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晴れたらいいね
涼風運ぶ 夕暮れの蝉 晴れたらいいね 2012/8月号 「 素麺 茹で上がったさかい、 お皿並べてま」 台所の流し台で冷水にさらされる 真っ白な素麺。我が家の食卓では、 これにもうひと手間。 つま 人差し指と中指で素麺をひと摘みすくい、 くるりと指にまきつけます。 するとちょうど一口分の素麺玉になり、 大鉢に盛っても麺がからまず スムーズに手元へ運ぶことができるのです。 挿絵:日本絵手紙協会 公認講師 二永由美子氏 (南砺市在住) 薬味は刻んだネギ、みょうが。たまに色鮮やかなシソやオクラ。 白い磁器のそば猪口に、自家製のめんつゆを入れて、つるつると何杯もいただきます。 素麺といえば、夏に祖母がよく作るのが、ナス入りの素麺。独特のとろみがあり、 ナスの色素で麺がほんのりよもぎ色に。実はこの味、子どもの頃から少し苦手で……。 そのうち、美味しさが分かるようになるのでしょうか? また、地元定番の夏の食卓で、よく珍しがられるのが「ドジョウの蒲焼き」。 ドジョウを開いて串刺しにし、甘辛いタレをからめて 炭火でカリッと焼いた蒲焼きは、滋養たっぷりです。 けれど子どもの頃は、付属の蒲焼きのタレのほうが好きで、 よくタレだけをごはんにかけて食べていました。 あの時は、夏のごちそうを逃して勿体なかったなぁと思います。 祖母の畑で採れたナス、トマト、キュウリなど、体を冷やしてくれる夏野菜。 食後には、水分たっぷりの熟れた真っ赤なスイカ。 季節の食材は自然の理に適っていて、本当にありがたいと感じます。 お寺の宝物などの虫干しを兼ねて、 江戸時代中期に始まったといわれる 井波別院 瑞泉寺の太子伝会。 夏を彩る風物詩として、 毎年多くの参拝者が訪れています。 (1) 300年の歴史を刻む 祈りと暮らしの伝統行事 ― 井波別院 瑞泉寺 太子伝会 ― (リード)111~131字96字 せみ 掛け軸に描かれた絵をもとに、 聖徳太子の一生を期間中の 9日間をかけて語る催しです。 全て聴くときは、毎日通うことに なるのですが、聴講者の中には、 常連さんらしき方の姿も……。 ↑五色幕のかけられた太子堂と渡り廊下。 お寺の宝物などの虫干しを兼ねて、 蝉の鳴き声が響く、7月下旬の蒸し暑い日。 その後はいよいよお待ちかね、 江戸時代中期に始まったといわれる 道沿いに白い提灯が揺れる井波の八日町通り。 南相馬こどものつばさ のご開扉。 ご本尊であるお太子さん(聖徳太子二歳像) 井波別院 瑞泉寺の太子伝会。 ゆるやかな石畳の坂道を上り、 色白のお姿をじっくり拝見できるかと思いきや……。 夏を彩る風物詩として、 太子伝会が行われている、 幕が上がったのは、ほんの数秒! 毎年多くの参拝者が訪れています。 井波別院瑞泉寺へ。 お太子さんはシャイな方なのか、 人々が絶えず行き交い、 あっという間に姿を隠されてしまいました。 通りが華やぎます。 「いいがに見れたわ、ありがたいじゃあ」 ↑「絵解き」の様子。 お坊さんの後方には、お太子さんが 控えていらっしゃいます。 「あらぁ、私は目ぇつぶってしもうたわ~」 (本文)738~857、936字、886字、1024字 蝉の鳴き声が響く、7月下旬の蒸し暑い日。 本願寺5代目の綽如上人によって 道沿いに白い提灯が揺れる井波の八日町通り。 1390年に開かれたといわれる瑞泉寺。 ゆるやかな石畳の坂道を上り、 北陸の浄土真宗信仰の中心として 太子伝会が行われている、井波別院瑞泉寺へ。 大きな勢力を持ち、 食堂では、名物「さばずし」 人々が絶えず行き交い、町がほのかに華やぎます。 一向一揆の拠点にもなりました。 (食事) 入りのお斎 も。 山門や太子堂には、精巧な木彫り装飾が施され、 井波のさばずしは、お酒や山椒の 井波彫刻発祥の地ともいわれています。 風味が効いた、個性的な味わい。 龍の彫刻が出迎えてくれる山門をくぐり、 近所に酒蔵があるからでしょうか、 5色の旗がはためく境内を抜けて、正面の本堂へ。 日本酒の肴としても人気の一品です。 本願寺5代目の綽如上人によって1390年に開かれたといわれる瑞泉寺。 北陸の浄土真宗信仰の中心として大きな勢力を持ち、 一向一揆の拠点にもなりました。 山門や太子堂には、精巧な木彫り装飾が施され、 井波彫刻発祥の地ともいわれています。 龍の彫刻が出迎えてくれる山門をくぐり、 5色の旗がはためく境内を抜けて、正面の本堂へ。 本堂の階段を上がると、境内の縁側でうちわを片手に涼む人々の姿が。 時々、八乙女山の方向から風が吹き、むし暑さを和らげてくれるよう。 扇風機やクーラーのない時代は、こうして夏を過ごしたのでしょうか。 本堂から回廊を通って太子堂へ入ると、 聖徳太子絵伝の「絵解き」が行われていました。 掛け軸に描かれた絵をもとに、聖徳太子の一生を 期間中の9日間をかけて語るイベントです。 全て聴くときは、毎日通うことになるのですが、 聴講者の中には、常連さんらしき方の姿も……。 その後はいよいよお待ちかね、ご本尊である お太子さん(聖徳太子二歳像)のご開扉。 色白のお姿をじっくり拝見できるかと思いきや……。 幕が上がったのは、ほんの数秒! お太子さんはシャイな方なのか、あっという間に姿を隠されてしまいました。 「ちょっこ見れたわ、ありがたいじゃあ」「私は目ぇつぶってしもうたわ~」 などと笑いあう、おばあさんたちの姿も。 そんなほのぼのとした光景に、こちらも自然と頬がゆるみます。 食堂では、名物「さばずし」入りのお斎(食事)も。 井波のさばずしは、お酒や山椒の風味が効いた、個性的な味わい。 近所に酒蔵があるからでしょうか、日本酒の肴としても人気の一品です。 「昔は1日かけて歩いて、お太子さんのお参りに行ったもんやよ」 と、隣町に住むおばあさんから聞いたことがあります。 お参りをして、絵解きに耳を傾け、宝物を見学し、お斎もいただいて……。 娯楽やお祭りの少なかった時代、太子伝会は 近隣の人々が集まる一大イベントだったのでしょうね。 祈りが日常にある暮らし―。 そんな自分たちのルーツを、垣間見たような気がした行事でした。 � 井 波 別 院 瑞 泉 寺 太 子 伝 会 � などと笑いあう、おばあさんたちの姿も。 ↑山門から本堂へ続く道。 2012年現在、本堂の屋根は修復中です。 この写真は2011年の様子。 そんなほのぼのとした光景に、こちらも自然と頬がゆるみます。 ↑クセになる味のさばずし。 本堂への階段を上がると、 ↑食後にくつろぐ人々。 境内の縁側でうちわを片手に ↑太子堂の方向から見た本堂。 人々が縁側に集まっています。 涼む人々の姿が。 「昔は1日かけて歩いて、お太子さんのお参りに行ったもんやよ」 時々、八乙女山の方向から風が吹き、 と、隣町に住むおばあさんから聞いたことがあります。 むし暑さを和らげてくれるよう。 お参りをして、絵解きに耳を傾け、宝物を見学し、お斎もいただいて……。 扇風機やクーラーのない時代は、 娯楽やイベントの少なかった時代、太子伝会は こうして夏を乗り切ったのでしょうね。 近隣の人々が集まる一大イベントだったのでしょうね。 本堂から回廊を通って太子堂へ入ると、 祈りが日常にある暮らし―。 聖徳太子絵伝の「絵解き」が行われていました。 そんな自分たちのルーツを、この一日を通して垣間見たような気がしました。 南砺市の夏を熱くする イベントが盛りだくさん! 夏の里山へぜひお越しください 南砺においで ん け ぇ 8月 イベント情報 スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド2012 日時:8月24日(金) ~26日(日) 場所:円形劇場ヘリオス、南砺市園芸植物園 TEL:0763-22-1125(スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド実行委員会) 今年で22年目を迎える、異文化交流とワールド ミュージックの祭典。世界から集まったアーティスト によるステージやパレード、ワークショップ、フード やアートのマーケットなど、世界の音楽や文化に触れ ることができますよ。 SCOT Summer Season 2012 鈴木忠志の世界 日時:8月24日(金) ~26日(日)、8月31日(金) ~9月2日(日) 場所:利賀芸術公園 TEL:0763-68-2028(利賀芸術公園) 1982年に開催以来、毎年多くの演劇ファンが訪れる劇団SCOT (Suzuki Company of Toga)公演。世界的な演出家・鈴木忠志 氏が利賀の自然を借景に、ここでしか見られない芸術空間を作 り上げます。劇中、夜空を彩る花火も迫力満点! 『人と人、人と自然のきづなを結ぶ』をモットーに 富山県産米100%で作った、 富山県産米100% で作った、 焼きたてのかきやま(米菓)を工場直送でお届けします。 日の出屋製菓産業(株) ささら屋 〒939-1693 富山県南砺市田中411 TEL 0763-52-5705 FAX 0763-52-6490