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晴れたらいいね
「 福豆 歳の数を越え 晴れたらいいね 2014/2月号 北陸 の冬の郷土食、かぶらずし。 この時期、近所の種麹屋さんの 店先には、かぶらずし用の甘酒が並び、 お魚屋さんでも、さばやぶりのパックが 売り出されます。市内にいくつかある かぶらずし工場も、雪のシーズンは大繁盛。 かぶらずしは、お歳暮やお正月のおせち、 手土産としても定番で、年の暮れから 卒業式のシーズンまで、ひんぱんに 食卓に登場します。ごはんのお供に、 お弁当のおかずとして、気づけばほぼ毎日食べているんですよね。 挿絵:日本絵手紙協会 公認講師 二永由美子氏 (南砺市在住) 近ごろ は買ってくることの多いかぶらずしですが、もともとは家庭の味。輪切りにした かぶを塩漬けにし、切り目を入れ、富山は主にさば、石川ではぶりを挟み、麹(甘酒)と いっしょに漬けこみます。家庭によっては、にんじん、タカノツメ、柚子の皮を入れることも。 「これ、隣の奥さんが漬けたがいと」と、いただいたものを食べ比べもします。 「ここんちのは、あっさりしとんねぇ」「ここのは水気がよく切れてて、歯ごたえいいね」 と、なかなか舌が肥えている祖父母。かぶらずしの奥深さには、いつも驚かされます。 近ごろは、お酒に合うと、若い世代にも注目されているらしく、 飲み会好きの友人が「かぶらずしって、ブルーチーズに合うがいぜ」とニッコリ。 素朴ながら濃厚な味わいは、郷土の和食としても可能性を秘めているようです。 学生 時代、年末に実家へ里帰りしたら、食卓には必ずかぶらずしが並んでいました。 あたりまえだと思っていた味に、しみじみとありがたみを感じたものです。 故郷に人を惹きつけるのは、迎えてくれる「人」と「味」なんだと、 かぶらずしは教えてくれたような気がします。 「 ↓来年の干支、午。 年の始めの風物詩、消防出初式。 寒風と雨模様の中、市内の消防団、 各消防署、婦人防火クラブなどによる 放水や分列行進が行われました。 この勇ましい裸放水は、 加賀百万石の火消し「加賀鳶」の 伝統が伝わったものだとか。 寒さで凍えるこの時期に、 火消しの心意気を表す熱い舞台を しっかりと魅せていただきました。 毎年1月初旬に行われる、南砺市の消防出初式。 昨年の出初式は、降り積もった雪がカチカチに凍って地面はツルツル。 今回、消防車両で注目を浴びたのは、 今年は足元に雪はないものの、冷たい風が吹き、朝から小雨が降り続いています。 明治時代に井波の消防組が導入した蒸気ポンプの車両。 ダウンコートを羽織って、長靴を履き、防寒対策をして会場の福光庁舎へ向かいます。 薪を焚いて使用する仕組みで、 南相馬こどものつばさ ↑裸放水の若衆たちは、 このあと近所の銭湯へ。 おつかれさまです! 放水後には水で冷却されていました。 赤いランプが点滅する消防車、消防団の人々、 シュウシュウと大きな音を立てるこの蒸気ポンプ、 大勢の見物人が集まった会場は、 1908年に実際に使われたこともあったとか。 物々しい様子というより、 最近、井波地区の分団長さんが倉庫で発見し、 どこか“団結”を感じさせる雰囲気。 手入れをして披露されたそうです。 「あけましておめでとう!」と、声を掛けられて 100年以上も前の車両が、 振り向くと、庁舎に勤める知人の姿が。 今も使われるなんて驚きですね。 いろんな方とお会いして、年始のご挨拶が ↑小矢部川から大量の水をくみ上げます。 できるのも、出初式の楽しみなんですよね。 ←↑明治時代の蒸気ポンプ。 威力は今のポンプに 匹敵するとか。 開催挨拶ののち、掲げられた巨大なくす玉が割れると、 � 消 防 出 初 式 � 裸 放 水 � 庁舎正面口の左右の消防車から、空に向かって一斉に放水! 小矢部川や用水から汲まれた水は、豪快な水しぶきをあげて一帯を包み込みます。 もはや雨なのか放水なのか判別はつかず、長靴の足元にもザーザーと水が流れてきます。 ←↑旧8町村の地区すべてが 集まる消防団の大行進。 川沿いに並ぶ消防車は圧巻。 新聞や地元テレビ局の取材班は、雨ガッパを着用し、カメラにはビニール袋をかけて撮影。 さすが皆さん、慣れていらっしゃいますね……。 勢いのよい水音とともに、民謡のような 放水が終わったあとは、場所を福光大橋に移して大行進。 軽快な音楽が流れる中、放水はいよいよ見せ場へ。 消防団の音楽隊の演奏に合わせ、旗を掲げた団員、 白いねじり鉢巻きを締め、まわし姿の男衆が現れ、 消防車が長い行列を作ります。まち中に響く、 水しぶきの中へ突入します。 消防車のサイレンの音。まるで、わたしたちの生活を 男衆は、各方面団から選抜された精鋭揃い。 見守っているよ、と知らせてくれているようです。 それぞれ地名が書かれた纏(まとい)をふりかざし、 消防に関わる人々に頼もしさを感じるとともに、 会場は一気に盛り上がります。 みんな「おかげさま」で暮らしていることを、 ↑水流はどんどん強くなり、 やがて辺りに霧がかかったように。 思い出させてくれた今年の出初式でした。 ↑式典では、消防活動に功績が あった団員が表彰されていました。 ❖❈ 南砺においで ん け ぇ 南砺利賀そば祭り 日時:2月7日(金)~2月9日(日) 場所:利賀国際キャンプ場周辺 南砺市利賀村上百瀬 TEL:(0763) 68-2111〈利賀行政センター〉 2月 イベント情報 手作りの雪像が入口で出迎えてくれる、南砺利賀そば祭り。雪のすべり台やかまくら、大小の雪像、 伝統行事の「丑曳き」、スノーウェディングや雪空の花火ショーなど、冬ならではのイベント。 雪景色を眺めながら、特産の手打ちそばや五平餅、岩魚の塩焼きなど、心も体も温まるグルメも楽し めます。温かい恰好をして、安全運転でお越しくださいね。 *会場設営協力金〈入場料〉 300円(高校生以上)が必要です* 四季に舞う こきりこ踊り 日時:2月15日(土)、16日(日) 14:00~ 場所:こきりこ館 南砺市上梨 TEL:(0763) 66-2468〈五箇山観光案内所〉 北陸新幹線の開業を間近に控え、民謡の里・五箇山 では、定めた日程 (土曜日など) で五箇山民謡の 定期公演が行われます。哀愁を帯びた調べと優雅でキレのある舞いを、ぜひ見に来てくださいね。 *今後の日時など、詳しくは五箇山総合案内所〈0763-66-2468〉までお問い合わせください。(観覧料:500円) 『人と人、人と自然のきづなを結ぶ』をモットーに 富山県産米100%で作った、 富山県産米100% で作った、 焼きたてのかきやま(米菓)を工場直送でお届けします。 日の出屋製菓産業(株) ささら屋 〒939-1693 富山県南砺市田中411 TEL 0763-52-5705 FAX 0763-52-6490