までへの急落局面で、仮需系プレイヤーの円売りポジションの整理がある程度進
んだ」という我々の推測が正しければ、この先しばらくの間、今回と同じような勢いでの円
高は進行しにくくなると思われる。
金融系リアル・マネーの対
外証券投資や海外進出企
業の対外直接投資は、依
然として旺盛
他方、最近1ヶ月間に更新された資本収支絡みの統計をみると、これまでの円安局面
で安定的な外貨購入の主体になっていた年金、生保、投信などといった金融系のリア
ル・マネー筋による対外証券投資や日本企業の対外直接投資は、依然として強い勢力を
保っている。まず金融系のリアル・マネー筋の「御三家」についてみると(表1)、5月から6
月にかけて下火になっていた信託勘定経由の外国有価証券投資が7月に急増、指定報
告機関ベースの速報段階で既に9900億円と再び1兆円に迫る勢いに復帰していたことが
判明した。年度初めの4月と5月が強烈なロケット・スタートになった生保マネーの対外証
券投資は6月に続いて7月も低調だったようだが、投資信託については相変わらず前年
同期を遥かに凌駕する勢いで外貨系の商品を買い続けていることが確認された。結果的
に、金融系リアル・マネー筋による対外証券投資は、今年7月末時点までの累計で前年
同時期を遥かに上回るペースで新規買い越し残高が積み上がっている(図4)。
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
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外貨投資の視点
表1:日本からの主体別対外証券投資動向(国際収支ベース)
(億円)
対外証券投資(合計)
一般政府
預金取扱
機関
その他部門
銀行等及び
金融商品取
信託銀行
生命保険
引業者
(信託勘定)
損害保険
投資信託委
託会社等
その他
(暦年)
2010
2011
2012
2013
2014
2014/1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2015/1
2
3
4
5
6
258,341
61,228
146,968
-60,687
121,218
-26,063
-5,046
-18,065
9,421
29,755
31,621
26,213
23,584
33,363
12,171
19,783
-15,517
34,178
34,328
52,642
-1,755
44,692
-17,326
124
-672
227
-872
-727
7
-234
-318
-34
14
-37
1
-105
-110
-139
311
-81
-62
-65
-290
4
-32
-305
106,198
9,048
88,414
-29,743
-31,631
-28,420
-8,939
-15,231
-19,583
10,320
16,461
-4,888
3,671
7,886
-7,439
21,444
-6,912
8,749
9,375
27,070
-41,106
17,963
-30,698
152,019
52,853
58,327
-30,071
153,575
2,350
4,126
-2,516
29,039
19,421
15,197
31,101
20,017
25,587
19,749
-1,972
-8,524
25,491
25,019
25,863
39,347
26,761
13,677
32,425
15,931
6,809
-33,409
36,679
-2,583
-1,539
-3,988
4,670
2,660
2,145
901
10,668
9,296
8,212
3,930
2,306
10,612
10,912
12,283
9,510
2,337
1,222
61,994
65,302
64,335
75,569
103,107
10,325
7,794
6,626
12,334
10,424
3,073
13,009
7,502
10,901
6,803
10,153
4,162
7,953
7,914
13,589
9,861
10,560
7,315
39,659
-1,630
40,818
6,944
41,244
-2,736
733
2,169
10,367
3,131
7,083
14,565
3,580
8,092
1,670
-630
-6,780
4,460
1,541
-3,079
13,887
13,963
3,879
-4,430
-4,375
-1,707
1,351
-130
133
329
373
-621
-132
58
96
153
-79
-349
-292
200
645
276
656
448
-45
155
49,466
5,644
-17,034
17,820
47,896
4,194
2,353
-80
6,002
5,856
6,977
8,065
3,668
5,030
8,430
-6,479
3,880
9,030
12,269
14,026
12,822
8,715
9,104
-27,096
-28,020
-34,894
-98,346
-75,220
-6,984
-5,543
-7,616
-3,712
-2,517
-4,140
-5,536
-5,553
-7,655
-5,017
-8,654
-12,293
-7,210
-7,894
-11,613
-7,181
-8,769
-7,998
7
31,713
-17
9,268
22,462
9,903
10,354
695
-81
7,671
-6,081
注:直近月が斜字体となっている場合は、指定報告機関ベース。一般政府の指定報告機関ベースは公的部門の数字。
出所:財務省より三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
金融系リアル・マネーの三
大勢力=年金、生保、投
信による 8 月の対外証券
投資実績に注目
これらのうち、7月の統計で最もサプライズだった信託勘定による外貨投資復活の背景
については明言できないが、①今年6月末時点でまだ若干の目標未達分が残っていた
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、②今年10月1日(木)以降にGPIFと同じ運
用目標を目指すことになる3つの共済基金、などのいずれかが動いたことだけは疑いの余
地がない(図5)。今月の株安・円高(外貨安)局面でも、一部通信社によって「公的機関
投資家による外貨買いの噂」が散発的に報じられており、その真贋を来月の統計で確認
する必要があるだろう。生保による6月以降の対外証券投資の減速は、当時において「約
13年ぶり」となる1ドル=125円台をみた「高所恐怖症」が背景だと推測され、今回の株安・
円高ショックに巻き込まれた局面では「ボラの高さ」に尻込みして逆の意味で凍っている
可能性はあるが、「1ドル=120円アラウンド」のレベルと言えば、新年度明けの4月、5月の
段階では業界全体で月間1.4兆円に迫る勢いで買えていた水準だ(前掲の表1)。本稿で
示した筆者の読み通り、これから株価が落ち着いて来るならば、徐々に再開されるのでは
なかろうか。今年7月までは最大の外貨買い越し主体になっている投資信託は、①長引く
国内の超低金利に辟易としている顧客サイドの需要増に加え、②業界各社の新規商品
開発努力、③販売各社の日々の営業努力、などの賜物であるとみられる。8月の株安・円
高ショックでもそれほどヘコたれない腰の強さを維持していることが確認できれば、「今年
は凄い年になるかもしれない」との期待が一層強まるだろう。
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
-7-
外貨投資の視点
図4:本邦の金融系リアル・マネー筋による各年の対外証券投資累計額の推移
銀行等及び信託銀行(信託勘定)
生命保険+損害保険
8兆円
6兆円
2015年
6兆円
2014年
5兆円
2014年
4兆円
4兆円
2兆円
3兆円
0兆円
2兆円
‐2兆円
2015年
1兆円
2013年
‐4兆円
2013年
0兆円
‐6兆円
‐1兆円
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12 (月)
1
2
投資信託委託会社等
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12 (月)
リアル・マネー「御三家」合計の対外証券投資
8兆円
20兆円
2015年
7兆円
2015年
2014年
15兆円
6兆円
2014年
5兆円
10兆円
4兆円
5兆円
3兆円
2013年
2兆円
2013年
0兆円
1兆円
0兆円
‐5兆円
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12 (月)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12 (月)
出所:日本銀行、財務省より三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
図5:日本の公的年金基金の基本ポートフォリオの比較
100%
90%
その他 1%
その他 6%
12%
15%
3%
13%
11%
13%
13%
海外債券
22%
60%
13%
15%
国内株式
50%
25%
40%
30%
海外株式
25%
80%
70%
その他 5%
67%
51%
56%
国内債券
20%
35%
10%
0%
国家公務員
地方公務員
日本私立学校振興
年金積立金管理運用
共済組合連合会
共済組合連合会
・共済事業団
独立行政法人(GPIF)
(15年3月末7.8兆円)
(15年3月末=21.0兆円)
(15年3月末=4.2兆円)
(15年3月末=143.9兆円)
出所:年金積立金管理運用独立行政法人、各種報道より三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
-8-
外貨投資の視点
表2:2015年に発表された日本企業による主な海外への企業買収・事業出資案件など
発表日
金額
発表日
案 件
金額
伊藤忠商事による中国最大の国有複合企業・中
1月20日
国中信への出資
案 件
約6,000億円
4月22日
信越化学工業が米ルイジアナ州にエチレン生産工
場を新設(傘下の米シンテックの自己資金)
約14億ドル
(1700億円)
2月10日
キヤノンによるスウェーデン系監視カメラ最大手ア
クシス・コミュニケーションズの買収
約3,300億円
6月4日
(交渉中)日本生命が豪ナショナル・オーストラリ
ア・バンク傘下の保険事業買収交渉開始
2月17日
近鉄エクスプレスによるシンガポール系物流会社
APLロジスティクスの買収
約1,400億円
6月10日
東京海上ホールディングスによる米保険会社HCC
インシュアランス・ホールディングスの買収
9400億円
2月18日
日本郵政グループによる豪州物流大手トール・
ホールディングスの買収
約6,200億円
7月24日
日本経済新聞社が英フィナンシャル・タイムズ・グ
ループを全株取得で買収
1600億円
2月23日
旭化成による米系燃料電池絶縁材製造ポリポア
の買収
約2,600億円
7月24日
明治安田生命が米中堅生保のスタンコープ・フィナ
ンシャル・グループを全株取得で買収
6200億円
2月24日
日立製作所による伊大手防衛航空フィンメカニカの
車両事業会社アンサルドブレダの買収
約2,500億円超
7月27日
三菱UFJフィナンシャル・グループ平野CEOが米
資産運用会社の買収を検討していると表明
約3,000億円
2月26日
みずほフィナンシャル・グループがRBSからの北米
融資関連業務の買い取りを発表
3500-4000億円
8月11日
住友生命保険が米中堅生保のシメトラ・ファイナン
シャルを買収することで合意
約4700億円
3月6日
損保ジャパン日本興亜による再保険世界大手の
仏スコールへの出資
約1,100億円
8月19日
キリンホールディングスがミャンマー最大手ミャン
マー・ブルワリーを買収
約700億円
3月19日
楽天が米電子図書館事業最大手オーバードライブ
を買収
約500億円
8月25日
三菱電機がイタリアの空調メーカーデルクリマ社を
買収
約900億円
4月3日
トヨタ自動車が中国の広東省、メキシコのグアナ
ファト州に新工場を建設
約1500億円
8月27日
三菱商事が東南アジア最大の食糧・食品メジャー
のオラム・インターナショナルに20%出資
約1300億円
2000~3000億円
計 6 兆8 5 0 億円
注:金額は報道時点。買収資金・出資金の調達形態により、為替需給への影響は変化する
出所:各種報道より三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
図6:日本の直接投資収支とドル円相場
(年率、兆円)
(円)
170
↑円安・ドル高↑
↑対外資金流出超過↑
160
150
140
ドル円相場
( 左軸)
16
14
直接投資収支
(12ヶ月移動平均)
(右軸・逆目盛)
12
130
10
120
8
110
6
100
90
4
80
70
直接投資収支
( 同上:除く再投資収益)
60
1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014
2
0
出所:ブルームバーグより三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
日本企業の海外M&A絡
みの玉も、今年は過去最
大級に膨張か
加えて、これまで本レポートで継続的にフォローしている日本企業の海外事業への出
資や外国企業買収などに絡んだ円売り・外貨買いのフローも恐らくパワーアップしている
可能性が高い。ここ1ヶ月間に報道されて加わった事例(表2)は、「業界過去最大」との形
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
-9-
外貨投資の視点
容詞を冠して報じられた東京海上ホールディングス、明治安田生命、日本経済新聞社な
どにくらべて金額的にも少し小粒な印象はあるが、8月11日(火)に報じられた住友生命の
事例など、客観的に見てかなりのボリューム感のある案件の発表が続いている。マクロの
国際収支統計で確認すると、日本の対外直接投資収支は今年6月までの1年間で再び
過去最大級に盛り上がってきているのが実情だ(図6)。個別の案件ごとに買収資金の調
達方法は千差万別であり、全てが円売り・外貨買いに直結する訳ではなさそうだが、正確
な金額の見積もりは困難とはいえ、恐らく今年は日本企業の海外進出絡みの円売り玉も
過去最大級に膨張している可能性が高い。少子高齢化に伴う急速な国内市場の収縮に
対応して積極化せざるを得ない日本企業の海外進出への取り組みは、「為替相場の水
準にあまり左右されない」という特徴がある。為替需給を考える上でしばらく必須のチェッ
ク・ポイントの一つであり続けるだろう。
ド ル 高 ・ 円安の 大 局 観 を
今月も維持、現時点での
上値目処は、2016 年末=
127 円 50 銭(121 円 00
銭~134 円 00 銭)
以上の要因を加味した上で、これまで我々が標榜してきたドル高・円安の大局観を今
月も維持しておきたい。具体的なレベルについては、流石に今回の円高ショックに巻き込
まれて足下の発射台が低くなってしまったことを考慮、目先数四半期程度のレンジを引き
下げる「切片調整」を施したが、2016年10-12月期末の想定値である1ドル=127円50銭
(想定レンジは121円00銭~134円00銭)は全く変更していない。為替相場の水準につい
て、ピン・ポイントのタイミングに焦点を合わせて具体的なレベルを当てるのは至難の業だ
が、「トレンド系のテクニカル指標」、「ファンダメンタルズ」、「需給判断」の三大要素を考
慮して形成されるドル高・円安の大局観が変わらない限り、「レベル感よりも方向感の方が
大切」な局面が続くだろう。「この先どこかで再び1ドル=125円超の空中戦に向かう」との
基本的な見解を維持しておきたい。
2017 年 1-3 月期以降の
予測値については現時点
では判断保留、今年年末
までに判断の予定
なお、現在提示している2017年1-3月期以降の為替予測については、あまりにも不確
定要素が多いことを踏まえて明確な判断を引き続き保留、マクロ経済予測への中立性を
重視して、現時点では2016年末の予想レンジを若干上下に広げただけで延長してある。
日柄的な感覚だけで述べるなら、2017年頃になれば、そろそろドル高・円安局面が反転
に向かっている可能性を意識したいが、現時点ではまだ予測の精度に自信が持てない。
今後の予測パターン見直しのプロセスにおいて、2017年の各四半期の想定レンジにも
徐々に肉づけをしていきたいが、いましばらくの考察期間が必要だと考えている。
※次ページに見通しのグラフと予測表を掲載
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
- 10 -
外貨投資の視点
図7:2015年~17年のドル円相場の見通し
140円
135円
130円
125円
120円
115円
予想レンジ
110円
ドル円相場実績値
105円
100円
95円
90円
85円
80円
75円
70円
07年
08年
09年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
16年
17年
出所:実績はブルームバーグ提供の週末値。予想は三菱UFJモルガン・スタンレー証券
表3:2015年~17年の為替相場の見通し
予想
予想
2015年
ドル円
[円/ドル]
ユーロ円
[円/ユーロ]
ユーロドル
[ドル/ユーロ]
2016年
2014 年
2017年
4-6月期
7-9月期
10-12月期
1-3月期
4-6月期
7-9月期
10-12月期
1-3月期
4-6月期
2015年
2016年
2017年
(予想)
(予想)
(予想)
120.5-134.5
レンジ
118.50-125.86
116.18-129.5
118.5-131.5
119.5-132.5
120.0-133.0
120.5-133.5
121.0-134.0
120.5-134.5
120.5-134.5
100.76-121.85
115.86-131.5
119.5-134.0
期末値
122.50
123.0
125.0
126.0
126.5
127.0
127.5
127.5
127.5
119.78
125.0
127.5
127.5
レンジ
126.10-141.06
126.7-143.5
125.6-141.9
124.1-140.5
122.1-138.5
120.7-137.1
119.3-135.7
118.7-136.3
118.7-136.3
134.14-149.78
125.6-145.48
119.3-140.5
118.7-136.3
期末値
136.54
135.3
133.8
132.3
130.3
128.9
127.5
127.5
127.5
144.85
133.8
127.5
127.5
レンジ
1.052-1.147
1.040-1.171
1.010-1.140
0.985-1.115
0.965-1.095
0.950-1.080
0.935-1.065
0.930-1.070
0.930-1.070
1.210-1.399
1.010-1.211
0.935-1.115
0.930-1.070
期末値
1.115
1.100
1.070
1.050
1.030
1.015
1.000
1.000
1.000
1.210
1.070
1.000
1.000
出所:ブルームバーグより三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成。ユーロドルは小数点以下4桁を四捨五入。予想は弊社:最終変更日時は8月28日8:30
(8月28日 11:30)
Appendix A
アナリストによる証明
本レポート表紙に記載されたアナリストは、本レポートで述べられている内容(複数のアナリストが関与している場合は、それぞ
れのアナリストが本レポートにおいて分析している銘柄にかかる内容)が、分析対象銘柄の発行企業及びその証券に関するアナリ
スト個人の見解を正確に反映したものであることをここに証明いたします。また、当該アナリストは、過去・現在・将来にわたり、
本レポート内で特定の判断もしくは見解を表明する見返りとして、直接又は間接的に報酬を一切受領しておらず、受領する予定も
ないことをここに証明いたします。
開示事項
MUMSS は、MUMSS のリサーチ部門・他部門間の活動及び/又は情報の伝達、並びにリサーチレポート作成に関与する社員の通
信・個人証券口座を監視するための適切な基本方針と手順等、組織上・管理上の制度を整備しています。
MUMSS の方針では、アナリスト、アナリスト監督下の社員、及びそれらの家族は、当該アナリストの担当カバレッジに属するい
ずれの企業の証券を保有することも、当該企業の、取締役、執行役又は顧問等の任務を担うことも禁じられています。また、リサ
ーチレポート作成に関与し未公表レポートの公表日時・内容を知っている者は、当該リサーチレポートの受領対象者が当該リサー
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
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- 11 -
外貨投資の視点
チレポートの内容に基づいて行動を起こす合理的な機会を得るまで、当該リサーチに関連する金融商品(又は全金融商品)を個人
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「PRA」
)の認可及び Financial Conduct Authority(金融行動監視機構、以下
「FCA」)と PRA の規制を受けています(FS Registration Number 124512)。本レポートは、professional client(プロ投資家)又は eligible
counterparty(適格カウンターパーティー)向けに作成されたものであり、FCA 規則に定義された retail clients(リテール投資家)を
対象としたものではありませんので、誤解を回避するため、同定義に該当する顧客に交付されてはならないものです。MUSI は、本レ
ポートを英国以外の欧州連合加盟国においても professional investors(若しくはこれと同等の投資家)に配布する場合があります。
本資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではなく、利用に際し
てはお客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
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外貨投資の視点
本レポートは、MUSI の組織上・管理上の利益相反管理制度に基づいて作成されています。同制度には投資リサーチに関わる利益相反
を回避する目的で、情報の遮断や個人的な取引・勧誘の制限等のガイドラインが含まれています。本レポートはルクセンブルク向け
に配布することを意図したものではありません。
米国: 本レポートが米国において配布される場合、本レポートは MUFG のグループ会社である Mitsubishi UFJ Securities (USA), Inc.
(以下「MUS-USA」。電話番号:+1-212-405-7000) により配布されます。MUS-USA は、United States Securities and Exchange
Commission(米国証券取引委員会)に登録された broker-dealer(ブローカー・ディーラー)であり、Financial Industry Regulatory
Authority(金融取引業規制機構、
「FINRA」)による規制を受けています(SEC# 8-43026; CRD# 19685)。本レポートが MUS-USA の
米国外の関連会社等により米国内へ配布される場合、本レポートの配布対象者は、1934 年米国証券取引所法の規則 15a-6 に基づく
major U.S. institutional investors(主要米国機関投資家)に限定されております。MUS-USA 及びその関連会社等は本レポートに言及
されている証券の引受業務を行っている場合があります。本レポートは証券の売買及びその他金融商品への投資等の勧誘を目的とし
たものではありません。また、いかなる投資・取引についてもいかなる約束をもするものでもありません。FLOES は MUS-USA の登
録商標です。
IRS Circular 230 Disclosure(米国内国歳入庁 回示 230 に基づく開示)
:MUS-USA は税金に関するアドバイスの提供は行っておりま
せん。本レポート内(添付文書を含む)の税金に関する記述は MUS-USA 及び関連会社以外の個人・法人が本レポートにおいて研究
する事項に関する勧誘・推奨を行う目的、又は米国納税義務違反による処罰を回避する目的で使用することを意図したものではなく、
これらを目的とした使用を認めておりません。
日本: 本レポートが日本において配布される場合、その配布は MUFG のグループ会社であり、金融庁に登録された金融商品取引業者
である MUMSS(電話番号:03-6742-6750)が行います。
シンガポール: 本レポートがシンガポールにおいて配布される場合、本レポートは MUFG のグループ会社である Mitsubishi UFJ
Securities (Singapore), Limited (以下「MUS-SPR」。電話番号:+65-6232-7784)とのアレンジに基づき配布されます。MUS-SPR はシ
ンガポール政府の承認を受けた merchant bank であり、Monetary Authority of Singapore(シンガポール金融管理局)の規制を受けて
います。本レポートの配布対象者は、Financial Advisers Regulation の Regulation 2 に規定される institutional investors、 accredited
investors、 expert investors に限定されます。本レポートは、これらの投資家のみによる使用を目的としており、それ以外の者に対
して配布、転送、交付、頒布されてはなりません。本レポートが accredited investors 及び expert investors に配布される場合、
MUS-SPR は Financial Advisers Act の次の事項を含む一定の事項の遵守義務を免除されます。第 25 条:一定の投資商品に関してファ
イナンシャル・アドバイザーが全ての重要情報を開示する義務、第 27 条:ファイナンシャル・アドバイザーが合理的な根拠に基づい
て投資の推奨を行う義務、第 36 条:ファイナンシャル・アドバイザーが投資の推奨を行う証券に対して保有する権利等について開示
する義務。本レポートを受領されたお客様で、本レポートから又は本レポートに関連して生じた問題にお気づきの方は、MUS-SPR
にご連絡ください。
香港: 本レポートが香港において配布される場合、本レポートは MUFG のグループ会社である Mitsubishi UFJ Securities (HK) Limited
(以下「MUS-HK」。電話番号:+852-2860-1500)により配布されます。MUS-HK は Hong Kong Securities and Futures Ordinance に
基づいた認可、及び Securities and Futures Commission(香港証券先物取引委員会;Central Entity Number AAA889)の規制を受けて
います。本レポートは Securities and Futures Ordinance により定義される professional investor を配布対象として作成されたもので
あり、この定義に該当しない顧客に配布されてはならないものです。
その他の地域: 本レポートがオーストラリアにおいて配布される場合、MUS-HK 又は MUS-SPR により配布されています。MUS-HK
は Australian Securities and Investment Commission (ASIC) Class Order Exemption CO 03/1103 に基づき、Corporations Act 2001 が
定める金融サービスの提供者によるオーストラリア金融業免許の保有義務を免除されています。MUS-SPR は ASIC Class Order
Exemption CO 03/1102 により同様に義務を免除されています。本レポートはオーストラリアの Corporations Act 2001 に定義される
wholesale client のみを配布対象としております。本レポートがカナダにおいて配布される場合、本レポートは MUSI 又は MUS-USA
により配布されます。MUSI および MUS-USA は international dealer exemption の措置により次の各州において金融取引業者としての
登録を免除されています:アルバータ州、ケベック州、オンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州(MUSI のみ)。
本レポートはカナダにおける National Instrument 31-103 によって定義された permitted client のみを配布対象としております。
又は本レポートは、インドネシアにおいて複製・発行・配布されてはなりません。また中国(中華人民共和国「PRC」を意味し、PRC
の香港特別行政区・マカオ特別行政区、及び台湾を除く)において、複製・発行・配布されてはなりません(ただし、PRC の適用法
令に準拠する場合を除きます)
。
本レポートは、米国、日本やその他の証券規制法規により配付を制限されている投資家、および個人投資家を対象にしたものではあ
りません。
債券取引には別途手数料はかかりません。手数料相当額はお客様にご提示申し上げる価格に含まれております。
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本レポートは MUMSS の著作物であり、著作権法により保護されております。MUMSS の書面による事前の承諾なく、本レポートの
全部もしくは一部を変更、複製・再配布し、もしくは直接的又は間接的に第三者に交付することはできません。
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(商号)
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社
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(加入協会)日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品
取引業協会
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外貨投資の視点
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